JPH0667255A - 防振カメラ - Google Patents

防振カメラ

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JPH0667255A
JPH0667255A JP24603692A JP24603692A JPH0667255A JP H0667255 A JPH0667255 A JP H0667255A JP 24603692 A JP24603692 A JP 24603692A JP 24603692 A JP24603692 A JP 24603692A JP H0667255 A JPH0667255 A JP H0667255A
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vibration
camera
aperture
correction optical
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JP24603692A
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English (en)
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Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Canon Inc
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Publication date
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  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不用意にケラレの影響を大きくしてしまうこ
とを防止する。 【構成】 防振カメラの撮影状況の情報と防振装置の動
作状態との関連においてカメラの絞りを制御する絞り制
御手段11を設け、防振カメラの撮影状況、例えば絞り
情報や被写体距離情報や撮影レンズの焦点距離情報に応
じて、補正光学手段の駆動量を制御するようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラに加わる比較的
低い周波数の振動を検出し、これを像振れ防止の情報と
して防振を図る防振装置を備えた防振カメラの改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となる従来技術を以下に説
明する。
【0003】現代のカメラでは、露出決定やピント合せ
等の撮影にとって重要な作業はすべて自動化されている
ため、カメラ操作に未熟な人でも撮影の失敗を起す可能
性は非常に少なくなっているが、カメラ振れによる撮影
の失敗だけは自動的に防ぐことが困難とされていた。
【0004】そこで、近年このカメラ振れに起因する撮
影失敗をも防止することを可能とするカメラが意欲的に
研究されており、特に、撮影者の手振れによる撮影失敗
を防止することのできるカメラについての開発、研究が
進められている。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れのない写真を撮影可能とするための基本的な考えと
して、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検
出値に応じて補正レンズを変位させてやらなければなら
ない。従って、カメラの振れが生じても像振れを生じな
い写真を撮影できることを達成するためには、第1にカ
メラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変
化を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度、角速度、角変位等を検出する振動
センサと該センサの出力信号を電気的或は機械的に積分
して角変位を出力するカメラ振れ検出手段をカメラに搭
載することによって行うことができる。そして、この検
出情報に基づき撮影光軸を偏心させる補正光学機構を駆
動させて像振れ抑制が行われる。
【0007】ここで、角変位検出装置を用いた防振シス
テムについて、図20を用いてその概要を説明する。
【0008】図20の例は、図示矢印61方向のカメラ
縦振れ61p及びカメラ横振れ61yに由来する像振れ
を抑制するシステムの図である。
【0009】同図中、62はレンズ鏡筒、63p,63
yは各々カメラ縦振れ角変位、カメラ横振れ角変位を検
出する角変位検出装置で、それぞれの角変位検出方向を
64p,64yで示してある。65p,65yは演算回
路であり、角変位検出装置63p,63yからの信号を
演算して補正光学系駆動信号に変換する。そしてこの信
号により補正光学機構66(67p,67yは各々その
駆動部、68p,68yは補正光学位置検出センサ)を
駆動させて像面69での安定を確保する。
【0010】図21乃至図24は前記振動センサとして
の角変位検出装置の構成例を示すものであり、以下これ
らの図を用いて説明する。
【0011】図21乃至図23において、51は装置を
構成する各部品を取付ける地板、52は内部に後述の浮
体53及び液体54を封入した室をもつ外筒である。5
3は軸53a回りに回転自在に後述の浮体保持体55に
より保持された浮体で、突起53bにはスリット状の反
射面が形成されており、永久磁石から成る材料にて構成
されて上記軸53a方向に着磁されている。又、この浮
体53は軸53a回りの回転バランス及び浮力バランス
がそれぞれとられたものとして構成されている。
【0012】55は後述のピボット軸受56を介して浮
体53を保持した状態で外筒52に固定されている浮体
保持体である。57は地板51に取付けられたコの字形
状のヨークで、浮体53と共に閉磁路を形成している。
514は巻線コイルで、浮体53とヨーク57の間に配
置されて外筒52と固定関係に設けられている。58は
通電により光を発生する発光素子(iRED)であり、
地板51に取付けられている。59は受ける光の位置に
よって出力の変化する受光素子(PSD)であり、地板
51に取付けられている。そして、これら発光素子58
及び受光素子59が上記浮体53の突起(反射面)53
bを介して光を伝送する方式の光学的な角変位検出の手
段を構成している。
【0013】510は発光素子58の前面に配置された
マスクで、光を透過するスリット穴510aを有してい
る。511は外筒52に取付けられたストッパ部材で、
定められた範囲以上浮体53が回転しないように回転規
制をしている。
【0014】尚上記した浮体53の回転自在の保持は次
のようにして行われている。即ち浮体53の中心には図
12(図21A−A断面)で示すように、上下に先端が
尖鋭なピボット512が圧入されている。一方、前記の
浮体保持体55のコ字形の上下腕の先端には互いに内向
きに対向してピボット軸受56が設けられ、上記ピボッ
ト512の尖鋭な先端がこのピボット軸受56に嵌合す
ることで浮体の保持がされる。
【0015】513は外筒52の上蓋であり、シリコン
接着剤等を用いた公知の技術により該外筒52内に液体
54を封入すべくシール接着されている。
【0016】以上の構成において、浮体53はいずれの
姿勢においても重力の影響による回転モーメントが発生
することなく、またピボット軸に実質的に負荷が作用し
ないように、回転軸53a回りに対し対称形状をしてい
るうえに、液体54と同比重の材料にて構成されてい
る。現実には、アンバランス成分ゼロというのは不可能
ではあるが、形状誤差分は比重差分だけしかアンバラン
スとして作用しないので実質的には十分小さく、慣性に
対する摩擦のSN比が極めて良好であることは容易に理
解できよう。
【0017】かかる構成においては、外筒52が回転軸
53a回りに回転しても内部の液体54は慣性により絶
対空間に対し静止するので、浮遊状態にある浮体53は
回転せず、従って外筒52と浮体53は回転軸53a回
りに相対的に回転することになる。これらの相対的な角
変位は、上記発光素子58,受光素子59を用いた光学
的検知手段で検出できる。
【0018】さて、以上の構成を有する装置において、
角変位の検出は次のように行われる。
【0019】まず、発光素子58から発せられた光はマ
スク510のスリット穴510aを通過し浮体53に照
射され、ここで突起53bのスリット状反射面により反
射されて受光素子59に至る。上記光の伝送の際にはこ
の光はスリット穴510aとスリット状反射面とにより
略平行光となり、受光素子59の上にはボケのない像が
形成されることになる。
【0020】そして外筒52,発光素子58,受光素子
59はいずれも地板51に固定されているものであって
一体に運動するので、外筒52と浮体53の間で相対的
な角変位運動が生じると、該変位に応じた量だけ受光素
子59上のスリット像は移動することになる。従って、
受光した光の位置によって出力の変化する光電変換素子
である該受光素子59の出力は、該スリット像の位置変
位に比例した出力となり、該出力を情報として外筒52
の角変位を検出することができる。
【0021】ところで、前述したように浮体53は液体
54と同比重をもつ永久磁石材料にて構成されている
が、それは例えば次の様にして成すものである。
【0022】液体54としてフッ素系の不活性液体を用
いた場合、プラスチック材をベースにフィラーとして永
久磁石材料(例えばフェライト等)の微粉を含有させて
その含有率を調整すれば、体積含有率8%前後にて液体
の比重 「1.8」 と同程度の比重にすることは容易であ
る。かかる材料にて浮体3を成形した後、又は同時に前
記軸53a方向に着磁すれば、浮体53は永久磁石とし
ての性質を持つこととなる。
【0023】図24は浮体53とヨーク57と巻線コイ
ル514の関係を表した、図21のB−B断面である。
【0024】該図の如く浮体53は軸53a方向に着磁
されており、この図では上側がN極、下側がS極に着磁
されている。N極から出た磁力線はコの字型のヨーク5
7を通り、S極に入るという閉磁路を構成しており、こ
の磁路内に配置された巻線コイル514に図の様に紙面
裏側から表側へ電流を流せば、フレミングの左手の法則
に従って該巻線コイル514は矢印f方向に力を受け
る。ところが、該巻線コイル7は前述したように外筒5
2に対し固定されていることから動くことができず、よ
ってその反作用である矢印F方向に力が働き、該力によ
って浮体53が駆動されることになる。この力は巻線コ
イル514に流す電流に比例し、力の方向も電流を上記
とは逆に流せば逆方向に働くことは言うまでもないこと
である。即ち以上の構成に於ては、浮体53を自在に駆
動することが可能である。
【0025】この駆動力により浮体53に及ぼされるバ
ネ力は、原理的には浮体53を外筒52に対して一定の
姿勢に維持させる(つまり一体に移動させる)力である
から、そのバネ力が強いと外筒52と浮体53は一体と
なって運動してしまい、目的とする角変位の為の相対角
変位は生じないと云う問題を招くが、駆動力(バネ力)
が浮体53の慣性に対し十分に小さければ、比較的低い
周波数の角変位にも応答し得る様に構成できる。
【0026】図25は以上の様な角変位検出装置の電気
回路を示す図である。
【0027】電流ー電圧変換アンプ515a,515b
(及び抵抗R33〜R36)は発光素子58の反射光5
16により受光素子59に生じる光電流517a,51
7bを電圧に変化し、差動アンプ518(及び抵抗R3
7〜40)は前記電流ー電圧変換アンプ515a,51
5bの出力差、つまり角変位(外筒52と浮体53の間
の相対的な角変位運動)を求める。この出力を抵抗51
9a,519bで分割して極めて小さい出力にし、巻線
コイル514に電流を流す駆動アンプ520(及び抵抗
R41,トランジスタTR11,TR12)に入力し
て、負帰還(差動アンプ518が出力すると、浮体53
が中心に戻る様に巻線コイル514の配線及び浮体53
の着磁方向を設定する)を行うと、前述の様に液体54
の慣性に対し十分に小さいバネ力(駆動力)が生じる。
【0028】加算アンプ521(及び抵抗R42〜4
5)は前記アンプ515a,515bの和(受光素子の
発光素子58からの反射光516の受光量総和)を求め
ており、その出力を発光素子58を発光させる駆動アン
プ522(及び抵抗R47〜R48,トランジスタTR
13,コンデンサC11)に入力している。
【0029】発光素子58は温度差に極めて不安定にそ
の発光量を変化させてしまうが、上記の様に受光量総和
により発光素子58を駆動させれば、受光素子59の出
力する光電流総和は常に一定となり、差動アンプ518
の角変位検出感度は極めて安定なもとなる。
【0030】図26は他の振動センサとしてのサーボ角
加速度センサの構造図を示すものである。
【0031】図26において、523は外枠底部であ
り、この外枠底部523と一体的に固着される支持部5
24及びボールベアリング等摩擦の少ない軸受525
a,525bによりシャフト526の両端が支持されて
いて、該シャフト526によってコイル527a,52
7bを取付けられたシーソ528が揺動可能に支持され
ている。
【0032】上記コイル527a,527b及びシーソ
528の上下には、これらと離隔されて蓋部としての磁
気回路板530a,530bと永久磁石531a,53
1b,532a,532bが対向して配置されていて、
磁気回路板530a,530bは上述の如く外枠の蓋部
も兼ねている。永久磁石531a,531b,532
a,532bは各々外枠523の底部に固定される磁気
回路背板533a,533b上に取付けられている。
【0033】また、上記シーソ528のコイル527a
の上部には厚み方向に貫通したスリット534aを形成
するスリット板534が設けられており、このスリット
534aの上方の外枠の蓋部を兼ねる磁気回路板530
aにはSPC(Separate Photo Diode)等の光電式の変
位測定器535が配置され、スリット534aの下方の
磁気回路背板533a上には赤外発光ダイオード等の発
光素子536が配置されている。
【0034】以上の構成において、いま角加速度aが図
9の外枠に対して矢印537で示すように働いたとする
と、シーソ528は相対的に角加速度aと反対の方向に
傾き、この振れ角はスリット534aを介する発光素子
536からのビームの変位測定器535上の位置により
検出できる。
【0035】ところで、上記永久磁石531a,531
bからの磁束は、各々永久磁石531a,531b→コ
イル527a,527b→磁気回路板530a,530
b→コイル527a,527b→永久磁石532a,5
32bに、他方永久磁石532a,532bからの磁束
は、各々永久磁石532a,532b→磁気回路背板5
33a,533b→永久磁石532a,532bを通
り、全体として閉磁気回路を形成しており、コイル52
7a,527bに対し垂直な方向の磁束を形成するよう
になっている。そしてコイル527a,527bに制御
電流を流すことにより、フレミングの法則によって、シ
ーソ528を上記角加速度aの振れ方向に沿って両側に
動かすことが出来るように設けられている。
【0036】図27は上記構成のサーボ角加速度センサ
に用いられる角加速度検出回路の構成の一例を示したも
のである。
【0037】この回路は、上記変位検出器535からの
出力を増幅する変位検出増幅器538と、このフィード
バック回路を安定な回路系とするための補償回路539
と、上記変位検出増幅器538からの増幅された出力を
更に電流増幅してコイル527a,527bに通電する
駆動回路540と、コイル527a,527bとが直列
的に接続されて成っている。
【0038】そして本例においては、上記コイル527
a,527bに通電がなされた場合は、外部角加速度a
によるシーソ528の振れ方向とは反対方向に力が発生
するよう該コイル527a,527bの巻線方向及び永
久磁石531a,531b,532a,532bの極性
が設定されている。
【0039】以上の構成のサーボ角加速度センサの作動
原理を説明すると、いま上記構成の角加速度センサに外
部から図27に示す様に角加速度aが加わったとする
と、シーソ528は慣性力によって外枠に対して相対的
に反対回転方向に振れ、従ってシーソ528に設けられ
ているスリット534aがL方向に移動する。このため
に発光素子536から変位検出器535に入射する光束
の中心が変位し、変位検出器535から、その変位量に
比例した出力が発生する。
【0040】その出力は上述の如く変位検出増幅器53
8で増幅され、更に補償回路を介して駆動回路540に
より電流増幅され、コイル527a,527bに通電さ
れる。
【0041】以上のようにコイル527a,527bに
制御電流の通電があると、シーソ528には外部角加速
度aのL方向とは逆の方向であるR方向への力が発生
し、変位検出器535に入射する光束が上記外部角加速
度aの加わらない時の初期位置に戻るように制御電流が
調整して発生される。
【0042】尚、この際コイル527a,527bを流
れる制御電流の値はシーソ528に加わる回転力に比例
しており、更にシーソ528に加わる回転力は該シーソ
528を原点に戻す力、つまり外部角加速度aの大きさ
に比例しているから、抵抗541を通して電流を電圧V
として読取ることにより、例えばカメラの像振れ抑制シ
ステム等に必要な制御情報としての角加速度aの大きさ
を求めることができる。
【0043】そして、この得られた角加速度出力を公知
のアナログ積分回路、或は、ディジタル積分回路で2階
積分して角変位出力に変換して手振れ出力とする。
【0044】図28は前記図27の角加速度検出回路を
より具体的に示した図である。
【0045】図28において、増幅アンプ538a,抵
抗538b,538cは図27の変位検出増幅器538
に相当し、変位測定器535からの光電流を電圧変換増
幅して位置検出を行う。コンデンサ539a及び抵抗5
39b,539cは補償回路539に相当し、駆動アン
プ540a,トランジスタ540b,540c,抵抗5
40d,540e,540fはコイル527a,527
bの駆動を行う駆動回路540に相当する。
【0046】図29はかかるシステムに好適に用いられ
る補正光学機構及びその位置検出手段や駆動手段を示す
図であり、補正レンズ545は光軸と直交する互いに直
角な2方向〔ピッチ方向546pとヨー方向546y
(61p,61yに対応する)〕に自在に駆動可能であ
る。以下にその構成を示す。
【0047】図29において、補正レンズ545を保持
する固定枠547は、ポリアセタール樹脂(以下POM
と記す)等のすべり軸受548pを介してピッチスライ
ド軸549p上を摺動出来る様になっている。又、固定
枠547はピッチスライド軸549pと同軸のピッチコ
イルバネ551pに挟まれており、中立位置付近に保持
される。ピッチスライド軸549pは第1の保持枠55
0に取り付けられている。
【0048】固定枠547に取付けられたピッチコイル
552pはピッチマグネット553pとピッチヨーク5
54pで構成される磁気回路中に置かれており、電流を
流すことで前記固定枠547がピッチ方向546pに駆
動されることになる。又、ピッチコイル552pにはピ
ッチスリット555pが設けられており、発光素子55
6p(赤外発光ダイオードiRED)と受光素子557
p(半導***置検出素子PSD)の関連により、固定枠
547のピッチ方向546pの位置検出を行う。
【0049】第1の保持枠550にはPOM等のすべり
軸受548yが嵌合されており、ヨースライド軸549
yが取付けられたハウジング558上を摺動出来る。そ
してハウジング558は不図示のレンズ鏡筒に取付けら
れる為、第1の保持枠550はレンズ鏡筒に対しヨー方
向546yに移動可能となる。又、ヨースライド軸54
9yと同軸にヨーコイルバネ551yが設けられてお
り、固定枠547と同様中立位置付近に保持される。
【0050】又、上記固定枠547にはヨーコイル55
2yが設けられており、ヨーコイル552yを挟むヨー
マグネット553yとヨーヨーク554yの関連で固定
枠547はヨー方向546yにも駆動される。上記ヨー
コイル552yにはヨースリット555yが設けられて
おり、ピッチ方向と同様固定枠547のヨー方向546
yの位置検出を行う。
【0051】図29において、受光素子557p,55
7yの出力を増幅器559p,559yで増幅して図示
の様な各回路(後述)を介してコイル(ピッチコイル5
52p,ヨーコイル552y)に入力すると、固定枠5
47が駆動されて受光素子557p,557yの出力が
変化する。ここでコイル552p,552yの駆動方向
(極性)を受光素子557p,557yの出力が小さく
なる方向にすると(負帰還)、閉じた系が形成され、受
光素子557p,557yの出力がほぼゼロになる点で
安定する。
【0052】なお、補償回路560p,560yは図2
9の系をより安定化させる回路であり、加算回路563
p,563yは増幅器559p,559yと入力される
指令信号562p,562yを加算する回路であり、駆
動回路561p,561yはコイル552p,552y
の印加電流を補う回路である。
【0053】上記の様な系に外部から指令信号562
p,562yを与えると、補正レンズ545はピッチ方
向546pとヨー方向546yに該指令信号562p,
562yに極めて忠実に駆動される。
【0054】この様に、位置出力をコイルに負帰還して
駆動する方式を位置制御駆動と云い、上記閉じた系を閉
ループ系と云う。
【0055】そして、指令信号562p,562yとし
て各々角変位検出器63p,63yの出力を入力する
と、補正レンズ545はその出力に基づいて忠実に駆動
され、つまり、手振れに応じて補正レンズ545が駆動
されるため、その振れ方向と補正レンズ駆動方向を補正
レンズ545の光学特性に応じて調整すれば、防振が行
われることになる。
【0056】図30は補正レンズ545を駆動する先の
各回路より成る駆動手段をより詳細に示した図であり、
ここではピッチ方向546pについてのみ説明する。
【0057】電流ー電圧変換アンプ563a,563b
は発光素子556pにより受光素子557p(抵抗R
1,R2より成る)に生じる光電流を電圧に変換し、差
動アンプ565は各電流ー電圧変換アンプ563a,5
63bの差を求めるものであり、この差信号が補正レン
ズ545のピッチ方向546pの位置を表す。以上、電
流ー電圧変換アンプ563a,563b、差動アンプ5
65及び抵抗R3〜R10にて図29の増幅器559p
を構成している。
【0058】アンプ566は指令信号562pを、差動
アンプ565の差信号に加算するもので、抵抗R11〜
R14とで図29の加算回路563pを構成している。
【0059】抵抗R15,16及びコンデンサC1は公
知の位相進み回路であり、これが図29の補償回路56
0pに相当し、系を安定化させている。
【0060】前記加算回路563pの出力は補償回路5
60pを介して駆動アンプ567へ入力し、ここでピッ
チコイル552pの駆動信号が生成され、補正レンズ5
45が変位する。該駆動アンプ567、抵抗R17及び
トランジスタTR1,TR2にて図29の駆動回路56
1pを構成している。
【0061】加算アンプ568は電流ー電圧変換アンプ
563a,563bの出力の和(受光素子557pの受
光量総和)を求め、この信号を受ける駆動アンプ569
はこれにしたがって発光素子556pを駆動する。以
上、加算アンプ568,駆動アンプ569、抵抗R18
〜R22及びコンデンサC2により発光素子556pの
駆動回路を構成している(図29では不図示)。
【0062】上記の発光素子556pは温度等に極めて
不安定にその投光量が変化し、それに伴い差動アンプ5
65の位置感度が変化するが、上記の様に受光量総和一
定となる様に前述の駆動回路によって発光素子556p
を制御すれば、位置感度が変化する事は無い。
【0063】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した防振シス
テムを備えたカメラに備えた場合、補正光学機構(補正
レンズ)は鏡筒内を光軸に対して直角な平面内を移動し
ていく為、以上の様な問題点があった。
【0064】図31は絞り74が全開状態の光路図を示
しており、71が補正レンズである。
【0065】図31において、周辺光束72a,72b
は補正レンズ71のエッヂ76付近を通っている為、こ
の補正レンズ71が矢印710方向に移動すると、多少
のケラレを生ずる。しかし、絞り74付近での光束の幅
77が広い為、このケラレの影響は殆ど無い。ところ
が、絞り74が絞られ、破線で示す75の状態になった
時を考えると、この時の光束73a,73bの幅も、補
正レンズ71内では光束72a,72bの幅と差が無い
ため、同様なケラレを生じるが、絞り75付近での光束
の幅78が狭い為、ケラレの影響が無視出来なくなって
来る(光束の幅に占めるケラレの割合が大きくなる)。
【0066】また、図31の光学系において、補正レン
ズ71はピント調整(至近側に繰出す)で矢印79方向
に移動するが、この時、固定レンズ711と補正レンズ
71の間隔が広くなる為、光束72a,72b,73
a,73bは補正レンズ71のエッヂ76により近くな
り、補正レンズ71を矢印710方向に動かすと、ケラ
レの影響はすぐに出てくる。その為、通常絞りが大きい
時、又は小絞りでも被写体が遠くに有る時は問題なくて
も、小絞り且つ被写体が至近の時にケラレの影響が大き
くなってくる場合もある。
【0067】更に、このケラレの影響は、画角の狭いテ
レ(焦点距離が長い)状態より画角の広いワイド(焦点
距離が短い)状態のほうが大きくなって行くのは容易に
理解できよう。
【0068】以上の様に、補正レンズ71の駆動による
ケラレの影響は、絞り,被写体迄の距離,焦点距離等の
影響状況により様々に変化し、時にその影響が無視出来
なくなり、満足な写真を得られなくなる問題があった。
【0069】例えば、上記絞りの影響について具体的に
説明する。
【0070】第1に、晴天時、或は、ストロボ使用時に
被写体輝度が極めて高い状況において撮影する場合を考
える。
【0071】撮影者は、被写体を狙ってカメラのレリー
ズボタンを半押しにしてAF(自動焦点調節)を行い、
構図を決める。また、レリーズボタンを半押しにする
と、同時に防振システムも働き始め、手振れの抑制を行
い始める。
【0072】図32(a)はその時の様子を示した図で
あり、712の縦軸は手振れ量或は手振れを相殺する為
の補正レンズの駆動量を示し、端にゆく程手振れ,補正
レンズの駆動量は大きくなる。713の横軸は時間軸、
714はレリーズボタンを半押し(SW1をON)にし
た点、715は手振れ或は補正レンズの駆動状態であ
る。
【0073】そして、撮影の為にレリーズボタンを押し
切る(SW2をON,点716)ときに補正レンズの駆
動量が図32(a)の様に大きい場合(撮影者はカメラ
のファインダ内では防振システムが働いている為、SW
2のON時に手振れ或は補正レンズの駆動量が大きい事
は認知出来ない)、露光中717の間は補正レンズの駆
動量は大きいままとなり(何故ならば、被写体輝度が高
い場合、フィルムの適正露光を行う為には露光時間71
7は極めて短く、この間に補正レンズの駆動量が小さく
なる事は無い為である)、更に、被写体輝度が高いた
め、絞りも小絞り状態となっている為、ケラレの影響が
大きく現れた写真を撮ってしまう事になる。
【0074】第2に、被写体輝度があまり高くなくて絞
りを小絞りにして撮影する場合を考える。
【0075】撮影時に被写界深度を深くする為に、故意
に絞りを小絞りにしてその分露出時間を長くして撮影す
る場合もある。
【0076】図32(b)はその様な状態を示した図で
あり、露光時間717の中で斜線で示す補正レンズの駆
動量が大きくなっている点が有り、この様な場合もやは
りケラレの影響が残ってしまう。
【0077】以上、絞りにのみに言及して説明したが、
上述した様に絞りが小絞りでもケラレの影響が少なく、
小絞り且つ被写体が至近の場合、或は、小絞り且つワイ
ド画角の場合、或は、小絞り且つ被写体至近、且つワイ
ドの場合にのみケラレを生じる場合もあるが、上記“小
絞り且つ被写体が至近、且つワイド”という撮影状況は
割と頻繁に生じる可能性が有り、無視出来る問題では無
かった。
【0078】(発明の目的)本発明の第1の目的は、不
用意にケラレの影響を大きくしてしまうことを防止する
ことのできる防振カメラを提供することである。
【0079】本発明の第2の目的は、撮影者に手振れに
対しての注意を促すことのできる防振カメラを提供する
ことである。
【0080】本発明の第3の目的は、ケラレ防止を優先
させるか、防振精度を優先させるか、撮影者の意図に合
った写真撮影を行うことのできる防振カメラを提供する
ことである。
【0081】
【課題を解決するための手段】本発明は、防振カメラの
撮影状況の情報と防振装置の動作状態との関連において
カメラの絞りを制御する絞り制御手段を設け、また、防
振カメラの撮影状況の情報と防振装置の動作状態との関
連において補正光学手段の駆動量を制御する駆動量制御
手段を設け、防振カメラの撮影状況、例えば絞り情報や
被写体距離情報や撮影レンズの焦点距離情報に応じて、
絞り、或は、補正光学手段の駆動量を制御するようにし
ている。
【0082】また、本発明は、絞り制御手段、或は、駆
動量制御手段の動作時には、その動作状態を表示する表
示手段を設け、表示手段にて制御状態を表示するように
している。
【0083】また、本発明は、絞り制御手段、或は、駆
動量制御手段の動作を強制的に解除する強制解除手段を
設け、必要に応じて強制解除手段により、絞りの制御、
或は、補正光学手段の駆動量の制御を解除を行えるよう
にしている。
【0084】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0085】図1は本発明の第1の実施例における防振
カメラの要部構成を示すブロック図である。
【0086】絞り情報出力手段12からの絞り情報は、
表示手段13及び制限手段11に入力される。この絞り
の情報は絞りが小絞になる程大出力となり、その出力の
大きさに応じて制限手段11の制限レベルが変化する。
この制限手段11は、作動中には振動検出手段14から
の手振れ出力14aを14bに示す様に振幅の大きな部
分をカットする機能を有しており、絞りが小絞になる程
カットする度合が大きくなる(手振れ振動が小さくても
カットする様になる)構成になっている。
【0087】この様な制限手段11の最も単純な例とし
ては、図2(a)の様にオペアンプによる可変増幅器1
6,17で構成され、端子21より振動検出手段14か
らの手振れ出力14aが入力されると、可変増幅器16
で増幅される。この増幅率は破線で示すレバー20によ
り可変抵抗18を操作する事で行われ、絞りが小絞にな
る程増幅率が大きくなる。ところが、増幅器16を駆動
する駆動電圧自身に制限がある為(例えば増幅器は5V
で駆動されている)、手振れ出力14aが増幅されても
その大振幅部分が駆動電圧を越える事は出来ず、大振幅
部がカットされた形状となる(つまり増幅率が大きくな
る程カットされる部分が増える)。そして、次の増幅器
17で上記増幅器16で増幅した分だけ信号を減衰して
元の大きさに戻す。しかし、この時、大振幅分はすでに
カットされている為、元に戻る事は無く、14bで示す
様に大振幅がカットされた手振れ出力となって端子22
より出力される。そして、この信号を指令信号にして駆
動手段15により補正光学手段(補正レンズ)が忠実に
駆動される為、補正光学手段が大振幅で駆動される事は
無くなり、故にケラレの影響が少なくなる。
【0088】また、絞りの情報は前述した様に表示手段
13にも出力されており、例えば小絞になる程、該表示
手段13の表示形態(音の大きさ,周波数,光の点滅周
期,輝度等)が変化して、補正光学手段のストロークが
制限されていることを表示し、撮影者に大きな手振れを
生じない様に注意を促す。
【0089】以上の様な構成にした場合の効果を具体的
に説明する。
【0090】撮影者が被写体を狙いレリーズボタンを半
押しにすると、現在のカメラでは標準的に備えられてい
る自動露出機能が働き、被写体輝度が高い場合には適正
露出になる様に絞りを絞る。すると、その絞りの情報が
絞り情報出力手段12から制限手段11に伝わり、該制
限手段11は補正光学手段の駆動量を絞りの量が小絞り
になるのに応じて制限する。すると、撮影者には若干防
振の特性が悪くなった様に感じられるが、元来、補正光
学手段の駆動量が多く必要な大きな手振れは頻繁には生
じていないため、それ程大きな影響を受けない。又、絞
りを小絞にする程被写体輝度が高い時は露光時間も極め
て短い為、露光中の手振れの影響も無く、更に図32
(a)のSW2のON時における補正光学手段の駆動量
715の様な大きな駆動量にもならない(駆動量が制限
されているので)為、ケラレの影響も無く適正な撮影が
行える。
【0091】一般に防振を精度良く行った場合は、防振
精度が低い場合、或は、防振を行わない場合よりも撮影
者の実際の手振れは大きくなる(像面上では防振が行わ
れている為、手振れは抑制されている)。何故ならば、
撮影者がファインダを覗いている時に理想的に防振を行
っていると、ファインダ内の被写体像は手振れ等のカメ
ラの揺れに対しても全く動かなくなる為、撮影者が目を
つぶっているのに近い状態になり、次第に手や体が揺れ
てくる為である。その為、図32(b)で示した状態は
起こり易くなるが、以上説明した様に補正光学手段の駆
動量を制限する事で、ケラレの影響も無くなって来る。
【0092】また、図1で説明した様に補正光学手段の
駆動量を直接的に制限する以外にも以下に述べる方法が
ある。
【0093】手振れの量は低周波数の手振れ程大きい傾
向にある。その為、補正光学手段の駆動量を制限する為
には、低周波の手振れに対して補正光学手段が応答しな
ければ良い。そこで、制限手段11として、振動検出手
段14からの手振れ出力14aの中で低周波成分のみを
カットする(低周波数の手振れの防振抑制率を下げる)
高域通過フィルタを設け、そのカットする低周波数(時
定数)を絞りの量に応じて変更すれば良い。
【0094】図2(b)はその様な高域通過フィルタの
一例を示しており、絞りに応じて抵抗18の抵抗値を変
更する(小絞りになる程抵抗値を小さくする)事で、カ
ットする低周波数を制限する。
【0095】(第2の実施例)図3は本発明の第2の実
施例における防振カメラの要部構成を示すブロック図で
ある。
【0096】図1と異なるのは、絞り情報出力手段12
の他にピント情報出力手段22が設けられており、更
に、これら手段からの情報を演算する演算手段21、ス
イッチ23が設けられている点である。
【0097】ピント情報出力手段22は被写体迄の距離
が短くなる程出力を大にしており、演算手段21はこの
ピント情報と絞り情報出力手段12からの絞り情報の乗
算を行い、その出力で制限手段11と表示手段13を作
動させる。
【0098】つまり、制限手段11はピント情報でも作
動する事になるが、これは上述した様に被写体迄の距離
でもケラレの影響が変化する為である。
【0099】又、スイッチ23は制限手段11の強制解
除手段であり、手振れが大きく、良好な写真が得られな
い為、ケラレより防振精度を優先させたい場合に用い
る。
【0100】尚、上述した様にケラレの影響はレンズの
焦点距離でも変化する為、図4で示す様に、ピント情報
出力手段22の代りに焦点距離情報出力手段24を配置
し、絞り情報と焦点距離情報の演算出力、或は、図5で
示す様に、更に焦点情報出力手段24を具備した構成に
し、絞り,ピント,焦点距離情報の演算出力で、表示手
段13,制限手段11を作動させてもよい。
【0101】なお、本実施例はカメラを例にして説明し
たが、ビデオカメラ等他の光学機器の防振にも有効であ
ることは言う迄もない。
【0102】尚、以上の例では補正光学手段の駆動量制
限はレリーズボタンの半押しからどの時点迄行えるのか
言及していなかったが、これは次の撮影状況の情報が入
力される迄駆動量制限を行ってもよく、又、レリーズボ
タン押切り(SW2のON)まで駆動量制限を行っても
よい。
【0103】何故ならば、以上の説明の場合、SW2の
ON以降には露光時間が極めて短い為、SW2のON以
降駆動量制限を行わなくとも、露光中に補正光学手段が
大きく駆動されて、ケラレを生ずる事は無い為である。
【0104】(第3の実施例)以上の例においては、撮
影迄は補正光学手段の駆動量を制限していたが、図32
(a)におけるSW2のON(時点716)の時点にお
ける補正光学手段の駆動量が大きい時のみ、その駆動量
を小さくしても良い。
【0105】図6はその例を示す本発明の第3の実施例
における防振カメラの要部構成を示すブロック図であ
り、この実施例では、図1における制限手段11が向心
手段25に置き換わっている。
【0106】絞り情報出力手段12が小絞り情報を出力
し、レリーズボタンの押切り(SW2のON)でその情
報が向心手段25に伝達され、その時補正光学手段の駆
動量が小さいならばそのまま撮影し、補正光学手段の駆
動量が多く、ケラレを生じる可能性が大きい時には、ケ
ラレの影響が無くなる程度迄補正光学手段の駆動量を小
さくした後に露光を行う構成になっている。
【0107】この様な構成にすると、レリーズボタンの
半押し時点からは補正光学手段の駆動量制限を行ってい
ない為、精度良い防振を行い、そのまま撮影を行え、
又、露光直前に補正光学手段の駆動量が多い時にはケラ
レの影響がなくなる迄補正光学手段を可動中心に戻して
(向心させて)撮影を行う。この時、若干構図の変化が
生じるが、補正光学手段はケラレの影響が生じないギリ
ギリの位置迄戻すだけなので、構図の変化はさほど気に
ならない。
【0108】もちろん、より回路の簡略化の為に絞りが
小絞りになると、SW2のON時に強制的に補正光学手
段を可動中立位置(光軸偏心を行わない位置)に戻して
から露光を行ってもよい。
【0109】(第4の実施例)以上の説明においては、
被写体輝度が高い場合(小絞り、短露光時間)における
ケラレ対策を述べたが、被写体輝度がさほど高くない場
合に意図的に小絞り撮影を行った場合の一例を、以下、
本発明の第4の実施例として説明する。
【0110】夜間に、遠くの背景(ネオン等)と近くの
被写体を同時に写し込む場合、絞り開放にしてストロボ
を使わずに長秒時露光を行い、背景を写し込み、又、小
絞りにしてストロボを併用して被写体を写し込むいわゆ
るスローシンクロ撮影の場合、被写体を写し込む時は、
絞りが小さい為、そのときの補正光学手段の駆動量が多
いとケラレを生じてしまう。これは、上記の第1乃至第
3の実施例における構成を行った場合においても対策が
出来ない場合がある。
【0111】図7(a)はその例を示しており、はじめ
に背景をストロボ無しで撮影し、露光終了直前にストロ
ボを使用して被写体を写し込む、後幕シンクロ手法の場
合である。
【0112】スローシンクロ撮影を行う為に撮影者が被
写体を狙い、レリーズボタンを半押し(SW1をON)
にすると、ストロボの光量と被写体距離(自動測距によ
る)に応じて絞りの開口径が決定される(被写体がカメ
ラに近い程、小絞りとなる)。
【0113】そして、小絞りになった場合は、上記の第
1乃至第3の実施例と同様に、補正光学手段の駆動量が
制限されるか、或は、レリーズボタンの押切り(SW2
のON)時に補正光学手段の駆動量をケラレの影響の無
い所まで戻す。そして、レリーズボタンの押切り(SW
2のON)で露光に移ってゆく訳であるが、SW2のO
N以降は補正光学手段の駆動量制限は行わない。
【0114】何故ならば、露光中に駆動量制限を行う場
合、いままで説明した短秒時露光ならば問題なかった
が、スローシンクロにおける背量露光期間31の様に露
光時間が長くなって来ると、露光中の手振れが大きくな
った時、補正光学手段の駆動量制限により手振れを十分
抑制出来なくなり、画面全体に手振れによる像劣化を生
じてしまうからである。もちろん、駆動量制限を行わな
い場合には、斜線312に示す大駆動量によるケラレが
画面の一部に生じてしまう事になるが、露光期間31に
対してケラレが生ずる期間は短い事が多く、更にケラレ
も夜間背景においては殆ど気にならない(更に露光期間
31の間は絞り開放とすればケラレは全く生じなくな
る)。
【0115】そして、露光終了直前にストロボを発光さ
せて被写体を写し込むが(期間32)、この時、補正光
学手段がどの様な駆動量状態にあるかは撮影者の露光期
間31の中の手振れによって変化して来る。そして、図
7(a)の期間32では補正光学手段の駆動量715は
多い状態にある為、ケラレを生じてしまう。このケラレ
はストロボ発光中の為、極めて大きな像劣化を生ずる事
になる。
【0116】しかし、先幕シンクロ撮影(露光開始直後
にストロボを発光させて被写体を写し込み、その後背量
を写し込む)の場合は上記問題は生じない。
【0117】図7(b)において、SW2のON(時点
716)迄は上記後幕シンクロの場合と同様であるが、
その後、補正光学手段の駆動量が少ない時点で被写体を
写し込む(期間32)為、ケラレは生じない。
【0118】そこで、スローシンクロ撮影で、且つ小絞
と判断された時のみ、強制的に先幕シンクロにする事
で、撮影者の失敗を無くすことが出来る。
【0119】図8は以上を実現する為の本発明の第4の
実施例における防振カメラの要部構成を示すブロック図
である。
【0120】撮影者がスローシンクロを選択し(露出情
報出力手段310からその旨の露出情報を出力させ)、
且つモード切換手段37によりスイッチ35を後幕シン
クロ39側に倒した場合において、被写体写し込み時に
小絞りになるとカメラが判断した場合、演算&スイッチ
手段36は絞り情報と露出情報が両方とも入力した場合
には、スイッチ34を先幕シンクロ38側に倒して露出
制御手段311に先幕シンクロであることの情報を送
る。又、被写体写し込み時小絞りにならない場合には、
スイッチ34をスイッチ35側に倒し、露出制御手段3
11に後幕シンクロであることの情報を送る。つまり、
スイッチ35の状態によって先幕シンクロ38,後幕シ
ンクロ39を選択出来る。
【0121】以上の様な構成にすると、スローシンクロ
小絞り時に、誤って後幕シンクロを行い被写体にケラレ
を生じてしまうのを防ぐことが出来る。
【0122】尚、スイッチ313は強制解除スイッチ
で、後幕シンクロが必要な場合にはスイッチ313を開
放にする。又、表示手段13は強制的に先幕シンクロに
なった事を表示する。
【0123】以上は“絞り”のみについて説明したが、
図3乃至図6と同様に、絞りとピント情報、或は、絞り
と焦点距離情報,絞り,焦点距離情報,ピント情報の演
算結果から、強制的に先幕シンクロにするか否かを判断
する事も有るのは言う迄もない。
【0124】(第5の実施例)被写体輝度がさほど高く
ない場合に意図的に小絞り撮影を行う他の例を、以下、
本発明の第5の実施例として説明する。
【0125】被写体及びその前後の背景迄もピントが合
っている写真を撮りたい場合には、絞りを小さくして被
写界深度を深くして、又適正露出になる様に露光時間を
長くして撮影する(仮にデプス撮影とする)場合があ
る。
【0126】この様な時には、上述して来た「露光直前
まで補正光学手段の駆動量を制限する」或は「露光直前
に補正光学手段をケラレの影響の無い位置まで戻す」方
式では十分なケラレ対策は行えない。
【0127】何故ならば、露光時間が長い為に、その間
に大きな手振れが生じ、補正光学手段が大きく駆動され
た場合に、ケラレの影響が出て来る可能性が有るからで
ある。もちろん、露光開始時には補正光学手段はケラレ
の影響の無い位置に居る為、露光開始から直にケラレが
生じて来る訳でない。そこで、この様なデプス撮影を行
う場合には、露光中に補正光学手段の駆動量に応じて絞
りを制御することでケラレ対策を行う。
【0128】具体的には、露光中(小絞り)に補正光学
手段の駆動量がケラレの影響のある位置まで駆動される
と、ケラレの影響の出ない所まで絞りを開いて、その分
露光時間を短くして適正露出を保ちつつケラレの影響を
除去する。
【0129】図9(a)の様にデプス撮影を行うと、露
光中(期間717)補正光学手段の駆動量が大きくなる
と、斜線部に示すケラレを生ずる部分が出てくるが、こ
のとき絞り制御して、図9(b)の矢印315に示す補
正光学手段の駆動量が大きくなった時点で絞りを開いて
ゆくと、絞りが小絞りでなくなる分ケラレの影響は無く
なって来る。又、絞りが開かれた分、露光時間314が
露光時間717に比べて短くなり、補正光学手段の駆動
量がより大きくなる前に露光を終了してしまう。もちろ
ん、デプス撮影における被写界深度はその分浅くなって
しまうが、ケラレによる像劣化を受ける事は無くなる。
【0130】図10は以上を実現するための本発明の第
5の実施例における防振カメラの要部構成を示すブロッ
ク図である。
【0131】比較手段316は補正光学手段の駆動量が
あるしきい値を超えると出力するものであり、しきい値
は演算手段21の出力にて変化する。例えば、絞り31
7が小絞りになると、その絞り情報の変化によりしきい
値は下がり、補正光学手段の駆動量がある程度大きくな
ると比較手段316は出力し、絞り317がさほど小さ
くない時にはしきい値は上がり、補正光学手段の駆動量
が相当大きくならないと比較手段316は出力しない。
又、絞り317は比較手段316の出力によりその絞り
径を大きくしてゆく為、絞り317と比較手段316の
間で閉じたループが出来(絞りしきい値が変化する
為)、補正光学手段の駆動量に見合った絞りに制御され
る。絞り317が大きくなると、その絞り情報によりシ
ャッタ318の露光時間が短くなる様に変更され、適正
露出が保たれる。
【0132】シャッタ情報出力手段320からのシャッ
タ情報はスイッチ321,319に入力されており、シ
ャッタが開くまではスイッチ321が閉じてスイッチ3
19が開いており、前述した第2の実施例等と同様に、
補正光学手段の駆動量制限が行われる。そして、シャッ
タが開くと、スイッチ321が開放され、駆動量制限は
解除され、スイッチ319が閉じて比較手段316に補
正光学手段の駆動量が入力されて絞りの制御が行われ
る。
【0133】以上の構成にすると、露光中に補正光学手
段の駆動量が大きくなると、絞りを開き、逆にシャッタ
を早く閉じてケラレの影響を無くす事が出来、通常の小
絞り,短露光時間時(被写体輝度が高い時)には、露光
中に補正光学手段の駆動量が大きくなる事は無い為(露
光時間が短い為)、絞りの制御は行わない。
【0134】(第6の実施例)デプス撮影時に生ずるケ
ラレは、手振れの交番振動に依るものなので、露光間に
数回のケラレが生ずる事があり、その1回毎のケラレは
全体の露光時間に対して短い為、さほど像劣化を引き起
さないが、数回生じると像劣化を生じる場合もある。こ
の場合を本発明の第6の実施例として、以下に説明す
る。
【0135】図11(a)において、露光時間717中
に2つの斜線で示すケラレを生ずる補正光学手段の大き
な駆動量部が有るが、矢印315に示す時間迄はケラレ
ている時間が露光時間に比べて短い為、像劣化がさほど
生じないが矢印315以降もケラレた状態がある場合に
は像劣化が目立つ様になる。
【0136】この様な場合、図11(b)の様に矢印3
15迄は小絞り状態を保ち、矢印315以降絞りを開い
てケラレの影響を無くす。
【0137】図12は本発明の第6の実施例における防
振カメラの要部構成を示すブロック図出あり、図10と
異なる点は、積分手段322を設けており、比較手段3
16の出力を積分して一定以上になると絞りを制御し始
めるようにしている。つまり、矢印315迄は絞りを制
御せず小絞りのままで撮影を行える為、被写界深度が深
い状態を維持出来る。
【0138】よって、デプス効果も高く、且つケラレの
無い撮影が可能になる。
【0139】(第7の実施例)以上、絞り,ピント情
報,焦点距離情報と防振システムの関係について述べて
来たが、以上で述べた絞りとは、図13で示す様に、レ
ンズ鏡筒82に設けられたステップモータ等の駆動制御
可能な絞りユニット91とカメラボディ93に設けられ
たフォーカルプレンシャダ92により構成される露出制
御ユニットに用いられる絞りに限定されるものではな
く、ビデオカメラに搭載される、絞りユニット91と同
様な可動マグネット等の駆動制御可能な絞りユニットと
CCD等の撮像素子で構成される露出制御ユニットに用
いられる絞りや、コンパクトカメラ等に搭載される絞り
兼用のレンズシャッタユニットにおいても適応可能であ
る。
【0140】コンパクトカメラに搭載される絞り兼用シ
ャッタ(以下、レンズシャッタ)の中で、特に高級機種
のコンパクトカメラに搭載されるレンズシャッタは図1
4に示す様な構成になっている。
【0141】図14において、2枚のシャッタ羽根10
01aと1001bは各々軸1002a,1002bま
わりに回転可能に軸支されており、各々のシャッタ羽根
1001a,1001bに設けられた長孔1003a,
1003b(長孔1003bはシャッタ羽根に隠されて
見えない)にレバー1003に設けられた突出軸100
4が嵌込している。レバー1003はアクチュエータ1
005に取付けられており、アクチュエータ1005と
レバー1003,突出軸1004で駆動手段を構成して
いる。
【0142】アクチュエータ1005はムービングコイ
ル形式で、矢印1006方向に回転可能な為、突出軸1
004はレバー1003を介して矢印1007方向に回
動し、シャッタ羽根1001a,1001bは突出軸1
004の嵌込される長孔1003a,1003bにより
各々矢印1008a,1008b方向に駆動され、光軸
方向1009の光束制限を行う。又、シャッタ羽根10
01bには位置表示部1010が設けられており、位置
表示部1010には複数のスリット1011が設けられ
ている。そして、フォトインタラプタ1012は、該フ
ォトインタラプタ1012に挟まれた空間1013を通
過するスリット1011の数をカウントしてシャッタ羽
根1001bの位置を検出しており、シャッタ羽根10
01aとシャッタ羽根1001bは長孔1003a,1
003b両方に嵌込される突出軸1004により共に略
同量だけ駆動される為、フォトインタラプタ1012は
シャッタ羽根1001a,1001bの両者の位置検
出、つまり光軸方向1009の光束の制限量を検出して
いる事になる。
【0143】尚、1014はシャッタの地板、1015
はシャッタ地板1014に設けられた開口部(アパーチ
ュア)である。
【0144】以上の構成において、フォトインタラプタ
1012の出力はカメラのマイコン1016に入力さ
れ、該マイコン1016の出力により駆動回路1017
が働き、アクチュエータ1005が駆動される。
【0145】また、マイコン1016は被写体の測光値
1018も入力され、測光値1018とフォトインタラ
プタ1012の出力により駆動回路1017を制御して
いる。
【0146】その制御方法は、例えば被写体が極めて明
るい場合は、マイコン1016はフォトインタラプタ1
012のパルス出力が測光値1018に応じたパルス数
だけシャッタ羽根1001a,1001bを開方向に駆
動し、その後、閉方向に駆動する様にしており、被写体
が暗い場合は、フォトインタラプタ1012のパルスが
全て出力し終る迄(シャッタ羽根1001a,1001
bが全開)開方向に駆動し、その後も開方向に駆動を続
ける(この場合、シャッタ羽根1001a,1001b
は全開でストッパ等により、これ以上開方向に駆動され
ない為、全開状態を保持する)。そして、所定秒時、つ
まり被写体をフィルムに露光させるのに十分な時間経過
後、シャッタを閉方向に駆動してシャッタ羽根1001
a,1001bを全閉状態にする。
【0147】以上の動作を補足すると、始めはシャッタ
羽根1001a,1001bは全閉状態になっており、
レリーズボタンの押切り(SW2がON)する事で、シ
ャッタ羽根1001a,1001bは開方向に駆動され
る。そして、それに伴うフォトインタラプタ1012の
出力により、例えば被写体が明るい時は少ないパルス数
(例えばフォトインタラプタ1012が2パルス出力)
でシャッタを閉方向に駆動し、被写体が暗い時はフォト
インタラプタ1012の全てのパルス出力後、所定秒時
経過後にシャッタを閉方向に駆動する。
【0148】その為、被写体が明るい時は、図15
(a)の様に、シャッタ羽根1001a,1001bに
よる光路の制限がなされ(開口面積が小さい)、且つ開
口時間1101aも短く、一方、被写体が暗い時は、図
15(b)の様に、全開で開口時間1101bも長くな
る。
【0149】尚、図15において、横軸は時間,縦軸は
シャッタ羽根1001a,1001bの開方向駆動によ
り成す開口面積を表す。
【0150】そして、図15(a)の様な開口状態(被
写体輝度が大きい)の時は、開口面積、つまり絞りも小
さくなっており、補正光学手段の駆動量によってはケラ
レを生ずることが有る。そのため、測光値1018が出
力された時点で(ピント情報,焦点距離情報からも総合
的に判断して)SW1のON時に補正光学手段の駆動量
を制限するか、或は、SW2のON時に補正光学手段を
ケラレの影響の無い位置まで戻す。
【0151】ここで、撮影者が実際に撮影を行う時を考
えてみる。
【0152】例えば、主被写体である人物を山をバック
にして撮影を行う等の状況の場合、撮影者は人物も山も
ピントの合った写真を欲する場合が多い(デプス撮
影)。そして、この様な写真を撮影する場合、図15
(c)に示される様な、なるべく絞りを絞り(シャッタ
開口面積を小さくして)、フィルムを露光させるのに十
分な時間迄シャッタを開放させておく必要がある。同様
に、スローシンクロ撮影で、被写体が至近側に有る為、
絞りを絞ってストロボを発光し、且つ長秒時露光を行い
たい場合もある。
【0153】ところが、この様なシャッタ羽根の駆動方
法は図14の例では実現出来ない。何故ならば、図14
の例では、シャッタを開方向、或は、閉方向にしか駆動
出来ず、絞った状態(開口面積が小さい状態)で保持し
ておく事が出来ないからである。
【0154】図14においてシャッタを絞った状態で保
持してゆく為に、例えばシャッタ羽根1001a,10
01bが開き始め、フォトインタラプタ1012が2パ
ルス出力した後、シャッタを閉方向に動作させ、その後
のパルスの増減に応じてシャッタ羽根を閉,開方向に駆
動し続ければ、絞った状態に保持出来そうに思われる
が、実際にはフォトインタラプタ1012はその間を通
過したスリット1011の数(つまりパルス)は検知出
来るが、その通過する方向(つまりパルスが増したか減
じたか)は解らない為、以上の事は実現出来ない。
【0155】絞りを絞った状態で保持しておく為には、
ビデオカメラに使用されている様に、図16に示す撮像
素子1201に入射した光量と指令値1202との差を
増幅回路1203で増幅し、その出力でシャッタ羽根1
001a,1001bを駆動する方式がある。
【0156】この場合、撮像素子1201はその入射す
る光量とその増,減方向が検出出来る為、絞りを撮像素
子1201に入射する光量が最適な状態で保持しておく
事が出来る。
【0157】もちろん、スチルカメラにおいては、撮像
素子1201を用意する事はスペース,コストの上から
出来ないが、同じ様な考え方で、図17に示す様に、位
置表示部1010にシャッタ羽根1001bの開方向に
伴って開口の広がる孔1301を貫通させておくと、シ
ャッタ羽根1001bの位置によりフォトインタラプタ
1012の出力が変化し、その出力にてシャッタ羽根1
001bの位置及び駆動方向が解り、その出力によりシ
ャッタ羽根1001bを保持しておく事が出来る。
【0158】つまり、図17において、シャッタ羽根1
001a,1001bを開方向に駆動してゆくと、フォ
トインタラプタ1012の出力はそれに伴い大きくなっ
てゆくが、測光値1015より定められる絞り値(開口
面積)に応じたマイコン1016の出力よりもフォトイ
ンタラプタ1012出力が小さい時は、その出力差を増
幅回路1203で増幅して駆動回路1017が駆動手段
を駆動してシャッタ羽根1001a,1001bを開放
してゆく。そして、フォトインタラプタ1012の出力
がマイコン1016の出力に近付いてゆくにつれて駆動
手段のシャッタ羽根1001a,1001bの開方向駆
動力は弱まり、フォトインタラプタ1012の出力がマ
イコン1016の出力と同じになると、開方向駆動力は
無くなる。
【0159】ところが、シャッタ羽根1001a,10
01bはその慣性力により、更に開方向に移動する為、
フォトインタラプタ1012の出力はマイコン1016
の出力より大きくなってしまう。すると、今度は出力差
の極性が逆転する為、増幅回路1203を経て駆動回路
1017は駆動手段を反対方向に駆動してシャッタ羽根
に閉方向に駆動する。そして、又、フォトインタラプタ
出力1012出力がマイコン1016の出力より小さく
なると、再びシャッタ羽根1001a,1001bを開
方向に駆動する。
【0160】この様な繰返しにより、シャッタ羽根10
01a,1001bは次第にマイコン1016の出力に
定める所定の絞り値に安定していく。そして、所定の露
光時間経過後、マイコン1016の出力が小さくなる
と、フォトインタラプタ1012の出力が小さくなる様
に(つまり、シャッタ羽根が閉じる様に)シャッタ羽根
が閉方向に駆動され、シャッタは閉じる。
【0161】ここで、例えば図15(c)の様にシャッ
タ羽根1001a,1001bを駆動しようとすれば、
マイコン1016の出力は図18(c)の様に出力小で
長時間出力し、又、図15(b)の様に駆動する場合
は、図18(b)の様に出力大で、又、図15(a)の
様に駆動する場合は、図18(a)の様に出力小で短時
間出力すればよく、マイコン1016の出力の大きさと
出力時間によりシャッタ羽根の駆動法を自在にコントロ
ール出来る。
【0162】ここでマイコン1016自体の出力(マイ
コン内出力)は2値化した値しか出力出来ない為、各々
図18(d),(e),(f)の様に出力間隔δtを変
化させ、その後、公知の平滑回路を通す事で図18
(a),(b),(c)の出力を作り出しても、又マイ
コン内の数値データをD/Aコンバータでアナログ出力
に変換して、図18(a),(b),(c)の出力を作
り出しても良い。
【0163】そして、図16,図17の様に駆動量を検
出し、その値と目標値の差を少なくしていく様に自動的
に駆動していく手法を自動制御法と言い、この様な手法
は様々な分野において使用されている。
【0164】以上の様な自動制御を用いた構成のレンズ
シャッタの場合には、図15(c)で示す絞り込み長秒
時露光が可能になって来る為、図7(a)で述べた後幕
スローシンクロ時のケラレの問題、図9(a),図11
(a),図31(b)で述べたデプス撮影時のケラレの
問題も生じてくるが、スローシンクロに関しては、先幕
シンクロにして、且つ露光前まで補正光学手段の駆動量
制限を行う、或は、露光直前に補正光学手段の駆動量を
少なくする事で解決され、又、デプス撮影においても、
自動制御シャッタ故に露光中に補正光学手段の駆動量が
大きくなれば、絞りを広げて、その分露光を早めに止め
ればよく、図18(c)におけるマイコン1016の目
標値は、図19に示す様にSW2のON(時点716)
から出力し小さい目標値1404(小絞り)で長秒時露
光を続け、ケラレの影響がある程度蓄積されて来ると
(矢印315)、目標値を大きく(時点1405:絞り
を広げる)して、その分早くシャッタを閉じる(時点1
402)。その為、小絞り長秒時の場合の露光時間31
4のシャッタ閉じ、時点1403よりも早く(時点14
04)撮影終了となるが、ケラレは生じない。
【0165】以上の各実施例によれば、カメラの撮影状
況(絞り等)に応じて補正光学手段の駆動量を制御する
手段、或は、カメラの撮影状況と補正光学手段の駆動量
に応じて絞りを制御する手段を設ける事で、不用意にケ
ラレの影響を大きくしてしまうことを防止し、且つ制御
手段の動作を示す表示を行うことで、撮影者が手振れに
対して注意を払うことになり、良好な写真を得ることが
出来る様になる。
【0166】また、強制的に制御手段を解除する手段を
設ける事で、ケラレより防振精度を優先させる事が出
来、撮影者の意図に合せた写真を得ることが出来るよう
になった。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
防振カメラの撮影状況の情報と防振装置の動作状態との
関連においてカメラの絞りを制御する絞り制御手段を設
け、また、防振カメラの撮影状況の情報と防振装置の動
作状態との関連において補正光学手段の駆動量を制御す
る駆動量制御手段を設け、防振カメラの撮影状況、例え
ば絞り情報や被写体距離情報や撮影レンズの焦点距離情
報に応じて、絞り、或は、補正光学手段の駆動量を制御
するようにしている。
【0168】よって、不用意にケラレの影響を大きくし
てしまうことを防止することが可能となる。
【0169】また、本発明によれば、絞り制御手段、或
は、駆動量制御手段の動作時には、その動作状態を表示
する表示手段を設け、表示手段にて制御状態を表示する
ようにしている。
【0170】よって、撮影者に手振れに対しての注意を
促すことが可能となる。
【0171】また、本発明によれば、絞り制御手段、或
は、駆動量制御手段の動作を強制的に解除する強制解除
手段を設け、必要に応じて強制解除手段により、絞りの
制御、或は、補正光学手段の駆動量の制御を解除を行え
るようにしている。
【0172】よって、ケラレ防止を優先させるか、防振
精度を優先させるか、撮影者の意図に合った写真撮影を
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における防振カメラの要
部構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制限手段の具体的な構成例を示す回路図
である。
【図3】本発明の第2の実施例における防振カメラの要
部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例における防振カメラの他
の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施例における防振カメラの別
の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例における防振カメラの要
部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施例における補正光学手段の
駆動量の制御について説明するための図である。
【図8】本発明の第4の実施例における防振カメラの要
部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例における補正光学手段の
駆動量の制御について説明するための図である。
【図10】本発明の第5の実施例における防振カメラの
要部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第6の実施例における防振カメラの
要部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第6の実施例における防振カメラの
要部構成を示すブロック図である。
【図13】一般的なカメラの絞りとシャッタとの関係を
説明するためのカメラの斜視図である。
【図14】本発明の第7の実施例の対象となる絞り兼用
シャッタカメラについて説明するための図である。
【図15】図14のカメラにおいて各撮影条件下におけ
る露光時間と絞り開口面積とについて説明するための図
である。
【図16】本発明の第7の実施例の対象となる絞り兼用
シャッタカメラの他の構成例について説明するための図
である。
【図17】本発明の第7の実施例の対象となる絞り兼用
シャッタカメラの別の構成例について説明するための図
である。
【図18】図17のカメラにおいてマイコン出力と露光
時間との関係について説明するための図である。
【図19】本発明の第7の実施例の対象となる絞り兼用
シャッタカメラの動作説明を助けるための図である。
【図20】従来の防振装置の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図21】従来の振動検出手段の一つである角変位検出
装置を示す平面図である。
【図22】図21のA−A断面図である。
【図23】図21に示した角変位検出装置の斜視図であ
る。
【図24】図21のB−B断面図である。
【図25】図21に示した角変位検出装置の電気的構成
を示す回路図である。
【図26】従来の振動検出手段の一つであるサーボ角加
速度計の構成を示す分解斜視図である。
【図27】図26のサーボ角加速度計の電気的構成を示
すブロック図である。
【図28】図27の電気的構成を具体的に示す回路図で
ある。
【図29】図20の防振装置における補正光学機構やそ
の駆動手段などを示す図である。
【図30】図29に示した駆動手段等の電気的構成を具
体的に示した回路図である。
【図31】従来の防振カメラにおける問題点について説
明するための光学配置図である。
【図32】同じく従来の防振カメラにおける問題点につ
いて説明するための図である。
【符号の説明】
11 制限手段 12 絞り情報出力手段 13 表示手段 14 振動検出手段 15 補正光学手段の駆動手段 21 演算手段 22 ピント情報出力手段 23 スイッチ 24 焦点距離情報出力手段 25 向心手段 36 演算&スイッチ手段 316 比較手段 322 成分手段

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ群を保持するレンズ鏡筒内に配置
    され、前記レンズ群の光軸を偏心させる、前記レンズ鏡
    筒に対して相対的に駆動可能に支持される補正光学手
    段、該補正光学手段の位置を検出する位置検出手段、前
    記レンズ鏡筒に入力される振動を検出する振動検出手
    段、該振動検出手段からの出力を目標値として前記補正
    光学手段を駆動する駆動手段を有する防振装置を備えた
    防振カメラにおいて、該防振カメラの撮影状況の情報と
    前記防振装置の動作状態との関連においてカメラの絞り
    を制御する絞り制御手段を設けたことを特徴とする防振
    カメラ。
  2. 【請求項2】 絞り制御手段は、補正光学手段の駆動量
    が大きい時は、絞りを所定量以下にしないように制御す
    る手段であることを特徴とする請求項1記載の防振カメ
    ラ。
  3. 【請求項3】 絞り制御手段は、絞りが所定量以下に小
    さい状態の時に、補正光学手段の駆動量が大きくなる
    と、該絞りを前記所定量以上に大きくするように制御す
    る手段であることを特徴とする請求項1記載の防振カメ
    ラ。
  4. 【請求項4】 絞り制御手段は、補正光学手段の駆動量
    が大きい状態の累積時間がフィルムへの露光時間に対し
    てその占める割合が一定値以上になると、絞りを所定量
    以上に大きくするように制御する手段であることを特徴
    とする請求項3記載の防振カメラ。
  5. 【請求項5】 レンズ群を保持するレンズ鏡筒内に配置
    され、前記レンズ群の光軸を偏心させる、前記レンズ鏡
    筒に対して相対的に駆動可能に支持される補正光学手
    段、該補正光学手段の位置を検出する位置検出手段、前
    記レンズ鏡筒に入力される振動を検出する振動検出手
    段、該振動検出手段からの出力を目標値として前記補正
    光学手段を駆動する駆動手段を有する防振装置を備えた
    防振カメラにおいて、該防振カメラの撮影状況の情報と
    前記防振装置の動作状態との関連において前記補正光学
    手段の駆動量を制御する駆動量制御手段を設けたことを
    特徴とする防振カメラ。
  6. 【請求項6】 駆動量制御手段は、撮影状況の情報が入
    力されると、フィルムへの露光直前に、補正光学手段の
    光軸の偏心が所定量以下になるように戻すべく、補正光
    学手段の駆動量を制御する手段であることを特徴とする
    請求項5記載の防振カメラ。
  7. 【請求項7】 駆動量制御手段は、撮影状況の情報が入
    力されると、フィルムへの露光直前まで補正光学手段の
    駆動量を所定量以下に制限する手段であることを特徴と
    する請求項5記載の防振カメラ。
  8. 【請求項8】 ストロボ装置を具備すると共に、露光時
    に、前記ストロボ装置を発光させ且つ露光時間を長くす
    るスローシンクロ撮影時には、強制的に露光開始直後に
    前記ストロボ装置を発光させる先幕シンクロ撮影とする
    ストロボ制御手段を具備したことを特徴とする請求項6
    又は7記載の防振カメラ。
  9. 【請求項9】 駆動量制御手段は、撮影状況の情報に応
    じて、防振装置における低周波数の振れの防振抑制率を
    下げるべく制御する手段であることを特徴とする請求項
    5記載の防振カメラ。
  10. 【請求項10】 絞り制御手段、或は、駆動量制御手段
    の動作時には、その動作状態を表示する表示手段を設け
    たことを特徴とする請求項1又は5記載の防振カメラ。
  11. 【請求項11】 カメラの絞りが小さい時に撮影状況の
    情報を出力する撮影状況出力手段を具備したことを特徴
    とする請求項1又は5記載の防振カメラ。
  12. 【請求項12】 カメラの絞りと被写体までの距離情報
    の関連で撮影状況の情報を出力する撮影状況出力手段を
    具備したことを特徴とする請求項1又は5記載の防振カ
    メラ。
  13. 【請求項13】 カメラの絞りと撮影レンズの焦点距離
    情報の関連で撮影状況の情報を出力する撮影状況出力手
    段を具備したことを特徴とする請求項1又は5記載の防
    振カメラ。
  14. 【請求項14】 カメラの絞りと被写体までの距離情報
    と撮影レンズの焦点距離情報の関連で撮影状況の情報を
    出力する撮影状況出力手段を具備したことを特徴とする
    請求項1又は5記載の防振カメラ。
  15. 【請求項15】 絞り制御手段、或は、駆動量制御手段
    の動作を強制的に解除する強制解除手段を設けたことを
    特徴とする請求項1又は5記載の防振カメラ。
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