JPH0667291U - 自転車用変速操作装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻き取り体の仕様によって規制されない任意
の表示態様で速度表示ができ、しかも、比較的構造簡単
に得られる自転車用変速操作装置を提供する。 【構成】 変速操作に伴って巻き取り体７が回動する
と、指針体９に摺動可能に係止している伝動突起１２の
ために巻き取り体回動力が指針体９に伝達して、指針体
９が回動軸芯Ｐまわりで回動し、指針体９の針先部９ａ
が速度表示記号を指示する。巻き取り体７の回動軸芯方
向視において、指針体９の回動軸芯Ｐが巻き取り体７の
回動軸芯Ｘに対して巻き取り体一端側に位置し、指針体
９の針先部９ａが巻き取り体７の回動軸芯Ｘに対して指
針体軸芯Ｐとは反対側に位置し、針先部９ａが巻き取り
体７の回動距離より長い移動距離を移動したり、巻き取
り体７が不均一な回動角ピッチで回動しても、針先部９
ａは均一に近い回動ピッチで作動するように構成でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、変速ワイヤ用の巻き取り体と、この巻き取り体を回動操作する変速 レバーとを備えるとともに、自転車用ハンドルに取り付けるように構成した自転 車用変速操作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記自転車用変速操作装置において、従来、例えば実公昭４８−３３１７３号 公報に示されるように、変速ワイヤ用巻き取り体を形成する円板に指針としての 矢印を付設するとともに、変速操作をすると、矢印が回動して速度表示記号を指 示するように構成することにより、変速操作によって得られる速度段階を表示で きるようになったものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の速度表示にあっては、指針が巻き取り体に付着していて巻き取り体とと もに作動する。したがって、例えば、装置全体を小型にする場合、巻き取り体の 外径が小さくなり、巻き取り体が最低速位置から最高速位置まで全回動ストロー クを回動しても指針がわずかなストロークしか作動せず、指針の移動経路に沿っ て並ぶ速度表示記号の間隔が狭くなる問題が発生しやすくなっていた。また、操 作する変速装置の構造上の都合により、第１速から第２速に変速する際に巻き取 り体が回動する回動角と、第２速から第３速に変速する際に巻き取り体が回動す る回動角とが異なるなど、巻き取り体の回動角ピッチが不均一になるように構成 する必要がある場合、指針の回動角ピッチも巻き取り体の回動角ピッチと同様に 不均一になり、指針の移動経路に沿って並ぶ速度表示記号の間隔が不均一になる 問題があった。 本考案の目的は、巻き取り体の大きさや回動角ピッチなどの仕様によって規制 されない任意の表示態様で速度表示ができ、しかも、比較的構造簡単に得られる 自転車用変速操作装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による自転車用変速操作装置にあっては、目的達成ために、冒頭に記し たものにおいて、 変速段位を表示する可動部材を、前記巻き取り体の回動軸芯方向視において前 記巻き取り体の回動軸芯に対して巻き取り体一端側に位置する軸芯まわりで揺動 自在に備えるとともに、前記可動部材の変速段表示部を、前記巻き取り体の回動 軸芯方向視において前記巻き取り体の回動軸芯に対して前記軸芯とは反対側に配 置し、 前記巻き取り体と前記可動部材との一方と一体に回動する伝動突起が他方に摺 動自在に係止してなる連動機構により、前記巻き取り体と前記可動部材とを連動 させてあることを特徴とする。

【０００５】

【作用】

変速操作をすると、これに伴って回動する巻き取り体の回動力が伝動突起によ って可動部材に伝達し、この可動部材が変速操作前の旧表示位置から新表示位置 に回動し、可動部材の変速段表示部が変速操作後の新たな変速段位を表示する。 連動機構を構成するに、例えば、伝動突起を巻き取り体側に設けるとともに、 可動部材の回動軸芯と変速段表示部との間に摺動可能に係止するようにする。す ると、可動部材の回動軸芯から変速段表示部までの距離が、回動軸芯から入力箇 所までの距離より大になることにより、可動部材が巻き取り体からの伝動によっ て揺動する際、可動部材の変速段表示部が巻き取り体の伝動突起付設箇所などの 特定箇所よりも長い距離を移動するようになる。また、可動部材が特定の変速表 示位置に位置する際に可動部材の回動軸芯と変速段表示部との間のどの箇所に伝 動突起が係止作用するようにするかの設定具合や、伝動突起が摺動しながら係止 する経路の形状設定によっては、巻き取り体が不均一な回動角ピッチで回動しな がらも可動部材が均一またはほぼ均一な回動角ピッチで回動するとか、巻き取り 体が均一な回動角ピッチで回動しながらも可動部材が不均一な回動角ピッチで回 動するようになる。すなわち、変速段表示部の作動距離が巻き取り体の作動距離 よりも大になるように増幅して変速段表示部が作動したり、巻き取り体の回動ピ ッチが不均一ではあるが変速段表示部の作動ピッチが均一またはほぼ均一になる とか、巻き取り体の回動ピッチが均一ではあるが変速段表示部の作動ピッチが不 均一になるようにピッチ調整して変速段表示部が作動するようになる。

【０００６】

【考案の効果】

可動部材によって変速段表示が行われるだけでなく、可動部材が巻き取り体の 仕様によって規制されない回動ピッチや回動ストロークで作動して、変速段表示 が見やすいとか判別しやすい適切な表示態様で行われるようにでき、所望の速度 段位に正確かつ容易に変速操作できるようにできた。 しかも、伝動突起が巻き取り体と可動部材の一方と一体に回動するとともに他 方に摺動可能に係止する連動機構を採用していることにより、連動機構の面から 構造の簡略化ができて安価に提供できるようにできた。

【０００７】

【実施例】

図１および図２に示すように、自転車用ハンドルバー１にバンド部２ａによっ て連結するように構成したレバーブラケット２に、ブレーキレバー３を揺動可能 に取り付け、変速レバー４および速度表示部Ａなどを備える変速操作装置を前記 レバーブラケット２に付設して、自転車用の変速操作装置付きブレーキレバー装 置を構成してある。 前記変速操作装置を構成するに、図２および図３に示すように、前記レバーブ ラケット２の支持部２ａに連結した固定部材５に、支軸６を介して巻き取り体７ および前記変速レバー４を軸芯Ｘまわりで回動するように取り付けるとともに、 変速レバー４を第１操作部４ａまたは第２操作部４ｂによって揺動操作すると、 変速レバー４および巻き取り体７に作用する操作機構（図示せず）のために巻き 取り体７が回動作動するように構成し、自転車用ハンドルバー１にレバーブラケ ット２を介して支持されるように取り付けるとともに、自転車用変速装置（図示 せず）から延びる変速ワイヤ８のインナーワイヤ８ａを巻き取り体７に連結し、 変速レバー４を第１操作部４ａによって原位置Ｎから第１変速位置Ｕに揺動操作 したり、第２操作部４ｂによって原位置Ｎから第２変速位置Ｄに揺動操作するこ とにより、巻き取り体７を回動操作してインナーワイヤ８ａを引っ張り操作した り緩め操作するように、かつ、巻き取り体７が所定の１回動ピッチを回動する都 度、変速レバー４を原位置Ｎに戻して、つぎの変速操作を可能にするようにして ある。 すなわち、変速レバー４が原位置Ｎから第１変速位置Ｕに揺動する際には、巻 き取り体７に係合してレバー揺動力を巻き取り体７に回動操作力として伝達し、 かつ、変速レバー４が第１変速位置Ｕから原位置Ｎに揺動する際には、巻き取り 体７に対する係合を自動的に解除するラチェト式の送り爪（図示せず）、変速レ バー４が原位置Ｎから第２変速位置Ｄに揺動する際には、巻き取り体７に係合し てレバー揺動力を巻き取り体７に回動操作力として伝達し、かつ、変速レバー４ が第２変速位置Ｄから原位置Ｎに揺動する際には、巻き取り体７に対する係合を 自動的解除するラチェト式の戻し爪（図示せず）、巻き取り体７をインナーワイ ヤ８ａの張力などによる巻き戻し作用に抗して変速操作位置に維持するストッパ ー爪（図示せず）、変速レバー４が原位置Ｎから第１変速位置Ｕや第２変速位置 Ｄに揺動する際には前記ストッパー爪を自動的に解除操作し、かつ、変速レバー が原位置Ｎに戻る際には前記ストッパー爪を自動的に作用操作する爪操作部を前 記操作機構に備えてある。これにより、変速レバー４を原位置Ｎから第１変速位 置Ｕに操作すると、巻き取り体７がレバー操作力のために巻き取り側に回動して インナーワイヤ８ａの巻き取り操作をし、変速レバー４を原位置Ｎから第２変速 位置Ｄに操作すると、巻き取り体７がレバー操作力のために巻き戻し側に回動し てインナーワイヤ８ａの巻き戻し操作をする。巻き取り体７が巻き取り側または 巻き戻し側に所定の１回動ピッチだけ回動した後に、変速レバー４に対する操作 力付与を解除すると、変速レバー４がリターンスプリング（図示せず）のために 第１変速位置Ｕまたは第２変速位置Ｄから原位置Ｎに自動的に復帰する。この時 、巻き取り体７は、先に回動操作された変速位置を前記ストッパー爪の作用によ って維持する。

【０００８】 前記速度表示部Ａは、図２に示す如く前記固定部材５に巻き取り体７の回動軸 芯Ｘと平行またはほぼ平行な軸芯Ｐまわりで揺動するように取り付けた指針体９ と、前記巻き取り体７および操作機構などを収容するように形成して前記固定部 材５に取り付けてある変速ケース１０に付設した透明板１１と、変速ケース１０ の一部でなる速度表示板１０ａとによって構成してある。そして、巻き取り体７ の上面側に伝動突起１２を立設し、この伝動突起１２の先端側を、指針体９の回 動軸芯Ｐと針先部９ａとの間に位置する長孔９ｂに摺動可能に入り込ませて指針 体９に係止させることにより、巻き取り体７と指針体９との連動機構を構成し、 もって、速度表示部Ａによる変速段表示を可能してある。 すなわち、変速操作をして巻き取り体７が回動すると、伝動突起１２が巻き取 り体７と一体に回動して、指針体９に摺動しながら押圧作用する。これにより、 巻き取り体７の回動力が指針体９の入力箇所としての伝動突起接当箇所に伝わっ て、指針体９が軸芯Ｐまわりで回動し、指針体９の針先部９ａが透明板１１の内 面側に位置する経路を移動する。巻き取り体７の回動が停止すると、指針体９が 所定の表示位置に停止し、指針体９の針先部９ａが速度表示板１０ａに付設して ある複数の速度表示記号１３のうち、巻き取り体７の停止した速度位置に対応す るものを指示する。

【０００９】 図 に明示するように、巻き取り体７の回動軸芯方向視において、指針体９の 回動軸芯Ｐが巻き取り体７の回動軸芯Ｘに対して巻き取り体７の一端側に位置し 、指針体９の針先部９ａが前記回動軸芯Ｘに対して前記回動軸芯Ｐとは反対側に 位置するように、回動軸芯Ｐおよび針先部９ａを配置設定してある。また、変速 可能な７段階のうちのちょうど中間の段階となる第４速を現出する操作位置に巻 き取り体７が位置する時、指針体９の回動軸芯Ｐと針先部９ａ、伝動突起１２が 一直線上に並ぶが、この線上からは巻き取り体７の回動軸芯Ｘが外れるように配 置設定してある。すなわち、針先部９ａが伝動突起１２の移動距離より長い距離 を移動するように増幅作動したり、巻き取り体７が低速側では大回動角ピッチで 、高速側では小回動角ピッチで回動するなど不均一な回動角ピッチで回動しても 針先部９ａが均一やそれに近い回動角ピッチで作動し、巻き取り体７の大きさや 回動角ピッチの割りには速度表示記号１３の間隔が大になるとか、極力均一にな って速度表示が見やすくなる。

【００１０】 〔別実施例〕 速度表示部Ａを構成するに、上記実施構造の如く、指針体９の回動軸芯Ｐを巻 き取り体７の回動軸芯Ｘに平行またはほぼ平行に配置すると、指針体９が全体に わたって巻き取り体７に近づいてコンパクトに構成できる利点が得られて有利で あるが、指針体９の回動軸芯Ｐと巻き取り体７の回動軸芯Ｘとを平行に配置する ことなく実施してもよい。

【００１１】 上記実施構造の如く指針体の方が巻き取り体に連動して作動するように構成す る他、指針の方を固定部材に備え、速度表示記号を備える速度表示部材の方が巻 き取り体に連動して作動するように、速度表示部を構成する場合にも本考案は適 用できる。したがって、指針体９を変速段位表示の可動部材９と称し、針先部９ ａを変速段位表示部９ａと称する。

【００１２】 巻き取り体と、変速段表示の可動部材との連動機構を構成するに、伝動突起を 巻き取り体の方に付設する他、可動部材の方に付設してもよい。また、伝動突起 を巻き取り体や可動部材に直接に立設する他、伝動突起を備える伝動用部材を巻 き取り体や可動部材に連結する手段を採用してもよい。また、伝動突起が入り込 む長孔を湾曲形状など非直線形状に形成し、この非直線形状の作用により、巻き 取り体の回動角ピッチと可動部材の回動角ピッチとが異なる状態で伝動されるよ うに構成してもよい。

【００１３】 本考案は、変速操作を行う都度、変速レバーが原位置に復帰する変速操作装置 の他、変速レバーと巻き取り体とが連結し、変速レバーが巻き取り体とともに各 変速操作位置に停止するように構成する変速操作装置の場合にも適用できる。

【００１４】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】変速操作装置付きの自転車用ブレーキレバー装
置全体の斜視図

【図２】変速操作装置の断面図

【図３】速度表示部の平面図

【符号の説明】

４ 変速レバー ７ 巻き取り体 ９ 可動部材 ９ａ 変速段表示部 １２ 伝動突起 Ｎ 原位置 Ｘ 回動軸芯 Ｐ 軸芯

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 変速ワイヤ用の巻き取り体（７）と、こ
   の巻き取り体（７）を回動操作する変速レバー（４）と
   を備えるとともに、自転車用ハンドルに取り付けるよう
   に構成した自転車用変速操作装置であって、 変速段位を表示する可動部材（９）を、前記巻き取り体
   （７）の回動軸芯方向視において前記巻き取り体（７）
   の回動軸芯（Ｘ）に対して巻き取り体一端側に位置する
   軸芯（Ｐ）まわりで揺動自在に備えるとともに、前記可
   動部材（９）の変速段表示部（９ａ）を、前記巻き取り
   体（７）の回動軸芯方向視において前記巻き取り体
   （７）の回動軸芯（Ｘ）に対して前記軸芯（Ｐ）とは反
   対側に配置し、 前記巻き取り体（７）と前記可動部材（９）との一方と
   一体に回動する伝動突起（１２）が他方に摺動自在に係
   止してなる連動機構により、前記巻き取り体（７）と前
   記可動部材（９）とを連動させてある自転車用変速操作
   装置。
2. 【請求項２】 前記可動部材（９）の揺動軸芯（Ｐ）
   と、前記巻き取り体（７）の回動軸芯（Ｘ）とが平行ま
   たはほぼ平行である請求項１記載の自転車用変速操作装
   置。
3. 【請求項３】 前記変速レバー（４）が変速操作の都
   度、原位置（Ｎ）に自動的に復帰する状態に、前記変速
   レバー（４）と前記巻き取り体（７）とが連動している
   請求項２記載の自転車用変速操作装置。