JPH0640072Y2

JPH0640072Y2 - 自動２輪車のシート取付構造

Info

Publication number: JPH0640072Y2
Application number: JP3028388U
Authority: JP
Inventors: 勝博内藤
Original assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Current assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Priority date: 1988-03-09
Filing date: 1988-03-09
Publication date: 1994-10-19
Anticipated expiration: 2003-03-09
Also published as: JPH01134583U

Description

【考案の詳細な説明】〔考案の目的〕（産業上の利用分野）この考案は自動２輪車のシート取付構造に係り、特にピ
リオンシート等の取付け・取外しが良好に行なわれる自
動２輪車のシート取付構造に関する。

（従来の技術）第６図は、アメリカンタイプの自動２輪車を示す側面図
である。この自動２輪車１は、前端にヘッドパイプ２を
有するクレードル型の車体フレーム３を有して構成され
る。車体フレーム３のタンクレール５およびダウンチュ
ーブ６がヘッドパイプ２に溶着され、これらのタンクレ
ール５およびダウンチューブ６の後方がボディチューブ
７によって連結されている。タンクレール５、ダウンチ
ューブ６およびボディチューブ７に囲まれてエンジン８
が搭載される。また、タンクレール５にフューエルタン
ク９が載置される。

フロントフォーク10は図示しないステアリングシャフト
を介してヘッドパイプ２に回転自在に軸支される。フロ
ントフォーク10の上端に棒ハンドル11が、フロントフォ
ーク９の下端に前輪12がそれぞれ支持される。また、ボ
ディチューブ７にはスイングアーム13が揺動自在に軸支
され、このスイングアーム13の先端に後輪14が支持され
る。この後輪14は、エンジン８に連結された駆動チェー
ン（図示せず）によって回転駆動される。

この自動２輪車１では、ボディチューブ７と一体にシー
トレール15が成形され、タンクレール５の後部およびシ
ートレール15によってライダシート16が固定支持され
る。また、ボディチューブ７の上部およびシートレール
15によって、後輪14を覆うリアフェンダ17が固定支持さ
れる。ライダシート16の後方に位置するピリオンシート
18および背もたれ部19は、上記リアフェンダ17に固定支
持される。

ここで、ピリオンシート18および背もたれ部19のリアフ
ェンダ17への取付構造を説明する。

リアフェンダ17は、第８図に示すように、フェンダボデ
ィ20とその内側に固着されたリーンフォースメント21と
を有して成る。フェンダボディ20には、第９図にも示す
ように、平面形状のピリオンシート取付座面22Aおよび
ハンドル取付座面23Aが形成される。リーンフォースメ
ント21にも、第８図に示すように、フェンダボディ20に
沿って上記ピリオンシート取付座面22Bおよびハンドル
取付座面23Bが形成される。

ピリオンシート18の固定部24Aは、第７図および第８図
に示すように、ピリオンシート取付ボルト25およびナッ
ト26によってピリオンシート取付座面22A,Bに固定さ
れ、ピリオンシート18が支持される。また、背もたれ部
19を支持するピリオンライダハンドル27は、取付ボルト
28およびナット29によってハンドル取付座面23A,Bに固
定される。

（考案が解決しようとする課題）ところで、自動２輪車のバリエーションの多様化が要請
される今日では、同一の車両で二人乗りのダブルシート
から一人乗りのシングルシートへと変更できることが要
求されている。この変更は、ピリオンシート18をピリオ
ンシート取付座面22A,Bから、ピリオンライダハンドル2
7をハンドル取付座面23A,Bからそれぞれ取り外すことに
よってなされる。ところが、リアフェンダ17のフェンダ
ボディ20にはピリオンシート取付座面22Aやハンドル取
付座面23Aが形成されていて、シングルシートにした場
合にこれらが露出するため、リアフェンダ17の外観が損
われることになる。

そこで、ダブルシートからシングルシートへと変更する
場合には、ピリオンシート18およびピリオンライダハン
ドル27を取り外すだけでなく、リアフェンダ17もシング
ルシート用のものに交換する必要が生ずる。このため、
ダブルシートからシングルシートへの変更が煩雑にな
る。

この考案は上記事実を考慮してなされたものであり、ピ
リオンシート等を取り外したときのリアフェンダの外観
を良好にできるとともに、シートの変更が容易に行なえ
る自動２輪車のシート取付構造を提供することを目的と
する。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段）この考案は、自動２輪車の後輪を覆うリアフェンダがフ
ェンダボディとこのフェンダボディの内側に固着された
リーンフォースメントとを有して成り、このリアフェン
ダにピリオンシートが取り付けられる自動２輪車のシー
ト取付構造において、上記フェンダボディに貫通孔が形
成され、上記リーンフォースメントに取付座面が形成さ
れて、ピリオンシート取付ボルトが上記貫通孔を挿通し
上記取付座面にボルト固定されて、上記ピリオンシート
が取り付けられることを特徴とするものである。

（作用）したがって、この考案に係る自動２輪車のシート取付構
造によれば、リアフェンダのフェンダボディには平面形
状のピリオンシート取付座面やハンドル取付座面が形成
されず、フェンダボディ内側のリーンフォースメントに
これらのピリオンシート取付座面等が形成されるので、
ピリオンシート取外し後にこれらのピリオンシート取付
座面等が露出せず、リアフェンダの外観を良好にでき
る。そのため、ダブルシートからシングルシートへの変
更の際にリアフェンダを取り外す必要がなくなる。

（実施例）以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はこの考案に係る自動２輪車のシート取付構造の
一実施例を示す断面図である。この実施例において、前
記従来例と同様な部分は同一の符号を付すことにより説
明を省略する。

第１図に示すように、リアフェンダ31はフェンダボディ
32とリーンフォースメント33とを有して構成される。リ
ーンフォースメント33は、フェンダボディ32の長手方向
両端部を除き、フェンダボディ32の内側にリベット等に
より固着される。このようなリアフェンダ31は、ブリッ
ジ34を介してボディチューブ７に、また直接シートレー
ル15にそれぞれボルト35を用いて固定される。

ライダシート16の後方に位置するピリオンシート18は、
底板36上にクッション材37を載置し、底板36の側面およ
びクッション材37を表皮38で被覆して構成される。ライ
ダシート16も同様に構成される。ピリオンシート18の底
板36には、車両前方側に係止部24Bが、車両後方側に固
定部24Aがそれぞれ突設される。

また、上記リアフェンダ31のフェンダボディ32には、第
２図および第３図に示すように、シート用貫通孔39およ
びハンドル用貫通孔40が穿設される。ハンドル用貫通孔
40は、シート用貫通孔39の両側に形成される。また、リ
アフェンダ31のリーンフォースメント33には、シート用
貫通孔39およびハンドル用貫通孔40にそれぞれ対応する
位置に、平面形状のピリオンシート取付座面22Bおよび
ハンドル取付座面23Bが形成される。さらに、フェンダ
ボディ32には、第１図に示すように嵌合部41が形成され
る。この嵌合部41はコ字形断面形状であり、ライダシー
ト16の後部に隠れる位置に設けられる。

さて、ピリオンシート18の取付は、係止部24Bを嵌合部4
1に嵌合させて位置決めすることから始める。次に、第
２図に示すようにシート用貫通孔39内にシート用スペー
サ42を遊嵌させる。こうして、固定部24A、シート用ス
ペーサ42およびピリオンシート取付座面22Bにピリオン
シート取付ボルト43を挿通させてナット44を締め付け
る。これにより、ピリオンシート18が、固定部24Aおよ
びシート用スペーサ42を介して、リーンフォースメント
33のピリオンシート取付座面22Bに固定される。

同様にして、ハンドル用挿通孔40にハンドル用スペーサ
45を遊嵌させ、ピリオンライダハンドル27の底部46、ハ
ンドル用スペーサ45およびハンドル取付座面23Bにハン
ドル取付ボルト47を挿通させて、ナット48を締め付け
る。これにより、ピリオンライダハンドル27が、ハンド
ル取付ボルト47を介して、リーンフォースメント33のハ
ンドル取付座面23Bに固定される。

上記実施例によれば、ピリオンシート18およびピリオン
ライダハンドル27取付用のピリオンシート取付座面22B
およびハンドル取付座面23Bがリアフェンダ31のリーン
フォースメント33にのみ設けられて、フェンダボディ32
には形成されず、このフェンダボディ32の外面は凹凸の
ない滑かな形状に成形されるので、ピリオンシート18を
取り外してシングルシートに変更した場合に、自動２輪
車の外観が優れたものになる。

このように、ライダシート16およびピリオンシート18が
ともに載置されたダブルシートの状態から、ピリオンシ
ート18を取り外してシングルシートの車両にしても、リ
アフェンダ31の外観が優れているので、ピリオンシート
18の取外しとともにリアフェンダ31を交換する必要がな
い。そのため、ダブルシートからシングルシートへの変
更を容易に行なうことができる。

第４図は前記実施例における第１変形例を示すリアフェ
ンダの半断面図である。前記実施例では、ピリオンライ
ダハンドル27の底部46とハンドル取付座面23Bとの間に
ハンドル用スペーサ45が介在されるものにつき説明した
が、この第１変形例では、段付ボルト51をピリオンライ
ダハンドル27の底部46に一体成形し、この段付ボルト51
をハンドル取付座面23Bに当接させ、ナット48を用いて
ピリオンライダハンドル27をボルト固定するものであ
る。

また、第５図（Ａ）は前記実施例の第２変形例を示すリ
アフェンダの半断面図である。この第２変形例では、第
５図（Ｂ）に示すような両端にねじ部13が形成された段
付ボルト52を用い、この段付ボルト52をピリオンライダ
ハンドル27の底部46とハンドル取付座面23Bとの間に介
在させ、両端をナット48で締め付けて、ピリオンライダ
ハンドル27をハンドル取付座面23Bに固定する。これら
の両変形例においても、前記実施例と同様な効果を奏す
ることができる。なお、両変形例において前記実施例と
同様な部分は同一の符号を付す。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案に係る自動２輪車のシート取付
構造によれば、リアフェンダのフェンダボディに貫通孔
が形成され、リアフェンダのリーンフォースメントに取
付座面が形成されて、ピリオンシート取付ボルトが上記
貫通孔を挿通し上記取付座面にボルト固定されてピリオ
ンシートが取り付けられることから、リアフェンダのフ
ェンダボディには平面形状の取付座面が形成されないの
で、ピリオンシート等を取り外したときのリアフェンダ
の外観を良好にすることができる。このように、ピリオ
ンシートが取り付けられたダブルシートの状態から、ピ
リオンシートを取り外したシングルシートの状態にして
もリアフェンダの外観が良好であるので、ダブルシート
からシングルシートへの変更時にリアフェンダを交換す
る必要がなく、シートの変更を容易に行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る自動２輪車のシート取付構造の
一実施例を示す断面図、第２図は第１図のII-II線に沿
う断面図、第３図（Ａ），（Ｂ）は第１図の実施例にお
けるリアフェンダのそれぞれ平面図、側面図、第４図は
第１図の実施例における第１変形例を示すリアフェンダ
の半断面図、第５図（Ａ）は第１図の実施例における第
２変形例を示すリアフェンダの半断面図、第５図（Ｂ）
は第２変形例に用いられる段付ボルトを示す側面図、第
６図はアメリカンタイプの自動２輪車を示す側面図、第
７図は自動２輪車における従来のシート取付構造を示す
側面図、第８図は第７図のVIII-VIII線に沿う断面図、
第９図（Ａ），（Ｂ）は第７図のリアフェンダをそれぞ
れ示す平面図、側面図である。１…自動２輪車、18…ピリオンシート、22B…ピリオン
シート取付座面、23B…ハンドル取付座面、27…ピリオ
ンライダハンドル、31…リアフェンダ、32…フェンダボ
ディ、33…リーンフォースメント、39…シート用貫通
孔、40…ハンドル用貫通孔、42…シート用スペーサ、43
…ピリオンシート取付ボルト、45…ハンドル用スペー
サ、47…ハンドル取付ボルト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】自動２輪車の後輪を覆うリアフェンダがフ
ェンダボディとこのフェンダボディの内側に固着された
リーンフォースメントとを有して成り、このリアフェン
ダにピリオンシートが取り付けられる自動２輪車のシー
ト取付構造において、上記フェンタボディに貫通孔が形
成され、上記リーンフォースメントに取付座面が形成さ
れて、ピリオンシート取付ボルトが上記貫通孔を挿通し
上記取付座面にボルト固定されて、上記ピリオンシート
が取り付けられることを特徴とする自動２輪車のシート
取付構造。