JPH06511073A - クラッチユニット - Google Patents

クラッチユニット

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JPH06511073A JP6502950A JP50295094A JPH06511073A JP H06511073 A JPH06511073 A JP H06511073A JP 6502950 A JP6502950 A JP 6502950A JP 50295094 A JP50295094 A JP 50295094A JP H06511073 A JPH06511073 A JP H06511073A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプレッシャープレートを有する摩擦クラッチを備えたクラッチユニット であって、プレッシャープレートが回動不能にしかし軸方向にある程度移動可能 に対向プレッシャープレートに結合可能であり、その場合、少な(とも1つの圧 着ばねが設けられており、この圧着ばねがプレッシャープレートと対向プレッシ ャープレートとの間で締付は可能なりラッチディスクへ向かってプレッシャープ レートを負荷しており、かつ、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングの 摩耗を補償する調整手段が設けられており、このIIN手段が、圧着ばねにより プレッシャープレートに対して常時変らない力を作用させるようになっており、 さらに、摩擦クラッチが解離及び接続のための操作手段を備えており、この操作 手段が、解離手段、例えば伝達装置ケーシングに旋回可能に枢着された解離フォ ークにより軸方向移動可能なシフタにより操作可能である形式のものに関する。
このように構成されかつ操作されるクラッチユニットはFR□O8第25823 63号公開明細書により提案されている。この種のクラッチユニットの操作手段 は例えばU S −P S第4368.810号明細書、us−ps第4,32 6,617号明細書、DE−O8第2752904号公開明細書及びDE−08 112801999号公開明細書に提案されているような解離手段及びシフタに よって負荷される。
クラッチディスクの少なくとも摩擦ライニングの摩耗を補償する一体型の調整手 段を備えたクラッチユニット若しくは摩擦クラッチにおいては、クラッチペダル の運動がロフド及び又はボーデンケーブルを介して少なくとも1つの解離軸受の 間挿下で摩擦クラッチの操作手段へ伝達されるような、いわゆる機械的な解離機 構に関連して、運動の連鎖全体に存在する誤差に基づき、操作手段を負荷するシ フタ領域が操作手段の被負荷領域に対比して常に同じ軸方向位置を有するとは限 らず、従って摩擦クラッチの解離行程若しくは操作手段に伝達される操作行程の 比較的大きなばらつきが生じるという問題が生じる。このばらつきにより、調整 手段の機能が損なわれ、場合によってはまったく夫なねるおそれがある。さらに 、操作手段が許容されない大きな行程を進むような事態が生ずれば不所望な後調 節が行なわれる結果となり、このことにより摩擦クラッチが充分に開放されなく なるか又は圧着ばねのプレロード若しくは組込み位置が変化し、この圧着ばねに よって生じる力が不十分となり、充分なトルク伝達が補償されない結果を招く。
本発明の課題は上記欠点を回避して、摩擦ライニングの摩耗を補償する調整手段 の充分な機能が得られるような冒頭に述べた形式のクラッチユニットを提供する と共に、このクラッチユニットを特別に簡単かつ安価に製作できるようにするこ とにある。
この課題を解決した本発明の要旨は、操作手段の位置の軸方向のばらつき若しく はシフタ若しくは解離手段に対する、シフタによって負荷される操作手段領域の 位置の軸方向のばらつきを補償する手段が設けられていることにある。この種の 手段は特に、摩擦ライニングの摩耗に関して操作手段を解離運動の軸方向に配置 した本発明に係わるクラッチユニットでは特別に有利である。それというのは、 これによりシフタ若しくは解離手段と操作手段との間の遊びのない力伝達が確実 となるからである。これによりさらに、操作手段が常に同じ量だけ運動すること が保証される。それゆえ、シフタ及び又は解離手段と操作手段との間の力の伝達 経路内に実際に遊びが存在しなくなる。
補償手段が軸方向でシフタと操作手段との間に設けられ若しくは作用すると特に 有利である。しかし、他の位置、例えば機能的にシフタと解離手段との間の位置 に補償手段を設けることもできる。本発明に関連してシフタが有利には伝達装置 側に設けられたガイド、例入ば伝達装置の入力軸を取囲むガイド管に取付けられ ると有利である。
特に、シフタに面した底部を備えて対向プレッシャ7き表子6−511073  (6) −プレートに固定されたケーシング、例えば薄板カバーを有する摩擦クラッチを 備えたクラッチユニットでは、補償手段が軸方向で操作手段と底部との間に配置 され若しくは作用すると効果的である。さらに、圧着ばねがクラッチケーシング とプレッシャプレートとの間で軸方向にプレロードを負荷された皿ばねによって 形成され、この皿ばねがばね弾性的な環状の基体とこの基体から半径方向内向き に延びて操作手段を形成した舌片とを有していると有利である。
補償手段による充分な後調節を保証するために、クラッチユニット若しくは摩擦 クラッチの接続状態で補償手段が自動的若しくは自発的に充分な後調節を補償し 、摩擦クラッチの操作中には自発的若しくは自動的にロックされると有利である 。
補償手段は環状の部材を有することができ、この部材が摩擦クラッチの接続状態 でも軸方向で操作手段に当接される。この環状の部材により、万一操作手段の負 荷領域とシフタとの間隔が変化しても、この変化が補償される。補償手段の機能 のために、補償手段が軸方向に上昇する後調節傾斜面若しくは乗上げ傾斜面を有 すると有利であり、この場合、この傾斜面を環状の部材に設けることができる。
乗上げ傾斜面は後調節のために円筒形又は球形の転動体と協働することができる 。しかし乗上げ傾斜面は対向乗上げ傾斜面と協働するのが有利である。それとい うのは、後者の傾斜面の乗上げ角度を適当に選択することにより、傾斜面の軸方 向の緊張時に自縛作用が生じるからである。対向乗上げ傾斜面は同様に環状の部 材によって支持されてよい。
摩擦クラッチの価格に有利な製作を保証するために、補償手段の少なくとも1部 をプラスチックから製作するのが有利である。この種のプラスチック部分は射出 成形により製作できる。プラスチックとしては特に有利には熱可塑性プラスチッ ク、例えばポリアミドが適後調節傾斜面を有する部材がクラッチユニット若しく は摩擦クラッチの操作時に軸方向に移動可能であると特に有利である。さらに1 乗上げ傾斜面及び対向乗上げ傾斜面を備えた部材が互いに回動可能であると効果 的であり、この場合、これら部材の一方が摩擦クラッチ特にクラッチケーシング に対して相対回動不能であることができる。
本発明の別の忠想によれば、クラッチユニットの解離方向でみて、補償手段がフ リーホイールに似たように作用し若しくは後調節すると共に解離方向とは逆の方 向では自縛作用を有するように補償手段を構成することができる。このことのた めに、乗上げ傾斜面及び又は対向乗上げ傾斜面は、軸方向で5″乃至20″、有 利には7°乃至+1’程度の上昇角を有するように形成されることができる。後 調節傾斜面は有利には摩擦保合により自縛が生じるように形成される。要するに 、いかなる場合でも後調節傾斜面が自縛作用を伴なう係合を行い、これにより不 所望な戻りを回避するのに必要な付加的な手段を必要としないような配慮がなさ れなければならない、しかし、必要ならば付加的な手段を設けることもできる。
自発的な補償手段の充分な機能を保証するためには、乗上げ傾斜面及び又は対向 乗上げ傾斜面を備えた少なくとも1つの部材が後調節方向でばね負荷されている と効果的である。このばね負荷は他のばね、例えば特に圧着ばね若しくは皿ばね 及び軸方向に弾性的な接触を生ぜしめるばねの機能がまったく影響されないか実 際には影響されないように行なわれると有利である。
乗上げ傾斜面及び対向乗上げ傾斜面を有する部材がこれら両者の間に設けられた 蓄力装置、例えばコイルばねによって後調節方向に負荷されるか若しくは緊張さ れると特に有利な構成が保証される。このような緊張によりこれら両部材は軸方 向でみて互いに逆方向に押圧され、蓄力装置及び後調節傾斜面を介して軸方向に 互いに離反させられる。クラッチ接続状態ではこれにより補償手段が軸方向で操 作手段の負荷領域とクラッチカバー及び又はシフタとの間で遊びなく緊張させら れる。
本発明の特に有利な構成によれば、クラッチユニットが少なくとも操作手段の解 離運動の制限のための手段を有することができる。このことのために、シック及 び又は解離手段の解離方向の行程を制限する制限ストッパを設けることができる 。この制限ストッパは補償手段を形成する部材が所定の解離行程の後にクラッチ カバーに当接するように形成されると有利である。
しかし制限は、シフタが所定の解離行程の後に軸方向に不動の部材に当接する領 域を有することによって行なわれてもよい6さらに、シフタがクラッチ接続方向 でも同様にストッパによって形成されることのできる制@部材を有することも有 利である。有利には、クラッチユニットの接続状態で補償手段を介してシフタが 軸方向に支持されるように補償手段が形成される。クラッチユニットのためのコ ンスタントな操作行程は、補償手段を形成する部材が解離方向及び接続方向で作 用してストッパ領域と協働する行程制限領域を有することによって保証される。
有利にはこの部材はシフタによって負荷される、補償手段の構成部材によって形 成されることができ、その場合、制限ストッパはクラッチケーシングに設けられ るか若しくはこのケーシングによって形成されることができる。しかしクラッチ ユニットの操作行程の制限は、シックを軸方向に案内する部材に適当なストッパ を設けることによっても行なわれる。
有利にはこのストッパはシフタの回転しない軸受リングに結合された部材と協働 する。しかし少なくともグばねを使用する場合には、このばねにより圧着ばね特 表千6−511073 (7) 軸方向での解離行程の制限はシフタの回転する軸受リングと、シフタと一緒に回 転する部材、例えばクラッチケーシングとの間でも行なうことができる。
本発明の付加的な構成によれば、特にシフタの力持性、若しくは最大に必要な解 離力の削減のために、特に有利には、解離過程中に操作手段の操作行程の少な( とも一部にわたって、摩擦クラッチ若しくはクラッチディスクによって伝達され るトルクが次第に減少するような手段が設けられると有利である。この手段は例 えばいわゆるライニングばねによって形成されるが、このばねはプレッシャープ レートと対向プレッシャープレートとの間に締込まれるクラッチディスクの摩擦 ライニングの間に設けられている。
本発明摩擦クラッチの特に有利な構成は、有利には皿ばれによって形成される圧 着ばねが2つの支持部の間で(一方の支持部はプレッシャープレートに面して圧 着皿ばねへ向かってばね負荷されている)ケーシングに旋回可能に支持されてい ることによフて得られる。
その場合、圧着ばねによって、摩擦クラッチの解離時には、ばね負荷された支持 部に作用する最大の解離力がライニング摩耗時に増大して、ばね負荷された支持 部に作用する対向力若しくは支持力を上回る。トルク伝達のためにプレッシャー プレートとクラッチケーシングとの間に設けた皿ばね部材及び又は例えばDE− O8第3631863号明細書により公知のライニン擦クラッチの寿命を考慮し て行なわれる徐々に若しくに作用する力が、ばね負荷される支持部に作用する力 の決定時に考慮されなければならない、その理由は、これらの力が重複するから である。これの意味するところは、後調節を可能ならしめるためには、著しいう は細かい段階で行なわれる調整手段の後調節中に、ばね負荷された支持部はプレ ッシャプレートへ向かつてわずかに移動することができる。この手段によって、 プレッシャプレートに支持された皿ばねが付加的な変る調整手段を備えた摩擦ク ラッチ若しくはクラッチユニットにおいて一般的に使用可能である。
本発明はさらに、回動不動がっ軸方向に若干移動可能にケーシングに結合された プレッシャプレートを備えた、特に自動車用の摩擦クラッチであってケーシング とプレッシャプレートとの間に圧着圧ばねが軸方向にプレロード下で挿入されて おり、この圧着圧ばねがケーシングにより支持された旋回支承部を中心として旋 回可能であると共に、プレッシャプレートをこれと対向プレッシャプレート例え ばはずみ車との間に締込まれたクラッチディスクへ向かって負荷し、その場合、 クラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を補償する調整手段が設けられている 形式のものに関する。
実際に圧着圧ばねによりプレッシャプレートの常時コンスタントな力負筒を生じ る自動的な後調節装置は例えばDE−O3第2916755号及び第35187 81号公開明細書により公知である。少なくとも1つのセンサに依存して調節さ れるこの後調節装置はプレッシャプレートと圧着圧ばねとの間に配置され若しく は作用する。ケーシングへのプレッシャプレートの枢着が接線方向に配置された 板ばね(この板ばねの力は板ばねが皿ばねの圧着力に抗して向けられているため に比較的小さい)によって行なわれているために、比較的大きな質量を有するプ レッシャプレートは摩擦クラッチの解離時に軸方向に振動し、そのさい皿ばね特 表千6−511073 (8) から離れてしまい、これによりクラッチの機能が損なわれるばかりでなく、クラ ッチの安全性が危険にさらされる。それというのは、後調節装置が開放状態で後 調節され、ついにはプレッシャプレートがクラッチディスクに当接し、クラッチ がもはや分離できなくなるからである。この理由により、この種の後調節装置は 実際に普及していない。
さらに別の発明の課題はこれら欠点を排除し、実地で広く使用されると共に手荒 な運転にも使用でき、構造簡単で機能が永続するばがりでなく、わずかな取付は スペースしか要せず、しかも製作費が安いような冒頭に述べた形式の調整手段を 提供することにある。さらに所要の解離力はわずかであり、耐用寿命にわたり常 時わずかであり、さらに摩擦クラッチの耐用寿命が著しく高められなければなら ない。
この課題を解決した本発明によれば、皿ばねにより負荷されたプレッシャプレー トを備えた摩擦クラッチにおいて、圧着力が皿ばねによって生じ、この皿ばねが 構成部材例えばケーシングに支持されていると共にケーシングに円状の配列で設 けられた旋回支承部を中心に旋回可能であり、カバーと皿ばねとの間に、ケーシ ング側の支持部を摩耗に依存してケーシングから離反させる後調節装置が作用し ており、この後調節装置が前送り装置によって移動可能であり、皿ばねが旋回支 承部へ向けて支持力の作用を受けている。この支持力は効果的に永続的に存在し 、従って皿ばねは解離力に逆らってたんに力伝達可能に、それも成金的に枢着さ れた手段によらずにばね力によって支持されている。
この皿ばねはその作業領域にわたり漸減的な特性曲線を有するように、それも支 持力は皿ばねの組込み位置で、かつ摩耗による円錐度変化なしに、かつ皿ばねの 解離行程にわたり、皿ばねによって支持力に抗して作用する力に比して大きくな り、皿ばねの円錐度が摩耗に依存して変化した場合には皿ばねの解離行程の一部 の領域にわたり支持力が、この支持力に抗する皿ばねのプロフィールに作用する 力に比して小さくなるように、支持力と皿ばねが互いに調合されている。その場 合支持力はたんに1つのばね部材又は少なくとも大体においてたんに1つのばね 部材又はばね部材機構によって生じる。ここでいう「支持力Jとは皿ばねに抗し て作用するすべてのばね力(それが顕著に生じる限り)の合計をいう、要するに 例えば(トルク伝達用若しくは離反用の)板ばねによって作用する力、ライニン グばね又はその「代用品」の(その他の)ばね力を意味する。
少なくともだいたいにおいて支持力を生じる蓄力装置として、効果的には後調節 にわたりその形状も変化させるばね、例えば皿ばねを使用することができる。
しかし、支持力を生じる蓄力装置は板ばねによって形成されてもよい。
支持力を生じる皿ばねはじかに皿ばねに、例えば軸方向に移動可能なカバー側の 支持部の半径方向の高さのところに支承されてもよい。
後調節装置が軸方向で皿ばねとカバーとの間に配置されていると特に有利である 。後調節装置は特に効果的には傾斜面のような乗上げ面を有することができる。
本発明によれば、皿ばねは摩擦クラッチの耐用寿命にわたって見て、実際に摩擦 クラッチ接続時に常に同じ円錐度若しくは緊張度を有しており、実際に常時同じ 力でプレッシャプレートひいてはクラッチディスクを負荷している(摩擦ライニ ング、プレッシャプレート自体又はその他の部材、例えばカバー側又はプレッシ ャプレート側の支持部、皿ばね又ははずみ円板の摩擦面の摩耗に依存せずに)、 本発明によればさらに、プレッシャプレートの質量が後調節装置の質量により増 大されない。さらに本発明後調節装置はディスク摩耗の作用から保護されている 領域内に取付けられており、この領域内では後関節装置が摩擦熱源から著しく遠 ざけられている。
本発明に基づく摩擦クラッチの特に有利な構成は次の通りである。圧着圧ばねが 2つの支持部(そのうちの1つはプレッシャプレートに面していて圧着圧ばねへ 向かってばね負荷されている)の間でケーシングに旋回可能に支持されており、 その場合、クラッチの解離時に圧着部ばねにより、ばね負荷されている支持部へ 作用する力がライニング摩耗時に増大し、次いで、ばね負荷されている支持部へ 作用する対向力若しくは支持力を上回る。圧着部ばねはその場合、その構造的に 規定された、摩擦クラッチ内での組込み位置を起点として、摩擦ライニング摩耗 により生じた負荷軽減時には圧着部ばねにより生じる力ひいては所要の解離力が まず上昇し、規定された組込み位置に対して著しく変形した若しくは負荷軽減さ れた位置では圧着部ばねによって生じる力が解離過程時に減少する。圧着部ばね のこのような構成によれば、ライニング摩耗発生時に常時、圧着部ばねから支持 部へ解離時に作用する力と、ばね負荷されている支持部に作用する対向力との間 の釣合いが生じる。その理由は、皿ばねから支持部へ作用する力による支持力の 増大時に、皿ばねがセンサばねをカバー側の支持部から離反せしめると共に、後 調節装置が前送り装置の力によりさらに回転させられるからである。これにより 支持部が軸方向lこ移動し。
ついにはセンサから作用する力が支持部のさらなる回転とさらなる軸方向の移動 を阻止する。
圧着部ばねが少なくとも解離領域の一部にわたり、有利には実際に摩擦クラッチ の全解離領域にわたり下降するばね特性曲線を有するように摩擦クラッチ内に組 込まれていると、すでに述べたように特に有利である。その場合、圧着ばねの組 込み位置は、摩擦フラノ特表子6−511073 (9) チの解離状態で圧着部ばねが実際に最小若しくはそのサインカーブ状の力・行程 ・特性曲線の最下点に達するか又はこれを越えるように選らばれる。
ばね負荷されている支持部に作用する対向力は有利には、だいたいにおいてコン スタントな力を少なくとも後調節領域にわたり生ぜしめる蓄力装置によって生じ ることができる。特に有利にはこのことのために、適当に形成されプレロード下 で摩擦クラッチ内に組込まれた皿ばねが適している。
本発明に基づく後調節装置は特に有利には摩擦クラッチにおいて圧着部ばねと共 に使用される。この場合、この圧着部ばねは半径方向外側の領域でプレッシャプ レートを負荷しかつ半径方向で著しく内側に位置する領域で2つの旋回支持部の 間でケーシングに支承される。この構成では皿ばねが二腕レバーとして作用する 。
本発明は皿ばね舌片の形態の解離レバーをも一体形成した皿ばねを備えた摩擦ク ラッチに制限されず、例えば皿ばねが付加的なレバーを介して操作されるような 他のクラッチ横道においても適応される。
摩耗の充分な後調節若しくは摩擦クラッチのための最良の圧着力を保証するため に、ばね負荷されている支持部から遠い側で圧着部ばねに設けた対向支持部が、 軸方向でプレッシャプレートへ向かつて自動的若しくは自発的に移動し、その反 対方向では何らかの手段で自発的若しくは自動的にロックされるように形成され ていると特に有利である。対向支持部要するにカバー側の支持部の後調節は、こ の対向支持部をプレッシャプレートへ向かって、若しくは圧着部ばねに抗して負 荷する蓄力装置によって行なうことができる。要するにライニング摩耗により生 じた、ばね負荷されている支持部の移動に応じて対向支持部を自発的に後調節す ることができ、これにより圧着部ばねの遊びのない旋回支承を保証することがで きる。
対向支持部は圧着部ばねとカバーとの間に設けた後調節装置により軸方向に移動 可能であってもよい。この後調節装置はその場合環状の部材を備えており、この 部材が少なくとも摩擦クラッチの接続状態では圧着部ばねにより軸方向に負荷さ れる。
この環状の部材を摩耗発生時及び解離過程に回転させることにより、旋回支承部 はライニング摩耗に応じて後調節される。このことのために特に有利には調整手 段若しくはその環状の部材が軸方向に上昇する後調節傾斜面を有することができ る。さらに有利には、環状の部材が対向支持部を支持する。その場合、この対向 支持部は線材リングによって形成されることができる。この線材リングは同部材 の環状溝内に収容されてこの部材に嵌合的に結合されることができる。この場合 嵌合はスナップで結合であってもよい。
乗上げ傾斜面は後調節のために円筒形又は球形の転動体と協働することができる 0乗上げ傾斜面が関連する対向乗上げ傾斜面と協働すると特に有利である。それ というのは、このようにすれば、対向乗上げ傾斜面の乗上げ角度の適当な選択に より、傾斜面の軸方向の緊張時に自縛作用が生じるからである。対向乗上げ傾斜 面は環状の部材によって支持されることができる。
この環状の部材は乗上げ傾斜面を支持する部材とカバーとの間に配置されること ができる。しかじケーシングに対向乗上げ傾斜面を設けることにより特に構造簡 単な構成が保証される。この構成は特に藺単には薄板ケーシングにおいて行なう ことができる。それというのは対向乗上げ傾斜面をプレス加工できるからである 。
その場合プレス加工ケーシングの半径方向に延びる領域内に行なわれる。
摩擦クラッチの価格に有利な製作を保証するために、後調節装置の少なくとも一 部をプラスチックから製作するのが有利である。この種のプラスチック部分は射 出成形により製作することができる。プラスチックとしては特に熱可塑性プラス チック、例えばポリアミドが適している。プラスチックが使用できる理由は、後 調節装置が熱の影響を受けlこくい領域内l二配胃されるからである。さらに、 重量がわずかであるために慣性モーメントがわずかとなる。
本発明の別の思想によれば、後調節装置はく摩擦りラッチの解離方向でみて)フ リーホイール状に作用し、解離方向とは逆の方向では自縛的に作用するように構 成されることができる。このことのために、乗上げ傾斜面及び又は対向乗上げ傾 斜面は、軸方向で4乃至20度、有利には5乃至12度の上昇角を有するように 構成される。有利には乗上げ傾斜面及び又は対向乗上げ傾斜面は摩擦係合による 自縛作用が生じるように形成される。この自縛作用は嵌合によっても得られ若し くは助成される。要するに例えば一方の傾斜面が軟(、他方の傾斜面が成形部を 備えていることにより、又は両方の傾斜面が成形部を有することによっても自縛 作用を得ることができる。この手段によれば、不所望な戻りを回避するために何 ら付加的な手段を必要としない。
後調節装置は、周方向で作用する前送り装置が、プレロード下で組込まれたばね として形成され、このばねが乗上げ傾斜面を支持する少なくとも1つの部材及び 又は対向乗上げ傾斜面若しくは対向乗上げ領域を支持する部材が後調節方向に弾 性的に負荷されると、特別有利でありかつ簡単である。ばね負荷はその場合、そ の他のばね例えば特に操作器ばね及び軸方向で弾性的な支持部を負荷するばねの 機能がまったく影響されないが若しくは実際には影響されないように行なわれる と有利である。
多くの使用例では、調整手段が、移動可能な複数の特表子6−511073 ( 10) 後調節部材、例えば半径方向及び又は周方向で移動可能な後調節楔又は転動体を 有していると有利である。
さらに、調整手段が回転数に依存していると有利である。例えば調整手段の各部 材に作用すると遠心力を、内燃機関の所定の運転状態において後調節装置の操作 及び又はロックのために利用することができる。特に調整手段は遠心力に依存し た手段により所定回転数以後ロックされ、このことは例えば少なくともアイドリ ング回転数に近い回転数又はアイドリング回転数以下の回転数で行なわれ、その 結果、摩耗後調節は低回転数でのみ行なわれる。このことの利点は、高回転数時 の振動によって生じるおそれのある不所望な後調節が生じなくなることである。
後調節装置の特別簡単かつ機能確実な構成は、ケーシングに対して移動可能な、 乗上げ傾斜面及び又は対向乗上げ傾斜面若しくは対向乗上げ領域を有する部材が ばね弾性的に負荷されることによって保証される。
対応する傾斜面若しくは領域を備えた1つの対応する部材が存在する限り、そし てこの部材がケーシングに対して移動可能である限りにおいて、ケーシングが負 荷される。その場合特に有利にはばね負荷が周方向の力を生じる。
摩擦クラッチの構造及び機能のために、円板ばね例えば皿ばねとして形成された センサばねがその半径方向の外側の領域で軸方向に定置の部材例えばケーシング に支持され、半径方向で著しく内側に位置する領域で、カバーとは逆の側の転動 支承部を負荷すると有利である。この転動支承部はセンサばねと一体にも形成さ れ、その結果センサ皿ばねは要するに支持部をも形成する。センサばねを緊張状 態に保つためにケーシングが支持領域を備えることができる。この支持領域は、 ケーシングに設けた複数の支持部材によって形成されることができる。しかし、 支持領域が例えばケーシングにエンボス加工部又は切欠いて変形した領域を設け るなどしてケーシングと一体に形成されていると有利である。このように変形さ れた領域はセンサばねを軸方向で支持する。
摩擦クラッチの機能、特に解離力特性若しくは最大に必要な解離力の削減のため に、プレッシャプレートと対向プレッシャプレートとの間に締込まれたクラッチ ディスクが摩擦ライニングを備え、それらの間にいわゆるライニングばね例えば DE−O8第3631863号明細書により公知のものを設けると特に有利であ る。このようなりラッチディスクの使用により、摩擦クラッチの操作、特に解離 過程が助成される。それというのは、摩擦クラッチの接続状怒で、緊張したライ ニングばねがプレッシャプレートに反動力を作用するが、この反動力は圧着器ば ね若しくは操作器ばねからこのブレノンヤプレートに作用する力に逆って作用す るからである。解離過程時に、ブレソンヤプレートの軸方向の移動中、プレッシ ャプレートはまず、ばね的に緊張しているライニングばねにより押戻され、その さい同時に、解離領域内に存在する比較的急勾配で下降する、圧着器ばねの特性 曲線部分のために、このばねからプレッシャブレー1・へ作用する力が減少する 。
圧着器ばねからプレッシャプレートへ作用するカの減少につれて、ライニングば ねがらこのプレッシャプレートへ作用する戻し力も減少する。摩擦クラッチの解 離に必要な力はライニングばねの戻し力と圧着器ばねの圧着力との差により生じ る。ライニングばねの負荷軽減後に、要するにプレッシャプレートが摩擦ライニ ングから離反したさい、若しくはクラッチディスクがプレッシャプレートから解 放されたさいに、所要の解離力は主として圧着器ばねによって規定される。ライ ニングばねの力・行程特性及び圧着器ばねの力・行程特性は、特に有利には次の ようにして調和させられる。
すなわち、クラッチディスクがプレッシャプレートかから解放されたさいに、圧 着器ばねの操作に必要な力が低いレベルに在るようにすれば調和が得られる。プ レッシャプレートからクラッチディスクを解放するまで圧着器ばね特性にライニ ングばね特性をうまく調和又はアングライヒさせることにより、極めてわずかな 、圧着器ばねのための操作力が、残りの摩擦の克服のために必要となるのみであ り、極端な場合にはこの操作力がまったく不要となる。さらにクラッチディスク の解放後、依然として圧着器ばねから旋回に逆らう力、若しくは圧着器ばねの旋 回に必要な力がこの圧着器ばねから摩擦クラッチの接続状態で作用する圧着力に 比して極めて低いレベルに位置するように圧着ばねの特性を設計することができ る。さらに、プレッシャプレートからクラッチディスクを解放した場合、クラッ チの解離のために圧着器ばねを操作するのに必要な力が極めてわずかとなるよう に若しくは実際上不要となるように設計することも可能である。このような摩擦 クラッチは、操作力がO乃至20ON内に位置するように設計される。
本発明の付加的な思想によれば、少なくとも近似的にプレッシャプレートからの クラッチディスクの解放時に、圧着器ばねにより生じた軸方向力が零範囲に存在 するように摩擦クラッチを設計することができる。
この場合、解#!過程の継続中に、圧着器ばねにより生じた力が負となることが でき、要するに圧着器ばねの力の作用が逆転する。このことの意味するところは 、摩擦クラッチが完全に解離したさいに、摩擦クラッチが実際に自発的に開いた ままであり、外的な力の作用によってのみ再度接続されることができるというこ とである。
本発明はさらに、特に自動車のための摩擦クラッチであって2プレツシヤプレー トを備え、このプレッシャプレートが回転不能かつ軸方向にある程度移動可能特 表千6−511073 (11) にケーシングに結合されており、このケーシングとプレッシャプレートとの間に 少なくとも1つの緊張可能な圧着ばねが作用しており、この圧着ばねが、プレッ シャプレートと対向プレッシャプレート例えばはずみ車との間に締付けられるク ラッチディスクへ向ってプレッシャプレートを負荷している。
この種のクラッチは例えばDE−O3第2460963号、DE−PS第244 1141号、DE−PS第898531号及びDE−ASS第126791愕本 発明の課題はさらに、この種の摩擦クラッチをその機能及び耐用寿命に関して改 良することにある.特に本発明によれば、この種の摩擦クラッチの操作に要する 力が軽減され、その耐用寿命にわたり常に変らない解離力特性が保証される。さ らに、本発明摩擦クラッチは特に簡単かつ経済的に製作される。
上記課題を解決した本発明の構成は、クラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗 を自発的に補償する調整手段が設けられており、この調整手段が常に変らない力 の負荷を圧着ばねによりプレッシャプレートに作用せしめ、かつ摩擦クラッチが 接続及び解離のための操作手段を備えており、かつ解離過程中に操作手段の操作 行程及び又はプレッシャプレートの解離行程の少なくとも1部分領域にわたり、 摩擦クラッチ若しくはクラッチディスクから伝達されるトルクを次第に減少させ るように作用する手段を有している。このような手段によれば同様に、摩擦クラ ッチの接続過程中に、かつ、プレッシャプレートと対向プレッシャプレートとの 間で摩擦ライニングを締付けはじめるさいに、摩擦クラッチから伝達されるトル クの漸増的又は累進的な増大が得られる。
本発明に基づくこの摩擦クラッチによれば、圧着器ばねが摩擦クラッチの耐用寿 命にわたり摩擦クラッチ接続時に常に変らないプレロードを有し、かつこれによ りプレッシャプレートの常に変らない力負前を生じる。さらに、摩擦クラッチか ら伝達されるトルクを解離過程中に漸減させる付加的な手段により、解離力特性 若しくは最大に必要な解離力の軽減若しくは減少が達成される。このようにでき る理由はこの手段が摩擦クラッチの操作、特に解離過程を助成するからである。
このことのためにこの手段は軸方向に弾性的な部材を有し、この部材は操作手段 及び又は圧着ばね及び又はプレッシャプレート及び又は対向プレッシャプレート に反動力と作用し、この反動力は圧着ばねからプレッシャプレートへ作用する力 とは逆向きにかつシリーズに作用する。
摩擦クラッチの前記手段が解離過程中に、圧着ばねにより負荷されるプレッシャ プレー1・領域の軸方向の移動行程の一部分にわたり、摩擦クラッチ若しくはク ラッチディスクから伝達されるトルクを漸減するように配置されると有利である 。
多くの使用例のために、前記手段は有利に操作手段の旋回支承部の間、若しくは 対向プレッシャプレートへのケーシングの固定位置例えばねじ止め位置との間の 力伝達経路内に設けられる。
他の使用例のために、操作手段の旋回支承部の間若しくは圧着ばねとプレッシャ プレートの摩擦面との間の力伝達経路内に前記手段が設けられると有利である。
このような構成は例えばDE−O3第3742354号及びDE−O3第145 0201号各公開明細書により提案されている。
さらに別の使用例のために、軸方向で背中合わせに配置された、摩擦ディスクの 2つの摩擦ライニングの間に前記手段が設けられ、要するにいわゆる「ライニン グばね」例えばライニング間に設けたライニングばねセグメントによって形成さ れると特別有利である。
この種の手段は例えばDE−O3第3631863号公開明細書により公知であ る。
漸増的なトルク増大若しくは漸減的なトルク減少を得るための別の可能性がDE −O3第2164297号公開明細書により提案されており、これによれば、は ずみ車が2部分から構成されており,かつ、対向プレッシャプレートを形成する 部材が、内燃機関の被駆動軸に結合された部材に対して軸方向で弾性的に支持さ れている。
本発明摩擦クラッチの機能及び構成のために、前記手段がクラッチ構成部材間に 軸方向の弾性を可能ならしめると特に効果的であり、この場合、この手段は次の ように配置されかつ形成される。すなわち、クラッチ開放時に、前記手段に作用 する力が最小であり、かつクラッチの閉鎖過程にわたり、要するにクラッチの接 続行程にわたり、前記手段に作用する力が最大へ向かって漸増し、その場合この 増大が効果的には操作手段若しくはプレッシャプレートの閉鎖行程若しくは接続 行程の一部分にわたってのみ生じる。さらに、摩擦クラッチから伝達されるトル クの漸減若しくは漸増が少なくともほぼ、操作手段の操作行程及び又はプレッシ ャプレートの最大軸方向行程の40乃至70%であるように前記手段が形成され ると特に有利である。対応する行程の残余領域はパワートレーンの充分な遮断の ため、かつクラッチ構成部材例えば特にクラッチディスクに場合により存在する 変形の補償のために必要とされる。
本発明摩擦クラッチの操作に必要な力を軽減するために、圧着ばねが摩擦クラッ チの解離行程の少なくとも1部にわたり漸減的な力・行程特性曲線を有すると有 利である。このことの意味するところは圧着ばねがその圧着行程若しくは変形行 程の少なくとも一部分領域にわたり下降する力持性を有するということである。
これによれば、摩擦クラッチの解離過程時に前記手段特表子6−511073  (12) のばね力が圧着ばねのカに逆って作用し、その結果、解離行程の一部分領域にわ たり圧着ばねの緊張若しくは変形が前記手段のばねカにより助成される。その場 合同時に、圧着ばねの、解離領域内に存在する漸減的な若しくは下降する力・行 程特性のために、圧着ばねからプレッシャプレート若しくは摩擦ライニングへ作 用すや力が減少する。効果的に摩擦クラッチの解離のために必要な力持性は、重 畳する付加的なばね作用が存在しない限りにおいて、前記手段から生じる力特性 と圧着ばねの力持性との差がら得られる。摩擦ライニングからプレッシャプレー トが離れるさい、若しくはプレッシャプレートからクラッチディスクが解放され るさいに、常に変らない所要の解離カ特性若しくは所要の解離力は主として圧着 ばねによって規定される。
前記手段の力・行程特性並びに圧着ばねのカ・行程特性は、プレッシャプレート がらクラッチディスクが解離されるさいに圧着ばねの操作に必要な力が比較的低 いレベルに有ることによって互いに調和される。要するにプレッシャプレートか らのクラッチディスクの解放まで圧着ばね特性に前記手段のばね特性若しくは力 特性を近づけ又はアングライヒさせることにより、圧着ばねのために操作力が極 めてゎずがしか必要とされず、極端な場合にはまったく操作ノコが必要とされな い。
圧着ばねとしては特に有利に、ケーシングによって支持された環状の旋回支承部 を中心として旋回可能であると共にプレッシャプレートを負荷する皿ばねが適し ている。その場合、この皿ばねは環状体を有しており、この環状体から半径方向 内向きに舌片が突出しており、この舌片が操作手段を形成している。しかし、操 作手段はレバーによっても形成されることができ、その場合レバーは例えばケー シングに旋回可能に支承される。しかし、プレッシャプレートのための圧着力は 別種のばね、例えばコイルばねによっても生じることができ、その場合、このコ イルばねはこのコイルばねからプレッシャプレートへ作用する軸方向力が摩擦ク ラッチの接続状態で最大であり、この力が解離過程中に減少するように摩擦クラ ッチ内に配置される。このことは例えば摩擦クラッチの回転軸線に対してコイル ばねを斜めにすることによって行なわれる。
いわゆる押圧形構造のクラッチの形成のために、皿ばねが2つの支持部の間でケ ーシングに旋回可能に支持されていると特に有利である。この種のクラッチでは 、操作手段が摩擦クラッチの解離のために一般的にはプレッシャプレートへ向け て負荷される。しかし、本発明はこの押圧形構造のクラッチに制限されず、引張 り形構造のクラッチをも含む。引張り形構造のクラッチにおいては操作手段が摩 擦クラッチの解離のために一般的にはプレッシャプレートから離反する方向へ負 荷される。
本発明摩擦クラッチはサインカーブ状の力・行程特性曲線を有する皿ばねを有す ると特別有利であり、その場合、この皿ばねは摩擦クラッチの接続状態ではその 稼働点が第1のカ最大個所に続く漸減した特性領域に設けられるように組込まれ ている。その場合、皿ばねが第1の力最大個所とそれに続くカ最小個所との間で !0.4乃至1:0.7の力関係を有していると特に有利である。
摩擦クラッチが操作手段例えば皿ばねの舌状突起に係合する解離機構を介して操 作され、その場合この解離機構がクラッチペダルを有することができ、このクラ ッチペダルが加速ペダルに類似して形成されて自動車内室内に配置されていると 特に有利である。クラッチペダルのこの種の構成は特に有利である。それという のは本発明の構成によれば摩擦クラッチの解離に必要な力若しくは力持性が極め て低いレベルにもたらされており、従って加速ペダルに類似して形成されたクラ ッチペダルを介して操作力の良好な配分が可能であるからである。
摩擦クラッチの本発明による構成ならびにこれに関連して摩擦クラッチの耐用寿 命にわたり最大に生じる圧着ばね力の軽減の可能性により、構成部材は適当に小 型化され若しくはその強度が軽減され、これにより製作費が著しく安価となる。
解離力の軽減によりさらにクラッチ内部及び解離機構内部の摩擦損失及び弾性度 損失が削減され、これにより、摩擦クラッチ/解離機構のシステムの効率が著し く改善される。これにより全システムが最良に設計され、これによりクラッチ性 能が著しく改善される。
本発明による構成は一般的に摩擦クラッチで使用可能であり、特に例えばDE− PS第2916755号、DE−PS第2920932号、DE−O3第351 8781号、DE−O3第4092382号、FR−O8第2605692号、 FR−O3第2606477号、FR−O3第2599444号、PR−O3第 2599446号、GBPS第1567019号、us−ps第4,924.9 91号、us−ps第4゜191.285号、US−PS第4,057,131 号、JP−GM第3−25026号、JP−GM第3−123号、JP−GM第 2−124326号、JP−0M第1−163218号、JP−O3第51−1 26452号、JP−GM第3−19131号、JP−GM第3−53628号 に提案されている摩擦クラッチに使用可能である。
少なくともライニング摩耗の自発的若しくは自動的な補償を伴なう(これによっ て少なくとも摩擦クラッチの耐用寿命にわたりほぼ変らないクラッチディスクの 締付は力が保証される)摩擦クラッチの使用は、特に摩擦クラッチ、クラッチデ ィスク及び対向プレッシャプレート例えばはずみ車が組立ユニット若しくはモジ ュールを形成するクラッチユニットと関連して使用1号、同第4117571号 、同第4117582号特表千6−5l1073 (13) されると有利である。この種の組立ユニットは、クラッチケーシングが解離不能 な結合例えば溶接又は形状結合例えば可塑性材料の変形を介して対向プレッシャ プレートに結合されていればコスト的に有利である。
このような結合により、一般的に使用される固定手段例えばねじが不要となる。
この糧の組立ユニットでは、摩耗限界を上回る摩耗の発生にもとづくクラッチデ ィスク若しくはクラッチライニングの交換は構成部材例えばクラッチケーシング の破壊なしには実際上不可能である。摩耗調節されるクラッチの使用により、こ の組立ユニットは自動車耐用寿命にわたり充分な機能が保証されるように形成さ れる。要するに本発明にもとづく構成によれば、クラッチディスクの摩耗予備及 び摩擦クラッチ若しくはクラッチモジュールの後調節予備は、クラッチ耐用寿命 、従ってまた組立ユニットの耐用寿命が確実に少なくとも自動車の耐用寿命に達 するように大きく設計されることができる。
本発明の別の構成によれば、摩耗調整手段を有する摩擦クラッチがいわゆる2質 量体はずみ車に組合わされると特別有利であり、その場合、摩擦クラッチはクラ ッチディスクの間挿下で、伝達装置に結合可能なはずみ質量体に取付は可能であ り、かつ第2のJよずみ質量体が内燃機関の被駆動軸に結合可能である0本発明 の摩擦クラッチを結合できる2質量体はずみ車は例えばDE−O3第37217 12号、同第372171ソチの場合より小さくなければならず、それゆえ規定 しかない場合には特に有利である。
ライニング摩耗のための一体形の調整手段を備えた摩擦クラッチでは、摩擦クラ ッチとはずみ車とから成るクラッチユニットを内燃機関の被駆動軸へ一般的に結 合すれば、内燃機関の被駆動軸、特にクランク軸によって生じる軸方向振動、回 転振動、みそすり振動がクラッチユニットへ伝達される。クラッチユニット若し くは調整手段の機能をこの種の振動によって損なうことのないように、特に摩耗 補償手段の不所望な後調節を抑制するためには、調整手段の構成において、この 調整手段に作用する部材の慣性力が考慮されなければならない、特に軸方向振動 及びみそすり振動に起因する不所望な副作用、ひいてはこれに関連した、ライニ ング摩耗の補償のための調整手段の構成のための高い費用を回避するために1本 発明の別の思想によれば、調整手段を有するクラッチユニットが、内燃機関の被 駆動軸により励起される軸方向振動及び曲げ振動から隔離される。このことは、 クラッチユニットを軸方向に弾性的な若しくはばね的な弾性部材を介して内燃機 関の被駆動軸に結合させることによって行なわれる。
この弾性部材の強度は、内燃機関の被駆動軸によりクラッチユニットに生じる軸 方向振動及びみそすり振動若しくは曲げ振動が、この弾性部材により少なくとも 摩擦クラッチ特にその調整手段の充分な機能が保証される程度まで、減衰若しく は抑制されるように設計さに操作される。摩擦クラッチの自動化された若しくは 特表千6−511073 (14) れる。この種の弾性部材は例えばEP−O3第385752号及び及び第046 4997号公開明細書並びにSAE技術紙(Technical Paper)900391号により公知である。これら刊行物の内容は本発明の 開示内容に属している0弾性部材の使用により、(特に摩擦クラッチの解離時に )タラップカバーに対して相対的なプレッシャプレートの軸方向振動に起因する 不所望な摩耗後調節をはずみ車振動及び又は皿ばねの振動により排除することが できる。この種の振動は、この振動を少なくとも大幅に抑制する手段例えば特に 軸方向に弾性的なディスクを有しないクラッチユニット若しくはクラッチ装置で は、クラッチディスクの摩耗状態に依存しない変化する調節が行なわれ、その場 合摩擦クラッチの皿ばねの圧着力は力最小へ向かって下向に調節されることにな り、これにより所望トルクの伝達がもはや保証されなくなる。
さらに別の本発明の構成によれば、特に本発明に相応して構成されることのでき る、自発的若しくは自動的な補償を伴なう摩擦クラッチは有利には、自動的な又 は半自動的な伝達装!及び駆動エンジン例えば内燃機関と伝達装置どの間に配置 された、少なくとも伝達装置の操作に依存して制御若しくは調節されて操作され る摩擦クラッチから成る、特に自動車の駆動ユニットに使用される。摩擦クラッ チは有利には完全自動的あり、ライニング摩耗の増大に伴なって耐用寿命にゎ完 全自動的な操作は例えばDE−O8第4011850.9号公開明細書により提 案されており、それゆえ作用及び所要の手段についてはここでは説明を省く。
自動化された又は半自動的な伝達装置及び一般の摩擦クラッチを備えた従来公知 の駆動ユニットでは、クラッチ操作並びにこれに必要なアクチュエータ例えばピ ストンシリンダユニット及び又は電動機の設計のための著しい問題が従来生じて いる。一般のクラッチでは、所要の解離力が比較的高いために、強く若しくは大 きく設計されたアクチュエータが必要である。このことは、大容積、大重量及び 高コストを意味する。さらにこのように太き(設計されたアクチュエータはその 慣性ゆえに応動時間の点で比較的緩慢である。操作シリンダを使用すればさらに 圧力媒体の流量が多く必要とされ、その結果供給ポンプも比較的大きく設計され なければならず、さもなければ摩擦クラッチのための所望の操作時間が保証され ない、前述の欠点を部分的に排除するために、例えばDE−O3第330942 7号公開明細書の提案によれば、小さく設計されたアクチュエータを使用するこ とができるように、クラッチの解離のための操作力が適当な補償ばねによって軽 減されるようになっている。しかし一般のクラッチにおける解離力が耐用寿命に わたり極めて著しく変動し、換言すれば解離力が新品状態では比較的わずかでた って上昇するため、通常必要な解離力のわずか一部だけが補償ばねを介して軽減 されるに過ぎない、全体の誤差を考慮すれば、補償ばねの使用にもがかわらず、 アクチュエータの解離出力は一般の新品のクラッチに必要とされるよりも大きく なければならない、ライニング摩耗を補償する本発明摩擦クラッチを、エンジン 及び自動的又は半自動的な伝達装置がら成る駆動ユニットと組合わせて使用する ことにより、公知技術に対して極めて著しく解離力をそれもじかにクラッチ内で 低下させることができる。その場合、新しいクラッチの解離力の値若しくは解離 力特性はクラッチ耐用寿命全体にわたり実際に変化せずに維持される。これによ りアクチュエータの設計のための著しい利点が生じる。
それというのはアクチュエータの駆動出力又は操作出力が低く保たれるからであ り、その場合全解離機構内に生じる力又は圧力も相応してわずかとなる。これに より、摩擦又は構成部材の弾性に基づき解離機構内に生じる損失が排除され若し くは最小に軽減される。
以下、本発明を図1〜48に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に従って構成したクラッチ装置の断面図である。
図2は、補償装置の拡大図である。
図3は、図2の矢印IIIの方向に見た図である。
図4は、摩擦クラッチのレリーズ手段に接している調整リングの、図2の矢印I Vに従う図である。
図5は、図4の線V−■による断面図である。
図6は、図1のクラッチ装置に用いられた対向調整リングの、図2の矢印III に従う図である。
図7は、図6の線Vll−V11による断面図である。
図8は、図2に示された補償装置の変化実施例の詳細図である。
図9は、本発明のクラッチ装置のその他の細部の断面図である。
図10および11は、たとえば図9に従う本発明のクラッチ装置に使用できる摩 耗調整リングを示す。
図12は、本発明のクラッチ装置の断面図である。
図12aは、図12に用いられたセンサーばねのセグメントを示す。
図13は、図12の矢印Xll+の方向に見た部分図である。
図14は、本発明の摩擦クラッチのその池の可能な構成を示す。
図15は、本発明のクラッチ装置のためのレリーズシステムの模式図である。
図16は、調整リングのためのブレーキを有する本発明の摩擦クラッチのその他 の構成である。
図17は、本発明の摩擦クラッチの図である。
図18は、図17の線11−I Iによる断面図である。
図19は、図17および18に従う摩擦クラッチに用いられた調節リングを示す 。
図20は、図19の線IV−[Vによる断面図である。
図21は、図17および18に従う摩擦クラッチに用いられた支持リングである 。
図22は、図21の線Vl−Vlによる断面図である。
図23および23aは、調節リングに回動力を及ぼすばねを示す。
図24〜27は、本発明の摩擦クラッチの個々のばね部材と調整部材との協働を 示した種々の特性曲線を記載したグラフである。
図28および29は、本発明の摩擦クラッチのその池の可能な構成を示し、図2 9は図28の線X1llによる断面図である。
図30は、図28および29に従う摩擦クラッチに用いられた調節リングの図で ある。
図31〜33は、補償装置を有するその他の摩擦クラッチの細部を示す。
図34および35は、圧着圧ばねとライニングばねとの協働、およびそれによっ て発生する摩擦クラッチの解離力特性曲線に対する影響を示した種々の特性曲線 を記載したグラフである。
図36は、本発明のその他の摩擦クラッチの部分図である。
図36aは、図36の矢印Aの方向に見た部分図である。
図37は、図36の線XXIによる断面図である。
図38は、図36および37に従う摩擦クラッチに用いられた調節リングの部分 図である。
図39および40は、本発明の摩擦クラッチのその他の変化実施例である。
図41は、図28および29または図36および37に従う摩擦クラッチに使用 できる調節リングの図である。
図42〜45は、摩擦クラッチの追加の変化実施例を示す。
図・16〜48は、摩擦クラッチの他の可能な構成の詳細を示し、図47は図4 6の矢印Aに従う部分図、図48は図47の矢印B−Bに従う断面図である。
図1に示すクラッチ装置は、ケーシング2を備えた摩擦クラッチ1と、このケー シングと回転しないように結合しているが軸方向に限定的に移動できるプレッシ ャープレート3を有する。軸方向でプレッシャープレート3とカバー2との間に 圧着圧ばね4が緊定されており、この圧着圧ばねが、ケーシング2によって支持 されたリング状の旋回軸受5を中心にして旋回でき、プレッシャープレート3を ケーシング2と固く結合したカウンタープレッシャープレート6、たとえばフラ イホイールに向かって押し付けており、そうすることによってクラッチディスク 8の摩擦ライニング7がプレッシャープレート3とカウンタープレッシャープレ ート6の摩擦面の間に固定されている。
ブレッンヤープレート3はケーシング2と周方向もしくは接線方向に向いた板ば ね9と回転しないように結合している。図示の実施例では、クラッチディスク8 はいわゆるライニングばねセグメント10を有する。このライニングばねセグメ ントは、2つの摩擦ライニング7の互いに向かう限られた軸方向移動を通して、 摩擦ライニング7に作用する軸方向力の漸増的な増加を可能にすることによって 、摩擦クラッチ1が接続するときに漸増的なトルク生成を保証する。しかしなが ら、摩擦ライニング7がサポートディスクに事実上町に取り付けられているクラ ッチディスクも用いることができよう。
図示の実施例では、皿ばね4が圧着力を加えるリング状の基体4aを有し、この 基体から半径方向内側に操作舌片4bが出ている。この場合、皿ばね4は、さら に半径方向外側に位置する範囲でプレッシャープレート3を押し付け、さらに半 径方向内側に位置する範囲で旋回軸受5を傾倒できるように組み込まれている旋 回軸受5は2つの旋回サポート11.12を包含しており、これらの旋回サポー トの間で皿ばね4が軸方向に保持または固定されている。皿ばね4の、ブレノン ヤープレート3に向いた側に設けられている旋回サポート11は ケーシング2 に向かって軸方向に力を受けている。このために、旋回サポート11は皿ばねも しくは皿ばね状の部材13の一部である。この部材は外側縁範囲13aによりケ ーシング2に弾性支持されている。そうすることによって、半径方向内側に成形 した旋回サポート11が操作器ばね4に対して、したがってまたケーシング2に 向かって軸方向に押し付けられる。プレッシャープレート3と操作器ばね4との 間に軸方向に設けられている皿ばね13は、リング状の範囲13bを有する。そ の内縁から半径方向内側に延びた舌片13cが出て、旋回サポート11を形成し ている。
皿ばね状の部材13を支持するために、図示の実施例ではケーシング2と、皿ば ね状の部材13の舌片状のブラケット13aとの間に、バヨネット式の結合部材 もしくはロック部材が設けられている。
皿ばね状の部材もしくは皿はね13は、所定の作動行程にわたって少なくともほ ぼ一定の力を生み出すセンサーばねとして形成されている。このセンサーばね1 3を通して、舌片先端部4cに作用するクラッチ解離力が少なくともほぼ把捉さ れる。その際に、この解離力に−よって旋回サポート11に対して生み出される 力と、センサー皿ばね13によってこの旋回サポート11に及ぼされる対向力と の間には、常に少なくとも近似的な平衡が生じている。ここで解離力とは、摩擦 クラッチ1の操作中に舌片先端部4cもしくは皿ばね舌片の解離範囲に及ぼされ る最大力を意味する。
ケーシング側の旋回サポート12は、調整装置16を介してケーシング2に支持 されている。この調整装置16は、旋回サポート11および12がプレッシャー プレート3に向かって、もしくはカウンターブレッンヤープレート6に向かって 軸方向に移動する際に、旋回サポート12とケーシング2との間、もしくは旋回 サポート12と皿ばね4との間に不都合な遊びが生じ得ないことを保証している 。そうすることによって、摩擦クラッチ1を操作する際に不都合な死行程もしく は空行程が生じないことが保証される。その結果、最適な効率が、したがって摩 擦クラッチ1の申し分ない操作が提供されている。ブレソンヤープレート3とカ ウンタープレッシャープレート6の摩擦面および摩擦ライニング7が軸方向に摩 耗すると、旋回サポート11および12が軸方向に移動する。
調整装置16は、リング状の部材17として構成されている、ばね作用を受けた 調整部材を包含している。この部材は、周方向に延び、かつ軸方向に上昇してい る、部材17の円周上に分布した乗り上げ傾斜面18を有する。調整部材17は 、乗り上げ傾斜面18がケーシング底部2aに向いているように、クラッチ1に 組み込まれている。
調整リング17は周方向に、しかも調整回転方向にばね弾性的に負荷されている 。この方向は、傾斜面18がカバー底部2aに設けた対向傾斜面19に当たるこ とによって、調整リング17をブレツンヤープレート3に向かって、つまり半径 方向のケーシング部分2aから離れて軸方向に移動させる方向である。
旋回軸受5もしくは調整部材16の自動調整の機能、ならびに調整部材16のそ の他の形成可能性を、図17〜48との関連で詳しく説明する。
クラッチ装置は、皿ばね舌片4bによって形成された摩擦クラッチ1のレリーズ 手段が軸方向に遊びなく操作され、一定の行程21を移動できることを保証する 補償部材20を含んでいる。補償部材20はレリーズベアリングを包含している レリーズ機構22と、舌片先端部4cとの間に設けられている。レリーズ機構2 2は模式的に示された、摩擦クラッチ1を操作するためのガイドバイブ23上で 軸方向に移動できる。ガイドパイプ23は、詳細に図示されないトランスミッン ヨンケーシングに支持されており、クラッチディスク8を回転しないように載せ ることのできるトランスミノンヨン・インプットシャフトを包囲している。レリ ーズ機構22の軸方向移動に必要な力は、操作手段24によって加えられる。こ の操作手段は、図示した実施例では、やはりトランスミッンヨン側で支持できる 、模式的に表現したレリーズフォークによって形成されている。しかしながら、 油圧または空気圧で作動できるレリーズ機構22、つまり圧力媒体を送り込める ピストン/シリンダーユニットを有するレリーズ機構も使用できる。
補償装置20が図2および3に拡大して表現されており、図4および5に示され ているリング状の部材25として構成された調整部材を包含している。このリン グ状の調整部材25は、図示された実施例において、半径方向にずらし周方向に 延び軸方向に上昇している2組の乗り上げ傾斜面26.27を有する。これらの 乗り上げ傾斜面はそれぞれ部材25の円周上に分布している。特に図5から分か るように、半径方向内側の乗り上げ傾斜面26は、半径方向外側に配置された乗 り上げ傾斜面27に対して周方向に、傾斜面長さもしくは傾斜面ピッチの約半分 だけずれている。図1および2から分かるように、調整部材25は端面25aに より直接舌片先端部4cで支えられている。乗り上げ傾斜面26.27は操作手 段4bと軸方向反対側に向いている。調整部材25は周方向に、しかも調整回転 方向にばね作用を受けている。この方向は、傾斜面26.27が図6および7に 詳細に示された支持リング30の対向傾斜面28.29に当たることによって、 調整リング25をプレッシャープレート3に向がって、つまりレリーズ機構22 から離れて軸方向に移動させる方向である。
図6および7から分かるように、対向乗り上げ傾斜面28.29も′+!−i1 方向および周方向に互いにずれた2組の乗りFげ傾斜面を有する。支持リング3 0の調整部材25および28.29の傾斜面26.27は互いに合わされており 、軸方向に互いに係合する。周方向にずれた傾斜面により、調整部材25と支持 リング30との間に申し分のない中心案内が存在することが保証される。特に図 2から分かるように、補償装置20の2つの部材25および30は軸方向に互い に入り組んでいる。支持リング30の対向乗り上げ傾斜面28.29の設置角3 1(図7)は、調整部材25の乗り上げ傾斜面26.27の角32(図5)に対 応している。支持リング30は、ケーシング2と回転しないように結合している が、このケーシングに対し軸方向にクラッチ操作行程21だけ限定的に移動でき る。この軸方向の制限は、摩擦クラッチ1が接続した状態でカバー底部2aの半 径方向内側範囲と当たる、支持リング30の半径方向範囲33を介して行われる 。この当たりは、ばね作用を受けた操作手段4bによって引き起こされる。摩擦 クラッチ1を解離するとき、行程制限が薄板成形部材34によって保証される。
この薄板成形部材は、支持リング30の、操作手段4bと反対側に設けられてお り、直径範囲35でレリーズ機構22の作用を受ける。この板、成形部材34も 、摩擦クラッチ1を解離したときにカバー底部2aの半径方向内側範囲と当たる ことができる半径方向範囲36を有する。
図示の実施例では、調整リング25および支持リング30は耐熱プラスチック、 たとえばサーモブラストで作られており、さらに繊維強化することができる。
こうすることによって、これらの部材は射出成形部材として簡単に作ることがで きる。
乗り上げ傾斜面26.27および対向乗り上げ傾斜面28.29は、2つの部材 25と30の間で少な(とも、摩擦クラッチ1の全寿命にわたって、プレッシャ ープレート3とカウンタープレッンヤープレート6の摩擦面および摩擦ライニン グ7で発生する摩耗の調整を保証する回動角が可能となるように、周方向に形成 されている。この調整角は乗り上げ傾斜面の設計に応じて30°〜90°程度で あることができる。図示の実施例では、図3に符号37で示したこの回動角は7 5°程度である。傾斜面および対向傾斜面の設置角31もしくは32は、6°〜 14°程度、有利に8°程度である。この場合、傾斜面および対向傾斜面の実際 の角31もしくは32は、これらの傾斜面の半径方向長さにわたって変化する。
なぜならば、与えられた回動角に対して同一の高低差が橋渡しされなければなら ないからである。つまり、傾斜面角31もしくは32は直径が増すに従い小さく なるのである。
部材25の調整に必要な周方向の力作用は、図示された実施例では支持リング3 0と調整部材25との間に弓形に配置されて緊定された2つのコイルばね38. 39で形成された力貯蔵手段によって保証されている。これらのコイルばね38 .39は、カバー2と回転しないように固定した支持リング30に支えられてお り、操作手段もしくは皿ばね舌片4bが摩耗の結果としてカバー底部2aもしく はレリーズ機構22から軸方向に離れると、すぐに調整リング25を回動させる 。特に図3および6から分かるように、コイルばね38.39はそれぞれ、周方 向に溝状もしくはトーラス状に延びている、リング30のソケット40.41を 含んでいる。図2から分かるように、断面が力貯蔵手段38.39の壁に適合さ れたソケット40は、ばね28もしくは29の断面の円周の半分以上にわたって 延びている。その際、図3および6から分かるように、それぞれ1つのスロット 状の開口部42.43が支持リング30の操作手段4bに向いた側に、またそれ ぞれ1つのスロット状の開口部44.45が操作手段4bと反対側にとどまって いる。これらのばね38.39は、ソケット40.41を限定する面によって、 支持リング30に対して軸方向に確保されている。
コイルばね38.39を通すために、扇形ソケット40.41は、それぞれ1つ の通し範囲46.47を備えている。この範囲は、少なくともコイルばね38. 39の壁の外径に対応する、半径方向の導入幅を有する。この通し範囲46.4 7を通して、力貯蔵手段38.39を扇形ソケット40.41に斜めに差し込む ことができる。まだ弛緩しているコイルばね38.39を扇形ソケット40.4 1に通した後、調整部材25は支持リング30と組み合わされる。このために、 調整リング25に設けられ、同時にコイルばね38.39のための力作用範囲も しくは支持範囲を形成している軸方向ボス48.49は、周方向で通し範囲46 .47に接したそれぞれ1つの軸方向スロット範囲50.51に導入される。そ うすることによって、力作用範囲48.49は弛緩したコイルばね38.39の 一方の端部範囲に位置するようになる。力貯蔵手段38または39の弛緩した位 置が図3に示されており、39aで表示されている。コイルばね38.39の他 方の端部範囲は、扇形ソケット40.41の、周方向にある底部53.53aに 支えられている。調整リング25と支持リング30が回動することによって、ば ね38.39を緊張させることができる。通し範囲46.47の角に従う延びよ りも大きい所定の相対回動角以後では、調整リング25の力作用範囲48.49 がそれぞれスロット44.45の端部範囲に位置するので、乗り上げ傾斜面26 .27と対向乗り上げ傾斜面28.29とが接するまで、調整リング25と支持 リング30は互いに重なり合って動くことができる。
スロット44.45と軸方向ポス48.49は、2つの部材25.30の間に軸 方向に作動するスナップ結合部が存在するように互いに合わされている。このた めに軸方向ポス48.49は、それらの端部範囲に、支持リング30の半径方向 に延びている範囲と当たることのできるフック状の部片48aを有する。2つの 部材25と30が角37(図3)に対応して追加で相対的に回動することにより 、ばね38.39は摩擦クラッチ1の新品状態に対応する緊定された角長さ54 にされる。次に2つの部材25.30を図示されない手段によりこの位置で確保 することができる。この手段は、たとえば形状接続を含むことができる。この形 状接続は2つの部材25と30の間で働き、カウンタープレノノヤープレート6 に摩擦クラッチ1を取り付けた後に除くことができ、そうすることによって補償 装fl 20が作動する。特にライニング摩耗を補償するための可能な調整角は 、図3に37で示した回動角と対応している。この回動角37以後は、軸方向ポ ス48.49は、リング25の調整方向にあるスロット44.45の端部範囲と 当たる。この位置に対応して緊定されたコイルばね38.39の位置は、図3で は38aで示されている。
摩擦クラッチ1の新品状態では、乗り上げ傾斜面と対向傾斜面を形成している軸 方向カム26.27および28.29は軸方向に最も離れて係合する。つまり、 互いに重なるリング25および3oが必要とする軸方向スペースは最も小さい。
図示の実施例では、摩擦クラッチ1の解離方向における操作行程の制限が薄板成 形部材34によって保証される。図示されない実施例に従い、たとえばカバー2 と協働するこれに必要な衝止範囲を、レリーズ機構22に、しかも摩擦クラッチ と一緒に回転する軸受リングまたはこれと結合した部材に設けることもできょう 。摩擦クラッチ1の操作行程を軸方向で少なくとも軸心方向の1つに制限するこ とは、ガイドパイプ23に設けられた少なくとも1つの、レリーズ機構22の軸 方向ストッパーによって形成することもできょう。
さらに、レリーズ機構22が操作手段4bに直接作用して、対応する補償装置を レリーズ機構22とレリーズ手段24との間に設けることができょう。
摩擦クラッチ1と補償装f120の機能を損ねない張力を、操作手段4bの方向 でレリーズ機構22に加えていることが好都合である。
図2〜4から分かるように、調整リング25は半径方向内側のカム55を有する 。これらのカムは、回動手段もしくは保持手段のための作用範囲をなしている。
この回動手段もしくは保持手段は、必要に応じ他方で回転しないようにケーシン グ2または支持リング30に当たることができる。このような保持手段は、摩擦 クラッチ1もしくは補償装置20を製造し、もしくは組み立てるときに設け、摩 擦クラッチ1をフライホイール6に取り付けた後取り除くことができる。
図8に示されている詳細図は、図1および2に示されている補償装置20の下半 分の変化実施例を表している。図8に従う変化実施例では、摩擦クラッチが接続 した状態で、補償装置120とケーシング102との間の軸方向制限は、薄板成 形部材134と一体的に形成されているフック状の軸方向ブラケット133を介 して行われる。ブラケット133は、圧縮部材として用いられる薄板成形部材1 34の外縁に設けられ、軸方向にカバー102を貫通している。ブラケット13 3は皿ばね104に向いた自由端に、半径方向外側に延びた範囲133aを有す る。これらの範囲は、カバー102を皿ばね104に向いた側で半径方向に貫通 している。このように形成することによって、皿ばね104から補償装置120 に及ぼされる軸方向力を薄板からなる圧縮部材134で支持できることが保証さ れるので、ストッパーがプラスチック製の支持リング30の範囲33によって形 成された、図2に従う補償装置1i20におけるよりも大きい軸方向力が補償装 置120によって吸収できる。補償装置20もしくは120に対するこのような 軸方向力は、何よりも輸送時に、つまり摩擦クラッチを取り付けていないときに 発生することがある。なぜならばこの状態では生血ばね4もしくは104は、ば ね舌片を介して支持リングもしくはプラスチック補償部材30.130により軸 方向に支えられるからである。薄板からなる圧縮部材134は、円周上に好まし くは対称的もしくは均等に分布している2つ以上、なるべ(は3つ以上のフック 状のブラケット133を有する。圧縮部材134の薄板の厚さは、支持すべき軸 方向力に対応して設計できる。プラスチック製リング130は、圧縮部材134 と回転しないように結合している。図2と類似に、圧縮部材もしくは薄板成形部 材134は半径方向外側に範囲136も有する。これらの範囲は周方向に見れば 、フック状のブラケット133の間に延びており、ケーシング102に当たって 解離行程を制限し、もしくは許容されない捏大きい超過行程を避けるために用い られる。
図9に示された摩擦クラッチ201の細部は、本質的に図1に従う摩擦クラッチ 1の右下範囲と類似の構造を有する。図9には、クラッチケーシング202、皿 ばね204の旋回軸受205、調整装置216および補償装置220が部分的に 表現されている。調整装置216と補償装置220の機能に関しては、図1〜8 に関する説明、もしくはドイツ特許出願第P4306505.8号および第P4 239289.6号を参照されたい。これらの特許出願の内容は明らかに本出願 に組み込まれているものと見なすべきである。
図9に従う変化実施例において、調整リング217として構成された調整部材の ための回動防止部材260が設けられている。
移動防止部材もしくは回動防止部材260は、摩擦クラッチ201を取り付けて いない状態で、他の部材、たとえば特にケーシング202に対する調整部材21 7の所定の位置を保証する。特に移動防止部材260によって、摩擦クラッチ2 01の新品状態で調整部材217をその後退位置、つまりまだ調整が行われてい ない実用的なゼロ位置に保持できることが保証される。しかもこれは、旋回サポ ートもしくは支持サポート212の範囲で皿ばね204が調整リング217に作 用しないにもかかわらず行われる。このことは、摩擦クラッチ201を取り付け ていない状態もしくは摩擦クラッチ201が発送用に準備されている状態で、上 皿ばね204がばね舌片を介して補償装置220に軸方向に支持されていること に帰すことができる。これは図1および2との関連でも明らかである。この支持 の結果として、上皿ばね204は皿ばね213として構成された力センサーを軸 方向でケーシング202もしくは調整リング217から離れる方向に押し付ける 。そうすることによって、調整リング217をケーシング202の方向で軸方向 に緊定することはもはや保証されていない。したがって、回動防止部材260が なければリング217は移動できるであろう。それゆえ、摩擦クラッチ201を 内燃機関の駆動軸に取り付けた状態では、リング217は、特にクラッチディス クの摩擦ライニングに発生する摩耗の調整を保証する所望された後退位置を取ら ないであろう。図9には、フライホイールに取り付けた摩擦クラッチに対応する 部材の位置が実線で表現されている。取り付けていない新しい摩擦クラッチに対 応する皿ばね204とセンサーばね213の位置が破線で暗示されている。ここ から分かるように、摩擦クラッチ201を取り付けていない状態では、調整部材 217もしくはリング状の支持部材212と皿ばね204との間に軸方向間隔も しく隙間がある。
特に摩擦クラッチ201の運搬用に設けられた調整装置216用の調整防止部材 260は、少な(とも摩擦クラッチ201を取り付けていない状態で、場合によ っては取り付けた摩擦クラッチ201が接続した状態でケーシング202に対し て回転不能に保持されており、調整部材217の回転防止のためにこれと協働す る、少な(とも1つの止め部材261を有する。止め部材261は、たとえば図 10に示されているように、軸方向に延びている個々の若干のアーム262を持 つことができる。これらのアームは半径方向外側では調整リング217と固く結 合しており、半径方向内側では皿ばね204に向いたケーシング202の側に設 けられたストッパー233とケーシング201との間に締め付けることができる 。そうすることによって、調整部材217とケーシング202との間に形状接続 による結合が与えられている。アーム262は、板はねに類似して形成され、半 径方向内側でリング状の範囲263を介して互いに結合することができる。図示 の実施例では、アーム262は調整部材217とねじ止めされているが、アーム 262は調整部材217とリベット化めすることもでき、さらには調整部材21 7と回転不能に結合させるためにこの部材を形成しているプラスチックに埋設さ れた範囲を持つこともできる。
補償装置220もしくはその制限ストッパー233は、ケーシング202および 軸方向に締め付は可能な止め部材261の範囲と結合して、摩擦クラツt201 を操作していないときに作動する、調整部材217のためのブレーキもしくはク ラッチを形成する。
クラッチを解離すると、止め部材261もしくは帯金262の制動効果もしくは 締め付けが解消されるので、調整部材もしくは調整リング217は必要に応じて 調整できる。
止め部材261もしくはこれを形成している板ばねに類似した帯金は、軸方向に わずかなばね率もしくはばね強度を有するが、周方向では比較的剛性もしくはば ね剛性を有する。
図11に示された調整リング317の実施例において、軸方向に弾力的な帯金3 62が直接プラスチックリング317に射出成形されている。図10と関連して 示されているように、帯金362は類似の仕方で、半径方向内側で円環状の範囲 を介して結合できる。
図12および13に表現されているクラッチユニットもしくは摩擦クラッチ40 1は、薄板カバー402で形成されたケーシング、これと回転しないように結合 しているが軸方向で制限されて移動できるプレッシャープレート403、および このプレッシャープレート403とカバー402との間に緊定された圧着面ばね 404とを有する。この圧着面ばね404は、旋回軸受405に傾倒可能もしく は旋回可能に保持されていることによって、ケーシング402に対して2ア一ム 式レバーとして支持されている。皿ばね404は、プレッシャープレート403 を、クラッチディスク403とフライホイールとの間に締め付は可能なりラッチ ディスク408の摩擦ライニング407に向かって、リング状の旋回軸受405 に対して半径方向で一層外側に位!する範囲を押し付ける。プレッシャープレー ト403とカバー402との間のトルク伝達は、ブレンシャープレート403を 摩擦ライニング407から持ち上げる方向で緊張させることのできる板ばね40 9を介して行われる。
皿はね404はリング状の基体404aと、これから出て半径方向内側に向いて いる舌片404bとを有する。
旋回軸受405は2つの旋回サポート411.412を包含し、それらの間に皿 ばね404が軸方向に保持または締め付けられている。旋回サポート411およ び412は類似に配置および形成されており、図1に関連して説明した旋回サポ ート11および12と等しい機能を有する。旋回サポート411.412に作用 する部材および旋回軸受405の自動調整機能に関しては、図1および図17〜 48の説明を参照されたい。
皿ばね舌片404bによって形成された、摩擦クラッチ401のレリーズ手段は 、レリーズ装置420によって軸方向に操作でき、それによって皿ばね404の 円錐性が変化できる。レリーズ装置420は、図1〜7との関連で説明したよう に、補償装置20を有する。しかしながら、自動調整レリーズベアリングを有す るクラッチレリーズシステムにおいては、この種類の補償装置20は必要ない。
このようなレリーズシステムでは、レリーズ装置420は、少なくとも解離動作 の間にクラッチ401と一緒に回転するレリーズベアリングリングと結合してい ることができる。
皿ばね舌片404bによって形成されたクラッチレリーズ手段の許容されない程 大きい解離行程を妨げるために、クラッチ401もしくはケーシング402に皿 ばね舌片404bの行程制限手段436が設けられている。行程制限手段436 は、皿ばね舌片404bを軸方向に支持し、したがってレリーズ装置420に作 用する解離力を軸方向に把捉することによって皿ばね404の旋回行程もしくは 旋回角を制限する。
図示された実施例では、行程制限手段436は、カバー402の半径方向内側の 部片によって形成されたリング状の衝止範囲436によって形成されている。
舌片先端部404Cは所定の軸方向行程421の後でこの衝止範囲に当たる。リ ング状の衝止範囲436は、これが少なくとも皿ばね舌片の解離直径、つまりそ の上でレリーズ装rI1420が皿ばね舌片404bに当たる直径上に位置する ように形成されている。衝止範囲436は、軸方向でばね舌片404bもしくは ばね舌片先端部404cとクラッチディスク408との間に配置されている。
リング状の衝止範囲436は、半径方向に延びたリブもしくはウェブ437を通 してカバー基体402aと結合している。図13から分かるように、図示された 実施例では、このようなウェブが6つ設けられている。しかしながら若干の応用 例に対しては、このようなウェブを3つのみ設けることもできる。特に大きい解 離力が必要となるクラッチ仕様においては、より多(のウェブ、たとえば9つの ウェブを設けることもできる。
ウェブ437は、カバー底部402bもしくはカバー基体402aから出て半径 方向内側に延び、軸方向ではプレッシャープレート403もしくはクラッチディ スク408に向かって傾いている。衝止範囲436は、カバー底部402bに対 し軸方向でカバースペース内にずれている。ばね舌片404bは、リング状の衝 止範囲436と半径方向に一層外側にあるカッく一基体402aと結合リブ43 7との間で形成されている開口部438と係合する。このために、図示の実施例 では、皿ばね舌片404bが半径方向内側に全長の一部にわたって、軸方向でウ ェブ437の延長と反対方向に直角に折り曲げるか、立てられている。図13か ら分かるように、皿ばね舌片404bは、それぞれ開口部もしくは貫通部438 に付属している3体構成をなしている。個々の3体構成の間に、それぞれウェブ 437を収容するためのスロット439が設けられている。この場合、スロット 439とウェブ437は、皿ばね404の申し分ない旋回が可能となるように互 いに合わされている。
皿ばね舌片404bを開口部438に通すことは、摩擦クラッチ401を取り付 ける間に行われる。このために、皿ばね404は図12に破線で示された弛緩し た状態において、舌片先端部404Cの範囲に、リング状の衝止範囲436の外 径441よりも大きい内径440を有する。そうすることによって、皿ばね40 4は、少な(とも完全に弛緩した状態では、皿ばね舌片404bによりカバー4 02の開口部438に軸方向に挿入できる。摩擦クラッチ401を取り付けてい る間、もしくは遅くとも摩擦クラッチ401をフライホイールなどに取り付ける ときに、皿ばね404が旋回する。そうすることによって、皿ばね舌片404b によって制限された内径440が縮小される。摩擦クラッチをフライホイールに 取り付けると、皿ばね404は動作位置を取り、舌片先端部404Cは衝止範囲 436の外径441より小さい内径442を限定する。旋回行程421を後退し た後でも、舌片によって規定される衝止範囲436の内径が外径より小さくなる ように、皿ばね404が旋回可能にケーシングに保持され、舌片404が形成さ れている。
軸方向に制限された最大可能な操作行程421は、ライニング407で最大許容 摩耗に達した後にもクラッチ401が少なくとも申し分のない機能、つまりクラ ッチ装置401の申し分のない切り離しに必要とされる完全な目標解離行程を有 するように設計されている。クラッチ401もしくはクラッチにおける自動うイ ニング摩耗補償を保証するセンサーばね413および調整装置416は、摩擦ク ラッチ401の新品状態で旋回軸受405の誤った軸方向移動が行程421を完 全に通過した場合でも生じないように、設計されている。
以下に、数値例に基づいて、作動方式もしくは衝止範囲436と皿ばね舌片40 4bとの協働について説明もしくは実証する。
摩擦クラッチ401の上述の解離行程は、公差の存在を考慮すると8.4〜10 mmである。クラッチ401は、新品状態で旋回軸受405の誤った軸方向移動 が解離行程14mm以上で初めて可能であるように設計されている。ストッパー 436は、摩擦クラッチの新品状態でストッパー436と当たる範囲、すなわち 舌片先端部404cが12.5mmの軸方向行程421を通過できるように設計 もしくは位置決めされている。皿ばね舌片がストッパー436に当たり、最大解 離力を加えると、カバーはさらに約0.5mm軸方向に収縮できるので、合計で 13mmの最大軸方向行程421が可能である。
ライニング407で3mmの最大ライニング摩耗が可能であると仮定すると、摩 擦クラッチ401の寿命にわたって、皿ばねは、旋回軸受405の軸方向移動に よって、この旋回軸受を中心にしてクラッチディスクに向かって3mm移動する 。それにより、最大可能解離行程421は約13mmから約10mmに減少する ので、クラッチはその寿命の終わりにも依然として要求された解離公差8.4〜 10mm以内にある。
図示の実施例では、ストッパー436はカバー402と一体的に構成されている 。しかしながら、このストッパーは、カバー402と結合した独立の部材で形成 することもできる。ウェブ437も独立の部材で形成するか、または固有の部材 として形成されたストッパー436と一体的に構成ができる。
さらに、図12および13に示されたクラッチユニット401は、クラッチユニ ット401が動作している間、使用中にクラッチユニット401が回転する回転 数範囲の少な(とも一部で、皿ばね404に対して軸方向の支持力増加を引き起 こす装置もしくは手段を有する。この支持力増加により、クラッチユニット40 1の操作時に、少な(とも所定の回転数部分で発生する妨害因子の結果として、 旋回サポート411と協働する、センサーばね413として構成されたセンサー 装置の、ライニング407の摩耗に起因しない、好ましくない軸方向偏向もしく はたわみに基づいて、許容されない調整が行われるのを防止できる。
図12には、転勤サポート411に作用する軸方向力を高めるために、回転数も しくは遠心力に依存した手段450が設けられている。遠心力に依存した手段4 50は、センサー皿ばね413の外側辺縁部に成形され、カバー402に向かっ て軸方向に設置された舌片450によって形成されている。図12aから分かる ように、皿ばね状のセンサーばね413は半径方向外側に延びている舌片状のブ ラケット413aを有する。これらのブラケットは、図12および13から明ら かなように、カバー402に軸方向で支えられている。ブラケット413aと、 これを軸方向で支えているカバー402の範囲451との間には、バヨネット式 の結合部材もしくはロック部材452が設けられている。バヨネット式の結合部 材452は、センサーばね413とケーシング402を軸方向に組み合わせるこ とにより、またそれに続くこれら2つの部材の相対的回動により、ブラケット4 13aが軸方向にケーシング402の支持範囲451に位置するように構成され ている。センサーばね413とカバー402を一緒に組み立てると、これら2つ の部材が回動する前に、センサーばね・113は最初に弾性的に軸方向に緊張さ れ、回動後に弛緩される。そうすることによって、ブラケット413 aは張力 によってカバー402に支えられる。図12aから分かるように、半径方向ブラ ケット413aの両側に舌片450が設けられている。
クラッチユニット401が回転すると、遠心力が舌片450に作用する結果とし て、センサーばね413の張力によって加えられる力に重なる、つまり加算され る力が生み出される。そうすることによって、操作器ばね404に対する支持力 は旋回サポート411の範囲で拡大される。旋回サポート411で舌片450に よって追加で生み出されるこの力は、回転数が増すにつれて大きくなる。しかし ながら、この力の増加は、所定の水準の回転数以後は舌片450が、これに作用 する遠心力に基づいて、半径方向外側でケーシング402に支えられるように変 形もしくは旋回することによって制限できる。そうすると、遠心力に依存する手 段450によって生み出される追加支持力の増加が、旋回サポート411の範囲 で生じないか、もしくは事実上束じない。
軸方向の力関係もしくは旋回サポート411と皿ばね404との間の力の平衡を 考察する際に、さらに板ばね状のトルク伝達手段409を考慮しなければならな い。クラッチユニット401の全寿命にわたってプレッシャープレート403が トルク伝達手段409によって皿ばね404に対し軸方向に力で緊定されている ように、この板ばね状のトルク伝達手段409をケーシング402とプレッシャ ープレート403との間で緊張させることができる。したがって、トルク伝達手 段409によって加えられる軸方向力は、皿ばね404からプレッシャープレー ト403に及ぼされる力に抗して働き、それゆえセンサーばね413によって皿 はね404に加えられる軸方向力と加算される。このとき、これら2つの力は舌 片先端部404Cに作用する解離力に軸方向で抵抗する。そうすると、クラッチ ユニット401が回転していないときに皿ばね404の軸方向移動に抵抗する実 際のセンサー力は、トルク伝達手段409とセンサーばね413によって生み出 され、皿ばね404に作用する合力によって形成される。クラッチユニット40 1が回転すると、舌片450によって生み出される回転数もしくは遠心力に依存 する力がこの合力に重なる。
摩擦クラッチユニット401を操作するとプレッシャープレート403の持ち上 げ行程の一部にわたって、クラッチディスク408によって伝達されるトルクの 漸次的な解消もしくは漸次的な形成を保証する、たとえばライニングはね453 として形成された装置を有するクラッチディスク408において、この装置43 0は、プレッシャープレート403が摩擦ライニング407もしくはクラッチデ ィスク408を解離するまでは、調整リング417として構成された調整部材に 対する皿ばね404の軸方向支持を保証する。そうすることによって、少な(と もほぼ調整リング417の摩擦ライニング407を解離するまでは、軸方向で皿 ばね404とケーシングもしくはカバー402との間に緊定され続けており、し たがって調整は行われ得ないことが保証される。クラッチユニット401が解離 してプレッシャープレート403がライニング407から持ち上がると、舌片4 50のないクラッチユニットにおいて、板ばね状のトルク伝達手段409とセン サー皿ばね413とによって生み出される合力のみが軸方向の緊定力として生血 ばね404に作用する。
この合成センサー力は、舌片404cに導入された解離力に抗して働く。所定の 回転数範囲、特に高いエンジン回転数において、たとえばエンジンによって励起 された振動が発生してプレッシャープレート403の軸方向振動を引き起こすこ とがある。プレッシャープレート403が軸方向に振動すると、このプレッシャ ープレート403は生血はねもしくは皿ばね404から短時間持ち上がることが あり、それによって合成センサー力が短時間低下する。なぜならば、このとき板 ばね状のトルク伝達手段409によって生み出される軸方向力はもはや皿ばね4 04には作用しないからである。その結果として、皿ばね404もしくはこの皿 ばねに作用する解離力と、この皿ばね404に作用する合成解離力との間で、装 置416の計画的な調整に必要な力関係が阻害されている。しかも、このような りラッチユニット401の動作状態では、皿ばね404に作用する軸方向支持力 は小さくなり過ぎるので、クラッチは時期尚早の、もしくは好ましくない調整を 行い、それによって皿ばね404の動作点が皿ばね最小限に向かって移動する。
さらに、エンジンの所定の動作状態において、特に高いエンジン回転数で、特に 大きいクランクンヤフト周速が生じることがある。このクランクシャフト周速は 調整リング417の慣性に基づいて周速を生み出す。これらの周速は、調整リン グ417とケーシング402との間で作動する調整ランプ418.419によっ て、皿ばね404に対する軸方向成分を生み出すことができるが、この軸方向成 分は合成センサー力とは反対方向に向けられているので、やはり好ましくない調 整が行われることがある。
さらに、発生する振動に基づいて乗り上げ傾斜面418.419の間に存在する 摩擦係合が減少し、その結果として調整リング417に周方向に作用する調整ば ね417aによって生み出されて皿ばね404に作用する軸方向力が増加する。
そうすることによって、やはり好ましくない調整が支援される。
遠心力に依存した支持手段450なしでクラッチユニット401の上述の短所を 取り除くために、図12〜13に図示した実施例では遠心力に依存した舌片45 0が設けられている。これらの遠心力に依存した手段450は、センサーばね4 11によって生み出される力と平行に導入された、回転数もしくは遠心力に依存 して増加する支持力を生み出すことによって、回転数に依存する妨害効果を補償 する。
この場合、クラッチユニット401におけるライニング摩耗に、必要な調整がク ラッチユニット401の停止時または少ない回転数で可能であるように、遠心力 に依存する手段を構成できる。そうすると、回転しているクラッチユニット40 1もしくは臨界的振動が発生し得る回転数以上では、調整装!16を事実上ロッ クできる。
図14に示されている摩擦クラッチ501の実施例では、センサーばね513が 、皿ばね旋回軸受5050半径方向内部に配置されている。センサーばね513 はリング状の基体513aを有し、ここから半径方向内側に向いた舌片513b が出ている。これらの舌片513bを通して、センサーばね513はリング状の 衝止範囲536に支えられている。この衝止範囲は、図12および13に従うリ ング状の衝止範囲436のように、配置および構成されている。センサー舌片5 13bは、衝止範囲536の、皿ばね舌片先端部504Cに向いた側に支えられ ている。基体513aは半径方向外側にも舌片513Cを有する。これらの舌片 は皿ばね504を軸方向で支持するためにこれと当たっている。
センサーばね513のカバー502への取り付けは、内側舌片513bに制限さ れた内径540が衝止範囲536の外径541より大きくなるまで、このセンサ ーばねが円錐状に変形されることによって行うことができる。こうすることによ って、支持舌片513bは、図12および13の舌片404bおよび開口部43 8との関連で説明したのと類似の仕方で、カバー502の開口部538に挿入で きる。舌片513bが開口部538に挿入された後、センサーばね513は弛緩 できる。そうすることによって、舌片513bの内側端部範囲はより小さい直径 に移動され、衝止範囲536に当たる。
もう1つの可能性は、センサーばね513をカバー502に取り付けるために、 少なくとも内側舌片513bの一部が軸方向にカバー502に向かって持ち上げ られて、衝止範囲536の外径よりも大きい内径540を限定することである。
センサーばねもしくは舌片513bがカバーの開口部538に挿入された後、舌 片513bの半径方向内側の範囲が張力により衝止範囲536に当たるようにこ の舌片を曲げ戻すことができる。この曲げ戻しによって、舌片513bは皿ばね 材料の塑性変形により図14に示されている破線の位置から、実線で示された位 置に旋回する。センサー舌片513bを塑性変形させるために、これらのセンサ ー舌片は皿ばね504の舌片504bもしくは舌片先端部504cに軸方向で支 持されることができる。
舌片513bの曲げ操作のために、操作器ばね504の舌片504bを上方から 支持し、センサーばね舌片513bに下方から、しかも舌片513bが折り曲げ られている直径範囲で作用する工具を用いることができる。
皿ばね401および504の解離行程もしくは旋回角を制限するストッパー43 6および536の長所は、これらが対応するクラッチ401もしくは501に組 み込まれており、皿ばね舌片404bもしくは504bの範囲で作動する点であ る。そうすることによって、皿ばね舌片404b、504bがストッパー436 .536に当たると、皿ばね舌片は軸方向に変形できないか、わずかしか変形で きないことを保証できる。そうすることによって、摩擦クラッチ401.501 が解離した状態に対応する位置で、皿ばね舌片404b、504b自体はクラッ チディスク408の部材に当たらないことを保証できる。図12には、解離した クラッチに対応する皿ばね404の位置が破線で示され450で表示されている 。つまりそれによって、摩擦クラッチ401が解離した状態で、このクラッチ4 01に対して回転しているクラッチディスク408に皿ばね舌片404bが当た ったり、滑ったりすることを避けることができる。
図12〜14に従う図示の実施例では、ストッパー436.536が皿ばね舌片 先端部404C1504Cの範囲で設けられている。しかしながら、これらのス トッパーは別様に構成・して、内側の舌片先端部404c、504cに対して半 径方向外側にずれているようにすることもできる。しかしながら、このような構 成においては、皿ばね舌片404b、504bがこれらに作用する解離力とスト ッパーによる支持のために許容されない程たわむことがないように、舌片先端部 404c、504cと半径方向に一層外側に位置するストッパーとの間にある半 径方向レバーアームが選択されていることが好都合である。
上述の過大な、もしくは許容されない大きい解離行程は、図示および説明した構 成において皿はね舌片によって形成されているクラッチ操作手段に作用するレリ ーズシステムもしくは操作システムによって引き起こされることがある。この操 作システムは、通常摩擦クラッチの操作手段に作用するレリーズベアリング、ク ラッチペダルなどの操作部材およびレリーズベアリングと操作部材との間に設け られている力伝達系統を包含している。この力伝達系統はインプットシリンダー とアウトプットシリンダーを有することができる。
インプットシリンダーとアウトプットシリンダーとを有するレリーズシステムに おいて、正常な解離行程を越えた許容されない解離行程は、摩擦クラッチがすば やく接続し再び解離する結果、アウトプットシリンダーが十分速く復帰できない ことによって起こることがある。つまり、アウトプットシリンダーが最終位置に 達しないので、その直後に行われる再解離ではアウトプットシリンダー自体は正 常な解離行程に対応する行程を通過するが、正常な解離行程と実行されない残余 復帰行程との合計に対応するクラッチの全解離行程が生じる。そうすることによ って、クラッチの所定の最大所要解離行程を著しく越える摩擦クラッチの全操作 行程が生じ得る。つまり、摩擦クラッチで設けられている操作のための予備超過 行程も越えるのである。
本発明の方策もしくはストッパー36.436.536により、摩擦クラッチを 操作するときに許容されない程大きい解離行程もしくは超過行程を防止できるが 、クラッチの寿命にわたって必要な所定の正常解離行程が保証されている。
したがって本発明に従い、まったく一般的にクラッチにおいて、特に少な(とも クラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を保証する調整装置を有するクラッチ において、クラッチ操作手段を操作するときにこのクラッチ操作手段の超過行程 を避ける、少なくとも1つのストッパーをクラッチ操作系統に設けることができ る。このようなストッパーは、たとえばレリーズベアリングの解離行程または皿 ばねの旋回行程を制限できる。しかしながら、このようなストッパーは、別の箇 所に設けることもできる。さらに、解離方向においても、接続方向においても、 ストッパーなど所定の制限部材を設けることによって、摩擦クラッチの操作行程 を所定の一定値に制限できる。
このような制限がレリーズベアリングの範囲で起こり得ることが好都合である。
なぜならば、この範囲では摩擦クラ、チの皿ばね舌片などの操作手段と所定の行 程を制限している部材との間の公差連鎖は小さいからである。
このような制限部材もしくはこのようなストッパーがあると、解離の際に事実上 側な制限部材に衝突するので、部材、特にレリーズシステムの部材の過負荷がか かったり、あるいはフット操作式システムでは操作者にとっても好ましくないこ ともある。それゆえ、本発明の構成に従い、摩擦クラッチの操作系統に、ばね弾 性的もしくは弾力的なたわみ手段および/またはレリーズシステムにおける圧力 を制限する手段が設けられる。その際、この手段は、クラッチの操作に必要な最 大力もしくは必要な最大圧力より少なくともやや大きい張力を有するが、最小変 形力もしくは開放力を必要とする。それによって、ストッパーが作動するときに クラッチペダルをさらに踏み込めること、もしくは操作モータが所定の位置まで 動作できることが保証される。摩擦クラッチの操作系統に設けられているたわみ 手段は、クラッチ操作手段とレリーズベアリングとの間、またはレリーズベアリ ングと解離操作手段、たとえばクラッチペダルまたはレリーズモーターとの間に 設けることができる。
図15には、レリーズシステム601が図示されているが、ここにはレリーズベ アリング622がクラッチ操作手段604および/またはクラッチケーシング6 02に及ぼし得る最大力を制限するための手段の配置構成の種々の可能性が示さ れている。図15には、図1および2に従うストッパー36との関連で説明した のと類似に、レリーズベアリング622の所定の行程の後にケーシング602に 当たる軸方向ストツバ−636が設けられている。しかしながら、この解離行程 制限は、たとえば図12〜14に関連して説明したように、別の仕方でも行うこ とができょう。レリーズシステム601は管652を通して連結されたインプッ トシリンダー650とアウトプットシリンダー651とを有する。アウトプット シリンダー651のピストン653はレリーズベアリング622を支持しており 、ケーシング654に軸方向に移動可能に収容されている。圧力室655には管 652を通して油などの液圧媒体が供給される。シリンダーユニット650は、 中に設けられたピストン657と連結して容積が可変な圧力室658を形成する ケーシング656を有する。圧力室658は管652を通して圧力室655と連 結している。圧力室658には、ピストン657のための戻しばね659が設け られている。ピストン657は、クラッチペダルや操作モーター、たとえば電動 モータまたはポンプを介して軸方向に移動できる。
レリーズシステム601の圧力媒体回路は、圧力媒体容器660と連結している 。インプットシリンダー650が管661を通して圧力媒体容器660と直結し ていることが好ましい。
解離手段604および/またはケーシング602に作用するクラッチ操作力を制 限するために、図15に従う実施例では、レリーズシステム601の圧力媒体循 環に、摩擦クラッチを操作したときに圧力媒体循環内に発生する圧力を所定の値 に制限する、少なくとも1つの手段が設けられている。図15に従う実施例では 、この手段は少なくとも1つの圧力制限弁によって形成されている。図15には 、このような圧力制限弁の種々の配置構成の可能性が示されている。このような 圧力制限弁662は、たとえば配管系652内に設けることができ、圧力媒体容 器660内への還流路663を有する。しかしながら、圧力制限弁662の代わ りに、圧力制限弁664を設けることもできる。この圧力制限弁歯面、ケーシン グ654によって支持され、またはこのケーシングに完全に組み込むことができ 、圧力室655と連通しており、還流管665を通して圧力媒体容器660と連 結している。
図15には、圧力制限弁666の配置構成の別の可能性が示されている。圧力制 限弁666はインプラトンリンダ−の圧力室658と連結しており、ケーシング 656によって支持され、またはこのケーシングに組み込むことができる。さら に、この圧力制限弁666は、圧力媒体タンク660へ還流するようになってい る。このために圧力制限弁666は固有の管を有するか、管661と連結してい る。
圧力制限弁667を配置するもう1つの可能性は、これをインプットシリンダ− 650のピストン657に組み込むことである。この弁667は弛緩側で圧力媒 体容器660または少なくとも中間貯蔵容器と連結している。
逃がし弁の代わりに、レリーズシステム内に発生する最大圧力を制限する圧力媒 体循環内に油圧貯蔵器を設けることもできる。この油圧貯蔵器は、圧力媒体の貯 蔵によって解離行程を制限するためのストッパーが作動した後にシステムを弛緩 させ、したがって事実上緩衝装置もしくはばね力貯蔵手段として働くことによっ て、レリーズシステム内に発生する最大圧力を制限する。
図16に示されたクラッチユニット701は、上掲の図に関連して説明したのと 類似に、クラッチディスク708の摩擦ライニング707で生じる摩耗を自動的 に補償するための調整装置716を有する。図示の実施例では、基本的な構造と 調整装置1716の作動方式は、図12および13のそれに対応している。調整 部材もしくは調整リング717は、クラッチユニット701の解離動作中に皿ば ね704と協働できる接触範囲もしくは衝止範囲770を有する。解離動作中に 皿ばね範囲771が、調整リング717に支持された衝止範囲770に少なくと も間接的に、なるべ(は直接的に、軸方向に支持されるように、衝止範囲770 はこれと協働する皿ばね704の範囲771を基準に軸方向に相対的に配置され ている。この相互的支持が、舌片先端部704cの範囲で目標解離行程772も しくは対応する皿はね404の旋回角に少な(ともほぼ達するか、もしくはわず かに越えるたときに行われるようにされているのが好都合である。誤った、もし くは不適切に調整されたレリーズシステムが原因で、目標解離行程772cをわ ずかに越えることがある。
皿ばね704を接触範囲770で軸方向に支えることによって、調整リング71 7の好ましくない回動が防止される。つまり、皿はね704は所定の解離行程7 72を越えるときに、事実上調整リング717のブレーキとして働くのである。
図示された実施例において、接触範囲もしくは衝止範囲770は旋回軸受705 の半径方向外部でリング717に成形されているリング状の突出部773によっ て形成されている。リング状の半径方向突出部の代わりに、円周上に分布した若 干の半径方向ブラケット773が、図示の実施例では皿ばね704の外縁まで延 びている。所定の解離行程772に達するとすぐに、皿ばね704が外側範囲7 71により調整リング717の衝止範囲770に支えられている。所定の解離行 程772を越えると、皿ばね704の旋回直径は拡大する。なぜならば、この旋 回直径は、旋回軸受705の@径から、皿ばね704の範囲711と衝止範囲7 70との間の接触直径に移行するからである。この移行により、舌片704cの 範囲で必要な解離力の減少も行われる。なぜならば、皿ばねのてこ比はiからi +1に変化するからである。しかも、最初に解離行程772までは2アームレバ ーとして支持されている皿ばねが、行程772を越えると事実上1アームレバー として旋回するからである。この解離力減少によって、皿ばね704が特にセン サーばね713と板ばね709によって加えられる軸方向の合成支持力もしくは 作用力によりケーシング702もしくは調整リング717に向かって圧迫される ことも保証される。したがって、皿ばね704は全体が調整リング717もしく はカバー702から軸方向に離れて移動できない。
所定の解離行程772を越えると、センサーばね713は軸方向にはね弾性的に 変形する。しかも、それは皿ばねがこのとき旋回軸受705の範囲で調整リング 717から持ち上げられるからである。
突出部もしくはブラケット773が、プラスチックから作られた調整リング77 0に射出成形されているーことが好都合である。ブラケット773に軸方向に作 用する最大力は、皿ばね舌片704Cの範囲の最小解離力と、センサーばね71 3および板ばね部材709によって加えられる皿ばね704に対する軸方向のセ ンサー力もしくは支持力との差から生じる。ブラケット773は、この最大力に 重大な変形なしに耐えられるように形成されている。
別の重要な長所は、プレッシャープレート703の軸方向の持ち上げが事実上一 定にとどまり、したがって行程772を越えると板ばね709によって止血はね 704に加えられる軸方向力はそれ以上低下しないことにある。板ばね709に よって加えられる力は、合成センサー力の一部をなしているので、この板ばねの 残っている残留張力に基づいて摩擦クラッチ701の超過行程安定性が増大する 。それによって、たとえば乗用車のクラッチは、調整装ff1716の機能を損 ねることなく、舌片先端部704Cの範囲で約0.5〜2mmの超過行程を実現 できる。
プレッシャープレート703の持ち上げ制限は、所定の解離行程を越えると、プ レッシャープレート703がセンサーばね713に軸方向に支持されることによ っても行うことができる。このためにセンサーばね713および/またはプレッ シャープレート703に、カムや突起などの成形部材を設けることができる。
図17および18に示された摩擦クラッチ1は、ケーシング2、およびこのケー シングと回動不能に結合しているが、軸方向に限定的に移動可能なブレツンヤー プレート3を有する。プレッシャープレート3とカバー2との間には軸方向に圧 着皿ばね4が緊定されている。この圧着皿ばねはケーシング2に支持されたリン グ状の旋回軸受5を中心にして旋回可能であり、プレソノヤープレ−1・3をケ ーシング2と固着したカウンターブレッンヤープレート6、たとえばフライホイ ールに向かって押し付ける。そうすることによって、クラッチディスク8の摩擦 ライニング7はプレッシャープレート3とカウンタープレッシャープレート6の 摩擦面の間に締め付けられる。
プレッシャープレート3は、周方向もしくは接線方向に向いた板ばね9を介して ケーシング2と回動不能に結合している。図示された実施例では、クラッチディ スク8はいわゆるライニングばねセグメント10を有する。これらのライニング ばねセグメントは、2つの摩擦ライニング7が互いに向かって軸方向に限定的に 移動することを通して摩擦ライニング7に作用する軸方向力の累進的な増加を可 能にすることによって、摩擦クラッチ1を接続したときに累進的なトルク生成を 保証する。しかしながら、摩擦ライニング7が軸方向に事実上町にサポートディ スクに取り付けられているようなりラッチディスクも使用できるであろう。この ような場合、「ライニングはねパッケージ」、つまり皿ばねと組み合わせたスプ リング、たとえば力/<−とフライホイール、カバーとカバー側サポートおよび 皿ばねとプレッシャープレートとの間、またはカッ<−弾性によるスプリングを 使用できるであろう。
図示された実施例では、皿ばね4は圧着力を加えるリング状の基体4aを有し、 この基体から半径方向内側に向かって延びている操作舌片4bが出ている。この 場合、皿ばね4は、半径方向一層外側に位置する範囲がプレッシャープレート3 を押し付け、半径方向一層内側に位置する範囲が旋回軸受5を中心にして傾倒可 能であるように組み込まれている。 旋回軸受5は2つの旋回サポート11.1 2を包含している。これらの旋回サポートはワイヤーリングによって形成され、 これらの旋回サポートの間で皿ばね4が軸方向に保持もしくは締め付けられてい る。皿はね4の、プレッシャープレート3に向いた側に設けられている旋回サポ ート11は、力貯蔵手段13により軸方向にケーシング2に向かって押し付けら れている。力貯蔵手段13は、皿ばねもしくは皿ばね状の部材13によって形成 されている。この部材は、外側縁範囲13aがケーシング2に支持されており、 半径方向一層内側の部片により、旋回サポート11を操作器ばね4に対して、し たがってまたケーシング2に向かって軸方向に押し付けている。プレッシャープ レート3と操作器ばね4との間に設けられている皿ばね13は、リング状の外側 縁部13bを有する。その内縁から半径方向内側に延びている、旋回サポート1 1に支えられた舌片13Cが出ている。
皿ばね状の部材13を支持するために、図示の実施例ではケーシング2に、皿ば ね状の部材13のための旋回サポートを形成する追加の手段14が固定されてい る。これらの追加の手段は、ピン止めまたはリベット止めされて円周上に均等に 分布できる、セグメント状の単独部材14によって形成できる。さらに、支持手 段14は、たとえばケーシング2の軸方向範囲に設けたエンボス加工部または舌 片状の部片によって直接ケーシング2から型出しできる。これらの部片は、皿ば ね状の部材13を挿入し緊定した後に、材料変形によってこの部材13の外縁範 囲に押し込まれる。さらに、支持部材14と皿ばね状の部材13との間に、バヨ ネット式の結合部材もしくはロック部材が設けられているので、皿ばね状部材1 3を最初に緊張させ、その半径方向外側の範囲を軸方向に支持手段14の上に置 くことができる。その後で、皿ばね状の部材13をケーシング2に対して対応し て回動させることにより、部材13の支持範囲を支持手段14と接触させること ができる。その際、皿ばね状の部材13はリング状の基体13bから半径方向外 側に向かって突き出しているブラケットによって形成できる。
操作器ばね4、場合により皿ばね状の部材13の回動を防止するため、またワイ ヤーリング11.12の心出しのために、リベット部材15として形成された、 軸方向に延びている心出し手段がケーシング2に固定されている。これらのリベ ット部材15はそれぞれ軸方向に延びているソケット1.5 aを有する。この シャフトは、隣り合う皿ばね舌片4bの間に設けられた部片を通って軸方向に延 びており、これに付属している、皿ばね13の舌片13cに成形されている範囲 13dによって一部包囲できる。
皿ばね状の部材もしくは皿ばね13は、所定の作動行程にわたって少なくともほ ぼ一定の力を生み出すセンサーはねとして形成されている。このセンサーはね1 3を通して、舌片先端部4Cに加えられるクラッチ解離力が把捉される。その際 に、この解離力によって旋回サポート11に対して生み出される力と、センサー 皿ばね13によってこの旋回サポート11に及ぼされる対向力との間には、常に 少なくとも近似的な平衡が生じている。ここで解離力とは、摩擦クラッチ1の操 作中に舌片先端部4Cもしくは皿ばね舌片のレリーズレバ−に及ぼされる、した がってセンサーばね13に抗して働く力を意味する。
ケーシング側の旋回サポート12は、皿ばね4とケーシング2との間の軸方向ス ペースに設けられた調整装置16を介してケーシング2に支持されている。この 調整装置16は、旋回サポート11および12がプレッシャープレート3に向か って、もしくはカウンタープレッシャープレート6に向かって軸方向に移動する ときに、旋回サポート12とケーシング2との間、もしくは旋回サポート12と 皿ばね4との間に不都合な遊びが生じ得ないことを保証している。そうすること によって、摩擦クラッチ1を操作する際に不都合な死行程もしくは空行程が生じ ないことが保証される。
その結果として、最適な効率、したがって摩擦クラブチ1の申し分ない操作が提 供されている。プレッシャープレート3とカウンタープレッシャープレート6の 摩擦面および摩擦ライニング7が軸方向に摩耗すると、旋回サポート11および 12が軸方向に移動する。
しかし、本発明に従う装置においてこの調整は、旋回サポート11.12、これ と軸方向に向き合う皿ばねの範囲で摩耗した場合、およびプレッシャープレート サポートカム(3a)の範囲あるいはこれと向き合う皿ばねの範囲で皿ばねが摩 耗した場合にも行われる。
旋回軸受5の自動調整を図24〜27に従うグラフに関連して詳細に説明する。
調整装置16は、図19および20に示す、リング状の部材17として構成され てばね作用を受けた調整部材を包含している。このリング状の部材17は、周方 向に延び、かつ軸方向に上昇している、部材17の円周上に分布している乗り上 げ傾斜面18を有する。
調整部材17は、乗り上げ傾斜面18がケーシング底部2aに向いているように クラッチ1に組み込まれている。調整部材17の、乗り上げ傾斜面18とは反対 側に、ワイヤーリングによって形成された旋回サポート12が溝状のソケット1 9(図18)に心出しされている。ソケット19は、旋回サポート12が調整部 材17において軸方向にも確保されているように形成されている。これはたとえ ば、少なくとも部分的にソケット19に隣接する調整部材17の範囲が、旋回す ポート12を締め付けて保持するか、旋回サポート12のためのスナップ結合部 材を形成することによって行うことができる。旋回サポート12および調整部材 17に異なる材料を使用するときは、大きい温度変化において発生する膨張差を 補償するために、ワイヤーリングとして設計された旋回軸受12が開いているこ と、つまり円周が少なくとも1カ所で切り離されていることが好都合であろう。
そうすることによって、ワイヤーリング12がソケット19に対して周方向に移 動することができ、したがってワイヤーリング12はソケット19の直径変化に 適合できる。
図示の実施例では、調整部材17はプラスチック、たとえば耐熱サーモプラスト で作り、さらに繊維強化することができる。こうすることによって、調整部材1 7はこれらの射出成形部材として簡単に作ることができる。比重の小さいプラス チック製調整部材は、上述のようにより小さい慣性重量を生むが、それによって 圧力振動に対する感度も減少する。旋回サポートも、直接プラスチックリングで 作れるであろう。しかしながら、調整部材17は薄板成形部材として、または焼 結によって作ることもできる。さらに、材料を対応して選択すれば、旋回サポー ト12を調整部材17と一体的に形成できる。旋回サポート11は直接センサー ばね13によって形成できる。このために、舌片13cの先端部は、対応するエ ンボス加工部もしくは成形部、たとえば溝を備えている。
調整リング17は、円周上に均等に分布しているリベット15の、軸方向に延び ている範囲15 a l:よって心出しされる。このために、調整リング17は 、旋回サポート11の半径方向内部に位置した、周方向に延びている貫通部21 によって形成された心出し輪郭20を有する。これらの貫通部21を形成するた めに、調整リング17は内縁範囲に半径方向内側に延びたカム22を有する。こ れらのカムは貫通部21の半径方向内側に輪郭を限定している。
図19から分かるように、周方向に見て、均等に分布した貫通部21の間にそれ ぞれ5つの乗り上げ傾斜面18が設けられている。これらの貫通部21は、摩擦 クラッチ1の全寿命にわたって、プレッシャープレート3とカウンタープレッシ ャープレート6の摩擦面および摩擦ライニング7で発生する摩耗、さらに場合に よりクラッチそのものの、つまりたとえばサポート11.12、その間にある皿 ばね範囲、プレッシャープレートカム(3a)またはこれと向き合う皿ばね4の 範囲の摩耗の調整を保証する、ケーシング2に対する調整リング17の回動角が 可能となるように、周方向に形成されている。この調整角は乗り上げ傾斜面の設 計に応じて8°〜60°程度、なるべくは10°〜30°程度であることができ る。図示の実施例では、この回動角は12°程度であり、乗り上げ傾斜面18の 設置角23も12°の範囲にある。この角度23は、調整リング17の乗り上げ 傾斜面18と、図21および22に示された支持リング25の対向乗り上げ傾斜 面24とを互いに押し付けると発生する摩擦が、乗り上げ傾斜面18と24との 間で滑りを防ぐように選択されている。乗り上げ傾斜面18および対向乗り上げ 傾斜面24の範囲における材料の組み合わせに応じ、角度23は4°〜20°の 範囲にあることができる。
調整リング17は、周方向に、しかも調整回転方向にはね弾性的に負荷されてい る。この方向は、傾斜面18が支持リング25の対向傾斜面24に当たることに よって、調整リング17をプレッシャープレート3に向かって、つまり半径方向 のケーシング部分2aから離れて軸方向に移動させる方向である。図17および 18に示された実施例では、調整リング17のばね弾性が、少なくとも1つのリ ング状の脚はね26に保証されている。この脚ばねは、たとえば2つのコイルを 持つことができ、その一方の端部に半径方向に延びて調整リング17と回動不能 になっている脚部27、他方の端部に軸方向に延びてケーシング2と回動不能に なっている脚部28を有する。ばね27は、ばね弾性によって緊張させて取り付 けられている。
図21および22に示されている支持リング25も、リング状の部材によって形 成されている。この部材は、乗り上げ傾斜面18によって限定された面を補完す る面をなしている対向乗り上げ傾斜面24を有する。この場合、乗り上げ傾斜面 18および対向傾斜面24によりて限定された面は、合同であることもできる。
対向傾斜面24の設置角29は、乗り上げ傾斜面18の角度23に対応している 。図19と21を比較すると分かるように、乗り上げ傾斜面18と対向乗り上げ 傾斜面24は周方向に類似して分布している。この支持リング25は、ケーシン グ2と回動不能に結合している。このために、支持リング25は円周上に分布し ている貫通部30を有しており、これらの貫通部を通してリベット15のリベッ ト端部が貫通している。
図18にもう1つのリング状の脚ばね26aが破線で暗示されている。この脚ば ねは脚ばね26と類似に端部範囲を持ち上げて、一方ではケーシング2と、他方 では調整部材17と回動不能に結合することを保証できる。このばね26aもば ね弾性的に緊張させて取り付けることができるので、調整部材17に回動力を及 ぼす。2つの脚ばね26.26aを用いることは、若干の応用例にとって好都合 であり得る。なぜならば、摩擦クラッチ1が回転すると、ばね26もしくは26 aに作用する遠心力に基づいてばね力が増加するからである。2つの脚ばねを使 用することにより、たとえばばね26で発生する力の増加を脚ばね26aによっ て加えられる力によって補償できる。このために脚ばね26および26aは、少 な(とも遠心力の影響で調整部材17に、円周方向に反対に働く力を生み出すよ うに巻かれている。2つの脚ばね26.26aは1つ以上のコイルを持っている 。さらに、図18に示されているように、これらの脚はね26.26aのコイル 直径は異なっている。その際、通常コイルと組み合わせてばね26.26aに作 用して、調整部材17に種々の大きさの周方向力を生み出すであろう遠心力は、 ワイヤの太さおよび/または個々のばね26.26aのコイル数を対応して設計 することにより、少なくともほぼ補償することができる。図18には、ばね26 が調整部材17の半径方向内部に、またばね26aがこの調整部材17の半径方 向外部に配置されている。しかしながら、2つのばねは、対応した設計により、 調整部材17の半径方向内部または半径方向外部にも配置できるであろう。
図23に、脚ばね26の平面図を示す。脚ばね26が弛緩した状態では、脚27 .28は角度31だけ変位している。この角度は40°〜120°程度であるこ とができる。図示の実施例では、この角度31は85゜程度である。32は、脚 28に対する脚27の相対的な位置を表している。この位置は、新しい摩擦ライ ニング7では摩擦クラッチ1内にある。33は、摩擦ライニング7の最大許容摩 耗に対応する脚27の位置を表している。図示の実施例では、調整角34は12 ゜程度である。ばね26は、このばね26が弛緩した状態で2つの脚27.28 の間に1つのワイヤーコイル35のみが延びているように形成されている。残り の円周範囲では、2つのワイヤーコイルが軸方向に上下に重なっている。ばね2 6aはばね26と類似に形成されているが、コイル直径は大きく、図18に従い 調整部材17を基準にして別の緊定方向を有する。しかしながら、ばね26によ り調整リング17に及ぼされる力は、ばね26aの力より大きい。
摩擦クラッチ1の新品状態では、乗り上げ傾斜面1εと対向傾斜面24を形成し ている軸方向カム18a、24aは軸方向に最も離れて係合している。これは、 互いに重なるリング17および25は最も小さい軸方向スペースを必要とするこ とを意味する。
図17および18に従う実施例では、対向乗り上げ傾斜面24もしくはこれを形 成しているカム状の突起24aは、固有の部材によって形成されている。しかし ながら、対向乗り上げ傾斜面24は、直接ケーシング2によって、たとえばケー シング空間内に延びることのできるエンボス加工部やカム状の突起によって形成 することができる。エンボス加工部は、特に一体的に形成されている薄板製のケ ーシングもしくはカバーにおいて好都合である。
摩擦クラッチ1を取り付ける前に調節リング17を後退した位置で保持するため に、この調節リングはカム22の範囲で回動手段もしくは保持手段のための作用 範囲36を有する。この回動手段もしくは保持手段は、他側でケーシング2で支 えることができる。このような保持手段は、摩擦クラッチ1を組み立てるときに 設け、摩擦クラッチ1をフライホイール6に取り付けた後にクラッチから取り外 すことができ、そうすることによって調整装置16が作動する。図示の実施例で は、このためにカバーもしくはケーシング2に円周方向に付けた細長い貫通部3 7が、また調整リング17には凹部もしくは突起38が設けられている。この場 合、円周方向に設けた′細長い貫通部37は、少なくとも調整リング17が最大 可能な摩耗調整角に対応して回し戻すことができるほどの長さがなければならな い。摩擦クラッチ1を組み立てた後も、回動工具を軸方向にカバーのスロット3 7に通し、調節リング17の貫通部38に導くことができる。その後でリング1 7は工具を使って回し戻すことができるので、リング17はケーシング2の半径 方向範囲2aに向かって移動し、この範囲2aに対して最小の軸方向間隔を取る 。次にこの位置で調節リング17が、たとえばクランプまたはピンによって確保 される。ピンはカバーおよび調整リング17と同一平面の貫通部に貫入し、これ ら2つの部材の回動を防ぐ。このピンは、摩擦クラッチ1をフライホイール6に 取り付けた後は、貫通部から取り外すことができるので、上述のように、調整装 置16を解離できる。ケーシング2内のスロット37は、摩擦クラッチ1をフラ イホイール6から取り外すとき、もしくは取り外した後に、調整リング17がそ の後退位置に入れるように形成されている。このために最初にクラッチ1が解離 されるので、操作器はね4は旋回サポート12に軸方向力を及ぼさず、したがっ て調整リング17の申し分ない回動が保証されている内燃機関にすでに固定され た摩擦クラッチ1の部材を適正に機能する位置に置くもう1つの可能性は、調整 部材もしくは調整リング17を、内燃機関もしくは内燃機関のフライホイールに 取り付けた後に回し戻すか、後退させることである。このために、たとえば補助 工具を通して摩擦クラッチ1を操作し、次に事実上弛緩したリング17をプレッ シャープレートに対して後退した位置に入れることができる。その後で、摩擦ク ラッチ1は再び接続されるので、リング17はこの後退した位置をさしあたり維 持する。
リング状の調整部材17もしくは支持リング25は、半径方向で変位して周方向 に延び、軸方向に持ち上がっている、それぞれ2組の乗り上げ傾斜面を有する。
これらの傾斜面は、それぞれこれらの部材の円周上に分布している。その際、半 径方向内側の乗り上げ傾斜面は、半径方向外側に配置されている乗り上げ傾斜面 に対して周方向に、傾斜面長さもしくは傾斜面ピッチの約半分だけ変位して配置 できる。周方向に変位した傾斜面によって、調整部材17と支持リング25との 間の申し分ない中心案内が実現される。
以下に、図24〜27に従うグラフに記入した特性曲線との関連で、上述の摩擦 クラッチ1の機能を詳細に説明する。
図24の線40は、皿ばね4の円錐性の変化に依存して、しかも2つの支持部材 の間で皿ばね4が変形するときに生み出される軸方向力を示す。これらの支持部 材の半径方向間隔は、旋回軸受5と、プレッシャープレート3における半径方向 外側の支持直径3aとの間の半径方向間隔に対応している。横座標には2つのサ ポートの間の相対的軸方向行程が、縦座標には皿ばねによって生み出された力が 示されている。点41は、好まQ(は閉じたクラッチ1で皿ばね4の取り付は位 置として選択される皿ばねの平面位置、つまり皿ばね4が対応する取り付は位置 に対して最大圧着力をプレッシャープレート3に及ぼす位置を表している。点4 1は、皿ばね4の円錐取り付は位置、つまり設置の変化によって、線40に沿っ て上方または下方に移動できる。
線42は、ライニングばねセグメント10に加えられ、2つの摩擦ライニング7 の間に作用する軸方向の突っ張り力を表す。この軸方向の突っ張り力は、皿ばね 4からブレノンヤープレート3に及ぼされる軸方向力に抗して作用する。ばねセ グメント10の可能な弾性変形に必要な軸方向力は、少なくとも皿ばね4によっ てブレッソヤープレート3に及ぼされる力に対応していることが好都合である。
摩擦クラッチ1が解離すると、ばねセグメント10は行程43にわたって弛緩す る。プレッシャープレート3の対応する軸方向移動にも対応するこの行程43に わた7て、クラッチ1の解離動作が支援される。つまり、ライニングばねセグメ ント10がない場合(ライニングはね弾性がない場合)に取り付は点41に対応 するであろう解離力よりも小さい最大解離力を加えればよい。点44を越えると 、摩擦ライニング7が解離され、皿ばね4の漸減的な特性曲線範囲に基づいて、 なおも加えるべき解離力が、点41に対応するであろう解離力に比べて著しく減 少する。クラッチ1に対する解離力は、最小値もしくは正弦状の特性曲線40の 底点45に到達するまで減少する。最小値45を越えると、必要な解離力は再び 増加する。その際、最小値45を越えても解離力が点44に生じている最大解離 力を越えず、なるべくはその下方にとどまっているように、舌片先端部4Cの範 囲で解離行程が設計されている。したがって、点46は越えられないようになっ ている。
力センサーとして用いられるはね13は、図25の線47に対応する行程・力曲 線を有する。この特性曲線47は、皿ばね状の部材13が弛緩した位置から円錐 性が変化するときに、しかも旋回サポート11と14の間の半径方向間隔に対応 する半径方向間隔を有する2つの旋回サポートの間で生み出される特性曲線に対 応する。特性曲線47が示すように、皿ばね状の部材13は、この部材によって 生み出される軸方向力が事実上一定にとどまっているばね行程48を有する。
その際、この範囲48で生み出された力は、図24の点44に生じているクラッ チの解離力に少なくともほぼ対応するように選択されている。センサーばね13 によって加えられる支持力は、点44に対応する皿ばね4の力に比べて、この皿 ばね4のてこ比に対応して小さくなっている。この変速比はたいていの場合、1 3〜1.5程度であるが、若干の応用例のために大きく、または小さくできる。
上記の皿ばね変速比は、旋回軸受5と支持部材3aの半径方向間隔と、旋回軸受 5と、たとえばしIJ−ズベアリングに対する接触直径4Cの半径方向間隔との 比に対応している。
摩擦クラッチ1における皿ばね状の部材13の取り付けは、この部材が旋回軸受 5の範囲で摩擦ライニング7に向かって軸方向ばね行程を通過できるように選択 されている。このばね行程は、摩擦面の摩耗および摩擦ライニングの摩耗によっ て生じた、プレッシャープレート3のカウンタープレ、ツヤ−プレート6に向か う軸方向調整行程に少なくとも対応するとともに、旋回軸受5に対する少なくと もほぼ一定の軸方向支持力を保証する。つまり、特性曲線47の直線範囲48は 少な(とも上記の摩耗行程に対応するか、なるべくはこの摩耗行程より大きい長 さを有するようになっている。なぜならば、そうすることによって組立公差は少 なくとも一部は補償できるからである。
摩擦クラッチ1を解離する場合に摩擦ライニング7の事実上一定の、もしくは所 定の解離点44を得るために、摩擦ライニング7の間にいわゆる二重セグメント ライニングばね、つまり若干のばねセグメントを背中合わせに対にしたライニン グばねを使用できる。その際、若干の対のセグメントは互いに対して相対的にあ る程度の軸方向張力を持つことができる。ライニングの間に設けられているばね 手段の張力によって、耐用期間にわたって発生するライニング裏面におけるセグ メントの埋め込み損失が少なくともほぼ補償されるようにできる。埋め込み損失 とは、セグメントがライニングの裏面に埋め込まれるときに発生する損失である 。2つの摩擦ライニング7の開の軸方向ばね行程の対応した制限と、摩擦ライニ ングの間で働く所定の張力とによって、さらに摩擦クラッチ1を解離するときに ブレソノヤープレート3がライニングの間に設けられているばねが所定の行程4 3を通って押し戻されるようにできる。所定の行程43を得るために、摩擦ライ ニングの軸方向行程を対応するストッパーにより、ライニングばね10の弛緩方 向にも緊張方向にも制限できる。本発明との関連においてライニングばねとしで 、たとえば本出願の内容および対象に明確に付随している特許出頽P42068 80.0によって公知のライニングばねを用いることができる。
図26では、プレッシャープレートを点41から点44(図24)に動かすため に、皿ばねの範囲4cと係合するレリーズ部材によってクラッチを外すための所 要力を線49で示す。さらに、線49は範囲4Cにおける皿ばねの舌片先端部の 行程を示す。
摩擦クラッチ1もしくはライニング摩耗の自動補償の最適な機能を補償する調整 装置を確保するために、図26に従う実際に生じる解離力の推移49にわたって 考察した場合に、最初にライニングばね10とセンサーばね13によって皿はね 4に及ぼされ加算される力が、皿ばね4によりサポート11に及ぼされる力より 大きいことが好ましい。そうすると、プレッシャープレート3を摩擦ライニング 7から持ち上げた後も、センサーばね13から皿ばね4に及ぼされる力は、皿ば ね舌片先端部の範囲4Cで係合し図26に従い解離行程にわたって必要な可変の 解離力(線49ンよりも大きいか、少なくとも等しくなる。さらにこの場合、セ ンサー皿ばね13からサポート11に及ぼされる力は、はね26の力を受けてい るリング17の回動、したがって皿ばねの軸方向移動が、少なくともほぼ特性的 EI40の上昇する技の、皿ばねの取り付は位置に対応する点41を越えてしま うまでは、防止されるように選択すべきである。
上述の考察は、皿ばね4の明確に決まった取り付は位置に対応するものであり、 摩擦ライニング7の摩耗は考慮されていない。
たとえば摩擦ライニング7が軸方向に摩耗すると、プレッシャープレート3の位 置はカウンタープレッシャープレート6に向かって移動する。そうすることによ って、皿ばねの円錐性の変化(舌片先端部4cが観察者から見て右方向に移動す る)、シたがってまた摩擦クラッチ1が接続した状態で皿ばねから及ぼされる圧 着力の変化、しかも増加が生じる。この変化に基づき、点41は点41′に向か って移動し、点44は点44′に向かって移動する。この変化により、クラッチ 1が解離した当初に成立している力の平衡が、操作器ばね4とセンサー皿はね1 3との間でサポート11の範囲で妨げられる。ライニングの摩耗が原因でプレッ シャープレート3に対する皿ばね圧着力が増すと、解離力の推移も増加方向に変 化する。これによって生じる解離力の推移は、図26に破線50で示されている 。解離力の推移を高(することによって、摩擦クラッチ1の解離動作中に、セン サーばね13から皿ばね4に及ぼされる軸方向力が克服されるので、センサーば ね13は旋回軸受5の範囲で、はぼ摩擦ライニング7の摩耗に対応する軸方向行 程だけたわむ。センサーばね13がたわむ段階の間、皿ばね4はプレッシャープ レート3の作用範囲3aに支えられているので、皿ばね4はその円錐性を変化さ せ、したがってまたこの皿はねに蓄積されたエネルギーもしくはこの皿ばねに蓄 積されたトルク、したがってまた皿ばね4によって旋回サポート11もしくはセ ンサーばね13およびプレッシャープレート3に及ぼされる力も変化させる。
図24との関連で示されているように、この変化は皿はね4からプレッシャープ レート3に加えられる力の変化として行われる。この変化は、旋回サポート11 の範囲で皿ばね4によってセンサーばね13に及ぼされる軸方向力が、センサー ばね13によって生み出される対向力と平衡するまでの間行われる。つまり、図 24に従うグラフでは、点41′および44′は再び点41および44に向かっ て移動する。この平衡が再び作られた後は、プレッシャープレート3は再び摩擦 ライニング7から持ち上がる。摩耗のこの調整段階の間、つまり摩擦クラッチ1 の解離動作においてセンサーばね13がたわむ間、調整装置16の調整部材17 は緊張したばね26によって回動する。それによって、旋回サポート12もライ ニング摩耗に対応して従動じ、そうして再び皿はね4の遊びのない旋回軸受5が 保証されている。調整動作の後、解離力の推移は再び図26に従う線49に対応 する。図26の線50および51は、線49.50に従う解離力・行程曲線にお けるプレッシャープレート3の軸方向行程を表す。
図27に従うグラフでは、解離動作においてケーシング2もしくは皿ばね13に 及ぼされる力の解離行程にわたる推移が示されている。その際、極端値は切り捨 てた。図17に従う接続した位置から出発して、ケーシング2、したがってまた プレッシャープレート3に、皿ばね4の取り付は点41(図24)に対する力が 最初に作用する。解離動作の間、皿ばね4からケーシング2もしくは旋回サポー ト12に及ぼされる軸方向力は図27の線52に対応して、しかも点53まで減 少する。皿ばねが軸方向に固定してケーシングに旋回可能に支持されている、つ まり旋回サポート11が軸方向にたわまないようにケーシング2と結合している ような、従来方式のクラッチでは、解離方向で点53を越えると、皿ばね4によ るケーシング2に対する力の作用の、軸方向における方向反転が、旋回軸受5の 半径方向の高さで行われるであろう。本発明のクラッチにおいて、旋回軸受5の 範囲で皿ばね4の軸方向反転によって生み出される力は、旋回軸受5の範囲にお いてセンサーばね13によって把捉される。皿ばね4は点54に達すると、プレ ッシャープレート3の作用範囲3aから持ち上がる。少なくとも点54に達する までは、摩擦クラッチ1の解離動作はライニングばね10によって加えられる軸 方向力によって支援される。なぜならば、この軸方向力は皿はね力に抗して働( からである。この場合、ライニングばね10によって加えられる力は、舌片先端 部の範囲4Cにおりる解離行程の1加、もしくはプレッシャープレート3の軸方 向の解離行程の増加に伴い減少する。つまり、線52は解離行程にわたって見れ ば、一方では舌片先端部範囲4cで作用する解離力と、他方では半径方向範囲3 aにおいてライニングばね10によって皿ばね4に及ぼされる軸方向力との合力 を表す。解離方向に点54を越えると、皿ばね4によって旋回サポート11に及 ぼされる軸方向力は、センサーばね13によって加えられる対向力によって把捉 される。その際、これら2つの力は、少なくともプレッシャープレート3により 摩擦ライニング7が弛緩した後は平衡しており、解離動作を続けると、旋回軸受 5の範囲でセンサーばね13によって加えられる軸方向力は、現在ある解離力よ りやや大きくなる。図27に従うグラフの特性曲線52の一部55は、解離行程 の増加に伴い、解離力もしくは皿ばね4によって旋回サポート11に及ぼされる 力は、点54で生じている解離力より小さくなる。
破線で示す線56は、摩擦ライニング7の範囲で摩耗が生じたが、まだ旋回軸受 5の範囲で調整が行われていない、摩擦フランチ1の状態に対応している。ここ でも、摩耗が原因となった皿ばね4の取り付は位置の変化は、ケーシング2およ び旋回サポート11もしくはセンサーばね13に及ぼされる力を増大させること が分かる。その結果として特に、点54は点54′に向かって移動する。それに 基づいて、摩擦クラッチ1の新たな解離動作において、旋回サポート11の範囲 で皿ばね4によってセンサーばね13に及ぼされる軸方向力は、センサーばね1 3の対向力より太き(なり、それによって上述の調整動作がセンサーばね13の 軸方向伸長によって行われる。ばね26によって引き起こされる調整動作、つま りリング17の回動とサポート12の軸方向移動により、点54′は再び点54 に向かって移動する。それによって、皿ばね4とセン垂−ばね13との間の旋回 軸受5の範囲で所望の平衡状態が再び作られている。
実際には、上述の調整は連続的に、もしくは非常に小さいピッチで行われるので 、本発明を理解しやすくするためにグラフに描いた大きい点の変位や特性曲線の 変位は通常は発生しない。
若干の機能パラメーターもしくは動作点は、摩擦クラッチ1の使用期間にわたっ て変化し得る。たとえば摩擦フランチ1の不適切な操作により、ライニングばね 10が過熱することがあり、この過熱は減衰、つまリライニングばねもしくはラ イニングセグメント10の軸方向ばね弾性の減少を引き起こすことがある。しか しながら、皿はね4の特性曲線40を対応して設計し、センサーはね13の推移 47を対応して適合させることによって、摩擦クラッチの安定した機能を保証で きる。ライニングばね弾性10の軸方向減衰の結果として、皿ばね4は図17に 示された位置よりも押し込まれた位置を取るにすぎないであろう。その場合、図 24の特性曲線40との関連で分かるように、皿ばね4によりプレッシャープレ ートに及ぼされる圧着力はやや小さくなるであろう。さらに、センサーばね13 の対応する軸方向変形、したがって旋回サポート11の対応する軸方向移動が行 われるであろう。
本発明の別の思想に従い、操作圧ばね4に作用する合成支持力は、摩擦ライニン グ7の摩耗が増すのに伴い増加する。その際、この増加は、摩擦ライニング7の 総じて最大許容摩耗行程の一部に制限できる。この場合、操作圧ばね4に対する 支持力の増加は、センサーばね13を対応して設計することによって行うことが できる。図25には、破線と参照符号47aで、範囲48にわたって対応する特 性曲線が示されている。
摩耗の増加に伴い操作圧ばね4に対する支持力が増加することによって、ライニ ングにおけるセグメントの埋め込みなどによるライニングばね弾性の低下に起因 する、ブレソノヤープレート3に対する操作圧ばね4の圧着力減少は少なくとも 一部補償てきる。特に、操作圧ばね4に対する支持力がライニングばね弾性の減 衰に比例して、もしくはライニングにおけるセグメントの埋め込みに比例して増 加することは好都合であり得る。これは、ライニング範囲におけるプレート厚さ の減少、つまりセグメント埋め込みおよび/またはライニングばね弾性の減衰お よび/またはうイニング摩耗に基づくライニングの摩擦面の間隔の縮小に伴い、 上記の支持力が増加することを意味する。第1の部分範囲にわたる力の増加が、 それに続く第2の部分範囲におけるより大きくなるように行われると特に好都合 である。この場合、2つの部分範囲は図25に従う範囲48の内部にある。後者 の設計は、はねセグメントとライニングとの間の上記の埋め込みの最大部分が、 主として摩擦クラッチの全寿命より短い期間内で行われ、その後ではばねセグメ ントと摩擦ライニングとの関係が事実上安定化するので、好都合である。これは 、所定の埋め込み以後は、埋め込みに関して重要な変化はもはや生じないことを 意味する。操作圧ばねに対する支持力の増加は、摩擦ライニングの摩耗の少なく とも一部にわたっても行われ得る。
摩擦ライニングの摩耗を補償するための調整動作に関する以上の説明において、 板ばね9によって加えられることがある軸方向力は考慮されなかった。プレッシ ャープレート3が対応する摩擦ライニング7から持ち上がって、つまりプレッシ ャープレート3が皿はね4に圧着されて板ばね9が緊張すると、解離動作の支援 が行われる。板ばね9によって加えられる軸方向力が、センサーばね13および 板ばね4によって加えられる力ならびに解離力と重なる。これは、理解しやすく するために、図24〜27に従うグラフの説明ではこれまで考慮されなかった。
摩擦クラッチ1が解離した状態で操作圧ばね4がカバー側の転勤サポート12に 作用する全力は、力の加算によって生じる。これは生として板はね部材9、セン サーばね13、および現存の解離力によって操作圧ばね4に及ぼされる力の加算 によって生じる。その際、摩擦ライニング7の摩耗が増すの伴い板ばね9によっ て操作圧ばね4に及ぼされる軸方向力が大きくなるように、板ばね部材9をカバ ー2とプレッシャープレート3との間に取り付けることができる。たとえば図2 5に従う行程48にわたって、したがってまた調整装置16の摩耗補償行程にわ たって、板ばね9によって加えられる軸方向力は線47bに従う推移を呈する。
図25から、センサーばね13のたわみが増すにつれて板ばね9によってブレン ツヤ−プレート3に及ぼされて操作圧ばね4にも作用する復原力が増加すること も分かる。特性曲線47bおよび皿ばね特性曲線に従う力の推移を加算すること により、合成的な力の推移が生じる。この力の推移は軸方向に皿ばね4に、しか も皿ばね4を解離することによってカバー側の旋回サポート12に対して作用す る。調節範囲47dの開始時当初には力の初期増加があり、はぼ一定の角範囲に 移行するが、線47aに従う推移を得るために、センサー皿ばねが図25の線4 7cに従う特性曲線の推移を呈するように、センサー皿ばねを設計することが好 ましい。次に、線47cに従う力の推移と線47bに従う力の推移を加算するこ とによって、線47aに従う力の推移が生じる。板ばね9の対応する張力により 、センサーばねによって加えられる支持力もしくは支持力の推移は減少する。
板ばね部材9を対応して構成および配置することによって、ライニングばね弾性 の減少および/またはライニングばねセグメントの埋め込みを一部補償できる。
それによって、皿ばね4がほぼ同じ動作点もしくは同じ動作範囲を維持し、そう して皿ばね4が摩擦クラッチの寿命にわたって少なくとも近似的に一定の圧着力 をプレッシャープレート3に及ぼすことを保証できる。さらに、摩擦クラッチ、 特にセンサーばね13および/または板ばね9を設計する際には、調整部材17 に作用する調整ばね26および/または26aによって生み出されてセンサーば ね13および/または板ばね9に抗して働く、合成的な軸方向力を考慮しなけれ ばならない。
緊張した板ばね9を備えた摩擦クラッチ1を設計する際には、板はね9の緊張に よりプレッシャープレート3から摩擦ライニング7に及ぼされる軸方向力が影響 されることも考慮しなければならない。これは、板はね9を操作圧ばね4に向か って緊張させるときに、皿ばね4によって加えられる圧着力が板ばね9の張力だ け減少していることを意味する。つまり、このような摩擦クラッチ1においては 、プレッシャープレート3もしくは摩擦ライニング7に対する合成的な圧着力の 推移が生じる。この圧着力の推移は、皿ばね4の圧着力推移と板ばね9の緊定推 移とが重なることによって生じる。摩擦クラッチ1の動作範囲にわたって観察し て、図24に従う特性曲線40が、摩擦クラッチ1の新品状態における操作圧ば ね4と、緊張した板ばね9との合成的な力の推移をなすと仮定すると、ライニン グ摩耗に基づ(プレッシャープレート3とカウンタープレノソヤープレート6と の間隔の減少に伴い、合成的な推移の変位が減少として生じるであろう。図24 には、たとえば全ライニング摩耗1.5mmに対応する線40aが破線で示され ている。摩擦クラッチの寿命にわたって線40が線40aに向かって変位するこ とにより、摩擦クラッチ1が解離するときに皿ばね4によってセンサーはね13 に及ぼされる軸方向力が、しかも摩耗の増加に伴い板ばね9によって皿ばね4に 及ぼされる対向トルクに基づいて減少する。この対向トルクは、旋回軸受5と作 用直径3aとの半径方向間隔に基づき、操作圧ばね4とプレッシャープレート3 との間に存在する。
図28および29に示されている摩擦クラッチ101は、図17および18に示 されている摩擦クラッチ1とは、調整リング117がコイルバネ126によって 周方向に負荷されている点で本質的に異なる。摩擦ライニングの摩耗補償の機能 と作動方式に関しては、調整リング117は図18〜20に従う調整リング17 に対応している。図示の実施例では、クラッチケーシング2と調整リング117 との間に緊張された3つのコイルばね126が円周上に均等に分布して設けられ ている。
特に図30から明らかなように、調整リング117は内周に半径方向の突出部も しくは段差部127を有する。これらの突出部もしくは段差部では、調整リング 117を周方向に押し付けるために弓形に配置されたコイルばね126の一方の 端部を支えることができる。ばね126の他方の端部範囲は、クラッチケーシン グ2によって支持されたストッパー128に支えられている。図示の実施例では 、これらのストッパー128は、カバー2と連結しているねじ状の結合部材によ って形成されている。しかしながら、これらのストッパー128は、クラッチケ ーシング2と一体的に形成された軸方向成形部によっても形成できる。たとえば 、ストッパー128は薄板ケーシング2から軸方向に押し出したエンボス部もし くは帯金によって形成できる。特に図29および30から分かるように、少な( ともほぼばね126の延長の範囲で、なるべくは摩耗調整に必要なリング117 の回動角もしくはばね126の弛緩行程にわたっても、ばね126の軸方向保持 および半径方向支持を保証する案内部材129が存在するように、リング117 を内周に形成できる。ばね案内部材129は、図示の実施例では、断面で見て、 はぼ半円形に形成された凹部によって構成されている。これらの凹部の境界面は コイルばね126の断面にほぼ適合している。
このような構成の長所は、摩擦クラッチが回動すると、はね126の申し分ない 案内が提供されるので、これらのばねが軸方向に偏向し得ないことである。図2 9に示されているように、コイルばね126を追加で確保するために、カバー2 はその半径方向内側の縁範囲に、ばね126を軸方向に覆っている軸方向成形部 130を有する。カバー2は、若干の成形部130の代わりに、円周上に連続し ている内縁130を付けることもできる。内縁130は皿ばね4の弛緩を制限す るのに用いることができる。
図28〜30に従う調整ばね126の案内の長所は、クラッチユニット1が回転 する際に、ばね126の個別コイルを遠心力の作用によって調整リング117に 半径方向に支持できることである。この場合、ばね126によって周方向によっ て加えられる調節力は、ばねコイルと調整リング117との間で生み出される摩 擦抵抗に基づいて減少するか、さらには完全に解消する。つまり、ばね126は 摩擦クラッチ101が回転すると(ばね抵抗を抑圧する摩擦力に基づき)事実上 町な挙動を示す。そうすることにって、内燃機関の少なくとも無負荷回転数を越 える回転数において、調整リング117はばね126によって回動され得ないよ うにできる。それにより、摩擦ライニングの摩耗の補償が、無負荷回転数で、も しくは少なくともほぼ無負荷回転数で摩擦クラッチ101を操作した場合のみ行 われるようにすることができる。しかしながら、ライニング摩耗に基づく調整が 停止した内燃機関でのみ、つまり回転していない摩擦クラッチ101でのみ行わ れるように、調整リング117がロックされるようにすることもできる。
摩擦クラッチ1の回転中に、もしくは所定の回転数を越えた場合に調整動作をロ ックすることは、図17および18に従う実施例においても好都合であり得る。
このために、たとえばケーシング2に、遠心力の作用のもとて調整部材17の回 動防止を、しかも脚ばね26および/または26aによって生み出された調節力 に抗して引き起こす手段を設けることができる。その際、これらのロッキング手 段は、少なくとも遠心力の作用で半径方向外側に圧迫可能な重量体として構成で きる。この重量体は、たとえばリング17の内縁に支持され、リング17に、調 節ばねによってリング17に及ぼされる回動トルクよりも大きい保持トルクを引 き起こす摩擦を生み出すことができる。
ばね126の全長の少なくとも一部を半径方向に支持するために、ケーシング2 によって支持される支持手段を設けることもできる。これらの支持手段は、図2 8および29に従う実施態様では、ストッパー128と一体的に形成できる。こ のために、ストッパー128は角形に形成でき、少な(ともばね126の全長の 一部にわたってこのばねに貫入している周方向に延びた範囲をそれぞれ1つ有す る。そうすることによって、少なくともはねコイルの一部が案内され、少な(と も半径方向に支持されることができる。
図29から分かるように、図18に設けられたワイヤーリング11は省かれ、セ ンサーばね113の舌片先端範囲に取り付けた成形部111によって置き換えら れている。このために、舌片113cはそれらの先端部の範囲で、操作圧ばね4 に向いた側が球状に形成されている。
図31〜33において、リング状の調整リングの代わりに若干の調整部材217 が使用されている、本発明の摩耗調整の別の変形例が示されている。これらの調 節部材はカバー202の円周上に均等に分布している。調節部材217は、周方 向に延び、かつ軸方向に上昇している乗り上げ傾斜面218を有する、ボタン状 もしくはプレート状の部材によって形成されている。リング状の調整部材217 は中心的な貫通部もしくは穴219を有する。これらの貫通部もしくは穴を通し て、カバーによって支持されている軸方向のビン状の突起215aが延びており 、リング状の調整部材218はこれらの突起215aに回転可能に支持されてい る。カバー202には、傾斜面218に対する対向乗り上げ傾斜面224をなす エンボス加工部225が設けられている。調整部材217とカバー202との間 には、調整を引き起こす回転方向に調整部材217を押し付けるばね部材226 が緊定されている。図31から分かるように、ばね部材226は軸方向突起21 5aを中心に延びており、したがってコイルばねと類似に形成されている。ばね 226の端部範囲では、一方のばね端部をケーシング202で支え、他方のばね 端部を対応する調整部材217で支えるために、成形部、たとえば屈曲部や脚部 が設けられている。旋回サポート205範囲で皿ばね204もしくはセンサーば ね213が軸方向に移動すると、調整部材218が回動し、傾斜面218が傾斜 面224に乗り上げることによってこの移動が補償される。
センサー皿ばね213をケーシング202で軸方向に支持することは、ケーシン グ202の軸方向に延びている範囲から作り出し、半径方向内側に向かってセン サーばね213の外側範囲の下に押し込まれた帯金214を用いて行われる。
リング状の調整部材218の長所は、それらの調整角に関して十分遠心ノコに依 存するように構成できる点である。
図30に示された回転もしくは回動する調整部材217の代わりに、摩耗調整の ために半径方向および/または周方向に移動可能な、若干の楔形の調整部材を用 いることもできる。これらの楔形の調整部材は、対応する調整部材を案内するた めに軸方向突起215aが入ることのできる細長い貫通部を持つことができる。
楔形の調整部材は、これらの作用する遠心力に基づいて調整的に作用できる。し かしながら、楔形の調整部材を調整方向に押し付ける力貯蔵手段を設けることも できる。楔形の調整部材を申し分なく案内するために、ケーシング202は成形 部を有することができる。摩擦クラッチの回転軸に対して直角に延びている面に 対して所定の乗り上げ角度で延びている調整部材の楔面が、ケーシング側および /または操作器ばねの側に設けられている。このような楔形の個別部材を用いる 場合は、これらに作用する遠心力を最小限に押さえるために、これらの個別部材 を軽量材料から作ることが好ましい。
調整ランプを構成している部材の間の材料の組み合わせは、摩擦クラッチの使用 期間にわたり、乗り上げ傾斜面と対向傾斜面との間に調整を妨害する付着が発生 しないように選択することが好ましい。このような付着を避けるために、少なく ともこれらの部材の1つに、傾斜面もしくは対向傾斜面の範囲で被覆を設けるこ とができる。このような被覆により、特に2つの金属部材を使用した場合に腐食 を避けることができる。
さらに、調整ランプを構成する部材の間の付着もしくは固着は、上下に支持し合 う傾斜面および対向傾斜面を構成している部材が異なる膨張係数を有する材料で 作られており、調整ランプをなしている接触している面が、摩擦クラッチの動作 中に発生する温度変化に基づいて互いに相対的に動くことによって避けることが できる。そうすることによって、乗り上げ傾斜面および対向傾斜面を構成してい る部材は、常に互いに相対的に動くように保持される。これらの部材の間に付着 もしくは固着は生じ得ない。なぜならば、これらの部材は異なる膨張のために絶 えず互いに再び離れたり外れたりしているからである。調整ランプを外すことは 、部材の異なる強度および/または構成に基づき、これらの部材に作用する遠心 力が異なる伸びもしくは運動を引き起こし、それによってまた部材の付着もしく は固着を避けることによっても実現できる。
乗り上げ傾斜面と対向傾斜面との間の付着を避けるために、摩擦クラッチの解離 もしくは摩耗調整において、軸方向力を調整部材に及ぼす、少なくとも1つの装 置が設けられている。このために、調整部材17.117は、摩耗が発生すると 軸方向に移動する範囲を有する部材と軸方向に連結できる。この連結は、特に旋 回軸受5の範囲で、しかも操作器ばね4および/またはセンサーはね13によっ て行われることができる図34に従うグラフには、圧着圧ばねによって加えられ る力が比較的小さい(約450 Nm)底点もしくは最小値345を有する圧着 圧ばね特性曲線340が示されている。行程・力持性曲線340を有する皿ばね の最大値は、760ONm程度である。特性曲線340は、半径方向に隔たった 2つの支持部材の間で皿ばねが変形することによって、しかも図24に従う特性 曲線40に関連して、また皿ばね4との関連で説明したように生み出される。
皿ばね特性曲線340は、ライニングばね特性曲線342と組み合わせることが できる。図34から分かるように、ライニングばね特性曲線342の行程・力曲 線は、圧着圧ばね特性曲線340に接近し、もしくは2つの特性曲線は互いにわ ずかな間隔で延びているので、対応する摩擦クラッチは非常にわずかな力で操作 することができる。ライニングばねの作用範囲では、垂直方向に上下している線 340と342の2つのへの差から解離力が生じる。このような差が360で示 されている。実際に必要な解離力は、皿はね舌片などの操作部材の対応するてこ 比だけ減少する。これは、やはり図17および18に従う実施態様および図24 〜27に従うグラフと関連して説明した。
図34には、最大値もしくは底点445を有するもう1つの操作器ばね特性曲線 440が破線で示されている。この底点ては、皿ばねによって加えられる力が負 であり、したがって対応する摩擦クラッチの接続方向ではなく、解離方向に作用 する。これは、解離段階で点461を越えると、摩擦クラッチが自動的に開いた ままであることを意味する。皿ばね特性曲線440には線442に従うライニン グばね特性曲線を付属させることができるが、最小解離力を得るために、ライニ ングばね曲線442と皿ばね特性曲線440とのできるだけ平行な推移がめられ る。
図35には、対応する摩擦クラッチを解離するために皿ばね舌片などの操作レバ ーに加えられる解離力の推移が、付属する特性曲線340および342もしくは 440および442に対する解離行程にわたって示されている。ここで分かるよ うに、特性曲線340.342に付属している解離力の推移349は、常に正の 力範囲にある。つまり、クラッチを解離した状態で保持するために、解離方向に 常に力が必要なのである。特性曲線440および442に付属している解離力の 推移は、部分範囲449aを有する。この部分範囲では、解離力が最初に減少し 、次に正の力範囲から負の力範囲に移行するので、対応する摩擦クラッチは解離 した状態で保持力を必要としない。
図36.36aおよび37に示された摩擦クラッチ501の実施態様では、セン サーばね513はクラッチカバー502で軸方向にバヨネット式結合部514を 介して支持されている。このために、センサーばね513は半径方向にリング状 の基体513bの外周から延びている帯金513dを有する。これらの帯金は、 カバー材料から作り出した帯金として、半径方向範囲502aに軸方向に支えら れている。カバー帯金502aは、はぼ軸方向に延びているカバーの縁範囲50 2bから作り出されているが、そのために帯金5028が少なくとも一部がカバ ー材料から最初に切り抜き502cまたは502dによって作り出されているこ とが好都合である。帯金502aの輪郭の少な(とも一部を裁断することによっ て、これらの帯金はより簡単にそれらの目標位置に変形できる。特に図37から 分かるように、これらの帯金502aおよびブラケットもしくは舌片513dは 、センサーばね513のカバーに対する心出しを行うころができるように互いに 同調している。図示の実施例では、帯金502aはこのために小さい軸方向段差 部502eを有する。
バヨネット式ロック部材514を作る間、センサーばね513をケーシング50 2に対して申し分なく位置決めできるようにするために、なるべくはカバー50 2の円周上に均等に分布した、少な(とも3つの帯金502aが、別のカバー範 囲を基準にして同調されているので、センサーばね513とカバー502との間 の所定の相対的回動の後に、対応するブラケット513dが円周ストッパー50 2fに当たり、そうすることによってセンサーばね513とカバー502との間 のそれ以上の相対的回動が避けられる。特に図36aに明らかなように、図示の 実施例においてストッパー502fはカバー502の軸方向段差部によって形成 されている。さらに図36aから明らかなように、少なくとも若干の、なるべく は3つの帯金502aは、カバー502とセンサーばね513の舌片513dと の間で、もう1つの回動制限部材502gを構成する。図示の例では、等しい帯 金502aが2つの回転方向に対して回動防止部材502fおよび502gを構 成している。センサーばね513とカバー502との間のロック解除を防ぐスト ッパー502gは、舌片502aの、半径方向に延びた軸方向の曲げ縁によって 形成されている。円周ストッパー502fおよび502gにより、センサーばね 513はカバー502に対して周方向の所定の位置に決められている。ロック部 材514を作るために、センサーはね513は軸方向にカバー502に向がって 緊定されているので、舌片513dは軸方向に切り抜き502cおよび502d の中に入り、軸方向カバー支持部材502aの上に来る。その後で、カバー50 2とセンサーばね513とは、舌片513dの幾つかが回動制限部材502 f と当たるまで互いに相対的に回動できる。それからセンサーばね513の部分的 な弛緩が行われるので、舌片513dの幾つかは、周方向に見て対応するストッ パー502fと502gの間に来て、そしてすべての舌片513dがカバーが支 持部502aに載る。本発明に従うバヨネット式ロック部材514の構成により 、摩擦クラッチ1を取り付ける際に、舌片513dはカバー側サポート502a の横には来ないことが保証される。
これまで示した実施例では、センサーばね513の本来のばね力を加える円環状 の基体、たとえば513bが、作用範囲もしくは支持範囲の半径方向外部でプレ ッシャープレートと操作圧ばねとの間に設けられている。しかしながら、若干の 応用例にとって、センサーばねの円環状の基体が、作用直径の半径方向内部でプ レッシャープレートと操作圧ばねとの間に設けられていることも好都合であり得 る。これはつまり、図17および18に従う実施態様について、センサーばね1 3の軸方向の緊定力を加える基体13bが、作用範囲3aの半径方向内部で操作 圧ばね4とプレッシャープレート3との間に設けられていることを意味する。
図36〜37に従う実施例で、カバー側の対向乗り上げ傾斜面524が、薄板ケ ーシング502に取り付けたカム状のエンボス部によって形成されている。さら に、この実施態様においては、ケーシング502と調整リング517との間に規 定されたコイルばね526が、調整リング517と一体的に形成されて周方向に 延びているガイドピン528によって案内されている。特に図21から明らかな ように、ガイドピン528は軸方向に、ばね526の内径に適合した細長い断面 を有する。ガイド528は、少なくともばね526の全長の一部にわたってばね に貫入している。それによって少なくともばねコイルの一部を案内し、少なくと も半径方向に支持することができる。さらに、軸方向におけるばね526の座屈 もしくは飛び出しを避けることができる。ビン548によって、摩擦クラッチの 取り付けは大幅に容易にできる。
図38に、調整リング517が一部示されている。
調整リング517は半径方向内側に向かって延びている成形部527を有する。
この成形部は、コイルばね526のための、周方向に延びているビン状の案内範 囲528を支持している。図示の実施例では、ばね受け範囲528は、射出成形 部として作られたプラスチックリング517と一体的に形成されている。しかし ながら、ばね案内範囲もしくはばね受け範囲528は、若干の部材またはすべて 共通に唯一の部材から形成でき、これらが調整リング517と、たとえばクリッ プロック機構を介して結合される。だから、すべての案内範囲528は場合によ って円周が開いたリングによって形成できる。このリングは、なるべくはスナッ プ結合部として構成された、少なくとも3つの結合箇所を介して調整リング51 7と組み合わされている。
図28および29との関連で説明したのと同じように、コイルはね526を、た とえば遠心力作用などに基づいて、カバー502および/または調整リング51 7の、対応して形成された範囲で半径方向に追加で支えることができる。
コイルばね526に対するカバー側支持部は、カバー材料から作り出されて軸方 向に延びている翼部または軸方向の壁を形成しているエンボス加工部526によ って形成されている。その際、ばねの対応する端部が案内され、それによって軸 方向および/または半径方向に許容されない移動をすることがないように、ばね 526の支持範囲526aが形成されていることが好都合である。
図39に示されたクラッチ601の実施態様において、センサーばね613はケ ーシング602の、プレッシャープレート603とは反対側に設けられている。
ブレノンヤープレート603を収容しているるケーシング空間の外部にセンサー ばね613を配置することによって、センサーばね613に対する熱負荷を低減 できる。そうすることによって、このばね613が熱負荷によって減衰する危険 は避けられる。ケーシング602の外側でも、ばね613のより良好な冷却が行 われる。
操作器ばね604の、カバーとは反対側に設けられた旋回サポート611の支持 は、スペーサーリベット615を介して行われる。これらのスペーサーリベット は、皿ばね604およびケーシング602の対応する貫通部を通って軸方向に延 びており、センサーばね613と軸方向に結合している。図示の実施例では、ス ペーサーリベット615はセンサーばね613とリベット止めされている。スペ ーサーリベット615の代わりに、転勤サポート611とセンサーばね613と の間の結合を作る他の手段を用いることもできる。
そこで、たとえば、センサーばね613は半径方向内側の範囲に、軸方向に延び ている帯金を有することができよう。これらの帯金は転勤サポート611を対応 する半径方向範囲で支持し、またはそれどころかこの転勤サポート611を対応 する成形部で直接形成する。センサーばねに固くリベット止めされた部材615 の代わりに、別様に形成された、たとえばセンサーにヒンジ状に連結された部材 を用いることもできる。
図40に従う実施例において、センサーはね713は操作器ばね704に対する 旋回サポート715の半径方向内部で延びている。センサーばね713は、その 半径方向内側の範囲でカバー702に支持されている。そのために、カバー70 2は、皿ばね704の対応するスロットもしくは貫通部を通って軸方向に延びた 帯金715を有する。これらの帯金はセンサー皿ばね713を軸方向で支えてい る。
図41に示された調整リング817は、図20〜21に従う摩擦クラッチに使用 できる。調整リング817は、半径方向に延びている半径方向内側の成形部82 7を有する。成形部827は、周方向でクラッチカバーと調節リング817との 間に緊定されているコイルばね826のための支持範囲をなす半径方向突起82 7aを有する。コイルはね826の取り付けを案内し容易にするために、外周を 中断もしくは開けているリング528が設けられている。リング528は半径方 向成形部827aと結合している。このために成形部827aは、周方向に延び た凹部もしくは溝を有する。これらの凹部もしくは溝は、リング828と組み合 わせてスナップ結合部を構成するように形成されている。調整皿ばね826のカ バー側支持部は、クラッチカバーの軸方向帯金826aによって形成されている 。軸方向帯金826aは、リング828を収容するための軸方向切り欠き部82 6bを1つずつ有する。
この場合、切り欠き部826bは、リング828が帯金826aに対して、少な くとも摩擦クラッチの摩耗量に応じて軸方向に移動できるように形成されている 。このために、半径方向成形部827aに取り付けた、リング828を保持する ための凹部と切片826bとが、軸方向に見て逆方向に形成されていること、言 い換えれば、成形部827aにおける凹部が一方の軸方向に、切片826bが他 方の軸方向に開いていることが、特に好ましい。
図42に示された摩擦クラッチ901の実施聾様において、操作器ばね904の 解離方向における支持が、皿ばね904の基体904aの中央範囲で行われる。
この基体904aは半径方向外側でプレッシャープレート903に支えられ、半 径方向内側に向かって旋回軸受905を越えている。つまり、旋回軸受905は 、皿ばね905の基体904aの内縁、もしくは皿ばね904の舌片を形成して いるスロット端部から、従来知られている皿ばねクラッチと比べて比較的大きく 離れている。図示の実施例では、旋回軸受905の半径方向内部に設けられてい る基体範囲と、旋回軸受905の半径方向外部にある基体範囲との半径方向幅比 は、1:2程度である。この比が1:6と1:2の間にあれば好ましい。操作器 ばね904をこのように支持することにより、旋回軸受905の範囲で皿ばね基 体904aの破損もしくは過負荷を避けることができる。
さらに、図42には、プレッシャープレート903に設けられた軸方向成形部9 03aが破線で暗示されている。プレッシャープレート903、特に支持カム9 03bの範囲に設けられたこのような成形部903aを介して、操作器ばね90 4をクラッチ901に対して心出しできる。つまり、操作器ばね904は外径心 出しを通してカバー902に対して半径方向に保持できるので、やはり図42に 示されている心出しリベットもしくはボルト915は省略できる。図示されてい ないが、外径心出しはカバー902の材料から作り出された帯金または成形部を 介しても行うことができる。
摩擦クラッチ901において、力を加える基体913aがカム903bの半径方 向内部に設けられているセンサーはね913が形成されている。一方では操作器 ばね904を支持するために、他方ではカバー902を独自に支持するために、 センサーばね913は半径方向ブラケットもしくは舌片を有する。これらのブラ ケットもしくは舌片は一方では基体913aから半径方向内側に向かって延び、 他方では基体913aから出て半径方向外側に向かって延びている。
図43に示された摩擦クラッチ1001の変形例では、摩擦クラッチの解離力も しくは操作器ばね1004の旋回力とは反対方向の力が、ケーシング1002と プレッンヤープレート1003との間で軸方向に緊定されたセンサーばね101 3によって加えられている。このような実施態様において、操作器ばね104は 旋回範囲もしくは傾倒範囲1005で旋回軸受によって解離方向に支持されてい ない。カバー側旋回軸受もしくは支持サポート1012における皿ばね1004 の衝止は、センサーばね1013の張力によって保証されている。このセンサー ばねは、摩擦クラッチ1001の解離動作中に、このセンサーばね1013によ って皿ばね1004に加えられる軸方向力が、摩擦クラッチ1001の必要な解 離力よりも大きいか、大き(なるように設計されている。その際、皿ばね100 4が絶えずカバー側支持部もしくは旋回サポート1012に当たっていることが 保証されていなければならない。このために、以上の実施態様に関連して説明し たのと類似の仕方で、軸方向に働いて互いに重なる力が同調されなければならな い。センサーばね1013、プレッシャープレート1003とケーシング100 2との間に場合により設けられている板ばね部材によるライニングばね、操作器 ばね1004、摩擦クラッチ1001の解離力および調整リング1017に作用 する調整部材によって生み出されるこれらの力は、互いに同調されなければなら ない。
図44に従う摩擦クラッチ1101において、センサーはね1113はカバー側 のリング状の支持範囲1112の半径方向外部に支持されている。図示の実施例 では、操作器はね1104とセンサーばね1113との間の相互支持が、プレッ ンヤープレート1103において操作器ばね1104の支持直径1103aの半 径方向外部でも設けられている。センサーはね1113はカバー1102で支持 されるために、半径方向外側に、半径方向外側に向いたアーム1113bとして 形成された成形部を有する。これらのアームは図36〜37との関連で説明した のと類似の仕方で、バヨネット式ロック1514を介してカバー1102に軸方 向に支持され、回動しないようにされている。センサーばね1113を取り付け るために、カバー1102は、対応する軸方向貫通部1502bを有する。これ らの貫通部には、バヨネット式ロック1514を作るためにセンサーばね111 3の半径方向外側の支持アームを差し込むことができる。皿はね1104がカバ ー側旋回サポートもしくは支持サポート1112に当たることが、センサーばね 1113の張力によって保証されている。
図43との関連で、クラッチの機能を詳細に説明する。ここでは、センサーばね は、調整点における解離力に対応するように設計されている。ライニング摩耗( または他の箇所における摩耗)が生じ、したがって皿はね角度が変化し、それに よって皿ばね力が増して解離すると、皿ばねは最初にサポート1012を中心に 調整点近傍まで旋回する。次に、この点では解離力はセンサー力およびライニン グばね弾性(残留力)と等しくなり、皿ばねはさらに解離するとプレッシャープ レートのサポートを中心にして、解離力とセンサー力との間で再び力の平衡が生 み出されるまで旋回する。その際、皿ばねはカバー側サポートから持ち上がり、 このサポートを調整用に解除する。それ以後の解離行程にわたって解離力はさら に減少してセンサー力が勝り、プレッンヤープレートを通して皿ばねをカバー側 サポート1012に押し付ける。このとき、皿ばねはこのサポートを中心にして 、さらに旋回する。皿ばねがカバー側支持からプレッシャープレート側支持に移 行するときに、皿ばねは2ア一ム式レバーとしての機能を傾向的に変化させる。
皿ばねはプレッシャープレートで一時的にこのとき存在している解離力でプレッ シャープレートに支えられ、それによって一時的にカバー側サポートから持ち上 がる。さらに解離すると、これに伴う力の減少に基づき、センサーばねの力が勝 り、皿ばねを再びカバー側サポートに押す。そうすることによって、調整装置は ロックされ、調整動作が終了する。皿ばねはそれ以後の解離行程については、再 び2ア一ム式レバーとして働く。皿ばねは、皿ばねに対して間接または直接に作 用するすべてのばね力を考慮して設計される。これには特に、操作器ばね、およ び対応する補償装置もしくは調整装置の、カバーに対して軸方向に移動可能な部 材によって生み出される力が属している。
さらに、図44に従う実施例の長所は、摩擦クラッチが接続した状態で皿ばね1 104が事実上2アーム式レバーとして緊定され、もしくは働き、したがって皿 ばね1104がカバー側支持部1112とプレッシャープレート側支持部110 3aとの間で緊定されているが、摩擦クラッチ1101が解離すると皿ばねは事 実上センサーはね1113だけに支えられ、支持範囲1113aを中心にして旋 回し、同時に支持範囲1113aが軸方向に移動するので、皿はねは事実上1ア ーム式レバーとして働く点である。
図44に従うセンサーばね1113は、他の図のセンサー皿ばねと同様に、対応 して設計もしくは適合させると、操作器ばね1104の任意の直径に支えられる ことができる。たとえば、皿ばね1104におけるセンサーばね1113の支持 は、カバー側旋回範囲1105と、プレッシャープレート側支持直径1103a との間にある直径でも行うことができる。さらに、皿はね1104におけるセン サーばね1113の支持は、カバー側支持直径1105の半径方向内部でも設け ることができよう。その際、皿ばね1104における支持直径]、 113 a が小さいほど、センサーばね1113によって加えられる軸方向支持力は傾向的 に太き(なる。さらに、はね1104と1113との間の支持直径1113aが 、皿ばね1104のカバー側支持直径から離れているほど、センサーばね111 3の事実上一定の力を有するばね範囲は太き(ならなければならない。
図45に従う実施例は、先行の図、特に図17〜30との関連で説明したのと類 似の仕方で働く調整装置1216を有する。操作器ばね1204は、2つのリン グ状の転勤サポート1211と1212との間で旋回可能に支持されている。プ レッンヤープレート1203と隣接しているサポート1211は、センサーばね 1213の作用を受けている。摩擦クラッチ1201は、摩擦クラッチの寿命に わたって、調整リング1217の傾斜面がカバー側に設けられた対向傾斜面に付 着しないことを保証する装置1261を有する。図示の実施例では、図18との 関連で説明したように、対向傾斜面がカバーに回転不能に固定された支持リング 1225に設けられている。傾斜面と対向傾斜面が付着すると、所望の摩耗調整 はもはや起こらないであろう。
装置1261は、引き離し機構を構成している。この引き離し機構は、摩擦゛ク ラッチ1201が解離し、摩擦ライニング1207に摩耗があると調整リング1 217に軸方向力を及ぼすことができ、そうすることによって場合によって存在 する傾斜面と対向傾斜面との間の付着が外される。この機構1261は、図示の 実施例で皿ばね1204と軸方向に結合した、軸方向にばね弾性的な部材126 2を包含している。この部材1262は、半径方向外側で皿ばね1204と結合 した、膜状もしくは皿ばね状にばね弾性的なリング状の基体1262aを有する 。リング状の基体1262aの半径方向内側の縁範囲から、円周上に分布してい る軸方向帯金1263が延びている。これらの帯金は皿ばね1204の軸方向貫 通部を貫通している。帯金1263はそれらの自由端範囲に、調整リング121 7の対向衝止輪郭1265と協働する、屈曲部1264の形をした衝止輪郭を有 する。対向衝止輪郭1265は、リング1217に半径方向に設けられたへこみ 部または全周の溝によって形成されている。摩擦クラッチが接続した状態におけ る衝止輪郭1264と対向衝止輪郭1265との間隔は、少なくともクラッチ解 離段階の大部分にわたって、輪郭1264と対向輪郭1265との接触が起こら ないように選択されている。摩擦フランチが完全に解離して初めて衝止輪郭12 64は対向輪郭1265に当たることが好ましい。そうすることによって、部材 1262は調整リング1217と皿ばね1204との間で弾性的に緊定できる。
それによって、ライニング摩耗の結果、旋回サポート1211の軸方向移動が行 われるとすぐに、調整リング1217が強制的にカバー側乗り上げ傾斜面から持 ち上げられることが保証される。さらに、機構1261は、たとえばレリーズン ステムの誤った基本調整に基づいて解離行程が大きすぎる場合に、リング121 7の調整が行われるのを防ぐ。これは、皿ばねの解離方向への旋回行程が大きす ぎる場合に、ばね弾性部材1262が調整リング1217を皿ばね1204に向 かって押し付けることによって実現される。そうすることによって、調整リング 1217が皿ばね1204に対して回動しないようにされる。つまり、図24に 従い点46を越えると、調整リング1217が皿ばね1204に対して回転不能 に保持されることが保証されていなければならない。なぜならば、点46を越え るとセンサーばね1213の保持力が克服され、それによってクラッチディスク に摩耗がない場合でも調整が行われるであろうからである。その結果、動作点の 変化、つまり皿ばね1204の取り付は位置の変化が、しかもより小さい圧着力 の方向で生じるであろう。
これは、図24で動作点41は特性曲線40に沿って45で表示した最小値に向 かって移動するであろう、ということを意味する。
図46〜48に従う細部に対応して構成された摩擦クラッチの実施態様において 、若干のコイルばね1326が、クラッチカバー1302と一体的に形成された 帯金1328に保持されている。これらの帯金1328はカバー1302の薄板 材料から、たとえば打ち抜いたU字形の切り抜き部1302aを形成することに よって作られている。帯金1328は、周方向に見て、弓状または接線状に延び ており、直接隣接するカバー範囲と少な(ともほぼ同じ高さにあることが好まし い。図32から分かるように、図示の実施例では、帯金1328はほぼ材料の半 分の厚さだけカバーの底範囲1302bに向かってずれている。帯金1328の 幅は、その上に設けられているコイルばね1326が半径方向にも、軸方向にも 案内されているように選択されている。
ばね1326によって調整方向に作用を受けている調整リング1317は、カバ ー1302と皿はね1304との間の延び、内周に半径方向内側に向いた成形部 もしくはブラケット1327を有する。ブラケット1327は半径方向内側に、 軸方向に向いたフォークもしくはU字形成形部1327aを有し、軸方向に向い たそれらの歯1327bは、案内帯金1328を両側で包囲している。このため に、2つの歯1327bはカバー1302の切片1302aを通って軸方向に延 びている。成形部1327aもしくはそれらの歯1327bには、調整ばね13 26が支持されている。
調整リング1317は、先行の図に関連して説明したのと類似の仕方で、乗り上 げ傾斜面を介してカバー1302にエンボス加工された対向乗り上げ傾斜面13 24に支持されている。しかしながら、対向乗り上げ傾斜面1324をなしてい るカバーのエンボス加工部は、クラッチの回転方向に空気孔1324を作る。
ように形成されている。このように構成することによって、対応する摩擦クラッ チが回転すると、強制的な空気循環により摩擦クラッチのより良好な冷却が実現 される。特にそうすることによって、プラスチックから作られた調整リング1. 317も冷却され、それによってこの部材の熱負荷も大幅に減少できる。
その他の変形例に従い、摩擦クラッチの操作圧ばねに作用するセンサー力は、た とえばクラッチケーシングとプレッノヤーブレ−1・との間に設けられている板 ばね部材によって加えられる。その際、これらの板ばね部材は、プレッシャープ レートとケーシングを回転不能に、しかしながら軸方向に限定的に相対的に相互 に移動可能に連結できる。このような実施態様においては特別のセンサーばねは 必要なく、たとえば図1および2に従う摩擦クラッチ1の板はね9は、さらにセ ンサー皿ばね13の機能も引き受けるようにように形成できるであろう。それに よって、センサーばね13も転勤リング11も省くことができる。この場合、板 ばね部材9は、摩擦クラッチ1を操作する間、ライニング摩耗がなければ、操作 圧ばね4がカバー側転動サポート12に接しているように形成できなければなら ない。しかしながら、摩擦ライニング7に対応する摩耗が生じ、それによって皿 ばね4の解離力が増加するとすぐに、板ばね部材9は摩耗に対応する皿ばね4の 対応した調整を可能にする。摩擦クラッチに埋め込まれた板ばね部材は、摩擦ク ラッチもしくはプレッシャープレートの少なくとも必要な最大調整行程にわたっ て、事実上直線的な力・行程特性曲線を有する。これは、板ばね部材9が、図2 5に関連して説明したのと同様に、特性曲線47または47aにした特性曲線範 囲48を有することを意味する。
本発明は図示および説明した実施例に制限されるものではなく、特に本発明に関 連して説明した特徴もしくは部材の組み合わせによって構成できる変形例も含む 。さらに、図との関連で説明した個々の特徴もしくは機能方式は、それ自体で見 れば独立した発明と見なされる。
したがって、出願人は、これまで単に発明の詳細な説明の中で、特に図との関連 で開示された、発明にとって重要な意味を持つその他の特徴を請求する権利を留 保する。したがって、この出願によって提出される特許請求の範囲は、方式化の 提案にすぎず、より広範な特許保護を得るための不利益を伴うものではなLl。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9[mmlr−tg、44 フロントページの続き (31)優先権主張番号 P4317587.2(32)優先臼 1993年5 月26日(33)優先権主張国 ドイツ(DE)(81)指定国 AT、 AU 、 BR,CA、 CH。
CZ、 DE、 ES、 GB、 HU、JP、 KR,PL、 RU、 SE 、 SK、 UA、 US (72)発明者 ヴイットマン、クリストフドイツ連邦共和国 D−77815 ビュールーアイゼンタール ヴアインシュトラーセ(72)発明者 マインハル ト、ロルフドイツ連邦共和国 D−77815ビュールケラーシュテユック 5 (72)発明者 マウハー、パウル ドイツ連邦共和国 D −77880ザスバッハ アム ブンガート23

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.クラッチ装置であって、回動不能に、しかし軸方向に限定的に移動可能にカ ウンタープレッシャープレートと結合できるプレッシャープレートを有し、しか も少なくとも1つの圧着ばねが、前記プレッシャープレートをこのプレッシャー プレートと前記カウンタープレッシャープレートとの間で締め付けることのでき るクラッチディスクに向かって押し付けており、さらに前記クラッチディスクの 摩擦ライニングの摩耗を補償する調整装置が設けられており、この調整装置が前 記圧着ばねによって前記プレッシャープレートに対して事実上一定の力を作用さ せ、摩擦クラッチが解離および接続のための操作手段を有し、該操作手段は、レ リーズ手段によって軸方向に移動できるレリーズ機構を介して操作され得るよう になっており、前記操作手段が少なくとも摩擦ライニングの摩耗に応じて解離動 作方向で軸方向に移動すようになっていて、前記レリーズ手段と前記操作手段と の間の力経路内に前記操作手段の軸方向移動を少なくともほぼ補償する装置が設 けられていることを特徴とするクラッチ装置。 2.前記レリーズ機構と前記操作手段との間に補償装置が設けられていることを 特徴とする、請求項1に記載のクラッチ装置。 3.前記摩擦クラッチが、前記カウンタープレッシャープレートに固定されたケ ーシング、たとえば金属板カバーを有し、このケーシングがレリーズ機構に向い た底部を備え、さらに前記補償装置を軸方向で前記操作手段と前記底部との間に 緊定できることを特徴とする、請求項1または2に記載のクラッチ装置。 4.前記圧着ばねが軸方向でクラッチケーシングとプレッシャープレートとの間 に緊定できる皿ばねによって形成されており、この皿ばねがばね弾性的なリング 状の基体と、この基体から半径方向内側に延びて前記操作手段を形成している舌 片とを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のクラッ チ装置。 5.前記補償装置が軸方向に上昇している調整ランプを有することを特徴とする 、請求項1から4のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 6.前記調整ランプが少なくとも1つのリング状の部材に設けられている乗り上 げ傾斜面によって形成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか 1項に記載のクラッチ装置。 7.前記調整ランプが、前記乗り上げ傾斜面と協働する対向乗り上げ傾斜面を包 含していることを特徴とする、請求項5または6に記載のクラッチ装置。 8.前記対向乗り上げ傾斜面もリング状の部材によって支持されていることを特 徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 9.前記調整ランプを有する部材が軸方向に移動できることを特徴とする、請求 項5から8のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 10.前記乗り上げ傾斜面と前記対向乗り上げ傾斜面を支持している部材が、互 いに相対的に回動可能であることを特徴とする、請求項6から9のいずれか1項 に記載のクラッチ装置。 11.傾斜面または対向乗り上げ傾斜面を有する前記部材の1つが、前記摩擦ク ラッチに対して回転しないことを特徴とする、請求項6から10のいずれか1項 に記載のクラッチ装置。 12.前記調整ランプが、前記調整ランプの摩擦接続によってセルフロッキング を引き起こすような傾斜角度を有することを特徴とする、請求項5から11のい ずれか1項に記載のクラッチ装置。 13.前記調整ランプの傾斜角度が5°〜20°、好ましくは7°〜11°程度 であることを特徴とする、請求項5から12のいずれか1項に記載のクラッチ装 置。 14.前記乗り上げ傾斜面および/または前記対向乗り上げ傾斜面を支持してい る少なくとも1つの部材が、調整方向にばね作用を受けていることを特徴とする 、請求項6から13のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 15.前記乗り上げ傾斜面を有する部材および/または前記対向乗り上げ傾斜面 を有する部材が、これらの部材の間に設けられている少なくとも1つの力貯蔵手 段、たとえばコイルばねによって調整方向に作用を受けるか緊定されていること を特徴とする、請求項6から14のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 16.解離動作を制限する装置が設けられていることを特徴とする、請求項1か ら15のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 17.前記装置が少なくとも1つの制限ストッパーを有することを特徴とする、 請求項16に記載のクラッチ装置。 18.前記制限装置がレリーズ機構とクラッチカバーとの間で作動することを特 徴とする、請求項16または17に記載のクラッチ装置。 19.前記レリーズ機構がレリーズベアリングを有し、前記ストッパーが摩擦ク ラッチと一緒に回転するベアリングリングとクラッチカバーとの間で作動するこ とを特徴とする、請求項16から18のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 20.前記制限装置がトランスミッション側に設けられた前記レリーズ機構のた めのガイドパイプと前記レリーズ機構との間に設けられていることを特徴とする 、請求項16から19のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 21.解離動作の間に前記摩擦クラッチもしくは前記クラッチディスクから伝達 されるトルクを、前記操作手段の操作行程の一部にわたって徐々に解消させる手 段が設けられていることを特徴とする、請求項1から20のいずれか1項に記載 のクラッチ装置。 22.皿ばねによって形成された圧着ばねが2つのサポートの間で旋回可能にク ラッチケーシングに支持されており、これらのサポートのうちプレッシャープレ ートに向いているサポートが圧着ばねに向かってばね弾性的に負荷されており、 しかも摩擦クラッチを解離するときにばね弾性的に負荷されている前記サポート に対して皿ばねによって及ぼされる力が、ライニングが摩耗すると増加して、ば ね弾性的に負荷されている前記サポートに作用する力を上回ることを特徴とする 、請求項1から21のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 23.ばね弾性的に負荷されている前記サポートが軸方向に移動できることを特 徴とする、請求項22に記載のクラッチ装置。 24.圧着皿ばねの解離力が増加すると、ばね作用を受けている前記サポートが プレッシャープレート方向に移動することを特徴とする、請求項22または23 に記載のクラッチ装置。 25.ばね作用を受けている前記サポートが移動すると、圧着皿ばねに対する解 離力が減少することを特徴とする、請求項22から24のいずれか1項に記載の クラッチ装置。 26.ばね作用を受けている前記サポートが、前記サポートに作用する最大解離 力とこのサポートに及ぼされる対向力との間で力の平衡が生じるまで移動するこ とを特徴とする、請求項22から25のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 27.前記圧着皿ばねが解離行程範囲の少なくとも一部にわたって下降する力特 性曲線を有することを特徴とする、請求項22から26のいずれか1項に記載の クラッチ装置。 28.はね作用を受けている前記サポートに及ぼされる対向力が力貯蔵手段によ って作られ、この力貯蔵手段が所定の調整範囲にわたって一定の力を有すること を特徴とする、請求項22から27のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 29.軸方向にたわみ、もしくは移動できるサポートが、カセンサーとして働く 皿ばねの作用を受けていることを特徴とする、請求項22から28のいずれか1 項に記載のクラッチ装置。 30.特に自動車用のクラッチ装置であって、回動不能に、しかし軸方向に限定 的に移動可能にケーシングと結合しているプレッシャープレートを有し、しかも 圧着力を生み出す皿ばねがこれらのケーシングとプレッシャープレートとの間で 軸方向に緊定されており、この皿ばねが、一方ではケーシングによって支持され ている旋回軸受を中心にして旋回でき、他方では前記プレッシャープレートを、 このプレッシャープレートとカウンタープレッシャープレート、たとえばフライ ホイールとの間で締め付けることのできるクラッチディスクに向かって押し付け ており、前記ケーシングによって支持されている前記旋回軸受が、少なくとも前 記クラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を補償し、送り装置によってさらに 搬送される、カバーと皿ばねとの間で作動する自動調整装置によって軸方向に移 動でき、前記皿ばねが前記旋回軸受の方向で支持力の作用を受けていることを特 徴とする摩擦クラッチ。 31.前記皿ばねが、その作動範囲にわたって漸減的な特性曲線を有するように 取り付けられていることを特徴とする、請求項1から30のいずれか1項に記載 の摩擦クラッチ。 32.前記皿ばねが解離力に抗して摩擦接続だけによって支持されていることを 特徴とする、請求項4から31のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 13.前記皿ばねの所定の取り付け位置で、摩耗に起因する円錐性の変化がない 場合には前記皿ばねの解離行程にわたって、支持力が前記皿ばねによって加えら れる、支持力に抗して働く力よりも大きく、摩耗に起因する円錐性の変化がある 場合には前記皿ばねの解離行程の一部にわたって、支持力が前記皿ばねによって 加えられる、支持力に抗して働く力より小さくなるように、支持力と皿ばね力が 互いに合わされていることを特徴とする、請求項22から32のいずれか1項に 記載の摩擦クラッチ。 34.前記支持力が少なくとも1つの力貯蔵手段、たとえばばねによって加えら れており、このばねの形状が、摩耗に起因する皿ばねもしくはカバー側サポート の調整によって変化することを特徴とする、請求項22から33のいずれか1項 に記載の摩擦クラッチ。 35.前記調整装置が軸方向で前記皿ばねと前記カバーとの間に配置されている ことを特徴とする、請求項4から33のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 36.前記調整装置が乗り上げ面、たとえば傾斜面を含んでいることを特徴とす る、請求項4から35のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 37.前記支持力が皿ばね状の部材によって加えられていることを特徴とする、 請求項22から36のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 38.前記支持力を加える皿ばねが、半径方向の高さで、軸方向で移動可能な支 持部の半径方向高さで前記皿ばねに支持されていることを特徴とする、請求項1 から37のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 39.前記圧着ばねが2つのサポートの間で旋回できるようにケーシングに支持 されており、これらのサポートのうちプレッシャープレートに向いているサポー トが圧着皿ばねに向かってばね作用を受けていることを特徴とする、請求項4か ら38のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 40.支持力によってばね作用を受けている前記サポートが軸方向に移動できる ことを特徴とする、請求項39記載の摩擦クラッチ。 41.はね作用を受けている前記サポートが移動すると、前記圧着皿ばねの支持 力が減少することを特徴とする、請求項22から40のいずれか1項に記載の摩 擦クラッチ。 42.ばね作用を受けている前記サポートが、前記サポートに作用する前記圧着 皿ばねの解離力とこのサポートに及ぼされる対向力との間で力の平衡が生じるま で移動されることを特徴とする、請求項22から41のいずれか1項に記載の摩 擦クラッチ。 43.ばね作用を受けている前記サポートに及ぼされる対向力が力貯蔵手段によ って作られ、この力貯蔵手段が所定の調整範囲にわたってほぼ一定の力を有する ことを特徴とする、請求項22から42のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 44.支持力を生み出す力貯蔵手段がセンサーとして働くことを特徴とする、請 求項22から43のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 45.前記圧着皿ばねの、ばね作用を受けている前記サポートとは反対側に設け られた対向サポートが、軸方向でプレッシャープレートに向かって移動できるが 、反対方向では係止可能であることを特徴とする、請求項22から44のいずれ か1項に記載の摩擦クラッチ。 46.前記調整装置をさらに搬送する前記送り装置が、ばねであることを特徴と する、請求項30から45のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 47.前記調整装置が全体としてリング状の部材を有し、摩擦クラッチが接続し た状態で前記リング状の部材が軸方向に圧着皿ばねの作用を受けることを特徴と する、請求項30から46のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 48.前記調整装置が軸方向に上昇している調整ランプを有することを特徴とす る、請求項30から47のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 49.前記調整ランプがリング状の部材に設けられていることを特徴とする、請 求項48記載の摩擦クラッチ。 50.前記リング状の部材が対向サポートを支持していることを特徴とする、請 求項47から49のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 51.前記乗り上げ傾斜面が対応する対向乗り上げ傾斜面と協働することを特徴 とする、請求項48から50のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 52.前記対向乗り上げ傾斜面がリング状の部材によって支持されており、この リング状の部材が前記乗り上げ傾斜面を支持している部材とカバーとの間に配置 されていることを特徴とする、請求項51記載の摩擦クラッチ。 53.前記対向乗り上げ傾斜面が半径方向に延びているケーシング範囲に直接取 り付けられていることを特徴とする、請求項52記載の摩擦クラッチ。 54.前記調整装置が、摩擦クラッチの解離方向で見て、フライホイールと類似 に作用するが、解離方向と反対に向かってはセルフロックすることを特徴とする 、請求項1から53のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 55.少なくとも前記乗り上げ傾斜面の傾斜角度が4°〜20°、好ましくは5 °〜12°程度であることを特徴とする、請求項48から54のいずれか1項に 記載のクラッチ装置。 56.前記乗り上げ傾斜面が、この乗り上げ傾斜面と他の部材の対向乗り上げ傾 斜面範囲との摩擦接続によってセルフロッキングを引き起こす傾斜角度を有する ことを特徴とする、請求項48から55のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 57.前記乗り上げ傾斜面を支持している少なくとも1つの部材および/または 前記対向乗り上げ傾斜面もしくは前記対向乗り上げ傾斜面範囲を支持している部 材が、調整方向にばね作用を受けていることを特徴とする、請求項48から56 のいずれか1項に記載のクラッチ装置。 58.前記調整装置が移動可能な幾つかの調整部材を有する、請求項1から57 のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 59.前記調整装置が回転数に依存していることを特徴とする、請求項1から5 9のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 60.調整装置が回転数に依存してロックされることを特徴とする、請求項1か ら60のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 61.前記調整装置が所定の限界地を越える回転数でロックされていることを特 徴とする、請求項1から60のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 62.前記調整装置が無負荷回転数または無負荷回転数を下回る回転数で作動す ることを特徴とする、請求項1から61のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 63.前記調整装置が事実上回転数ゼロで作動することを特徴とする、請求項1 から62のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 64.前記調整装置の、乗り上げ傾斜面および/または対向乗り上げ傾斜面もし くは対向乗り上げ傾斜面範囲を有し、かつケーシングと相対的に移動できる部材 が、ばね弾性的に負荷されていることを特徴とする、請求項30から63のいず れか1項に記載の摩擦クラッチ。 65.前記ばね弾性的な負荷が円周方向に力を生み出すことことを特徴とする、 請求項64記載の摩擦クラッチ。 66.対向力を加えるセンサーばねが、その半径方向外側の範囲でケーシングに 支えられていることを特徴とする、請求項29から65のいずれか1項に記載の 摩擦クラッチ。 67.前記ケーシングに、対向力を生み出す前記センサーばねの支持範囲が設け られていることを特徴とする、請求項29から66のいずれか1項に記載の摩擦 クラッチ。 68.クラッチディスクの摩擦ライニングの間に、ライニングばねまたはライニ ングばね相当物が設けられていることを特徴とする、請求項1から67のいずれ か1項に記載の摩擦クラッチ。 69.クラッチディスクの摩擦ライニングの間に設けられている前記ライニング ばねが、ライニングばねのばね行程にわたり圧着皿ばねによってプレッシャープ レートに及ぼされる力の行程・力特性曲線に近似している行程・力特性曲線を有 することを特徴とする、請求項1から68のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ 。 70.摩擦クラッチの解離状態で、前記圧着皿ばねもしくは摩擦クラッチの操作 に必要な力が、マイナス150〜150Nm程度であることを特徴とする、請求 項1から69のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。 71.カウンタープレッシャープレートによってクラッチディスクを解離しだ後 に、前記圧着皿ばねが正の行程・力特性曲線から負の行程・力特性曲線に移行す ることを特徴とする、請求項1から70のいずれか1項に記載の摩擦クラッチ。
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