JPH0657628A - 獣毛繊維構造物の改質加工方法 - Google Patents

獣毛繊維構造物の改質加工方法

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JPH0657628A
JPH0657628A JP22801692A JP22801692A JPH0657628A JP H0657628 A JPH0657628 A JP H0657628A JP 22801692 A JP22801692 A JP 22801692A JP 22801692 A JP22801692 A JP 22801692A JP H0657628 A JPH0657628 A JP H0657628A
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JP
Japan
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animal hair
hair fiber
treatment
fiber structure
fiber structures
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Pending
Application number
JP22801692A
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English (en)
Inventor
Toshio Saito
俊夫 斉藤
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、獣毛繊維構造物に蛋白質分解酵素
を含有する処理液を付与した後、湿潤状態でマイクロ波
照射処理することを特徴とする。 【効果】 本発明方法により得られた獣毛繊維構造物
は、卓越した風合い,染着性を有し、カジュアル用途等
として頗る有用であり、従来獣毛繊維構造物が用い得な
かった用途にも可能なものである。又、本発明は、加熱
短時間の改質方法であるため、省エネルギー,省水型で
あり、コストダウンに頗る有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は獣毛繊維構造物の改質加
工方法に係わり、更に詳細には風合い,染着性に優れた
獣毛繊維構造物を得うる改質加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】獣毛は、天然繊維および合成繊維の中で
も、最も理想的な繊維であるといわれている。これは、
表面のキューティクルが撥水性を示し水を弾くにもかか
わらず、内部のコルテックスは親水性であるため吸湿性
や吸水性をも示すからである。従って、獣毛はできるだ
け加工により手を加えずに、素材を生かす方向で処理さ
れてきたが、近年生活の多様化、個性化に対応すべく、
高付加価値付与の展開が求められてきている。
【0003】そこで獣毛繊維自身に種々の機能を付与す
る改質方法の一つとして、蛋白質分解酵素で処理を行
い、風合と染色性を改良する方法が提案されている。従
来、獣毛繊維の蛋白質分解酵素による改質に関しては通
常ウィンス染色機,ビーム染色機等によるバッチ法が行
われており、パッドースチーム法やパッドーキュア法に
よる連続法は実施されていない。これは100℃または
100℃以上の湿熱処理や乾熱処理では蛋白質分解酵素
が失活していまい、十分な改質効果が得られないからで
ある。しかしながら、バッチ法による蛋白質分解酵素処
理は、生産性が向上しないという問題と、更にロット間
に風合,染色性にばらつきが発生するという問題があ
り、問題の解決が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、蛋白質
分解酵素による獣毛繊維構造物の改良について鋭意研究
を続けた結果、前記既存法の有する諸問題の悉くが解消
された新規改良法を見い出し本発明を完成したものであ
る。本発明の目的は、卓越した風合と染色性を有する獣
毛繊維構造物の連続改質加工方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、獣毛繊維
構造物に蛋白質分解酵素を付与した後、湿潤状態でマイ
クロ波照射処理することを特徴とする獣毛繊維構造物の
改質加工方法により達成される。
【0006】以下、本発明の構成要件について詳述す
る。本発明において使用される獣毛繊維としては、羊
毛,カシミア,モヘア,アルパカ,らくだ,兎の毛等が
挙げられる。そして獣毛繊維構造物とは、これら獣毛繊
維よりなるバラ,スライバー等の紡糸前の原毛,糸,織
物,編物,不織布,衣類等を意味し、勿論これら繊維構
造物中にはセルロース系繊維,絹,合成繊維等を含有し
ても良いことは云うまでもない。
【0007】本発明で使用する蛋白質分解酵素はアルカ
リ性,中性,酸性領域で安定でかつ活性化する黴などの
微生物起源の細菌プロテアーゼを挙げることができる。
処理液のpHは夫々のプロテアーゼが活性となる領域で
用いられる。アルカリプロテアーゼで処理する際は、強
アルカリでは脆化するため弱アルカリ剤として炭酸ソー
ダ,炭酸カリ,重曹,ソーダ灰,トリポリ燐酸ソーダ,
硫酸アンモニウム,酢酸アンモニウムが用いられる。中
性で行う場合、緩衝液を用いる。例えば燐酸二水素カリ
−燐酸水素二ソーダ2水塩を使う。酸性で行う場合、使
用する酸は蟻酸,酢酸,硫酸,蓚酸,燐酸,硝酸,硼
酸,酒石酸,琥珀酸,林檎酸,枸櫞酸などが用いられる
が、これら酸単独で用いるよりその塩との混合による緩
衝溶液を用いるほうがよい。
【0008】さらに均一に浸透させるために界面活性剤
を加えたほうがよい。界面活性剤の例としては石鹸,硫
酸化油,高級アルコールの硫酸エステル塩,スルホン化
脂肪酸アミドまたはアルキルベンゼンあるいはアルキル
ナフタレンのスルホン酸塩、スルホ琥珀酸エステル塩,
ポリエチレンオキサイドまたはポリプロピレンオキサイ
ドなどの縮合物およびこれらの脂肪酸エステル,アルキ
ルエーテル,アルキルフェニルエーテル,アルキルアミ
ン,アルカノイルアミド縮合物が挙げられる。
【0009】かかる蛋白質分解酵素を含有する処理液を
獣毛繊維構造物に付与する方法としては、パディング
法,スプレー法等が挙げられる。そして必要であれば引
き続きピックアップ率50〜250%に搾液し、蛋白質
分解酵素が繊維重量に対して〜 重量%付着した状態
にする。付着量が 重量%未満では効果が少なく、ま
た 重量%を超しても効果の割に経済的でない。
【0010】次いで、乾燥することなく獣毛繊維構造物
をマイクロ波照射処理する。マイクロ波の周波数は24
50MHzで照射するのが好ましく、出力は300〜7
00Wが好ましい。照射タイミングは、例えば、出力が
500Wの場合、蛋白質分解酵素水溶液を、ピックアッ
プ率100〜250%で絞液し2分間照射した後、繰り
返して含浸,絞液,照射する。繰り返し総計時間6分
(2分を3回繰り返し)〜16分(2分を8回繰り返
し)好ましくは8分(2分を4回繰り返し)〜12分
(2分を6回繰り返し)で照射する。処理された獣毛繊
維は水洗後脱水する。
【0011】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。尚、風合,染着性,強力は下記の方法により測定
した。 (1)風合 川端式風合試験法(KES)による曲げ剛性特性の試験
を行った。数字は小さいほど柔らかい。 (2)染着性 C.I.Reactive Black 5 100g
/ lを用いてpH9にてパッド・ドライ・ベーキング法
により常法に従い染色した。分光光度計により、630
nmでのK/S値を測定し、比較例で得られたものを1
00とした場合の実施例の濃度を示す。 (3)強力 JIS L−1096により引裂強力を測定した。
【0012】(実施例1)羊毛梳毛糸経糸1/52,緯
糸1/49からなる目付170g/m2 密度87×74
の綾織物を、アルカリプロテアーゼ(商品名プロテアー
ゼ「S」アマノ、天野製薬株式会社製品)30g/ l,
重曹2g/ l,非イオン系界面活性剤(商品名アミラジ
ンD、第一工業製薬株式会社製品)2g/ lの水溶液に
含浸ピックアップ率200%で搾液後、マイクロ波は透
過するが蒸気を通さないフィルムで密封し2450MH
zのマイクロ波発生装置で500W10分(2分を5回
繰り返し)照射した後煮沸水にて洗浄、乾燥した。図1
は実施例1により得られた製品の繊維の形状を示す写真
である。羊毛表皮鱗片が剥離され隙間ができるため、染
料の浸透性が良くなり、風合も向上する。
【0013】(比較例1)実施例1において、フィルム
で密封し、マイクロ波照射処理を行わずに、スチーミン
グ処理を行った。図2は、比較例1により得られた製品
の繊維の形状を示す写真である。実施例1と比べ羊毛表
皮鱗片の剥離の程度が少ない。
【0014】実施例1及び比較例1の処理後の風合,染
着性,強力の評価結果を表1に示す。
【表1】 表1より、本発明では強力が著しく低下することなく、
風合が柔らかく、染着性の優れた繊維が得られた。
【0015】(実施例2)30番手綿、羊毛梳毛糸1/
52の混紡糸(70:30)からなる目付170g/m
2 密度98×66の綾織物をアルカリプロテアーゼ(商
品名プロレザー、天野製薬株式会社製品)20g/ l,
重曹2g/ l,非イオン系界面活性剤(商品名アミラジ
ンD、第一工業製薬株式会社製品)2g/ lを含む溶液
をパッドした後ピックアップ率170%絞液し、マイク
ロ波は透過するが蒸気を通さないフィルムで密封し、2
450MHzのマイクロ波発生装置で500W10分
(2分を5回繰り返し)照射した後煮沸水にて洗浄、乾
燥した。
【0016】(比較例2)実施例2において、フィルム
で密封し、マイクロ波照射処理を行わずに、スチーミン
グを行った。
【0017】実施例2及び比較例2の処理後の風合,染
着性,強力の評価結果を表2に示す。
【表2】 表2より、本発明では強力が著しく低下することなく、
風合が柔らかく、染着性の優れた繊維が得られた。
【0018】尚、実施例で得られたものは、従来のバッ
チ法で得られたものとほぼ同等の風合,染着性を有する
ものであった。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法により
得られた獣毛繊維構造物は、卓越した風合い,染着性を
有し、カジュアル用途等として頗る有用であり、従来獣
毛繊維構造物が用い得なかった用途にも可能なものであ
る。又、本発明は、加熱短時間の改質方法であるため、
省エネルギー,省水型であり、コストダウンに頗る有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた製品の繊維の形状
を示す写真である。
【図2】本発明の比較例1で得られた製品の繊維の形状
を示す写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】かかる蛋白質分解酵素を含有する処理液を
獣毛繊維構造物に付与する方法としては、パディング
法,スプレー法等が挙げられる。そして必要であれば引
き続きピックアップ率50〜250%に搾液し、蛋白質
分解酵素が繊維重量に対して0.05〜30重量%付着
した状態にする。付着量が0.05重量%未満では効果
が少なく、また30重量%を超しても効果の割に経済的
でない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 獣毛繊維構造物に蛋白質分解酵素を含有
    する処理液を付与した後、湿潤状態でマイクロ波照射処
    理することを特徴とする獣毛繊維構造物の改質加工方
    法。
JP22801692A 1992-08-03 1992-08-03 獣毛繊維構造物の改質加工方法 Pending JPH0657628A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511915A (ja) * 2001-12-06 2005-04-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 造形された非熱可塑性繊維状材料に保留性を与えるための方法
CN102787512A (zh) * 2012-07-17 2012-11-21 东华大学 一种毛及其织物染色助剂及其制备方法和应用
CN105463729A (zh) * 2016-01-06 2016-04-06 内蒙古德升绒毛制品有限责任公司 粗梳梭织羊绒围巾防缩绒处理工艺

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