JPH05346635A - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JPH05346635A
JPH05346635A JP27467892A JP27467892A JPH05346635A JP H05346635 A JPH05346635 A JP H05346635A JP 27467892 A JP27467892 A JP 27467892A JP 27467892 A JP27467892 A JP 27467892A JP H05346635 A JPH05346635 A JP H05346635A
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JP
Japan
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support
photographic
photographic support
weight
copolymerized polyester
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Application number
JP27467892A
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English (en)
Inventor
Kenji Nakanishi
謙治 中西
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Hideyuki Kobayashi
英幸 小林
Yoshioki Okubo
義興 大久保
Tetsutaro Hashimura
鉄太郎 橋村
Hiroshi Naito
寛 内藤
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Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、透明度に優れ、さらに滑り性に
富み、巻き癖回復性の良好な写真用支持体を提供するこ
とを目的としている。 【構成】 この発明に係る写真用支持体は、モノマーユ
ニットとしてテレフタル酸とエチレングリコールとを含
有すると共に、加水分解することにより検出されるとこ
ろの、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
及びポリアルキレングリコールを含有する共重合ポリエ
ステルを素材とし、ヘーズが1.5%以下、中心線平均
粗さが0.0025μm以上、かつ、その厚みが50〜
100μmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は写真用支持体に関し、
さらに詳しくは、強度を保持して薄膜化が可能で、巻き
癖回復性に優れ、透明度が高く、さらに滑り性にも優
れ、小型カメラへの装填に好適な写真用フィルムにおけ
る支持体として好適な、写真用支持体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】現在小型
カメラが一般市場において汎用されている。この小型カ
メラを携帯に便利なようにその手軽さを考慮すると、小
型カメラは今よりも一層小型化することが望まれる。こ
の小型カメラのより一層の小型化を追求するには、内蔵
される写真用フィルムの収納スペースのコンパクト化が
不可欠である。
【0003】通常、写真用フィルムは、ロール状にスプ
ールに巻いた状態で小型カメラ内に収納されているの
で、小型カメラにおける収納スペースを更にコンパクト
化しつつ、なおかつ一定の撮影枚数を確保するには、そ
の写真用フィルム自体の厚さを薄くする必要がある。特
に、写真用フィルムの支持体の厚みは、現行においては
120〜125μm程度であり、その表面に形成された
感光層の厚み(20〜30μm)と比べると、かなり厚
い。したがって、この写真用フィルムの支持体の厚みを
更に薄くすることが、写真フィルム全体の厚みを薄くす
る上でもっとも有効である。
【0004】従来から使用されている写真フィルムの支
持体としては、トリアセチルセルロース(TACと略称
されることがある。)フィルムが代表的である。ところ
が、このTACフィルムはもともと機械的強度が弱いの
で、このTACフィルムを更に薄くすると、撮影装置や
その後の現像処理工程での搬送性や取り扱い性が悪くな
ってしまう。したがって、この写真用フィルムの支持体
としてのTACフィルムは、その厚みを現行以上に薄く
することは得策ではない。
【0005】一方、従来からポリエチレンテレフタレー
ト(PETと略称されることがある。)を支持体に使用
することが知られており、例えば、PETはX線用フィ
ルムや製版用フィルムに用いられてきた。また、PET
はその強度が優れているので、これをカラーネガフィル
ムの支持体に応用することも考えられるが、ポリエチレ
ンテレフタレート支持体は、その強度は優れているもの
の巻き癖がつき易く、しかも、一旦ついた巻き癖は現像
処理後もほとんど取れないという欠点がある。
【0006】ポリエステル支持体の巻き癖を解消する方
法として、例えば、特開平1−244446号公報に
は、ポリエステル支持体に親水性を持たせることによる
ポリエステル改良技術が示されている。しかし、この方
法によって得られた支持体は巻き癖回復性には優れるも
のの、やや滑り性に劣るという欠点がある。
【0007】かかる滑り性に劣る支持体を薄膜化した場
合、製造工程において巻取りをする際に支持体にしわが
入るとか、この支持体を有する写真フィルムを自動現像
機等で現像する際に自動現像機内での搬送性が悪くな
り、自動現像機内でジャミングを起こしたりあるいは現
像フィルムの切断を起こしたりとか、などの重大な問題
が発生する。この問題は支持体を薄膜化するほど顕著に
なるので、支持体の滑り性は、薄膜化した支持体を製造
する際の、あるいはこの薄膜化した支持体を有する写真
フィルムを現像する際の重要な要素となる。
【0008】前記問題を解消する方法としては、支持体
に不活性粒子等を添加して、その表面に突起を持たせる
ことにより、滑り性を向上させることが考えられるが、
表面に突起を持たせると支持体の透明性が低下するとい
う問題が新たに生じる。
【0009】このように、写真用支持体のような透明フ
ィルムにおいては、透明性と易滑性とは相反する特性で
ある。したがって、透明性を追究すると表面が平滑にな
るものの滑り性が著しく低下してしまい、製造上好まし
くない。また逆に、易滑性を付与しようとすると透明性
が低下してしまい、写真性能上好ましくない、という問
題がある。
【0010】ところで一方、ポリエステルを製造する方
法としては、酸とグリコールとを直接にエステル化した
後に重縮合させる直重法、および、酸のエステルとグリ
コールとのエステル交換反応を経由して重縮合するエス
テル交換(以下EIとする)法がある。直重法における
エステル化は無触媒で十分に進行するが、EI反応にお
いてはEI触媒がないと経済的な時間内に反応を進行さ
せることが困難である。
【0011】前記EI触媒としては、通常、カルシウ
ム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、コバルト、チタン
等の化合物が用いられる。得られたポリエステルは写真
用支持体の製造に用いられるので、着色が少ないことが
重要であり、かかる観点よりカルシウムが従来から好適
に用いられてきた。
【0012】しかしながら、親水性を付与した変性ポリ
エステル支持体の製造においては、カルシウム触媒を使
用すると、滑り性に優れた支持体が得られるものの、カ
ルシウムのエステル交換能が低いので、カルシウムを大
量に使用しなければならず、その結果、支持体の透明性
が失われてしまうという問題があった。
【0013】この発明は、支持体における上記のような
問題点を解決し、写真用支持体として充分な透明度を有
し、さらに滑り性に富み、巻き癖回復性の良好な写真用
支持体を提供することを目的とする。
【0014】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ための請求項1に記載の発明は、モノマーユニットとし
てテレフタル酸とエチレングリコールとを含有すると共
に、加水分解することにより検出されるところの、金属
スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸及びポリア
ルキレングリコールを含有する共重合ポリエステルを素
材とし、ヘーズが1.5%以下、中心線平均粗さが0.
0025μm以上、かつ、その厚みが50〜100μm
であることを特徴とする写真用支持体であり、請求項2
に記載の発明は、該共重合ポリエステルの共重合成分と
して、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
の量が、全エステル結合単位に対して2〜7モル%であ
り、かつ、ポリアルキレングリコールの量が、共重合ポ
リエステルの全重量に対して3〜10重量%であること
を特徴とする前記請求項1に記載の写真用支持体であ
り、請求項3に記載の発明は、前記共重合ポリエステル
は、エステル交換触媒としてMn化合物を0.5×10
-2〜11.0×10-2(モル%/全エステル結合単
位)、およびCa化合物を0.5×10-2〜5.0×1
-2(モル%/全エステル結合単位)を併用して重合す
ることにより得られてなる前記請求項1または2に記載
の写真用支持体であり、請求項4に記載の発明は、共重
合ポリエステルは、エステル交換触媒としてMn化合物
を0.5×10-2〜11.0×10-2(モル%/全エス
テル結合単位)を使用すると共に、平均粒径0.05〜
0.5μmの不活性無機粒子を生成するべき前記共重合
ポリエステルに対して0.01〜2.0重量%の割合で
使用することにより得られてなる前記請求項1または2
に記載の写真用支持体である。
【0015】以下、この発明の写真用支持体について詳
説する。
【0016】−共重合ポリエステル− この発明における共重合ポリエステルとしては、テレフ
タル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主た
るグリコール成分とする共重合ポリエステルであって、
その酸成分として金属スルホネート基を含有する芳香族
ジカルボン酸とグリコール成分としてのポリアルキレン
グリコールとを特定の割合で含有することが好ましい。
【0017】前記金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸としては、例えば、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−
ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ
−2,6−ナフタレンジカルボン酸、もしくは、下記
(化1)で示されるエステル形成性誘導体、およびこれ
らのナトリウムを他の金属例えばカリウム、リチウムな
どで置換した化合物を挙げることができる。
【0018】
【化1】
【0019】前記ポリアルキレングリコールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等を挙げることができ、この内ポリエチレングリコー
ルが好ましい。また、その分子量としては特に限定され
ないが300〜20,000、好ましくは600〜1
0,000であり、さらに好ましくは1,000〜1
0,000である。
【0020】この発明におけるモノマーユニットとして
金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を有す
る共重合ポリエステルにおいては、これを加水分解する
ことにより検出されるところの、金属スルホネート基を
有する芳香族ジカルボン酸の量が、延伸性、機械的強度
及び平面性に優れた写真用支持体を得るために、また現
像処理後の写真フィルムの巻きぐせを十分に回復するた
めに、好ましくは全エステル結合単位に対して2〜7モ
ル%、より好ましくは3〜6モル%であり、かつ前記ポ
リアルキレングリコールの量は、現像後の巻きぐせがと
れ、延伸性、機械的強度に優れた写真用支持体を得るた
めに、共重合ポリエステルの全重量に対して、好ましく
は3〜10重量%であり、より好ましくは4〜8重量%
である。
【0021】この発明に使用される共重合ポリエステル
は、この発明の目的を阻害しない限り、他の種類の酸成
分及びグリコール成分を有していてもよい。また、他の
ポリエステルを有していてもよい。
【0022】任意成分としての酸成分としては、イソフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げるこ
とができ、前記グリコール成分としては、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリ
コール、p−キシリレングリコール等を挙げることがで
きる。
【0023】この発明における共重合ポリエステルは、
その製造方法につき特に制限はなく、例えば、ジカルボ
ン酸成分とグリコール成分とをエステル交換した後に、
高温および減圧下にて重縮合する方法により、好適に製
造される。この際に、共重合成分、例えば金属スルホネ
ート基を含有する芳香族ジカルボン酸類や、ポリエチレ
ングリコールをエステル交換反応時から加えても良く、
エステル交換反応後重縮合しても良い。
【0024】このエステル交換時に用いる触媒として
は、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の
酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。こ
れらの中でも、マンガン化合物、またはマンガン化合物
とカルシウム化合物との併用物が好ましく、例えば酢酸
マンガン、酢酸カルシウムの水和物が好ましく、さらに
はこれらを混合したものが好ましい。
【0025】各触媒における好ましい使用量は、エステ
ル交換反応が十分に進み、かつ、得られたポリエステル
のヘーズが大きくなりすぎないためには、マンガン化合
物については0.5×10-2〜11.0×10-2(モル
%/全エステル結合単位)であり、カルシウム化合物に
ついては0.5×10-2〜5.0×10-2(モル%/全
エステル結合単位)である。
【0026】この発明に用いられる共重合ポリエステル
は、重合段階で混入する、リン酸、亜リン酸、およびそ
れらのエステルならびに不活性無機粒子を含有していて
も良いし、また重合後に添加される不活性無機粒子を含
有していても良い。
【0027】前記不活性無機粒子としては、写真用支持
体の透明性を阻害しなければ特に制限はなく、例えば、
シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、
二酸化チタン等を好ましく用いることができる。マンガ
ン化合物をエステル交換反応として使用することにより
共重合ポリエステルを製造するときには、優れた写真用
支持体の透明性、及び易滑性を得るために、その重合時
に、平均粒径が好ましくは0.05〜0.5μmであ
り、更に好ましくは0.08〜0.4μmである前記不
活性無機粒子を、得られる共重合ポリエステルに対して
0.01〜2重量%、好ましくは0.03〜1.8重量
%になる割合で重合系に添加するのが好ましい。
【0028】不活性無機粒子の含有量が前記の範囲であ
ることは、支持体の透明性及び十分な滑りによる優れた
作業性を得るために好ましい。逆に、不活性無機粒子の
平均粒子径が0.5μmを越えると写真用支持体の透明
性が低下してしまうことがあり、0.05μm未満であ
ると易滑性の効果が十分に現れないことがある。又、不
活性無機粒子の含有量が2重量%を越えると支持体の透
明性が低下してしまうことがあり、不活性無機粒子の含
有量が0.01重量%未満であると、滑り性が不十分で
あるので作業性の低下することがある。
【0029】−写真用支持体− この発明の写真用支持体は、前述した共重合ポリエステ
ルを素材とし、特定の値のヘーズおよび特定の中心線平
均粗さを有する。
【0030】更に詳述すると、この写真用支持体は、前
述の共重合ポリエステルのみから後述の方法に従って製
造することもできるし、また、この発明の目的を阻害し
ない範囲で、通常用いられる他の添加剤、例えばマット
剤、帯電防止剤、界面活性剤、安定剤、分散剤、可塑
剤、UV吸収剤、導電性物質、粘着性付与剤、軟化剤、
流動性付与剤、増粘剤、酸化防止剤、染料等を含有して
いても良い。これらは、共重合ポリエステルを製造する
重合段階で添加されても良いし、また製造された共重合
ポリエステルとブレンドされても良い。また重合段階で
燐酸、亜燐酸及びそれらのエステルが含まれていても良
い。
【0031】この発明の写真用支持体は、後述する手法
により形成された単層のフィルムないしシートであって
も良く、また、共押出法ないしラミネート法により他の
材質のフィルムないしシートと後述の手法により形成さ
れたフィルムないしシートとの積層された重層構造であ
っても良い。
【0032】この発明において、得られた写真用支持体
のヘーズは1.5%以下である。支持体のヘーズが1.
5%よりも大きいと透明性に劣り写真用支持体として好
ましくない。
【0033】写真用支持体のヘーズは、例えば、前記エ
ステル交換触媒にマンガン化合物を使用する、または、
前記不活性無機粒子の添加量を少なくする若しくはその
粒径が前記特定の範囲内にある粒子を使用するにことに
より、1.5%以下に調整することができる。
【0034】この発明において、得られた写真用支持体
の中心線平均粗さは、好ましくは0.0025μm以
上、さらに好ましくは0.0030以上μmである。中
心線平均粗さが0.0025μmより小さい値であると
滑り性に劣るので、特に100μm以下に薄膜化した写
真用支持体を、製造工程において巻き取る際に、写真用
支持体にしわが入ることがあり好ましくない。
【0035】この写真用支持体の中心線平均粗さを前記
特定の範囲内にするには、重合時に添加する不活性無機
粒子の粒径を調整することにより実現することもできる
し、得られた共重合ポリエステルにブレンドする不活性
無機粒子の粒径を調整することにより実現することがで
きる。また、添加する不活性無機粒子の粒径によらずに
この写真用支持体の中心線平均粗さを前記特定の範囲内
にするには、不活性無機粒子の添加量を調節することに
より実現することができる。もちろん、この発明におい
ては、この写真用支持体の中心線平均粗さを前記特定の
範囲内にする手法は前記方法に限定されずその他の任意
の方法を採用することができる。
【0036】この発明の写真用支持体の厚さは50〜1
00μmであるが、好ましくは60〜90μmである。
写真用支持体の膜厚が100μmより厚いと、機械的強
度には優れるので巻き取り性には優れるものの、一定枚
数以上の撮影枚数を確保し、かつコンパクト化すること
ができない。一方、膜厚が50μm未満では、滑り性は
良好となるものの、機械的強度が低下し、巻きじわが発
生するため巻き取り性が悪くなり、また腰もなくなるた
め支持体として使用することが困難になる。
【0037】この発明の写真用支持体は、現在知られて
いる各種の用途に適用することができるのであるが、特
にロール状にして用いられる写真フィルムの支持体とし
て好適である。
【0038】−写真用支持体の製造− この発明に係る写真用支持体の製造方法について説明す
る。
【0039】この発明の写真用支持体は、例えば前記共
重合ポリエステルを十分に乾燥した後に、260〜32
0℃の温度範囲に制御された押出機、フィルターおよび
口金などを通じてシート状に溶融押出し、溶融ポリマー
を回転する冷却ドラム上で冷却固化し、未延伸フィルム
を得る。その後に、その未延伸フィルムを縦方向および
横方向に二軸延伸し、熱固定することにより製造するこ
とができる。
【0040】未延伸シートを得る方法としては特に制限
はなく、それ自体公知の方法でよく、例えば得られた樹
脂を十分乾燥後、フィルターおよび口金などを通じてシ
ート状に溶融押出し、回転する冷却ドラム上にキャスト
して冷却固化する方法を挙げることができる。
【0041】でき上がったシートを二軸延伸する方法と
しては、例えば、次の(A)〜(C)のプロセスを挙げ
ることができる。
【0042】(A)未延伸シートをまず縦方向に延伸
し、次いで横方向に延伸する方法。
【0043】(B)未延伸シートをまず横方向に延伸
し、次いで縦方向に延伸する方法。
【0044】(C)未延伸シートを1段または多段で縦
方向に延伸した後、再度縦方向に延伸し、次いで横方向
に延伸する方法。
【0045】上記延伸は、写真用支持体の機械的強度、
寸法安定性等を満足させるために面積比で4〜16倍で
行うのが好ましい。
【0046】フィルムの延伸条件は、共重合ポリエステ
ルの共重合組成により変化するので一律に規定すること
ができないが、縦方向に共重合ポリエステルのガラス転
移温度(Tg)からTg+100℃の温度範囲で延伸倍
率2.5〜6.0倍、横方向にTg+5℃からTg+5
0℃の温度範囲で延伸倍率2.5〜4.0倍の範囲であ
る。以上のようにして得られた二軸延伸フィルムは、通
常150℃〜240℃で熱固定し冷却される。この場合
に、必要であれば縦方向および/または横方向に緩和し
ても良い。
【0047】この発明における共重合ポリエステルは、
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(6
0/40重量比)の混合液中で、20℃で測定した固有
粘度が、0.4〜1.0であるのが好ましく、より好ま
しくは0.5〜0.8である。
【0048】−写真フィルム(写真感光材料)− 写真フィルムは、この発明の写真用支持体を用いて次の
ような層構成を有する。
【0049】すなわち、写真フィルムは、この発明の写
真用支持体の少なくとも一方の表面にハロゲン化銀乳剤
層を少なくとも一層有する。換言すると、このハロゲン
化銀乳剤層は、写真用支持体の片面に少なくとも一層設
けられていることもあるし、写真用支持体の両面に少な
くとも一層設けられていることもある。そして、このハ
ロゲン化銀乳剤は写真用支持体上に直接に塗設される
か、あるいは他の層例えばハロゲン化銀乳剤を含まない
親水性コロイド層を介して塗設されることができ、さら
にハロゲン化銀乳剤層の上には、保護層としての親水性
コロイド層を塗設しても良い。また、ハロゲン化銀乳剤
層は、異なる感度、例えば高感度および低感度の各ハロ
ゲン化銀乳剤層に分けて塗設しても良い。この場合、各
ハロゲン化銀乳剤層の間に、中間層を設けても良い。す
なわち、必要に応じて親水性コロイドからなる中間層を
設けても良い。また、ハロゲン化銀乳剤層と保護層との
間に、中間層、保護層、アンチハレーション層、バッキ
ング層などの非感光性親水性コロイド層を設けても良
い。
【0050】ハロゲン化銀乳剤に使用するハロゲン化銀
としては、任意の組成のものを使用することができる。
例えば、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀もし
くは沃臭化銀等を挙げることができる。
【0051】又、このハロゲン化銀乳剤には、増感色
素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤等を含有
していても良い。
【0052】この発明の写真用支持体を使用した写真フ
ィルムを現像処理するには、例えばT.H.ジェームズ
著、ザ セオリイ オブ ザ ホトグラフィック プロ
セス第4版(The Theory of The Photografic Process,
Forth Edition)第291頁〜第334頁およびジャー
ナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティ
(Journal of the American Chemical Society )第7
3巻、第3,100頁(1951)に記載されている現
像剤を使用することができる。
【0053】
【実施例】
(実施例1〜5および比較例1〜4)テレフタル酸ジメ
チル100重量部およびエチレングリコール64重量部
に、酢酸カルシウム水和物0.02重量部と酢酸マンガ
ン水和物0.02重量部とを添加し、常法によりエステ
ル交換反応を行った。得られた生成物に、5−ナトリウ
ムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエ
チレングリコール溶液(濃度35重量%)を5〜58重
量部、ポリエチレングリコール(数平均分子量3,00
0)を2〜16重量部、三酸化アンチモンを0.05重
量部、および燐酸トリメチルエステルを0.13重量部
を添加した。次いで徐々に昇温すると共に減圧にし、2
80℃、0.5mmHgの条件で重合反応を行い共重合
ポリエステルを得た。
【0054】この共重合ポリエステルを150℃で真空
乾燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急
冷固化させて、厚さ980μmの未延伸シートを作成し
た。
【0055】次いで、80℃で横方向に3.5倍の倍率
で延伸し、更に90℃で縦方向に3.5倍の倍率で延伸
した後、200℃で熱固定して厚さ80μmの二軸延伸
フィルムを得た。
【0056】(実施例6)テレフタル酸ジメチル100
重量部、エチレングリコール64重量部、5−ナトリウ
ムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエ
チレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部
(5モル%/全エステル結合単位)、ポリエチレングリ
コール(数平均分子量1,000)6重量部(5重量%
/ポリマ−)に酢酸カルシウム水和物0.02重量部、
酢酸マンガン水和物0.02重量部、三酸化アンチモン
0.05重量部を添加し、常法によりエステル交換を行
った。得られた生成物にリン酸トリメチルエステル0.
13重量部を添加し、次いで徐々に昇温すると共に減圧
にし、280℃、0.5mmHgの条件で重合を行い共
重合ポリエステルを得た。この共重合ポリエステルを用
いて、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
【0057】(実施例7〜10および比較例5〜6)実
施例1において、エステル交換触媒の使用量を表2に示
すように変更した外は実施例1と同様にして二軸延伸フ
ィルムを得た。
【0058】(実施例11〜15および比較例7〜1
1)実施例1において、エステル交換触媒を酢酸マンガ
ンに代え(添加量は表3に示す)、表3に示すとおりの
粒子径のシリカを表3に示す通りに添加した外は実施例
1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。
【0059】(比較例12〜13)実施例1において、
未延伸シートの厚みを490μmまたは1,960μm
に変えた外は実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを
得た。
【0060】フィルムの評価方法を以下に示す。
【0061】《透明性》フィルムのヘーズをJIS K
−6714に従って測定した。写真用支持体としては実
用上1.5%以下が好ましい。
【0062】《中心線平均粗さ》支持体の表面を、WY
KO社製、非接触式表面粗さ計TOPO−3Dを用い
て、250μm角の表面粗さを、対物レンズ40倍で測
定した。
【0063】中心線平均粗さが0.0025μmより小
さい値であると、取り扱いに支障をきたすことがある。
【0064】《巻き癖回復率》サンプルサイズ15cm
×35mmの支持体を直径10.8mmの巻芯に巻き、
55℃、30%RHの条件で4時間処理を行い、その
後、巻芯から解放し50gの荷重をかけ40℃の水浴中
に15分間浸漬後、55℃の温風乾燥機で3分間乾燥し
サンプルを垂直に吊るし、サンプル長さを測定し元の1
5cmのサンプル長にどれだけ回復したかを評価した。
【0065】〇・・・巻き癖回復率60%以上 △・・・巻き癖回復率40%より大60%より小 ×・・・巻き癖回復率40%以下 巻き癖回復率が40%未満であると、取扱いに支障をき
たすことがある。
【0066】《巻取り性》製造工程において支持体を巻
取った際に、支持体にしわが入るかどうか以下の基準に
従って、目視で評価した。
【0067】〇・・・支持体に全くしわが入らない、 △・・・良く見ると支持体にしわがあることがわかる、 ×・・・一見して支持体にしわが入っていることがわか
る。
【0068】《破断強度》フィルムを温度23℃、相対
湿度55%に調湿された部屋に4時間以上放置した後、
試料巾10mm、長さ200mmに切断し、チャック間
100mmにして引張速度100mm/分で、縦方向の
引張試験をし、破断したときの荷重を初期断面積で除く
破断強度を求めた。破断強度が10kg/mm2 より小
さいと写真支持体として実用上問題があるので好ましく
ない。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【発明の効果】この発明によると、透明性、易滑性、巻
き癖回復性に優れた写真用支持体を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 小林 英幸 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 大久保 義興 山口県防府市惣社町2−33−5 (72)発明者 橋村 鉄太郎 山口県防府市新田1751−15 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマーユニットとしてテレフタル酸と
    エチレングリコールとを含有すると共に、加水分解する
    ことにより検出されるところの、金属スルホネート基を
    有する芳香族ジカルボン酸及びポリアルキレングリコー
    ルを含有する共重合ポリエステルを素材とし、ヘーズが
    1.5%以下、中心線平均粗さが0.0025μm以
    上、かつ、その厚みが50〜100μmであることを特
    徴とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】 該共重合ポリエステルの共重合成分とし
    て、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の
    量が、全エステル結合単位に対して2〜7モル%であ
    り、かつ、ポリアルキレングリコールの量が、共重合ポ
    リエステルの全重量に対して3〜10重量%であること
    を特徴とする前記請求項1に記載の写真用支持体。
  3. 【請求項3】 前記共重合ポリエステルは、エステル交
    換触媒としてMn化合物を0.5×10-2〜11.0×
    10-2(モル%/全エステル結合単位)、およびCa化
    合物を0.5×10-2〜5.0×10-2(モル%/全エ
    ステル結合単位)を併用して重合することにより得られ
    てなる前記請求項1または2に記載の写真用支持体。
  4. 【請求項4】 共重合ポリエステルは、エステル交換触
    媒としてMn化合物を0.5×10-2〜11.0×10
    -2(モル%/全エステル結合単位)を使用すると共に、
    平均粒径0.05〜0.5μmの不活性無機粒子を生成
    するべき前記共重合ポリエステルに対して0.01〜
    2.0重量%の割合で使用することにより得られてなる
    前記請求項1または2に記載の写真用支持体。
JP27467892A 1992-04-15 1992-10-13 写真用支持体 Pending JPH05346635A (ja)

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JP9565592 1992-04-15
JP4-95655 1992-04-15
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