JPH0650667B2 - 面状暖房器具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電気毛布、電気カーペット等の面状暖房器具
に関するものである。

従来の技術 従来の線状発熱体は、第５図に示す如く、芯線４８に巻
回した発熱線４９と、その外側の温度ヒューズ兼用の電
気絶縁体５１と、安全線５０と、電気絶縁体５２で線状
発熱体５３を構成している。また従来の発熱線を使用し
た暖房器具では、第４図に示す温度検知線４７が必要で
あった。この為第６図の従来の電気カーペットの配線に
示す如くカーペット本体５４に線状発熱体５３と温度検
知線４７の２本を配線していた。又、従来の暖房器具の
制御回路としては第７図に図示する如く、温度検知線４
７の温度検知電極４３と温度検知電極４４間の感温体４
５によるインピーダンスの変化によりネオン管３０に電
流が流れサイリスタ３２をトリガし、コンデンサ３６に
充電した電荷で次の半サイクルでサイリスタ３９をトリ
ガしてリレー４０を駆動することにより、接点４０−１
が閉じて発熱線４９に電流が流れて暖房することにな
る。何らかの異常で発熱線４９が高温になると温度ヒュ
ーズ兼用電気絶縁体５１が溶融し、安全線５０と発熱線
４９が接融することによりダイオード５７，５８を通し
て発熱抵抗５６，５９に電流が流れ、温度ヒューズ１２
が溶断して電源１１から通電が断たれる。

又、他の従来技術の感温体と一体型の線状発熱体の構造
図を第８図に示す。６１は芯線であり、その上に発熱線
６２を巻回し、その上に感温体６３を被覆し、その上に
温度検知電極線６４を巻回し、更にその上に絶縁用外被
６５を被覆して構成している。この線状発熱体を使用し
た制御回路を第９図に、その各部波形を第１０図に示
す。前記制御回路は交流の半波を前記発熱体６２へ給電
期間として給電制御を行なうとともに、前記給電期間の
他の半波を感温体６３からの温度信号検出期間とし、前
記給電期間中前記感温体からの温度信号をＯＦＦする構
成としている。

また、他の従来例として第１１図のものがある。（特公
昭４０−１９４１４号公報）Ｅは電源で図示点線内の電
熱線７１に電源を通じ毛布等を加熱する。発熱線７５は
直列に検知線７３を接続し、また検知線７２は固定抵抗
Ｒを通ったのち整流器Ｓを通して接続する。この検知線
７２の他端は放電管Ｎｅを介してトランジスターＴｒの
ベースに接続されている。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の第５図のものでは、多分割面状暖房器
具に使用した時に、温度検知線４７も必要となるので線
の数も多くなり配線が複雑になりすぎて技術的に線状発
熱体を均等に配線し、その線状発熱体からの熱を検知す
る温度検知線４７を均一に配線することが非常に難し
い。又コスト的にも高くつく。

また第８図のものでは、線状発熱体の構造は簡単である
が、発熱線６２への給電期間の他の半波を感温体６３か
らの温度信号検出期間とし、給電期間中温度信号をＯＦ
Ｆとするため回路構成が非常に複雑であり、実際に商品
化する際には部品点数も多くなり、安全線がないので発
熱線が異常加熱した時に電源遮断することが困難であ
る。

また、第１１図のものでは発熱線７５と検知線７３が直
列に接続されるため、検知線７３に発熱線７５の主電流
が流れる。電熱線７５の構成では検知線７３と発熱線７
５が一本の紙の中で絶縁物をはさんで対向しているので
電流を多く流すと異常加熱する。電気毛布は１アンペア
前後の電流でよいがカーペットでは６〜１２アンペアの
電流が流れるので使用できない。またリレーＲｅの接点
Ｋが溶着するとトランジスタＴｒのオン、オフにかかわ
らず検知線７３と発熱線７５に通電されたままの状態と
なり火災等の危険性がある。

また、多分割カーペットの場合、1/4面を使用する時と
全面使用する時の温度差が大きいという問題点がある。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、一体構造の
線状発熱体を使用することにより、それを使った簡易な
多分割面状暖房器具を提供することを目的としている。

問題点を解決するための手段 第２の信号線と第１の信号線と発熱線の間に設け、第２
の信号線と第１の信号線の間に所定の温度に達すると溶
融する温度ヒューズ機能と負性温度抵抗特性を有する感
熱体を設け、発熱線と第２の信号線との間、及び最外側
に電気絶縁体を設けて一体構造とした線状発熱体を多分
割面状暖房器具の各分割部に設けるとともに各分割部の
第１の信号線を直列に接続し、第２の信号線を電源の一
端に接続し、発熱線をそれぞれ電源に対して並列接続す
ると共に第１の信号線と第２の信号線に発熱線の電流を
流さない結線とし、第１の信号線に直列に各分割部の温
度設定抵抗を接続したものである。

作用 本発明は上記した構成により第１の信号線が断線すると
直ちに発熱線への通電が遮断される。又一体構造となっ
た線状発熱体のみを配線すればよく簡易に全面に均等配
線が可能となる。又、発熱線の異常加熱に対して感温体
が溶融して第２の信号線と第１の信号線が接触し、発熱
抵抗に電流が流れることにより発熱抵抗が発熱して熱的
に結合した温度ヒューズが溶断し、通電を停止させると
いう制御回路が簡易に構成できる。また、発熱線の電流
を他の信号線に流さないので異常加熱が発生しにくい、
また、各分割部の温度設定抵抗を第１の信号線に直列に
それぞれ接続したので1/4部使用する時と全面使用する
時の温度差が殆どない快適なカーペットとすることがで
きる。

第２図は本発明の一実施例を示す構造図である。第２図
において１は芯線、２は第１の信号線、３は温度変化に
対して負のインピーダンス変化を持つプラスチックサー
ミスタ等の感温体である異常加熱時の温度ヒューズとし
ても機能する。４は温度検知電極を兼用した第２の信号
線、５は発熱線、６，７は塩化ビニール等の電気絶縁
体、８はこれら全てが一本の線となった一体構造の線状
発熱体である。

第３図は本発明の線状発熱体を用いた多分割面状暖房器
具の一実施例の４分割電気カーペットの配線図である。
９はカーペットの生地、１０はコントローラである。

第１図は第３図の制御回路の一実施例である。第１図に
おいて、１１は電源、１２は温度ヒューズで発熱抵抗１
７と熱的に結合している。１３は電源スイッチ、１４は
前記電源スイッチの状態を表示するパイロットランプ、
１５は電流制限抵抗、１６はダイオードで前記感温体３
が溶融した時のみ発熱抵抗１７が発熱するよう逆方向電
流を阻止する。１８は温度調整可変抵抗器、１９，２
０，２１，２２は各分割に応じて温度設定をする為の抵
抗、２３−１，２３−２，２４−１，２４−２，２５−
１，２５−２，２６−１，２６−２は面積切換スイッチ
であり２３−１と２３−２は連動し、他も同じく連動す
る。２７，３６はコンデンサ、２８，３１，３３，３
５，３７，３８は抵抗、２９はパルストランス、３０は
ネオン管、３２，３９はサイリスタ、３４，４１はダイ
オード、４０はリレーである。

次に動作を説明する。

電源スイッチ１３がＯＮ、面積切換スイッチ２３がＯＮ
した時、カーペットの表面温度が低いので感温体３のイ
ンピーダンスが大きく、正の半サイクルで温度調整用可
変抵抗器１８と抵抗１９の合成抵抗と第１の信号線２と
第２の信号線４の間にある感温体３のインピーダンスと
の分割電圧が大きく、ネオン管３０の放電電圧を超える
為にコンデンサ２７、抵抗２８を通してパルストランス
２９の１次側に電流が流れ、パルストランス２９の２次
側に発生した電圧で抵抗３１を通してサイリスタ３２を
トリガするのでサイリスタ３２が導通し、ダイオード３
４，コンデンサ３６，抵抗３７及び抵抗３３を通じて電
流が流れコンデンサ３６に充電し、次の負の半サイクル
でコンデンサ３６から抵抗３５，サイリスタのゲート，
カソード，抵抗３３，３７を通じて放電することにより
サイリスタ３９をゼロクロス付近でトリガし、リレー４
０をＯＮしてリレー接点４０−１がＯＮとなり、発熱線
５に通電される。

発熱線５へ通電中であっても第１の信号線２と発熱線５
の間にある第２の信号線４が電源１１の一端に接続され
ているのでどの位置に於いても同一電位に保たれている
ので、発熱線５に発生する電位勾配が前記第１の信号線
２から感温体３を通じて温度検知電極を兼用する第２の
信号線４に流れる温度信号に影響を及ばさない。

カーペットの温度が温度調整用可変抵抗器１８の温度設
定より上昇すると感温体３のインピーダンスが小さくな
る為に、前記温度調整用可変抵抗器１８と抵抗１９の合
成抵抗と感温体３のインピーダンスとの分割電圧が下が
り、ネオン管３０の放電電圧以下となり、パルストラン
ス２９にパルスが発生せず、サイリスタ３２，３９がＯ
ＦＦとし、リレー４０がＯＦＦとなり、リレー接点４０
−１が開放し、発熱線５へ通電が遮断され、カーペット
温度が下がり、温度制御される。面積切換スイッチ２
４，２５，２６がＯＮ状態であっても同様に制御され
る。

又第１の信号線が同一分割部分で２ヶ所以上断線すると
感温体３のインピーダンスが高くなり、カーペットの温
度が低くなったのと同様に制御され、カーペット温度が
異常に高くなるのを防止する為、１ヶ所断線でもネオン
管３０の放電電圧以下となり、リレー４０は直ちにＯＦ
Ｆして、発熱線５への通電が遮断される。

又、発熱線５の異常加熱があった場合、温度ヒューズ機
能を持った感温体が溶融する事により、第１の信号線２
と第２の信号線４が接融して、電源１１から第２の信号
線４、第１の信号線２を経て発熱抵抗１７、ダイオード
１６、電源スイッチ１３、温度ヒューズ１２から電源１
１のもう一方に電流が流れることにより発熱して熱的に
結合した温度ヒューズ１２を働かせて、カーペットへの
通電を遮断する。

なお、第１の信号線と第２の信号線を入れかえて使用し
ても回路的には同一である。

発明の効果 以上述べてきたように、本発明によれば第１の信号線の
断線検出と異常加熱時の電源の遮断がきわめて簡易に構
成できるのみならず、一体構造の線状発熱線だから配線
することが簡易にでき、しかも、発熱線への通電の影響
を受けずに温度制御する回路構成が簡易であり、コスト
的にも安くきわめて有用なものである。また、発熱線の
電流を他の信号線に流さないので異常加熱が発生しにく
い。また、各分割部の温度設定抵抗を第１の信号線に直
列にそれぞれ接続したので1/4面部使用する時と全面を
使用する時の温度差が殆どない快適なカーペットとする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の制御回路図、第２図は同線
状発熱体の構造図、第３図は同線状発熱体を用いた電気
カーペットの配線図、第４図は従来の温度検知線の構造
図、第５図は従来の線状発熱体の構造図、第６図は従来
の電気カーペットの配線図、第７図は従来の暖房器具の
制御回路図、第８図は他の従来例の線状発熱体の構造
図、第９図は第８図の線状発熱体を使用した制御回路
図、第１０図は第９図の各部波形図である。第１１図は
他の従来の電熱線を使用した温度制御回路である。 ２……第１の信号線、３……感温体、４……第２の信号
線、５……発熱線、６，７電気絶縁体、１１……電源、
１２……温度ヒューズ、１７……発熱抵抗。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 尚保 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−173987（ＪＰ，Ａ) 特公 昭40−19414（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第２の信号線を第１の信号線と発熱線の間
   に設け、第２の信号線と第１の信号線の間に所定の所定
   の温度に達すると溶融する温度ヒューズ機能と負性温度
   抵抗特性を有する感熱体を設け、発熱線と第２の信号線
   の間、及び最外側に電気絶縁体を設けて一体構造とした
   線状発熱体を多分割面状暖房器具の各分割部に設けると
   ともに各分割部の第１の信号線を直列に接続し、第２の
   信号線を電源の一端に接続し、発熱線をそれぞれ電源に
   対して並列に接続すると共に第１の信号線と第２の信号
   線に発熱線の電流を流さない結線とし、第１の信号線に
   直列に各分割部の温度設定抵抗を接続したことを特徴と
   する面状暖房器具。
2. 【請求項２】第１の信号線または第２の信号線と直列に
   発熱抵抗を接続し、電源に直列に接続した温度ヒューズ
   と前記発熱抵抗とを熱的に結合した特許請求の範囲第１
   項記載の面状暖房器具。