JPH0643455Y2 - 芝刈機の排気装置構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンのマフラー本体を機体前端部下方に
配置するとともに、前記マフラー本体を下側から覆う状
態のマフラーカバーを設け、エンジンの冷却排風が前記
マフラーカバー内を流れるようにした芝刈機の排気装置
構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、冒記した芝刈機の排気装置構造は、排気管出口は
機体横向き配置であり、マフラーカバーはマフラー本体
の下面のみを覆うとともに、マフラー本体へ導かれたエ
ンジンの冷却排風を逃がすための多数の面積の大きな排
風口が明けられた形状であった。（文献を示すことがで
きない。） 〔考案が解決しようとする課題〕 前記従来技術によれば、排気管から排出される高温の排
気ガスの一部が前輪に当って、一部が地面に向けて吹き
付けられるようになる可能性があった。また、マフラー
カバーの排風口や、マフラー本体横側方のマフラーカバ
ーとマフラー本体との間隙から、マフラー本体を冷却す
ることによってより高温となったエンジンの冷却排風も
容易に地面に向けて排出されるものであった。

従って、芝刈作業時に、アイドリング状態等のように、
エンジンを回したまま機体を同位置で停止させておくと
いう状態を長時間続けると、地面に向けて吹きつけられ
る高温の排気ガスや冷却排風の熱によってマフラー本体
下方の芝が立ち枯れしてしまうという不具合があった。

本考案は、芝刈機の排気装置構造を工夫することによっ
て、上記不具合の発生を防止することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、冒記した状態の
排気装置構造において、前記マフラー本体の排気管を前
記マフラーカバーの側板から突設して、前輪及び地面に
排気が吹付けられない方向に排気出口を設定するととも
に、前記マフラーカバーの前部に、このカバー内側を流
れる冷却排風が前方にのみ排出されるように排風口を形
成してあることを特徴構成とする。

〔作用〕

前記構成によれば、マフラー本体から排出される高温の
排気ガスが地面に吹きつけられる可能性や、高温となっ
た冷却排風が地面に向けて直接排出されることがなくな
る。

〔考案の効果〕

従って、マフラー本体をエンジン冷却風を利用して冷却
することを維持しながらも芝刈機を芝面上でエンジンを
回したまま機体を同位置で長時間停止させることがあっ
ても、マフラー本体下方の芝を立ち枯れさせてしまう不
具合を防止することができた。

また、もし、前方に排出される冷却排風が拡散による緩
い下向き角度でもって地面に達したとしても、その時に
はその排風の温度は十分に低下しているので、芝を枯ら
すことはない。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を、乗用型芝刈機に適用した場
合について図面に基づいて説明する。

第４図に、機体前部にエンジン（１）、機体前端部下方
にマフラー本体（２）、およびマフラーカバー（３）を
配備し、後部に運転部（４）を備えるとともに、機体下
腹部にモーア（５）を装着した乗用型芝刈機が示してあ
る。

第１図に示すように、前記エンジン（１）は出力軸を縦
軸配置してあり、上端部に装着した冷却ファン（６）で
エンジン（１）を冷却する強制空冷方式に構成してある
とともに、そのエンジン冷却後の冷却排風が、前記マフ
ラーカバー（３）内を流れるようにしてある。

前記マフラー本体（２）は円筒状であり、機体フレーム
（７）に搭載されたエンジン（１）の前端に設けられた
ブラケット（８）に取り付けられている。また、機体フ
レーム（７）の前端には、第３図にも示すように、平面
視後向き開放コ字状のバンパー（９）が前記マフラー本
体（２）を取り囲むようにして設けてある。

前記バンパー（９）の前端部分の内面に沿って帯板状の
前部支持板（10）を水平姿勢で溶接する一方、機体フレ
ーム（７）前端に設けられた前車軸受（11）の前側面に
明けた孔の後側にナット（12）を溶接してある。

そして、前記支持板（10）とナット（12）に亘ってマフ
ラーカバー（３）がマフラー本体（２）を下側から覆う
状態でボルト締めによって取付けてある。

更に前部支持板（10）上には、フレーム（７）前端部の
内側に沿う状態で、その左右全幅に亘る程の長さのアン
グル状のカバー（14）がフランジ金具（15）を介してボ
ルト締めによって取付けてある。

第2,3図に示すように、前記マフラーカバー（３）は、
マフラー本体（２）の前後左右、および下面を一体的に
覆った形状の板金製であり、その右側板（3r）には側面
視で前輪（13）と干渉しない位置で横向きに突設され
た、マフラー本体（２）の排気管（16）用の孔（17）を
形成し、また、前面には冷却ファン（６）からの冷却排
風を前方にのみ排出するための排風口（18），（18）を
設けてある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る芝刈機の排気装置構造の実施例を示
し、第１図は要部側面図、第２図は要部断面正面図、第
３図はマフラーカバーの取付を示す分解斜視図、第４図
は乗用型芝刈機の側面図である。 （２）……マフラー本体、（３）……マフラーカバー、
（13）……前輪、（16）……排気管、（18）……排風
口、（3r）……側板。

フロントページの続き (72)考案者 藤原 洋司 大阪府堺市石津北町64番地 久保田鉄工株 式会社堺製造所内 (56)参考文献 実開 昭57−204422（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジンのマフラー本体（２）を機体前端
   部下方に配置するとともに、前記マフラー本体（２）を
   下側から覆う状態のマフラーカバー（３）を設け、エン
   ジンの冷却排風が前記マフラーカバー（３）内を流れる
   ようにした芝刈機の排気装置構造であって、前記マフラ
   ー本体（２）の排気管（16）を前記マフラーカバー
   （３）の側板（3r）から突設して、前輪（13）及び地面
   に排気が吹付けられない方向に排気出口を設定するとと
   もに、前記マフラーカバー（３）の前部に、このカバー
   （３）内側を流れる冷却排風が前方にのみ排出されるよ
   うに排風口（18）を形成してある芝刈機の排気装置構
   造。