JPH0661926A - 移動電話方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動電話方式の無線ゾーン切替時の制御に関
し、無線ゾーンの切替えに際し発生する瞬断の通話への
影響の軽減を目的とする。 【構成】 移動電話機の移動に際する無線ゾーン切替時
に音声をマスクするに充分なスペクトルとレベルを持つ
信号音を発生するゾーン切替合図信号発生器を基地局側
及び移動電話機側に備え、無線チャネルもしくは通話路
制御信号を用いてゾーン切替時の瞬断区間に該信号音を
挿入するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車電話や携帯電話
などの移動電話方式の制御に関するものであって、特に
通話中に無線ゾーンの切り替えが行なわれる際に、これ
を利用者に意識せしめるための制御に係る。

【０００２】

【従来の技術】無線を用いる移動電話方式においては、
その周波数資源を有効に利用し、同一無線周波数帯域で
より多くの移動電話加入者に対してサービスを提供する
ため、複数の基地局とそれがカバーする無線ゾーンを設
定し、移動電話で通話中の加入者が無線ゾーンをわたっ
て移動する場合には、当該移動電話機を追跡し無線ゾー
ン毎で異なる無線周波数に切替えて通話が継続して行わ
れるようにしていた。

【０００３】ところが、この無線周波数の切替えに際し
ては、２００ｍｓｅｃ〜８００ｍｓｅｃ程度の通話の瞬
断を生ずる。近年の移動電話方式の発展により、この瞬
断時間が短い方式が多数使用されるようなって来てはい
るが、新方式であっても、２００ｍｓｅｃ程度の瞬断は
避けることができない。この瞬断を殆んど通話品質上問
題にならない程度に短くするためには、無線区間導通試
験、及び、移動機無線周波数切替時間の短縮が容易なデ
ィジタル方式の導入か、２個のシンセサイザを移動電話
機に搭載する方法が考えられるが、後者は移動機の経済
性を損うのみならず、軽量・小型の移動機の実現に支障
となる。

【０００４】また、前者のディジタル方式については、
将来その実現が見込まれるものの、現状では、相当の長
期にわたって、瞬断の存在する現行のアナログ方式が継
続して使用され、徐々にディジタル方式に移行すること
となる、と考えられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したような現行の
アナログ方式の移動電話においては主として２つの問題
点を有していた。

【０００６】即ち、一つは通話の瞬断が移動機を使用す
る受話者側で起ったときに、送話者側には受話者側でど
のような長さの瞬断がどの時点で起っているかを把握で
きないために、受話者側がすべて通話を了解しているも
のとして、送話者側は会話を続行するために円滑な会話
に支障を来たすことである。

【０００７】もう一点は、移動機を使用する受話者側で
は瞬断時には全くの無音状態となり、その間の通話情報
が全く聴取できなくなってしまうことである。本発明は
このような無線ゾーン切替時に発生する通話の瞬断によ
る通話への影響をできるだけ軽減することのできる移動
電話方式の実現を目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
問題点は前記特許請求の範囲に記載した手段により達成
される。

【０００９】すなわち、請求項１の発明は、移動電話機
の移動に際する無線ゾーン切替時に音声をマスクするに
充分なスペクトルとレベルを持つ信号音を発生するゾー
ン切替合図信号発生器を基地局側及び移動電話機側に備
え、無線チャネルもしくは通話路制御信号を用いてゾー
ン切替時の瞬断区間に該信号音を挿入する移動電話方式
である。

【００１０】また、請求項２の発明は、上記請求項１の
発明に、更に、長い瞬断時間を持つ移動電話方式と、短
い瞬断時間を持つ移動電話方式が、混在して使用されて
いる移動通信システムにおいて、それぞれの方式に対応
させた異なる音色を発生するゾーン切替合図信号発生器
を使用するようにした移動電話方式である。

【００１１】更に、請求項３の発明は、請求項１の発明
において、基地側交換局が時分割交換機であるとき、ゾ
ーン切替合図信号発生器を一つの加入者と見なして、瞬
断区間に合図音を挿入する移動電話方式である。

【００１２】

【作用】本発明の方式では、ゾーン切替が行われている
移動電話機の属する基地局は、相手側移動機に対して瞬
断中音声をマスクするに充分なスペクトルとレベルを持
つ信号音を瞬断発生の通知音として瞬断の発生している
区間にわたって送出する、またゾーン切替を受けている
移動機側では電話機に内蔵された信号音発生器より音声
をマスクするに充分なスペクトルとレベルを持つ信号音
を瞬断発生区間中にわたり受話器に供給する。

【００１３】本発明は上記の点を最も主要な特徴とす
る。従来はこれに類するような瞬断に対応する技術的対
策は全くなかった。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の一実施例を説明する図であっ
て、１はゾーン切替を行っている移動機３２と通話中の
加入者からの送話回線、２は該移動機３２から上記加入
者への送話回線、３は移動電話交換局３０の通話路スイ
ッチ、４は通話路制御装置、５は合図音送出スイッチ、
６は合図音発生器、７はゾーンＮ無線基地局３１の無線
変調器、８は送信用高周波増幅器、９は無線回線制御装
置、１０は無線復調器、１１は受信用高周波増幅器、１
２は基地局送信アンテナ、１３は基地局受信アンテナ、
を表わしている。

【００１５】また、１４は移動機の受信アンテナ、１５
は該移動機の送信アンテナ、１６は受信用高周波増幅
器、１７は無線復調器、１８は送信用高周波増幅器、１
９は無線変調器、２０は無線チャネル制御部、２１はゾ
ーン切替合図音送出スイッチ、２２はゾーン切替合図音
発生器、２３は受話器、２４は送話器、２５はゾーンＰ
無線基地局からの通話路制御用情報信号線、２６はゾー
ンＮ無線基地局もしくはゾーンＮ無線基地局の属する他
の移動電話交換局からの通話路制御用情報信号線を表わ
している。

【００１６】以下、本実施例の動作について説明する。
今該移動機がゾーンＰからゾーンＮへと移行し、ゾーン
切替えが行われる段階にあるとする。このとき、信号線
２５及び２６の情報をもとに４はゾーン切り替えを行う
ために該移動機の通話相手との回線を設定し送話回線
１、２を通話路スイッチ３に接続する。次いで、ゾーン
切替えを行うにあたり通話路制御装置４は合図音送出ス
イッチ５を制御して合図音発生器６からの信号音を移動
機の通話相手に送出すると同時にゾーン切替えにともな
う無線チャネル制御を行うため信号線２６を介して無線
回線制御装置９に信号を送る。該無線回線制御装置９は
送信用高周波増幅器８及び基地局用送信アンテナ１２を
介して無線チャネルを無線音声の新チャネルに切替のた
めの制御信号を移動機に送出する。

【００１７】受信アンテナ１４、受信用高周波増幅器１
６及び無線復調器１７を介して制御用信号を受けた無線
チャネル制御部２０はゾーン切替合図音送出スイッチ２
１に制御信号を送りゾーン切替合図音発生器２２によっ
て発生されたゾーン切替合図音を受話器２３から出力す
る。移動機の無線周波数切替及び無線区間導通試験が完
了すると無線回線制御装置９から信号線２６を介して通
話路制御装置４へその完了信号が送られ、通話路制御装
置４は合図音送出スイッチ５を制御して合図音発生器６
を切り離す。

【００１８】移動電話交換局でのこのような動作は、ゾ
ーンＰの無線基地局が他の移動電話交換局に属する場合
には、その交換局において上述の場合と同様の合図音発
生器６の接続、切り離しが行われる。移動機側でも同様
に無線周波数切替及び無線区間導通試験が完了すると、
無線チャネル制御部２０がゾーン切替合図音送出スイッ
チ２１のスイッチをｏｆｆしてゾーン切替合図音発生器
２２から受話器２３へ送出している合図音をとめる。

【００１９】以上の説明では、移動電話交換局の通話路
スイッチ３として空間分割形アナログスイッチを用いる
場合について説明を行ったが、移動電話局が時分割交換
機で移動電話交換局の通話路スイッチが時分割形通話路
スイッチである場合には合図音送出スイッチ５は不用で
あり、合図音発生器６を一つの加入者と見なして接続を
行えば良いことは勿論である。

【００２０】また瞬断時間が信号音の挿入によって音素
修復を生ぜしめ得る時間長よりも長いような移動電話方
式と音素修復を生ぜしめ得る時間長よりも短い瞬断時間
を持つ移動電話方式が混在して使用される場合には合図
音発生器６及びゾーン切替合図音発生器２２の信号発生
器に２種類の音色の信号音の発生が可能となるように
し、それぞれの移動電話方式に応じた信号音を交換機よ
りの制御信号に応じて発生させるようにすることができ
る。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によればゾ
ーン切替に伴う通話の瞬断区間中に音声をマスクするに
充分なスペクトルとレベルを持つ信号音が挿入されるこ
とにより、送話者は送話の一部が相手加入者に送られな
かったことを知ることができるから、それに対応する部
分について繰り返えし送話を行うことにより、円滑な通
話を行うことが可能になる。

【００２２】また瞬断の長い移動電話方式と短い移動電
話方式が混在する場合には合図音の音色により、通話者
はその区別を知ることができる。瞬断が短い方式の場合
は合図音の挿入によって、人間の聴覚が瞬断の前後に分
布して存在する欠落部分の音声を無意識的に統合し、瞬
断部分の音素情報を回復するところの、音素修復現象を
生ぜしめ通話の瞬断は受話者に感じられなくなる。従っ
て合図音の種別によって短い瞬断であることを知った送
話者は瞬断に注意を払うことなく会話を続行することが
でき円滑な会話が保証される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を説明する図である。

【符号の説明】

１，２ 送話回線 ３ 移動電話交換局の通話路スイッチ ４ 通話路制御装置 ５ 合図音送出スイッチ ６ 合図音発生器 ７ 無線変調器 ８ 送信用高周波増幅器 ９ 無線回線制御装置 １０ 無線復調器 １１ 受信用高周波増幅器 １２ 基地局送信アンテナ １３ 基地局受信アンテナ １４ 移動機の受信アンテナ １５ 移動機の送信アンテナ １６ 受信用高周波増幅器 １７ 無線復調器 １８ 送信用高周波増幅器 １９ 無線変調器 ２０ 無線チャネル制御部 ２１ ゾーン切替合図音送出スイッチ ２２ ゾーン切替合図音発生器 ２３ 受話器 ２４ 送話器 ２５，２６ 信号線 ３０ 移動電話交換局 ３１ ゾーンＮ無線基地局 ３２ 移動電話機

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動電話機の移動に際する無線ゾーン切
   替時に音声をマスクするに充分なスペクトルとレベルを
   持つ信号音を発生するゾーン切替合図信号発生器を基地
   局側及び移動電話機側に備え、無線チャネルもしくは通
   話路制御信号を用いてゾーン切替時の瞬断区間に該信号
   音を挿入することを特徴とする移動電話方式。
2. 【請求項２】 長い瞬断時間を持つ移動電話方式と短い
   瞬断時間を持つ移動電話方式が混在して使用されている
   移動通信システムにおいて、それぞれの方式に対応させ
   た異なる音色を発生するゾーン切替合図信号発生器を使
   用する請求項１記載の移動電話方式。
3. 【請求項３】 基地側交換局が時分割交換機であると
   き、ゾーン切替合図信号発生器を一つの加入者と見なし
   て、瞬断区間に合図音を挿入する請求項１記載の移動電
   話方式。