JPH0646716Y2 - カード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クレジットカード、ショッピングカード、会
員カード等のカード本体が合成樹脂からなるカードに係
わる。

〔従来の技術〕

合成樹脂からなるカードは、表面が平滑面であるため、
例えば、カードが複数枚重ねられた場合、互いに擦り合
うことにより傷がついて、また、機械で取り扱う場合、
搬送ローラ等により傷がついて、見映えが悪くなる等、
カードとしての品質を損うことがある。

この様な欠点を解決するため、カード本体の表面に１〜
15μｍの凹凸を設け、マット加工を施したカードについ
ての提案（実開昭61-980号）がある。

この提案に係るカードは、表面が平滑面でないため、カ
ード表面に傷が生じにくく、また、傷が生じても目立ち
にくくしたものであるが、カード本体の樹脂が硬いと、
前記複数枚重ねられた場合の擦り合うことによる傷つき
を完全に防止することはできず、また、カード本体の樹
脂が柔らかいと、傷がつき易かったり、凹凸の凸部が崩
れ易くなることがある。

他方、合成樹脂からなるカードは、光沢が生じていた
り、触るとぬめり感があることから、使用者に安価な印
象を与えるが、たとえ、カード本体の表面にマット加工
を施しても、触ってみれば、従来のカードと大差なく、
相変わらず安価な印象を与える。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は以上のような事情に鑑みなされたものであり、
カード表面に傷がつきにくく、しかも表面に傷が付いた
としてもその傷が非常に目立ちにくいカードの提供を第
１の目的とし、使用者に高級な印象を与えるカードの提
供を第２の目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係わるカードは、
合成樹脂からなるカード本体の表面にマット加工を施し
たカードにおいて、前記表面に繊維または紙粉が付着ま
たは埋め込まれていることを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案に係わるカードは、合成樹脂からなるカード本体
にマット加工を施し、その表面に、合成樹脂より柔らか
い、繊維または紙粉が付着または埋め込まれているの
で、複数枚重ねられた場合であっても、カード本体同士
が擦れ合うことは少なく、カード本体が硬い合成樹脂で
あっても傷がつきにくい。また、傷がついたとしても表
面に繊維または紙粉が存在することにより非常に目立ち
にくい。

また、使用者が触れると、柔らかな繊維または紙粉は、
合成樹脂とは違った高級な印象を与える。

〔実施例〕

以下、本考案を図面を参照にして詳細に説明する。

第１図は、本考案の一実施例に係るカード（１）の断面
説明図であり、カード本体（２）は、不透明な樹脂から
成る単層構成であって、マット加工が施された表面に繊
維または紙粉が付着した状態を示している。

第２図は、本考案の他の実施例に係るカード（６）の断
面説明図であり、カード本体（７）は、不透明な樹脂で
あるセンターコア（８）と透明な樹脂であるオーバーシ
ート（９）とから成る３層構成であって、マット加工が
施された表面に紙粉（10）が埋め込まれた状態を示して
いる。

本考案に係わるカード本体（２），（７）とは、通常の
カードと同様に、不透明な塩化ビニル等の合成樹脂の単
層（第１図参照）であっても、不透明な合成樹脂の両側
に透明な合成樹脂を接着した複層（第２図参照）であっ
てもよい。また、このカード本体（２），（７）には、
磁気層（４）や図柄（５）等が形成されていてもよい。

そして、カード本体（２）の表面（裏面も含む）は、マ
ット加工、すなわち、微細な凹凸面を有し、その表面に
繊維（３）または紙粉（10）が付着または埋め込まれて
いる。

本発明に係わる繊維（３）とは、植物性繊維，動物性繊
維，人造繊維等からなるフエルトまたはニットや、紙を
構成する繊維であり、本発明に係わる紙粉（10）とは、
和紙等の紙の細片である。

この繊維または紙粉は、カード本体（２）のマット加工
が施された表面（特に凸部）に位置することにより、カ
ード本体（２）が他のカード等と直接接触せず、カード
表面に傷がつきにくくなる。また、繊維または紙粉の部
分で傷が分断され、連続した長い傷にならない。更に、
微細で複雑な粗面状態にすることができるため、カード
本体（２）表面に傷がついたとしても、その傷を目立ち
にくくすることができる。

他方、繊維または紙粉の存在により、カードの表面状態
がたとえば和紙に似た感じになるので、従来のカードに
ない手触りが得られ、高級感を生み出す。

第３図は本考案のカードの製造工程の一例を模式的に示
したものである。カード製造に当っては、まず、３層構
成のカード本体（７）の表裏面に、カード本体（７）表
面をマット加工すると共に、マット加工面に繊維を付着
または埋め込むさせるためのフェルト，和紙，ニット等
の部材（11）を位置させ、加圧板（12）で挟みつけ。熱
プレスを行なう。

このようにしてカードを製造すると、部材（11）の表面
状態がカード本体（７）表面に転移し、表面がマット化
され、更に部材（11）を構成する繊維または紙の一部が
カード本体（７）側に残り、表面状態がたとえば和紙の
状態に似たカードが得られる。

また、マット加工並びにカード本体へ繊維または紙粉を
付着または埋め込む方法は、前記のものに限定されず、
カード本体の積層化と同時に行う方法を採用してもよい
し、カード本体の表面に繊維または紙粉を散布してから
熱プレスするようにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案に係わるカードによれば、カード本体の表面に繊
維または紙粉が付着または埋め込まれているので、複数
枚重ねられた場合であっても、カード本体同士が擦れ合
うことは少なく、カード本体が硬い合成樹脂であっても
傷がつきにくく、また、傷がついたとしても表面に繊維
または紙粉が存在することにより非常に目立ちにくい。

更に、使用者に、合成樹脂とは違った高級な印象を与え
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面説明図、第２図は他の
実施例の断面説明図、第３図は本考案のカード製造方法
の説明図である。 （１），（６）……カード （２），（７）……カード本体 （３）……繊維 （10）……紙粉

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂からなるカード本体の表面にマッ
   ト加工を施したカードにおいて、前記表面に繊維または
   紙粉が付着または埋め込まれていることを特徴とするカ
   ード。