JPH0667344A - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JPH0667344A
JPH0667344A JP24741992A JP24741992A JPH0667344A JP H0667344 A JPH0667344 A JP H0667344A JP 24741992 A JP24741992 A JP 24741992A JP 24741992 A JP24741992 A JP 24741992A JP H0667344 A JPH0667344 A JP H0667344A
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layer
copolyester
polyester layer
photographic support
film
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JP24741992A
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Inventor
Kenji Nakanishi
謙治 中西
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Hideyuki Kobayashi
英幸 小林
Hiromitsu Araki
弘光 荒木
Yoshioki Okubo
義興 大久保
Tetsutaro Hashimura
鉄太郎 橋村
Hiroshi Naito
寛 内藤
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Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は透明度、すべり性、現像処理後の巻
ぐせ回復性、機械的強度すべてに優れた写真用支持体を
得ることを目的とする。 【構成】 本発明は、ポリエステル層の少なくとも片面
に共重合ポリエステル層が積層されている多層フィルム
からなり、該共重合ポリエステルが、共重合成分とし
て、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を
全エステル結合単位に対し2〜7モル%含有し、さらに
共重合成分として、ポリアルキレングリコールを反応生
成物の全重量に対して3〜10重量%含有し、該ポリエス
テル層の厚みの総和d1 に対する該共重合ポリエステル
層の厚みの総和d2 の比が 0.7≦d2/d1 ≦3であ
り、ポリエステル層一層の厚さが50μm以下、最外層の
少くとも一方の面の中心線平均粗さが0.0020μm以上
0.020μm以下、フィルム全体のヘーズが 1.5%以下で
あることを特徴とする写真用支持体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は写真用支持体に関し、
さらに詳しくは、強度を保持しつつ薄膜化が可能で、現
像処理後の巻き癖回復性に優れ、透明度が高く、さらに
滑り性にも優れ、小型カメラへの装填に好適な写真用フ
ィルムにおける写真用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在小型カメラが一般市場において汎用
されている。この小型カメラを携帯に便利なようにその
手軽さを考慮すると、小型カメラは今よりも一層小型化
することが望まれる。この小型カメラのより一層の小型
化を追求するには、内蔵される写真用フィルムの収納ス
ペースのコンパクト化が不可欠である。
【0003】通常、写真用フィルムは、ロール状にスプ
ールに巻いた状態で小型カメラ内に収納されているの
で、小型カメラにおける収納スペースを更にコンパクト
化しつつ、なおかつ一定の撮影枚数を確保するには、そ
の写真用フィルム自体の厚さを薄くする必要がある。特
に、写真用フィルムの支持体の厚みは、現行においては
120〜 125μm程度であり、その表面に形成された感光
層の厚み(20〜30μm)と比べると、かなり厚い。した
がって、この写真用フィルムの支持体の厚みを更に薄く
することが、写真フィルム全体の厚みを薄くする上でも
っとも有効である。
【0004】従来から使用されている写真フィルムの支
持体としては、トリアセチルセルロース(TACと略称
されることがある。)フィルムが代表的である。ところ
が、このTACフィルムはもともと機械的強度が弱いの
で、このTACフィルムを更に薄くすると、撮影装置や
その後の現像処理工程での搬送性や取り扱い性が悪くな
ってしまう。したがって、写真用フィルムの支持体とし
てTACフィルムの厚みを現行以上に薄くすることは得
策ではない。
【0005】一方、従来からポリエチレンテレフタレー
ト(PETと略称されることがある。)を支持体に使用
することが知られており、PETは例えばX線用フィル
ムや製版用フィルムに用いられてきた。また、PETは
その強度が優れているので、これをカラーネガフィルム
の支持体に応用することも考えられるが、ポリエチレン
テレフタレート支持体は、強度は優れているものの巻き
癖がつき易く、しかも、一旦ついた巻き癖は現像処理後
もほとんど取れないという欠点がある。
【0006】例えば特開平1-244446号公報にはPETフ
ィルムの巻ぐせ回復性を改良する方法として、金属スル
ホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分と
することにより親水性を付与した共重合PETフィルム
が提案されている。しかし、この方法では、十分な巻ぐ
せ回復性を得るためには共重合成分を多量に含有させな
ければならず、PET本来の優れた機械的強度、寸度安
定性などの性質が失われてしまうため、TACに対する
優位性が失なわれてしまうという欠点があった。
【0007】支持体の機械的強度と巻ぐせ回復性の両方
を両立させる方法としては特願平2-208804号公報明細書
に含水率の異なるポリエステルを積層する方法が提案さ
れているが、この方法でも十分な巻ぐせ回復性を得るた
めには共重合成分を多量に含有させなければならず、共
重合ポリエステル層自体の機械的強度が低下し、支持体
全体の機械的強度、特に弾性率の向上には効果がなかっ
た。
【0008】また特願平3-277335号公報明細書に、強度
に優れた共重合ポリエステルフィルムの製造法が提案さ
れているが、この方法で得られた支持体はフィルムのヘ
ーズが高く、写真用の支持体としては、満足のいくもの
ではなかった。
【0009】一般に、写真用支持体に用いられるような
透明フィルムにおいては、透明性とすべり性という相反
する特性を有することが必要であり、この点に問題があ
った。つまり、支持体の透明性を追求すると支持体表面
が平滑になってしまい、支持体表面のすべり性は著しく
低下する。支持体のすべり性が低下すると、支持体製造
工程中の巻きとり工程において、巻きとった後の支持体
にしわがはいってしまうという、いわゆる巻きとり性に
問題が生じた。また一方、すべり性を付与するために支
持体に無機化合物等を添加すると支持体のヘーズが高く
なり透明性が低下してしまう。
【0010】
【発明が解決すべき課題】本発明は、支持体に関する上
記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目
的は写真用支持体として充分な透明度を有し、さらにす
べり性に富み、現像処理後の巻きぐせ回復性に優れ、か
つ機械的強度にも優れた写真用支持体を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ポ
リエステル層の少なくとも片面に共重合ポリエステル層
が積層されている多層フィルムからなり、該共重合ポリ
エステルが、共重合成分として、金属スルホネート基を
有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合単位に対し
2〜7モル%含有し、さらに共重合成分として、ポリア
ルキレングリコールを反応生成物の全重量に対して3〜
10重量%含有し、該ポリエステル層の厚みの総和d1
対する該共重合ポリエステル層の厚みの総和d2 の比が
0.7≦d2 /d1 ≦3であり、ポリエステル層一層の厚
さが50μm以下、最外層の少くとも一方の面の中心線平
均粗さが0.0020μm以上 0.020μm以下、フィルム全体
のヘーズが 1.5%以下であることを特徴とする写真用支
持体を提供することにより達成された。
【0012】以下に本発明を詳しく説明する。
【0013】本発明の写真用支持体はポリエステル層の
少なくとも片面に共重合ポリエステル層が積層されてい
る多層フィルムである。支持体を構成する層は何層でも
かまわないが、あまり多くの層を積層すると製造設備が
複雑化することから一般的には2層又は3層であること
が好ましい。
【0014】各層の厚さは、用いられるポリエステルお
よび共重合ポリエステルによって適宜決定しうるが、好
ましくはポリエステル層の厚みの総和d1 に対する共重
合ポリエステル層の厚みの総和d2 の比(d2 /d1
が 0.7≦d2 /d1 ≦3、更に好ましくは1≦d2 /d
1 ≦2であり、ポリエステル層一層の厚さは好ましくは
50μm以下、更に好ましくは40μm以下である。
【0015】本発明の写真用支持体の厚さは用途に応じ
必要な強度等が得られる厚さであればよく、例えば30〜
200μm、特に40〜 120μmの範囲の値であることが好
ましい。支持体の厚さが30μmより薄いと必要な強度が
得られない場合があり、また、製造工程における巻取り
の際に巻じわが発生することがある。一方支持体の厚さ
が 200μmより厚いと従来の写真用支持体と比べて優位
性がなくなることがあるが、必要であれば4層、5層と
積層数を増やして厚くすることも可能である。
【0016】本発明の写真用支持体に用いられるポリエ
ステルは、芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分と
するポリエステルであり二塩基酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸な
どがあり、グリコールとしてはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエ
チレングリコール、p−キシリレングリコールなどがあ
る。なかでもテレフタル酸とエチレングリコールを主構
成成分とするポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、ポリエステル本来の優れた性質を損なわない範囲
で、これらの主たる繰返し単位が85モル%以上の共重合
体であってもよいし、他のポリマーがブレンドされてい
ても良い。
【0017】本発明に用いられる共重合ポリエステル
は、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を
共重合成分とし、芳香族二塩基酸とグリコールを主構成
成分とする共重合ポリエステルである。二塩基酸として
はテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸などがあり、グリコールとしてはエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ジエチレングリコール、p−キシリレングリコ
ールなどがある。なかでもテレフタル酸とエチレングリ
コールを主構成成分とする共重合ポリエチレンテレフタ
レートが好ましい。
【0018】金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムス
ルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導
体、およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリ
ウム、リチウムなど)で置換した化合物が用いられる。
【0019】金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸成分の共重合割合は、全エステル結合単位に対し
て2〜7モル%の範囲であり、好ましくは3〜6モル%
である。2モル%未満では十分な巻ぐせ回復性が得られ
ず、7モル%を越えると機械的強度が劣ったものとなり
好ましくない。
【0020】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、更にポリアルキレングリコールが共重合成分とし
て、反応生成物の全重量に対して3〜10重量%の範囲
で、更には4〜9重量%の範囲で含有されることが好ま
しい。ポリアルキレングリコールの含有量が3重量%未
満では十分な巻ぐせ回復性が得られず、10重量%を越え
ると機械的強度が劣ったものとなり好ましくない。
【0021】ポリアルキレングリコールとしては、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どが挙げられるが、このうちポリエチレングリコールが
好ましく、分子量としては 600〜 20000、特に1000〜50
00のものが好ましく用いられる。
【0022】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、さらに他の成
分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレン
ドされていても良い。
【0023】本発明に用いられる共重合ポリエステル
は、その製造方法に関しては特に制限はなく、例えば、
ジカルボン酸成分とグリコール成分とをエステル交換し
た後に、高温および減圧下にて重縮合する方法により、
好適に製造される。
【0024】エステル交換時に用いられる触媒として
は、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の
酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。本
発明においてはこれらのうちマンガン化合物、またはマ
ンガン化合物とカルシウム化合物との併用物が好まし
く、例えば酢酸マンガン、酢酸カルシウムの水和物が好
ましく、さらにはこれらを混合したものが好ましい。
【0025】触媒の好ましい使用量は、マンガン化合物
については、 0.5×10-2〜11.0×10- 2(モル%/酸成
分)であり、カルシウム化合物については、 0.5×10-2
〜 5.0×10-2(モル%/酸成分)である。本発明におい
てはマンガン化合物 0.5×10-2〜11.0×10-2モル%/酸
成分とカルシウム化合物 0.5×10-2〜 5.0×10-2モル%
/酸成分を併用して重合することが好ましい。触媒とし
ての使用量がこの範囲より少ない場合は、エステル交換
反応が十分に進まないので好ましくない。また触媒の使
用量がこの範囲より多い場合は、得られたポリエステル
のヘーズが大きくなり好ましくない。
【0026】本発明に用いられる共重合ポリエステル
は、重合段階で混入する、リン酸、亜リン酸、およびそ
れらのエステルならびに不活性無機粒子を含有していて
も良いし、また重合後に添加される不活性無機粒子を含
有していても良い。
【0027】前記不活性無機粒子としては、写真用支持
体の透明性を阻害しないものであれば特に制限はなく、
例えば、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、燐酸カル
シウム、二酸化チタン等を好ましく用いることができ
る。マンガン化合物をエステル交換触媒として使用する
ことにより共重合ポリエステルを製造する場合には、そ
の重合時に、平均粒子径が0.05〜 0.5μmの不活性無機
粒子を、好ましくは0.08〜 0.4μmの不活性無機粒子
を、得られる共重合ポリエステルに対して0.01〜 2.0重
量%の割合で、好ましくは0.03〜 1.8重量%の割合で重
合系に添加することが好ましい。
【0028】不活性無機粒子の平均粒子径が 0.5μmを
越えると写真用支持体の透明性が低下してしまうことが
あり、0.05μm未満であると易滑性の効果が十分に現れ
ないことがある。また、不活性無機粒子の含有量が 2.0
重量%を越えると支持体の透明性が低下してしまうこと
があり、不活性無機粒子の含有量が0.01重量%未満であ
ると滑り性が不十分であるため作業性が低下することが
ある。
【0029】本発明の写真用支持体を構成する共重合ポ
リエステル層は、前述の共重合ポリエステルのみから後
述の方法に従って製造することもできるし、また本発明
の目的を阻害しない範囲内で、通常用いられる他の添加
剤、例えばマット剤、帯電防止剤、界面活性剤、安定
剤、分散剤、可塑剤、UV吸収剤、導電性物質、粘着性
付与剤、軟化剤、流動性付与剤、増粘剤、酸化防止剤、
染料等を含有していても良い。これらは、共重合ポリエ
ステルを製造する重合段階で添加しても良いし、また製
造された共重合ポリエステルとブレンドしても良い。ま
た重合段階で燐酸、亜燐酸及びそれらのエステルが含ま
れていても良い。
【0030】本発明の写真用支持体は、前述したように
ポリエステル層の少なくとも片面に共重合ポリエステル
層を積層した多層フィルムからなり、フィルム全体のヘ
ーズが 1.5%以下であり、かつ最外層の少なくとも一方
の面の中心線平均粗さが0.0020μm以上 0.020μm以下
である。
【0031】支持体のヘーズが 1.5%よりも大きいと透
明性が劣り写真用支持体として好ましくない。
【0032】写真用支持体のヘーズは、例えば、前記エ
ステル交換触媒にマンガン化合物を使用するかまたは、
前記不活性無機粒子の添加量を少なくするか若しくはそ
の粒径が前記特定の範囲内にある粒子を使用することに
より、 1.5%以下に調整することができる。
【0033】本発明の写真用支持体の中心線平均粗さ
は、0.0020μm以上であり、好ましくは0.0025μm以上
である。中心線平均粗さが0.0020μmより小さくなると
滑り性が低下し、例えば 100μm以下に薄膜化した写真
用支持体を、製造工程において巻き取る際、写真用支持
体にしわが入ることがあり好ましくない。また、使用す
るポリエステルの組成、触媒、添加物の種類や粒径によ
り異なるが、中心線平均粗さが 0.020μmを越えると、
支持体のヘーズが 1.5%を越えることがあり、好ましく
ない。本発明においては、中心線平均粗さが 0.010μm
以下であることが特に好ましい。
【0034】本発明の写真用支持体の中心線平均粗さを
前記特定の範囲内の値にするには、重合時に添加する不
活性無機粒子の粒径を調整することにより実現すること
もできるし、得られた共重合ポリエステルにブレンドす
る不活性無機粒子の粒径を調整することにより実現する
ことができる。また、添加する不活性無機粒子の粒径に
よらずに写真用支持体の中心線平均粗さを前記特定の範
囲内にするには、不活性無機粒子の添加量を調節するこ
とにより実現することができる。もちろん、本発明にお
いては、この写真用支持体の中心線平均粗さを前記特定
の範囲内にする手法は前記方法に限定されずその他の任
意の方法を採用することができる。
【0035】本発明の写真用支持体の製造方法として
は、例えばポリエステルと共重合ポリエステルを別々の
押出機から溶融押出した後、溶融ポリマーの導管内また
は押出口金内において層流状で接合せしめて押出し、冷
却ドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを得た後二軸
延伸し、熱固定する共押出し方法がある。またポリエス
テルを押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化
した未延伸フィルムまたは該未延伸フィルムを一軸延伸
した一軸配向フィルムの面に、必要に応じてアンカー
剤、接着剤等をコーティングした後その上に共重合ポリ
エステルをエクストルージョンラミネートし、次いで二
軸延伸を完了した後熱固定するエクストルージョンラミ
ネート方法などがある。工程の簡便性からは共押出し方
法が好ましい。
【0036】フィルムの延伸条件に関しては特に制限は
ないが、一般的にはポリエステル層の条件に適宜合わせ
ることが好ましく、ポリエステルのガラス転移温度(T
g)からTg+ 100℃の温度範囲で二軸方向にそれぞれ
延伸倍率 2.5〜 6.0倍の範囲で行なわれることが好まし
い。また熱固定は 150℃〜 240℃の温度範囲で行なうこ
とができる。
【0037】本発明の写真用支持体は、現在知られてい
る各種用途に適用可能であるが、特にロール状フィルム
に用いられる写真用支持体に有用である。
【0038】本発明の写真用支持体は、少なくとも一方
の側に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を有するこ
とにより、ハロゲン化銀写真感光材料として適用するこ
とができる。ハロゲン化銀乳剤層は、支持体上に直接塗
設されてもよいし、他の層例えばハロゲン化銀乳剤を含
まない親水性コロイド層を介して塗設されてもよい。
【0039】この際、写真用支持体には接着性向上の
為、コロナ放電処理、薬液処理などの各種表面処理を必
要に応じて施すことができる。さらに接着性向上の為、
下引層を塗設してもよい。
【0040】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤層を構成
するハロゲン化銀としては、任意の組成のものを使用で
きる。例えば塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀
もしくは沃臭化銀がある。
【0041】上記ハロゲン化銀写真感光材料には、増感
色素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤などを
加えることもできる。
【0042】ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する
には、例えば、T.H.ジェームス著ザ・セオリィ・オ
ブ・ザ・ホトグラフィック・プロセス第4版(The Theo
ry of the Photographic Process, Fourth Edition)第
291頁〜334頁及びジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・
ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chem
ical Society)第73巻、第3,100頁(1951)に記載され
ているごとき現像剤が使用し得る。
【0043】
【実施例】
実施例1 テレフタル酸ジメチル 100重量部、エチレングリコール
64重量部に酢酸カルシウム水和物0.02重量部と、酢酸マ
ンガン水和物 0.025重量部を添加し、常法によりエステ
ル交換反応を行なった。得られた生成物に5−ナトリウ
ムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエ
チレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部(5モ
ル%/全酸成分)、ポリエチレングリコール(数平均分
子量3000) 8.1重量部(7重量%/ポリマー)、三酸化
アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13
重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、 280
℃, 0.5mmHg で重合を行ない共重合ポリエステルを得
た。
【0044】この共重合ポリエステル及び市販のポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々 150℃で
真空乾燥した後、3台の押出機を用いて 285℃で溶融押
出し、3層各層が表1に示す素材からなるようにTダイ
内で層状に接合し、冷却ドラム上で急冷固化させ、積層
未延伸フィルムを得た。この時、各素材の押出量を調整
し各層の厚さを表1に示すように変化した。次いで85℃
でタテ方向に 3.5倍延伸し、更に95℃でヨコ方向に 3.5
倍延伸した後 210℃で熱固定して厚さ80μmの二軸延伸
フィルムを得た。但し、フィルムの層構成と各層の厚
み、フィルムのヘーズ、中心線平均粗さは表1に示した
とおりである。なおフィルムのヘーズ、表面の中心線平
均粗さは以下に示す方法で測定した。
【0045】得られた各試料について巻きぐせ回復性、
巻とり性、弾性率の評価を以下に示す方法で行なった。
その結果を表1に示す。
【0046】フィルムの測定方法及び評価方法 <透明性>フィルムのヘーズをJIS K−6714に
従って測定した。写真用支持体としては実用上 1.5%以
下が好ましい。
【0047】<中心線平均粗さ>フィルム支持体の表面
を、WYKO社製、非接触式表面粗さ計TOPO−3D
を用いて、 250μm角の表面粗さを、対物レンズ40倍で
測定した。但し、抽出曲線から、その中心線の方向に測
定長さLの部分を抜き取り、その抜き取り部分の中心線
をX軸、縦倍率の方向をZ軸とし、抽出曲線をZ=f
(X)で表した時、次の式で求めた。
【0048】
【数1】 中心線平均粗さが0.0020μmより小さい値であると、取
り扱いに支障をきたすことがある。
【0049】<巻ぐせ回復性>サンプルサイズ12cm×35
mmのフィルムを直径10mmの巻芯に巻き、55℃,20%RH
の条件下で3日間処理し、巻ぐせをつける。その後巻芯
から解放し、38℃の純水に15分間浸漬後、50gの荷重を
かけて55℃の熱風乾燥器で3分間乾燥する。荷重をはず
し、サンプルを垂直に吊し、サンプル両端間の距離を求
め、元の距離12cmに対しどれだけ回復したかを評価し
た。巻ぐせ回復性が40%未満であると取扱いに支障をき
たすことがある。
【0050】<巻とり性>製造工程においてフィルム支
持体を巻取った際に、フィルム支持体にしわが入るかど
うか以下の基準に従って、目視で評価した。 ○…全くしわが入らない △…部分的にしわが入ることがある ×…しわが入る 写真用支持体としては、実用上△レベル以上が好まし
い。
【0051】<弾性率>フィルムを温度23℃、相対湿度
55%に温調された部屋に4時間以上放置した後、試料巾
10mm、長さ 200mmに切断し、チャック間 100mmにして引
張速度 100mm/分で引張試験をして求めた。弾性率が 4
00kg/mm2 より小であると取扱いに支障をきたすことが
ある。
【0052】
【表1】 表1から明らかなように共重合ポリエステルおよびポリ
エステルそれぞれ単一の素材からなるフィルム又は中心
線平均粗さが本発明外のフィルムは、巻ぐせ回復率、弾
性率、巻とり性、ヘーズいずれかの特性に劣るが、共重
合ポリエステルおよびポリエステル両者を積層したも
の、特に各層の比を本発明に規定の値に調整したものは
巻ぐせ回復率、弾性率、巻とり性、ヘーズともに良好な
フィルムが得られた。
【0053】実施例2 5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソ
フタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)、
ポリエチレングリコール(数平均分子量3000)の添加量
を表2に示すように変化し、各層の厚さの比を試料No.
1と同様にした以外は、実施例1の方法と同様にして厚
さ80μmの二軸延伸フィルムを得た。但しフィルムのヘ
ーズ、中心線平均粗さは表2に示したとおりである。各
試料について実施例1と同様の評価を行なった。その結
果を表2に示す。
【0054】
【表2】 表2から明らかなように本発明の試料は巻ぐせ回復性、
弾性率、巻とり性のすべてにおいて満足のいく値が得ら
れることがわかった。
【0055】実施例3 実施例1の試料No.1においてエステル交換触媒の使用
量を表3に示すように変更した以外は実施例1の試料N
o.1と同様にして厚さ80μmの二軸延伸フィルムを得
た。但しフィルムのヘーズ、中心線平均粗さは表3に示
したとおりである。各試料について実施例1と同様に巻
とり性の評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】 表3から明らかなようにエステル交換触媒の使用量が前
述に規定した値の範囲内の試料は巻とり性において満足
のいく値が得られることがわかった。
【0057】実施例4 実施例1の試料No.1において、エステル交換触媒を酢
酸マンガン水和物に代え(添加量は表4に示す)、表4
に示すとおりの粒子径のシリカを表4に示すとおりに添
加した以外は実施例1の試料No.1と同様にして、厚さ
80μmの二軸延伸フィルムを得た。但しフィルムのヘー
ズ、中心線平均粗さは表4に示したとおりである。各試
料について実施例1と同様に巻とり性の評価を行なっ
た。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】 表4から明らかなようにMn化合物の使用量が 0.5×10
-2〜11.0×10-2モル%/酸成分、シリカの粒子径が0.05
〜 0.5μm、シリカの使用量が0.01〜 2.0重量%/ポリ
マーの試料は巻とり性において満足のいく値が得られる
ことがわかった。
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、透明度、すべり性、現像処理後の巻ぐせ回復性、機
械的強度すべてに優れた写真用支持体を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 英幸 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 荒木 弘光 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 大久保 義興 山口県防府市惣社町2−33−5 (72)発明者 橋村 鉄太郎 山口県防府市新田1751−15 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル層の少なくとも片面に共重
    合ポリエステル層が積層されている多層フィルムからな
    り、該共重合ポリエステルが、共重合成分として、金属
    スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステ
    ル結合単位に対し2〜7モル%含有し、さらに共重合成
    分として、ポリアルキレングリコールを反応生成物の全
    重量に対して3〜10重量%含有し、該ポリエステル層の
    厚みの総和d1 に対する該共重合ポリエステル層の厚み
    の総和d2 の比が 0.7≦d2 /d1 ≦3であり、ポリエ
    ステル層一層の厚さが50μm以下、最外層の少くとも一
    方の面の中心線平均粗さが0.0020μm以上 0.020μm以
    下、フィルム全体のヘーズが 1.5%以下であることを特
    徴とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】 ポリエステル層の厚みの総和d1 に対す
    る共重合ポリエステル層の厚みの総和d2 の比が1≦d
    2 /d1 ≦2であり、ポリエステル層一層の厚さが40μ
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の写
    真用支持体。
  3. 【請求項3】 請求項1,2又は3記載の共重合ポリエ
    ステルは、エステル交換触媒としてMn化合物を 0.5×
    10-2〜11.0×10-2(モル%/酸成分)を使用すると共
    に、平均粒径0.05〜 0.5μmの不活性無機粒子を前記共
    重合ポリエステルに対して0.01〜 2.0重量%の割合で使
    用することにより得られてなることを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の写真用支持体。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の共重合ポリエ
    ステルは、エステル交換触媒としてMn化合物を 0.5×
    10-2〜11.0×10-2(モル%/酸成分)、およびCa化合
    物を 0.5×10-2〜 5.0×10-2(モル%/酸成分)を併用
    して重合することにより得られてなることを特徴とする
    請求項1,2又は3記載の写真用支持体。
  5. 【請求項5】 ポリエステル層を形成するポリエステル
    がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする
    請求項1,2,3,4又は5記載の写真用支持体。
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