JPH0663231U - 放電加工用電極 - Google Patents

放電加工用電極

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JPH0663231U
JPH0663231U JP632593U JP632593U JPH0663231U JP H0663231 U JPH0663231 U JP H0663231U JP 632593 U JP632593 U JP 632593U JP 632593 U JP632593 U JP 632593U JP H0663231 U JPH0663231 U JP H0663231U
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JP
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machining
electrode
electric discharge
discharge
liquid
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Application number
JP632593U
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English (en)
Inventor
芳行 三澤
伸 座光寺
Original Assignee
日新工機株式会社
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工精度を向上すると共に加工時間を短縮可
能な放電加工用電極を実現すること。 【構成】 電極1は、中空部1aが形成された円筒状の
電極であって、側面の等間隔4箇所には、軸に対して平
行に削り込まれて形成されたカット面1b,1cを有し
ている。これらのカット面1b,1cのカット代d1,
d2は、d1<d2に設定されている。このため、電極
1が回転した状態で加工を行うことにより、加工部近傍
の老化した加工液3を容易に排出することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、加工液を高圧力で噴出した状態で放電加工を行うための中空の電極 に関し、特に、被加工物近傍の加工液の排出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加工液中で、電極と被加工物との間に電圧を印加し、電極に形成された 中空部から高圧力で加工液を噴出して、被加工物を加工するための放電加工用電 極としては、図13(a),(b)および(c)に示すものがある。この図にお いて、放電加工用電極55は、電極本体51に中空部51aが形成され、この中 空部51aから被加工物53に向けて、高圧力で灯油などの加工液56aを噴出 するようになっている。被加工物53には、放電加工用電極55の反転形状が加 工されるため、加工残しが生じる。この改善例としては、図13(b)に示すも のがあり、これは、電極本体51の中空部51aに、中空の電極52aが2つ内 蔵されている。そして、中空部51aと電極52aの中空部分52aから被加工 物53に向けて加工液56aを高圧力で噴出可能な隙間を形成している。従来の 放電加工用電極55においては、図13に示すように、被加工物53とのギャッ プが0.01〜0.05mm程度になっており、この状態で被加工物53との間 に放電現象が生じ、被加工物53に加工残しのないように、この放電加工用電極 55を回転状態にして加工を行う。このとき、加工屑57は、放電加工用電極5 5から噴出される加工液56aにより、加工部分58から排出されるようになっ ている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
放電加工においては、加工液56を触媒として、放電加工用電極55と被加工 物53との間に放電現象を発生させ、その際の熱や圧力などにより被加工物53 の加工を可能としているため、加工部分58の近傍の加工液56a中に加工屑5 7が蔓延していると、被加工物53に対して有効に熱や圧力が伝達されず、加工 の効率が低下する。従って、加工部分58には、常に加工屑57が存在していな いことが好ましい。しかしながら、放電加工用電極55と被加工物53とのギャ ップが0.01〜0.05mm程度になっているため、放電加工用電極55の中 空部51aから高圧力で加工液56aを噴出しても、加工部分58に存在する加 工屑57の混じった老化した加工液56bが排出される加工液排出部が形成され ていないので、加工部分58近傍に加工屑57が存在し、加工精度の向上と加工 時間の短縮が意図するように実現できないという問題があった。
【0004】 上記問題に鑑みて、本考案の課題は、加工精度を向上すると共に加工時間を短 縮可能な放電加工用電極を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案において講じた手段は、加工液中で被加工 物に放電加工を行うための放電加工用電極であって、この放電加工用電極には、 加工液を先端面から供給可能な加工液供給通路と、加工液を基部側に向けて排出 する加工液排出部とが形成されていることに特徴を有する。
【0006】 ここで、加工液排出部は、たとえば、放電加工用電極側面に先端側から基部に 向けてカット面として形成できる。この場合には、カット面を、放電加工用電極 の軸線方向と先端側で交叉する角度をもって形成することが好ましい。
【0007】 また、加工液排出部は、放電加工用電極側面に先端側から基部に向けて加工液 排出溝として形成することもできる。この場合には、加工液排出溝を螺旋状に形 成することが好ましい。ここで、螺旋状の加工液排出溝は、その側面に螺旋状に 巻き付けられた線状部材間の凹部として形成することもできる。
【0008】 さらに、加工液排出部は、先端面に加工液供給通路の開口部から外周縁に向か う排出溝として形成することもできる。
【0009】 本発明において、加工液排出部は、その先端側から基部との間の途中位置から 形成することが好ましい。
【0010】
【作用】
斯かる手段を講じた本考案の放電加工用電極は、電極自身に、被加工物の加工 部近傍の加工液を電極の基部側に排出する排出部を設けたことを特徴としている 。従って、先ず、放電加工用電極(以下、電極と略称する。)を、被加工物に対 し所定のギャップを保つところに位置させ、電極と被加工物の間に電圧を印加し て放電現象を生じさせる。被加工物は、この放電現象により微量ずつ除去され、 電極の反転形状が形成される。除去された加工屑は、電極の中空部から噴出され る加工液の圧力により、加工液中に浮遊した状態にあり、被加工物の加工部分近 傍からその周囲に拡散しようとする。電極と被加工物とのギャップは微小である が、加工屑を含む老化した加工液は、電極に形成された加工液排出部から容易に 排出されるので、加工部分には常に新たな加工液が供給される。このため、加工 部分に存在する加工屑は僅かであり、加工効率の向上が図れるので、加工精度の 向上と加工時間の短縮化を実現できる。また、加工液排出溝が、電極の先端面の 中心側から外周縁に向けて形成されているときには、電極を回転状態にして加工 を行うことにより、老化した加工液の排出を効率良く行えると共に、加工残しを 生じることがない。この加工溝は、電極の軸方向に螺旋状に形成してもよく、こ の場合には、加工部分の加工液に渦巻き作用を生じさせることができるため、よ り老化した加工液の排出が容易となる。また、電極の側面を軸方向に削られたカ ット面で加工液排出部が形成されている場合は、カット面の加工が容易であり、 そのカット代の割に加工液排出部を広く設定できるため、より加工精度を向上す ることができると共に、電極を安価に提供できる。この加工液排出部をカット代 の異なる複数のカット面で構成し、電極を回転状態で用いて加工残し部分を確実 に加工することができ、滑らかな加工面を実現できる。また、カット面が、電極 の先端縁からその基部側に向かって角度を有して形成されているときには、電極 の先端面の加工液排出部が狭くても、電極の基部側は広くなっているため、老化 した加工液の排出が効率良く行われる。そして、これらの加工液排出部が、電極 の側面の軸方向の途中位置から形成されている場合には、電極の先端面は、加工 に必要な形状のみが形成されているため、電極を回転停止状態で用いることがで きる。
【0011】
【実施例】
次に、本考案に係る実施例について、添付図面を参照して説明する。
【0012】 〔実施例1〕 図1は、本考案の実施例1に係る放電加工用電極が使用される状態を示す概略 図、図2(a)は、本例の放電加工用電極を示す平面図、図2(b)は、その側 面図、図3(a)は、本例の放電加工用電極が被加工物に加工を施す状態を示す 説明図、図3(b)は、その側面方向から見た断面図である。
【0013】 これらの図において、放電加工機30の本体側には、支軸22の外周を取り巻 くコイル21cの外側に、マグネット21bが固定された保持部21が設けられ ている。この保持部21の側面部には、ラックギア21dが固定され、サーボモ ータ21aに接続されたピニオンギア(図示せず。)に噛み合うようになってお り、支軸22を上下方向に移動可能としている。また、支軸22の先端側は、回 動部材23を有する固定部22aになっており、この回動部材23を介して電極 1が着脱自在に固定されている。この電極1は、加工液供給用の中空部1a(加 工液供給通路)を有し、加工液供給源(図示せず。)に接続された供給パイプ2 4を通じて中空部1aから加工液3を高圧力で噴出するようになっており、また 、回動部材23の回転動作により、軸回りに回転可能になっている。一方、放電 加工機30の加工側は、加工液3を貯留するトレイ状の加工液槽25が位置し、 その内側の底面には、高硬度材料などの被加工物2を固定する固定台27が設け られている。そして、加工液槽25内の加工液3は、加工液槽25内の加工液3 の水位を一定に保つために、電極1を通じて供給される加工液3の供給量に応じ て、加工液槽25の底面に固定された排水パイプ26から排出され、濾過装置( 図示せず。)で濾過されたのち、加工液供給源に循環される。被加工物2は、ク ランパー28と固定ボルト29により固定台27に固定される。そして、電源( 図示せず。)の−側は電極1に、+側はクランパー28を介して被加工物2に接 続されて、電極1と被加工物2との間に電圧を印加できるようになっている。な お、電源の+側を電極1に、−側をクランパー28を介して被加工物2に接続し てもよい。
【0014】 図2に示すように、本例の電極1は、素材を銅やカーボンなどとし、中空部1 aが形成された円筒状の電極であって、側面の等間隔4箇所には、軸に対して平 行に削り込まれて形成されたカット面1b,1cを有している。これらのカット 面1b,1cは、図2(a)のように側面からのカット代d1,d2が異なって おり、d1<d2に設定されている。そして、このカット代d1,d2で加工液 排出部を構成している。
【0015】 このような構成において、電極1は、放電加工機20の回動部材23を介して 、支軸22に固定される。この状態では、支軸22が上方側に位置しており、一 方、被加工物2は、加工液槽25に加工液3を供給する以前に、クランパー28 と固定ボルト29により固定台27に固定される。この状態で、加工液槽25に 、加工液排出源から加工液3を加工液槽25の所定の容量になるまで供給する。
【0016】 そして、電源から電極1および被加工物2の間に電圧を印加し、サーボモータ2 1aを駆動して支軸22を下降させる。サーボモータ22は、電極1と被加工物 2との間の電流値が設定した値になるまで作動する。この電流設定値は、電極1 と被加工物2のギャップgが0.01〜0.05mmのときの電流値に設定され ている。支軸22の下降により、電極1は、被加工物2に対し所定のギャップg の値をとる位置に移動され、電極1と被加工物2間にアーク過渡放電現象が生じ る。このアーク過渡放電現象に際しては、電極1側から被加工物2側に向かって 火花が生じ、この熱と圧力により、被加工物2の加工面2aにクレータを形成す る。アーク過渡放電現象により発生する火花は、電極1の先端面1dの表面から のみ発生するため、加工面2aには、先端面1dの形状と対になる反転形状を形 成できる。従って、電極1を停止状態で使用する場合、図3(a)に斜線で示す ように、所望の加工形状(図中の円)に対し、加工残し部2bができてしまう。
【0017】 このため、電極1は、支軸22に設けられた回動部材23の回転に従って、回転 状態で加工を行う。このとき、加工残し部2bには、瞬間的に火花が途絶えるが 、すぐに電極1の加工面1dが加工残し部2bをカバーするため、加工残しを生 じることなく加工を行える。一方、加工状態では、電極1の中空部1aから加工 面2aに向けて加工液3が高圧力で噴出されている。また、アーク過渡放電現象 による火花の熱と圧力により被加工面2aから除去された加工屑4は、加工部近 傍の加工液3中に位置している。この加工屑4が加工部近傍に多量に存在してい る状態では、火花は、加工屑8により加工面2bへ到達するのを阻止されており 、加工精度の悪化と加工時間の長期化を招くことになる。従って、加工精度の向 上と加工時間の短縮を図るには、加工部近傍に常時新鮮な加工液3を供給するこ とが必要となる。本例の電極1の場合、その側面にカット面1b,1cで加工液 排出部を構成しているため、加工部近傍に存在する加工屑4は、電極1の中空部 1aから噴出される新鮮な加工液3の噴出圧力により、加工部から加工液排出部 に導かれ、被加工物2から離間した位置に搬送される。よって、加工部近傍には 、常に新たな加工液3を供給することが可能となり、加工屑4の除去を迅速に行 うことができるため、火花による熱と圧力を加工面2aに有効に作用させること ができるので、加工精度を向上すると共に加工時間の短縮を実現することができ る。また、カット面1b,1cのカット代d1,d2を変えているため、カット 代の大きいカット面1bから老化した加工液3が多量に排出される。そして、電 極1を回転状態で用いることにより、図3(a)のように、所望の加工形状に対 するカット面1bの加工残し部2bを、カット面1cがカバーするため、加工面 を精密に仕上げることができる。
【0018】 このように、本例の放電加工用電極においては、側面に、軸方向の所定の長さ に削り込まれて形成されたカット面1b,1cで加工液排出部を構成しているた め、加工部近傍の老化した加工液3を迅速に排出することができるので、加工精 度の向上と加工時間の短縮を図ることができる。なお、本例では、電極の側面4 箇所にカット面を軸に対して平行に形成したが、カット面の数は限定がなく、ま た、図4(a)〜(c)に示すように、電極の先端面から基部側に向かって角度 を有して形成してもよい。さらに、カット面を電極の軸方向の途中位置から形成 してもよい。
【0019】 〔実施例2〕 次に、図5および図6を参照して、本考案の実施例2に係る放電加工用電極に ついて説明する。図5(a)は、本考案の実施例2に係る放電加工用電極を示す 平面図、図5(b)は、その側面図、図6(a)は、本例の放電加工用電極が被 加工物に加工を施す状態を示す説明図、図6(b)は、その側面方向から見た断 面図である。なお、図5および図6において、実施例1の放電加工用電極と同一 部分には同一符号を付して、その説明は省略する。本例の放電加工用電極(以下 、電極と称す。)1において着目すべき点は、電極1に形成される加工液排出部 の構成にあり、電極1の先端面1dから側面にわたって形成された加工液排出溝 5を有している点にある。
【0020】 図5に示すように、本例の電極1には、先端面1dから側面の所定の位置ま で、軸に対して平行に削り込まれた加工液排出溝5が形成されている。この加工 液排出溝5は、等間隔4箇所に形成されており、これらの加工液排出溝5で加工 液排出部が構成されている。
【0021】 このような構成において、放電加工機20の支軸22に固定された電極1は、 支軸22の下降動作により、被加工物2に対し所定のギャップgの値をとる位置 にまで移動される。この状態で、電極1と被加工物2の間に電圧を印加し、アー ク過渡放電現象を生じさせ、火花を加工面2aに向けて発生させる。そして、放 電加工機20の回動部材23を回転駆動し、電極1を回転状態にして加工を行う 。このとき、加工残し部2bには、瞬間的に火花が途絶えるが、すぐに電極1の 加工面1dがカバーするため、加工残し部2bを加工することができる。加工状 態において、加工部近傍に存在する加工屑4は、電極1の中空部1aから加工面 2aに向けて高圧力で噴出される加工液3により、加工液3内で攪拌された状態 にされる。ここで、電極1に加工液排出溝5が形成されているため、加工屑4を 含んだ老化した加工液3は、図6(b)に示すように、加工部近傍から加工液排 出溝5に導かれて加工部から除去される。
【0022】 このように、本例の放電加工用電極1においては、先端面1dから側面の所定 の位置まで、軸に対して平行に削り込まれた加工液排出溝5が形成されているた め、加工部近傍から、加工屑4の除去を迅速に行うことができるため、加工精度 を向上すると共に加工時間の短縮を実現することができる。なお、本例の場合、 放電加工用電極の先端面から加工液排出溝を形成したが、これに限らず、図7に 示すように電極の軸方向の途中位置から形成してもよい。この場合、電極の先端 面に加工に不要な形状がないため、加工残しの部分を生じることがなく、電極を 停止状態で使用することができる。
【0023】 〔実施例3〕 次に、図8および図9を参照して、本考案の実施例3に係る放電加工用電極に ついて説明する。図8(a)は、本考案の実施例3に係る放電加工用電極を示す 平面図、図8(b)は、その側面図、図9(a)は、本例の放電加工用電極が被 加工物に加工を施す状態を示す説明図、図9(b)は、その側面方向から見た断 面図である。なお、図8および図9において、実施例1の放電加工用電極と同一 部分には同一符号を付して、その説明は省略する。本例の放電加工用電極(以下 、電極と称す。)1において着目すべき点は、電極1に形成される加工液排出部 の構成にあり、電極1の先端面1dにおいて、その中心側から外周縁に向けて形 成された加工液排出溝6を有している点にある。
【0024】 図8に示すように、本例の電極1には、先端面1dの中心側から外周縁に向け て十字状に形成された横溝6aと、この溝6aの形成領域から継続して電極1の 側面に形成された縦溝6bとで、加工液排出溝6を構成している。
【0025】 このような構成において、電極1を被加工物2に対し所定のギャップgの値を とる位置にまで移動した状態で、電極1と被加工物2の間に電圧を印加し、アー ク過渡放電現象を生じさせ、火花を加工面2aに向けて発生させる。そして、電 極1を回転状態にして加工を行う。このとき、加工残し部2bには、瞬間的に火 花が途絶えるが、すぐに電極1の加工面1dがカバーするため、加工残し部2b を加工することができる。加工状態において、加工部近傍に存在する加工屑4は 、電極1の中空部1aから加工面2aに向けて高圧力で噴出される加工液3によ り、加工液3内で攪拌された状態にされる。ここで、加工屑4を含んだ老化した 加工液3は、図9(b)に示すように、電極1の先端面1dに形成された横溝6 aから、電極1の側面に形成された縦溝6bに流動され、加工屑4は加工部から 除去される。
【0026】 このように、本例の放電加工用電極1においては、先端面1dの中心側から外 周縁に向けて十字状に形成された横溝6aと、この溝6aの形成領域から継続し て電極1の側面に形成された縦溝6bとで加工液排出溝6を構成しているため、 加工部近傍には、常に新たな加工液3を供給することが可能となり、加工屑4の 除去を迅速に行うことができるので、加工精度を向上すると共に加工時間の短縮 を実現することができる。また、電極1の先端面1dに横溝6aを形成している ため、電極1と加工面2aとのギャップgが微小であっても、加工部近傍の老化 した加工液3を排出することができる。
【0027】 〔実施例4〕 次に、図10および図11を参照して、本考案の実施例4に係る放電加工用電 極について説明する。図10(a)は、本考案の実施例4に係る放電加工用電極 を示す平面図、図10(b)は、その側面図、図11(a)は、本例の放電加工 用電極が被加工物に加工を施す状態を示す説明図、図11(b)は、その側面方 向から見た断面図である。なお、図10および図11において、実施例1の放電 加工用電極と同一部分には同一符号を付して、その説明は省略する。本例の放電 加工用電極(以下、電極と称す。)1において着目すべき点は、電極1に形成さ れる加工液排出部の構成にあり、電極1の先端面1dから側面にかけて螺旋状に 形成された螺旋溝7を有している点にある。
【0028】 図10に示すように、本例の電極1には、先端面1dから側面にかけて螺旋状 の凹部で構成された螺旋溝7が形成されている。この螺旋溝7は、先端面1dを 外周縁から中心部に切り込んで形成され、その切込み深さを維持して側面に螺旋 状に形成された複数の溝であり、電極1の先端側から基部側に排出経路を構成し ている。
【0029】 このような構成において、電極1は、螺旋溝7の螺旋方向と同方向に回転した 状態で使用される。加工状態で、加工部近傍に存在する加工屑4は、電極1の中 空部1aから加工面2aに向けて高圧力で噴出される加工液3により、加工液3 内で攪拌された状態にされる。ここで、加工部近傍の加工屑4を含んだ老化した 加工液3は、図10(b)に示すように、電極1の先端面1dの加工液排出溝7 の始点から、電極1の回転方向に準じて螺旋溝7を移動し、加工部近傍から排出 される。
【0030】 このように、本例の放電加工用電極1においては、先端面1dから側面にかけ て螺旋状の凹部で構成された螺旋溝7が形成されているため、加工部近傍の加工 屑4の除去を迅速に行うことができるため、加工精度を向上すると共に加工時間 の短縮を実現することができる。また、螺旋溝7を螺旋状に形成しているため、 加工状態において、電極1の回転方向に渦流が生じ、加工部近傍の加工屑4を排 出する効率がよい。なお、本例の場合、電極自身に螺旋溝を切込み形成したが、 電極の側面に線状部材を螺旋状に巻き付けて、それら線状部材間の凹部として形 成してもよい。また、螺旋溝を電極の先端面から形成したが、これに限らず、電 極の側面の軸方向の途中位置から形成してもよい。
【0031】
【考案の効果】 以上説明したように、本考案においては、放電加工用電極自身に、加工部近傍 の加工液を電極の基部側に排出する加工液排出部を設けたことを特徴としている 。従って、この放電加工用電極においては、加工部近傍の加工屑を含む老化した 加工液が、電極に形成された加工液排出部を通じて電極の先端側から基部側に排 出されるため、電極から加工面に発せられる火花を遮ることがないので、加工精 度の向上と加工時間の短縮を実現することができる。また、電極の側面を軸方向 に削られたカット面で加工液排出部が形成されている場合は、そのカット代の割 に加工液排出部を広く設定できるため、より加工精度を向上することができると 共に、電極を安価に提供できる。さらに、カット面が電極の先端縁からその基部 側に向かって角度を有して形成されているときには、カット面のカット代を微小 に設定しても、老化した加工液の排出が効率良く行われる。また、電極を削り込 んで形成した加工液排出溝で加工液排出部を構成している場合、その加工液排出 溝が、電極の先端面の中心側から外周縁に向けて形成されているときには、電極 と被加工物とのギャップが微小であっても、老化した加工液を加工部近傍から容 易に排出することができる。さらに、加工液排出部は、電極の軸方向に螺旋状に 形成してもよく、この場合には、加工部分の加工液に渦巻き作用を生じさせるこ とができるため、より老化した加工液の排出が容易となる。そして、これらの加 工液排出部が、電極の側面の軸方向の途中位置から形成されている場合には、電 極の先端面は、加工に必要な形状のみが形成されているため、電極を回転停止状 態で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例1に係る放電加工用電極が使用
される状態を示す概略図である。
【図2】(a)は、本例の放電加工用電極を示す平面
図、(b)は、その側面図である。
【図3】(a)は、本例の放電加工用電極が被加工物に
加工を施す状態を示す説明図、(b)は、その側面方向
から見た断面図である。
【図4】(a)は、本例の放電加工用電極のカット面を
角度を有して形成した例を示す平面図、(b)は、その
側面図である。
【図5】(a)は、本考案の実施例2に係る放電加工用
電極を示す平面図、(b)は、その側面図である。
【図6】(a)は、本例の放電加工用電極が被加工物に
加工を施す状態を示す説明図、(b)は、その側面方向
から見た断面図である。
【図7】(a)は、本例の放電加工用電極に加工溝を電
極の側面の軸方向の途中位置から形成した例を示す平面
図、(b)は、その側面図である。
【図8】(a)は、本考案の実施例3に係る放電加工用
電極を示す平面図、(b)は、その側面図である。
【図9】(a)は、本例の放電加工用電極が被加工物に
加工を施す状態を示す説明図、図9(b)は、その側面
方向から見た断面図である。
【図10】(a)は、本考案の実施例4に係る放電加工
用電極を示す平面図(b)は、その側面図である。
【図11】(a)は、本例の放電加工用電極が被加工物
に加工を施す状態を示す説明図、(b)は、その側面方
向から見た断面図である。
【図12】本例の放電加工用電極の側面の軸方向の途中
位置から、螺旋状の加工液排出溝を形成した例を示す側
面図である。
【図13】(a),(b)は、従来の放電加工用電極を
示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・放電加工用電極 1a・・中空部(加工液供給通路) 1b,1c・・カット面(加工液排出部) 1d・・先端面 2・・・被加工物 2a・・加工面 2b・・加工残し部 3・・・加工液 4・・・加工屑 5・・・加工液排出溝(加工液排出部) 6a・・横溝(加工液排出部) 6b・・縦溝(加工液排出部) 7・・・螺旋溝(加工液排出部)

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工液中で被加工物に放電加工を行うた
    めの放電加工用電極であって、この放電加工用電極に
    は、前記加工液を先端面から供給可能な加工液供給通路
    と、前記加工液を基部側に向けて排出する加工液排出部
    と、を有することを特徴とする放電加工用電極。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記加工液排出部
    は、放電加工用電極側面に先端側から前記基部に向けて
    カット面として形成されていることを特徴とする放電加
    工用電極。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記カット面は、放
    電加工用電極の軸線方向と先端側で交叉する角度をもっ
    て形成されていることを特徴とする放電加工用電極。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記加工液排出部
    は、放電加工用電極側面に先端側から前記基部に向けて
    加工液排出溝として形成されていることを特徴とする放
    電加工用電極。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記加工液排出溝
    は、螺旋状に形成されていることを特徴とする放電加工
    用電極。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記加工液排出部
    は、前記先端面に前記加工液供給通路の開口部から外周
    縁に向かう加工液排出溝として形成されていることを特
    徴とする放電加工用電極。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記螺旋状の加工液
    排出溝は、その側面に螺旋状に巻き付けられた線状部材
    間の凹部として形成されていることを特徴とする放電加
    工用電極。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に
    おいて、前記加工液排出部は、その先端側から前記基部
    との間の途中位置から形成されていることを特徴とする
    放電加工用電極。
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