JPH0650530U - 歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯頸部の歯肉との境界部分をも効果的に清掃
することができる歯ブラシを提供する。 【構成】 ヘッド１１の植毛面１１ａに刷毛１２を毛束
１３にして植毛するとともに、この毛束１３の周辺部分
の刷毛の毛足を長く、中心部分の刷毛１２の毛足を短く
して毛束１３の先端部に中央部が逆円錐状に窪む凹部１
３ａを形成し、毛束１３が歯に押し付けられた場合に毛
束１３の周辺部分の刷毛１２の先端部分が外側に局部的
に変形するように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、歯磨きに用いられる歯ブラシ、詳しくは、歯頸部を効果的に清掃 し、もって、歯槽膿漏を予防することができるようにした歯ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】

歯ブラシは、周知のように、ハンドルと一体のヘッドに植毛面を形成し、この 植毛面に刷毛を植毛する。このような歯ブラシは、通常、刷毛を複数の毛束に束 ね、この毛束を植毛面に等間隔で配置している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した歯ブラシにあっては、刷毛の歯に対する接触角度がヘ ッドの口中への差し込み角度に依存するため、歯頸部、特に、歯垢が最も付着し やすい歯肉との境界部分を効果的に清掃することが困難であるという問題があっ た。 この考案は、上記問題に鑑みてなされたもので、歯頸部を効果的に清掃するこ とができる歯ブラシを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案は、ヘッドの植毛面に刷毛を毛束に束ねて 植毛した歯ブラシにおいて、前記毛束の先端を中央部が窪む凹状に成形した。 そして、この考案の歯ブラシは、各毛束の外周側の毛を柔らかく、内側の毛を 固くする態様に、また、凹状に窪んだ部分の周縁先端を先鋭化、すなわちエッジ 状に形成する態様に構成できる。

【０００５】

【作用】

この考案に係る歯ブラシによれば、毛束の先端を中央部が窪む凹状に成形され ているため、毛束が歯面に押し付けられると刷毛の先端部が部分的に外方に変形 する。このため、ヘッドの口中への差し込み角度の如何に関わらず歯頸部の歯肉 との境界部分等を効果的に清掃することができ、取れた歯垢は毛束の中央部にか き寄せられ、良好な歯磨き感が得られる。 そして、この考案は、各毛束の外周側の毛を柔らかく、内側の毛を固くするこ とで、より良好な使用感を得られ、また、窪んだ部分の周縁をエッジ状に成形す ることで、歯肉との境界部分に対する清掃をより効果的に行えるようになる。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。 図１から図３はこの考案の一実施例にかかる歯ブラシを表し、図１が歯ブラシ の要部の断面図、図２が同歯ブラシの一部拡大斜視図、図３が使用状態を説明す るための模式図である。

【０００７】 図１において、１１はヘッドであり、図示しないが、ヘッド１１は樹脂の射出 成形等により首部およびハンドルと一体に成形されている。このヘッド１１には 一側に略長方形状の植毛面１１ａが形成され、この植毛面１１ａに刷毛１２が複 数の毛束１３に束ねられて植毛されている。

【０００８】 毛束１３はそれぞれ、柔らかい刷毛１２を外側に、固い刷毛１２を内側に配置 して円形に束ねてなり、溶着等で植毛面１１ａに固着されている。これら毛束１ ３は、図２に詳示するように、中央部の刷毛１２の毛足が短く、周辺部の刷毛１ ２の毛足が長く、先端に逆円錐状の凹部１３ａが形成され、凹部１３ａの環状の 周縁が先鋭化したエッジ状に成形されている。

【０００９】 なお、上述した実施例では、毛束１３の先端に逆円錐状の凹部１３ａを形成し ているが、この考案は逆円錐状の凹部１３ａに限らず、図４ａに示すようなより 深く窪む逆円錐状の凹部２１ａ、また、図４ｂに示すような断面半円形状の凹部 ２２ａ、さらに、図４ｃに示すような断面台形状の凹部２３ａを形成することも 可能である。

【００１０】 この実施例にあっては、ヘッド１１を口中に差し込み歯磨きを行う場合、図３ に示すように毛束１３が歯Ｔに押し付けられると、各毛束１３の刷毛１２の先端 部分が局部的に外側に変形する。このため、毛束１３の周辺部分の刷毛１２の先 端が歯頸部の歯肉との境界部分に接触し、この境界部分および歯周ポケットを効 果的に清掃することができる。そして、取れた歯垢は毛束１３の中央の凹部１３ ａ内にかき寄せられるため、歯垢が口中で散乱することがなく、良好な歯磨き感 が得られる。

【００１１】 特に、この実施例は、各毛束１３が外側を柔らかい刷毛１２で、内側を固い刷 毛１２で形成されるため、適度な接触感、高い清掃性が得られ、また、凹部１３ ａの周縁が先鋭化したエッジ状に成形されているため境界部分をより効果的に清 掃できる。

【００１２】 そして、この実施例の歯ブラシは次のようにして製造することができる。すな わち、先ず、凹部１３ａが形成されるように刷毛１２を束ね、これら束ねた刷毛 １２の基端を溶着して毛束１３を構成し、あるいは、毛束１３を構成したのちに 凹部１３ａを形成する。次いで、この毛束１３をヘッド１１に植毛して製造され る。そして、このヘッド１１への植毛は、特開昭６０−２４１４０４号公報に記 載される熱融着による方法、また、特開昭６１−２６８２０８号公報や特開平２ −５０３１５０号公報に記載されるような毛束１３を金型内に入れてヘッド１１ を射出成形する方法等によって行われる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案にかかる歯ブラシによれば、毛束の先端を中央 部が窪む逆円錐状に成形したため、毛束が歯に押し付けられると毛束の周辺の刷 毛の先端部分が局部的に変形し、歯頸部の歯肉との境界部分等を効果的に清掃す ることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例にかかる歯ブラシの要部の
断面図である。

【図２】同歯ブラシの一部拡大斜視図である。

【図３】同歯ブラシの使用状態を説明するための模式図
である。

【図４】ａ，ｂ，ｃがそれぞれこの考案の他の実施例に
かかる歯ブラシの要部の断面図である。

【符号の説明】

１１ ヘッド １１ａ 植毛面 １２ 刷毛 １３ 毛束 １３ａ 凹部 ２１ａ 凹部 ２２ａ 凹部 ２３ａ 凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドの植毛面に刷毛を毛束に束ねて植
   毛した歯ブラシにおいて、前記毛束の先端を中央部が窪
   む凹状に成形したことを特徴とする歯ブラシ。