JPH0659687U - ワイヤハーネス用クリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスの外周に取り付けるワイヤハ
ーネス用クリップにおいて、ワイヤハーネス側の係止部
と車体側の係止ポイントとの位置合せをし易くして、ワ
イヤハーネスの車体への配設作業性と作業能率の向上を
図り、併せて、ワイヤハーネス係止機能の安定を図る。 【構成】 ワイヤハーネス用クリップの主部を、「巻着
バンド４によって電線束１８の外周に取り付けるブロッ
ク状の固定部材１」と「固定部材１の枢支ピン孔８に、
下端の枢支ピン７を回転自在に枢支連結し、かつ、頭部
に、車体の嵌着孔１２に嵌着係止する係止部３を有する
可動部材２」との二体物構造になし、可動部材２の頭部
を図示矢印Ｅ方向へ首振り自在になした構造が特徴であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤハーネスの外周に取り付け固定して、頭部の係止部を車体に 係止し、ワイヤハーネスの車体への配設姿勢を整えて保持するのに使用するワイ ヤハーネス用クリップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ワイヤハーネス用クリップは多数の公知例があり、汎用されている構造を大別 すると下記の二種類のものになる。即ち、その一つは、ワイヤハーネスの電線束 の外周に取り付ける基部に、羽根状の一対の弾性係止片からなる係止部を一体に 立設し、その係止部を車体側の嵌着孔に逆止状に嵌着するもの、他の一つは、電 線束の外周に取り付ける基部に、係止用ボルト孔を設け、その係止用ボルト孔に 車体側に突設したスタッドボルトを挿し込み係止するものがある。そして、これ ら公知例のものは、いずれもワイヤハーネス側の前記の係止部・係止用ボルト孔 が、ワイヤハーネスへの姿勢が固定されたリジット状になっており、その係止部 ・係止用ボルト孔を車体側の嵌着孔・スタッドボルトの係止ポイントに係止して 、ワイヤハーネスを車体へ配設保持するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上の従来構造のワイヤハーネス用クリップは、ワイヤハーネスを配設すると き、ワイヤハーネス側の係止部・係止用ボルト孔が、車体側の係止ポイントに「 ぴったり」位置整合するよう、予めワイヤハーネスに取り付けることは実質的に 困難であり、相互に係合させるべき係止部・係止用ボルト孔と係止ポイント間に 若干の位置ずれを生ずることが避けられない。従って、ワイヤハーネスを車体へ 配設固定するとき、その両者の位置合せのために、クリップをずらしたり、ワイ ヤハーネスを引っ張ったり、捩ったりする作業が必要になって作業性が極めて悪 く、時間と手数がかかると共に、その両者の係合不充分によるワイヤハーネスの 係止不備のものを生ずることがある。

【０００４】 本考案は、以上の従来の不具合点を解消するワイヤハーネス用クリップを提供 するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の技術課題を解決する本考案のワイヤハーネス用クリップは、「ワイヤハ ーネスの外周に取り付けたクリップ主部の係止部を、車体側に係止するワイヤハ ーネス用クリップにおいて、前記クリップ主部を、ワイヤハーネスへ取り付ける 固定部材と、前記係止部を頭部に有する可動部材の結合による二体物構成になし 、該可動部材の下端を、該固定部材に回転自在に連結係止し、該可動部材の頭部 を首振り自在になした構造」が特徴である。

【０００６】

【作用】

以上の構成の本考案のワイヤハーネス用クリップは、ワイヤハーネスへ固定す る固定部材と車体への係止部を有する可動部材との二体物構造にして、その可動 部材は、係止部が存在する頭部が、ワイヤハーネス側の固定部材に対して首振り 自在となるので、ワイヤハーネスを車体へ配設するとき、クリップ側の係止部と 車体側の係止ポイント間に位置ずれがあっても、その可動部材の頭部の首振りに よって、位置調整が極めてし易くなり、確実な係止セットができる。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例に基づいて詳しく説明する。まず、本考案の一実施例を示す図１ を参照して、本考案のワイヤハーネス用クリップは、ワイヤハーネスの電線束１ ８へ巻き付ける巻着バンド４を有して、電線束１８へ固定するブロック状の固定 部材１と、この固定部材１に、下端を回転自在に連結し、かつ、車体の嵌着孔１ ２に逆止状に嵌着係止する一対の羽根状の弾性係止片１０からなる公知形状の係 止部３を頭部に有する可動部材２との結合からなる二体物によってクリップ主部 を構成し、係止部３は図示矢印Ｅ方向の左右に首振りができる。

【０００８】 詳しくは、可動部材２は板状のアーム板６の下端の裏側に、枢支ピン７を突設 すると共に、頭部の表面に前記の係止部３が突設され、この係止部３はアーム板 ６の縦軸心９上に立設されてアーム板６の前方に突き出している。そして、固定 部材１には、可動部材２の枢支ピン７を「パチン」と受け入れて「抜け止め状」 に嵌着し、枢支ピン７を回転自在に結合する枢支ピン孔８が設けられている。な お、図中の５は、電線束１８に巻き付けた巻着バンド４を通して係止ロックする バンドロック孔、１１は係止部３の弾性係止片１０を車体の嵌着孔１２に嵌着し たとき、嵌着孔１２の周縁に圧接して係止部３のがたつきを防止する公知の弾性 圧接片である。

【０００９】 そして、図１の（Ｃ）参照、予め固定部材１と可動部材２を結合するか、又は 、予め電線束１８の外周に取り付けた固定部材１に、可動部材２を後付けして一 体物になし、係止部３を適宜首振りさせて車体側の嵌着孔１２に位置を合せて「 パチン」と嵌着して使用される。

【００１０】 つぎに、図２を参照して本考案の他の実施例を説明する。即ち、この図２のも のは、車体側に突設したスタッドボルト１６に、クリップ側の係止用ボルト孔１ ３を嵌入着してワイヤハーネスを車体に配設するワイヤハーネス用スタッドクリ ップであり、このスタッドクリップも、ワイヤハーネスに固定する固定部材１と 、車体のスタッドボルト１６へ嵌着する係止用ボルト孔１３を有する係止部３を 頭部になす可動部材２との二体物構造になっている。

【００１１】 詳しくは、可動部材２は、アーム板６の下端の連結円柱部１４とアーム板６の 頭部の円柱状の係止部３を有し、その連結円柱部１４と係止部３が平行すると共 に、係止部３の軸心に沿って係止用ボルト孔１３が貫設されている。そして、固 定部材１は巻着バンド４を有するブロック状をなし、上部に、前記の連結円柱部 １４を回転自在に受け入れて、固定部材１と可動部材２を一体に連結する雌形連 結部１５が設けられている。なお、この実施例のスタッドボルト１６の外周と係 止用ボルト孔１３の内周には、両者を嵌着させたとき相互にかみ合って抜け止め 作用するかみ合い周条１７が形成されている。

【００１２】 そして、可動部材２の頭部の係止部３を適宜首振りして位置合せし、車体側の スタッドボルト１６に係止用ボルト孔１３を嵌着して使用される。以上の各実施 例のワイヤハーネス用クリップは前記の作用があり、係止部３と嵌着孔１２等と の位置合せが、極めてし易くなって作業能率が向上すると共に、係止部３と嵌着 孔１２等との係合不備が防止できる。

【００１３】 なお、本考案のワイヤハーネス用クリップは、前記の実施例に限定されず、図 示しないが、嵌着バンド４以外の電線束取り付け手段のものに応用するものであ り、さらに、前記のかみ合い周状１７が存在しないばか孔の係止用ボルト孔１３ になし、そのボルト孔から突き出したスタッドボルトの先端にナットを螺合して 係止ロックする係止部３の構造になす等の変化がある。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明のとおり、本考案のワイヤハーネス用クリップは、車体側の係止ポ イントとワイヤハーネス側の係止部の位置合せがし易くなると共に、その両者の 係止セットが確実に行えるので、ワイヤハーネスの車体への配設保持作業の作業 性と作業能率を特段に向上すると共に、ワイヤハーネスの係止機能が安定する効 果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例のワイヤハーネス用クリップを
示し、図中の（Ａ）はその斜視図、図中の（Ｂ）はその
構成部材の斜視図、図中の（Ｃ）はその使用状態の斜視
図

【図２】本考案の他の実施例のワイヤハーネス用クリッ
プを示し、図中の（Ａ）はその斜視図、図中の（Ｂ）は
その構成部材の斜視図、図中の（Ｃ）はその使用状態の
斜視図

【符号の説明】

１ 固定部材 ２ 可動部材 ３ 係止部 ４ 巻着バンド ６ アーム板 ７ 枢支ピン ８ 枢支ピン孔 １０ 弾性係止片 １２ 嵌着孔 １３ 係止用ボルト孔 １４ 連結円柱部 １５ 雌形連結部 １６ スタッドボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤハーネスの外周に取り付けたクリ
   ップ主部の係止部を、車体側に係止するワイヤハーネス
   用クリップにおいて、前記クリップ主部を、ワイヤハー
   ネスへ取リ付ける固定部材と、前記係止部を頭部に有す
   る可動部材の結合による二体物構成になし、該可動部材
   の下端を、該固定部材に回転自在に連結係止し、該可動
   部材の頭部を首振り自在になした構造を特徴とするワイ
   ヤハーネス用クリップ。