JPH0640428B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ディスクケースに信号記録用ディスクを内装
したディスクカートリッジに係り、ディスクケースのヘ
ッド挿入窓などの形状に改良を加えたものである。

〔従来の技術〕

すなわち本発明は、第１図に示すごとくディスク２を内
蔵する扁平な硬質のディスクケース１が上下一組のハー
フケース１ａ・１ｂを蓋合わせ状に結合してなり、ディ
スクケース１には、これのほぼ中央部位にあってディス
ク２を駆動するための駆動軸挿入窓３と、この駆動軸挿
入窓３の前方の左右中央に位置するヘッド挿入窓４とが
それぞれ上下貫通状に形成されたディスクカートリッジ
を対象とする。

この種のディスクカートリッジにおいては、従来一般に
中央の駆動軸挿入窓３と前方のヘッド挿入窓４とが第１
１図に示すごとく分離状態で独立して設けられていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

そのため、従来はディスクドライブに装填したとき、各
部の寸法誤差などが集積してディスクカートリッジの装
填深さなどにバラつきがあると、ディスクドライブ側の
ヘッドがヘッド挿入窓４の中央側端縁４ａに接当干渉す
るおそれがあった。若しくは、この接当干渉を確実に避
けようとすると、ヘッドの径方向の移動ストロークが制
約を受けるものとなっていた。

そこで本発明の目的は、ヘッド挿入窓の前後方向（ディ
スクの径方向）の長さ、とくに中央側を大きく延長形成
し、ディスクドライブ側のヘッドがヘッド挿入窓の中央
側端縁に接当干渉せず、ヘッドの径方向の移動ストロー
クも設計上余裕を以て確保するにある。

本発明の他の目的は、ディスクドライブ側の駆動軸をデ
ィスクのハブに確実に係合させることができて、ディス
クの記録シートへの記録容量を上げることも可能とした
ディスクカートリッジを得るにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記の基本構成からなるディスクカートリッ
ジにおいて、円形の駆動軸挿入窓３と、該駆動軸挿入窓
３の直径よりも左右小幅とした長方形状のヘッド挿入窓
４とが、鍵孔状に連通していること、ディスク２は円盤
状の記録シート５の中央にヘッド挿入窓４の左右幅寸法
よりも大径のハブ６を一体に結合してあり、ディスク２
のハブ６が駆動軸挿入窓３に臨んでいることを要件とす
る。

〔作用〕

ヘッド挿入窓４は駆動軸挿入窓３に連通状に接続されて
いるので、ヘッド挿入窓４に従来のごとき中央側端縁４
ａが生じない。

ディスクケース１内において、ディスク２はそのハブ６
が駆動軸挿入窓３に臨んでいるから、ハブ６の外周縁が
駆動軸挿入窓３の内周縁に接当することでディスク２が
駆動軸挿入窓３の中央から径方向に大きく位置ずれする
のを規制できる。ハブ６はヘッド挿入窓４の左右幅寸法
よりも大径であるから、ハブ６がヘッド挿入窓４側に入
り込むこともない。

〔発明の効果〕

本発明によれば、駆動軸挿入窓３とヘッド挿入窓４とが
連通しているから、ヘッド挿入窓４の中央側に従来例の
ごとき端縁４ａが存在しない。従って、ヘッド挿入窓４
の前後長さを設計上余裕を以て大きく確保でき、ディス
クドライブ側のヘッドが該ヘッド挿入窓４の前後端縁に
接当干渉する従来のトラブルをよく防止できる。つま
り、ヘッドの径方向の移動ストロークを一切の支障なく
十二分に確保できる。

そのうえで、ディスク２のハブ６は、ヘッド挿入窓４の
左右幅寸法よりも大径として駆動軸挿入窓３に臨ませて
あるので、ディスク２が径方向へ遊動するときハブ６の
外周縁が駆動軸挿入窓３の内周縁に接当し、ディスク２
が前方のヘッド挿入窓４側を含めて径方向へ不必要に移
動することを確実に規制できる。従って、駆動軸挿入窓
３の中央にハブ６を正しく位置決めすることができ、デ
ィスクドライブ側の駆動軸が該ハブ６に確実に係合する
ことをよく保証する。

〔実施例〕

以下、その詳細を図面の基づき説明すると、第１図ない
し第７図は本発明に係るディスクカートリッジの第１実
施例を示しており、これは四角形の扁平な硬質ディスク
ケース１と、このディスクケース１に可回転に内装され
る（磁気）ディスク２とからなる。

ディスクケース１は上下のハーフケース１ａ・１ｂを蓋
合わせ状に結合してなり、ほぼ中央部に駆動軸挿入窓３
を、その前方にヘッド挿入窓４をそれぞれ上下貫通状に
形成してある。

ディスク２は円盤状の記録シート（磁気記録シート）５
と該シート５の中央に一体に結合されて前記駆動軸挿入
窓３に臨むハブ６とからなる。

かくしてディスクドライブにディスクカートリッジを装
填すると、駆動軸挿入窓３を介してディスクドライブ側
の部材でハブ６がチャッキングされてディスク２が回転
し、上下ハーフケース１ａ・１ｂの各内面に付設の不織
布ライナ８・８が記録シート５に摺接してクリーニング
する基本構造のものである。

図の各ハーフケース１ａ・１ｂは全く同一形状に形成さ
れており、その後端側は左右両側面に設けた段部１０を
介して左右対称形に張り出し形成し、ディスクケース１
の左右幅寸法が前後にわたって同一ではなく後端部にお
いて広幅になる前後が非対称形のものとし、ディスクカ
ートリッジが前後向きを誤ってディスクドライブに装填
されることを防止している。

各ハーフケース１ａ・１ｂは外周に壁１１が立設され、
内側に該外周壁１１の四隅を仕切って実質的にほぼ円形
のディスク収容室１２を区画形成する内壁１３が分断状
に立設され、上下ハーフケース１ａ・１ｂは画一状に設
定した外周壁１１と内壁１３の端面で突き合わされる。

なお、この円弧状の内壁１３は、各ハーフケース１ａ・
１ｂから突出させる必要はなく、円隅のうち二隅を一方
のケースから残りの二隅を他方のハーフケースから突出
させてもよいし、またハーフケース１ａ・１ｂの一方か
らのみ円弧状の内壁１３を形成し、ハーフケース１ａ・
１ｂを組合わせた際に内壁１３によって突っ張り機能を
発揮してもよい。

各ハーフケース１ａ・１ｂにおいて、ディスク収容室１
２の中央に円形の駆動軸挿入窓３が透設され、この駆動
軸挿入窓３の前方の左右中央に、細長い前後向きのヘッ
ド挿入窓４が連通状に透設されている。ヘッド挿入窓４
の左右開口縁は平行で、駆動軸挿入窓３の中心を通りケ
ース前端縁と直交する仮想中心線Ｐがヘッド挿入窓４を
左右に二分する位置関係にある。

すなわち円形の駆動軸挿入窓３と、該駆動軸挿入窓３の
直径よりも左右小幅とした長方形のヘッド挿入窓４と
が、鍵孔状に連通しており、ヘッド挿入窓４の前端縁は
外周壁１１の内端まで延びているので、ヘッドの径方向
の移動ストロークを大きく採ることができ、その分だけ
ディスク２への記録量を増やすことができる。

そして、ディスク２のハブ６は、第１図および第７図に
示すごとくヘッド挿入窓４の左右幅寸法よりも大径であ
って、駆動軸挿入窓３に臨んでいる。従って、ディスク
２が径方向に遊動するとき、ハブ６の外周縁が駆動軸挿
入窓３の内周縁に接当し、前方のヘッド挿入窓４側を含
めてディスク２が不必要に径方向へ遊動することを接当
規制している。

なお、駆動軸挿入窓３は左右の中央に位置すればよく前
後の中央に位置する必要はない。

外周壁１１と内壁１３で囲まれる四隅の区画内には、上
下のハーフケース１ａ・１ｂを結合するためのボス１５
Ａ・１５Ｂ・１６Ａ・１６Ｂを有する。このうち、前側
に位置する左右一組のボス１５Ａ・１５Ｂと後側に位置
する左右一組のボス１６Ａ・１６Ｂとはそれぞれ対をな
している。

即ち、第２図および第３図において、前側のボス１５Ａ
・１５Ｂのうち、左方の雄ボス１５Ａはハーフケース１
ａ（１ｂ）の内面から外周壁１１の蓋合わせ面よりも高
く筒状に突設し、その突端部が内面に外拡がりのテーパ
面１７を有する先細り状に形成されている。また右方の
雌ボス１５Ｂは他方のハーフケースの前記雄ボス１５Ａ
に外嵌する凹穴１９を有する筒状に形成され、その突端
面は外周壁１１の蓋合わせ面と面一である。これらボス
１５Ａ・１５Ｂは前述の仮想中心線Ｐを対称軸にして各
々の中心が左右で対称に位置する。

第２図および第４図において、後側のボス１６Ａ・１６
Ｂも前側のボス１５Ａ・１５Ｂと同様に仮想中心線Ｐを
対称軸にして各々の中心が左右で対称に位置するように
設けられており、その左側の雌ボス１６Ａが凹穴１９を
有する前方右側の雌ボス１５Ｂと実質的に同一形状に形
成され、右側の雄ボス１６Ｂがテーパ面１７を有する前
方左側の雄ボス１５Ａと実質的に同一形状に形成されて
いる。

但し、上下のハーフケース１ａ・１ｂにおいて前側の雌
雄ボス１５Ａ・１５Ｂは嵌め合いが緊密で、後側の雌雄
ボス１６Ａ・１６Ｂの嵌め合いは僅かにルーズなものと
してある。

前側の雌ボス１５Ｂがある右側の隅部に矩形の小区画２
０Ａを設け、その内底をコ字状にくり抜いて誤消去防止
片２１を形成し、第５図に示すごとく誤消去防止片２１
の基端内面を折り取りを容易にする溝２２が刻設してあ
る。この誤消去防止片２１に対応して左方の雄ボス１５
Ａがある区画の隅部に矩形の小区画２０Ｂを設け、その
内底全部を透設して誤消去防止片２１を折り取るための
操作窓２３が形成してある。

第１図において、符号２５は各ハーフケース１ａ・１ｂ
の外面に形成したラベル貼着用の凹面であり、第２図に
おいて、符号２６はハーフケース１ａ（１ｂ）を射出成
形する際のゲート位置を示す。

次に組付け要領を説明すると、第２図の想像線で示すご
とく不織布ライナ８はその開口箇所がヘッド挿入窓４に
対応する状態でディスク収容室１２に配置し、全面的に
又は部分的に熱溶着、超音波溶着、あるいは接着するか
して付着する。

この状態で下側のハーフケース１ｂの内壁１３で囲まれ
たディスク収容室１２にディスク２を装着すると、その
ハブ６が駆動軸挿入窓３に一部嵌入するよう臨む。この
とき、内壁１２はディスク２の装着案内用として機能す
るとともに、組付けライン上でのガタ付きでディスク２
が大きく位置ずれすることをも接当規制する。

次いで不織布ライナ８を予め固定した上側のハーフケー
ス１ａを下側のハーフケース１ｂ上に蓋合わせ状に被せ
付ける。そして、まず前側で対をなす各ハーフケース１
ａ・１ｂの雌雄ボス１５Ａ・１５Ｂどうしを互いに嵌め
込んで位置決めを行ない、引き続いて後側で対をなす各
ハーフケース１ａ・１ｂの雌雄ボス１６Ａ・１６Ｂどう
しを嵌め込む。このとき、各ハーフケース１ａ・１ｂの
前あるいは後側で対をなすボス１５Ａ・１５Ｂ・１６Ａ
・１６Ｂはそれぞれ仮想中心線Ｐに関して対称関係にあ
り、外周壁１１および内壁１３なども同様の関係にある
ので、全く同一形状のハーフケース１ａ・１ｂを組み合
わせてディスクケース１を構成することができる。

また、後側のボス１６Ａ・１６Ｂの嵌め合いは前側のボ
ス１５Ａ・１５Ｂの嵌め合いよりルーズに設定してあ
り、さらに後側のボス１６Ａ・１６Ｂの凹凸関係が前側
のそれとは左右逆に位置設定してあるため、ハーフケー
ス１ａ・１ｂの前後で組立干渉を生じることがなく、両
者をスムーズにしかも正確に位置決めして重ね合わせる
ことができる。

こうして、両ハーフケース１ａ・１ｂを重ね合わせたの
ち、上ハーフケース１ａの雄ボス１５Ａ・１６Ｂの突端
面を下ハーフケース１ｂの雌ボス１５Ａ・１６Ａの凹穴
１９の穴に先当たりさせながら超音波溶接で一体結合す
る。この際、雌ボス１５Ｂ・１６Ａの穴底に突き当たる
雄ボス１５Ａ・１６Ｂの突端部は、内面にテーパ面１７
を有する先細り状に形成してあるので、この突端部が溶
けやすく溶着工程が短時間で円滑に行なえる。しかも、
この各雄ボス１５Ａ・１６Ｂの先細り状突端部の溶け代
は、外周の各雌ボス１５Ｂ・１６Ａの突端基端側に回り
込んで、雌雄ボス（１５Ａ・１５Ｂと１６Ａ・１６Ｂ）
どうしの嵌合面間でも溶着できるので、結果的に溶着面
積が大になって溶着強度を向上できる。

上記のようにして上下ハーフケース１ａ・１ｂを溶着し
た状態において、上下の各外周壁１１および内壁１３の
端面どうしが突き合わされて密着する。

なお、ホーンによる超音波溶接時に、溶着箇所から粉が
出るが、この粉は内壁１３で遮られてディスク収容室１
２に侵入せず、ドロップアウトなどの防止に有効であ
る。また、溶接箇所から外れた上下ハーフケース１ａ・
１ｂの蓋合わせ面の一部、具体的には外周壁１１の溶接
箇所の近接部位に先当たり部があると、該当部分でも溶
着が生じてバリが出る。そこで、外周壁１１は第６図に
示すごとく内側を高くして外側を段落ち面２７に形成し
て溶着バリを逃がし、両ハーフケース１ａ・１ｂが蓋合
わせ面で密着するようにした。図示例では段落ち面２７
が外周壁１１の左右および前方の三方周辺にわたって形
成されているとともに、後側辺ではボス１６Ａ・１６Ｂ
の近傍部位にのみ形成されたものとなっているが、この
段落ち面２７は外周壁１１の各ボスに近い四隅部分に設
けるを以て必要かつ充分である。

〔別実施例〕

図示例の全容は以上のようになっているが、本発明はこ
れに限られるものではない。例えば、上下のハーフケー
ス１ａ・１ｂにおいて前側の雌雄ボス１５Ａ・１５Ｂの
嵌め合い精度と後側の雌雄ボス１６Ａ・１６Ｂの嵌め合
い精度を同じ程度にし、下側ハーフケース１ｂに対して
上側ハーフケース１ａを直上から水平に案内して蓋合わ
せするものであってもよい。

また、図示例では前側の雌雄ボス１５Ａ・１５Ｂの左右
間距離と後側の雌雄ボス１６Ａ・１６Ｂの左右間距離と
を違えて、上下が同一形状のハーフケース１ａ・１ｂを
誤って前後向きを逆に締結することがないようにした
が、この点は必ずしも限定されるものではない。

また、第８図に示すように後側のボス１６Ａ・１６Ｂに
おける凸と凹の関係配置が前側のボス１５Ａ・１５Ｂの
それと左右で同じになるようにしてもよい。つまり前後
で対をなすボス（１５Ａ・１５Ｂと１６Ａ・１６Ｂ）は
凹凸嵌合する関係にあれば形状や嵌合形態が異なるもの
であってもよい。

また、第９図に示すごとく前側のボス１５Ａ・１５Ｂの
近傍にリブ状の位置決め突起２８と、これが係入する位
置決め溝２９とをそれぞれ形成し、これら両部材２８・
２９の凹凸嵌合で上下のハーフケース１ａ・１ｂの位置
決めをより確実に行なうようにしてもよい。このように
上下ハーフケース１ａ・１ｂの位置決めを専用の部材で
行なう場合には、前後で対をなすボス（１５Ａ・１５Ｂ
と１６Ａ・１６Ｂ）がそれぞれ凹凸嵌合せずに単に突き
合わさるだけのものであってもよい。

更に、第１０図に示すごとくそれぞれ対をなす前後のボ
ス（１５Ａ・１５Ｂと１６Ａ・１６Ｂ）の一方１５Ａ・
１６Ａがねじ下穴を有するボスで、他方１５Ｂ・１６Ｂ
が挿通孔を有するボスとして形成し、両者をタッピング
ネジ３０で結合するようにしてもよい。なお、本発明で
はディスク２が光ディスクであったり、ヘッド挿入窓４
を開閉するシャッタを備えたディスクカートリッジなど
も適用対象としていることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本発明に係るディスクカートリッ
ジの第１実施例を示しており、 第１図は分解斜視図、 第２図はディスクケースを構成するハーフケースの平面
図、 第３図は第２図におけるＡ−Ａ線断面図、 第４図は第２図におけるＢ−Ｂ線断面図、 第５図は第２図におけるＣ−Ｃ線断面図、 第６図は両ハーフケースを組付けた状態での部分拡大側
面図、 第７図はディスクカートリッジの第２図におけるＡ−Ａ
線に相当する位置での断面図である。 第８図は本発明の別実施例を示すハーフケースの平面図
である。 第９図は本発明の更に異なる別実施例を示す要部の平面
図である。 第１０図は本発明の構成部材であるボスに関する別実施
例を示す要部の断面図である。 第１１図は従来のディスクカートリッジを示す概略平面
図である。 １……ディスクケース、 １ａ・１ｂ……ハーフケース、 ２……ディスク、 ３……駆動軸挿入窓、 ４……ヘッド挿入窓、 ５……記録シート、 ６……ハブ、 １１……外周壁、 １２……ディスク収容室、 １３……内壁、 １５Ａ・１５Ｂ……前側のボス、 １６Ａ・１６Ｂ……後側のボス、 １７……テーパ面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−40581（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−142218（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−212670（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−165777（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−33176（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク(2)を内蔵するディスクケース(1)
   が上下一組のハーフケース（1a・1b）を蓋合わせ状に結
   合してなり、 ディスクケース(1)には、これのほぼ中央部位にあって
   ディスク(2)を駆動するための駆動軸挿入窓(3)と、この
   駆動軸挿入窓(3)の前方の左右中央に位置するヘッド挿
   入窓(4)とがそれぞれ上下貫通状に形成されたディスク
   カートリッジにおいて、 円形の駆動軸挿入窓(3)と、該駆動軸挿入窓(3)の直径よ
   りも左右小幅とした長方形状のヘッド挿入窓(4)とが、
   鍵孔状に連通しており、 ディスク(2)は円盤状の記録シート(5)の中央にヘッド挿
   入窓(4)の左右幅寸法よりも大径のハブ(6)を一体に結合
   してあり、ディスク(2)のハブ(6)が駆動軸挿入窓(3)に
   臨んでいることを特徴とするディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】各ハーフケース（1a・1b）の外周壁(11)の
   内側に、ディスク(2)を収容するディスク収容室(12)を
   区画形成する内壁(13)が立設されており、 ハーフケース（1a・1b）において、内壁(13)が外周壁(1
   1)の四隅を仕切ってほぼ円形のディスク収容室(12)を区
   画形成するよう分断状に立設されている特許請求の範囲
   第１項記載のディスクカートリッジ。