JPH0654471A - 回転電機の電機子 - Google Patents

回転電機の電機子

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JPH0654471A
JPH0654471A JP22086992A JP22086992A JPH0654471A JP H0654471 A JPH0654471 A JP H0654471A JP 22086992 A JP22086992 A JP 22086992A JP 22086992 A JP22086992 A JP 22086992A JP H0654471 A JPH0654471 A JP H0654471A
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JP
Japan
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core
armature
electric machine
winding
salient pole
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Pending
Application number
JP22086992A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Shimada
秀敏 島田
Norihide Yoshida
典英 吉田
Atsushi Yamashita
淳 山下
Masayuki Ishikawa
政幸 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高価なプレス機械設備や金型が不要で、コアの
素材の無駄がなく、磁気的方向性のある素材を活用して
特性を向上させることができ、組立工程が簡単で、傘部
相互間の開口部を極めて小さくすることができる回転電
機の電機子を得る。 【構成】巻線用の開口部48および界磁に対向する突極
44を備えた鉄心40と突極44に巻回された巻線50
とを有する回転電機の電機子。鉄心40は、コア材42
が複数重ねられることによって形成され、コア材42の
重ねあわせ面は回転中心軸を含む平面内にあり、コア材
42の重ねあわせ部によって突極44が形成されてい
る。コア材42の先端部を折り曲げて、周方向の傘部4
6を形成してもよい。コア材の磁化容易軸C方向を巻線
50による磁束発生方向と一致させてもよい。コア材の
表面に絶縁層を設けててもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄心を有してなる回転
電機の電機子に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄心を有してなる回転電機の電機子の従
来例として、特開平2−146942号公報、特開昭6
3−157650号公報記載のものなどがある。従来の
鉄心を有してなる回転電機の電機子の上記鉄心は、ま
ず、平板の素材をプレスにより打ち抜いてコア材とする
工程と、このコア材を複数枚積層する工程の2工程から
なる。図15は従来の回転電機の電機子の例で、中心の
軸孔16と、放射方向の複数の突極12と、各突極12
の先端部に形成された部分円弧状の傘部14とを有して
なるコア材11を有してなる。コア材11は、珪素鋼板
などの平板の素材をプレスにより打ち抜いたもので、コ
ア材を複数枚積層することによって鉄心10が構成され
ている。上記傘部14相互間には巻線用の開口部19が
形成されている。
【0003】上記コア材11の製法の例を図16に示
す。図16(a)に示す珪素鋼板などの平板の素材18
をプレスにより打ち抜き、図16(b)および図15に
示すようなコア材11を得る。
【0004】図17は、上記鉄心10を有する電機子を
用いたモータの例を示す。図17において、カップ状の
モータケース22の開放端には端板24が嵌められ、モ
ータケース22の底部中央と端板24に嵌められた軸受
26,26によって回転軸28が支承されている。回転
軸28には、モータケース22内部において上記コア材
11が積層されてなる鉄心10が嵌合固着されている。
積層された各コア材11の突極12の部分には巻線20
が巻回されている。突極12の先端の前記傘部14は、
モータケース22の内周側に固定された界磁マグネット
30の内周面に所定の間隙をおいて対向している。回転
軸28には整流子32が取付けられ、整流子32にはブ
ラシ34が摺接している。周知のとおり、ブラシ34と
整流子32を経て巻線20への通電が制御され、鉄心1
0、巻線20等を有してなるロータが回転駆動される。
【0005】上記巻線20は鉄心10から絶縁されてい
なければならない。絶縁手段は各種あるが、例えば図1
8に示すように、鉄心10の回転軸28方向の両端面に
コア材の平面形状とほぼ同じ形状の樹脂等でなる絶縁板
35を重ね、絶縁板35の上から巻線を巻回すようにし
たものがある。そして、絶縁板35には位置決め突起3
6を形成し、この位置決め突起36に整流子の位置決め
用切欠きを嵌めることにより、鉄心10の各突極と整流
子との回転方向の相対位置を精度よく出すようにしたも
のもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の回
転電機の電機子によれば、板状の素材を打ち抜いてコア
材を得るため、高価なプレス機械設備と金型が必要で
ある、コア材は素材を打ち抜いて得るため、磁気的な
方向性をもった素材を使用することができず、高性能の
素材を活用することができない、図14から明らかな
とおり、コア材として打ち抜かれた部分以外の素材は不
要となり、無駄な材料部分が多い、薄いコア材を複数
枚積み上げるため、組立工程に要する時間が長い、傘
部相互間の開口部は、突極に巻線を施すためある程度大
きくする必要があるため、磁束を有効に取り込むことが
できないし、コギングが大きくなる、というような問題
を生じる。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、高価なプレス機械設備や金型が不要で、コアの素材
の無駄がなく、磁気的な方向性のある素材を活用して特
性を向上させることができ、組立工程が簡単であり、傘
部相互間の開口部を極めて小さくすることができる回転
電機の電機子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、巻線用の開口部および突極を備えた鉄心と
突極に巻回された巻線とを有する回転電機の電機子にお
いて、鉄心は、コア材を少なくとも2枚重ねることによ
って形成し、これらコア材の重ねあわせ面は回転中心軸
を含む平面又は回転中心軸を含む平面に平行な平面内内
にあり、これらコア材の重ねあわせ部によって突極を形
成した。コア材の先端部を折り曲げることにより、周方
向に延設した傘部を形成することができる。傘部相互の
開口部は回転軸に対し傾斜させてもよい。コア材の磁化
容易軸方向を巻線による磁束発生方向と一致させてもよ
い。コア材の表面に絶縁層を設けてもよい。
【0009】
【作用】板状の素材を適宜の長さに切断してこれをコア
材とし、このコア材を少なくとも2枚重ねることによっ
て鉄心を得ることができる。これらコア材の重ねあわせ
部が突極となり、この突極部分に巻線を施すことによっ
て電機子を構成することができる。巻線を通電制御する
と、電機子と界磁との間に回転駆動力が発生する。コア
材の先端部を折り曲げて周方向に延設した傘部を形成す
れば、界磁からの磁束を有効に取り込むことができる。
傘部相互間の開口部を回転軸に対し傾斜させるとコギン
グが低減される。磁気的な方向性を有するコア素材を用
い、コア材の磁化容易軸方向を巻線による磁束発生方向
と一致させると、磁束密度を高くすることができる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明にかかる回
転電機の電機子の実施例について説明する。図1におい
て、符号40は電機子の鉄心を示す。鉄心40は、巻線
用の開口部48および多極着磁された図示されない界磁
に対向する突極44を備えている。上記突極44には巻
線50が巻回されて回転電機の電機子を構成している。
鉄心40は、図示の実施例ではコア材42が3枚重ねら
れることによって形成されている。より具体的には、各
コア材42は中心角が120°になるようにV字状に折
り曲げられ、各コア材42が背中合せ状に重ねあわせら
れている。これらコア材42相互の重ねあわせ面は回転
中心軸を含む平面内又は回転中心軸を含む平面に平行な
平面内にあり、各コア材42相互の重ねあわせ部によっ
て上記突極44が形成され、各突極44に巻線50が巻
回されている。各コア材42の先端部は折り曲げられて
周方向に延設された傘部46が形成されている。各傘部
46相互間に上記開口部48が形成されている。重ねあ
わせられた各コア材42の中心部には回転軸52が挿入
され溶接等の手段によって固定されている。
【0011】次に、上記鉄心40およびこれを用いた電
機子の製造方法の例を説明する。まず、図2(a)に示
す板素材41を適宜の長さの長方形状に切断し、これを
所定の中心角のV字状になるように折り曲げ加工して図
2(b)に示すようなコア材42を得る。曲げ加工は、
素材の長手方向の中心付近の平行な2本の線に沿って行
う。上記板素材41が例えば方向性珪素鋼板のように圧
延方向に磁化容易軸Cがある場合は、磁化容易軸Cが長
手方向になるように切断し、図2(b)に示すように曲
げ加工する。次に、図2(c)に示すように、曲げ加工
した3個のコア材42を背中合せにし、平面形状がほぼ
Y字状になるように重ねあわせ、溶接等の手段で一体に
結合する。図示の例ではスポット溶接54によって結合
している。隣合ったコア材42の互いに重なりあった部
分が突極44となる。この突極44は合計3個放射方向
に延びでている。
【0012】次に、図2(d)に示すように、3個のコ
ア材42の中心に回転軸52を挿入し、溶接等の手段で
固定する。上記のようにコア材42の長手方向の中心付
近の平行な2本の線に沿って曲げ加工が行われているた
め、3個のコア材42を背中合せに重ねあわせたとき、
中心部に空間ができる。この空間に回転軸52を挿入し
固定する。各コア材42の重ねあわせ面は、回転軸52
の回転中心軸線を含む平面内にある。次に、各突極44
の部分に巻線50を巻回す。ここでは、各突極44の先
端に傘部がなく、巻線空間を制限するものがないため、
巻線工程を容易に進めることができるし、巻線50の巻
回数を多くすることができる。次に、図2(d)に2点
鎖線で示すように、各コア材44の両端部を折り曲げ加
工して周方向に延設した傘部46を形成する。こうし
て、図1に示したような電機子が得られる。
【0013】なお、上記製造方法の中で、回転軸52の
固定は、巻線工程のあとまたは傘部46を形成したあと
に行ってもよい。また、傘部46の形成は、図2(b)
に示すV字状に折り曲げる工程で同時に行ってもよい。
もっとも、傘部46を形成するかどうかは任意であり、
傘部46を形成しないこともありえる。巻線50を巻回
す前に各コア材42を絶縁処理することもある。
【0014】図3、図4に示すように、コア材42を作
る板素材41は、その表面に絶縁層56を設けたものに
してもよい。こうすれば、板素材41自体が直接絶縁さ
れているため、コア材42と巻線50との絶縁を簡単か
つ安定に行うことができ、絶縁のための別部品が不要で
あるという利点がある。また、図4に示すように、重な
ったコア材42相互が絶縁層56で絶縁されるため、渦
電流損がなくなるという利点がある。さらに、素材の状
態または半製品の状態でも素材の表面と空気との接触が
絶縁層で遮断されるため、錆の発生がなく、長期の保存
が可能になるという利点もある。
【0015】次に、以上説明した電機子を用いたモータ
の例について説明する。図5、図6において、カップ状
のモータケース58の開放端には端板60が固定されて
いる。モータケース58の底部中央と端板60の中央に
は軸受62,62が嵌められ、軸受62,62によって
前記電機子の回転軸52が回転自在に支承されている。
回転軸52には、前述のように3個のコア材でなる鉄心
40が一体に取付けられており、モータケース58内部
において鉄心40が回転軸52とともに回転することが
できる。鉄心40の突極44の部分には巻線50が巻回
されている。突極44の先端の前記傘部46は、モータ
ケース58の内周側に固定されたリング状の界磁マグネ
ット64の内周面と所定の間隙をおいて対向している。
回転軸52には整流子68が取付けられ、整流子68に
はブラシ70が摺接している。ブラシ70と整流子68
を経て巻線50への通電が制御されることにより、鉄心
40、巻線50等を有してなる電機子が回転駆動され
る。
【0016】以上説明した回転電機の電機子の実施例に
よれば、鉄心40を、複数のコア材42を重ねることに
よって形成し、各コア材42の重ねあわせ面が回転中心
軸を含む平面内又は回転中心軸を含む平面に平行な平面
内に存在するようにし、各コア材42の重ねあわせ部に
よって突極を形成したため、板状のコア素材をそのまま
適宜の長さに切断し、これを折り曲げ加工してコア材4
2とすることが可能になり、加工機械は小型の切断機お
よび曲げ加工機があれば足り、高価なプレス機械や金型
を用いる必要がなくなった。これにより、少量他品種生
産に迅速に対応することができ、また、コア素材は打ち
抜くのではなく、適宜の長さに切断して用いるため、材
料の無駄がほとんどなくなる。
【0017】また、従来のように打ち抜きでコア材を得
るものにあっては、素材に磁気的な方向性があると磁気
特性が周方向に不均一となるため使用することができな
かったが、上記実施例によれば、磁気的な方向性のある
方向性珪素鋼板などを活用することができ、コア材の磁
化容易軸を巻線による磁束発生方向と一致させることが
できるため、全体の磁束密度を20%程度向上させるこ
とができ、これによって特性を向上させることができ
る。
【0018】さらに、巻線後に突極44の先端部を曲げ
加工して傘部46を形成するようにすれば、傘部46を
形成する前に巻線50を施すことができるから、巻線作
業が極めて容易であるし、巻線空間を最大限に利用して
巻回すことができるため、巻線50の巻回数を多くする
ことができる。また、巻線後に傘部46を形成すること
ができるため、傘部46相互の開口部の間隔は極限まで
小さくすることができ、もって、コギングの低減を図る
ことができるし、磁束を有効に取り込むことができるた
め効率の高い回転電機を得ることができる。
【0019】次に、本発明の各種変形例について説明す
る。図7、図8は、前述のようなV字状に折り曲げられ
た3個のコア材42を背中合せに重ねあわせて鉄心72
を形成するに当り、各コア材42の間にコア74を介在
させて突極幅を大きくし、鉄心72を通る磁束の増大を
図ったものである。上記コア74はコア材42と同様に
V字状に折り曲げにより形成されている。ただし、傘部
46は有していない。一つのコア材42に数枚のコア7
4を重ね、これらを背中合わせ状に重ねあわせて鉄心7
2を形成している。コア74相互およびコア74とコア
材42との重ねあわせ面は回転中心軸を含む平面内にあ
る。このように構成された鉄心72は、前記実施例にか
かる電機子の鉄心と同様に回転電機の電機子鉄心として
適用可能である。図8は上記鉄心72を用いたモータの
例の概略を示すもので、コア74を挾み込んでなるコア
材42の突極44の部分に巻線50が巻回されている。
その他の構成は図5、図6に示すモータの例と同様であ
る。
【0020】図7、図8に示す例によれば、各コア材4
2の間にコア74を介在させたため、突極幅が大きくな
って鉄心72を通る磁束が増大し、出力が増大する。ま
た、コア74はコア材42と同様に、板状の素材を切断
し折り曲げることによって作ることができるため、磁気
的な方向性をもった板状の素材を用いることができ、こ
れによってさらに磁束の増大を図ることができる。
【0021】各コア材42の間にコアを介在させた別の
例としては、図9に示すような構成のものでもよい。図
9に示す例は、V字状に折り曲げられた複数のコア材4
2を背中合わせ状に重ねあわせて鉄心78を形成するに
当り、各コア材42の間に、複数のコア76を軸方向に
積層して介在させたものである。従って、複数のコア7
6の積層面は回転中心軸線を含む平面に対して直交方向
の面となる。この例の場合も、突極幅が大きくなって鉄
心72を通る磁束が増大し、出力が増大するという効果
があるが、各コア76はほぼY字状に形成されているた
め、板材の打ち抜きによって作ることになる。しかしな
がら、コア材42はこれまで説明した実施例と同様のも
のであるから、これまで説明した実施例と同様の作用効
果を奏する。
【0022】本発明にかかる電機子によれば、巻線用の
開口部を、コギング低減のために回転軸に対して傾斜さ
せることも容易である。図10はその例を示す。まず
(a)に示すように、板状の素材80を所定の長さに切
断するに当たり、切断面82を素材80の側面に対し所
定角度傾斜させ、平行四辺形の板とする。次にこの平行
四辺形の板の長手方向中央付近の2本の線84と両端寄
りの2本の線86に沿って折り曲げ成形する。上記各線
84,86は素材80の側面に対し直交している。図1
0(b)はこのようにして折曲成形されたコア材88を
示しており、上記線84に沿って折り曲げられることに
よりほぼV字状をなし、また、線76に沿って折り曲げ
られることにより両端部に傘部92が形成されている。
この両端の傘部92相互間、従って素材80の両端の切
断面82相互間に巻線用の開口部94が形成されるが、
上記切断面82は所定角度傾斜させられているため、上
記開口部94は回転軸線に対して傾斜している。このよ
うなコア材はこれまで説明してきた実施例と同様に適宜
数が背中合せ状に重ねあわせられて鉄心が形成され、回
転電機の電機子として供せられる。
【0023】図10(b)に示すようなコア材を用いれ
ば、開口部94が回転軸線に対して傾斜していていわゆ
るスキューがかかっているため、コギングおよび回転む
らの低減効果がある。ちなみに、従来の電機子のよう
に、打ち抜いて形成した複数枚のコア材を軸方向に積み
上げたものにおいて開口部にスキューを設けようとする
と、一つ一つのコア材を少しずつ回転方向にずらして位
置決めしながら積み重ねる必要があり、組立および部品
加工がはなはだ面倒である。しかし、本発明にかかる電
機子によれば、板状の素材の切断と折り曲げとによっ
て、開口部にスキューを設けた電機子を容易に得ること
ができる。
【0024】本発明にかかる電機子を適用すれば、整流
子の位置決め構造を容易に組み込むことができる。図1
1、図12はその例を示す。まず図11(a)に示すよ
うに、板状の素材41を所定の長さに切断した後、また
は切断と同時に、素材41の長手方向の一側縁部中央に
整流子の位置決め基準となる切欠95を形成しておく。
この素材41をこれまでの実施例と同様に折曲成形して
ほぼV字状のコア材42を作り、このコア材42を複数
個背中合せ状に重ねあわせて図11(b)に示すような
鉄心40を作る。鉄心42の突極44の部分には巻線を
施す。この鉄心40の中心部には図12に示すように回
転軸52を挿入し溶接等によって固定し、さらに回転軸
52には鉄心42の上記切欠95の形成端側から整流子
96を挿入し固定する。整流子96は、絶縁体からなる
ホルダ97と、ホルダ97によって保持され全体として
円筒形をなす複数個の整流子片98と、各整流子片98
と一体でホルダの周面から外方に突出した端子100
と、ホルダ97に一体成形された複数個の位置決め突起
99とを有してなる。
【0025】上記整流子96を回転軸52に挿入し、上
記各位置決め突起99を鉄心40の各切欠95に嵌めて
整流子96を位置決めし、この状態で適宜の手段により
鉄心40に固定する。この実施例によれば、各位置決め
突起99と各切欠95とを嵌めあわせるだけで各突極と
各整流子片98との回転方向の相対位置関係が定まるた
め、組立調整が容易である。ちなみに、図18に示す従
来例のように鉄心10に重ねた絶縁板35に位置決め突
起36を設けてこれを整流子側の位置決め凹部に嵌めあ
わせるものにあっては、鉄心10に対する絶縁板35の
相対位置関係を精度よく調整した上で整流子を位置決め
しなければならず、調整作業が面倒で位置精度は必ずし
もよくない。しかし、図11、図12に示す例によれ
ば、切欠95と突起99との嵌めあわせだけで相対位置
関係が決まるため、調整が極めて簡単であるし、位置精
度も良好である。
【0026】図1、図2に示した実施例をさらに工夫す
れば、より優れた効果を奏する電機子を得ることができ
る。図13、図14に示す実施例がそれで、各コア材4
2の突極44の先端部44aの軸方向の幅を、突極44
のリブ部の幅よりも大きくしたものである。このように
して幅が拡大された突極先端部44aを周方向に折り曲
げることにより突極傘部46が形成される。そのほかの
構成は図1、図2の実施例と同じであるから同じ構成部
分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】図13、図14に示す実施例によれば、各
コア材42の突極先端部44aの軸方向の幅を、突極4
4のリブ部の幅よりも大きくしたことにより、突極傘部
46の面積が拡大されるため、界磁磁束を有効に取り込
むことができ、効率の高い回転電機を得ることができ
る。ちなみに、従来の回転電機の電機子のように、打ち
抜きによって作った複数枚のコア材を軸方向に積み上げ
たものにおいてより大きくの界磁磁束を取り込もうとす
ると、別部品として作った集磁ヨークを積層コアの両端
に積み重ねる必要があり、部品加工と組立が極めて面倒
である。しかし、図13、図14に示す実施例によれ
ば、板状の素材の切断と折り曲げとによって突極傘部4
6に集磁構造をもった電機子を容易に得ることができ
る。
【0028】なお、本発明はモータに限らず発電機にも
適用可能である。また、電機子回転型に限らず、界磁回
転型の回転電機にも適用可能であり、かつ、アウタロー
タ型にもインナーロータ型にも適用可能である。突極数
は特に限定されるものではなく、例えば2極でもよい。
2極の場合は、コア材はほぼ直線状のものが2個重ね合
わされることになる。シリンダモータやアウタロータモ
ータなどの場合には回転軸はない場合もある。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、鉄心を、複数のコア材
を重ねることによって形成し、これらコア材の重ねあわ
せ面が回転中心軸を含む平面内又は回転中心軸を含む平
面に平行な平面内に存在するようにし、これらコア材の
重ねあわせ部によって突極を形成したため、板状のコア
素材をそのまま適宜の長さに切断し、これを折り曲げ加
工してコア材とすることが可能になり、加工機械は小型
の切断機および曲げ加工機があれば足り、高価なプレス
機械や金型を用いる必要がなくなった。これにより、少
量他品種生産に迅速に対応することができ、また、コア
素材は打ち抜くのではなく、適宜の長さに切断して用い
るため、材料の無駄がほとんどなくなる。
【0030】また、巻線後に突極の先端部を曲げ加工し
て傘部を形成することもできるため、傘部を形成する前
に巻線を施すことができ、巻線作業が極めて容易である
し、巻線空間を最大限に利用して巻回すことができるた
め、巻線の巻回数を多くすることができる。さらに、巻
線後に傘部を形成すれば、傘部相互間の巻線用開口部の
間隔は極限まで小さくすることができるから、コギング
の低減を図ることができるし、磁束を有効に取り込むこ
とができるため効率の高い回転電機を得ることができ
る。
【0031】本発明によれば、板状の素材を折り曲げ加
工することによりコア材を形成することができるため、
請求項4記載の発明のように、傘部相互間の巻線用開口
部を回転軸に対して傾斜させることも容易であり、これ
によってコギングと回転むらの少ない回転電機を得るこ
とができる。
【0032】本発明によれば、磁気的な方向性のある方
向性珪素鋼板などを活用することができるため、請求項
5記載の発明のように、コア材の磁化容易軸を巻線によ
る磁束発生方向と一致させることができ、これによって
全体の磁束密度を向上させ、特性を向上させることがで
きる。
【0033】請求項6記載の発明のように、コア材の表
面に絶縁層を設ければ、コア材と巻線との絶縁を簡単か
つ安定に行うことができるし、絶縁のための別部品が不
要であるという利点がある。また、重ねあわせられたコ
ア材相互が絶縁層で絶縁されるため、渦電流損がなくな
るという利点がある。さらに、素材の状態または半製品
の状態でも素材の表面と空気との接触が絶縁層で遮断さ
れるため、錆の発生がなく、長期の保存が可能になると
いう利点もある。
【0034】請求項7記載の発明のように、コア材の先
端部の軸方向の幅を、リブ部の幅よりも大きくすれば、
突極傘部の面積が拡大されるため、界磁磁束を有効に取
り込むことができ、効率の高い回転電機を得ることがで
きるし、このような集磁構造をもった電機子を、板状の
素材の切断と折り曲げとによって容易に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる回転電機の電機子の実施例を示
す斜視図。
【図2】同上電機子の製造方法の例を順に示す斜視図。
【図3】本発明に適用可能な素材の例を示す斜視図。
【図4】同上素材を用いた電機子の突極部分の断面図。
【図5】上記電機子を用いた回転電機の例を示す横断面
図。
【図6】同上回転電機の縦断面図。
【図7】本発明にかかる回転電機の電機子の別の実施例
を示す平面図。
【図8】同上電機子を用いた回転電機の例を示す横断面
図。
【図9】本発明にかかる回転電機の電機子のさらに別の
実施例を示す平面図。
【図10】本発明に適用可能な別のコア材の製法の例を
示す斜視図。
【図11】本発明に適用可能なさらに別のコア材の製法
の例を示す斜視図。
【図12】同上コア材を用いた本発明のさらに別の実施
例を示す分解斜視図。
【図13】本発明にかかる回転電機の電機子のさらに別
の実施例を示す斜視図。
【図14】同上実施例に巻線を施した例を示す斜視図。
【図15】従来の回転電機の電機子に用いられる鉄心の
例を示す斜視図。
【図16】同上鉄心の製法の例を示す平面図および斜視
図。
【図17】従来の回転電機の例を示す縦断面図。
【図18】従来の回転電機の電機子に用いられる鉄心の
別の例を示す斜視図。
【符号の説明】
40 鉄心 42 コア材 44 突極 46 傘部 48 開口部 50 巻線 52 回転軸 56 絶縁層 72 鉄心 78 鉄心 C 磁化容易軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 政幸 長野県駒ヶ根市赤穂14−888番地 株式会 社三協精機製作所駒ヶ根工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線用の開口部および多極着磁された界
    磁に対向する突極を備えた鉄心と上記突極に巻回された
    巻線とを有する回転電機の電機子において、上記鉄心
    は、コア材が少なくとも2枚重ねられることによって形
    成され、これらコア材の重ねあわせ面は回転中心軸を含
    む平面内又は回転中心軸を含む平面に平行な平面内にあ
    り、これらコア材の重ねあわせ部によって上記突極が形
    成されていることを特徴とする回転電機の電機子。
  2. 【請求項2】 コア材は、回転軸に直角方向の断面形状
    がほぼV字形状である請求項1記載の回転電機の電機
    子。
  3. 【請求項3】 コア材の先端部が折り曲げられることに
    より、周方向に延設された傘部が形成されてなる請求項
    1記載の回転電機の電機子。
  4. 【請求項4】 傘部相互の開口部が回転軸に対して傾斜
    してなる請求項3記載の回転電機の電機子。
  5. 【請求項5】 コア材の磁化容易軸方向を巻線による磁
    束発生方向と一致させてなる請求項1記載の回転電機の
    電機子。
  6. 【請求項6】 コア材の表面に絶縁層を設けてなる請求
    項1記載の回転電機の電機子。
  7. 【請求項7】 コア材の先端部の軸方向の幅を、リブ部
    の軸方向の幅よりも大きくした請求項1記載の回転電機
    の電機子。
JP22086992A 1992-07-28 1992-07-28 回転電機の電機子 Pending JPH0654471A (ja)

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