JPH0664860A - エレベーターの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベーターの電磁ブレーキの故障時の事故
を防止できるエレベーターの安全装置を提供することに
ある。 【構成】 ブレーキ装置２の動作時に出力を発する手段
と、回転軸３或は前記回転軸の回転により回転する部位
に取り付けられる歯車８と、前記歯車８の歯に嵌合する
形状の作動片７の突出により、前記歯車８の回転を阻止
する手段とを設け、前記ブレーキ装置２の動作を示す出
力が得られている時にエレベーター乗かご１０が所定の
階床停止位置以外となったとき、前記作動片７を突出さ
せることを特徴とするエレベーターの安全装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベーターの安全装
置に係り、特にエレベーターの電磁ブレーキの故障時に
有効なエレベーターの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベーターには、停止時にエレベータ
ー乗かごの重量と吊り合い重りの重量とのアンバランス
によりエレベーター乗かごが動かないように鋼車或は電
動機のトルクを伝える回転軸にブレーキディスクやブレ
ーキドラムを設けこれらの回転を摩擦力で阻止する仕組
みのブレーキ装置を備えている。このブレーキ装置は、
ブレーキコイルを付勢或は消勢することによりブレーキ
コイル中央のプランジャが移動し、機械的にブレーキド
ラム或はブレーキディスクをシュー或はディスクが押
え、摩擦力が生じる構成となっている。一例としては、
特開昭５４−３１１４９号公報に開示されるように、停
電時の場合までも考慮したブレーキ等が開示されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例に示す
エレベーターには、このブレーキ装置の電気的部分が正
常で、機械的部分が故障した場合のブレーキ開放状態に
ついて何の考慮もされておらず、このような場合エレベ
ーターがアンバランスによりドアを開扉したまま動き出
すことが考えられ、人身事故が起こることも考えられ
る。

【０００４】本発明の目的は、このような不具合を解消
し、ブレーキ装置の故障時の事故を防ぐことのできるエ
レベーターの安全装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、電
動機と、前記電動機の与える駆動トルクを伝える回転軸
と、前記回転軸に固定され乗客の乗り込む乗かごを昇降
させるロープを移動する鋼車と、前記乗かごの停止時に
前記回転軸に取り付けられたドラム或はディスクを摩擦
力にて固定するブレーキ装置とを備えたエレベーターの
安全装置において、前記ブレーキ装置の動作時に出力を
発する出力手段と、前記回転軸或は前記回転軸の回転に
より回転する部位に取り付けられる歯車と前記歯車の歯
に嵌合する形状の作動片の突出により前記歯車の回転を
阻止する阻止手段を設け、前記ブレーキ装置の動作を示
す出力が得られている時に前記エレベーター乗かごが所
定の階床停止位置以外となったとき、前記作動片を突出
させることにより達成される。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、エレベーター乗かごが所定
階床で停止していてブレーキ装置の動作に応じて出力手
段から出力が発せられている際、エレベーター乗かごが
移動して所定の階床停止位置以外となった時に、回転軸
或は回転軸の回転により回転する部位に取り付けられた
歯車の歯と嵌合する作動片を突出させて歯車の回転を阻
止するため、吊り合い重りとの重量のアンバランスによ
りエレベーター乗かごが動き始めた時に、この乗かごの
移動を阻止することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。

【０００８】図１は本発明の一実施例を示す概略図であ
り、図中１は電動機、２はブレーキ装置、３は回転軸、
４はブレーキ用ドラム、５はブレーキライニング、６は
乗かご１０と吊り合い重り１６をつなぐロープ９が巻き
掛けられる鋼車、８は鋼車６と同じ軸に取り付けられる
歯車、７はこの歯車８の歯に嵌合する形状とされた作動
片である。電動機１の駆動トルクは、回転軸３により鋼
車６に伝えられておりこの回転軸３にはドラム４が固定
され、乗かご１０の停止時には、ブレーキ装置２の動作
でブレーキライニング５がこのドラム４を挟み、摩擦力
により乗かご１０が吊り合い重り１６とのアンバランス
により動き出すのを止めている。

【０００９】また、歯車８は鋼車６と一緒に回転する構
造となっているが、特にこの位置に設置する必要はな
く、たとえばドラム４のように回転軸３に取り付けても
良く、また、電動機１に内蔵させても良い。即ち回転を
阻止することにより乗かご１０の動きを止めることが可
能な部位であればどこに歯車８を設けても良い。

【００１０】作動片７は図示されない駆動部により上下
に動き、歯車８と嵌合することにより、乗かご１０の動
きを阻止している。この作動片７が動作するのは、乗か
ごが所定階床に停止し、その後何らかの故障によりブレ
ーキ装置が動作しているにもかかわらずブレーキライニ
ング５がドラム４を挟んでおらず乗かご１０と吊り合い
重り１６のアンバランスにより乗かご１０が徐々に動き
始めた時に限定する。

【００１１】作動片７の嵌合している状態を図２に示す
が、乗かご１０の移動を阻止可能な強度を有するため、
歯車８の歯も大きな形をしており、乗かご１０が停止し
ている時、即ち、本装置はドアが開いており、しかも乗
客が乗降している時に乗かご１０が動き出すことを防ぐ
ようになっている。

【００１２】図示しない駆動部の回路構成を図３に示
す。

【００１３】図中のＰ、Ｎは商用電源を示しており、１
１は乗かご１０が動くことにより回転する電動機１から
出力を得ており、電動機１が動いている時に接点が閉成
する常開接点、１２は常開接点１１の閉成により乗かご
１０の移動を検出するリレー、１３は乗かご移動検出リ
レー１２の常開接点、１４はブレーキ装置２の有する電
磁コイルに通電されていない時、即ちブレーキライニン
グ５がドラム４を挟み、乗かご１０の動きが阻止されて
いる時に接点が閉成する常閉接点、１５は図示しない作
動片７の駆動部を起動するための動作リレーである。

【００１４】今、ブレーキ装置２の機械部分の故障によ
りブレーキライニング５がドラム４を挟めない状態であ
ると仮定する。

【００１５】乗かご１０が所定階に到着しブレーキ装置
２には通常通りの指令信号が伝わり電磁コイルへの通電
をやめる。しかし、機械部分の故障のためブレーキは開
放したままとなっている。この場合、電気的にはブレー
キ装置は正常動作をしているため常閉接点１４は閉成し
ている。乗かご１０のドアが開き乗客が乗降している
と、乗かご１０と吊り合い重り１６との間に重量差が生
じてアンバランスとなり、乗かご１０或は吊り合い重り
１６のうち重い方側が徐々に下降する。この乗かご１０
の移動により電動機１が回転しこの電動機１からの出力
を得て乗かご１０が動いていることを検出すると常閉接
点１１が閉成し、Ｐ−１１−１２−Ｎの閉回路ができ、
乗かご移動検出リレー１２の付勢によりこのリレーの常
開接点１３が閉成し、Ｐ−１３−１４−１５−Ｎの閉回
路ができ作動片動作リレー１５が付勢される。作動片動
作リレー１５の付勢により作動片７の駆動部が起動さ
れ、作動片７が歯車８と嵌合し、歯車８の回転が阻止さ
れることにより乗かご１０の動きも止まる。

【００１６】このように本実施例によれば、ブレーキの
故障時における乗かごの動きを止めることが可能とな
り、乗降中の乗客が怪我をしたりすることを防止でき
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、ブレーキ装置動作時に
おける乗かごの移動を検出して歯車の歯に嵌合する作動
片を突出させるため、ブレーキ故障時等における事故を
防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す概略図である。

【図２】作動片が歯車の歯に嵌合している状態を示す正
面図である。

【図３】作動片駆動部の回路構成図である。

【符号の説明】

１ 電動機 ２ ブレーキ装置 ３ 回転軸 ４ ドラム ５ ブレーキライニング ６ 鋼車 ７ 作動片 ８ 歯車 ９ ロープ １０ 乗かご １６ 吊り合い重り

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機と、前記電動機の与える駆動トル
   クを伝える回転軸と、前記回転軸に固定され乗客の乗り
   込む乗かごを昇降させるロープを移動する鋼車と、前記
   乗かごの停止時に前記回転軸に取り付けられたドラム或
   はディスクを摩擦力にて固定するブレーキ装置とを備え
   たエレベーターの安全装置において、前記ブレーキ装置
   の動作時に出力を発する出力手段と、前記回転軸或は前
   記回転軸の回転により回転する部位に取り付けられる歯
   車と前記歯車の歯に嵌合する形状の作動片の突出により
   前記歯車の回転を阻止する阻止手段を設け、前記ブレー
   キ装置の動作を示す出力が得られている時に前記エレベ
   ーター乗かごが所定の階床停止位置以外となったとき、
   前記作動片を突出させることを特徴とするエレベーター
   の安全装置。