JPH0646930U - 射出成形装置 - Google Patents

射出成形装置

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JPH0646930U
JPH0646930U JP8988392U JP8988392U JPH0646930U JP H0646930 U JPH0646930 U JP H0646930U JP 8988392 U JP8988392 U JP 8988392U JP 8988392 U JP8988392 U JP 8988392U JP H0646930 U JPH0646930 U JP H0646930U
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良博 中村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】成形材料の材質や製造ロットの相違、使用する
射出成形装置や成形型が相違しても、充填不足や充填過
大などの充填不良を防止する。 【構成】射出圧力を入力する射出圧力設定器27と、射
出速度を入力する射出速度設定器28と、予め計測され
た材料フロー値の設定値Xを入力する材料フロー値設定
器9と、射出速度および射出圧力に対する標準材料フロ
ー値Yを記憶する第1の記憶部16と、標準材料フロー
値Yに対する標準材料の予熱温度を記憶する第2の記憶
部17と、射出圧力設定器27および射出速度設定器2
8に入力された射出圧力および射出速度に対する標準材
料フロー値Yを求め、該標準材料フロー値Yと設定値X
とに基づいて第2の記憶部17に記憶された情報を比例
演算することにより材料フロー値の設定値Xに応じた予
熱温度を演算して求める制御手段10とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、射出成形装置に関し、特に材料の流動特性を表わす材料フロー性に 基づいて加熱シリンダの予熱温度を制御する射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形は、加熱溶融したプラスチックスあるいはゴムなどの成形材料を成形 型のキャビティ内に射出充填し、冷却後成形品として取り出すことにより行われ る。 この種の射出成形機は、成形材料を加熱溶融する可塑化装置、成形材料を射出 する射出装置、成形型を保持して開閉および締め付けを行う型締め装置、および これら各装置の作動を自動制御するための制御装置などで構成されている。
【0003】 ところで、射出成形の生産性を高めるためには、熱可塑性樹脂では成形型温度 を低く、熱硬化性樹脂では成形型温度を高く保持しながら、キャビティ内へ高射 出圧で高速充填を行うことが効果的である。 ところが、高射出圧のまま充填を完了するとキャビティ内に高圧のストレスが 蓄積され、これによりバリ漏れが生じるおそれがあるため、成形型の型締め力を 大きく設定しておく必要がある。したがって、高射出圧および高速充填を行うと 射出成形機が大型で、かつ高価なものとなってしまうという問題があった。
【0004】 そこで従来より、充填を完了する直前で射出圧を低圧に切り替えて、低圧のま ま射出を完了することにより型締め力を低減する方法が採用されている。 そして、このような切替制御については、図4に示すように、射出装置の射出 スクリューをノズル方向に押し出す際に、この射出スクリューの押し出し位置を 位置センサなどで検出しながら、予め設定した押し出し位置(射出位置)S1 に 射出スクリューが達したときに、一次射出圧(高圧)から二次射出圧(低圧)に 切り替えるように構成されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、射出スクリューの位置によって射出圧を切り替える手法は、位置セ ンサにより検出される射出スクリューの押し出し位置(射出位置)Sと、実際に キャビティ内に注入される成形材料の射出量とが正確に対応していることを前提 としている。
【0006】 しかしながら、成形材料の材質が変更されたり、同一材料であっても製造ロッ トが異なったり、あるいは成形装置間の特性が異なったり、さらに、成形型の容 積に差があると、当初設定した射出スクリューの押し出し位置における成形材料 の射出量が変動し、そのため、実際のキャビティ内においては、一次射出圧から 二次射出圧への切り替えが最適のタイミングで行われないことがあった。
【0007】 その結果、例えば、切り替えタイミングが早すぎると充填不足が生じ、逆に切 り替えタイミングが遅すぎると充填過大(バリ漏れ)が発生するという品質面で の問題を有していた。
【0008】 また、このような品質面以外にも、射出速度が変動することにより、1ショッ トに要する射出時間が変動し、生産性に影響を及ぼすという問題があった。特に 、射出速度が遅い場合には生産性が低下することになった。 ちなみに、このような問題は多段圧力制御をともなう射出成形にのみ限定され ず、単一圧力制御の射出成形でも同様に生じていた。というのも、キャビティ内 への充填完了を正確に検知する必要性は、単一圧力制御の射出成形にもあるから である。
【0009】 本考案は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成形材 料の材質や製造ロットの相違、使用する射出成形装置や成形型が相違しても、充 填不足や充填過大などの充填不良を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の射出成形装置は、予熱手段を有する加熱 シリンダ内に成形材料を供給し、射出スクリューを移動させ、前記予熱手段によ り前記加熱シリンダ内の成形材料を予熱しながら所定の射出圧力および射出速度 で射出する射出成形装置において、 前記射出圧力を入力する射出圧力設定器と、 前記射出速度を入力する射出速 度設定器と、 予め計測された材料フロー値の設定値を入力する材料フロー値設 定器と、 前記射出速度および射出圧力に対する標準材料フロー値を記憶する第 1の記憶部と、 前記標準材料フロー値に対する標準材料の予熱温度を記憶する 第2の記憶部と、 前記第1の記憶部に記憶された情報に基づいて前記射出圧力 設定器および前記射出速度設定器に入力された射出圧力および射出速度に対する 標準材料フロー値を求め、該標準材料フロー値と前記材料フロー値設定器に入力 された材料フロー値の設定値とに基づいて前記第2の記憶部に記憶された情報を 比例演算することにより前記材料フロー値の設定値に応じた予熱温度を演算して 求める制御手段とを有することを特徴としている。
【0011】
【作用】
本考案では、フローテスタなどを用いて測定した材料の流動特性(以下、フロ ー値ともいう)、すなわち、一定温度のもとで一定加圧力を作用させたときの単 位時間当りの材料吐出量(cc/sec)を基準として、加熱シリンダの予熱温 度を制御し、これによって射出量の変動を抑制するものである。
【0012】 まず、予定され得る射出圧力、射出速度で射出したときのフロー値を逐次計測 しておき、この情報を第1の記憶部に記憶させておく。また、標準材料を用いて 予熱温度に対するフロー値を計測し、その関係式を求めて第2の記憶部に記憶さ せておく。
【0013】 実際の射出成形を行うにあたり、射出圧力と射出速度とを射出圧力設定器と射 出速度設定器にそれぞれ入力するが、成形材料のフロー値をも計測して、この値 を材料フロー値設定器に入力しておく。
【0014】 制御手段では、まず、第1の記憶部に記憶された射出圧力および射出速度とフ ロー値とを関係に基づいて、射出圧力設定器および射出速度設定器に入力された 射出圧力および射出速度の設定値に対する標準材料フロー値を求める。 次に、第2の記憶部に記憶された標準材料の予熱温度に対するフロー値の関係 から、材料フロー値設定器に入力されたフロー値の設定値に応じた予熱温度を演 算して求める。
【0015】 このとき、予熱温度に対するフロー値(対数値)の関係は、設定されるフロー 値に拘らず比例関係にあるという理解の下に、予熱温度に対するフロー値(対数 値)の関係式に材料フロー値設定器に入力されたフロー値の設定値を代入して、 予熱温度に対するフロー値の設定値の関係式を求める。さらに、既述した如く求 められた標準材料フロー値をこの関係式に代入して、フロー値の設定値に応じた 予熱温度を求める。
【0016】 このようにして求められた予熱温度により加熱シリンダを加熱しながら射出成 形を行うと、材料の流動特性が変動しても、その変動値に拘らず、標準フロー値 が射出圧力設定器と射出速度設定器に入力設定された射出圧力と射出速度に対し て最適なフロー値、すなわち標準フロー値を実現することができる。
【0017】
【実施例】
本考案の射出成形装置について、好ましい一実施例を挙げ、図面に基づいて具 体的に説明する。 図1は本考案の一実施例に係る射出成形装置を示すブロック図、図2(A)は 第1記憶部に格納される情報であって射出圧力および射出速度に対するフロー値 の関係を示すグラフ、図2(B)は第2の記憶部に格納される情報であってフロ ー値に対する予熱温度の関係を示すグラフ、図3は同実施例の射出時間に対する 射出位置の関係を示すグラフである。
【0018】 本実施例の射出成形装置は、成形型、この成形型を開閉して締め付けるための 型締め装置、成形材料を成形型に注入するための押出機3、この押出機3に供給 する油圧と油流量とを制御する油圧装置21、成形材料を予熱するための予熱手 段12,13、これら油圧装置21および予熱手段12,13を制御する制御手 段10、および、これらの各装置の動作を自動制御するための制御装置とから構 成されている。 なお、本考案における成形型、型締め装置、制御装置は従来公知の構成で支障 がないため、その詳細な図面は省略し、構成の概要のみを説明する。
【0019】 成形型は、上型と下型とからなり、これら上下型が組み合わされることにより 内部にキャビティが形成される。上型および下型は、それぞれ加熱盤および断熱 盤を介してダイプレートに装着されており、いずれかのダイプレートが他のダイ プレートに対して接近離反移動可能に構成されている。 また、上型に形成された注入口に押出し機3のノズル4の先端を当接させるた め、加熱盤、断熱盤およびダイプレートには、ノズル4を通すための貫通孔がそ れぞれ形成されている。
【0020】 このように上下のダイプレートを接近離反移動可能に設けるとともに、このダ イプレートに固定された成形型が射出圧力によって押し開かれないように当該成 形型を締め付けておくのが型締め装置であり、例えば型締めシリンダ等により構 成されている。
【0021】 押出し機3は、成形材料をノズル4から上型と下型との間に形成されたキャビ ティ内に注入するための装置であり、内部に射出スクリュー8が軸方向移動自在 に挿入された加熱シリンダ11を有している。この加熱シリンダ11には、温度 調節された加熱媒体を流すための流路12が形成されており、この加熱媒体は温 調器1によって制御される温油器2から流路12内に供給され、加熱シリンダ1 1を循環したのち、再び温油器2に帰還するようになっている。
【0022】 これら流路12、温調器1および温油器2は、射出スクリュー8の回転によっ て加熱シリンダ11内部に導入される成形材料を加熱して成形材料の可塑化状態 を維持する予熱手段を構成している。
【0023】 一方、射出スクリュー8は、図示しないスクリュー駆動用油圧モータで回転し ながら射出用油圧シリンダ7の進退移動によって加熱シリンダ11内を移動する 。この射出用油圧シリンダ7を駆動させる油圧装置21は、可変容量ポンプ6と 、この可変容量ポンプ6から圧送される圧力流体の圧送方向を切り替えるための 方向切替え弁(不図示)と、圧力流体の圧力を所定圧に保つための電磁リリーフ 弁(不図示)とから構成されており、この油圧装置21を構成する機器の駆動制 御は制御手段10により行われる。
【0024】 射出シリンダ7のピストン22の前後には方向切替え弁を介して可変容量ポン プ6から圧力流体が送られ、これにより射出スクリュー8を軸方向上下に駆動さ せるようになっている。 また、可変容量ポンプ6と方向切替え弁との間には電磁リリーフ弁が装着され ており、制御手段10からの信号に基づいて(D/A変換器26を介して)可変 容量ポンプ6から送られる圧力流体の圧力が調節されるようになっている。
【0025】 図1において符号「15」は位置センサであり、射出スクリュー8の軸方向の 位置を検出して制御手段10のA/D変換器23に出力する。 制御手段10には、一次射出圧と二次射出圧とを設定するための射出圧力設定 器27、および一次射出速度と二次射出速度とを設定するための射出速度設定器 28が接続されており、射出を行う前に予め所定の射出圧力および射出速度が入 出力部(I/O)25を介して入力される。
【0026】 また、上述した射出圧力および射出速度の切替タイミングを決定するために、 一次・二次切替位置を設定するための位置設定器5が、入出力部25を介して制 御手段10に接続されており、この設定値と、位置センサ15から取り込まれた 現在位置の情報とが中央演算処理部(CPU)24で比較されながら、射出圧力 および射出速度の切替制御が行われることになる。
【0027】 本実施例では、制御手段10には、材料フロー値設定器9および、第1の記憶 部(メモリ)16、第2の記憶部(メモリ)17が接続されており、温調器1に 出力される予熱温度に関する制御信号の基準情報が、射出を行う前に予め入力さ れるようになっている。この予熱温度の求め方については後述する。
【0028】 第1の記憶部16には、射出圧力設定器27および射出速度設定器28に入力 する射出圧力および射出速度に対して、標準材料フロー値Yの情報を予め計測し ておき、図2(A)に示すようなマトリックス情報として格納する。
【0029】 例えば、図2(A)は、射出圧力を1400kgf/cm2 としたときの射出 速度(縦軸)とフロー値(横軸)との関係を示すグラフであるが、第1の記憶部 16には、本図に示すグラフ(情報)以外にも、1400kgf/cm2 以外の 射出圧力に対する同様な情報が格納される。 この図2(A)によれば、射出速度が10mm/s(射出圧力は、1400k gf/cm2 )である場合の標準材料フロー値Yは、5×10-3cc/sとな り、射出時における材料フロー値が5×10-3cc/sである限り、適正な射 出成形を実現することができる。
【0030】 一方、第2の記憶部17には、ある特定の材質の標準材料を用いて、最適な射 出成形を実現する場合における、予熱温度に対するフロー値の関係を予め計測し ておき、図2(B)に示すようなマトリックス情報として格納する。
【0031】 図2(B)に示す情報は、フロー値X(cc/s)、予熱温度T(℃)とする とき、 T=60 のとき X=1.8×10-3 T=70 のとき X=3.3×10-3 T=80 のとき X=6.2×10-3 なる計測結果が得られ、これをフロー値を片対数としてプロットすることにより 得られた情報である。
【0032】 一般に、材料の製造ロットの相違によって材料フロー性が相違しても、材質が 特定されれば、その材料の標準的なフロー特性とほぼ同一の比例係数をとること は知られている。 したがって、本考案では、このような知見に基づき、図2(B)に実線で示す 標準材料のフロー特性をベースにして、成形しようとする実際の成形材料のフロ ー値を1点だけ計測して求め、標準材料のフロー特性直線の傾きと同一の傾きを 有し、前記計測点を通過する関数(直線)を求めたのち、この関数上において、 前述した図2(A)で求めたフロー値に対する予熱温度を最終的に求める。
【0033】 例えば、予熱温度70℃にて計測した材料ロットAのフロー値が4.2×10 - 3cc/s、同じく予熱温度70℃にて計測した材料ロットBのフロー値が2 .6×10-3cc/sであったとき、図2(B)に実線で示す直線を傾きを同 一にしてそれぞれ上下にスライドし、4.2×10-3cc/sおよび2.6× 10-3cc/sを通過する直線を求める(図2(B)に点線で示す)。
【0034】 ついで、図2(A)に示す情報から求められた標準材料フロー値が、上述した ように5.0×10-3cc/sである場合には、これら2本の点線で求められ た直線関数にこのフロー値を代入すれば、材料ロットAについては72℃、材料 ロットBについては80℃という最適予熱温度が求められる。
【0035】 次に作用を説明する。 まず、既述したように、予定され得る射出圧力、射出速度で射出したときのフ ロー値Yを逐次計測しておき、この情報を第1の記憶部16に記憶させておく。 また、標準材料を用いて予熱温度に対するフロー値Xを計測し、その関係式を求 めて第2の記憶部17に記憶させておく。
【0036】 実際の射出成形を行うにあたり、射出圧力と射出速度とを射出圧力設定器27 と射出速度設定器28にそれぞれ入力するが、成形材料(材料ロットA,B)の フロー値をも計測して、この値を材料フロー値設定器9に入力しておく。この場 合、ある予熱温度に対する1点のみのフロー値を計測すればよい。
【0037】 制御手段10では、まず、第1の記憶部16に記憶された射出圧力および射出 速度とフロー値とを関係に基づいて、射出圧力設定器27および射出速度設定器 28に入力された射出圧力および射出速度の設定値に対する標準材料フロー値Y を求める。 次に、第2の記憶部17に記憶された標準材料の予熱温度に対するフロー値の 関係から、材料フロー値設定器9に入力されたフロー値の設定値(材料ロットA ,Bのフロー値)に応じた予熱温度を演算して求める。
【0038】 このとき、予熱温度に対するフロー値(対数値)の関係は、設定されるフロー 値(材料ロットA,Bのフロー値)に拘らず比例関係にあるという理解の下に、 予熱温度に対するフロー値(対数値)の関係式に材料フロー値設定器9に入力さ れたフロー値の設定値(材料ロットA,Bのフロー値)を代入して、予熱温度に 対するフロー値の設定値の関係式を求める。
【0039】 さらに、既述した如く求められた標準材料フロー値をこの関係式に代入して、 フロー値の設定値に応じた予熱温度を求める。 このようにして求められた最適な予熱温度の値を温調器1に出力し、温油器2 によって加熱シリンダ11を循環する加熱媒体の温度を制御する。これにより、 最適な予熱温度を演算して求め、この予熱温度で加熱しながら射出成形を行って いるので、材料ロットの相違などの諸要因によって材料の流動特性が変動しても 、その変動値に拘らず、標準フロー値が射出圧力設定器27と射出速度設定器2 8に入力設定された射出圧力と射出速度に対して最適なフロー値、すなわち標準 フロー値を実現することができる。
【0040】 その結果、充填不足や充填過大などの充填不良を防止することができ、また、 これに加えて、材料の流動特性が変動しても射出速度を一定に維持することがで きるので、1ショットに要する射出時間が安定し、射出速度の低下による生産性 の低下を防止することが可能となる。
【0041】 以上述べた如く、最適予熱温度を求めた後は、以下のようにして射出成形を行 う。まず、一次射出(充填工程)における油圧装置21の油圧と油流量、および 二次射出(保圧工程)における油圧装置21の油圧と油流量とを、射出圧力設定 器27および射出速度設定器28に設定入力しておく。
【0042】 次いで、押出し機3全体を上型に近付け、押出し機3のノズル4をキャビティ の注入口に当接させて、射出開始信号に基づいて可変容量ポンプ6から所定油圧 、所定油流量(何れも一次射出)の圧力流体を射出用油圧シリンダ7に供給する 。これにより射出用油圧シリンダ7が駆動して、射出スクリュー8がノズル方向 に押し出される。
【0043】 同時に、射出スクリュー8の現在位置を逐次位置センサ15で計測し、この位 置情報を、制御手段10のA/D変換器23を介してCPU24に取り込み、位 置設定機5に記憶されている一次・二次切替位置の情報と比較する。 射出スクリュー8が、油圧シリンダ7により駆動され、ノズル方向へ移動する と、加熱シリンダ11内に供給された成形材料は、ノズル4から注入口を介して キャビティ内に射出されキャビティ内に充填される。
【0044】 このようにして、射出スクリュー8が一次・二次切替位置に達し、一次射出工 程から二次射出工程へ移行する最適のタイミングを判断すると、射出圧力設定器 27および射出速度設定器28で設定入力された二次射出における圧力流体の油 圧信号と油流量信号とをD/A変換器26を介して可変容量ポンプ6に出力し、 それまでの圧力よりも低い圧力を有する圧力流体を、射出用油圧シリンダ7に供 給して射出スクリュー8を作動させ、二次射出を行なう。
【0045】 ちなみに、このように制御されて射出成形が行われると、材料の流動特性に拘 らず射出速度が一定となることから、射出時間に対する射出スクリューの位置は 図3に示すようになる。
【0046】 なお、以上説明した実施例は、本考案の理解を容易にするために記載されたも のであって、本考案を限定するために記載されたものではない。したがって、上 記実施例に開示された各要素は、本考案の技術的範囲に属する全ての設計変更や 均等物をも含む趣旨である。 例えば、上述した実施例では射出圧力や射出速度を多段に切り替える射出成形 装置を挙げて本考案を説明したが、本考案の射出成形装置は単一圧力・速度制御 の成形装置に用いることも可能である。
【0047】
【考案の効果】
本考案の射出成形装置は、射出速度および射出圧力に対する標準材料フロー値 の関係に基づいて、射出圧力設定器および射出速度設定器に入力された射出圧力 設定値および射出速度設定値に対する標準材料フロー値を求め、標準材料フロー 値に対する標準材料の予熱温度の関係に基づいて、前述した如く求められた標準 材料フロー値と材料フロー値設定器に入力された材料フロー値の設定値を比例演 算することにより、材料フロー値の設定値に応じた予熱温度を演算して求め、こ の予熱温度によって加熱シリンダを加熱しながら射出成形を行う。
【0048】 その結果、材料の流動特性が変動しても、その変動値に拘らず、標準フロー値 が射出圧力設定値と射出速度設定器に入力設定された射出圧力と射出速度に対し て最適なフロー値を実現することができ、充填不足や充填過大などの充填不良を 防止することができる。
【0049】 また、これに加えて、材料の流動特性が変動しても射出速度を一定に維持する ことができるので、1ショットに要する射出時間が安定し、射出速度の低下によ る生産性の低下を防止することが可能となる。
【提出日】平成5年11月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 本実施例の射出成形装置は、成形型、この成形型を開閉して締め付けるための 型締め装置、成形材料を成形型に注入するための押出機3、この押出機3に供給 する油圧と油流量とを制御する油圧装置21、成形材料を予熱するための予熱手 段1,2,12、こ れら油圧装置21および予熱手段1,2,12を制御する制 御手段10、および、これらの各装置の動作を自動制御するための制御装置とか ら構成されている。 なお、本考案における成形型、型締め装置、制御装置は従来公知の構成で支障 がないため、その詳細な図面は省略し、構成の概要のみを説明する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る射出成形装置を示すブ
ロック図である。
【図2】(A)は第1記憶部に格納される情報であって
射出圧力および射出速度に対するフロー値の関係を示す
グラフ、(B)は第2の記憶部に格納される情報であっ
てフロー値に対する予熱温度の関係を示すグラフであ
る。
【図3】同実施例の射出時間に対する射出位置の関係を
示すグラフである。
【図4】従来の射出時間に対する射出位置の関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1…温調器(予熱手段) 2…温油器(予熱手段) 3…押出機 4…ノズル 5…位置設定器 6…油圧ポンプ 7…射出用油圧シリンダ(射出用圧力シリンダ) 8…射出スクリュー 9…材料フロー値設定器 10…制御手段 11…加熱シリンダ 12…流路(予熱手段) 15…位置センサ 16…第1の記憶部 17…第2の記憶部 21…油圧装置 23…A/D変換器 24…中央演算処理部(CPU) 25…入力部(I/O) 26…D/A変換器 27…射出圧力設定器 28…射出流量設定器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月11日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】予熱手段(1,2,12)を有する加熱シ
    リンダ(11)内に成形材料を供給し、射出スクリュー
    (8)を移動させ、前記予熱手段(1,2,12)によ
    り前記加熱シリンダ(11)内の成形材料を予熱しなが
    ら所定の射出圧力および射出速度で射出する射出成形装
    置において、 前記射出圧力を入力する射出圧力設定器(27)と、 前記射出速度を入力する射出速度設定器(28)と、 予め計測された材料フロー値の設定値(X)を入力する
    材料フロー値設定器(9)と、 前記射出速度および射出圧力に対する標準材料フロー値
    (Y)を記憶する第1の記憶部(16)と、 前記標準材料フロー値(Y)に対する標準材料の予熱温
    度を記憶する第2の記憶部(17)と、 前記第1の記憶部(16)に記憶された情報に基づいて
    前記射出圧力設定器(27)および前記射出速度設定器
    (28)に入力された射出圧力および射出速度に対する
    標準材料フロー値(Y)を求め、該標準材料フロー値
    (Y)と前記材料フロー値設定器(9)に入力された材
    料フロー値の設定値(X)とに基づいて前記第2の記憶
    部(17)に記憶された情報を比例演算することにより
    前記材料フロー値の設定値(X)に応じた予熱温度を演
    算して求める制御手段(10)とを有することを特徴と
    する射出成形装置。
JP8988392U 1992-12-04 1992-12-04 射出成形装置 Pending JPH0646930U (ja)

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JP8988392U JPH0646930U (ja) 1992-12-04 1992-12-04 射出成形装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014030956A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Nissei Plastics Ind Co 射出成形機の成形条件設定方法及び装置

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JP2014030956A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Nissei Plastics Ind Co 射出成形機の成形条件設定方法及び装置

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