JPH0636733B2 - 麹の製造法 - Google Patents

麹の製造法

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JPH0636733B2
JPH0636733B2 JP34305789A JP34305789A JPH0636733B2 JP H0636733 B2 JPH0636733 B2 JP H0636733B2 JP 34305789 A JP34305789 A JP 34305789A JP 34305789 A JP34305789 A JP 34305789A JP H0636733 B2 JPH0636733 B2 JP H0636733B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は目標とするpHを有する麹の製造法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
醤油麹は、タンパク質原料と炭水化物原料を蒸煮、炒
熬、割砕等の処理を施し(原料処理行程)、これに麹菌
を接種、培養する(製麹工程)方法によって製造され
る。
上記製麹工程は、麹菌が原料中の炭水化物をエネルギー
源として醤油製造に必要な諸酵素を製造する工程であ
り、麹の善し悪しにより醤油の品質が左右されるために
醤油製造上の重要な工程の一つとされている。
麹を製造するための炭水化物原料としては、主として小
麦が用いられているが、小麦の品質が同一品質であって
も産地、気象条件等により変動し、この品質の変動がひ
いては麹の品質の変動に重要な影響を及ぼしている。
すなわち、小麦の品質が変動すれば、製麹工程中におけ
る麹菌の代謝も変動し、常に均一な品質(特に麹pH)を
有する麹を得ることができない。特に、麹pHは、発酵、
熟成工程における乳酸菌発酵および酵母発酵に重大な影
響を及ぼす重要な因子である。
したがって、品質の均一な醤油製品を常時得るための第
一ステップは、製麹終了時(出麹時)の麹pHを常に一定
にすることにあると言っても過言ではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来、麹のpHを制御するための方法としては、たとえば
麹の水分含量および製麹温度を制御する方法(特開昭5
8−126753号公報参照)が報告されているが、こ
の方法は操作が煩雑であり、また麹pH以外の窒素利用
率、グルタミン酸含量等の他の因子にも大きな影響を与
え、必ずしも満足できる方法とはなりえなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、出麹時の麹の品質、特に麹pHを一定にす
る方法を開発すべく研究を重ねた結果、炭水化物原料の
α化度と製麹終了時の麹pHの間に一定の関係が成立する
ことを発見し、該関係式を用いて制御された麹pHを有す
る麹の製造法を完成させた。
すなわち、本発明は、製麹終了時の麹pH(Y)と炭水化
物原料のα化度(X)との間に成立する下記の方程式を
利用し、製麹終了時に目標とするpHの麹を調製するため
の方法であって、下記方程式から目標麹pH(y)に対応
するα化度(x)を求め、α化度を(x)に調製した炭
水化物原料を使用して製麹を行い、pH(y)の麹を得る
ことを特徴とする麹の製造法に関するものである。
Y=−AX+B (式中、AおよびBは係数を示す。) あるいは、本発明は、麹の製造法において、炭水化物原
料のα化度(X)を目標とする製麹終了時の麹pH(Y)
に応じて上記方程式により求められる数値になるように
炭水化物原料を処理し、これを製麹用原料として使用
し、一定のpHの麹を調製することを特徴とする麹の製造
法に関するものである。
また、別の視点から見れば、本発明は、製麹終了時の麹
pHを炭水化物原料により制御する方法であって、製麹終
了時の麹pH(Y)と炭水化物原料のα化度(X)との間
に成立する上記方程式を利用し、該方程式から求められ
る製麹終了時の目標とする麹pH(y)に対応するα化度
(x)の炭水化物原料を製麹原料として使用することに
より製麹終了時の麹pHが目標とする麹pH(y)になるよ
うに制御することを特徴とする麹pHの制御方法に関する
ものである。
以下、本発明方法を詳細に説明する。
本明細書において、以下の用語は下記の定義のとおりで
ある。
「麹pH」とは麹を破砕後、脱イオン水を用いて抽出して
得られた抽出液のpHを意味する。
「α化度」とは、澱粉のα化の程度を数字的に表示した
ものであって、炒熬等の処理を行った炭水化物原料を麹
菌アミラーゼで分解したときに生成する還元糖と、完全
にα化した炭水化物原料を麹菌アミラーゼで分解したと
きに生成する還元糖との比(%)をもって表示される。
試験方法は、「しょうゆ試験法」((財)日本醤油研究
所発行、昭和60年)第97〜100頁に記載の方法に
従って行った。
本発明方法においては、通常の醤油麹の製造に使用され
る原料を用いればよく、たとえば炭水化物原料または炭
水化物原料とタンパク質原料を混合したものを製麹用原
料として使用する。具体的にタンパク質原料としては、
丸大豆、脱脂大豆、小麦グルテン、コーングルテン、大
豆精製タンパク質、可溶性分離タンパク質など、炭水化
物原料としては、小麦、大麦、米、トウモロコシ、ふす
まなどがそれぞれ例示される。
上記製麹用原料は必要により精選、洗浄、浸漬、散水な
どの前処理を施した後、原料処理工程に供される。
本発明方法の原料処理工程における特徴は、α化度
(X)と製麹終了時の麹pH(Y)との間に成立する下記
方程式を利用し、製麹終了時の目標とする麹pH(y)に
対応する炭水化物原料のα化度(x)を求め、炭水化物
原料のα化度が(x)になるように、製麹用原料を処理
するところにある。
Y=−AX+B (式中、AおよびBは係数を示す。) 上記方程式におけるAおよびBで表わされる係数は、使
用麹菌の種類、製麹温度条件等の製麹時の諸条件により
変動するものであり、たとえば、麹菌としてアスペルギ
ルス・オリゼーを用い、製麹条件として28℃の温度条
件下、静置培養方法を採用した場合のAおよびBで表わ
される係数は通常以下の範囲を示す。
0.001≦A≦0.01 6.5≦B≦7.5 したがって、新たに使用麹菌および/または麹菌の方法
・条件を変更する必要が生じた場合には、その変更ごと
に小規模試験を行い、AとBの係数を算出すればよい。
製麹用原料の原料処理方法としては、醤油等の製造に使
用されている通常の方法を用いることができる。たとえ
ば、炭水化物原料を単独で処理する場合には、炒煎(炒
熬)、蒸煮、エスクトルーダー処理などが採用されう
る。
また、炭水化物原料とタンパク質原料を同時に処理する
場合にはエクストルーダー処理を採用すればよい。
製麹用原料の処理条件も醤油製造時で採用されている範
囲内から目的とするα化度(x)になるように適宜選定
すればよい。具体的には炒熬により炭水化物原料を処理
する場合は炒温度を変えることにより、α化度の異なっ
た炭水化物原料を得ることができる。すなわち、炒温度
を高くすることにより高α化度の炭水化物原料が得ら
れ、炒温度を低くすれば、低α化度の炭水化物原料が得
られる。また、あらかじめ炭水化物原料を加水あるいは
乾燥して水分含量を変えることによってもα化度を調整
することが可能である。また、蒸煮等の湿熱処理の場合
には、炭水化物原料の水分を調整することによってα化
度の調整が可能である。すなわち、同一処理条件でも原
料の水分量が高くなるにつれて高α化度炭水化物原料が
得られる。
このようにして得られた目標とする麹pH(y)に対応す
るα化度(x)の炭水化物原料を含有する製麹原料は、
次の製麹工程に供される。
本発明の製麹工程の特徴は、製麹終了時の麹pHと炭水化
物原料のα化度との関係式を求める際に採用した方法・
条件をそのまま採用するか、またはそれと極めて類似し
た方法・条件を採用するところにある。
上記関係式を求める際の製麹方法条件は特に制限され
ず、醤油製造時に採用されている方法、条件内から適宜
選択すればよい。
たとえば、麹菌としては、アスペルギルス・オリゼー、
アスペルギルス・タマリ、アルペルギルス・ソーヤなど
を使用することができる。製麹条件は温度25〜40
℃、相対湿度80%以上、製麹時間24〜60時間など
通常使用されている範囲内より適宜選定することができ
る。また、培養方法としては、静置培養、通風培養、流
動培養などいずれであってもよい。
以下、実験例および実施例を示し、本発明方法について
さらに具体的に説明する。
実験例 脱脂大豆50gを45×175mmの蓋付きガラスシャー
レに取り、水60mを散水して吸水させた後、飽和水
蒸気を用いて1kg/cm2(ゲージ圧)の圧力下、45分
間加熱してタンパク質原料とした。次にこのタンパク質
原料に29〜64%のα化度の炒熬割砕小麦50gをそ
れぞれ混合し、醤油用麹アスペルギルス・オリゼーF−
1124(微工研菌寄第1365号)、同IFO 43
48、同IFO 5240を接種後、28℃の恒温室内
で44時間培養して醤油麹を得た。得られた麹全量を破
砕後、10倍容量の脱イオン水で15℃、4時間抽出し
て得た抽出液のpHをpHメーターで測定した。小麦のα化
度と麹pHの関係を第1図に示す。
第1図から、炭水化物原料のα化度と製麹終了時の麹pH
との間には前述の方程式で表わされるような負の相関が
存在することが明らかとなった。したがって、この関係
式を利用すれば従来のような製麹条件等の変更をせずと
も炭水化物原料のα化度を変化させることにより目標と
するpHの麹を容易に調製することができる。
〔実施例〕
実施例 1 脱脂加工大豆50kgに75の水を散水して吸水させた
後、加圧蒸煮缶で飽和水蒸気を用いて3kg/cm2(ゲー
ジ圧)で15分間蒸煮処理し、40℃に冷却したもの
に、下記式より求めた目標とする麹pH6.49に対応す
るα化度67%の炒熬割砕小麦50kgを混合し、次いで
これに種麹としてアスペルギルス・オリゼーF−112
4(微工研菌寄第1365号)の麹培養物100gを接
種し、28℃で相対湿度95%の空気を通気しながら4
8時間製麹した。その結果、得られた麹のpHおよび他の
成分分析値は第1表のとおりであった。
Y=−0.00815X+7.034 実施例 2 脱脂加工大豆50kgに75の水を散水して吸水させた
後、加圧蒸煮缶で飽和水蒸気を用いて3kg/cm2(ゲー
ジ圧)で15分間蒸煮処理し、40℃に冷却してタンパ
ク質原料とした。
次に、実施例1に示す関係式から目標とする麹pH6.3
9に対応するα化度(79%)を求め、該α化度になる
ように小麦(水分18.4%)50kgを炒熬割砕して炭
水化物原料とした。
上述のタンパク質原料とα化度79%の炭水化物原料を
混合し、これにアスペルギルス・オリゼーF−1124
(微工研菌寄第1365号)の麹培養物100gを接種
し、28℃で相対湿度95%の空気を通気しながら48
時間製麹した。その結果、得られた麹のpHは6.36で
あった。
また、上記と同じ方法により麹を連続して5回調製した
ところ、得られた麹のpHはすべて6.19〜6.59の
範囲に入り、再現性の高い方法であることを確認した。
〔発明の効果〕
本発明方法は、炭水化物原料のα化度と麹pHとの間に成
立する関係を利用し、炭水化物原料のα化度を変えて目
標とする麹pHを有する麹を得ようとするものであり、本
発明方法によれば目標とする麹pHの極めて近似の範囲内
(目標とする麹pH±0.2)のpHの麹を得ることができ
る。
したがって、従来法のように特別な製麹条件はまったく
要求されず、極めて簡便な方法により目標とする麹pHを
有する高品質の麹を調製することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は製麹終了時の麹pHと炭水化物原料のα化度の関
係を示したものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製麹終了時の麹pH(Y)と炭水化物原料の
    α化度(X)との間に成立する下記方程式を利用し、製
    麹終了時に目標とするpHの麹を調製するための方法であ
    って、下記方程式から目標麹pH(y)に対応するα化度
    (x)を求め、α化度(x)に調製した炭水化物原料を
    使用して製麹を行い、pH(y)の麹を得ることを特徴と
    する麹の製造法。 Y=−AX+B (式中、AおよびBは係数を示す。)
  2. 【請求項2】麹の製造において、炭水化物原料のα化度
    (X)を目標とする製麹終了時の麹pH(Y)に応じて下
    記方程式により求められる数値になるように炭水化物原
    料を処理し、これを製麹用原料として使用し、一定のpH
    の麹を調製することを特徴とする麹の製造法。 Y=−AX+B (式中、AおよびBは係数を示す。)
  3. 【請求項3】製麹終了時の麹pHを炭水化物原料により制
    御する方法であって、製麹終了時の麹pH(Y)と炭水化
    物原料のα化度(X)との間に成立する下記方程式を利
    用し、該方程式から求められる製麹終了時の目標とする
    麹pH(y)に対応するα化度(x)の炭水化物原料を製
    麹原料として使用することにより製麹終了時の麹pHが目
    標とする麹pH(y)になるように制御することを特徴と
    する麹pHの制御方法。 Y=−AX+B (式中、AおよびBは係数を示す。)
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