JPH1166792A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下ハーフを結合する際に塵挨が発生するこ
とを防止して、記録再生動作の信頼性を向上するととも
に確実に結合する。 【解決手段】 上ハーフ４の外周部のコーナー部近傍に
立設されて先端部が下ハーフ５に係合する係合突起１７
と、下ハーフ５に形成されて係合突起１７が挿通される
挿通孔１９と、係合突起１７の周囲に突設されて下ハー
フ５の挿通孔１９の周囲に当接する当接部１８とを備え
る。挿通孔１９から突出された係合突起１７の先端部に
は、非振動型加熱手段２６によって膨出させて係止部２
１を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、磁気ディ
スク等の円盤状記録媒体が収納されたディスクカートリ
ッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、磁気ディスクや光磁気ディスク等
の円盤状記録媒体が収納されたディスクカートリッジ
は、一対の上ハーフと下ハーフとを組み合わせてカート
リッジ本体が構成されている。このカートリッジ本体に
は、内部に形成されたディスク収納部に円盤状記録媒体
が回転自在に収納されている。

【０００３】また、カートリッジ本体には、ディスク収
納部に収納された円盤状記録媒体の信号記録領域の一部
を内外周に亘って外方に臨ませて記録再生装置側の記録
再生手段が挿入される記録再生用開口部が互いに対向し
てそれぞれ設けられており、この記録再生用開口部にシ
ャッタ部材が開閉自在に組み付けられている。

【０００４】また、下ハーフには、ディスク収納部の中
央部に、記録再生装置側のターンテーブルが進入するテ
ーブル進入用開口部が設けられている。このテーブル進
入用開口部は、カートリッジ本体に収納された円盤状記
録媒体の中心部に取り付けられたセンターハブを下ハー
フから外方に臨ませている。

【０００５】さらに、カートリッジ本体の内面には、収
納された円盤状記録媒体を保護するライナーシートが配
設されている。このライナーシートは、例えば不織布に
よって形成されており、円盤状記録媒体の両面を挟むよ
うにそれぞれ配設されている。

【０００６】また、カートリッジ本体を構成する上ハー
フと下ハーフの各内面には、相対向する位置に、互いに
嵌合される複数の嵌合凹部と嵌合突起とがそれぞれ設け
られている。これら上ハーフと下ハーフは、組み合わさ
れてカートリッジ本体を構成する際、各嵌合凹部と嵌合
突起を嵌合して、嵌合箇所の当接面を超音波溶着手段に
より超音波溶着することによって結合されて一体化さ
れ、カートリッジ本体が構成される。なお、この超音波
溶着手段は、各嵌合凹部と嵌合突起の当接面に機械的振
動を発生させて、機械的振動による摩擦熱で当接面を溶
着する。

【０００７】そして、近年のマルチメディア化の動きに
伴い、扱われる画像データや音声データ等の情報信号が
多様化かつ巨大化しており、ディスクカートリッジの記
録容量は増加している。そして、ディスクカートリッジ
としては、情報信号の高記録密度化が図られたディスク
カートリッジが提案されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなディスクカートリッジが備えるカートリッジ本体
は、超音波溶着手段によって上ハーフと下ハーフとが溶
着されて結合されているため、溶着する際に生じる機械
的振動に伴って、内面側に設けられたライナーシートや
上下ハーフ等から塵挨が発生するという問題点があっ
た。

【０００９】そして、高記録密度化が図られたディスク
カートリッジは、円盤状記録媒体の信号記録領域上に微
細な塵挨が付着することによって、情報信号の記録再生
を行う際等にエラーが発生するという問題があった。

【００１０】そこで、本発明は、上下ハーフを結合する
際に塵挨が発生することを確実に防止して、記録再生動
作の信頼性を向上するとともに上下ハーフを確実に結合
することができるディスクカートリッジを提供すること
を目的とする。

【００１１】

【課題を達成するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係るディスクカートリッジは、上下ハー
フのいずれか一方のハーフの外周部のコーナー部近傍に
立設されて先端部が他方のハーフに係合する係合突起
と、上下ハーフの他方のハーフに形成されて一方のハー
フの係合突起が挿通される挿通孔と、係合突起の周囲に
突設されて他方のハーフの挿通孔の周囲に当接する当接
部とを備える。そして、挿通孔から突出された係合突起
には、先端部を非振動型加熱手段によって膨出させて係
止部が形成される。

【００１２】以上のように構成したディスクカートリッ
ジによれば、上下ハーフを組み合わせた際に、一方のハ
ーフに設けられた係合突起が、他方のハーフに設けられ
た挿通孔に挿通されるとともに、当接部の先端部が挿通
孔の周囲に当接される。そして、挿通孔に挿通されて突
出された係合突起の先端部は、非振動型加熱手段が付与
する熱により、溶融されて挿通孔の周囲に膨出されるこ
とによって係止部が形成される。

【００１３】したがって、係合突起の先端部に形成され
た係止部は、挿通孔の周囲に係止される。すなわち、組
み合わされた上ハーフと下ハーフは、係止部と当接部の
先端部との間に、挿通孔の周囲が挟み込まれることによ
って結合されてカートリッジ本体を構成する。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について、ディスクカートリッジを図面を参照して説明
する。図１に示すように、ディスクカートリッジ１は、
３．５インチ径の磁気ディスク２が、カートリッジ本体
３内に回転自在に収納されたものである。

【００１５】磁気ディスク２は、信号記録領域が最外周
近傍まで延長されて形成されることによって高容量化が
図られている。

【００１６】カートリッジ本体３は、合成樹脂材料によ
り成形された方形略浅皿状の上ハーフ４と下ハーフ５と
を突き合わせて結合することよって全体薄箱状に形成さ
れている。

【００１７】上ハーフ４及び下ハーフ５の外周部には、
図１及び図２に示すように、互いに突き合わされてカー
トリッジ本体３の外周側面を構成するように、前面側の
側面の一部が切り欠かれた外周壁６、７がそれぞれ一体
に突出形成されている。また、図３に示すように、これ
ら上ハーフ４及び下ハーフ５の相対向する内面には、外
周壁６、７に略内接する複数の壁として形成されて、互
いに突き合わされて円形状のディスク収納部８を構成す
るディスク収納部形成壁９がそれぞれ一体に立設されて
いる。

【００１８】そして、図３に示すように、上ハーフ４の
内面には、外周壁６、７のコーナー部近傍に位置して、
複数の結合部１６が一体に形成されている。上ハーフ４
に形成された結合部１６は、図４に示すように、下ハー
フ５に係合する係合突起１７と、この係合突起１７の外
周部に形成されて下ハーフ５に当接する環状の当接部１
８とを有している。また、下ハーフ５には、図４に示す
ように、係合突起１７に相対向する位置に、係合突起１
７が挿通される挿通孔１９が穿設されている。

【００１９】したがって、係合突起１７は、挿通孔１９
から先端部を突出するに足る高さを有している。また、
各当接部１８は、各係合突起１７が各挿通孔１９に挿通
されたときに、先端部が下ハーフ５の内面の各挿通孔１
９の外周部にそれぞれ当接する。

【００２０】なお、当接部１８は、係合突起１７の外周
部に環状に形成されたが、係合突起１７の外周部に、例
えば複数の円弧状の当接壁を環状に配設するように構成
したり、係合突起の周囲に複数の当接ピンを立設するよ
うに構成してもよい。

【００２１】また、挿通孔１９の外周部には、図４及び
図５に示すように、係合突起１７の先端部に対応する円
形状の収納用凹部２０が下ハーフ５の主面に開口して設
けられており、この収納用凹部２０内に係合突起１７の
先端部に形成される係止部２１を収納する。この収納用
凹部２０は、係合突起１７の先端部に形成される係止部
２１を下ハーフ５の主面から突出させない深さを有して
いる。

【００２２】以上のように構成されたディスクカートリ
ッジ１について、上ハーフ４と下ハーフ５を結合する動
作を図面を参照して説明する。

【００２３】上ハーフ４と下ハーフ５とは、図５に示す
ように、各外周壁６、７及び各ディスク収納部形成壁９
とを突き合わせるようにして組み付けて、各係合突起１
７を各挿通孔１９に挿通させるとともに、各当接部１８
の先端部を挿通孔１９の外周部に当接させる。

【００２４】そして、上ハーフ４と下ハーフ５は、図５
及び図６に示すように、各挿通孔１９から突出された各
係合突起１７の先端部に、非振動型の溶着手段２６を当
接することによって、これら各係合突起１７の先端部を
非振動型の溶着手段２６により溶融することによって略
半球状の係止部２１を膨出形成して、挿通孔１９の外周
部に係止させて一体化され、カートリッジ本体３が構成
される。係止部２１は、図６に示すように、下ハーフ５
の主面から突出しない状態で、収納用凹部２０内に収納
されているため、外部から受ける衝撃から確実に保護さ
れている。

【００２５】したがって、このカートリッジ本体３は、
上ハーフ４と下ハーフ５を結合する際に機械的振動が生
じないため、カートリッジ本体３に収納された磁気ディ
スク２に塵挨等が付着することが確実に防止されてい
る。なお、係止部２１は、非振動型の溶着手段２６によ
って膨出形成される際に、収納用凹部２０の底面である
挿通孔１９の周囲の表面に溶着接合されるように形成さ
れてもよい。

【００２６】下ハーフ５には、図２に示すように、ディ
スク収納部８の中心穴を構成するように円形状のテーブ
ル進入用開口部１０が開設されている。このテーブル進
入用開口部１０には、記録再生装置にディスクカートリ
ッジ１を装填した際、カートリッジ本体３に収納された
磁気ディスク２を回転駆動する記録再生装置側のターン
テーブルが進入する。そして、このテーブル進入用開口
部１１は、カートリッジ本体３に収納された磁気ディス
ク２の図示しないセンター孔を閉塞するようにして取り
付けられたセンターハブ１１を下ハーフ５から外方に臨
ませる。

【００２７】センターハブ１１は、磁気ディスク２のセ
ンター孔の孔径とほぼ同径の嵌合部の外周部にフランジ
部が一体に張り出して設けられた全体略カップリング状
に形成されている。また、このフランジ部には、中央部
に、ターンテーブルの回転軸が挿入される中心孔１２が
設けられており、この中心孔１２の近傍に、ターンテー
ブル上に設けられた駆動部材が係合する係合凹部１３が
設けられている。

【００２８】また、上ハーフ４及び下ハーフ５には、図
１及び図２に示すように、ディスク収納部８に収納され
た磁気ディスク２の少なくとも信号記録領域の一部を内
外周に亘ってカートリッジ本体３の外方に臨ませる記録
再生用開口部１４、１５が相対向して設けられている。
これら記録再生用開口部１４、１５は、図１及び図２に
示すように、テーブル進入用開口部１０に隣接する位置
からカートリッジ本体３の前面側に亘って上ハーフ４及
び下ハーフ５の幅方向の略中央に位置して矩形状に形成
されている。

【００２９】また、カートリッジ本体３には、各記録再
生用開口部１４、１５を開閉するように略Ｔ字状のシャ
ッタ部材２２が、図１中矢印Ａ方向及び図１中矢印Ｂ方
向に移動自在に配設されている。これらシャッタ部材２
２は、金属材料によって成形されており、図２に示すよ
うに、互いに平行に向き合うシャッタ部２３、２４と、
このシャッタ部２３、２４の移動方向の両側に位置して
それぞれ形成されてカートリッジ本体３に移動自在に支
持される支持部２５、２６と、シャッタ部２３、２４の
基端側を連結するとともにこれらシャッタ部２３、２４
と支持部２５、２６を連結する連結片２７とからなる全
体を以て断面コ字状に形成されている。

【００３０】シャッタ部２３、２４は、記録再生用開口
部１４、１５よりやや大とされた略矩形状に形成されて
いる。支持部２５、２６は、図２に示すように、互いに
平行に向き合う支持片２５ａ、２５ｂ及び支持片２６
ａ、２６ｂを有しており、これら支持片２５ａ、２５ｂ
の基端側及び支持片２６ａ、２６ｂの基端部が連結片２
７を介して連結された断面略コ字状に形成されている。

【００３１】支持部２５、２６には、支持片２５ｂ、２
６ｂの内部の一部を主面に直交して折り返してガイド片
２９、３０がそれぞれ形成されており、これらガイド片
２９、３０が下ハーフ５に移動自在にそれぞれ支持され
ている。なお、ガイド片２９、３０は、支持片２５ｂ、
２６ｂの内部の一部に形成されることによって、機械的
強度が確保されている。

【００３２】また、シャッタ部２３、３４は、記録再生
用開口部１４、１５を閉塞したときに、記録再生用開口
部１４、１５の幅方向の中心線に対して、シャッタ部２
３、２４の幅方向の中心線が、当接面に臨む一端に対向
する他端側に位置するように形成されている。

【００３３】換言すれば、シャッタ部２３、２４は、記
録再生用開口部１４、１５を閉塞したときに、記録再生
用開口部１４、１５の幅方向の中心線から、当接面３
５、３６に臨む一端までの幅より、この一端に平行な他
端までの幅が大となるように形成されている。

【００３４】したがって、シャッタ部２３、２４によれ
ば、上下ハーフ４、５に形成された当接面３５、３６及
び記録再生用開口部１４、１５等に位置ずれが生じたり
寸法公差よりやや大になった場合にも、記録再生用開口
部１４、１５を確実に閉塞することができる。

【００３５】また、連結片２７には、図２に示すよう
に、支持部２５側に、内部の一部を折り返してスプリン
グ係止片３１が形成されており、このスプリング係止片
３１に、下ハーフ５の前方側の一方コーナー部に配設さ
れたシャッタスプリング３４の一端が係止されている。
そして、シャッタ部材２２は、シャッタスプリング３４
の弾性力によって、図１中Ａ方向に移動されてシャッタ
部２３、２４が記録再生用開口部１４、１５を閉塞する
ように付勢されている。

【００３６】したがって、シャッタ部材２２は、ディス
クカートリッジ１の未使用時、記録再生用開口部１４、
１５から塵挨等がディスク収納部８内に進入して収納さ
れた磁気ディスク２に付着することを防止し、或いは磁
気ディスク２の傷付きを防止するように作用する。

【００３７】また、シャッタ部材１８は、ディスクカー
トリッジ１が記録再生装置に装填された際、カートリッ
ジ本体３の前面側に沿って移動動作する記録再生装置側
のシャッタ駆動部材が係合されて、シャッタスプリング
２３の弾性力に抗してカートリッジ本体３に沿って図１
中矢印Ｂ方向に移動されることによって、シャッタ部２
３、２４が記録再生用開口部１４、１５から離間されて
開放状態とする。

【００３８】また、上ハーフ４及び下ハーフ５には、図
１及び図２に示すように、記録再生用開口部の周囲に
は、シャッタ部材２２のシャッタ部２３、２４を案内す
るガイド凹部３２、３３がそれぞれ設けられている。こ
れらガイド凹部３２、３３には、記録再生用開口部１
４、１５の幅方向の一端に隣接する位置に、シャッタ部
材２２が記録再生用開口部１４、１５を閉塞したとき
に、シャッタ部材２２のシャッタ部２３、２４の一端が
当接する当接面３５、３６が形成されている。当接面３
５、３６は、記録再生用開口部１４、１５の幅方向の一
端に隣接する位置に形成されたことにより、シャッタ部
材２２のシャッタ部２３、２４が記録再生用開口部１
４、１５を確実に閉塞することができる。

【００３９】また、上ハーフ４には、図１に示すよう
に、シャッタ部材２２の移動方向の両側に、シャッタ部
材２２の各支持部２５、２６の支持片２５ａ、２６ａを
案内するガイド凹部３７、３８が上ハーフ４の前面に開
口してそれぞれ設けられている。また、下ハーフ５に
は、図２に示すように、シャッタ部材２２の移動方向の
両側に位置して、シャッタ部材２２の各支持部２５、２
６の支持片２５ｂ、２６ｂを案内するガイド凹部３９、
４０が下ハーフ５の前面に開口してそれぞれ設けられて
いる。

【００４０】これらガイド凹部３９、４９には、シャッ
タ部材２２の移動方向に亘ってガイド溝４２、４３が設
けられており、これらガイド溝４２、４３にシャッタ部
材２２の支持片２５ｂ、２６ｂのガイド片２９、３０が
移動自在にそれぞれ挿入されている。

【００４１】また、上ハーフ４及び下ハーフ５の前面に
は、図１及び図２に示すように、記録再生装置のシャッ
タ駆動部材４５が摺接する摺接面４６が、シャッタ部材
２２の移動方向に亘って形成されている。

【００４２】また、上述した記録再生用開口部１４、１
５は、図１及び図２に示すように、上ハーフ４及び下ハ
ーフ５の前面側である磁気ディスク２の外周部に臨む開
口端１４ａ、１５ａが、上下ハーフ４、５の前面とガイ
ド溝４２、４３との間に位置するように、上下ハーフ
４、５の前面側に延長されて設けられている。

【００４３】すなわち、記録再生用開口部１４、１５の
開口端１４ａ、１５ａは、開口端１４ａ、１５ａが、摺
接面４６とガイド溝４２、４３との間に位置している。
したがって、この記録再生用開口部１４、１５によれ
ば、磁気ディスク２の最外周近傍に記録再生手段を確実
に臨ませることが可能とされる。

【００４４】また、上ハーフ４及び下ハーフ５には、図
２に示すように、磁気ディスク２に情報信号が誤って記
録されることによって情報信号が消去されることを防止
するための誤消去防止部材５０が、後面側コーナー部に
設けられた検出孔５１及び開口部５２に対応する位置に
移動自在に配設されている。

【００４５】また、下ハーフ５の底面上には、幅方向の
両側面の近傍に位置して、記録再生装置側のカートリッ
ジ装填部に対する位置決めを行うために、一対の位置決
め孔５４、５５がそれぞれ形成されている。ディスクカ
ートリッジ１は、記録再生装置に装填された際、位置決
め孔５４、５５に、記録再生装置側の位置決め突起が挿
入されることによって、カートリッジ装填部に対する位
置決めが行われる。

【００４６】さらに、上ハーフ４及び下ハーフ５には、
位置決め孔５４に隣接する位置に、収納された磁気ディ
スク２の記録容量を識別するための記録容量識別孔５
６、５７が貫通して設けられている。また、上ハーフ４
及び下ハーフ５には、後面側の両コーナー部近傍に位置
して、収納された磁気ディスク２の記録容量を識別する
ための記録容量識別孔６３、６５及び記録容量識別孔６
４、６６がそれぞれ貫通して設けられている。

【００４７】また、上ハーフ４には、前面側の一方コー
ナー部に、記録再生装置側のカートリッジ装填部に装填
された際にディスクカートリッジ１の仕様を識別するた
めの仕様識別用切欠き部６０が、前面側に開口して切り
欠き形成されている。ディスクカートリッジ１は、記録
再生装置側の仕様検出部材が、仕様識別用切欠き部６０
に対して挿入することが可能か不能かによって仕様が検
出される。

【００４８】さらに、上ハーフ４の内壁と磁気ディスク
２、及び下ハーフ５の内壁と磁気ディスク２との間に
は、それぞれ上ハーフ４及び下ハーフ５に接合固定され
た図示しない上ライナーシートと下ライナーシートとが
配設されている。また、これら上ライナーシート及び下
ライナーシートは、不織布を材料として、磁気ディスク
２とそれぞれほぼ同径であって、中心部に、磁気ディス
ク２のセンター孔の孔径より大径とされた中心孔が設け
られた環状に形成されている。また、上ライナーシート
及び下ライナーシートには、外周部から中心孔に隣接し
た位置に向かって半径方向の切欠きが設けられている。
これら切欠きは、上ハーフ４及び下ハーフ５にそれぞれ
設けられた記録再生用開口部１４、１５の開口寸法より
やや大とされて切り欠かれている。

【００４９】下ハーフ５には、合成樹脂製のシート材を
略へ字状に折曲して形成された図示しないリフターが組
付け固定されている。このリフターは、立上り端部が下
ハーフ５の内壁に溶着固定された下ライナーシートの下
面を突き上げるようにして接触することによって、下ラ
イナーシートを磁気ディスク２の下面に押し付けるよう
に作用する。

【００５０】ディスクカートリッジ１は、記録再生装置
に装填されて記録操作或いは再生操作が行われて磁気デ
ィスク２が回転されると、リフターの作用によって上ラ
イナーシート及び下ライナーシートが軽い接触圧を以て
磁気ディスク２の上下面を摺擦する。磁気ディスク２
は、これら上ライナーシート及び下ライナーシートの接
触圧によってトルク制動が行われ、回転ムラ等を生じる
ことなく円滑な回転が行われる。

【００５１】上述したように、ディスクカートリッジ１
は、上ハーフ４に係合突起１７及び当接部１８が設けら
れるとともに、下ハーフ５に挿通孔１９が設けられたこ
とによって、カートリッジ本体３を構成する際に結合さ
れる上下ハーフ４、５に機械的振動が生じないため、収
納された磁気ディスク２の信号記録領域に塵挨等が付着
することを確実に防止することができる。

【００５２】したがって、このディスクカートリッジ１
によれば、磁気ディスク２による記録再生動作の信頼性
が向上されるとともに、上下ハーフ４、５を確実に結合
することができる。このため、このディスクカートリッ
ジ１は、高記録密度化が図られた磁気ディスクを収納す
るカートリッジ本体に用いて好適である。

【００５３】なお、本発明に係るディスクカートリッジ
は、円盤状記録媒体として磁気ディスクが用いられた
が、磁気ディスクに限定されるものでなく、例えば光デ
ィスクや光磁気ディスク等の他の円盤状記録媒体が用い
られてもよいことは勿論である。

【００５４】

【発明の効果】上述したように本発明に係るディスクカ
ートリッジによれば、他方のハーフの挿通孔から突出さ
れた一方のハーフの係合突起の先端部を非振動型加熱手
段によって膨出させて挿通孔の周囲に係止する係止部を
形成するとともに、係合突起の周囲に突設された当接部
が挿通孔の周囲に当接することによって、収納された円
盤状記録媒体の信号記録領域に塵挨等が付着することを
確実に防止することができるため、円盤状記録媒体によ
る記録再生動作の信頼性を向上するとともに上下ハーフ
を確実に結合することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るディスクカートリッジを示す斜視
図である。

【図２】上記ディスクカートリッジを底面側から示す分
解斜視図である。

【図３】上記ディスクカートリッジを構成する上ハーフ
を底面側から示す斜視図である。

【図４】上記ディスクカートリッジを構成する上ハーフ
と下ハーフの要部を示す分解斜視図である。

【図５】係合突起が挿通孔に挿通された状態を示す縦断
面図である。

【図６】挿通孔から突出させた係合突起の先端部に係止
部が形成された状態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ ディスクカートリッジ、２ 磁気ディスク、３ カ
ートリッジ本体、４上ハーフ、５ 下ハーフ、１７ 係
合突起、１８ 当接部、１９ 挿通孔、２１ 係止部、
２６ 非振動型の溶着手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円盤状記録媒体を収納するカートリッジ
   本体を構成する一対の上下ハーフと、 上記上下ハーフのいずれか一方のハーフの外周部のコー
   ナー部近傍に立設されて、先端部が他方のハーフに係合
   する係合突起と、 上記上下ハーフの他方のハーフに形成されて、一方のハ
   ーフの上記係合突起が挿通される挿通孔と、 上記係合突起の周囲に突設されて、他方のハーフの上記
   挿通孔の周囲に当接する当接部とを備え、 上記挿通孔から突出された上記係合突起の先端部を非振
   動型加熱手段によって膨出させて係止部を形成したこと
   を特徴とするディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】 上記挿通孔の外周部には、上記係合突起
   の先端部の係止部を収納する収納用凹部が他方のハーフ
   の主面に開口して設けられ、 この収納用凹部は、係止された上記係止部をハーフの主
   面から突出させない深さを有することを特徴とする請求
   項１に記載のディスクカートリッジ。
3. 【請求項３】 上記カートリッジ本体の内面側には、ラ
   イナーシートが設けられたことを特徴とする請求項１に
   記載のディスクカートリッジ。