JPH0665332B2

JPH0665332B2 - 電気掃除機

Info

Publication number: JPH0665332B2
Application number: JP62109039A
Authority: JP
Inventors: 修自渡辺; 修飛瀬
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1987-05-06
Filing date: 1987-05-06
Publication date: 1994-08-24
Anticipated expiration: 2009-08-24
Also published as: EP0289987A2; KR960014807B1; EP0289987B1; CN88102583A; KR880013524A; JPS63275313A; DE3886809T2; EP0289987A3; DE3886809D1; CN1040720C

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、家庭用として好適な電気掃除機に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来の電気掃除機としては、特開昭61−115529号公報に
記載されているように、本体ケース内に密閉区画された
電動送風機収納室を設け、この収納室内に電動送風機を
横置きにするとともに、電動送風機収納室の隔壁となる
遮音ケースに、電動送風機の送風機部外周を前記防振ゴ
ムによつて、かつ電動送風機の電動機部を後部防振ゴム
によつて、それぞれ防振支持している。しかも前記防振
ゴムは、遮音ケースとの気密が十分に保持されるよう
に、遮音ケースの内壁に圧接するリツプを有している。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来例では、電動送風機の重量が前部防振ゴムと後
部防振ゴムのそれぞれの下側部分のみに加えられるの
で、特に、前記防振ゴムの下側部分のリツプ部分が強く
押されて沈み、しかも、前部防振ゴムの上側部分のリツ
プ部分が遮音ケースの内壁から離れる方向に移動する。
しかも、電動送風機が回転すると、電動送風機の上流側
が負圧になるために、前部防振ゴムを上流側に移動させ
る押圧力、すなわち、電動送風機の重量による押圧力の
方向に対して直角方向の押圧力が発生する。そのため
に、前部防振ゴムの上側部分のリツプ部分と遮音ケース
との間に隙間が発生してしまい、前部防振ゴムによる気
密効果が十分にえられないという問題点を有している。

さらに、上記従来例では、組立時に、遮音ケースに対し
てリツプを有する前部防振ゴムを圧入する構造になつて
いるために、リツプ部分がめくれてしまう危険がきわめ
て高く、十分な気密及び防振の効果がえられない問題点
を有している。

さらに、上記従来例では、電動送風機の本体ケースへの
組込み構成についての配慮がされておらず、遮音ケース
に電動送風機を組込むことができないという問題点及び
大きな容量の電動送風機を使用して排気流が高温になつ
た場合における配慮がされておらず、その場合には遮音
ケースが熱変形してしまう危険があつた。

また、実公昭55−51407号公報には、電動送風機を縦置
きにした電気掃除機が開示され、特開昭62−16730号公
報には、電動送風機の周囲に防音筒を用いた電気掃除機
が開示されている。しかしながら、排気路を下側に設け
た前述の特開昭61−115529号公報記載のものを含め、こ
れらの例は、電動送風機の組込み作業性についての配慮
に欠け、電動送風機部分に装着したゴム等の防振或いは
気密用干渉材が不具合な状態になる恐れがあった。又、
電動送風機の高温排気による各部の熱変形に対する配慮
にも欠けていた。

即ち、実公昭55−51407号公報記載のものは、電動送風
機にパッキングを取付けた状態で、電動送風機の径方向
に挿入して組み込むため、パッキングが本体内壁に擦れ
て変形するという問題があり、又、特開昭62−16730号
公報記載のものは、電動送風機の軸方向に防音筒をかぶ
せ、この防音筒全体を横置の状態で支持ゴムにより鉛直
に保持するため、防音筒全体の重量に振動が加わり、支
持ゴムの上部と下部とがアンバランスに変形するという
問題があった。そのため、これらのものは、振動が増長
し、気密性が破られ、電動送風機の高温の排気により各
部に熱変形が生じる恐れがあるという欠点があった。

本発明の目的は、上記問題点に対処して、電動送風機の
防振及び気密支持を十分に行うことができるとともに、
容量の大きな電動送風機を使用した場合における遮音ケ
ースの熱変形防止にも対応することができ、電動送風機
の本体ケースへの組み込みが簡単で、しかも、衛生的で
コンパクトな低騒音低価格の電気掃除機を提供するにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本発明の電気掃除機は、上下
ケースからなる本体ケース内に、集塵室と、この集塵室
に連通した連通路と、この連通路に連通した電動送風機
収納室と、この電動送風機収納室に連通した排気路と、
この排気路に連通した消音路と、この消音路に連通した
排気室とを、密閉区画形成してなり、前記電動送風機収
納室内に、送風機部及び電動機部からなる電動送風機
を、その送風機部側が下側になるように縦置きに配設し
てなる電気掃除機において、前記電動送風機収納室を区
画する隔壁は、前記本体ケースと一体に形成され、かつ
前記電動送風機の送風機部側をおおう筒状リブと、前記
本体ケースとは別体に形成され、かつ前記電動送風機の
電動機部側をおおう遮音ケースとからなり、この遮音ケ
ースは、前記本体ケースよりも耐熱性大なる材料にて形
成され、かつ前記筒状リブに着脱自在に取り付けてな
り、前記連通路は、前記筒状リブの下側部に連通され、
しかも、前記排気路は、その流入側を前記遮音ケースに
形成し、かつ、その流出側を前記筒状リブに形成して、
前記遮音ケースの側壁に沿って落下する構成とし、前記
筒状リブの内部には、前記下ケースに設けられたリブか
らなるものであって、前記電動送風機の送風機外周部の
気密防振を行う第１弾性体を載置するための載置部を設
け、前記遮音ケース内には、前記電動送風機の電動機部
を防振支持する第２弾性体の取付部が形成され、前記消
音路は、前記本体ケースの底部にほぼＵ字状に配設さ
れ、内部に一個以上の整流ベーンを設け、前記整流ベー
ンの上流側に整流ネットを設けたことを特徴とするもの
である。

〔作用〕

上記構成によれば、電動機部から流出する排気流が高い
温度になった場合でも、遮音ケースのみを本体ケースと
は別体に形成し、耐熱性の大きい材料で製作したため、
遮音ケースの熱変形を防止できるとともに、本体ケース
は低価格の通常の合成樹脂で作ることができる。

また、電動送風機を送風機部を下側にして縦置きに収納
すると、電動送風機の質量と、回転により発生した負圧
による押付力とが、第１弾性体の全域で同方向に加えら
れることになり、第１弾性体が載置部の全域で強い均等
の押圧力により押し付けられた状態になるため、安定し
た気密防振効果が得られる。

また、電動送風機収納室の隔壁を、本体ケースに設けた
筒状リブと、本体ケースとは別体の遮音ケースとから形
成し、遮音ケースを筒状リブに取り付けるようにしたの
で、筒状リブ内に電動送風機を組込み後、遮音ケースを
筒状リブに取り付け固定するだけで、簡単に電動送風機
を電動送風機収納室内に組込んだ状態にすることができ
る。

また、電動送風機の回転により発生した騒音は、遮音ケ
ースと上ケースの二重壁によって遮音され、本体ケース
の上方ではきわめて小さく聞こえるにすぎない。また、
下ケースの底面を利用した消音路も、Ｕターン状のた
め、本体ケースを大形化しなくても寸法を長くすること
ができ、このＵターン部に整流用のガイドベーンを設け
ることにより、排気音の全周波数域のレベルが低下し、
整流ネットにより流路中の突起物による気流発生音が低
減する。

また、集塵室から空気を本体ケース内に漏らすことな
く、連通路−電動送風機収納室−排気路−消音路−排気
室を介して、本体ケース外に排出させることができるの
で、衛生的であるとともに、低騒音化が図られる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を、図面に基づき説明する。

第１図ないし第７図において、電気掃除機の本体ケース
１は、上下に２分割が可能である上ケース２と下ケース
３とから形成されている。上ケース２及び下ケース３
は、合成樹脂製である。本体ケース１内には、集塵室４
と、この集塵室４に連通して連通路５と、この連通路５
に連通した電動送風機収納室６と、この電動送風機収納
室６に連通した排気路７と、この排気路７に連通した消
音路８と、この消音路８に連通した排気室９とが密閉区
画形成されている。

電動送風機収納室６を区画する隔壁は、下ケースと一体
に形成され、かつ電動送風機10の送風機部10a側をおお
う筒状リブ11と、本体ケース１とは別体に形成され、か
つ電動送風機10の電動機部10b側をおおう遮音ケース12
とからなつている。遮音ケース12は、その開口端面全周
に形成した溝部12aを、筒状リブ11の開口端面全周11aに
気密嵌合させた後、ねじ13,13aによつて筒状リブ11に着
脱自在に取り付けられる。

集塵室４は、電動送風機収納室６の横に並配されてい
る。連通路５は、電動送風機収納室６の隔壁下部、すな
わち、筒状リブ11の側壁下部に連通されている。排気路
７は、電動送風機収納室６の隔壁下部、すなわち、遮音
ケース12の側壁上部に連通されている。

排気路７の流入側は、遮音ケース12と一体に形成されて
いる。排気路７は、遮音ケースの側壁に沿つて落下して
いる。排気路７の流出側は、下ケース３と一体に形成し
た筒状リブ11と一体に形成されている。遮音ケース12
は、上ケース２及び下ケース３よりも耐熱性大なる材料
にて成形されている。

消音路８は、下ケース３の底面と、この底面に気密保持
されるケースカバー14との間に形成される。消音路８
は、ほぼＵ字状になつており、本体ケース１の後部に配
置した排気室９に連通されている。ケースカバー14の内
表面には、吸音材15が取り付けられている。ケースカバ
ー14は、合成樹脂製である。排気路７と消音路８は、下
ケース３の底面に形成される開口によつて連通される。

排気路７の通路断面積は、遮音ケース12の通路断面積よ
りも小さくしてある。消音路８の通路断面積は、排気路
７の通路断面積よりも大きくしてある。排気室９の通路
断面積は、消音路８の通路断面積よりも大きくしてあ
る。

連通路５の入口には、紙片などの大きな塵埃が電動送風
機収納室６内に流入するのを防止する多数の小リブ16が
形成されている。連通路５から電動送風機収納室６に設
けた電動送風機10に至る流路には、一本のガイドリブ17
が設けられている。ガイドリブ17は、ケース３と一体に
形成されており、集塵室４からの空気を電動送風機10の
送風機部10aの入口に向つて円滑に導く機能を有してい
る。

電動送風機収納室６から排気路７に至る流路の内壁は、
排気流が円滑に流れる形になつている。排気路７から消
音路８に至る流路の内壁は、排気流が円滑に流れる形に
なつている。

消音路８内には、排気流の方向を、180゜方向転換して
排気室９に円滑に導くための、複数個の整流ベーン18が
設けられている。整流ベーン18は、下ケース３の底面と
一体に成形される。整流ベーン18の上流側、すなわち、
整流ベーン18の流入側には、整流ネツト19が設けられ
る。整流ネツト19は、整流ベーン18の流入側において気
流音が発生するのを防止できるように、目の細かいメツ
シユの、合成樹脂製ネツトあるいは金属製ネツトからな
つている。

遮音ケース12には、排気路７の流入側が一体に形成され
ている。筒状リブ11には、排気路７の排出側が形成され
ている。筒状リブ11に、遮音ケース12を取り付けること
によつて、電動送風機収納室６からの排気流を消音路８
に導く排気路７が完成される。

電動送風機収納室６内には、電動送風機10を、その送風
機部10aが下側になるように縦置きに配設する。筒状リ
ブ11の内周下部には、電動送風機10の送風機10a側の気
密防振を行うリング状の第１弾性体20が載置される載置
部21が形成されている。載置部21は、下ケース３と一体
に形成したリング状のリブからなつている。

遮音ケース12内には、電動送風機10の電動機部10b側の
防振支持を行う第２弾性体22が取り付けられる取付部23
が形成されている。取付部23は、第２弾性体22が圧入嵌
合できる凹部を有している。第１弾性体20及び第２弾性
体22は、ともに防振ゴムから形成されている。電動送風
機10の電動機部10b側の外周には、筒状の吸音カバー24
が設けられている。排気路７の流入側は、電動送風機10
の電動機部10b外周の接続方向に配置されている。遮音
ケース12の内壁には、必要に応じて吸音材を取り付ける
ことも可能である。第２弾性体22は、電動機部10bの上
面に突出する回転軸受凸部10cの外周に嵌合することに
よつて、電動送風機10に取り付けられる。

下ケース３の後側壁には、格子状の排気窓3aが一体に形
成されている。排気窓3aは、排気室９に連通されてい
る。排気窓3aの上流側には、微細塵フイルター25が本体
ケース１外から着脱自在となるように装着されている。
下ケース３の上面には、キヤスター26と２個の車輪27,2
7aが取り付けられている。

下ケース３に上ケース２をねじ28によつて固定すること
によつて、本体ケース１が完成する。上ケース２の開
口、すなわち、集塵室４の開口は、蓋体29によつておお
われる。蓋体29は、上ケース２に開閉自在に取り付られ
る。蓋体29には、吸込口30が形成される。吸込口30に
は、吸込ホース31の接手32が着脱自在に取り付けられ
る。上ケース２の上面には、把手33が取り付けられてい
る。

集塵室４内には、不織布などからなる集塵ケース34が取
り付け及び取りはずしができるように装着されている。
集塵ケース34内には、紙袋からなる使い捨ての袋状フイ
ルター35が収納される。袋状フイルター35の入口は、蓋
体29を閉じると、蓋体29の吸込口30に気密保持される。

吸込ホース31は、接手32によつて蓋体29に360゜回転可
能に取り付けられている。吸込ホース31には、延長管3
6,吸口37が接続される。蓋体29には、芳香材を収納する
芳香材収納室38が形成されている。上ケース２と下ケー
ス３の前端部には、本体ケース３を持ち運ぶための把手
部が形成されている。

上ケース２には、集塵メーターが収納されている。蓋体
29は、合成樹脂製であり、閉じたときに、上ケース２の
開口との間の気密が保持されるように構成されている。
集塵室４と連通路５との間には、必要ならば、粗目フイ
ルターを装着することが可能である。集塵ケース34は、
袋状フイルター35の装着を忘れたときには、それ自体で
掃除ができるように、細目のフイルター材から形成され
ていることが要求される。集塵ケース34は、汚れたとき
に、水洗いができる構成になつている。

電動送風機10は、送風機部10aから流れてきた空気が、
電動機部10b内を冷却した後、電動機部10bの外周に設け
た窓からその外周の接続方向に流出するように、構成さ
れている。電動機部10b内には、整流子電動機構が内蔵
されている。

遮音ケース12と筒状リブ11によつて形成される排気路７
には、回路基板39のフイン39aが設置される。コードリ
ール収納室40は、本体ケース１内の電動送風機収納室12
に隣接して形成されている。遮音ケース12の外周上壁に
は、回路基板39が載置しやすいように、平坦部12bが形
成されている。平坦部12bには、フイン39aを挿入するス
リツト状穴12cが形成されている。

以上の構成において、電動送風機10を回転させると、吸
込口30から袋状フイルター35に入り、袋状フイルター35
と集塵ケース34を通り抜けた空気は、連通路５から電動
送風機収納室６内に流入し、ガイドベーン17によつて円
滑に送風機部10a内に導かれる。送風機部10aから流出し
た空気は、電動機部10b内を冷却した後、電動機部10bの
外周に排気流となつて膨張流出する。この際、電動送風
機10から発生する風切音，ボールベアリング回転音など
の音は、遮音ケース12によつて遮音される。電動送風機
収納室６から排気流は、排気路７内に圧縮流出して、排
気路７を落下した後、消音路８内に膨張流出する。消音
路８内に流出した排気流は、複数個の整流ベーンによつ
て複数個に分流するとともに、180゜の方向転換をして
排気室９から排気窓3aを通り本体ケース１外に流出す
る。消音路８内で分流した排気流は、合流した後、排気
室９内に膨張流出する。

電動送風機10の回転により発生した騒音は、排気流が、
排気路7,消音路８及び排気室９の間を流れているとき
に、膨張と圧縮を繰り返すことにより低減され、さら
に、消音路８の吸音材15の働きで一層低減される。

集塵ケース34を通り抜けた微細塵や電動送風機10の回転
により発生するブラシ粉などの微細塵は、電動送風機収
納室6,排気路7,消音路８及び排気室９から本体ケース１
内外にもれることなく、微細塵フイルター25によつてろ
かされて、清浄な空気のみを排気窓3aから流出すること
及び本体ケース１内が汚染されないので、衛生的であ
る。

電動送風機10の回転により発生した騒音は、遮音ケース
12と上ケース３の二重壁によつて遮音される状態にな
り、本体ケース１の上方ではきわめて小さく聞えるにす
ぎない。

消音路８は、下ケース１の底面を利用してＵ字状に形成
してあるので、寸法の長いものを作ることが容易であ
る。また、寸法の長い消音路８を作つても、本体ケース
１が大形化することがない。

電動送風機10として容量の大きなものを使用して、か
つ、集塵ケース34若しくは袋状フイルター35が目詰りに
よつて電動機部10b内の冷却風量が減少した場合には、
電動機部10bから流出する排気流は、高い温度になつて
いる。そのため、遮音ケース12が高い温度に熱せられる
が、その遮音ケース12を耐熱性の大きな材料で作ること
により、遮音ケース12の熱変形を防止できる。この場
合、遮音ケース12は、本体ケース１とは別体に形成さ
れ、かつ筒状リブ11に取り付ける構造になつているため
に、遮音ケース12のみを耐熱性の大きい材料で作り、本
体ケース１は低価格の通常の合成樹脂で作ることができ
る。

電動送風機10を、その送風機部10aが下側になるように
縦置きに、電動送風機収納室６内に収納すると、第１弾
性体20の全域で電動送風機10の重量と、電動送風機10の
回転により発生した負圧による押付力とが同方向に加え
られることになり、第１弾性体20が、載置部21の全域で
強い均等の押圧力により押し付けられた状態になるた
め、安定した気密防振効果が得られる。

電動送風機10を下ケース３に組込むには、まず、電動送
風機10に、あらかじめ第１弾性体20,第２弾性体22及び
吸音カバー24を装着した後、その電動送風機10を筒状リ
ブ11内に挿入して載置部21に第１弾性体20を載置した状
態とする。その後、遮音カバー12を、電動送風機10上か
らかぶせ、かつ、ねじ13を用いて筒状リブ11に固定すれ
ば、電動送風機10の組込みが終了する。電動送風機10に
あらかじめ、第１弾性体20,第２弾性体及び吸音カバー2
4を装着することなく、筒状リブ11内の載置部21の第１
弾性体20を載置し、その第１弾性体20の上から電動送風
機10を載置した後、電動送風機10に吸音カバー24及び第
２弾性体22を装着し、その上から遮音カバー12をかぶせ
ることも可能である。

第８図は、本実施例による遮音ケース12の消音効果を示
す周波数特性図である。測定位置は、上ケース２の上方
1mで行つた。グラフａは、従来例を示し、かつ、グラフ
ｂは本実施例を示している。この特性図から理解できる
ように、本実施例によれば従来例に比べて消音効果が大
幅に改善される。

本実施例では、連通路５が短くなつているが、さらに長
くしてもよいし、また逆に、集塵室４と電動送風機収納
室６を連通する単なる穴だけでもよい。さらに、小さな
容量の電動送風機を使用することにより、電動送風機の
回転音が小さい場合には、消音路８を削除して、排気路
７を排気室９に直接連通させる構成にしてもよい。

本実施例では、集塵室から空気を、連通路５−電動送風
機収納室６−排気室７−消音路８−排気室９を介して、
本体ケース１内にもらすことなく、排気窓3aから本体ケ
ース１外に排出させることができるので、排気窓3aの手
前に微細塵フイルター25を設けることにより、集塵室か
ら流入する微細塵はもちろんのこと電動送風機から発生
するブラシ粉などの微細塵を確実に取り除くことがで
き、より衛生的な掃除作業を行うことが可能である。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、次のような効果が得られ
る。

（イ）電動送風機として容量の大きなものを使用して、
かつ、集塵ケース若しくは袋状フィルターの目詰りによ
って電動機部内の冷却風量が減少した場合には、電動機
部から流出する排気流は、高い温度になっている。その
ため、遮音ケースが高い温度に熱せられるが、その遮音
ケースを耐熱性の大きな材料で作ることにより、遮音ケ
ースの熱変形を防止できる。この場合、遮音ケースは、
本体ケースとは別体に形成され、かつ筒状リブに取り付
ける構造になっているために、遮音ケースのみを耐熱性
の大きい材料で作り、本体ケースは低価格の通常の合成
樹脂で作ることができる。

（ロ）電動送風機を、その送風機部が下側になるように
縦置きにして電動送風機収納室内に収納すると、第１弾
性体の全域で電動送風機の質量と、電動送風機の回転に
より発生した負圧による押付力とが同方向に加えられる
ことになり、第１弾性体が、載置部の全域で強い均等の
押圧力により押し付けられた状態になるため、安定した
気密防振効果が得られる。

（ハ）電動送風機収納室の隔壁は、本体ケースに設けた
筒状リブと、本体ケースとは別体の遮音ケースとから形
成し、遮音ケースを筒状リブに取り付けるようにしたの
で、筒状リブ内に電動送風機を組込み後、遮音ケースを
筒状リブに取り付け固定すれば、簡単に電動送風機を電
動送風機収納室内に組込んだ状態をえることができる。

（ニ）電動送風機の回転により発生した騒音は、遮音ケ
ースと上ケースの二重壁によって遮音され、本体ケース
の上方ではきわめて小さく聞こえるにすぎない。

（ホ）消音器は、下ケースの底面を利用して、Ｕ字状の
寸法の長いものを作ることができ、しかも本体ケースが
大形化することがない。このＵターン部に整流用のガイ
ドベーンを設けることにより、排気音の全周波数域のレ
ベルが低下し、整流ネットにより流路中の突起物による
気流発生音が低減する。

（ヘ）集塵室から空気を、連通路−電動送風機収納室−
排気路−消音路−排気室を介して、本体ケース内にもら
すことなく、排気室から本体ケース外に排出させること
ができるので、衛生的であるとともに、低騒音化が図ら
れる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の一実施例を示し、第１図は要部縦断面
図、第２図は全体斜視図、第３図は下ケース側の要部分
解斜視図、第４図は下ケースの裏面側部分の分解斜視
図、第５図は上ケースの斜視図、第６図は遮音ケース部
横断面図、第７図は下ケースの消音部の横断面図、第８
図は消音効果を示す周波数特性図である。１……本体ケース、２……上ケース、３……下ケース、
４……集塵室、５……連通路、６……電動送風機収納
室、７……排気路、８……消音路、９……排気室、11…
…筒状リブ、12……遮音ケース。

フロントページの続き (56)参考文献特開昭61−115529（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−16730（ＪＰ，Ａ) 実公昭55−51407（ＪＰ，Ｙ２)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上下ケースからなる本体ケース内に、集塵
室と、この集塵室に連通した連通路と、この連通路に連
通した電動送風機収納室と、この電動送風機収納室に連
通した排気路と、この排気路に連通した消音路と、この
消音路に連通した排気室とを、密閉区画形成してなり、
前記電動送風機収納室内に、送風機部及び電動機部から
なる電動送風機を、その送風機部側が下側になるように
縦置きに配設してなる電気掃除機において、前記電動送風機収納室を区画する隔壁は、前記本体ケー
スと一体に形成され、かつ前記電動送風機の送風機部側
をおおう筒状リブと、前記本体ケースとは別体に形成さ
れ、かつ前記電動送風機の電動機部側をおおう遮音ケー
スとからなり、この遮音ケースは、前記本体ケースより
も耐熱性大なる材料にて形成され、かつ前記筒状リブに
着脱自在に取り付けてなり、前記連通路は、前記筒状リブの下側部に連通され、しか
も、前記排気路は、その流入側を前記遮音ケースに形成
し、かつ、その流出側を前記筒状リブに形成して、前記
遮音ケースの側壁に沿って落下する構成とし、前記筒状リブの内部には、前記下ケースに設けられたリ
ブからなるものであって、前記電動送風機の送風機外周
部の気密防振を行う第１弾性体を載置する載置部を設
け、前記遮音ケース内には、前記電動送風機の電動機部を防
振支持する第２弾性体の取付部が形成され、前記消音路は、前記本体ケースの底部に略Ｕ字状に配設
され、内部に一個以上の整流ベーンを設け、該整流ベー
ンの上流側に整流ネットを設けたことを特徴とする電気
掃除機。
【請求項２】前記電動送風機の電動機側の接線方向に、
前記排気路の流入側を配置してなることを特徴とする特
許請求の範囲第１項記載の電気掃除機。
【請求項３】前記排気路の通路遮断面積は、前記遮音ケ
ースの通路断面積よりも小さくしてなることを特徴とす
る特許請求の範囲第１項記載の電気掃除機。
【請求項４】前記消音路は、前記本体ケースの底面と、
この底面に設けたケースカバーとの間に形成してなるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電気掃除
機。
【請求項５】前記排気室の通路断面積は、前記消音路の
通路断面積よりも大きくしてなることを特徴とする特許
請求の範囲第１項記載の電気掃除機。
【請求項６】前記消音路の通路断面積は、前記排気路の
通路断面積より大きくしてなることを特徴とする特許請
求の範囲第１項記載の電気掃除機。
【請求項７】前記載置部に第１弾性体を載置し、その第
１弾性体上に前記電動送風機を載置し、その電動送風機
の電動機部側を吸音材でおおった後に、前記遮音ケース
を前記筒状リブにねじ止めしてなることを特徴とする特
許請求の範囲第１項記載の電気掃除機。
【請求項８】前記第２弾性体を、前記電動送風機の電動
機部側上面にあらかじめ装着してなることを特徴とする
特許請求の範囲第７項記載の電気掃除機。
【請求項９】前記電動送風機に、前記防音材、前記第１
弾性体及び前記第２弾性体をあらかじめ装着した状態
で、その電動送風機を、前記載置部に載置してなること
を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電気掃除機。