JPH0642892U - カウンターウェイト取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建設車両の本体の重量を軽くする。 【構成】 アッパーフレーム１の作業業装置取付け位置
の反対側に搭載されるカウンターウェイト４を、アッパ
ーフレーム１に設けたカウンターウェイト搭載座２にシ
ート状の緩衝部材３を介してボルトＢで取付けることに
より、作業業装による荷重開放時の衝撃や走行に際して
障害物を乗り越した時の衝撃によってカウンターウェイ
ト４が振動しても、その振動が緩衝部材３で緩衝され、
アッパーフレーム１に生じる応力値が小さくなって、こ
のアッパーフレーム１を低強度に設定することができる
ので、その重量を軽量化することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カウンターウェイト取付装置の改善に係り、特に、カウンターウェ イトを支持するフレームに伝えられる衝撃力を緩衝することにより、このフレー ムの重量を軽減し得るようにしたカウンターウェイト取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、クローラクレーン、トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、アー スオーガのような三点支持機、および油圧ショベル等の建設車両のフレーム、つ まりアッパーフレームには、吊荷の吊持時あるいは土砂等の掘削時における建設 車両のバランスを確保するために、通常、負荷が作用するブーム取付位置の反対 側にカウンターウェイトが搭載されている。

【０００３】 以下、油圧ショベルのカウンターウェイトを例として説明すると、その搭載状 態を示す側面図の図３に示すように、運転室５２と、エンジンルーム５３と、油 圧駆動源（図示省略）と、例えば、先端にバケットが装着されるブームおよびア ームとからなる作業装置５５とを支持するフレームであるアッパーフレーム５１ が、履帯式の走行台車５０の上に、垂直軸心回りに旋回自在に支持されている。 このアッパーフレーム５１の作業装置取付位置の反対側に、カウンターウェイ ト５４がボルト（図示省略）等の機械的固着手段で固定されることにより搭載さ れている。勿論、他の建設車両の場合も同様である。

【０００４】 油圧ショベルのアッパーフレーム５１に、このようなカウンターウェイト５４ を搭載することによって、稼働時における油圧ショベルの前後方向のバランス、 つまり、この油圧ショベルの安定性が確保され、掘削作業に際しての安全性と作 業能力の向上を図るようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 顧客等は、このようなアッパーフレームを有する建設車両に対しては、高性能 化は勿論のこと、建設車両自体の軽量化を要求している。つまり、建設車両の本 体は軽量に、カウンターウェイトは重くという要求がある。ところが、カウンタ ーウェイトを支持するアッパーフレームの主要構造や寸法は、主としてカウンタ ーウェイトの重量によって決定されており、その軽重によってアッパーフレーム の重量も左右される。特に、アッパーフレームには、荷重の開放時や、走行に際 して障害物を乗り越した時等の衝撃で高応力が発生するので、これに耐え得る強 度にしなければならず、アッパーフレームの軽量化が困難であった。

【０００６】 従って、本考案の目的とするところは、上記実情に鑑み、カウンターウェイト が搭載される建設車両のフレームの軽量化を可能ならしめるカウンターウェイト 取付装置を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、荷重の開放時や、走行に際して障害物を乗り越した時に、カウンタ ーウェイトの衝撃力を緩衝してやれば、アッパーフレームに生じる応力値を軽減 し得、そしてアッパーフレームを軽量化することが可能になると考えてなしたも のであって、従って、本考案に係るカウンターウェイト取付装置が採用した主た る手段の特徴とするところは、作業装置を起伏自在に支持する建設車両のフレー ムの前記作業装置の取付け位置の反対側にカウンターウェイトを取付けるカウン ターウェイト取付装置において、前記カウンターウェイトによる作用力を緩衝す る緩衝部材と、該カウンターウェイトと緩衝部材とを前記フレームに取付ける機 械的締結手段とからなる構成にしたところにある。

【０００８】

【作用】

本考案に係る建設車両用のカウンターウェイト取付装置によれば、建設車両の フレームの前記作業装置の取付け位置の反対側に取付けられるカウンターウェイ トによる作用力を緩衝する緩衝部材と、該カウンターウェイトと緩衝部材とを前 記フレームに取付ける機械的締結手段とからなる構成にしたので、緩衝部材によ ってカウンターウェイトの振動が緩衝される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例に係るカウンターウェイト取付装置を、アッパーフレー ムへのカウンターウェイトの搭載状態を示す側面図の図１を参照しながら説明す ると、同図に示す符号１は、作業装置であるブーム（図示省略）を起伏自在に支 持するフレームであるアッパーフレームであって、このアッパーフレーム１のブ ームの取付け位置１ａの反対側には、上側に平面部分を有するカウンターウェイ ト搭載座２が設けられている。このカウンターウェイト搭載座２には、下側から 上側に貫通する複数のボルト用挿通孔２ａが設けられている。

【００１０】 このカウンターウェイト搭載座２の上には、上記ボルト用挿通孔２ａと同径の ボルト用挿通孔３ａが同ピッチで設けられてなるシート状の緩衝部材３が載置さ れている。上記シート状の緩衝部材３としては、例えば、振動源を有する機器類 の据え付けに使用される緩衝ゴムを採用すれば良い。

【００１１】 そして、この緩衝部材３の上に、ウェイト部材であるカウンターウェイト４が 載置され、上記カウンターウェイト搭載座２や緩衝部材３に設けられたボルト用 挿通孔２ａ，３ａに共通しされる、機械的締結手段であるボルトＢ₁ の雄ねじが 、このカウンターウェイト４に設けられた雌ねじ４ａに螺着されることにより搭 載されている。勿論、カウンターウェイト４に、その下側から上側に貫通する複 数のボルト挿通孔を設け、これらのそれぞれにボルトを挿通すると共に、挿通し たボルトそれぞれの突出端の雄ねじにナットを螺着する構成であっても良い。

【００１２】 以下、上記構成になるカウンターウェイト取付装置の作用態様を説明すれば、 建設車両に上下振動が生じるとカウンターウェイトが上下に振動し、アッパーフ レーム１に繰り返し曲げ応力が発生する。特に、上下振動発生の初期に最大の応 力が発生する。しかしながら、この場合には、緩衝部材３があるために、これに より振動が緩衝されてアッパーフレーム１に伝達されるので、アッパーフレーム １に生じる応力の最大値が軽減される。

【００１３】 従って、安全率を一定とすれば、アッパーフレーム１の強度を、従来のそれよ りも低めに設定することができ、結果的に、アッパーフレーム１の重量を軽減す ることが可能になる。一方、フレームが従来と同等の強度であれば、より大重量 のカウンターウェイトを搭載することが可能になり、建設車両の安定性の向上に 対して効果がある。

【００１４】 なお、以上では、カウンターウェイト４と緩衝部材３とをボルトＢ₁ のみで、 アッパーフレーム１のカウンターウェイト取付座２に直に取付ける場合を説明し たが、例えば、ボルトＢ₁ にワッシャと緩衝ゴムリングとを外嵌し、ワッシャが ボルトＢ₁ のボルト頭のボルト側の面に当接する状態で螺着する構成にすると、 カウンターウェイト４の上下振動の如何を問わず、ボルトＢ₁ に所定の張力が付 与され、ボルト頭とカウンターウェイト取付座２との間の当接力変化を少なくし 得るので、上記実施例よりも好ましい。

【００１５】 次に、本考案の他の実施例に係るカウンターウェイト取付装置を、アッパーフ レームへのカウンターウェイトの搭載状態を示す側面図の図２を参照しながら、 上記実施例と同一のもの並びに同一機能を有するもを同一符号を以て、上記実施 例と構成上相違する点についてだけ説明すると、これはカウンターウェイト４が 大重量の上部カウンターウェイト４ｕと、小重量の下部カウンターウェイト４ｄ とからなる組立て構成になるものである。

【００１６】 より詳しくは、アッパーフレーム１のブームの取付け位置１ａの反対側に設け られてなるカウンターウェイト搭載座２の上に、小重量の下部カウンターウェイ ト４ｄが搭載され、この下部カウンターウェイト４ｄはカウンターウェイト搭載 座２の下側から上側に貫通する複数のボルト用挿通孔２ａにボルトＢ₁ が挿通さ れることによりカウンターウェイト搭載座２に固着されている。そして、下部カ ウンターウェイト４ｄの上には、両端縁が相反する方向に折曲げられてなる取付 フランジ部を有する下部受金３ｄと、上部受金３ｕとの間に緩衝ゴム部材３ｒが 介装されてなるサンドイッチ状の緩衝部材３が載置され、この緩衝部材３の上に 大重量の上部カウンターウェイト４ｕが搭載されている。

【００１７】 一方、緩衝部材３の上・下部受金３ｕ、３ｄの取付フランジ部にはボルト挿通 孔が設けられ、また、上・下部カウンターウェイト４ｕ、４ｄの側面には雌ねじ が設けられており、上記ボルト挿通孔にボルトＢ₂ を挿通すると共に、上・下部 カウンターウェイト４ｕ、４ｄの側面の雌ねじに螺着することにより、上・下部 カウンターウェイト４ｕ、４ｄが緩衝部材３を介して一体的に組立てられてなる 構成になっている。

【００１８】 従って、この実施例になるカウンターウェイト取付装置の作用態様は、カウン ターウェイト４を構成する上・下部カウンターウェイト４ｕ、４ｄのうち、大重 量の上部カウンターウェイト４ｕの振動が緩衝部材３によって緩衝されるので、 本実施例は上記実施例と略同効である。

【００１９】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案に係る建設車両用のカウンターウェイト取付装置 によれば、緩衝部材によってカウンターウェイトの振動が緩衝され、フレームに 発生する応力値が軽減されるので、フレームの強度を従来よりも低めに設定する ことによりフレームの重量を軽減することができるのに加えて、フレームが従来 と同等の強度であれば、より大重量のカウンターウェイトを搭載することが可能 になり、建設車両の安定性の向上に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るアッパーフレームへのカ
ウンターウェイトの搭載状態を示す側面図である。

【図２】本考案の他の実施例に係るアッパーフレームへ
のカウンターウェイトの搭載状態を示す側面図である。

【図３】従来例に係る油圧ショベルのカウンターウェイ
トの搭載状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１…アッパーフレーム、１ａ…ブーム取付け位置 ２…カウンターウェイト搭載座、２ａ…ボルト用挿通孔 ３…緩衝部材、３ａ…ボルト用挿通孔、３ｄ…下部受
金、３ｒ…緩衝ゴム部材、３ｕ…上部受金 ４…カウンターウェイト、４ａ…雌ねじ Ｂ₁ …ボルト、Ｂ₂ …ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業装置を起伏自在に支持する建設車両
   のフレームの前記作業装置の取付け位置の反対側にカウ
   ンターウェイトを取付けるカウンターウェイト取付装置
   において、前記カウンターウェイトによる作用力を緩衝
   する緩衝部材と、該カウンターウェイトと緩衝部材とを
   前記フレームに取付ける機械的締結手段とからなること
   を特徴とするカウンターウェイト取付装置。