JP5531814B2 - 射出成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂を金型に射出充填して成形する射出成形方法に関するものであり、特に金型キャビティ内に充填する樹脂量のばらつきが少ない射出成形方法である。
射出成形方法の中には、樹脂の射出成形時に金型をわずかに開閉する技術があり、その技術を用いた射出成形方法は、射出プレス成形方法、或いは射出圧縮成形方法と呼ばれて、当業者の中で広く周知である。
射出成形方法の中の一つである前者の射出プレス成形方法について説明すれば、所望する製品の形状より大きく形成した金型キャビティ内に樹脂を射出した後、可動型を固定型側の方向に移動させる等して、型閉動作によりキャビティ内の樹脂を流動させて金型キャビティ内の隅々まで行きわたらせる方法である。
また、この成形方法は、場合によっては、溶融樹脂を金型キャビティ内の隅々まで行きわたらせた後に、さらに溶融樹脂の熱収縮に合わせながら金型キャビティの容積を徐々に減少させることもある。
射出成形方法の中の一つである後者の射出圧縮成形方法について説明すれば、一般的に、所望する製品の形状に形成した金型キャビティに樹脂を射出し、該溶融樹脂の圧力で金型を一旦開かせてから後、可動型を固定型側の方向に移動させる等して、型閉動作により金型キャビティ内の樹脂を流動させて拡張させ、金型キャビティ内の隅々まで溶融樹脂を行きわたらせる方法である。
また、この成形方法も場合によっては、前述した射出プレス成形方法と同様に、溶融樹脂を金型キャビティ内の隅々まで行きわたらせた後に、さらに溶融樹脂の熱収縮に合わせながら金型キャビティの容積を徐々に減少させることもある。
なお、前述した射出プレス成形方法と、射出圧縮成形方法の相違は、射出プレス成形方法が、射出開始時において、あらかじめ金型をわずかに開いた状態(所望する製品形状の金型キャビティより大きな寸法)として、樹脂の射出中、或いは射出完了後に金型を閉じるのに対して、射出圧縮成形方法は、型締装置の型締力を小さく(溶融樹脂の射出圧力により金型がわずかに開く程度の型締力)することにより、樹脂の射出中に射出圧力によって金型をわずかに開いた状態となるようにして、その後、金型を閉じる点にある。
前述した2つの成形方法は、わずかに開いた状態(金型キャビティの容積が所望する成形品の容積より大きな状態)の金型内に樹脂を射出する工程を有するという点で共通しており、さらに、最終的に金型の型閉動作(金型キャビティの容積を減少する動作)によって金型キャビティ内の隅々まで樹脂を充填するという工程を有するという点で共通する。
この2つの射出成形方法の利点について説明すれば、溶融樹脂を射出する際の樹脂圧力を低減化することができ、その結果、射出圧力の低減化に伴う射出ユニット及び型締装置の小型化、型締め動作により樹脂を充填することによる金型内樹脂圧力の平均化、等の有利な効果が図れ、流動性の悪い樹脂を成形する際、或いは、製品に成形時の応力ひずみを残したくない精密成形品の成形等に、広く用いられている。
ここで、射出ユニット内における樹脂の計量は、通常、射出スクリュの位置(後退量)によってなされている。しかし、射出スクリュの位置による計量には精度の限界があり、樹脂量のばらつきが比較的大きくなることは当業者にとって周知である。仮に、射出スクリュの位置による計量にのみ頼って、例えば、射出スクリュによって計量した樹脂の全量を金型キャビティ内に打ち込んで、製品を成形するような射出成形方法を実施すると製品重量のばらつきが大きくなる。
そのため、樹脂の射出成形時に金型を閉じたままである一般の射出成形方法では、一旦、射出動作によって金型キャビティ内に樹脂を充填した後、保圧工程によって、金型内に充填した溶融樹脂の冷却に伴い収縮するのにあわせて、射出ユニットからさらに樹脂を補充填する。なぜなら、前述した保圧工程を有する射出成形方法では、主に、金型キャビティの容積量によって、金型キャビティ内に充填する樹脂の量が決定するため、樹脂の射出成形時に金型を閉じたままの射出成形方法であれば、成形中に金型キャビティの容積量がほとんど変化することはないので、前述した射出スクリュによって計量した樹脂の全量を金型キャビティに充填する射出成形方法よりも、製品重量のばらつきが小さいことが当業者に良く知られているからである。
それに比較して、前述した射出プレス成形方法、或いは射出圧縮成形方法を実施する場合には、樹脂の射出時に、金型がわずかに開かれた状態であるから、基本的に、射出ユニット内の樹脂を全量打ち切ってしまうことになる。そのため、連続成形する製品の重量を、射出時に金型を開かない一般的な射出成形レベル並みに、安定化させることが難しかった。従って、前記射出プレス成形方法、或いは射出圧縮成形方法を実施する場合においては、金型キャビティ内に射出する樹脂の充填量に注意する必要があった。
特開平8-318553
特許文献1は、前述した従来技術の問題点に鑑み、可動金型の位置を測定して基準にすることにより、金型キャビティの容積量を調整する技術である。
そして、成形中に該金型キャビティの容積量が所望する大きさとなった際に、シャットオフバルブを閉じて金型内外の樹脂流通を即時に遮断することにより、前述した金型キャビティ内への樹脂の充填量のばらつきという問題を解決しようとしている。
ここで、特許文献1に開示される射出成形方法は、金型キャビティ内へ充填する樹脂のばらつきを抑えるという点で、一定の効果が期待できる。
しかしながら、可動型と固定型の開き量、或いは可動盤と固定盤の離間距離、等を測定しなければならない特許文献1に開示の方法は、金型を交換する度に、型開量センサを取付けなおす、或いは、センサの再設定をする必要性が生じる。
なお、特許文献1に開示の従来技術に限らないが、金型内に表皮材をインサートして射出成形する場合には、金型キャビティ内に充填する樹脂の量に表皮材の種類や厚さが影響する。特に、動物の皮や樹木の表皮等の天然由来の表皮材をインサートして成形する場合においては、表皮材の厚さが均一でないため、樹脂の量が一定であっても、製品の厚さのばらつきが更に大きくなることがあった。
この様な動物の皮や樹木の表皮等は、成形時に圧縮されて厚み寸法等が変わってしまうので、金型キャビティ内における樹脂の圧力が異なると、製品寸法又製品重量等に、大きな影響を与え、ばらつきが生じてしまう。
本発明は、前記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、連続成形する製品の重量安定等に優れた射出成形方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による樹脂の射出成形方法は、
(1) 型締力を測定可能な型締装置を備えた射出成形装置に、射出ユニットと金型キャビティとの間を流通する樹脂を遮断できるシャットオフバルブを配し、該型締装置に取り付けた雄雌両金型で形成した金型のキャビティ内にシャットオフバルブを介して樹脂を射出し、該樹脂の射出中、或いは樹脂の射出完了後に、該金型の型締力が、予め設定した値になった際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した。
(2) 前記(1)に記載の射出成形方法において、前記型締装置がトグル式の型締機構であって、前記金型のキャビティ内に樹脂を射出開始する際に型締装置に取り付けた金型をわずかに開いた状態として、該樹脂の射出中、或いは射出完了後に、該金型が閉じきらない状態で型締力を昇圧するとともに、該樹脂の射出完了後かつ該型締力の昇圧完了後において、該金型の型締力が、予め設定した値まで低下した際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した。
(3) 前記(1)に記載の射出成形方法において、前記型締装置がトグル式の型締機構であって、前記金型のキャビティ内に樹脂を射出開始する際に、該トグルを伸ばしきった状態で、射出充填する樹脂の圧力により、金型がわずかに開く状態で、金型を型締めするとともに、該樹脂の射出中に、該金型の型締力が、予め設定した値に上昇した際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した。
(4) 前記(1)に記載の射出成形方法において、前記型締装置がトグル式の型締機構であって、前記金型のキャビティ内に樹脂を射出開始する際に、該トグルを伸ばしきった状態で、射出充填する樹脂の圧力により、金型がわずかに開く状態で、金型を型締めするとともに、該樹脂の射出完了後において、該金型の型締力が、金型が開くことによって上昇した状態から、予め設定した値にまで低下した際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した。
(5) 前記(1)から(4)までのいずれか1項に記載の射出成形方法において、前記樹脂の射出を開始する前の金型のキャビティ内に表皮材を配した。
本発明の射出成形方法よれば、射出完了後、特定の型締条件下において、金型キャビティ内の樹脂に型締力が負荷される状況として、射出ユニットと金型キャビティとの間で樹脂を流通させることにより、金型キャビティ内の樹脂が、繰り返し同様な挙動を再現するように制御する。そして、予め設定した型締力で、シャットオフバルブを閉じることにより、金型キャビティ内の樹脂の量と圧力を精度良く再現する。従って、連続成形する製品の重量安定等に優れている。
また、本発明の方法を表皮材のインサート成形等に用いれば、例え、成形中に表皮材の厚みが変化しても、金型キャビティ内の樹脂の挙動は影響を受けにくいので、安定した運転が可能である。
本発明の実施形態に係わる射出成形装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係わる射出プレス成形方法の成形時における金型装置内の樹脂の状態と挙動を説明する概念図である。 本発明の実施形態に係わり成形時における金型装置内の樹脂の状態と挙動を説明する概念図である。 本発明の実施形態に係わる射出成形方法の工程を説明するフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の好ましい例を、いくつか説明する。
図1〜図4は本発明の実施の形態に係り、図1は本発明による射出成形装置の全体構成図である。図2及び図3は本発明の実施形態に係わり金型装置内の樹脂の状態と挙動を説明する概念図であり、図2は射出プレス成形方法に関するものであり、図3は射出圧縮成形方法に関するものである。図4は本発明の実施形態に係わり、その工程を説明するためのフローチャートである。
本実施形態に使用した射出成形装置100は、図1に示すように、金型装置10、型締装置20、射出ユニット30、及び、型締装置20と射出ユニット30を制御する制御装置60とを備えている。
そして、型締装置20に取り付けられた金型装置10は、雌型である固定型3と雄型である可動型4を備えて、雄雌両金型が組み合わされてからなり、該両金型は、シャーエッジ構造、所謂、くいきり構造の嵌合部で嵌め合わされて、該嵌め合わされた状態でその内部に金型キャビティ15を形成する構造となっている。
なお、前述したくいきり構造の嵌合部(くいきり部と称することもある)は金型キャビティ15の全周にわたって形成されている。
また、金型装置10は前記したようにくいきり部にて嵌めあわされているため、例え、所定距離を開いても金型キャビティ15内に充填された樹脂が金型装置10の外部に漏れ出すことはない。
なお、参考までに説明すれば、後述する図2(3)においては、固定型3と可動型4の間で、金型開閉方向に対して略直行する方向に伸びているパーティング面の間の距離を、離間距離Sとして記載しており、これが金型10の型開量(型開き寸法と称することもある)を表す数値となる。
本発明において、金型10をわずかに開くというのは、金型キャビティ内の樹脂が成形中に外部に漏れ出さない程度の型開量を意味しており、例えば、図1に示す第1実施形態においては、固定型3と可動型4について、くいきり構造の嵌合部が外れてしまわない程度の型開き寸法を言う。
また、本発明において、金型10が閉じきらない状態とは、固定型3と可動型4の金型開閉方向に対して略直行する方向に伸びているパーティング面が互いに接触していない状況、例えば、後述する図2(3)において、離間距離Sが零になっていないような状況を意味する。
図1に示すように固定型3は固定盤1に取り付けられ、可動型4は可動盤2に取り付けられている。従って、後述する型締装置20を作動させることにより、可動型4を固定型3に対して自在に前後進させることができる。
次に本実施形態に用いた型締装置20について説明する
図1に示した型締装置20は、可動盤2、固定盤1、型締シリンダ22、型締シリンダ22に駆動によって作動するトグル式型締機構8(トグル機構8と称することもある)、並びに、型締シリンダ22に所望の油圧を供給する図示しない油圧源等を備えて、可動盤2は、固定盤1とエンドプレート5との間に架設した4本のタイバー7に案内されて、型締シリンダ22で駆動されたトグル機構8により、可動型4とともに前後進できるよう構成されている。
また、図1に示す型締装置20においては、タイバー7に型締力センサLを取り付けており、型締装置20によって金型10を型締めした際においては、タイバー7の伸量を検出することにより、型締装置20による金型10の型締力を測定することができる。そして、型締力センサLの測定値の信号は、制御装置60に備えた型締制御装置61の型締制御部に入力される。
なお、成形時の型締力を測定する方法は、本実施形態で説明したようなタイバー7の伸量を測定して算出するよう型締力センサLによる方法が、構造が簡単であるという点で好ましいものであるが、これに限るものではなく、型締力を測定する他の公知の方法であって良い。
ここで、図1に示した射出成形装置100の制御装置60は、型締制御装置61によって、型締シリンダ22に油圧を供給する型締シリンダ制御バルブ(型締CYL制御バルブと称することもある)を制御し、金型装置10を自在に開閉し、また型締できるよう構成されている。
なお、図1に示した実施形態においては、型締装置20の駆動装置として、油圧式でトグルタイプの型締機構を使用したが、これに限るものではなく、例えば、ボールネジとサーボモータを使用する電動式の型締装置等を使用しても良い。
次に、射出ユニット30は、図1及び図2に示すように、バレル32、バレル32に内装されたスクリュ34、バレル32内に樹脂を供給するホッパ38、スクリュ34を前後進させる射出シリンダ40、スクリュ34を回転させる油圧モータ42、並びに、射出シリンダ40と油圧モータ42に所望の油圧を供給する図示しない油圧源等を備え、さらに、バレル32外周面には図示しないヒータ等が取付けられている。
射出ユニット30は、油圧モータ42によってスクリュ34が回転することにより、ホッパ38からペレット形状の樹脂をバレル32内に供給する構造となっており、該供給したペレット形状の樹脂は、バレル32に取付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュ34の回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融し、スクリュ34の前方に送られる。
スクリュ34の前方に送られ、溶融した樹脂(溶融樹脂と称することもある)は、射出シリンダ40により前進するスクリュ34によって、バレル32の先端部にあるノズル39から射出することができる。
なお、制御装置60は、型締装置を制御する型締制御部61と該型締制御部に型締条件を設定する型締条件設定器、及び射出ユニット30を制御する射出制御装置63と該射出制御部に射出条件を設定する射出条件設定器等を備えている。
ここで、図1に示した射出成形装置100においては、金型装置10内に樹脂通路として、ホットランナーを配しており、該ホットランナーの金型キャビティ15に向かう方向の先端部側にシャットオフバルブ31を配した構成となっている。
図1に示した射出成形装置100においては、前述の構成によって、シャットオフバルブ31を開とした状態で射出ユニット30と金型キャビティ15の間の樹脂の流通を可能とし、シャットオフバルブ31を閉とした状態で射出ユニット30と金型キャビティ15の間の樹脂の流れを遮断する。
なお、前述の実施形態においては、金型装置10内にシャットオフバルブ31を配する構成としたが、その配置に限るものではないことは勿論であって、射出ユニット30と金型キャビティ15との間で樹脂の流通を遮断することのできる位置のどこかに設けられていれば良い。従って、例えば、射出ユニット先端の射出ノズル39部分、固定盤1、或いは、射出ユニット30と金型装置10の間に配した別個のブロック等、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で配置の変更が可能である。
以下、本発明による射出成形方法について、その実施形態の好ましい1例を、第1実施形態として、図2及び図4を用いて説明する。
なお、第1実施形態は、予め金型をわずかに開いた状態で射出する射出成形方法であって、前述したように、所謂、射出プレス成形方法と呼ばれることのある射出成形方法に対して、本発明の方法を適応した例である。
第1実施形態においては、最初に、型締制御装置61の中の型締条件設定機に初期型開量として型開量を1.0mmとして設定するとともに、第1の型締力として1000KN、シャットオフバルブ31を閉動作する型締力として第2の型締力1200KNを設定する。前述の準備が整ってから、成形サイクルをスタートさせて、図4に示すフローチャートの工程に入り、4(1)の工程から図4(2)の工程に進み、型締装置20に配した型締シリンダ22を作動させてトグル機構8を延伸させることにより、可動盤2を固定盤1の方向に移動させて金型10を型閉動作する。
そして、この状態で、図4(3)から図4(4)の工程に進み、ホットランナーの先端部側に配したシャットオフバルブ31を開として、金型キャビティ15内に溶融樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)を射出する。なお、図4(4)の工程時における樹脂の挙動を図2(1)に示す。
ここで、型開量1.0mmとした金型10の金型キャビティ寸法及び容積量は、所望する成形品の寸法及び容積量より大きなものになっている。従って、型開量1.0mmとした金型10内において、金型キャビティ15の中に充填した樹脂の量は、所望する製品の樹脂量より大きなものになっている。
なお、本実施形態においては、金型装置10がわずかに開いた状態になっても、固定型3と可動型4の間に形成したくいきり構造の嵌合部によりシールされているから、金型キャビティ15内の溶融樹脂が金型装置10の外に漏れ出すことはない。
そして、溶融樹脂を金型キャビティ15内に充填完了した後、図4(5)から図4(6)の工程に進み、トグル機構8を延伸させて型締力を昇圧する。
なお、この際に重要な点は、第1実施形態で前述した第1型締力は、トグル機構8を延伸させるための設定値であって、型締力の実測値ではないというところにある。
一般的に、トグル機構8を用いた射出成形装置100の型締装置20においては、トグルの延伸量を制御してタイバー7の伸び量を制御することにより型締力を調整する。
つまり、トグル機構8を用いた型締装置20は、通常、金型10を型締力ゼロでタッチさせて閉じた状態を基準位置とし、該基準位置からのトグルの延伸量とタイバー7の伸び量の関係を予め割り出してデータ化(型締力データ表と称することもある)しておくことによって、タイバー7の伸び量から型締力を算出する。
従って、型締力を設定するというのは、基準位置から所望する型締力を発生させるに必要な位置までトグル機構8を延伸させる距離を設定する、ということを意味する場合がある。そして、本実施形態において第1型締力を設定するということは、第1の型締力を発生させるに必要な位置までトグル機構8を延伸させるということ意味する。
言い換えれば、本実施形態においては、前述の工程において、金型キャビティ15内に樹脂が充填された状態で、金型10のタッチ状態から第1型締力を発生させるに必要な位置までトグル機構8を延伸させる。
そして、本実施形態においては、その状態で、トグル機構8のリンクをロッキングし、延伸させたトグル機構8が型開力により屈曲しないようにする。
金型10をわずかに開いた状態で、かつ、金型キャビティ15内に樹脂が充填されている状況下において、前述した第1型締力を発生させるに必要な位置までトグル機構8を延伸させると、タイバー7の伸びは、型が開いていない状態に比べて、型開寸法分だけ大きく伸びるため、型締力データ表より、大きく上昇して、予め設定した第1型締力をはるかに超えて大きくなる。なお、この際において、正確な型締力は、型締力データ表から算出することが困難なため、型締力センサL(センサLと称することもある)を用いて測定することにより把握する。
なお、第1実施形態においては、この状態下においても、金型10が、図2(2)に示したように、わずかに開いた状態になるようにして、金型10を閉じきらない状態として、型締力が金型キャビティ15内の樹脂に全て負荷される状況とする。
その結果、シャットオフバルブ31を通して樹脂が、射出ユニット30と金型キャビティ15内との間を流れながらバランスしようとする。
そして、金型キャビティ15内の樹脂がシャットオフバルブ31を介して射出ユニット30側へ逆流して、金型10の型開量がわずかに減少すると、トグル機構8によって発生させていた型締力が徐々に低下して、圧力降下する。
そして、センサLで測定した型締力が、予め設定した第2の型締力(本実施形態においては1200KN)にまで低下した時に、図4(7)から図4(8)の工程に進み、シャットオフバルブ制御装置から信号を送信して、シャットオフバルブ31を閉じることによって、射出ユニット30と金型キャビティ15内との間で樹脂の流通を遮断する。
なお、本実施形態における第2の型締力は、センサLで測定した型締力であるから、第1型締力の定義とは異なるものであることに注意する必要がある。
ここで、図2(3)に、シャットオフバルブを閉じた状態を示す。第1実施形態においては、シャットオフバルブ31が閉じた状態においても、固定型3と可動型4の間で、金型開閉方向に対して略直行する方向に伸びているパーティング面の間の距離を、離間距離Sとして開けており、型締力が樹脂に負荷され続けるよう構成している。そして、その状態で、図4(9)から図4(12)の工程を進み、成形品を冷却した後、金型10を大きく開いて、製品を取出す。
なお、前述した第1実施形態の方法を実施するにあたり重要な要素は、金型10の開量と、金型キャビティ内に充填されている溶融樹脂に負荷される型締力である。
つまり、ある一定の金型開量を基準として金型キャビティ15内に樹脂を充填し、その後、金型キャビティ内に充填された樹脂が受ける圧力を精度良く制御すれば、金型キャビティ15内の樹脂の量を、精度良く制御できる。
従って、本発明による第1実施形態によれば、金型キャビティ15内の樹脂に、型締力が負荷される状況となっており、所定の型締力下において、射出ユニット30と金型キャビティ15内の間の樹脂の流れが、精度良く、繰り返し再現される。そして、予め設定した型締力で、シャットオフバルブ31を閉じることにより、金型キャビティ15内の樹脂の量と圧力を精度良く再現するように制御することが可能である。
なお、前述した第1実施形態では、樹脂の射出完了後に、型締昇圧開始したが、本発明に適応できる方法は、これに限らず、樹脂の射出中から型締昇圧開始しても良い。但し、樹脂の射出中から型締昇圧開始する場合においては、少なくとも、型締昇圧完了前、かつシャットオフバルブ閉動作の前に、射出完了しておく必要がある。
また、第1の実施形態では、第1の型締力と第2の型締力を設定して、金型10内で樹脂がバランスするまでの圧力降下を勘案したが、成形の状況によっては、第2の型締力のみを設定して、昇圧完了直後にシャットオフバルブ31を閉じても良い。
また、本発明を実施するために使用する型締装置としては、成形中、金型の開量と型締力との間に相関関係を有するタイプの型締装置が好ましい。
なぜなら、本発明は、型締力を基準として金型内に充填する樹脂の挙動を制御するが、金型内に充填する樹脂の挙動は、金型の開量によって影響を受ける。
金型の開量と型締力との間に関係を有するタイプの型締装置を使用すれば、成形中に型締装置の型締力を測定することによって、金型の開量の検知にもつながるので、金型内における樹脂の挙動を制御するため装置として好ましい。
言い換えれば、金型の開量と型締力との間に関係を有するタイプの型締装置を使用すれば、金型10の型開量の変化をとらえて型締力が変化するから、型締力により、金型内における樹脂の挙動を的確に把握して制御できる。
ここで、前述した金型開量と型締力との間に相関関係を有するタイプの型締装置として、例えば、油圧式トグル機構の型締装置、電動式トグル機構の型締装置、油圧と電動ハイブリットで型締昇圧にトグル機構を使用する型締装置、並びに、電動直圧式の型締装置等が例示できる。
前述した理由から第1実施形態は好ましい形態の1つとして、タイバー7に型締力を測定する型締力センサLを備えた油圧式のトグル機構8の型締装置20を使用した。
次に、本発明による好ましい形態の中の1つとして、第2実施形態を、図3を用いて簡略に説明する。
なお、第2実施形態は、型締装置の型締力を小さくすることにより、樹脂の射出中に射出圧力によって金型をわずかに開いた状態とする射出成形方法であって、前述したように、所謂、射出圧縮成形方法と呼ばれる射出成形方法に対して、本発明の方法を適応した例である。
第2実施形態においては、トグル式の型締機構を有する型締装置20を用いて、最初に、型締制御装置61の中の型締条件設定機に第1の型締力として1000KN、第2の型締力として1200KNを設定する。
なお、第2実施形態においては、第1の型締力を小さく設定して、樹脂の射出中に射出圧力によって金型がわずかに開いた状態となるようにする。
第2実施形態においては、成形サイクルがスタートしてから、型締装置20に配した型締シリンダ22を作動させてトグル機構8を延伸させることにより、可動盤2を固定盤1の方向に移動させて金型10を型閉動作して第1の型締力を発生させる。
そして、第1の型締力で金型10を型締した状態で、シャットオフバルブ31を開として、金型キャビティ15内に溶融樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)を射出する。
この状態における樹脂の挙動を、図3(1)に示す。樹脂の射出が進んで行く過程において、第1の型締力が樹脂の射出圧力に負けて、金型10が徐々に開き始める。
なお、第2実施形態においても、前述した第1実施形態と同様に、金型装置10がわずかに開いた状態になっても、固定型3と可動型4の間に形成したくいきり構造の嵌合部によりシールされおり、金型キャビティ15内の溶融樹脂が金型装置10の外に漏れ出すことはない。
ここで、金型10は、図3(2)に示したように、わずかに開いた状態で、閉じきらない状態となっており、この状態下において、型締力が金型キャビティ15内の樹脂に全て負荷される状況となる。その結果、シャットオフバルブ31を通して樹脂が、射出ユニット30と金型キャビティ15内との間を流れてバランスしようとする。
なお、この状態において、トグル機構8の伸び状態をホールドすると、樹脂の射出中は金型10が開いた分だけ圧縮量が増えて、金型10に負荷される型締力が上昇して増加する。
第2実施形態においては、測定した型締力が、予め設定した第2の型締力にまで上昇した際に、シャットオフバルブ31を閉じることによって、金型内外での樹脂の流通を遮断する。
図3(3)に、シャットオフバルブ31を閉じた状態を示す。
第2実施形態においては、シャットオフバルブ31閉じた後、金型キャビティ15内の樹脂が収縮することにより、金型10の型開量がわずかに減少して型締力が低下するが、金型キャビティ15内に充填された樹脂の量に変化はない。そして、この後、十分に冷却された成形品を金型10から製品として取出す。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、金型キャビティ15内の樹脂に、型締力が負荷される状況となっており、所定の型締条件下において、射出ユニット30と金型キャビティ15内との間の樹脂の流れは、精度良く繰り返し再現される。従って、予め設定した型締力で、シャットオフバルブ31を閉じることにより、金型キャビティ15内の樹脂の量と圧力を精度良く制御することが可能である。
なお、第2実施形態において、射出中にシャットオフバルブ31閉じない場合には、射出完了後において、シャットオフバルブ31を介して射出ユニット30側へわずかに逆流する等して、金型10の型開量がわずかに減少し、トグル機構8によって発生させていた型締力が上昇した状態から、徐々に低下して圧力降下するという挙動を示す。
従って、前述した型締力が上昇する際に限らず、上昇した型締力が予め設定した第2の型締力まで低下した際に、シャットオフバルブ31を閉じることによって、金型内外での樹脂の流通を遮断するという方法であっても良い。
次に、本発明の好ましい形態として第3実施形態を簡略に説明する。
第3実施形態は、樹脂の射出前に金型内に表皮材(第3実施形態においては本杢シート)を配した形態であり、それ以外は、基本的に、第1の実施形態と同様な工程により、射出成形方法を実施した。
なお、表皮材を配する実施形態として、第2の実施形態と同様な射出成形方法を採用することも勿論可能である。
第3実施形態によれば、例え、成形中に表皮材の厚みが変化しても、型締力により金型キャビティ15内の樹脂の圧力を調整しているので、金型キャビティ15内の樹脂の圧力は影響をほとんど受けない。その結果、第3実施形態においても、金型キャビティ15内の樹脂の量と圧力を精度良く再現することが可能であり、表皮材と一体化して成形される製品について、その寸法精度のばらつきが小さいという優れた利点を有する。
以上、本発明の実施形態として、いくつかの好ましい例を説明したが、本発明を適応できる実施の形態がこれに限らないことは勿論であり、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、適宜、変更可能である。
本発明の適応範囲は特に限定されないが、自動車部品、或いは家電品等に、金型キャビティ内に充填する樹脂量のばらつきが問題となる射出プレス成形方法や射出圧縮成形方法を採用する場合において好ましく適用でき、金型キャビティ内に皮革や樹皮等の表皮材をインサートして一体化するインサート成形品に対して特に好ましく適用できる。
1 固定盤
2 可動盤
3 固定型
4 可動型
5 エンドプレート
7 タイバー
8 トグル式型締機構(トグル機構)
10 金型装置
15 金型キャビティ
20 型締装置
22 型締シリンダ
30 射出ユニット
60 制御装置
100 射出成形装置
L 型締力センサ
S 離間距離(型開量)

Claims (5)

  1. 型締力を測定可能な型締装置を備えた射出成形装置に、射出ユニットと金型キャビティとの間を流通する樹脂を遮断できるシャットオフバルブを配し、
    該型締装置に取り付けた雄雌両金型で形成した金型のキャビティ内にシャットオフバルブを介して樹脂を射出し、該樹脂の射出中、或いは樹脂の射出完了後に、該金型の型締力が、予め設定した値になった際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した樹脂の射出成形方法。
  2. 前記型締装置がトグル式の型締機構であって、前記金型のキャビティ内に樹脂を射出開始する際に型締装置に取り付けた金型をわずかに開いた状態として、該樹脂の射出中、或いは射出完了後に、該金型が閉じきらない状態で型締力を昇圧するとともに、
    該樹脂の射出完了後かつ該型締力の昇圧完了後において、該金型の型締力が、予め設定した値まで低下した際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 前記型締装置がトグル式の型締機構であって、前記金型のキャビティ内に樹脂を射出開始する際に、該トグルを伸ばしきった状態で、射出充填する樹脂の圧力により、金型がわずかに開く状態で、金型を型締めするとともに、
    該樹脂の射出中に、該金型の型締力が、予め設定した値に上昇した際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した請求項1に記載の射出成形方法。
  4. 前記型締装置がトグル式の型締機構であって、前記金型のキャビティ内に樹脂を射出開始する際に、該トグルを伸ばしきった状態で、射出充填する樹脂の圧力により、金型がわずかに開く状態で、金型を型締めするとともに、
    該樹脂の射出完了後において、該金型の型締力が、金型が開くことによって上昇した状態から、予め設定した値にまで低下した際に、シャットオフバルブを閉じるように制御した請求項1記載の射出成形方法。
  5. 前記樹脂の射出を開始する前の金型のキャビティ内に表皮材を配した請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の射出成形方法。
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