JPH0663153B2 - 梳毛調織物用ポリエステル複合加工糸 - Google Patents

梳毛調織物用ポリエステル複合加工糸

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JPH0663153B2
JPH0663153B2 JP62110644A JP11064487A JPH0663153B2 JP H0663153 B2 JPH0663153 B2 JP H0663153B2 JP 62110644 A JP62110644 A JP 62110644A JP 11064487 A JP11064487 A JP 11064487A JP H0663153 B2 JPH0663153 B2 JP H0663153B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は異なる少なくとも2種の繊度のフィラメント群
で構成された梳毛調織物用ポリエステル複合加工糸に関
する。
[従来の技術] 羊毛梳毛織物は嵩高、ソフトタッチ、腰・反発性、ウォ
ーム感に優れており秋冬用の外衣素材として広く使用さ
れている。
仮撚加工糸はそもそも羊毛繊維の如きの捲縮を所持させ
て嵩高性のある織編物とすることを目指して開発された
ものであって、ポリエステル加工糸においても羊毛織編
物分野への展開が進められている。
しかしながら、ポリエステル加工糸を梳毛調織物に製織
するとソフトタッチを得るにはフィラメント繊度を1.5
デニール以下とすることが必要であり、この場合には腰
・反発性が極端に小さいものしか得られない欠点があ
る。一方、腰・反発性を大きくしようとしてフィラメン
ト繊度を大きくすると粗硬度が増加するばかりであって
腰があって反発性もある羊毛梳毛織物とは異質なものし
か得られなかった。
このため太繊度フィラメントと細繊度フィラメントの混
繊糸としたり、毛羽を付与したりなど各種技術が提案さ
れているが、風合と工程通過性を同時に満足させるもの
はなかった。
ここで太繊度フィラメント群を芯として細繊度フィラメ
ント群を鞘とした芯鞘複合加工糸は、ソフトタッチと腰
・反発性を同時に付与できることから多数の改良技術が
提案されている。複合芯鞘加工糸の中でも鞘部のフィラ
メント群が芯部のフィラメント群の周りに交互撚状に捲
付きかつ芯部と鞘部との境界部において各フィラメント
が互いに混合交絡している構造のいわゆる交互撚状・交
絡タイプ複合芯鞘仮撚加工糸は良好なスパンライク感を
発揮し、この技術に関しては特開昭54−101946号公報、
特開昭55−98931号公報、特開昭56−26025号公報、特開
昭58−156041号公報等多数の提案がある。
交互撚状・交絡タイプ複合芯鞘仮撚加工糸において腰・
反発性を向上させるために特開昭57−29629号公報には
芯部の太繊度フィラメントが3〜6デニール、鞘部の細
繊度フィラメントが1〜4デニールで全デニールが400
〜800デニールである太デニールスパンライク加工糸が
記載されている。しかしながら、仮撚時の仮撚数は太デ
ニール程、少なく設定せざるを得ず、400〜800デニール
と太い加工糸では仮撚数が少なくて、仮撚加工糸として
具備すべき捲縮基本特性が充分得られない欠点があり、
織物とした場合にはこの点からだけでもふくらみや腰・
反発性が小さい欠点がある。さらにこの技術で開示され
る加工糸では芯フィラメントが細く、梳毛調織物とする
場合には腰、反発性が小さすぎる欠点がある。またこの
技術で開示された加工糸では織物のギラツキ欠点は避け
られない。
[発明が解決しようとする問題点] 従来技術で得られる交互撚状・交絡タイプ複合芯鞘仮撚
加工糸ではソフトタッチと腰・反発性の良好な風合の高
級スパンライク織編物は得られなかったのである。特に
織編物のソフト風合を強調するためにアルカリ減量処理
すると腰・反発性の低下が著しくこの点からも改善が望
まれていたのである。
本発明の目的はソフトタッチと腰・反発性に優れた梳毛
調織物に適用することが可能な、とりわけ腰・反発性の
点で高度のレベルが要求されている秋冬用紳士外衣分野
に使用できる高級梳毛調織物に適用できる交互撚状・交
絡タイプ複合芯鞘仮撚加工糸を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、フィラメント繊度の異なる少
なくとも2種のポリエステルフィラメント群で構成され
た複合芯鞘仮撚加工糸において、芯部を構成する太繊度
フィラメント群のフィラメント繊度が7.5〜12デニール
でかつ5〜8葉断面であり、鞘部を構成する細繊度フィ
ラメント群のフィラメント繊度が0.70〜3.0デニールで
あってトータル繊度が50〜360デニール、太繊度フィラ
メント群に対する細繊度フィラメント群の繊度比が0.7
〜1.4である芯部の周りに交互撚状に捲付き、かつ芯部
と鞘部との境界部において各フィラメントが互いに混合
交絡していることを特徴とする梳毛調織物用ポリエステ
ル複合加工糸によって達成できる。
本発明の梳毛調織物用ポリエステル複合加工糸の糸構造
は太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群
が鞘部となった芯鞘構造である。第8図に糸形態を示す
ように太繊度フィラメント1で構成される太繊度フィラ
メント群が芯部となり、細繊度フィラメント2で構成さ
れる細繊度フィラメント群が芯部のフィラメント群の周
りに交互撚状に捲付き、かつ芯部と鞘部との境界部にお
いて各フィラメントが互いに混合交絡している構造であ
る。このような芯鞘構造であるために良好なスパンライ
ク外観と風合を有する織物を提供できると共に芯部と鞘
部との分離を防止し糸加工、製織工程での良好な通過性
と糸構造の長手方向の形態安定性が得られるのである。
混合交絡の個数は後述する交絡度の測定方法で評価でき
る。芯部と鞘部の分離を防止しネップ化しないようにす
る点と抗ピル性を向上させる点から交絡度は150コ/m
以上が好ましく、200コ/m以上がより好ましい。交絡
度が多すぎるとスパンライクの外観と風合が低下してく
るので450コ/m以下が好ましく、400コ/m以下がより
好ましい。
太繊度フィラメント群のフィラメント繊度は7.5〜12デ
ニールであることが必要である。7.5デニール未満では
織物とした場合に羊毛梳毛織物に匹敵する腰・反発性が
得られない。繊度が大きい程腰・反発性は向上するもの
の12デニールより大きくなると粗硬度が強くなる。粗硬
感がなく腰・反発性に優れた梳毛調織物とするには11デ
ニール以下が好ましい。
細繊度フィラメント群のフィラメント繊度は0.70〜3.0
デニールであることが必要である。ソフトタッチを付与
するために3.0デニール以下とすることが必要である
が、一層ソフトタッチにし梳毛織物調とすることと抗ピ
ル性を向上させる点から2.2デニール以下とすることが
好ましい。一方、あまりに細デニール化するとソフトタ
ッチ過ぎて梳毛調織物風合とは異質の風合となるので0.
70デニール以上とすることが必要である。細デニールと
なる程抗フロスティング性が低下し、見掛染色性も低下
し濃色化が困難となるので1.0デニール以上とすること
が好ましい。
太繊度フィラメント群に対する細繊度フィラメント群の
繊度比は0.7〜1.4とすることが必要である。0.7未満で
は太繊度フィラメントが芯鞘加工糸の外表面に存在しや
すくなり粗硬感が強くなる。1.4より大きいとソフトタ
ッチが強調されて腰・反発性が不足する。また太繊度フ
ィラメント群のフィラメント繊度の細繊度フィラメント
群のフィラメント繊度に対する比は4倍以上であること
がスパンライクな外観と風合効果を発揮しやすい。
複合加工糸のトータル繊度は50〜360デニールの範囲が
必要である。細繊度過ぎるとコスト増が著しく、太繊度
過ぎると仮撚加工時の仮撚数の上限の低下による捲縮発
現性が低下するためである。
両フィラメント群間には5〜30%の糸長差があることが
好ましく、7〜25%であることがより好ましい。鞘部が
芯部に捲付いた構造とするには鞘部の方が長い必要があ
り、糸長差として好ましい下限値と対応している。糸長
差が大き過ぎるとふかつきのある風合となること鞘部と
芯部が分離し易くなること及び抗ピル性が低下するとい
った欠点がでてくる。
太繊度フィラメントは7.5〜12デニールの太繊度である
が故に仮撚加工時にフィラメント断面が変化し、フィラ
メント表面の平坦化によってギラツイた光沢を発生しや
すいので、フィラメント断面図を5〜8葉断面に異形化
したものであることが必要である。
5〜8葉断面糸は、紡糸口金の吐出孔形状を得ようとす
る葉数に等しいスリットを放射状に形成させた形状とす
ることで得られる。本発明における5葉、8葉断面をそ
れぞれ第2,3図に例示した。また、それぞれ葉状断面糸
を得るための紡糸口金の吐出孔形状を第4,5図に例示し
た。
太繊度フィラメントが4葉断面以下では、葉間距離が長
いために、ギラツイた光沢を発生し、また9葉断面以上
では葉間距離が短く、仮撚加工時のフィラメント断面が
変化が丸断面糸とほぼ同様になるので、ギラツイた光沢
が発生してくる。ギラツイた光沢は梳毛調織物の品位を
極端に低下させる因子のひとつであり、時に高級梳毛調
織物にあってはならないものである。
本発明におけるポリエステルとはテレフタル酸成分とエ
チレングリコール、テトラメチレングリコール等のグリ
コール成分とから成るポリエステルを主たる対象とする
が、エチレンテレフタレートが80モル%以上のポリエス
テルを好適に対象とするものであって、テレフタル酸の
一部又はグリコール成分と一部を他の(二官能性カルボ
ン酸又はグリコール成分で置換えたポリエステルであっ
てもよい。更に各種添加剤たとえば難燃剤、制電剤、親
水剤、顔料などを必要に応じて添加できる。
加工糸において毛羽が存在すると製織などの高次工程で
ガイドへのひっかかりや並走する糸同志のもつれなどに
基づく加工糸自身のネップの発生や糸切れなどのトラブ
ル発生し易い。このため加工糸には実質的に毛羽のない
ことが好ましく、毛羽数は糸1m当り5コ以下であること
が好ましく、3コ以下であることがより好ましい。
本発明のポリエステル複合加工糸は次の方法で好適に製
造できる。
フィラメント繊度の異なる少なくとも2種のポリエステ
ルフィラメント群を合糸仮撚して複合芯鞘仮撚加工糸と
する際に、太繊度フィラメント群は細繊度フィラメント
群よりも複屈折率が少なくとも5×10 大きく、仮撚
後のフィラメント繊度は7.5〜12デニールであり、細繊
度フィラメント群の延伸仮撚後のフィラメント繊度は0.
70〜3.0デニールであり、両フィラメント群に合糸混合
交絡を施してから仮撚することを特徴とするポリエステ
ル複合加工糸の製造方法である。
細繊度フィラメント群は低複屈折率とし太繊度フィラメ
ント群よりも大きな伸長を仮撚時に施こすことが細繊度
フィラメント群がより長い糸長となって鞘部を形成する
ことに寄与する。太繊度フィラメント群は必ずしも未延
伸糸ではなく延伸糸であってもかまわないが、この場合
には糸長差が30%を越すとふかつきやすくなるので未延
伸糸の方が好ましい。両フィラメント群ともに複屈折率
が15〜45×10 の範囲内で複屈折率差を5〜30×10
として未延伸糸を準備することが、未延伸糸の経時変
化による加工、糸特性の不安定性を防止し、所望の糸長
差を付与する点から好ましい。
合糸混繊交絡はインターレース処理で好ましく付与でき
る。交互撚状・交絡タイプ複合芯鞘仮撚加工糸とするた
めに交絡度は20〜80コ/mが好ましい。
仮撚条件は解撚張力Tと加撚張力Tの比T/T
を1.2〜0.8と通常の仮撚条件より小さな値として芯鞘構
造を保持させやすくする他は通常の仮撚または延伸仮撚
条件と大差ないが、次の如くの範囲が好ましい。仮撚ヒ
ーター温度はポリエステルフィラメントの融点をTm
(℃)とした場合に(Tm−90)℃〜(Tm−40)℃の範囲
が好ましい。仮撚数は複合仮撚加工糸の繊度をD(デニ
ール)とした場合に17,000(D)1/2(T/m)〜3
0,000/(D)1/2(T/m)の範囲が好ましい。延
伸仮撚の場合の延伸倍率は複合仮撚加工糸の伸度を20〜
40%の範囲内となるように設定することが好ましい。伸
度が20%未満となると毛羽が発生しやすくなり、40%よ
り大きくなると製編織工程で芯鞘構造の変化を受け易く
なるためである。
[実施例] 以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。な
お実施例中の物性は次のようにして評価した。
A.抵ピル性 ICI型ピリングテスターで10時間処理して測定し、次の
如く判定した。
5級(秀、合格) 4級(優、合格) 3級(良、合格、ただし用途によっては不合格となる場
合がある) 2級(不可、不合格) 1級(不可、不合格、もっとも悪い) B.抗フロスティング性 ポリエチレンテレフタレート加工糸織物との間で20分間
擦過したのち肉眼判定した。
5級(秀、合格) 4級(優、ほとんど痕跡が認められない、合格) 3級(良、若干白い痕跡が認められる、合格) 2級(不可、白い痕跡が認められる) 1級(不可、明らかに白くなる、もっとも悪い) C.毛羽数 加工糸を透明なガラス板に挟み、5〜20倍に拡大した投
映図より毛羽数も測定した。
D.交絡度 第1図に示すごとく、中心軸1の回りを無抵抗で左右に
回転可能な溝付滑車2に試料糸を滑らないように掛け、
2個所に荷重3、4を掛ける。荷重は試料糸の総デニー
ル×0.4gとする。
次いで、外径0.60mmの固定針5を糸条を構成する短糸間
に実質的に直角に刺し固定する。
次に試料糸の左側にかけた荷重3に、さらに重量が試料
の単糸デニール×2.0gである定荷重6を掛け、試料糸を
定荷重6によって交絡部が引掛って止まる所まで左側に
移動させる。
次に荷重3に掛けた定荷重6を外し、右側の荷重4に加
えて掛け、試料糸を定荷重6によって右側に移動させ、
交絡部が固定針5に引掛り自然に止まるようにする。定
荷重6による試料糸の移動速度は10mm/secとする。前
記方法よる試料糸の右側への移動距離l(mm)を求め、
次式から交絡度を計算する。
交絡度=1000/l+0.60(コ/m) E.ギラツキ光沢 織物を太陽光の下で肉眼判定した。
5級(秀、合格、まったくギラツキなし) 4級(優、合格、ほとんどギラツキなし) 3級(良、合格、若干ギラツキあり) 2級(不可、不合格、ギラツキ目立つ) 1級(不可、不合格、ギラツキ多量、最も不良) 実施例1 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群が
鞘部であり、表に示すポリエチレンテレフタレートから
成る複合芯鞘加工糸を糸加工して得た。ポリエチレンテ
レフタレートの25℃オルトクロロフェノール中の固有粘
度は0.65である。太繊度フィラメント群は紡糸温度290
℃、紡糸速度300m/min、第5図に示すスリット巾0.08m
m.スリット長0.50mmの口金を使用して紡糸して得られ
た、未延伸糸繊度232〜234デニール、延伸後156〜158デ
ニール、8葉断面で、複屈折率が34〜35×10 である
未延伸糸を使用した。細繊度フィラメント群は紡糸温度
290℃、紡糸速度2400m/min、直径0.20mmの丸孔口金を
使用して紡糸して得られた、未延伸糸繊度223デニー
ル、延伸後147デニール96フィラメント、丸断面で複屈
折率が22×10 である未延伸糸を使用した。合糸後エ
アー圧力3kg/cmでインターレース処理により交絡度4
5〜48コ/mの範囲の交楽を付与し、延伸比1.52、張力
比0.95、仮撚温度200℃、仮撚数1630T/m、仮撚速度40
0m/minで延伸同時仮撚した。交互撚状・交絡タイプ複
合芯鞘仮撚加工糸の糸長差は12.0〜12.3%の範囲であ
り、交絡度は315〜348コ/mの範囲であり、毛羽数は1
〜5コ/mと実質的に毛羽のない範囲であった。
得られた複合芯鞘加工糸を経66本/インチ、緯64本/イ
ンチの密度で2/2ツイルサージに製織し、60番双糸使
い羊毛サージ織物と風合外観を比較評価した。評価結果
は表に示すとおりでいずれの水準もギラツキ光沢はなく
スパンライクの外観とソフトタッチは表現できているも
のの、梳毛織物調の腰・反発性があって、粗硬感のない
風合とするのに太繊度フィラメント群は7.5〜12デニー
ルであることが必要で、11デニール以下が好ましいこと
が判明した。
実施例2 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群が
鞘部となった、表に示すポリエチレンテレフタレートか
ら成る複合芯鞘加工糸を糸加工して得た。ポリエチレン
テレフタレートの25℃オルトクロロフェノール中の固有
粘度は0.65である。太繊度フィラメント群は実施例1に
準じて紡糸して得られ、未延伸糸繊度232デニール、延
伸後156デニール18フィラメント、8葉断面で複屈折率
が34×10 である未延伸糸を使用した。細繊度フィラ
メント群は実施例1に準じて紡糸して得られ、未延伸糸
繊度216デニール、延伸後の繊度構成は表に示す繊度−
フィラメント数で、丸断面、複屈折率が22×10 であ
る未延伸糸を使用した。実施例1に準じインターレース
処理、仮撚加工を行なった。交互撚状・交絡タイプ複合
芯鞘仮撚加工糸の糸長差は11.8〜12.0%の範囲であり、
交絡度は295〜368コ/mの範囲であり、毛羽数は1〜5
コ/mと実質的に毛羽のない範囲であった。
得られた複合芯鞘加工糸を実施例1に準じ製織した。評
価結果を表に示すとおりで、いずれの水準もギラツキ光
沢はなくスパンライクの外観と腰・反発性は表現できて
いるものの梳毛織物調のソフトタッチ風合とするには細
繊度フィラメントは0.70〜3.0デニールとすることが必
要で、抗フロスティング性向上の点から1.0デニール以
上が好ましく、抗ピル性の点からは2.2デニール以下が
好ましいことが判明した。
実施例3 太繊度フィラメント群が芯部、細繊度フィラメント群が
鞘部となった、表に示すポリエチレンテレフタレートか
ら成る複合芯鞘加工糸を糸加工して得た。ポリエチレン
テレフタレートの25℃オルトクロロフェノール中の固有
粘度は0.65である。太繊度フィラメント群は実施例1に
準じて紡糸して得られ、未延伸糸繊度232デニール、延
伸後156デニール18フィラメントで表に示す多葉断面糸
で、複屈折率が34〜35×10 である未延伸糸を使用し
た。ただし口金吐出孔は第4図、第5図に示す如くの放
射状スリット孔で、スリット数は断面葉数に等しく、各
スリット巾は0.80mmで、スリット長は4、5、6、7、
8、9葉に対応して0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.
55mmである。細繊度ラメント群は実施例1に準じて得ら
れ未延伸糸繊度が223デニール、延伸後147デニール96フ
ィラメント、丸断面で複屈折率が22×10 である未延
伸糸を使用した。
実施例1に準じてインターレース処理、仮撚加工を行な
った。交互撚状・交絡タイプ複合芯鞘仮撚加工糸の糸長
差は11.5〜12.2%の範囲であり、交絡度は298〜352コ/
mの範囲であり、毛羽数は1〜5コ/mと実質的に毛羽
のない範囲であった。
得られた複合芯鞘加工糸を実施例1に準じ製織した。評
価結果を表に示すとおりで、いずれの水準もスパンライ
クの外観と梳毛織物調のソフトタッチで腰・反発性は表
現できているものの好ましくないギラツキた光沢のない
ものとするためには、太繊度フィラメントの断面を5〜
8葉することが必要である。
実施例4 太繊度フィラメント群は実施例1に準じて紡糸して得ら
れ、未延伸糸繊度40デニール、延伸後が27デニール3フ
ィラメント、8葉断面で複屈折率35×10 である未延
伸糸を使用した。細繊度フィラメント群は実施例1に準
じて紡糸して得られ、未延伸糸繊度35デニール、延伸後
が23デニール22フィラメント、丸断面で、複屈折率が23
×10 である未延伸糸を使用した。実施例1に準じ
て、太繊度フィラメント群が芯、細繊度フィラメント群
が鞘のポリエチレンテレフタレートからなる複合芯鞘加
工糸を加工して得た。ポリエチレンテレフタレートの25
℃オルトクロロフェノール中の固有粘度は0.65である。
交絡度を31コ/m仮撚数を3630T/mとした以外は実施
例1と同様の加工を施した。交互撚状、交絡タイプの複
合芯鞘仮撚加工糸が得られ、その糸長差は11.2%、交絡
度は224コ/mで、実質的に毛羽はなかった。
得られた加工糸を経130本/インチ、緯114本/インチの
密度で製織した。得られたサージ織物はギラツキ光沢が
なく、梳毛調の外観とソフトタッチ、腰・反発性があ
り、高級感のある薄地梳毛調織物であった。
実施例5 太繊度フィラメント群は実施例1に準じて紡糸して得ら
れ、未延伸糸繊度268デニール、延伸後が180デニール22
フィラメント、8葉断面で複屈折率36×10 である未
延伸糸を使用した。細繊度フィラメント群は実施例1に
準じて紡糸して得られ、未延伸糸繊度274デニール、延
伸後が180デニール144フィラメント、丸断面で複屈折率
が22×10 である未延伸糸を使用した。実施例1に準
じて、太繊度フィラメント群が芯、細繊度フィラメント
群が鞘のポリエチレンテレフタレートからなる複合芯鞘
加工糸を加工して得た。ポリエチレンテレフタレートの
25℃オルトクロロフェノール中の固有粘度は0.65であ
る。交絡度を55コ/m、仮撚数を1480T/mとした以外
は実施例1と同様の加工を施した。交互撚状、交絡タイ
プの複合芯鞘仮撚加工糸が得られ、その糸長差は12.9
%、交絡度は295コ/mで、実質的に毛羽はなかった。
得られた加工糸を経57本/インチ、緯55本/インチの密
度で実施例に準じ製織した。ギラツキ光沢はなく、梳毛
調の外観とソフトタッチ、腰・反発性のある、高級感の
ある厚地梳毛調織物であった。
実施例6 太繊度フィラメント群に対する細繊度フィラメント群の
繊度の効果確認のため、表に示す水準24〜27の複合芯鞘
加工糸を実施例1に準じて得た。太繊度フィラメント群
の複屈折率は34×10 であり、細繊度フィラメント群
は丸葉断面で複屈折率が22×10 である未延伸糸を使
用した。交絡度を46〜55コ/mとした以外は実施例1と
同様の加工を施し、交互撚状、交絡タイプの複合芯鞘加
工糸が得られ、その糸長差は11.8〜12.4%の範囲であ
り、交絡度は290〜351コ/mの範囲で、毛羽数は2〜5
コ/mで実質的に毛羽のない範囲であった。なお水準N
o.24、25、26、27の太繊度フィラメント群の未延伸糸繊
度と細繊度フィラメント群の未延伸糸繊度の組合せはそ
れぞれ276デニール−179デニール、266デニール−190デ
ニール、190デニール−271デニール及び184デニール−2
75デニールである。
実施例1に準じて製織して得られた織物は表に示すとお
り、梳毛織物調の粗硬感のないソフトタッチ、腰、反発
性のある風合とするには太繊度フィラメント郡に対する
細繊度フィラメント群の繊度比は0.7〜1.4であることが
必要と判明した。
[発明の効果] 本発明の複合芯鞘仮撚加工糸は鞘部のフィラメント群が
芯部のフィラメント群の周りに交互撚状に捲付きかつ芯
部と鞘部の境界部において各フィラメントが互いに混合
交絡している構造であるためにスパンライク外観と風合
を所持した織物に適用できる。しかも特定の繊度範囲の
太繊度フィラメントと細繊度フィラメントをそれぞれ芯
部、鞘部に配置させてあるので、ソフトタッチと腰・反
発性に優れた梳毛調織物に良好に適用することが可能で
ある。特に腰・反発性の点で高度なレベルが要求される
秋冬紳士外衣分野に使用できる高級梳毛調織物に好適で
ある。
【図面の簡単な説明】 第1図は交絡度測定の説明図、第2,3図はそれぞれ5葉,
8葉断面糸の断面形状、第4,5図はそれぞれ5葉,8葉断面
糸を得るための紡糸口金吐出孔形状、第6,7図はそれぞ
れ4葉,9葉断面糸の断面形状を例示するもので、第8図
は本発明の交互撚状、交絡タイプ複合芯鞘仮撚加工糸の
糸形態を例示するものである。 1:太繊度フィラメント 2:細繊度フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−42935(JP,A) 特開 昭58−169533(JP,A) 特開 昭59−71439(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラメント繊度の異なる少なくとも2種
    のポリエステルフィラメント群で構成された複合芯鞘仮
    撚加工糸において、芯部を構成する太繊度フィラメント
    群のフィラメント繊度が7.5〜12デニールでかつ5〜8
    葉断面であり、鞘部を構成する細繊度フィラメント群の
    フィラメント繊度が0.70〜3.0デニールであってトータ
    ル繊度が50〜360デニール、太繊度フィラメント群に対
    する細繊度フィラメント群の繊度比が0.7〜1.4である芯
    部の周りに交互撚状に捲付き、かつ芯部と鞘部との境界
    部において各フィラメントが互いに混合交絡しているこ
    とを特徴とする梳毛調織物用ポリエステル複合加工糸。
JP62110644A 1987-05-08 1987-05-08 梳毛調織物用ポリエステル複合加工糸 Expired - Lifetime JPH0663153B2 (ja)

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