JPH066009Y2 - 殺菌装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、一般にゲーベルトップ型と称される牛乳ある
いはジュース類を収容する紙製容器用の筒状ブランクを
殺菌する殺菌装置に関する。

［従来の技術］ 第５図はゲーベルトップ型の紙製容器１を示す。この容
器１は両端が開口した一定長の筒状ブランクを殺菌した
後、加熱、仮折り、シール工程を経て底部２を平底状に
成形する、この後、所要の飲料を充填し、上部３を切り
妻状に形成し、容器１を完成させる。

上記殺菌工程は、一般に、殺菌液をブランクの内周面及
び外周面に噴霧することにより行なわれている。更に、
レンガ状の容器の場合には、包装材を長い帯状に形成
し、この帯状包装材を、殺菌液を収容した容器中に浸漬
して殺菌することが行なわれている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、殺菌液の噴霧による殺菌は、殺菌液の噴霧が不
均一となり、あるいは、その噴霧量が不十分となる恐れ
があり、この場合には殺菌不良を生じる。一方、ブラン
クを殺菌液に浸漬する場合には、殺菌不良の恐れは解消
されるが、しかし、ゲーベルトップ型の容器の場合に
は、ブランクは個々に独立した筒状に成形する必要があ
り、したがって殺菌液に浸漬した後に、この殺菌液を除
去することは容易でない。

本考案は上述に鑑みてなされたもので、殺菌液中に浸漬
した筒状のブランクから、殺菌液を効率よく除去できる
殺菌装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案による殺菌装置は、中空状の飲料容器ブランクを
横向きに保持し、下方に配置された殺菌剤槽中に順次浸
漬させる殺菌装置であって、殺菌剤槽の上方で互いに上
下方向にずれて配置された一対のスプロケットと、これ
らの各スプロケットに連結したユニバーサルジョイント
を両端に有する連結ロッドと、各スプロケットに巻装さ
れ、下端を前記殺菌剤槽中に浸漬した２本のブランク搬
送チェーンと、これらの両搬送チェーンに等間隔で装着
され、搬送チェーンの走行面の外方に突出する複数対の
装着部材と、これらの各装着部材に、搬送チェーンの走
行方向に対して横方向に旋回可能に枢着された複数対の
旋回部材と、各対の旋回部材に枢着され、前記前記走行
面に沿って旋回可能なブランクホルダとを備え、前記ブ
ランクを傾斜させたまま殺菌剤槽中を循環可能としたこ
とを特徴とする。

［作用］ 本考案の殺菌装置によると、上下方向に段違い状に配設
された２個のスプロケットは、両端にユニバーサルジョ
イントを配置した連結ロッドにより互いに同期して回転
される。また、ブランクホルダは、各スプロケットに巻
装されたチェーンに対し、その走行面に沿って旋回可能
に装着されるため、ブランクが傾斜したまま殺菌剤槽中
に浸漬されかつ引上げられる。殺菌剤は傾斜した中空ブ
ランクの内部に、両端開口部を介して出入りすることが
できる。

以下本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。

［実施例］ 第４図は本考案の実施例による殺菌装置５を示し、この
殺菌装置は上記第５図に示すゲーベルトック型容器４を
充填包装するアセプティック充填包装機に用いられるも
のである。

殺菌装置５は無菌チャンバ６を有し、この無菌チャンバ
には、図の右方の入口部５ａから適宜の給紙機構を介し
てブランク４が供給され、殺菌を終えたブランク４は出
口部５ｂから次の工程に送出される。更に、殺菌装置５
は例えば過酸化水素水を収容する殺菌剤槽７と、第１循
環装置９とを有し、この第１循環装置は間欠的に回転し
てブランク４を順次殺菌剤槽７に浸漬させる。殺菌剤槽
７から引上げられたブランク４は、マンドレル機構１０
の周部に放射状に配設された各マンドレルに装着され、
このマンドレル機構の回転中に、各マンドレルから噴出
される空気流により殺菌剤を除去される。この後、ブラ
ンク４は第１循環装置９と同様な第２循環装置１１によ
り、熱風を吹付ける殺菌剤除去槽８中を循環される。

第１図乃至第３図は上記の循環装置を示す。

循環装置は、殺菌剤槽７の上方に配置された一対のスプ
ロケット１８ａ，１８ｂを有する。駆動側スプロケット
１８ａと従動側スプロケット１８ｂは互いに上下方向に
ずれて配置されており、その対向端部はユニバーサルジ
ョイント１９ａ，１９ａを介して連結ロッド１９で結合
されている。これらの各スプロケット１８ａ，１８ｂの
下方の各槽中にはアイドラ（図示しない）が配置されて
おり、これらのスプロケットとアイドラとにそれぞれ長
さの等しい搬送チェーン２０，２０が巻装されている。
したがって、各チェーンの下端は殺菌剤槽７中に配置さ
れた延長している。

これらのチェーン２０，２０には、第３図に示すブラン
クホルダ１４が傾斜した状態で循環するように装着され
る。このブランクホルダ１４は基部の両端から脚部が延
長するコ字状に形成された一対の支持部材１６を有し、
これら一対の支持部材の各脚部に４本の断面Ｌ字状レー
ル１５が対称的に支持されている。各レール１５は第３
図に示すように各柱状のブランク４の４隅の縦方向縁部
を保持し、その縦方向に沿って収容しかつ排出すること
ができる。このブランクホルダ１４の基部には、搬送チ
ェーン２０に取付けるための取付け孔１７が形成されて
いる。

第１図及び第２図に示すように、各搬送チェーン２０は
平行配置の一連のリンクプレート２１をピン２２で互い
に枢着して形成されている。この各搬送チェーンにはそ
れぞれ等しい間隔で断面Ｌ字状の装着部材２３が取付け
られている。この装着部材は板材で形成され、Ｌ字状の
一方の脚部をリンクプレート２１として用いることもで
き、あるいは、リンクプレートに取付けてもよい。いず
れの場合も、他方の脚部は搬送チェーン２０の走行面よ
りも外方に突出し、かつ、その面をリンクプレートに直
交方向に配置して装着される。

装着部材２３の外方脚部には、その板厚方向に通孔が形
成されており、この通孔にブロック２４の基端が固着さ
れている。このブロックの先端が２叉状に形成され、こ
の中に旋回部材であるフランジ付きピン２５の基端が挿
入される。このピン２５はブロック２４の先端２叉部に
枢着され、搬送チェーン２０の走行方向に対して横方向
に旋回することができる。すなわち、搬送チェーン２０
が第１図及び第２図の上下方向に走行すると、ピン２５
は同図の平面内で旋回することができる。

各ピン２５の先端は、旋回を容易とするブッシュ１７ａ
を介して上記ブランクホルダ１４の取付け孔１７内に挿
入される。このピンのフランジ部２５ａ上に支持部材１
６の基部が載置され、反対側の基部面はＣリング２６等
で固定されている。このブランクホルダ１４の取付け
は、第１図に示すようにブランクホルダ１４が、搬送チ
ェーンの走行方向に対して傾斜して配置されるように取
付ける。

搬送チェーン２０に対して上記のようにブランクホルダ
１４が取付けられているため、スプロケット１８ａ，１
８ｂの回転すると、ブランクホルダ１４内に保持された
ブランク４は搬送チェーンの走行方向に対して傾斜した
状態で殺菌剤槽７内に浸漬され、傾斜した状態で引上げ
られる。このため、ブランク４の内面には空気溜りが形
成されず、殺菌剤に均一に接触し、引上げられたととき
に、殺菌剤が内部に残留しない。更に、スプロケットあ
るいはアイドラを回るときは、ブランクホルダ１４は、
互いに交差する軸線を中心として搬送チェーン２０及び
ブランクホルダ１４に対して回転可能な旋回部材すなわ
ちフランジ付きピン２５により、傾斜方向を変化するこ
とができ、滑らかに移動する。

［考案の効果］ 以上明らかなように、本考案によると、ブランクが傾斜
した状態で殺菌剤槽中を通過でき、これによりブランク
内面が殺菌剤に均一に接触しかつ引上げられたときに殺
菌剤が内部に残留することがなく、効率よく殺菌でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例による殺菌装置の構造を示す説
明図、第２図はその一部を拡大した説明図、第３図はブ
ランクを保持するブランクホルダの説明図、第４図は殺
菌装置全体の説明図、第５図はブランクから形成される
容器の斜視図である。 ４……ブランク、７……殺菌剤槽、１８……スプロケッ
ト、１９……連結ロッド、２０……搬送チェーン、２３
……装着部材、２５……旋回部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空状の飲料容器ブランクを横向きに保持
   し、下方に配置された殺菌剤槽中に順次浸漬させる殺菌
   装置であって、殺菌剤槽の上方で互いに上下方向にずれ
   て配置された一対のスプロケットと、これらの各スプロ
   ケットに連結したユニバーサルジョイントを両端に有す
   る連結ロッドと、各スプロケットに巻装され、下端を前
   記殺菌剤槽中に浸漬した２本のブランク搬送チェーン
   と、これらの両搬送チェーンに等間隔で装着され、搬送
   チェーンの走行面の外方に突出する複数対の装着部材
   と、これらの各装着部材に、搬送チェーンの走行方向に
   対して横方向に旋回可能に枢着された複数対の旋回部材
   と、各対の旋回部材に枢着され、前記前記走行面に沿っ
   て旋回可能なブランクホルダとを備え、前記ブランクを
   傾斜させたまま殺菌剤槽中を循環可能としたことを特徴
   とする殺菌装置。