JPH0670107B2 - プロピレン−ブロツク共重合体の製造法 - Google Patents

プロピレン−ブロツク共重合体の製造法

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JPH0670107B2
JPH0670107B2 JP60059139A JP5913985A JPH0670107B2 JP H0670107 B2 JPH0670107 B2 JP H0670107B2 JP 60059139 A JP60059139 A JP 60059139A JP 5913985 A JP5913985 A JP 5913985A JP H0670107 B2 JPH0670107 B2 JP H0670107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、高剛性かつ高衝撃強度で流動性の良いプロピ
レンブロック共重合体を、高活性でしかも低結晶性成分
の副生を減少させて提供する重合方法に関するものであ
る。
先行技術 結晶性ポリプロピレンは、剛性は、耐熱性に優れた特性
を有する反面、耐衝撃性、特に低温における耐攻撃強
度、が弱いという問題があった。
この点を改良する方法として、プロピレンとエチレまた
はその他のオレフィンを段階的に重合させてブロック共
重合体を生成させる方法はすでに公知である(特開昭43
-11230号、特公昭44-16668号、特公昭44-20621号、特公
昭49-24593号、特公昭49-30264号、特開昭48-25781号、
特開昭50-115296号、特開昭53-35789号、特開昭54-1100
72号各公報等)。
しかしながら、プロピレンとエチレとを二段もしくは多
段で重合させた場合は、耐衝撃性が改良される反面、生
成物は共重合部分を含むものとなるので、低結晶性の重
合体(みるべき用途がない)が大量に副生するという工
業的な問題を内包している。そこで、副生する低結晶性
成分を減少させるべく多くの試みがなされてきた。
一方、オレフィン立体規則性触媒として三塩化チタン型
触媒は周知のものであるが、これは活性が低くて生成ポ
リオレフィン中の含量が大きいので、その除去のための
工程(脱触工程)が必要である。
脱触工程が不要となるまでに活性を大きく向上させる方
法として、固体触媒成分にマグネシウム化合物を導入す
る効果があることが知られている(特公昭39-12105号、
特公昭47-41676号、及び特公昭47-46269号各公報等)。
しかし、これらの方法により、オレフィンの重合を行な
った場合は、活性は高いけれども副生する低結晶性成分
が多くて実用価値は低い。
そこで、低結晶性成分の副生を抑制するために、固体触
媒成分や重合第三成分として電子供与体を用いる方法が
提案された(特開昭47-9842号、特開昭50-126590号、特
開昭51-57789号公報等)。そして、これらの触媒系を用
いてプロピレンブロック共重合体を製造する手法につい
ても提案がなされている(特開昭52-98045号、特開昭53
-88049号各公報等)。しかし、これらの方法では、まだ
副生する低結晶性成分が多くて、実用上満足のいくもの
ではない。
したがって、これを改良するために重合第三成分として
Si−O−Cもしくは、Si−O−N結合を有する有機ケイ
素化合物を用いることが提案された(特開昭58-83016号
公報)。
しかしながら、この手法は、従来の三塩化チタン型触媒
の場合に比べてエチレン/プロピレンゴム部分もしくは
ポリエチレン部分の分子量が小さいので、次の問題点が
あると思われる。
(1)生成するゴムが重合体から抽出され易く副生低結
晶性成分となり、特にゴム部分が多い場合は生成重合体
にべたつきがあって、重合体が凝集、固着等を起こして
運転トラブルとなる。
(2)低温耐衝撃性の向上効果が少ない。
(3)ポリマー全体のMFRを保つには、必然的に結晶性
ポリプロピレン部分の分子量を大きくしなければなら
ず、このためにスパイラルフロー即ちポリマーの金型内
での流動性が悪化する。
発明の概要 要旨 本発明は上記の問題点に解決を与えることを目的とし、
特性組成の触媒を使用して特定のブロック重合を行なう
ことによってこの目的を達成しようとするものである。
従って、本発明によるプロピレン‐ブロック共重合体の
製造法は、下記触媒成分(A)〜(C)の組合せからな
る触媒の存在下に、下記重合工程(甲)および(乙)を
実施すること、を特徴とする、ものである。
触媒成分 (A)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分
とする固体組成物。
(B)有機アルミニウム化合物。
(C)立体障害アミン化合物。
重合工程 下記の工程(甲)および(乙)からなり、全エチレン含
量が3〜50重量%であるブロック共重合体を製造する工
程。
(甲)プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物を
一段もしくは多段に重合させて、プロピレン単独重合体
またはエチレン含量7重量%以下のプロピレン・エチレ
ン共重合体を全重合量の60〜95重量%に相当する量形成
させる工程。
(乙)プロピレン/エチレン混合物を、一段もしくは多
段に重合させてエチレン含量75〜95重量%のプロピレン
・エチレン共重合体を得る工程(但し、重合工程(乙)
の重合をZrCl4、Ti(OC4H92Cl2または(および)AlCl
3の存在下に実施する場合は除く)。
効果 本発明による方法でプロピレン共重合体を製造すること
により、高活性でしかも低結晶性成分の副生を抑制し
て、プロピレン/エチレン共重合部分および(または)
ポリエチレン部分の分子量が増大した、高剛性、かつ高
衝撃強度のプロピレン/エチレンブロック共重合体を製
造することができる。
また、本発明の方法によれば、共重合部分が多くても重
合体パウダーのべたつきがなく、そのために重合体パウ
ダーの凝集、固着等による運転トラブルがない。
さらに、本発明によれば、結晶性ポリプロピレン部分の
分子量を低下させることができるので、生成共重合体は
スパイラルフロー即ち金型内での流動性が向上してい
る。
発明の具体的説明 触媒成分 本発明で使用する触媒は、成分(A)〜(C)の組合せ
からなるものである。
固体組成物(A) 固体組成物(A)は、マグネシウム、チタンおよびハロ
ゲンを必須成分となる高活性固体触媒成分である。この
固体触媒は、前記必須成分以外に他の元素あるいは無機
ないし有機化合物、特に電子供与体化合物、を含有して
も良い。電子供与体化合物の含有は、特に好ましいもの
である。さらに無機ないし有機の希釈剤で希釈されても
良い。
このような触媒成分は、下記のような方法によって製造
することができる。
(1)活性化させたハロゲン化マグネシウムと、チタン
化合物および必要に応じ電子供与体とを、同時もしくは
段階的に共粉砕もしくは液状状態で接触させることによ
る方法。いずれかの過程で、ハロゲン化剤を接触させて
も良い(特開昭53-45688号、特開昭55-90510号各公報
等)。
(2)均一状態にあるマグネシウム化合物に電子供与体
の存在もしくは不存在下に、ハロゲン化剤、還元剤等を
作用させることによって得られた析出物にチタン化合物
および必要に応じて電子供与体を接触させることによる
方法(特開昭54-40293号、特開昭56-811号、特開昭58-1
83708号、特開昭58-183709号公報等)。
(3)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物に
ハロゲン化剤、還元剤等を作用させた後、これに電子供
与体とチタン化合物とを接触させることによる方法(特
開昭52-14672号、特開昭53-100986号各公報等)。
これらの方法のうちでは、(2)の方法が好ましい。
この固体組成物(A)を調製するにあたって使用される
マグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、ヒドロキシマグネシウムハライド、マ
グネシウムジハライド、アルコキシマグネシウムハライ
ド、アリロキシマグネシウムハライド、ジアルコキシマ
グネシウム、ジアロキシマグネシウム、マグネシウムカ
ルボン酸塩、アルキルマグネシウムハライド、ジアルキ
ルマグネシウム、等を例示することができる。
この固体組成物(A)を調製するにあたって使用される
チタン化合物としては、テトラハロゲン化チタン、アル
コキシチタンハライド、アリロキシチタンハライド、ア
ルコキシチタン、アリロキシチタン、等を例示すること
ができる。これらの中で特に好ましいのは、四塩化チタ
ンである。これらのチタン化合物に電子供与体化合物を
反応させた分子化合物でもよい。
この固体組成物(A)の構成必須要素のハロゲン原子
は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素またはこれらの混
合物であり、特に塩素が好ましい。
この固体組成物(A)に必要に応じて用いられる電子供
与体化合物としては、有機および無機酸のエステル、酸
アミド、酸ハライド、酸無水物、アルコキシシラン、ケ
トン、エーテルのような含酸素化合物が挙げられる。酸
としては有機酸、特にC1〜C10程度の脂肪族一塩基性〜
二塩基性カルボン酸ならびにC7〜C15程度の芳香性一塩
基性〜二塩基性カルボン酸が適当であり、そのカルボキ
シル基についての機能的誘導体の一つとしてのエステル
としてはC1〜C10程度の一価または二価アルコールとの
エステルが代表的である。この場合のアルコールは、エ
ーテル基含有アルコールであってもよい。本発明でとく
に好ましいのは、酢酸セロソルブ、o-プロピオニル安息
香酸ブチル、フタル酸ジヘプチルのような有機酸エステ
ル、特に好ましいのは塩化フタロイルのような酸ハライ
ドである。
この固体組成物(A)の構成成分の量比関係は、Ti/Mg
モル比が、1×10-2〜1の範囲にあり、ハロゲン/Mgモ
ル比が、0.5〜4の範囲にあり電子供与体を用いる場合
は電子供与体/Mgモル比が、1×10-2〜1の範囲にある
ことが好ましい。
有機アルミニウム化合物(B) 本発明にいう有機アルミニウム化合物(B)としては、
一般式 ▲R1 a▼▲R2 b▼▲R3 c▼AlXd(OR4)e(ここで、
R1、R2、R3、R4は同一または異なっても良い炭素数1〜
20程度の炭化水素残基または水素、Xはハロゲン原子で
ある。a+b+c+d+e=3で0≦a≦3、0≦b≦
3、0≦c≦3、0≦d≦3、0≦e≦3)で表わされ
る有機アルミニウム化合物が適当である。
このような化合物の具体例としては(イ)トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、ジエチルイソブチルアルミニウム、の
ようなトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジイルブチルアルミニウムモ
ノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
エチルアルミニウムジクロライドのようなアルキルアル
ミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハライ
ドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのよ
うなアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチ
ルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムブ
トキサイド、ジエチルアルミニウムフェノキサイドのよ
うなアルキルアルミニウムアルコキサイドやアリロキサ
イド等、を挙げることができる。これらは単独でも二種
以上併用することもできる。
有機アルミニウム化合物(B)の利用量は、前記固体組
成物(A)に対して、重量比で0.1〜1000の範囲内が好
ましい。
立体障害アミン(C) 本発明のプロピレン‐ブロック共重合体の製造に用いら
れる立体障害アミンとしては、窒素原子の近傍に嵩高い
原子団を有する芳香族あるいは脂肪族の第一アミン、第
二アミンおよび第三アミンが挙げられる。このうち脂肪
族の第二アミンが好ましく、下式の構造を有するアミン
が用いられる。
式中、R1、R2、R3およびR4は、炭素数1〜10の炭化水素
残基あるいはハロゲンである。
具体的には下式で示されるものが適当である。
式中、R5は炭化水素残基、好ましくは置換または非置換
のアルキレン基である。置換アルキレン基である場合の
該置換基には、例えば炭化水素基例えばアルキル基、ア
シルオキシ基、アルコキシ基などがある。R6、R7、R8
R9は、水素または置換基を有していてもよい炭化水素基
であって、R6とR7の少なくともいずれか一方が炭化水素
基である。R6とR7とあるいはR8とR9とは互いに連結して
環を形成していてもよい。好ましい化合物は、R6、R7
R8、R9、の全てが炭化水素基であるものである。また、
R6とR7、及びR8とR9の各組合せにおいて一方が水素であ
る場合には、他方に二級または三級の炭化水素基であこ
とが望ましい。
具体的には、2,6-置換ピペリジン類、2,5-置換ピロリジ
ン類、2,6-置換テトラヒドロピラン、2,5-置換テトラヒ
ドロフランなどを例示することができる。この場合の置
換基は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-
ブチル基が代表的である。
これらの中では、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,
6-ジイソプロピルピペリジン、2,2,5,5-テトラメチルピ
ロリジン、2,5-ジイソプロピルピロリジンなどの骨格を
有する化合物が好ましく、特に2,2,6,6-テトラメチルピ
ペリジンが好ましい。
触媒組成 成分(A)〜(C)の比率は、下記の通りである。
有機アルミニウム化合物(B)と固体触媒(A)中のハ
ロゲン化チタとのモル比は、10〜1000の範囲が通常用い
られる。また、立体障害アミン(C)と有機アルミニウ
ム化合物(B)とのモル比は、通常0.01〜1.0、好まし
くは0.02〜0.5、である。
プロピレンの重合 前記触媒の存在下に行なう本発明の重合工程は、少なく
とも、工程(甲)および工程(乙)の二段階よりなる。
工程(甲)および工程(乙)は、この順序で実施するこ
とが工業的に有利である。
工程(甲) 工程(甲)はプロピレン単独かプロピレン/エチレン混
合物を前記触媒(A)、(B)および(C)を有する重
合系に供給して、プロピレン単独重合体、またはエチレ
ン含量7重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、のプ
ロピレン・エチレン共重合体を一段もしくは多段に、全
重合量の60〜95重量%に相当する量となるように形成さ
せる工程である。
工程(甲)でプロピレン/エチレン共重合体中のエチレ
ン含量がこれ以上増加すると、最終共重合体の嵩密度が
低下し、低結晶性重合体の副生量が大幅に増加する。ま
た、重合割合が上記範囲未満であっても、やはりプロピ
レン/エチレンの共重合体中のエチレン含量が多い場合
と同様な現象が起こる。一方、重合割合が上記範囲を越
すと、低結晶性重合体の副生量が減少する方向になるけ
れども、ブロック共重合の目的である耐衝撃強度が低下
するので、好ましくない。スパイラルフローの改良効果
は、工程(甲)の重合割合が小さいほど顕著である。
工程(甲)での重合温度は30〜90℃、好ましくは50〜80
℃、程度である。重合圧力は、1〜30kg/cm2程度であ
る。
工程(甲)で、最終重合体が流動性の適当なものとなる
ように分子量調節剤を使用することが好ましい。分子量
調節剤としては、水素を用いることが好ましい。
工程(乙) 工程(乙)は、工程(甲)に引きつづいて、プロピレン
/エチレン混合物をさらに導入して、エチレン含量75〜
95重量%のプロピレン/エチレン共重合体を一段または
多段で得る工程である。この工程では、全重合体量の5
〜40重量%に相当する量を形成させることが望ましい。
工程(乙)の重合割合およびプロピレン/エチレン混合
物の組成が上記範囲未満では耐衝撃性(特に低温耐衝撃
性)が悪く、スパイラルフローの改良効果も小さい。ま
た、上記範囲を越すと、低結晶性重合体の副生量が大巾
に増加しかつ重合溶剤粘度の上昇が著しくなるなどの運
転上の問題が起こる。
工程(乙)では、少量の他のコモノマーを共存させても
良い。そのようなコモノマーとして、例えば、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン等のα‐オレフィンを例示
することができる。
工程(乙)の重合温度は30〜90℃、好ましくは50〜80
℃、程度である。重合圧力は、1〜30kg/cm2程度であ
る。
工程(甲)から工程(乙)に移る際に、工程(甲)由来
のプロピレンガスまたはプロピレン/エチレン混合ガス
と水素ガスとをパージして工程(乙)に移ることが好ま
しい。
工程(乙)では、分子量調節剤は目的に応じて用いても
用いなくても良い。すなわち、最終重合体の耐衝撃性を
上昇させたいときには、分子量調節剤の実質的不存在下
にこの工程を実施することが好ましい。
重合方式 本発明による共重合体の製造法は、回分式、連続式、半
回分式のいずれの方法によっても実施可能である。この
際に、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行な
う方法、使用する単量体自身を媒質として利用する方
法、媒質を使用せずにガス状の単量体中で重合を行なう
方法、さらにこれらを組み合わせた方法、を採用するこ
とができる。
また、固体触媒を重合に供する前に、予定している重合
条件よりも温和な条件で予備重合を行なうこともできる
(特開昭55-71712号、特開昭56-57814号公報参照)。
改変 本発明による重合は上記のようにして実施するのである
が、そのような本発明の趣旨を不当に損なわない限り、
各種の改変が可能である。
そのような改変の一つは、工程(甲)および(乙)の
前、中間または後に、両工程で規定したもの以外の重合
工程を追加することである。その場合に生成させるべき
重合体は、最終全重合体の20重量%までである。
工程(甲)および(乙)は、各々全行程を通じて同一重
合条件を維持しなければならないという訳ではなく、各
工程の進行に応じて重合条件を変化させることができ
る。
実験例 実施例‐1 1)固体触媒成分の合成 充分に窒素置換した10リットルのフラスコに、充分に脱
水、脱酸素したn-ヘプタン2リットルを導入し、次いで
MgCl2を2モル、 Ti(OC4H9を4モル導入して、95℃にて2時間反応
させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチル
ヒドロポリシロキサンを300ml導入して、3時間反応さ
せた。反応終了後、生成した固体成分をn-ヘプタンで洗
浄した。
充分に窒素置換した5リットルのフラスコに、n-ヘプタ
ン1リットルを導入し、上記固体成分をMg原子換算で0.
9モル導入した。次いで、SiCl41.5モルを30℃で30分間
に導入して、70℃で1時間反応させた。さらに、フェニ
ルトルエトキシシラン0.12モルを加えて、70℃で1時間
反応させた。反応終了後、n-ヘプタンで洗浄した。
次いで、塩化フタロイル0.09モルを30℃で30分間で導入
して、50℃で1時間反応させた。反応終了後、n-ヘプタ
ンで洗浄した。
最後に、TiCl4250mlを加えて、100℃で2時間反応させ
た。反応終了後、n-ヘプタンで洗浄して、固体組成物
(A)を得た。
このようにして得られた固体組成物ののTi担持率は、2.
4重量%であった。
2)重合 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピレ
ンで充分置換した後、充分に脱水・脱酸素したn-ヘプタ
ン63リットルを導入し、トリエチルアルミニウム(B)
6.5g、前記固体組成物(A)3.2gおよび2,2,6,6-テトラ
メチルピペリジン(C)2.0gを、55℃でプロピレン雰囲
気下で導入した。
第一段重合は、オートクレーブを75℃に昇温した後、水
素濃度を2.5%にコントロールしながらプロピレンを9kg
/時間のスピードで導入することによって開始した。
220分後、プロピレンの導入をやめ、さらに重合を75℃
で90分継続させた。気相部プロピレンを0.2kg/cm2Gとな
るまでパージした。
第二段重合は、オートクレーブを60℃に降温した後、プ
ロピレンを0.50kg/時間、エチレンを3.03kg/時間で導入
して、110分間実施した。
このようにして得られたスラリーを、過・乾燥して、
36.1kgのポリマーを得た。ポリマー嵩密度は、0.503g/c
cであった。
副生低結晶重合体は、380gであった。結果の詳細は、表
1に示す通りであった。
工程(1)と工程(2)の重量比及び工程(2)のプロ
ピレンとエチレンの重量比は、重合ベースで計算された
値である。
比較例‐1 第一段重合で2,2,6,6-テトラメチルピペリジンのかわり
にジフェニルジメトキシシランを同量添加した以外は実
施例1と同様な重合を行なった。
結果の詳細は、表1に示す通りであった。
比較例‐2 第一段重合で2,2,6,6-テトラメチルピペリジンのかわり
に、N,N,N,N-テトラメチレンジアミンを同量添加した以
外は実施例1と同様な重合を行なった。第一段での活性
が低く、従ってプロピレンの定速導入による圧力上昇が
著しいので、2時間で重合を打ち切らざるを得なかっ
た。
比較例‐3 実施例‐1において第一段重合でプロピレンの供給時間
を250分、第二段重合でプロピレンとエチレのフィード
速度をそれぞれ1kg/時間、供給時間をそれぞれ40分とし
た以外は、同様な実験を行なった。
結果の詳細は、表1に示す通りであった。
実施例‐2 実施例‐1で、工程(甲)のプロピレンの供給時間を20
0分にし、工程(乙)のプロピレンおよびエチレンの供
給時間を160分とした以外は、同様な操作を実施した。
結果の詳細は、表1に示す通りであった。
比較例‐4 実施例‐2で2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの代りに
ジフェニルジメトキシシラを同量添加し以外は同様な操
作を実施した。
結果の詳細は、表1に示す通りであった。
物性評価 (イ)MFR(メルトフローレート) MFRは、ASTM-1238によった。工程(乙)のMFR-2は、工
程(甲)でのMFR-1および製品のMFR-Aより次式にて計算
される。
alog(MFR-1)+(1−a)log(MFR-2) =log(MFR-A) a:工程(1)の全重合体中にしめる重合割合 (ロ)エチレン含量 製品中のエチレン含量は、赤外吸収スペクトルによっ
た。
(ハ)APP副生率 非晶質ポリマーの副生割合を表わすインデックスであっ
て、下記の計算式によったものである。
(ニ)物性測定 各実施例および比較例で得られた粉末状重合物に下記添
加剤を配合してそれぞれ同一条件下に押出機によりペレ
ット化し、射出成形機により厚さ4mmのシートを作成し
て、物性評価を行なった。
添加剤 2,6-ジ第三ブチルフェノール 0.10重量% RA1010(チバガイギー社製) 0.05重量% カルシウムステアレート 0.10重量% PTBBA-Al(シェル化学製) 0.10重量% 物性測定 各種物性の測定は、以下の方法によった。
(イ)曲げ弾性率:ASTM-D790 (ロ)アイゾット衝撃強度(0℃): ASTM-D256(ノッチ付) (ハ)スパイラルフロー測定法 各種SJ型(インラインスクリュー型)射出成形機を用い
て断面が2mm×8mmの金型にて下記条件で測定した。
成形温度:240℃ 射出圧力:800kg/cm2 射出時間:6秒 金型温度:40℃ 射出率:50g/秒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 秀雄 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社樹脂研究所内 (56)参考文献 特公 平4−10889(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記触媒成分(A)〜(C)の組合せから
    なる触媒の存在下に、下記重合工程(甲)および(乙)
    を実施することを特徴とする、プロピレン‐ブロック共
    重合体の製造法。 触媒成分 (A)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分
    とする固体組成物。 (B)有機アルミニウム化合物。 (C)立体障害アミン化合物。 重合工程 下記の工程(甲)および(乙)からなり、全エチレン含
    量が3〜50重量%であるブロック共重合体を製造する工
    程。 (甲)プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物を
    一段もしくは多段に重合させて、プロピレン単独重合体
    またはエチレン含量7重量%以下のプロピレン・エチレ
    ン共重合体を全重合量の60〜95重量%に相当する量形成
    させる工程。 (乙)プロピレン/エチレン混合物を、一段もしくは多
    段に重合させてエチレン含量75〜95重量%のプロピレン
    ・エチレン共重合体を得る工程(但し、重合工程(乙)
    の重合をZrCl4、Ti(OC4H92Cl2または(および)AlCl
    3の存在下に実施する場合は除く)。
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