JP2576916B2 - ペアクロス圧延機における厚板圧延方法 - Google Patents

ペアクロス圧延機における厚板圧延方法

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JP2576916B2 JP3050188A JP5018891A JP2576916B2 JP 2576916 B2 JP2576916 B2 JP 2576916B2 JP 3050188 A JP3050188 A JP 3050188A JP 5018891 A JP5018891 A JP 5018891A JP 2576916 B2 JP2576916 B2 JP 2576916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上、下ロールをペアで
クロスさせて圧延を行うペアクロス圧延機であって、そ
のパス回数が最小となる高能率圧延を実現し、かつ圧延
形状を最適なパススケジュールにするための厚板圧延方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の圧延機(可逆圧延機)におけるパ
ススケジュールの決定方法として、例えば、特開昭62
−259605に示されるように、圧延形状の平坦化を
目的として各パス毎の板クラウン(=板幅方向のセンタ
ー部の厚さ又はロール間隔−エッジ部の厚み又はロール
間隔)の変化を制御するために最大設備許容能力以下の
圧延荷重に制約した条件のもとで圧下スケジュールを決
定する方法がある。この場合、板厚の厚い方から薄い方
に向かって圧延荷重を計算し、板厚を越えた時点で計算
を終了し、ここで一旦パス回数を固定したうえで振り分
ける方法がとられている。
【0003】また、高能率で圧延させるために、形状影
響の小さい上流パスで全負荷で圧延し、板クラウンの変
化が形状に敏感に下流パスでのみ負荷を抑えてパススケ
ジュールを決定する方法が特公昭63−123に提案さ
れている。一方、ホットストリップミルにおけるペアク
ロス圧延機の場合においては、ドラフトスケジュールを
予め決定した後、形状を満足させるようにロール交叉角
のスケジュールを決定する方法が提案されている(日本
鉄鋼協会、第120回講演大会、CAMP−ISIJ
vol3,1990年、1383頁)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
にあっては、圧延材の形状平坦化を図るためには、各パ
ス毎の板クラウンの変化を一定範囲内に抑える必要(す
なわち、中央部がタル型に膨出するのを抑制する必要)
から、メカニカルクラウンの支配要素である圧延荷重が
制約され、設備許容能力よりはるかに小さい負荷で圧延
しなければならず、結果としてパス数が多く圧延能率が
下がるという問題点があった。また、高能率で圧延させ
るために、形状影響の小さい上流パスにおいては全負荷
で圧延し、板クラウンの変化が形状に敏感な下流パスで
のみ負荷を抑えてパススケジュールを決定することが考
えられるが、下流パス回数分の軽圧下は解消されず、さ
らに全負荷のパスと形状を優先させる下位パスでの圧延
荷重変化が大きく、この圧延荷重変化を経験的に平滑化
させたパスで途中パスをつなぐため、形状の良好な圧延
材が得られるとは限らなかった。一方、ホットストリッ
プミルにおけるペアクロス圧延機の場合においては、ス
タンド数から基本的にパス回数が不変であり、そのため
ドラフトスケジュールをあらかじめ決定した後、形状を
満足させるようにロール交叉角のスケジュールを決定す
るもので、パス回数を可変とする厚板圧延のパススケジ
ュールの決定方法としては適用ではなかった。本発明の
目的は、上記従来技術の実情に鑑みてなされたもので、
ペアクロス圧延機によって板材を圧延するに際し、全パ
スにわたって圧延設備本来の能力を最大限に活用し、パ
ス回数が最小となる高能率圧延を実現させ、かつ圧延形
状を最適とするペアクロス圧延機における厚板圧延方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、各々が1組のバックアップロール及びワ
ークロールからなる上側ロールと下側ロールを被圧延材
に対して平行な面内で相対的に交差させたペアクロス圧
延機において、各パスにおける形状からメカニカルクラ
ウン許容範囲を算出し、この算出値に基づいて形状を満
足する最短パス回数の圧下量及び交叉角のスケジュール
を積上計算により許容最大圧延荷重になるように決定す
るようにしている。
【0006】
【作用】上記した手段によれば、全パスとも形状制御能
力に応じて各パス毎に圧延材の形状、クラウンと圧下量
(負荷)スケジュールが同時に決定され、パス毎の最適
値で積上計算を行って形状を満足する最短パス回数の圧
下量及び交叉角のスケジュールが算出される。これによ
り、全パスにおいて形状が満足され、かつ圧延設備能力
の最大値により圧延可能なスケジュールが決定される。
また、形状制御能力に応じて自動的にパス回数が調整さ
れるため、可逆圧延機におけるパス回数可変能力が十分
に発揮される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明による厚板圧延方法を実
現する処理の概要を示すフローチャート、図2及び図3
は図1の処理の詳細を示すフローチャート、図4は図1
の処理を実現するための制御系の構成例を示すブロック
図である。まず、図4の構成について説明する。ここで
は、ビジネスコンピュータ2をホストコンピュータとす
るプロセスコンピュータ1の詳細について示している。
プロセスコンピュータ1は、ビジネスコンピュータ2の
支援を受けて予め圧延開始前に各パス毎の板厚やクロス
角度などのスケジュールを計算して仕上圧延パス全体の
工程処理内容を決定する仕上パススケジュール計算部1
1、ロールプロフィールを推定するための計算を行うロ
ールプロフィール推定計算部12、仕上パススケジュー
ル計算部11によって得られたスケジュールを各パス毎
に実際に板を圧延しながら後記する仕上プラントコント
ローラ4へ設定値を伝送すると共に各パス間で実績の情
報を次パスにフィードフォワードさせる学習計算をリア
ルタイムに実施して更に正確な次パス設定を行うための
修正計算を実行する仕上適応制御計算部13、圧延後の
被加工材5の板厚を検出するγ線板厚計2の板厚実測値
及び仕上適応制御計算部13による実績計算値に基づい
て予測値の誤差を計算し次パス以降の予測計算に対して
修正を加えて前記パススケジュール計算及び適応制御計
算に反映させることにより制御精度を向上させる役割を
果たす仕上学習計算部14の各々から構成されている。
仕上適応制御計算部13には、圧延中に次パスの設定値
(ロールギャップ設定値、ロールクロス角など)を受信
し、その値をもとに実際に仕上圧延機3を駆動するため
の仕上プラントコントローラ(仕上DDC)4が接続さ
れており、仕上適応制御計算部13から与えられる圧下
値設定値、クロス角設定値、ベンダー圧設定値、目標値
クラウン設定値、及びクラウン制御用係数の各々に従っ
てペアクロス圧延機3の圧下制御を行う。
【0008】図5及び図6は仕上圧延機3の詳細を示す
平面図及び側面図である。図5に示すように、被加工材
5を上下から挟持可能にして一対の上ワークロール6
a、下ワークロール6bがクロスして配設されている。
被加工材5の進行方向に直交する線上に対し、各ロール
は水平方向に角度θをもって配設されている。上ワーク
ロール6aには、その上側に平行にして上バックアップ
ロール7aが配設され、下ワークロール6bの下側には
この下ワークロール6bに平行に下バックアップロール
7bが配設されている。なお、図中、bは被圧延材料の
幅、Dw はワークロール直径、θは1/2のロール交叉
角、Sc は板センター部のロール間隔、Se は板エッジ
部でのロール間隔を各々示している。図5及び図6から
明らかなように、板センター部のロール間隔Sc に対
し、板エッジ部でのロール間隔Se はロール交叉角が大
きくなるほど広くなり、このロール交叉角が大きくなる
ほどクラウン率が大きくなる。しかし、前記したよう
に、被圧延材の形状平坦化を図るためには、各パス毎の
板クラウン変化を一定範囲内に抑える必要があり、一度
に大きなロール交叉角を取ることはできない。更に、図
4に示すように、上ワークロール6aの圧下荷重を検出
するためにロードセル8が設けられ、さらに、圧延後の
被加工材5の表面温度を検出するために、温度計9が設
けられている。
【0009】次に、図4の構成に示した制御系の動作に
ついて図2及び図3のフローチャートを参照して説明す
る。なお、図中のSはステップを意味している。本発明
によるパススケジュールの決定方法では、まず狙いとす
る最終パス出側板厚、板クラウン量を設定する(S2
1)。ついで、最終パスの仕上がり温度ならびに仕上が
り方向を簡易的に仮定(S22,23)した上で、以下
の計算によって、粗圧延から送られてくる被圧延材の板
厚寸法(移送厚=仕上圧延開始板厚)を超えるまで、下
流パスより上流パスに向かって積み上げ計算することに
より、圧下量とロール交叉角度を各パス毎に同時に決定
していく。例えば、粗圧延から送られてくる被圧延材の
板厚寸法(移送厚=仕上圧延開始板厚)が50mm、最
終パス出側板厚が10mm、各パスの圧下量が下流パス
より上流パスに向かって、2mm,2.5mm,3m
m,・・・であるならば、各パスの入側板厚は12m
m,14.5mm,17.5mm,・・・のように設定
され、最終的に入側板厚が50mmを超えたパスで繰り
返し計算を終了する。すなわち、まず、当パスがデスケ
ーリング実行パスであるか否かの判定(S24)を行
い、その上で当パスの入側(噛込側)の温度と圧延予定
速度を仮定する(S25,26)。ここで、圧延材の板
幅と出側板厚から、当パスの許容急峻度の上下限範囲と
狙い値(それぞれλmax,λmin,λaimと記す)を与え
る。このλaimは原則的に0であり、またλmax,λmin
値は、各圧延材サイズによる形状許容範囲を表すパラメ
ータであり、操業状況に応じて経験的に定められる。こ
のλ値を用いて、 Δε=(π/2)2・λ2 …(1) より、許容伸び歪差、狙い伸び歪差を計算し、さらに、 Cin/hin=Cout/hout−Δε/ξ+α …(2) により、Δεのmax(最大値)、min(最小値)、
aim(狙い値)を与えて、入側の板クラウン比率の許
容範囲と狙い値を計算する(S27)。 但し、Cin :入側板クラウン hin :入側板厚 Cout :出側板クラウン hout :出側板厚 Δε :伸び歪差 ξ :形状敏感性を表す値(形状変化数) α :形状変化補正数 である。ここで、(Cin/hin)のmax,min,a
imから、次式により当パスでの形状から制約されるメ
カニカルクラウンMCKの許容範囲と狙い値を計算する
(S28)。 MCK=1/(1−η) ・{Cout−η・hout・(Cin/hin)} …(3) (但し、ηはクラウン遺伝係数である)
【0010】一方、圧延負荷および設備許容能力からの
メカニカルクラウンMChは、圧延荷重P、ロールベン
ディング荷重Fおよびロール交叉角、ロールプロフィー
ルによって次式により推定計算ができる。 MCh=c1・P+c2・F+E+c3 …(4) ここで、P:圧延荷重 F:ロールベンディング荷重 E:ロール交叉角により形成されるメカニカルクラウン
量 c1:圧延荷重によるメカニカルクラウン影響係数 c2:ベンディング荷重によるメカニカルクラウン影響
係数 c3:ローカルプロフィールにより形成されるメカニカ
ルクラウン量 である。なお、ロールベンディング制御装置がない場合
には、(4)式の第2項を省略、またロールクロス装置
がない場合には、(4)式の第3項を省略すれば、設備
負荷からのメカニカルクラウンMChを計算することが
できる。(4)式において最大圧延荷重Pmax、最小交
叉角2θminのときMChが最大となり、逆に、最小圧
延荷重Pmin、最大交叉角2θmaxのときMChが最小と
して設備負荷からのメカニカルクラウン許容範囲を決定
できる(S29)。(3)式による形状からのメカニカ
ルクラウン許容範囲と(4)式による設備負荷からのメ
カニカルクラウン許容範囲との両方を満たす範囲が、当
パスにおける真のメカニカルクラウン許容範囲として決
定される。さらに、この範囲内にMCKaimが存在する
ように修正して、真のメカニカルクラウン狙い値MC
aimを決定する(S30)。MCK aim :目標メカニカルクラウン MCK max :(3)式による形状からのメカニカルクラ
ウン許容最大値 MCK min :(3)式による形状からのメカニカルクラ
ウン許容最小値 MCh max :(4)式による設備負荷からのメカニカル
クラウン許容最大値 MCh min :(4)式による設備負荷からのメカニカル
クラウン許容最小値 MC max :(3)式による形状からの制約及び(4)
式による設備負荷から の制約の両方を満たすメカニカルクラウン許容最大値 MC min :(3)式による形状からの制約及び(4)
式による設備負荷から の制約の両方を満たすメカニカル
クラウン許容最小値 とする。このとき、MC max 及びMC min は、 MC max =MIN(MCK max ,MCh max MC min =MAX(MCK min ,MCh min により決定される。 さらに、以下のように整合性のチェ
ックを行う。 MCK max <MCh min ならば MC max =MC min =M
Ch min とする。 MCK min >MCh max ならば MC max =MC min =M
Ch max とする。 この後、MC max とMC min の範囲内に存在するようにM
CK aim を修正する。 MC min ≦MCK aim ≦MC max ならば MCK aim は変
更しない。 MC max <MCK aim ならば MCK aim =MC max MCK aim <MC min ならば MCK aim =MC min また、既に決定した前のパスの決定値を修正することは
一般にはない。
【0011】つづいて、MCaimを達成することを前提
として、圧下率r、ロール交叉角2θ、及びベンディン
グ荷重Fの最適な組み合わせを同時に決定する(S3
1)。この決定方法は、例えば以下のような方法を用い
る。 設備上の荷重制約から圧下率の許容範囲(rmax,
rmin)を決定。 目標メカニカルクラウン(MCK aim )を達成する前
提で、ベンディング荷重Fを一定値として、 rmax(荷重最大)の場合のロール交叉角 θ1 rmin(荷重最小)の場合のロール交叉角 θ2 を以下に記載の式を用いて、それぞれ決定。 目標メカニカルクラウン(MCK aim )を達成する前
提で、ベンディング荷重Fを一定値として、 θ max (ロール交叉角最大)の場合の圧下率 r1 θ min (ロール交叉角最小)の場合の圧下率 r2 を以下に記載の式を用いて、それぞれ決定。 真のロール交叉角許容範囲(θR min ,θR max )及び
圧下率許容範囲(rR min ,rR max )を決定。 θR min =MAX(θ min ,θ2) θR max =MIN(θ max ,θ1) rR min =MAX(rmin,r2) rR max =MIN(rmax,r1) 真のロール交叉角許容範囲(θR min ,θR max )かつ
真の圧下率許容範囲(rR min ,rR max )において圧下
率が最大となるように線形計画法を用いて、以下に記載
の式により圧下率及びロール交叉角を決定する(ロール
ベンディング力は一定値)。 この段階で最初の狙い厚値
(ここでは、10mm)に対する各値が決定される。す
なわち、 P=fp(r) E=fe(2θ) とすると、(4)式から、 MCaim=c1・fp(r)+c2・F+fe(2θ)+c3 であるから、 r=fr(MCaim,2θ,F) …(5) として表現でき、MCaim一定条件で、圧下率rは2
θ、ベンディング荷重Fにより探索決定できる。(5)
式において、一般的には高能率圧延を操業上指向するた
め、圧下率rが最大となるように2θ、ベンディング荷
重Fを決定する。また、評価関数等を用いてその他の操
業条件を反映させ、最適となる組合せを線形計画法等で
求めることも可能である。当パス圧下率rを決定したの
ち、入側板厚を算出し、ロールバイト内温度変化を含め
て当パス出側の温度降下量を推定計算して(S32)、
噛込時の板温度を再計算する。ついで、その温度を用い
て、より正確な圧延荷重及び、圧延トルクを算出し(S
33,34)、負荷をチェック(S35)後、次の上流
パスにおける温度、荷重、クラウンの計算を繰り返し行
う(S36,37,38,40)。上記の各パス毎の計
算を下流パスから上流パスに向かって積み上げ計算する
ことで、順次パススケジュールが決定され、最終的にパ
ス入側厚みが圧延開始時の予定厚みを越えたパスで繰り
返し計算を終了する。このパススケジュール作成時にお
いて、圧延開始時の予定厚みが変更できない場合には、
必要に応じて負荷配分修正計算を行ない、板厚スケジュ
ールを修正した上で、計算を終了し、全パススケジュー
ルを決定する。なお、図1に記載の計算方法に関して、
S22,S25,S32,S36,S40が示す温度計
算については、例えば「板圧延の理論と実際」(日本鉄
鋼協会圧延理論部会編)の第146頁〜第149頁に記
載された計算方法を、S33が示す圧延荷重計算及びS
34が示す圧延トルク計算については、例えば「板圧延
の理論と実際」(日本鉄鋼協会圧延理論部会編)の第3
6頁〜第38頁に記載された計算方法を用いる。 その他
については
【0009】〜
【0014】欄に記載した方法に従う。
【0012】次に本発明の前記の手順に従って、圧延材
のパススケジュールを決定した実施例を示す。 (実施例1)以下の前提条件で圧延材のパススケジュー
ルを計算した。 最終狙い厚:6.0mm 最終パス出側板クラウン量:0.02mm 板 幅:3500mm 最終パスの仕上温度:750℃ 後面方向仕上 デスケーリング実行パス:初期パスより1パス目、3パ
ス目 最大クロス角:0.585° この前提条件は、実際のオンラインでのプロセスコンピ
ュータによる計算では、上位のビジネスコンピュータ2
から圧延材料情報として伝送されるか、或いは操業条件
に応じてパターン化された情報として与えられる。つい
で、以下の計算によって順次、下流パスより上流パスに
向かって圧下スケジュールとロール交叉角のスケジュー
ルを各パス毎に同時に決定した。ここでは、最終1パス
分(計算スタートパス)の計算課程を数値例で示す。 [入側(噛込側)の温度の仮定]温度降下量を30℃と
仮定し、入側噛込仮定温度を780℃とする。 [圧延予定速度の仮定]圧延材の板幅と出側板圧厚か
ら、標準ミル速度として100rpmとする。 [許容急峻度の上下限範囲と狙い値]λmax =0.4%
λmin =−0.4% λaim =0とする。 (各圧延材サイズによる形状許容範囲を表すパラメータ
であり、テーブル値で操業状況に応じて経験者に定めら
れる。) [許容伸び歪差、狙い伸び歪差を計算] (1)式による Δε=(π/2)2 ・λ2 Δεmax =0.004% Δεmin =−0.004% Δεaim =0 [入側の板クラウン比率の許容範囲と狙い値を計算] (2)式により、Cin/hin=Cout /hout −Δε/
ξ+α α=0.15 ξ=0.61 Cout /hout =0.03% (Cin/hin)max=0.49% min=0.48% aim=0.48% [形状から制約されるメカニカルクラウンの許容範囲と
狙い値を計算] (3)式から、MCK=1/(1−η)・{Cout −η
/hout ・(Cin/hin)} η=0.702 MCKmax=0.00mm min=0.00mm aim=0.00mm [圧延負荷および設備許容能力からのメカニカルクラウ
ン許容範囲] Pmax =6500ton Pmin =2200ton θmax =0.585° θmin =0.000° F=130tonとして(4)式から、 MCh=c1・P+c2・F+E+c3 MChmax =0.72mm MCmin =0.66mm ここでは、ロールベンディング荷重をプリセットしない
前提で固定値とした。 [真のメカニカルクラウン許容範囲、狙い値MCaim
決定] MCmax =0.00mm MCmin =0.00mm MCaim =0.00mm [圧下率r、ロール交叉角2θ、ベンディング荷重Fの
探索決定](5)式において、高能率圧延を指向すべく
最大圧下率を探索すると、F固定の条件で、θ=θmax=
=0.585°のときになり、r=0.1597(=r
seek)が得られる。 [入側板厚を算出] hin=hOUt /(1−r)より、hin=7.14mm [パス出側の温度降下量を推定計算] 温度降下量=15℃ 噛込時の板温度=765℃ [圧延荷重及び、圧延トルクを算出] P=5420ton torqe=198ton.m で、いずれも設備能力範囲内。 [パス入側の温度降下量を推定計算] 温度降下量=21℃ 前パス出側時の板温度=786℃ 以上で1パス分の温度、荷重、クラウンの計算を終了す
る。上記の各パス毎の計算を下流パスから上流パスに向
かって積み上げ計算することで、順次パススケジュール
が決定され、最終的にパス入側厚みが圧延開始時の予定
厚みを越えたパスで繰り返し計算を終了する。本実施例
では圧延開始の予定厚みを50mmとして、全パス分のパ
ススケジュールを計算した。その結果を従来法と比較し
て示したのが図7、図8および図9である。いずれも、
ロールクロス機能による形状調整能力は同じであるが、
従来法でのパススケジュールでは、クロス、圧延荷重と
も設備最大能力とはならず、結果としてパス回数が増加
する問題があるのに対して、本発明では、許容最大を探
索してスケジュール計算を実施するため、形状を確保し
たまま最短のパス回数を達成できる。また、従来法と比
較して、全パス一貫の計算により、従来法における形状
調整の下流パスと全負荷の上流パスの圧延荷重が不連続
となる欠点が解消され、平滑な圧延荷重トレンドが得ら
れる。なお、従来においては、形状調整の為に、全パス
の内の終了側の数パスを形状調整パスとして確保する必
要があったが、本発明ではこれが不要になる。
【0013】(実施例2)以下の前提条件により圧延材
のパススケジュールを計算した。 最終狙い厚:20.0mm 最終パス出側板クラウン量:0.00mm 板 幅:3500mm 最終パスの仕上温度:850℃ (後面方向仕上) デスケーリング実行パス:初期パスより1パス目 最大クロス角:0.000°(クロス機能なし) 最大圧延荷重:4000ton 圧延開始時の予定厚み:85mm 本発明での全パス分のパススケジュールを計算した結果
が図10である。
【0014】(実施例3)以下の前提条件により圧延材
のパススケジュールを計算した。 最終狙い厚:45.0mm 最終パス出側板クラウン量:−0.20mm 板 幅:1500mm 最終パスの仕上温度:850℃ (後面方向仕上) デスケーリング実行パス:初期パスより1,3,5パス
目 最大クロス角:0.900℃ 最大圧延荷重:6000ton 最大トルク :420ton 圧延開始時の予定厚み:157mm 本発明での全パス分のパススケジュールを計算した結果
が図11である。
【0015】
【発明の効果】以上より明らかな如く、本発明によれ
ば、各々が1組のバックアップロール及びワークロール
からなる上側ロールと下側ロールを被圧延材に対して平
行な面内で相対的に交差させたペアクロス圧延機におい
て、各パスにおける形状からメカニカルクラウン許容範
囲を算出し、この算出値に基づいて形状を満足する最短
パス回数の圧下量及び交叉角のスケジュールを積上計算
により許容最大圧延荷重になるように決定するので、全
パスにおいて形状が満足され、かつ圧延設備能力の最大
値により圧延可能なスケジュールが決定される。また、
形状制御能力に応じて自動的にパス回数が調整されるた
め、可逆圧延機におけるパス回数可変能力が十分に発揮
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による厚板圧延方法を実現する処理の全
容を示すフローチャートである。
【図2】図1の処理の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図3】図2に続く処理の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図4】図1の処理を実現するための制御系の構成例を
示すブロック図である。
【図5】仕上圧延機の詳細を示す平面図である。
【図6】仕上圧延機の詳細を示す側面図である。
【図7】圧延開始の予定厚みを50mmとした本発明の全
パス分のパススケジュール計算結果を従来法と比較して
示した比較図である。
【図8】図7の結果をグラフで示したパス回数−圧延荷
重特性図である。
【図9】図7の結果をグラフで示した出側板厚−圧延荷
重特性図である。
【図10】本発明の実施例2に対応する全パス分のパス
スケジュールを計算した比較図である。
【図11】本発明の実施例3に対応する全パス分のパス
スケジュールを計算した比較図である。
【符号の説明】
1 プロセスコンピュータ 2 ビジネスコンピュータ 3 仕上圧延機 4 仕上プラントコントローラ 5 被加工材 6a 上ワークロール 6b 下ワークロール 7a 上バックアップロール 7b 下バックアップロール 8 ロードセル 9 温度計 11 仕上パススケジュール計算部 12 ロールプロフィール推定計算部 13 仕上適応制御計算部 14 仕上学習計算部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が1組のバックアップロール及びワ
    ークロールからなる上側ロールと下側ロールを被圧延材
    に対して平行な面内で相対的に交差させたペアクロス圧
    延機において、各パスにおける形状からメカニカルクラ
    ウン許容範囲を算出し、この算出値に基づいて形状を満
    足する最短パス回数の圧下量及び交叉角のスケジュール
    を積上計算により許容最大圧延荷重になるように決定す
    ることを特徴とするペアクロス圧延機における厚板圧延
    方法。
JP3050188A 1991-02-25 1991-02-25 ペアクロス圧延機における厚板圧延方法 Expired - Lifetime JP2576916B2 (ja)

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