JPH0650313Y2 - スクーターの前輪カバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、スクーターの前輪カバー装置に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

スクーターは、前輪の上側に泥除けのカバーを備えてい
る。例えば特開昭59-2976号公報参照。又、前輪にボト
ムリンク型前ホークを用いる場合は、ボトムリンクホー
ク下部の揺動アーム部分に別のカバーを被着して外観を
よくしている。しかしながら、このように、泥除けのた
めのカバーと揺動アーム部分を覆うカバーとを別々に取
付けると、部品点数が増して、製造コストが高くなり組
立て作業も面倒になる。

さらに、泥除けのカバーの前端部は自由端となっている
ため、振動しやすい。この振動を防止するためにカバー
の肉厚を厚くすることが考えられるが、そうするとカバ
ーが重くなってしまうという問題があった。

〔考案の目的〕 この考案は、前輪の上部を覆う泥除けのためのカバーと
ボトムリンクホーク下部の揺動アーム部分を覆うカバー
とを一体成形して一つのカバー部品として構成し、組付
け作業が簡単で、コストを下げることができ、且つ走行
による風の抵抗を少なくするとともに肉厚を厚くしなく
ても前端部の振動を抑えられ、重量も軽減できるスクー
ターの前輪カバー装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案スクーターの前輪カバー装置1Aを図面に示
す実施例によって説明する。

スクーターＡは、ヘッドパイプＡ′に操向可能に支持さ
れた前ホーク６の下部左右を前輪２を跨ぐように前輪２
の左右に分岐させて該分岐部先端6a・6a（図面では一方
のみ示してある。）とし、この分岐部先端6a・6aと前輪
２の車軸９の両端9a・9aとを揺動腕７・７（図面では一
方のみ示してある。）で連結し、且つ該揺動腕７・７の
略中央部と前ホーク上部左右6b・6b（図面では一方のみ
示してある。）との間にクッションユニット８・８（図
面では一方のみ示してある。）を介在させて前輪２を揺
動自在にしたボトムリンク型前ホーク６を備えたもので
ある。

スクーターＡの前輪２には、前輪カバー１が装着されて
いる。

前輪カバー１は、前輪２の上側を覆う形状になるように
前後に長くされた上部カバー部1aと、前輪カバー１の前
部両側から左右に拡がり且つ斜め下後方に延ばされて次
に述べる前ホーク６の分岐腕6a・6aの外側下部を覆うカ
バー部４・４とを一体成形してなるものである。そし
て、このような前輪カバー１の上部カバー部1aおよびカ
バー部４・４には、それぞれボス３・３およびボス５・
５が設けられており、これらボス３・３およびボス５・
５を介することでスクーターの前ホーク６に締着される
前輪カバー装置1Aが形成される。なお、ボス３・３およ
びボス５・５は、それぞれ上部カバー部1aの中央後部側
におよびカバー部４・４のほぼ中央部に設けられてあ
る。

前ホーク６は、ボトムリンク型であって、前ホーク６の
左右下方に延びる分岐した分岐腕6a・6aの下端部には、
揺動腕７・７が軸着されている。そして、揺動腕７・７
がクッションユニット８・８（図面では一方のみ示して
ある。）によって揺動することによって、前ホーク６
は、サスペンションとして機能する。又、揺動腕７・７
の先端には、前輪２の車軸９が取付けられるようになっ
ている。そうして、前ホーク６には、その上部に左右の
分岐腕6a・6aを連結するステー10が設けられ、又、分岐
腕6a・6aの下端部には分岐腕6a・6aとカバー部４、４と
を連結するために設けられた腕片11・11（図面には一方
のみ示してある。）が突設されている。

しかして、前輪カバー装置1Aは、その上部カバー部1aが
前輪２の上部を覆うようにスクーターＡの前側から左右
の分岐腕6a・6aの間に通されるとともに、ボス３・３を
スクーターＡのステー10にビス12・12（図面では一方の
み示してある。）で締着することによって、前ホーク６
に取り付けられる。その後、両側のカバー部４・４を前
ホーク６の下端部に添えて覆い、カバー部４・４のボス
５・５を腕片11・11にビス13・13（図面には一方のみ示
してある。）で締着し、カバー部４・４を分岐腕6a・6a
と一体化する。

このようにして、前輪カバー装置1Aを前ホーク６に取り
付けると、前述のように分岐腕6a・6aの下端部には揺動
腕７・７が軸着されているので、カバー部４・４はその
長さを適宜調整することによって分岐腕6a・6aの下端部
を覆うとともに、揺動腕７・７をも覆うようになる。

〔考案の作用〕

前輪カバー装置1Aは、前輪２の上側を覆い、左右のカバ
ー部４・４で、前ホーク６の左右の腕部6a・6aの下端部
を覆うことができる。そして、前輪カバー装置1Aにおけ
る前輪カバー１には、左右のカバー部４・４が、前輪カ
バー１の前端両側に左右に拡がって斜め下後方に伸ばさ
れた状態で一体に成形されているので、泥除けのための
カバーとボトムリンクホーク下部の揺動アーム部分を覆
うカバーとが別々に取付けられる場合に比べて、部品点
数が少なく、締着箇所も少なくなる。

また、前輪カバー１の前端と左右のカバー部４・４の自
由端とを結ぶ線は、流線形状をなすようになる。したが
って、このような前輪カバー装置1AをスクーターーＡに
取り付けて走行すると整流効果が高くなり、走行時に受
ける空気抵抗が減る。

そうして、前輪カバー１の前端部は、左右のカバー部４
・４を介して前ホークに取りつけられるので自由端部で
なくなる。そのため、前輪カバー装置1Aの前端部は、剛
性が高まる。

さらに、前輪カバー装置1Aは、前輪カバー１の上部カバ
ー部1aをスクーターの前側から左右の前ホーク６の間に
通し、上端とカバー部４をビス12、13で締着するだけで
よくなる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案スクーターの前輪カバー
装置にあっては、前記前輪の上部を覆い前後方向に延び
る上部カバー部と、該上部カバー部の前部両側から斜め
後ろ下方に延びる側部カバー部とを一体成形してなる前
輪カバーを該側部カバー部が前ホークの下部と揺動腕部
とを覆う状態で前記前ホークに蹄着せしめたので、泥除
けのためのカバーとボトムリンクホーク下部の揺動アー
ム部分を覆うカバーとが別々に取付けられる場合に比べ
て、部品点数が少なく、締着個所も少なくできる。した
がって、組付け作業も簡単になる。

また、前輪カバーの前端と左右のカバー部の自由端とを
結ぶ線は、流線形状をなすようになる。したがって、こ
のような前輪カバーからなる前輪カバー装置をスクータ
ーに取り付けて走行すると整流効果が高くなり、走行時
に受ける空気抵抗が減る。

さらに、前輪カバーの前端部は左右のカバー部を介して
前ホークに取り付けられるので、自由端部でなくなる。
そのため、前輪カバーの前端部の剛性が高まって前輪カ
バーの肉厚を薄くすることができ、重量を軽減すること
ができる。

【図面の簡単な説明】 図は本考案スクーターの前輪カバー装置の一実施例を示
し、第１図は側面図、第２図は前輪カバーの拡大平面図
である。 1A……前輪カバー装置、１……前輪カバー、1a……上部
カバー部、２……前輪、４……カバー部、６……前ホー
ク、6a……分岐腕、７……揺動腕部、８……クッション
ユニット、９……車軸、10……ステー、11……腕片、Ａ
……スクーター、Ａ′……ヘッドパイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッドパイプに操向可能に支持された前ホ
   ークの下部左右を前輪を跨ぐように前輪左右に分岐させ
   て該分岐部先端と前記前輪の車輪とを揺動腕で連結し且
   つ該揺動腕の略中央部と前記前ホーク上部との間にクッ
   ションユニットを介在させて前記前輪を揺動自在にした
   ボトムリンク型前ホークを備えたスクータにおいて、前
   記前輪の上部を覆い前後方向に延びる上部カバー部と、
   該上部カバー部の前部両側から斜め後ろ下方に延びる側
   部カバー部とを一体成形してなる前輪カバーを該側部カ
   バー部が前記前ホークの下部と揺動腕部とを覆う状態で
   前記前ホークに締着せしめたことを特徴とするスクータ
   ーの前輪カバー装置。