JPH0666263U - ブラシ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラシホルダステーのエンドブラケットへの
組付作業を容易に行う。 【構成】 ブラシホルダステー２０の片側にグロメット
４０が嵌着される。ブラシホルダステー２０がエンドブ
ラケット１１に収容される際、グロメット４０に突設さ
れた突起４２がエンドブラケット１１に没設された係合
溝１６に係合される。ブラシホルダステー２０のグロメ
ット４０の反対側の位置に開設されたビス挿通孔２５が
エンドブラケット１１に形成されたボス部１５のねじ穴
１６に整合され、ビス３４が挿通されてねじ込まれる。
ブラシホルダステー２０はエンドブラケット１１に１本
のビス３４とグロメット４０とによって固定される。 【効果】 ブラシホルダステー２０のエンドブラケット
１１への締結作業がビス１本で済むため、ビス挿通孔２
５とねじ穴１６との位置合わせが、それを複数同時に実
行する場合に比べて飛躍的に簡単になり、組付作業性が
良好になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ブラシ装置に関し、特に、ブラシホルダステーの固定構造について の改良に係り、例えば、ワイパ駆動装置の駆動用モータに利用して有効なものに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のワイパ駆動装置の駆動用モータとして、ブラシ装置がモータハウジング の一部を構成しているエンドブラケット側に装備されており、このブラシ装置は 、コミテータ周りに配置されてエンドブラケットに固定されているブラシホルダ ステーと、このステーにコミテータの中心に対して放射状にそれぞれ配されて固 定されている少なくとも一対のブラシホルダと、このブラシホルダに摺動自在に それぞれ収容されてブラシスプリングの付勢力によりコミテータに摺接されるブ ラシと、このブラシに給電するためのリード線が挿通されているグロメットとを 備えているものがある。

【０００３】 従来のこの種のブラシ装置においては、ブラシホルダステーをエンドブラケッ トに固定する構造として、エンドブラケットに一対のねじ穴が１８０度の位相差 をもってそれぞれ形成され、ブラシホルダステーに一対のビス挿通孔が１８０度 の位相差をもってそれぞれ開設されており、２本のビスが両挿通孔をそれぞれ挿 通されて両ねじ穴にねじ込まれることにより、ブラシホルダステーがモータハウ ジングにねじ止めされる構造が、一般的に採用されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記した２本のビスによるブラシホルダステーのエンドブラケットへ の固定構造においては、ブラシホルダステー側の２個の挿通孔とエンドブラケッ ト側の２個のねじ穴とを同時に位置合わせする作業が困難であり、また、２本の ビスを両挿通孔のそれぞれに挿通してねじ穴にねじ込む作業が困難であるため、 組み付け作業性が低下する。

【０００５】 本考案の目的は、ブラシホルダステーのモータハウジングへの組み付け作業性 を高めることができるブラシ装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るブラシ装置は、モータハウジングのコミテータの周りに配置され るブラシホルダステーがビスによってハウジングに固定されるように構成されて いるとともに、このブラシホルダステーにはリード線挿通用のグロメットが嵌着 されているブラシ装置において、 前記ブラシホルダステーにはその片側にグロメット取付用凹部が形成されてい るとともに、このグロメット取付用凹部とモータの回転軸を中心として略反対側 にビス挿通孔が開設されており、 前記グロメットにはその端部側壁にブラシホルダステー取付用凹部と嵌合する 嵌合溝が形成されているとともに、嵌合溝の反対側に突起が突設されており、 前記ハウジングには突起係合溝を有するグロメット係合穴が形成されていると ともに、このグロメット係合穴とモータの回転軸を中心として略反対側にねじ穴 が形成されており、 前記ブラシホルダステーの取付用凹部に前記グロメットが前記嵌合溝を嵌合さ れて取り付けられ、このブラシホルダステーが前記ハウジングにこのグロメット が前記係合穴に係合され、かつ、前記突起が前記係合溝に係合された状態で当接 され、前記ビス挿通孔にビスが前記ねじ穴にねじ込まれることによって、ブラシ ホルダステーがハウジングに固定されていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

前記した手段によれば、ブラシホルダステーはモータハウジングに１本のビス によってねじ止めされるため、ビス挿通孔とねじ穴との位置合わせを容易に行う ことができるとともに、ビスのねじ込み作業を簡単に実行することができる。す なわち、位置合わせ作業およびねじ込み作業が単一になるため、複数箇所につい ての位置合わせ作業に比べて、他の箇所における位置合わせとの関連を確保する 必要がなく、当該作業性は相乗的に実行し易くなる。したがって、ブラシホルダ ステーのモータハウジングへの組み付け作業を容易に行うことができる。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の一実施例であるブラシ装置を示す図であり、（ａ）は平面図中 央縦断面図、（ｂ）は平面図である。図２はエンドブラケットを示す図であり、 （ａ）は平面図中央縦断面図、（ｂ）は平面図である。図４はブラシホルダステ ーを示す図であり、（ａ）は電気部品が装着された状態を示す平面図、（ｂ）は ブラシホルダステー単体を示す平面図である。図５はグロメットを示す図であり 、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は底面図、（ｄ）は正面図、（ｅ） は縦断面図である。

【０００９】 本実施例において、本考案に係るブラシ装置は、ワイパ駆動装置の駆動用モー タのブラシ装置に使用されるものとして構成されており、このブラシ装置は駆動 用モータ（図示せず）のハウジングの一部であるエンドブラケット１１に組み込 まれている。エンドブラケット１１は略円筒形状に形成されているヨーク（図示 せず）の開口部側を閉塞するように構成されている。

【００１０】 エンドブラケット１１は円形の皿形状に形成されており、その底壁の中央部に は回転子軸挿通孔１２が同心円に配されて真円形（図示せず）に開設されている 。エンドブラケット１１の底壁の外周辺部にはグロメット挿入孔１３が片側（以 下、後側とする。）に配されて、長円形形状に開設されている。さらに、エンド ブラケット１１の底壁におけるグロメット挿通孔１３の近傍には突起係合溝１４ が一定深さ一定幅の円弧形状をもって径方向外向きに突出するように没設されて いる。

【００１１】 また、エンドブラケット１１の底壁における前側位置の回転子軸挿通孔１２の 近傍にはボス部１５が円柱形状に膨出形成されており、ボス部１５にはねじ穴１ ６が略同心円に配されて形成されている。ボス部１５の開口側の端面（以下、上 面とする。）は後記するブラシホルダステーが当接された状態で、これを水平に 保持し得るように構成されている。

【００１２】 他方、エンドブラケット１１の側面側にはエンドブラケット１１をヨークと連 結させるためのフランジ部１７が一対、略二等辺三角形の板形状に径方向外向き に膨出形成されており、両フランジ部１７、１７には締結のための取付孔１８、 １８がそれぞれ開設されている。

【００１３】 そして、短尺の円筒形状に形成されたエンドブラケット１１の筒内部にはブラ シホルダステー２０が装着されるようになっている。ブラシホルダステー２０は ベークライト等の絶縁材料が用いられて、エンドブラケット１１の円筒中空部よ りも小径の直径を有する円形の平板形状に一体成形されており、このブラシホル ダステー２０の中心にはコミテータ挿入孔２１が同心円に配されて円形形状に開 設されている。

【００１４】 ブラシホルダステー２０の外周辺部には後側位置にグロメット嵌合用凹部２２ が、略Ｕ字形状に切設されている。ブラシホルダステー２０のグロメット嵌合用 凹部２２の隣にはサーキットブレーカ取付孔２３が径方向内向きに切設されて、 略矩形に形成されている。また、ブラシホルダステー２０の外周辺部にはリード 線引廻し溝２４が複数個、周方向に間隔を置かれて径方向内向きにそれぞれ開設 されている。

【００１５】 さらに、ブラシホルダステー２０にはビス挿通孔２５が、グロメット嵌合用凹 部２２とはコミテータ挿入孔２１を中心に略反対の位置に配されて円形形状に開 設されており、この挿通孔２５はエンドブラケット１１のねじ穴１５に対向され ている。また、ブラシホルダステー２０の中間部には一対のブラシホルダ取付孔 ２６が３組、所定の位置に放射状に、かつ、一対同士が互いに対向するようにそ れぞれ配されて、各長方形形状に開設されている。

【００１６】 このブラシホルダステー２０にはブラシホルダ２７が３個、コミテータ挿入孔 ２１の周りに放射状にそれぞれ配されて、各ブラシホルダ取付孔２６にかしめ加 工によってそれぞれ固定されている。各ブラシホルダ２７にはピグテール２８を 有するブラシ２９が、ブラシスプリング（図示せず）の付勢力下でコミテータの 外周面に摺接するように摺動自在にそれぞれ収容されている。

【００１７】 ブラシホルダステー２０にはサーキットブレーカ３０がコミテータ挿入孔２１ の接線方向に配されて、サーキットブレーカ取付孔２３に嵌入されて取り付けら れている。また、ビス挿通孔２５にはアースプレート３１が鳩目かしめ加工によ って固定されている。なお、３２はコンデンサ、３３はリード線、３４はビスで ある。

【００１８】 本実施例において、ブラシホルダステー２０のグロメット嵌合用凹部２２には グロメット４０が嵌合されており、グロメット４０の３本のリード線挿通孔４１ 内に挿通された３本のリード線３３がサーキットブレーカ３０、ピグテール２８ にそれぞれ接続されている。

【００１９】 グロメット４０はゴムまたは樹脂の弾性材料が用いられて大略楕円形の柱形状 に一体成形されている。グロメット４０の一端部にはエンドブラケット１１の突 起係合溝１４と係合可能な突起４２が円弧形の略直方体形状に膨出形成されてい る。また、グロメット４０の突起４２が位置する反対側の外周にはブラシホルダ ステー２０のグロメット嵌合用凹部２２と嵌合する嵌合溝４３が略環状に没設さ れている。

【００２０】 次に、ブラシ装置の組み立て作業について説明する。

【００２１】 ブラシホルダ２７等が固装されているブラシホルダステー２０はエンドブラケ ット１１内に挿入される。このとき、各リード線３３はブラシホルダステー２０ のブラシホルダ２７側へ引き出された状態になっており、その先端部のピグテー ル２８が接続されている各ブラシ２９は各ブラシホルダ２７内に、その奥に介設 されたブラシスプリングの付勢力に抗して押し込められて、ブラシホルダ２７内 の切欠き部に係止されて仮固定されている。

【００２２】 ブラシホルダステー２０がエンドブラケット１１内に挿入される際、ブラシホ ルダステー２０のグロメット嵌合用凹部２２にグロメット４０が嵌合された状態 で、グロメット４０の先端側がエンドブラケット１１のグロメット挿通孔１３内 に挿通されて、グロメット４０がエンドブラケット１１に固定される。このとき 、グロメット４０に突設されている突起４２はエンドブラケット１１に没設され ている突起係合溝１４と係合される。

【００２３】 次に、ブラシホルダステー２０のビス挿通孔２５とエンドブラケット１１のね じ穴１６との位置合わせが行われる。続いて、ビス３４がビス挿通孔２５内に挿 通され、挿通されたビス３４がねじ穴１６にねじ込まれる。この締結作業によっ て、ブラシホルダステー２０がエンドブラケット１１に固定される。

【００２４】 この際、ビス挿通孔２５およびねじ穴１６の位置と反対側の位置は、グロメッ ト４０の突起４２とエンドブラケット１１の係合溝１４との結合によって既に整 合されているため、ビス挿通孔２５とねじ穴１６との位置合わせが確保されれば よいため、その位置合わせ作業並びにそれに続くねじ締め作業はきわめて簡単に 実行することができる。

【００２５】 そして、ブラシホルダステー２０のエンドブラケット１１への組み付け作業が 終了すると、アーマチュアおよびコミテータが固定された回転子軸（図示せず） が、ブラシホルダステー２０のコミテータ挿入孔２１およびエンドブラケット１ １の回転子軸挿通孔１２内にそれぞれ挿通される。

【００２６】 次いで、回転子軸にヨーク（図示せず）が被せられ、ヨークとエンドブラケッ ト１１とがフランジ部１７によって締結される。この締結状態において、グロメ ット４０はその突起４２がエンドブラケット１１とヨークとによって挟持された 状態になるため、グロメット４０は浮き上がるのが防止される。そして、ブラシ ホルダステー２０はグロメット４０とビス３４とによって保持された状態になる ため、確実に固定された状態になる。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ブラシホルダステーをグロメットと１ 本のビスによってモータハウジングに固定することができるため、ブラシ装置の 組み付け作業性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるブラシ装置を示す図で
あり、（ａ）は平面図中央縦断面図、（ｂ）は平面図で
ある。

【図２】エンドブラケットを示す図であり、（ａ）は平
面図中央縦断面図、（ｂ）は平面図である。

【図３】ブラシホルダステーを示す図であり、（ａ）は
ブラシホルダステーに電気部品が装着された状態を示す
平面図、（ｂ）はブラシホルダステー単体を示す平面図
である。

【図４】グロメットを示す図であり、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図、（ｃ）は底面図、（ｄ）は正面図、
（ｅ）は縦断面図である。

【符号の説明】

１１…エンドブラケット、１２…回転子軸挿通孔、１３
…グロメット挿通孔、１４…突起係合溝、１５…ボス
部、１６…ねじ穴、１７…フランジ部、１８…取付孔、
２０…ブラシホルダステー、２１…コミテータ挿入孔、
２２…グロメット嵌合用凹部、２３…サーキットブレー
カ取付孔、２４…リード線引廻し溝、２５…ビス挿通
孔、２６…ブラシホルダ取付孔、２７…ブラシホルダ、
２８…ピグテール、２９…ブラシ、３０…サーキットブ
レーカ、３１…アースプレート、３２…コンデンサ、３
３…リード線、３４…ビス、４０…グロメット、４１…
リード線挿通孔、４２…突起、４３…嵌合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータハウジングのコミテータの周りに
   配置されるブラシホルダステーがビスによってハウジン
   グに固定されるように構成されているとともに、このブ
   ラシホルダステーにはリード線挿通用のグロメットが嵌
   着されているブラシ装置において、 前記ブラシホルダステーにはその片側にグロメット取付
   用凹部が形成されているとともに、このグロメット取付
   用凹部とモータの回転軸を中心として略反対側にビス挿
   通孔が開設されており、 前記グロメットにはその端部側壁にブラシホルダステー
   取付用凹部と嵌合する嵌合溝が形成されているととも
   に、嵌合溝の反対側に突起が突設されており、 前記ハウジングには突起係合溝を有するグロメット係合
   穴が形成されているとともに、このグロメット係合穴と
   モータの回転軸を中心として略反対側にねじ穴が形成さ
   れており、 前記ブラシホルダステーの取付用凹部に前記グロメット
   が前記嵌合溝を嵌合されて取り付けられ、このブラシホ
   ルダステーが前記ハウジングにこのグロメットが前記係
   合穴に係合され、かつ、前記突起が前記係合溝に係合さ
   れた状態で当接され、前記ビス挿通孔にビスが前記ねじ
   穴にねじ込まれることによって、ブラシホルダステーが
   ハウジングに固定されていることを特徴とするブラシ装
   置。