JPH0664942A - 熱線遮蔽ガラス - Google Patents

熱線遮蔽ガラス

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JPH0664942A
JPH0664942A JP22101292A JP22101292A JPH0664942A JP H0664942 A JPH0664942 A JP H0664942A JP 22101292 A JP22101292 A JP 22101292A JP 22101292 A JP22101292 A JP 22101292A JP H0664942 A JPH0664942 A JP H0664942A
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俊哉 伊藤
Hiroaki Kobayashi
浩明 小林
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隆 室町
Atsushi Kawaguchi
淳 川口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い可視光線透過率と低い可視光線反射率を有
し、かつ、太陽輻射エネルギーを効果的に遮蔽する、と
りわけ自動車の窓ガラスとして有用な熱線遮蔽ガラスを
提供すること。 【構成】ガラス基板上に高屈折率の被膜と低屈折率の被
膜が交互に2層以上積層された熱線遮蔽ガラスにおい
て、高屈折率の被膜が可視光線と近赤外線領域の波長に
おいて異常分散性の屈折率を有し、かつ、可視光線の波
長域での吸収係数が1以下の光吸収性を有するガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い可視光線透過率と
低い可視光線反射率を有し、かつ、太陽輻射エネルギー
を効果的に遮蔽するガラスに関し、とりわけ自動車や建
築物の窓ガラスとして有用な熱線遮蔽性を有するガラス
に関する。
【0002】
【従来の技術】高い可視光線透過率を有し、太陽輻射エ
ネルギーの一部を遮蔽するガラスとしては、ガラス板の
上に透明誘電体膜、Ag等の貴金属膜、透明誘電体膜が
順次被覆されたものが知られている。この構成は、貴金
属膜の有する赤外線反射性能を利用するものであって、
優れた熱線遮蔽性能を示すが、反面化学的、機械的耐久
性が不足しているので、膜を保護する形で、合せガラ
ス、複層ガラスとして利用されるのが一般的である。
【0003】このような耐久性を改善したものとして
は、ガラス板の上に透明誘電体膜、金属窒化物膜、透明
誘電体膜が順次被覆されたものが開示されている(SP
IE.vol.324(1982)p.52)。そして、
前記の窒化物の膜は赤外線に対して反射性を示すもので
あって、化学周期律表第4A族の、化学的に安定なチタ
ニウム、ジルコニウム、ハフニウム、第6A族のクロム
などの窒化物が知られており、これらの金属窒化物膜の
上に保護膜を形成した2層構成の被膜、あるいは両側を
透明誘電体で挟んだ三層構成の被膜をガラス板上に形成
した熱線遮蔽ガラスが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の技
術のうち、銀(Ag)の代わりに金属窒化膜を用いるタ
イプの熱線遮蔽ガラスは化学的、機械的耐久性が改善さ
れていて、単板での使用が可能となるものの、熱線遮蔽
特性が低下してしまうという問題点があった。また、銀
のような貴金属の膜や金属窒化物の膜は、いずれも可視
光線の領域で吸収係数が2以上であり、そのため強い光
吸収を有する。このため高い可視光線透過率と高い熱線
遮蔽率(すなわち低い日射光線透過率)を両立させる熱
線遮蔽ガラスを得る被膜材料としては、必ずしも満足の
いく膜材料ではなかった。
【0005】本発明は、単板で利用できる耐久性を有
し、かつ、優れた熱線遮蔽特性を兼ね備えた熱線遮蔽ガ
ラス、特に、自動車用窓ガラスとして好適な高い可視光
線透過率、低い可視光線反射率、及び低い日射光線透過
率を有する熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題点を解決
するために、本発明は近赤外線領域で屈折率が高く、可
視光線領域で光吸収が小さい膜材料を研究した結果得ら
れたものであって、本発明の第1は、高屈折率材料から
なる被膜と低屈折率材料からなる被膜が交互に2層以上
積層された熱線遮蔽膜がガラス基板上に設けられた熱線
遮蔽ガラスであって、前記高屈折率材料からなる被膜が
可視光線と近赤外線の波長領域において異常分散性の屈
折率を有し、かつ、可視光線波長域での吸収係数が1以
下の光吸収性を有する熱線遮蔽ガラスである。
【0007】本発明の第1は、上記波長領域で異常分散
性の屈折率を有し、かつ、可視光線波長域での吸収係数
が1以下である被膜を高屈折率材料からなる被膜として
用いることに特徴がある。これにより、可視光線領域の
反射率を低く保ったまま(透過率を高く保ったまま)、
赤外線領域での反射率を効果的に高める(透過率を下げ
る)ことができる。
【0008】ここで、屈折率の異常分散性を有すると
は、屈折率と波長の関係において、長波長側(赤外線領
域)での屈折率が短波長側(可視光線領域)での屈折率
よりも大きいことを意味する。これに対し正常分散性を
有するとは、屈折率が波長の増大と共に低下することを
いう。したがって、屈折率が正常分散性を有する被膜
は、赤外線領域での屈折率は、可視光線領域での屈折率
よりも小さな値をもつ。異常分散性を有し、かつ、可視
光線波長域で吸収係数が1以下の高屈折率材料からなる
被膜と、正常分散性の低屈折率材料からなる被膜を用い
ると赤外線領域での屈折率の差がきわめて大きな膜の組
合せが得られるとともに、可視光線領域での光の干渉に
よる反射率増加が効果的に抑制される。従って、本発明
により得られる高屈折率材料と低屈折率材料を交互に積
層し、屈折率差に基づく光学干渉作用を利用して赤外線
領域の反射率を高めた熱線遮蔽ガラスは、効果的に赤外
線領域での反射率を高め、日射光線透過率を小さくする
ことができる。前記可視光線波長域での吸収係数が0.
6以下の異常分散性の被膜を用いることは、可視光線透
過率を高くした状態で、日射光線透過率を低くする上で
好ましい。
【0009】本発明の前記高屈折率材料からなる被膜お
よび前記低屈折率材料からなる被膜の厚みは、それらの
光学膜厚が近赤外領域における設計波長のほぼ1/4と
なるように定めることができる。光学膜厚が設計波長の
1/4である高屈折率材料からなる被膜および低屈折率
材料からなる被膜の積層体を基本構造とし、その基本構
造を繰り返し設けた公知の多層干渉フイルタの構造とす
ることができる。また、基本構造の繰り返しの上にさら
に光学膜厚が設計波長の1/8の低屈折率材料からなる
被膜を最上層の被膜として設けることができる。
【0010】本発明に用いることができる異常分散性を
有し、可視光線領域で吸収係数が1以下の被膜として
は、可視光線で光吸収を示す酸窒化クロム被膜および酸
化クロム被膜を例示することができる。これらの膜は、
銀(Ag)等の貴金属膜や、金属窒化物の膜とは異な
り、数10kΩ以上の高い抵抗値を有するので、電磁波
との相互作用が小さいという特徴を有する。
【0011】また、本発明に用いることができる低屈折
率材料からなる被膜としては、屈折率が1.4〜2.1
の、二酸化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムの膜
が、また、優れた耐薬品性が要求される場合には、酸化
ジルコニウムの膜が、さらに、優れた耐摩耗性と耐薬品
性の両方が要求される場合には、前記した膜を組み合わ
せた複合膜や複層膜が選ばれる。
【0012】本発明の第2は、ガラス基板上に第1層と
して可視光線と近赤外線域との波長域において異常分散
性の屈折率を有し、かつ、可視光線波長域での屈折率が
1.5以上吸収係数が1以下の物理的膜厚が10〜50
nmの被膜が被覆され、前記第1層の上に可視光線域で
の屈折率が1.4〜2.1で物理的膜厚が30〜80n
mの透明誘電体膜が第2層として被覆された熱線遮蔽ガ
ラスである。
【0013】前記ガラス基板と前記第1層の間に介在す
るように可視光線波長域での屈折率が1.8〜2.1で
物理的膜厚が100nmを越えない透明誘電体膜を設け
ることは、可視光線領域での透過率を高く、赤外線領域
での透過率を低くし、さらに透過色調が無彩色(ニュー
トラル)とする上で好ましい。かかる被膜構成を有する
熱線遮蔽ガラスは自動車用窓ガラスとして特に好適に用
いられる。
【0014】本発明の第2のガラス板上に第2層として
被覆される膜の屈折率および厚み、及びガラス基板と第
1層の間に介在させるようにして設けられる層は、上記
の範囲内である必要がある。上記範囲内にすることによ
り、可視光線に対して高透過率で、太陽光線に含まれる
近赤外域の波長の熱線に対して高い遮蔽率を有するよう
にすることができる。また、熱線遮蔽ガラスの色調を、
用いるガラス板のそれとあまり変わらないものとするこ
とができる。上記第1層、第2層およびガラス基板と第
1層の間に介在させて設ける層の厚みは、それぞれ単独
に定められるものでなく、互いに関連して可視光線透過
率や熱線遮蔽性能を考慮して定められる。前記範囲内で
各層の膜の屈折率と厚みを調整することにより、自動車
の窓ガラスとして要求される可視光線透過率が70%以
上という高透過率の熱線遮蔽ガラスとすることができ
る。
【0015】本発明の第2は、第1層として屈折率が可
視光線と近赤外線域との波長域において異常分散性の屈
折率を有し、かつ、可視光線波長域での吸収係数が1以
下である被膜を用いることに特徴がある。これにより、
可視光線領域での反射率を低く保ったまま、日射光線の
透過率を効果的に低下させることができる。すなわち本
発明の第2においても、屈折率の異常分散性とは、前記
したように屈折率に波長依存性があり、かつ、長波長側
(赤外線領域)での屈折率が短波長側(可視光線領域)
での屈折率よりも大いことを意味する。
【0016】本発明の第2においては、前記したように
第1層として異常分散性の屈折率を示し、可視光線領域
で屈折率が1.5以上で吸収係数が1以下の光吸収性の
ある被膜を用いているので、可視光線透過率を高く保っ
たまま、熱線遮蔽性を小さく、かつ、熱線遮蔽ガラスの
色調を基板ガラスのそれと変えないようにすることがで
きる。第1層の膜の厚みが10nmより小さくても、5
0nmより大きくても、さらに第2層の膜の厚みが30
nmより小さくても、80nmより大きくても、高い可
視光線透過率と低い日射光線透過率を保とうとした場
合、熱線遮蔽ガラスの透過色調がガラス基板とは異なっ
た色合いを帯びてしまう。また、ガラス基板と第1層の
間に介在させる第3層の厚みが100nmより小さくす
ることにより、前記第1層と第2層とが被覆された膜構
成の熱線遮蔽ガラスと同様の色調が得られる。また、第
1層、第2層およびガラス基板と第1層の間に適時介在
させる第3層の膜の屈折率および厚みを前記範囲内で定
めることにより、熱線遮蔽ガラスの色調を基板のそれと
ほとんど変わらないようにしたまま、高い熱線遮蔽性能
を実現することができるのである。
【0017】本発明の第2における屈折率が1.4〜
2.1の透明誘電体膜材料として、二酸化珪素、酸窒化
珪素、酸化アルミニウムの膜が、また、優れた耐薬品性
が要求される場合には、酸化ジルコニウムの膜が、さら
に、優れた耐摩耗性と耐薬品性の両方が要求される場合
には、前記した膜を組み合わせた複合膜や複層膜が選ば
れる。酸化タンタルや、炭化珪素と炭化ジルコニウム複
合物の酸窒化膜は、単層でも優れた耐摩耗性と耐薬品性
を兼ね備えた膜として利用することができる。
【0018】本発明の第2の屈折率が1.8〜2.1の
透明誘電体膜とすることができる材料は、特に限定され
ないが、酸化スズ、酸化ジルコニウム、窒化珪素、酸化
タンタルのうち少なくとも1種からなる膜を例示するこ
とができる。
【0019】前記したように耐久性を向上させる目的
で、光学特性を大きく変えない条件で、第2層の上に保
護膜を形成してもよい。そのような保護膜としては、
錫、ジルコニウム、タンタル、ビスマス、ニオブおよび
シリコンの群から選ばれた1種と、酸素と窒素とを含む
非晶質膜、あるいは、タンタル、アルミニウム、ニオブ
およびニッケルからなる群から選ばれた1種と、シリコ
ンと、酸素と窒素とを含む非晶質膜、シリコンと炭素と
酸素と窒素とを含む非晶質膜を例示することができる。
【0020】本発明に用いられる光吸収性の酸窒化クロ
ム膜及び酸化クロム膜は、銀(Ag)等の貴金属膜や、
金属窒化物の膜とは異なり、数10kΩ以上の高い抵抗
値を有するので、電磁波との相互作用が小さいという特
徴を有する。
【0021】本発明の熱線遮蔽膜の各層の膜はいずれ
も、公知のスパッタリング法やアーク蒸着法やイオンプ
レーティング法などにより被覆することができる。
【0022】
【作用】本発明の第1の高屈折率材料からなる被膜と低
屈折率材料からなる被膜が交互に積層された熱線遮蔽膜
の高屈折材料からなる被膜には、可視光線と近赤外線領
域の波長領域において異常分散性の屈折率を有し、か
つ、可視光線の波長域での屈折率が1.5以上で吸収係
数が1以下の光吸収性を有する被膜を用いているので、
光学干渉作用により可視光線透過率を高く保持したま
ま、太陽輻射エネルギーを効果的に反射(すなわち日射
光線透過率を小さく)することができる。特に自動車用
の窓ガラスとして好適な70%以上の可視光線透過率と
低い日射光線透過率とを有する熱線遮蔽ガラスとするこ
とができる。
【0023】本発明の第2においては、可視光線と近赤
外線領域の波長領域において異常分散性の屈折率を有
し、可視光線の波長域での屈折率が1.5以上で吸収係
数が1以下の光吸収性を有する被膜の第1層と、屈折率
と膜厚が選ばれた透明誘電体膜からなる第2層との光学
干渉作用により、可視光線透過率を高く保持したまま、
太陽輻射エネルギーを効果的に反射(すなわち日射光線
透過率を小さく)することができる。ガラス基板と第1
層の間に介在する被膜は、3層の光学干渉作用により、
自動車用の窓ガラスとして好適な高い可視光線透過率と
低い日射光線透過率とニュートラルな透過色調を併せ有
する熱線遮蔽ガラスとすることができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例に基づい
て説明する。図1は、本発明の第1の熱線遮蔽ガラスの
一実施例の部分断面図である。熱線遮蔽ガラス1は、ガ
ラス板10の上に第1層として異常分散性の屈折率を有
し、可視光線波長域における吸収係数が1以下の高屈折
率材料からなる被膜11が被覆され、その上に第2層と
して低屈折率材料からなる被膜12が被覆され、その上
に第1層と同じ材料からなる被膜13と、第2層と同じ
材料からなる被膜14が被覆されてできている。図2
は、本発明の第2の熱線遮蔽ガラスの一実施例の部分断
面図である。熱線遮蔽ガラス2は、ガラス基板10の上
に屈折率が1.7〜2.1の範囲にある透明誘電体膜2
1が被覆され、この被膜の上に異常分散性の屈折率を有
し、かつ、可視光線波長域における光の吸収係数が1以
下の酸窒化クロムもしくは酸化クロムからなる被膜22
が被覆され、この被膜の上に屈折率が1.4〜2.1の
範囲にある透明誘電体からなる被膜23が被覆されてい
る。図3は、本発明の実施例2により製作したサンプル
2と、従来の技術により製作された比較サンプル4、5
の分光透過率特性と分光反射率特性を示したものであ
る。また、第4図および第5図は、本発明の熱線遮蔽ガ
ラスに用いた可視光線と近赤外線の波長領域において異
常分散性の屈折率を有し、かつ、可視光線波長域におけ
る屈折率が1.5以上で吸収係数が1以下の被膜の屈折
率nと吸収係数kの波長依存性を示す図である。 実施例1 20インチ×5インチサイズのマグネトロンスパッタカ
ソードを有するスパッタリング装置の第一のカソードに
金属クロムを、第二のカソードに二酸化珪素(石英ガラ
ス)を、それぞれターゲットとして設置した。表面を清
浄にした100×100mmの大きさの厚み4mmの透
明(着色していない)フロート板ガラスをスパッタリン
グ装置の真空槽内の基板ホルダにセットした後、真空槽
内を5×10-4Paまで排気した。その後、窒素ガスを
95sccmと酸素ガスを5sccmの流量で真空槽に
導入し、スロットルバルブを用いて真空槽内の圧力を1
Paに調節した。そして、金属クロムカソードに2Aの
電流を投入してスパッタリングを開始した。そして、金
属クロムターゲットの上方を500mm/minの速度
で基板ホルダーを移動させて、約21nmの厚みの酸窒
化クロム被膜をガラス基板上に成膜した。次に、再度真
空槽内を5×10ー4Paまで排気した後、アルゴンガス
を90sccmと酸素ガスを10sccmの流量で真空
槽に導入し、スロットルバルブを用いて圧力を0.4P
aに調節した。その後、石英ガラスターゲットに3kw
の電力を投入してスパッタリングを開始した。そして、
石英ガラスターゲットの上方を50mm/minの速度
で基板ホルダーを往復移動させて、酸窒化クロム被膜の
上に、約198nmの二酸化珪素被膜を形成した。同様
の手順を繰り返して、最終的に4mm厚ガラス基板上に
酸窒化クロム(21nm)/二酸化珪素(198nm)
/酸窒化クロム(28nm)/二酸化珪素(100n
m)という4層被膜を形成した。このようにして得られ
たガラス(サンプル1)の膜構成と熱線遮蔽性能をそれ
ぞれ表1、表2に示す。可視光線透過率70.4%、日
射光線透過率47.3%、可視光線反射率11.7%と
いう優れた熱線遮蔽性能を有していた。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】実施例2 実施例1と同様のスパッタリング装置を用いた。第一の
カソードには金属スズを、第二のカソードには金属クロ
ムをタ−ゲットとして設置した。清浄にした3.5mm
厚みのブロンズ色フロート板ガラス(日本板硝子(株)
製商品名ブロンズペーン)を基板としてセットした。真
空槽に導入するガスを、100sccmの流量の酸素ガ
スとして、スロットルバルブにより真空槽内の圧力を
0.4Paに調節した。そして、金属スズのカソードに
2Aの電流を投入してスパッタリングを開始した。その
後、金属スズターゲットの上方を300mm/minの
速度でガラス基板を移動させ、約45nmの厚みの酸化
スズの被膜を形成した。次に、再度真空槽を5×10-4
Paまで排気した後、真空槽に導入するガスを、95s
ccmの窒素と5sccmの酸素の混合ガスとして、ス
ロットルバルブにより、真空槽内の圧力を1Paに調節
した。そして、金属クロムのカソードに3Aの電流を投
入してスパッタリングを開始した。その後、ターゲット
の上方を500mm/minの速度でガラス基板を移動
させ、約33nmの厚みの酸窒化クロムの膜を形成し
た。さらに、第一層を成膜したのと同様の方法で、酸窒
化クロム被膜の上に約66nmの酸化スズの被膜を形成
した。このようにして得られたガラス(サンプル2)の
膜構成と熱線遮蔽性能をそれぞれ表1、表2に示す。可
視光線透過率71.8%、日射光線透過率51.1%、
可視光線反射率6.6%という優れた熱線遮蔽性能を有
していた。サンプル2の分光透過率及び分光反射率曲線
を図3に示す。図3から明らかなように、サンプル2
は、後に比較例で述べる比較サンプル4、比較サンプル
5に比べて、近赤外線波長領域で反射率が大きく(図3
(b)に示される)、近赤外線波長領域で透過率が低い
(図3(a)で示される)ことから、はるかに優れた熱
線遮蔽性能を有していることがわかる。さらに、紫外線
領域(400nm以下の波長)での透過率の低減が顕著
に認められることが挙げられる。紫外線透過率の低減
は、内装品の劣化の防止、日焼けの防止の目的に対して
有効である。本実施例に示したサンプル2が、このよう
な紫外線遮蔽性能を有する理由は明確ではないが、後述
する光学定数(屈折率nと吸収係数k)の紫外線領域で
の値が関係しているものと考えられる。 実施例3 実施例2と同様のスパッタリング装置を用いた。第一の
カソードには金属スズを、第二のカソードには金属クロ
ムをターゲットとして設置した。清浄にした3.5mm
厚みのブロンズ色フロート板ガラスを基板としてセット
した。真空槽に導入するガスを、100sccmの流量
の酸素ガスとして、スロットルバルブにより真空槽内の
圧力を0.4Paに調節した。そして、金属スズのカソ
ードに2Aの電流を投入してスパッタリングを開始し
た。その後、金属スズターゲットの上方を280mm/
minの速度でガラス基板を移動させ、約48nmの厚
みの酸化スズの被膜を形成した。次に、再度真空槽を5
×10-4Paまで排気した後、再度真空槽に酸素ガス1
00sccmを導入して、スロットルバルブにより真空
槽内の圧力を0.77Paに調節した。そして、金属ク
ロムのカソードに3Aの電流を投入してスパッタリング
を開始した。その後、ターゲットの上方を550mm/
minの速度でガラス基板を移動させ、約29nmの厚
みの光吸収性の酸化クロムの膜を形成した。さらに、第
一層を成膜したのと同様の方法で、この酸化クロム被膜
の上に約62nmの酸化スズの被膜を形成した。このよ
うにして得られたガラス(サンプル3)の膜構成と熱線
遮蔽性能をそれぞれ表1、表2に示す。可視光線透過率
71.3%、日射光線透過率55.1%、可視光線反射
率8.8%という優れた熱線遮蔽性能を有していた。 実施例4 20インチ×5インチサイズのマグネトロンスパッタカ
ソードを有するスパッタリング装置のカソードに金属ク
ロムをターゲットとして設置した。表面を清浄にした1
00×100mmの大きさの厚み2mmのフロート板ガ
ラスをスパッタリング装置の真空槽内の基板ホルダーに
セットした後、真空槽内を5×10-4Paまで排気し
た。その後、窒素ガスを95sccm、酸素ガスを5s
ccmの流量で真空槽に導入し、スロットルバルブを用
いて真空槽内の圧力を1Paに調節した。そして、カソ
ードに1Aの電流を投入してスパッタリングを開始し
た。その後、ターゲットの上方を300mm/minの
速度で基板ホルダーを移動させて、約35nmの厚みの
酸窒化クロムを基板上に成膜した。このようにして得ら
れた酸窒化クロム被膜(サンプル4)の光学定数を、分
光エリプソメータを用いて測定した結果を図4(屈折率
n)及び図5(吸収係数k)に示す。屈折率nは波長が
長くなるに従って増大し、波長800nm以上の近赤外
線領域で急激に増大する異常分散性を示していることが
わかった。一方、吸収係数kは小さい値で、着色は少な
く、透明性の高い膜であった。この膜と同一の膜が実施
例1,2でそれぞれサンプル1,2を得るのに用いられ
ている。このため、優れた熱線遮蔽性能を示しているこ
とがわかる。 実施例5 後述する比較例5と同様の方法で、約30nmの厚みの
酸化クロムの膜をガラス基板上に形成した。但し、真空
槽内の圧力は、スロットルバルブの調整により約0.7
7Paとした。このようにして得られた光吸収性酸化ク
ロム膜(サンプル5)の光学定数を測定した結果を図
4、図5に示す。吸収係数kは比較例5と同様に小さな
値であったが、屈折率nの波長依存性が比較例5とは全
く異なり、実施例4と同様な異常分散性を示しているこ
とがわかった。本実施例は、実施例3でサンプル3を得
た際に吸収性酸化クロムを成膜した条件であり、これが
サンプル3の優れた熱線遮蔽性能の原因であることがわ
かった。このように、酸化クロム膜は、被膜を形成する
際の条件によって、屈折率の波長依存性が異常分散性と
なったり、正常分散性となったりすることがわかった。 実施例6 実施例2に示したのと全く同様の方法で、2.1mm厚
みの透明フロート板ガラス上に62nmの厚みの酸化ス
ズ、33nmの厚みの酸窒化クロム、66nmの厚みの
酸化スズの被膜を順次形成した。この3層被膜付透明板
ガラスと、2.1mm厚みのブロンズ着色ガラスを、透
明プラスチックフィルム(約0.3mm厚みのポリビニ
ルブチラール)を介して貼り合わせて合せガラスとし
た。このようにして得られたサンプル6の光学特性を測
定したところ、可視光線透過率は74.4%、日射光線
透過率は58.9%、可視光線反射率は7.1%という
優れた熱線遮蔽ガラスであることがわかった。比較のた
めに、既に実用に供されているところの、ITO膜(約
40nm)/Ag膜(約10nm)/ITO膜(約40
nm)という構成の3層被膜を利用した合せ熱線遮蔽ガ
ラスの特性を示すと、可視光線透過率は73.3%、日
射光線透過率は54.5%、可視光線反射率は10.5
%である。サンプル6の日射光線透過率の方がやや高い
が、ほぼ遜色のない値であり、電磁波が透過する合せ熱
線遮蔽ガラスとなることが判明した。 比較例1 実施例1と同様の20インチ×5インチサイズのマグネ
トロンスパッタカソードを有するスパッタリング装置の
第一のカソードに金属チタンを、第二のカソードに二酸
化珪素(石英ガラス)を、それぞれターゲットとして設
置した。表面を清浄にした100×100mmの大きさ
の厚みの透明4mmのフロート板ガラスをスパッタリン
グ装置の真空槽内の基板ホルダーにセットした後、真空
槽内を5×10-4Paまで排気した。その後、酸素ガス
を100sccmの流量で真空槽に導入し、スロットル
バルブを用いて真空槽内の圧力を0.4Paに調節し
た。そして、金属チタンカソードに6Aの電流を投入し
てスパッタリングを開始した。そして、金属クロムター
ゲットの上方を50mm/minの速度で基板ホルダー
を3回往復移動させて、約105nmの厚みの酸化チタ
ン被膜をガラス基板上に成膜した。次に、再度真空槽内
を5×10ー4Paまで排気した後、アルゴンガスを90
sccmと酸素ガスを10sccmの流量で真空槽に導
入し、スロットルバルブを用いて圧力を0.4Paに調
節した。その後、石英ガラスターゲットに3kwの電力
を投入してスパッタリングを開始した。そして、石英ガ
ラスターゲットの上方を50mm/minの速度で基板
ホルダーを往復移動させて、酸化チタン被膜の上に、約
197nmの二酸化珪素被膜を形成した。同様の手順を
繰り返して、最終的に4mm厚のガラス基板上に酸化チ
タン(105nm)/二酸化珪素(197nm)/酸化
チタン(105nm)/二酸化珪素(98nm)の4層
被膜を形成した。このようにして得られたガラス(比較
サンプル1)の膜構成と熱線遮蔽性能をそれぞれ表1、
表2に示す。このサンプルは公知の膜材料の中で、最も
屈折率の差が大きいものの組合せで優れた熱線遮蔽性能
が得られているものである。可視光線透過率87.4
%、日射光線透過率69.6%、可視光線反射率8.3
%という熱線遮蔽性能を有していた。実施例1で得たサ
ンプル1と比較して、日射光線透過率が高い、すなわち
熱線遮蔽性能が劣ることが分かる。同様の4層の被膜を
4mmの厚みのブロンズ色フロート板ガラスに形成し
て、全体的に透過率を下げた比較サンプル2でも、可視
光線透過率77.2%、日射光線透過率57.4%、可
視光線反射率6.5%であり、実施例1で得たサンプル
1の熱線遮蔽性能の方がはるかに優れていることがわか
る。 比較例2 実施例2と同様のスパッタリング装置を用いた。第一の
カソードには金属スズを、第二のカソードには金属クロ
ムをタ−ゲットとして設置した。清浄にした3.5mm
厚みのブロンズ色フロート板ガラスを基板としてセット
した。真空槽に導入するガスを、100sccmの流量
の酸素ガスとして、スロットルバルブにより真空槽内の
圧力を0.4Paに調節した。そして、金属スズカソー
ドに2Aの電流を投入してスパッタリングを開始した。
その後、金属スズターゲットの上方を225mm/mi
nの速度でガラス基板を移動させ、約61nmの厚みの
酸化スズの被膜を形成した。次に、再度真空槽を5×1
-4Paまで排気した後、真空槽に導入するガスを、1
00sccmの窒素ガスとして、スロットルバルブによ
り真空槽内の圧力を0.4Paに調節した。そして、金
属クロムのカソードに1Aの電流を投入してスパッタリ
ングを開始した。その後、金属クロムのターゲットの上
方を1500mm/minの速度でガラス基板を移動さ
せ、約4nmの厚みの窒化クロムの膜を形成した。さら
に、第一層を成膜したのと同様の方法で、窒化クロム被
膜の上に約65nmの酸化スズの被膜を形成した。この
ようにして得られたガラス(比較サンプル3)の膜構成
と熱線遮蔽性能をそれぞれ表1、表2に示す。可視光線
透過率62.0%、日射光線透過率51.2%、可視光
線反射率10.8%という熱線遮蔽性能を有していた。
しかし、可視光線透過率が約62%と低い値であるの
で、これを70%以上に改善した比較サンプル4を作成
した。可視光線透過率を70%以上とするためには、第
2層の窒化クロムの膜厚は約0.5nmとしなければな
らなかった。比較サンプル4の膜構成と光学特性をそれ
ぞれ表1、表2、図3に示す。日射光線透過率は62.
8%であり、実施例2で得たサンプル2と比較した場
合、熱線遮蔽性能が劣っていることがわかる。 比較例3 実施例2と同様のスパッタリング装置を用いた。第一の
カソードには金属スズを、第二のカソードには金属クロ
ムをターゲットとして設置した。清浄にした3.5mm
厚みのブロンズ色フロート板ガラスを基板としてセット
した。真空槽に導入するガスを、100sccmの流量
の酸素ガスとして、スロットルバルブにより真空槽内の
圧力を0.4Paに調節した。そして、金属スズのカソ
ードに2Aの電流を投入してスパッタリングを開始し
た。その後、金属スズターゲットの上方を275mm/
minの速度でガラス基板を移動させ、約49nmの厚
みの酸化スズの被膜を形成した。次に、再度真空槽を5
x10-4Paまで排気した後、再度真空槽に酸素ガス1
00sccmを導入して、スロットルバルブにより真空
槽内の圧力を0.4Paに調節した。そして、金属クロ
ムのカソードに3Aの電流を投入してスパッタリングを
開始した。その後、ターゲットの上方を600mm/m
inの速度でガラス基板を移動させ、約27nmの厚み
の酸化クロムの膜を形成した。さらに、第一層を成膜し
たのと同様の方法で、酸化クロム被膜の上に約64nm
の酸化スズの被膜を形成した。このようにして得られた
ガラス(比較サンプル5)の膜構成と熱線遮蔽性能をそ
れぞれ表1、表2及び図3に示す。可視光線透過率7
1.3%、日射光線透過率60.5%、可視光線反射率
8.0%という熱線遮蔽性能を有していた。実施例3で
得たサンプル3と比較すると熱線遮蔽性能が劣っている
ことがわかる。 比較例4 実施例4と同一のスパッタリング装置を用いた。表面を
清浄にした100×100mmの大きさの厚み2mmの
フロート板ガラスをスパッタリング装置の真空槽内の基
板ホルダーにセットした後、真空槽内を5×10-4Pa
まで排気した。その後、窒素ガスを100sccmの流
量で真空槽に導入し、スロットルバルブを用いて真空槽
内の圧力を0.4Paに調節した。そして、カソードに
1Aの電流を投入してスパッタリングを開始した。その
後、ターゲットの上方を500mm/minの速度で基
板ホルダーを移動させて、約40nmの厚みの窒化クロ
ムを基板上に成膜した。このようにして得られた窒化ク
ロム膜(比較サンプル6)の光学定数を、分光エリプソ
メータを用いて測定した結果を図4(屈折率n)及び図
5(吸収係数k)に示す。屈折率nは波長が長くなるに
従って増大するが、可視光線領域での吸収係数kが大き
な値であること、すなわち着色が大きく不透明であるこ
とがわかる。 比較例5 真空槽に導入するガスを100sccmの酸素ガスとし
た以外は、比較例4と全く同じ方法でガラス基板上に約
30nmの厚みの酸化クロムを成膜した比較サンプル7
を作成した。比較サンプル7の光学定数を、分光エリプ
ソメーターを用いて測定した結果を図4、図5に示す。
吸収係数kが小さいため着色は少なく、透明であるが、
屈折率nは波長の増大とともに減少する正常分散性を示
していた。
【0028】上記に説明した本願発明の熱線遮蔽ガラス
の光学的特性の特徴を従来の技術により得られるものと
まとめて図6に示す。
【0029】サンプル1は、比較サンプル1に較べて可
視光線透過率が自動車用の窓ガラスとして必要な70%
以上を有しながら、日射透過率が約20%以上低くなっ
ている。すなわち、熱線が効果的に遮蔽されているので
ある(矢印Aの改良)。
【0030】比較サンプル3は、日射透過率が50%台
と低くすなわち熱線遮蔽性が良好であるが、可視光線透
過率が約62%と低いすなわち暗いガラスである。この
ガラスはサンプル2およびサンプル3で示されるように
可視光線透過率が70%以上の明るいガラスに改良され
る(矢印Bの改良)。
【0031】比較サンプル4および比較サンプル5は、
可視光線透過率が70%以上の明るいガラスであるが、
日射透過率が60%以上の熱線遮蔽特性を有する。この
ガラスはサンプル2および3で示されるように、可視光
線透過率を低下させることなく、日射透過率が約55%
と約5%以上改良されている(矢印Cの改良)
【発明の効果】本発明によれば、従来の技術の膜材料を
用いた熱線遮蔽ガラスでは、光学特性のうち、日射透過
率を低くすること(熱線遮蔽性をよくすること)と可視
光線透過率を高くすることとは、トレードオフの強い関
係にあり、可視光線透過率を高くし、同時に日射透過率
を低くすることは困難であった。本発明の熱線遮蔽ガラ
スは、熱線遮蔽膜を構成する被膜に可視光線と近赤外線
領域の波長において異常分散性の屈折率を有し、かつ、
可視光線の波長域での吸収係数が1以下の光吸収性を有
するものを用いているので、前記のトレードオフの関係
が弱められている。これにより、高い可視光線透過率を
維持しつつ、低い日射透過率の熱線遮蔽ガラスとするこ
とができる また本発明の熱線遮蔽ガラスは、単板で使用できる耐久
性を有しているため、自動車のサイドガラスやリアガラ
スとして用いることができる。さらに、従来用いられて
いるガラスよりも優れた熱線遮蔽性能と可視光線透過率
を併せ有するので、車内を明るくした状態で外部より流
入する熱量を低減することができる。これにより快適性
を高め、また冷房に要する負荷を小さくすることができ
る。
【0032】さらに、本発明の熱線遮蔽ガラスは、従来
の貴金属を利用するものに比べ、はるかに電気抵抗が大
きく、アンテナ線を組み込んだ自動車用窓ガラスとして
用いても、アンテナの受信感度を低下させることがな
く、また、自動車電話、携帯電話の受信を妨げることも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の熱線遮蔽ガラスの一実施例の部
分断面図である。
【図2】本発明の第2の熱線遮蔽ガラスの一実施例の部
分断面図である。
【図3】サンプル2、比較サンプル4および比較サンプ
ル5の分光透過率と分光反射率を示す図である。
【図4】サンプル4、5および比較サンプル6、7の屈
折率nの波長依存性を示す図である。
【図5】サンプル4、5および比較サンプル6、7の吸
収係数kの波長依存性を示す図である。
【図6】本発明の熱線遮蔽ガラスの光学特性の改良点を
説明する図である。
【符号の説明】
1、2・・・本発明の熱線遮蔽ガラス 10・・・ガラス基板 11、13、22・・・可視光線と近赤外線の波長領域
において異常分散性の屈折率を有し、かつ、可視光線の
波長域での屈折率が1.5以上吸収係数が1以下の光吸
収性を有する被膜 12、14・・・低屈折率材料からなる被膜 21、23・・・屈折率が1.8〜2.1の透明誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室町 隆 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 川口 淳 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高屈折率材料からなる被膜と低屈折率材料
    からなる被膜が交互に2層以上積層された熱線遮蔽膜が
    ガラス基板上に設けられた熱線遮蔽ガラスにおいて、前
    記高屈折率材料からなる被膜が可視光線と近赤外線領域
    の波長において異常分散性の屈折率を有し、かつ、可視
    光線の波長域での吸収係数が1以下の光吸収性を有する
    ことを特徴とする熱線遮蔽ガラス。
  2. 【請求項2】前記熱線遮蔽膜は、前記高屈折率材料から
    なる被膜および前記低屈折率材料からなる被膜の光学膜
    厚をそれぞれ近赤外線領域の設計波長の1/4とした2
    層積層体を基本構造としたとき、その基本構造の繰り返
    しからなる請求項1に記載の熱線遮蔽ガラス。
  3. 【請求項3】ガラス基板上に第1層として可視光線と近
    赤外線領域の波長において異常分散性の屈折率を有し、
    かつ、可視光線波長域での屈折率が1.5以上、吸収係
    数が1以下の物理的膜厚が10〜50nmの被膜が被覆
    され、前記第1層の上に可視光線領域での屈折率が1.
    4〜2.1で物理的膜厚が30〜80nmの透明誘電体
    膜が第2層として被覆された熱線遮蔽ガラス。
  4. 【請求項4】前記ガラス基板と前記第1層の間に介在す
    るように可視光線波長域での屈折率が1.8〜2.1で
    物理的膜厚が100nmを越えない透明誘電体膜が設け
    られた請求項3に記載の熱線遮蔽ガラス。
  5. 【請求項5】前記可視光線と近赤外線領域の波長におい
    て異常分散性の屈折率を有し、かつ、可視光線波長域で
    の吸収係数が1以下の光吸収性を有する高屈折率材料か
    らなる被膜が、酸窒化クロムの被膜または酸化クロムの
    被膜である請求項1乃至4に記載の熱線遮蔽ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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