JPH0635717Y2

JPH0635717Y2 - 空調用グリル

Info

Publication number: JPH0635717Y2
Application number: JP7372889U
Authority: JP
Inventors: 敬博古森; 和夫藤原; 弘岩田
Original assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 1989-06-24
Filing date: 1989-06-24
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2004-06-24
Also published as: JPH0313210U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は自動車のインストルメントパネル等に設けられ
る空調用グリルに関するものである。

［従来の技術］従来、自動車のインストルメントパネルに設けられる空
調用グリルとしては、弾性を有する金属、ゴム、合成樹
脂等からなる複数の風向偏向板を送風ダクト内に配設
し、これらの風向偏向板を湾曲させて風向きを変えるよ
うにしたものがある。前記風向偏向板を湾曲させる機構
としては種々提案されており、その１つとしてリンク機
構を用いたものがある。

すなわち、このタイプの空調用グリルでは、各風向偏向
板の前端部が送風ダクトに回動可能に支持され、後端部
が連結部材に支持されている。そして、この連結部材
と、送風ダクト前端の風向調節板とがリンク部材によっ
て連結されている。風向調節板にはガイド溝が形成さ
れ、同ガイド溝に沿って移動し得る操作つまみが風向調
節板に取付けられている。そして、この操作つまみに前
記リンク部材の前端部が回動可能に連結されている。

前記空調用グリルでは、操作つまみがガイド溝に沿って
スライドし得るように、ガイド溝に係入するガイドピン
を設ける必要がある。また、前記リンク部材をこの操作
つまみに連結し、かつ風向偏向板の湾曲状態を保持する
ためのテンションピンも必要である。この場合、操作つ
まみにガイドピンやテンションピンを一体に設けること
が考えられるが、このようにすると、同操作つまみを風
向調節板に組付けようとしても、これらのピンが邪魔に
なって組付けることがしずらいか、あるいは無理矢理組
付けようとすると風向調節板に傷を付けてしまう。

そこで、操作つまみを風向調節板に取付けた後に、この
操作つまみとは別体のガイドピンやテンションピンを組
付けて、リンク部材を操作つまみに連結するとともに、
その操作つまみを風向調節板に連結することが考えられ
る。

［考案が解決しようとする課題］ところが、前記のようにガイドピンやテンションピンが
操作部材と別体であると、その分部品点数が多くなり、
しかも風向調節板に対する組付作業性が悪くなり、これ
らが起因して空調用グリル全体の製造コストが高くなっ
てしまうという問題がある。

本考案の目的は、部品点数の減少及び組付け作業性の向
上を図ることができ、ひいては製造コストを低減するこ
とができる空調用グリルを提供することにある。

［課題を解決するための手段］そこで、前記目的を達成するため本考案は、風向調節板
のガイド溝及びリンク部材の前端部を挟み込むように一
対の挟持部を結合してなるつまみ本体と、その挟持部に
透設された装着孔に嵌合される蓋部材とにより操作つま
みを構成し、この蓋部材には前記調節板のガイド溝に係
入するガイドピンを設けるとともに、リンク部材前端部
の孔に係合して、風向偏向板の湾曲状態を保持するテン
ションピンを設けた空調用グリルをその要旨とするもの
である。

［作用］本考案の空調用グリルにおいては、ガイドピン及びテン
ションピンがともに蓋部材に設けられているので、操作
つまみ及びリンク部材を本体部材前端の風向調節板に組
付ける際には、つまみ本体によって風向調節板のガイド
溝及びリンク部材の前端部を挟み込み、この状態でつま
み本体に形成された装着孔に蓋部材を嵌合する。する
と、蓋部材のガイドピンが風向調節板のガイド溝に係入
するとともに、テンションピンがリンク部材前端部の孔
に係合する。

［実施例］以下、本考案を自動車のインストルメントパネルに設け
られる空調用グリルに具体化した一実施例を図面に従っ
て説明する。

第1,3図に示すように、前後両面が開口された筒状送風
ダクト１の前部（第１図左側部、第３図下部）には、硬
質樹脂からなる本体部材としての内ケース２が配設され
ている。内ケース２は左右両側板3,4、上板５及び底板
６により前後両面を開口した略四角筒状をなし、両側板
3,4間には左右に細長い複数本（本実施例では５本）の
風向調節板７が、互いに上下に離間した状態で形成され
ている。そして、内ケース２はその左右両側板3,4から
外方へ突設された軸3a,4aにおいて、前記送風ダクト１
に回動可能に支持されている。本実施例では、後方から
導入された風Ｗが内ケース２を通って送風ダクト１前端
の吹き出し口Ａから吹き出されるようになっている。

前記内ケース２内における風向調節板７の後方には、こ
れらと直交するよう上下に延びる複数枚（本実施例では
４枚）の風向偏向板８が左右に離間配置されている。各
風向偏向板８は湾曲が容易な軟質材、例えばクロロプレ
ンゴム等のゴム、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の合成樹脂、ステンレス等の金属によって
薄板状に形成されている。

前記各風向偏向板８の前端部には、金属、硬質樹脂等の
剛性体により形成された軸９が挿通支持され、その上下
両端部は風向偏向板８から突出している。これらの軸９
のうち、中央部分の２枚の風向偏向板８から突出するも
のは、前記内ケース２の上板５及び底板６に直接回動可
能に支持されている。また、左右両側の２枚の風向偏向
板８から突出する軸９は、前後に細長い平行リンク10の
前端部を貫通して内ケース２の上板５及び底板６に回動
可能に支持されている。

前記各風向偏向板８の後端部は、硬質樹脂からなる連結
部材11によって相互に連結されている。この連結部材11
は、前記風向偏向板８に対応して左右に離間配置された
複数枚（本実施例では４枚）の延長板12と、これらの延
長板12の上下及びほぼ中間部において左右方向に延びる
３枚の連結板13とから構成されており、このうちの上下
両連結板13の左右両側から突出する軸14が、前記平行リ
ンク10の後端部に回動可能に連結されている。そして、
各延長板12前端が前記風向偏向板８の後端部に対し凹凸
の関係で一体に嵌合固定されている。

なお、各平行リンク10における前後両端の軸9,14間の距
離L₁は、各風向偏向板８を自由長にしたときの前後長さ
L₂の3/4に設定されている。このようにすると、風向偏
向板８を湾曲させたときに、これらは後部が送風ダクト
１の軸線、すなわち風Ｗの導入方向と同一方向を向くき
れいな円弧状となる。

前記連結部材11における中央部分の連結板13の前端部に
は作用軸15が上方へ突設されている。また、内ケース２
における中央部分の風向調節板７には支点軸16が下方へ
突設されている。これら両軸15,16は、左右方向中央部
分の２枚の風向偏向板８間に配設された前後に細長いリ
ンク部材17によって連結されている。すなわち、このリ
ンク部材17の中央部及び後部には一対の長孔18,19が透
設されており、両長孔18,19内に前記支点軸16及び作用
軸15がそれぞれ係入している。なお、リンク部材17の前
端部には孔17aが透設されている。

ところで、前記中央部分の風向調節板７の前端部下面に
は、左右方向に延びるガイド溝30が形成されている。こ
のガイド溝30を備えた風向調節板７には、操作つまみ20
が左右方向への移動可能に装着されており、この操作つ
まみ20に前記リンク部材17の前端部が回動可能に連結さ
れている。第1,図２に示すように、この操作つまみ20の
一部を構成するつまみ本体23は、風向調節板７の前端部
を上下から挟み込む一対の挟持部21と、両挟持部21の前
端部間を繋ぐ連結部22とからなる。そのため、前記両挟
持部21間には風向調節板７の挟持空間Ｓが形成されるこ
とになる。

第2,第５に示すように、前記下側の挟持部21の後部中央
には、前記リンク部材17の前端部を収容し得る切欠き24
が形成されている。この切欠き24は後側ほど左右の間隔
が大きくなるよう設定されるとともに、前端が前記挟持
空間Ｓの前壁21aよりも前方に位置するように凹設され
て段差凹部24aとなっている。なお、下側の挟持部21に
おいて切欠き24の左右両側方には、一対のピン挿通孔25
が貫設されている。

前記下側の挟持部21の下半部には装着孔26が穿設され、
つまみ本体23とともに操作つまみ20を構成する蓋部材27
がこの装着孔26に嵌合固定されている。蓋部材27のほぼ
中央部には、前記リンク部材17前端の孔17aに係合する
テンションピン28が上方へ突設されるとともに、同テン
ションピン28の左右両側には、下側の挟持部21のピン挿
通孔25に挿通されて、風向調節板７下面のガイド溝30に
係入する一対のガイドピン29が同じく上方へ突設されて
いる。

前記テンションピン28及びガイドピン29を備えた蓋部材
27は、耐摩耗性が良好で摩擦抵抗の大きな軟質樹脂によ
って形成することが好ましく、本実施例ではポリエステ
ルエラストマー（東洋紡績株式会社製、商品名ペルプレ
ン）によって蓋部材27全体を形成した。また、本実施例
では蓋部材27がつまみ本体23から脱落するのを防止する
ために、テンションピン28の上端部にアンダーカット部
28aを形成した。

次に、前記のように構成された本実施例の作用及び効果
を説明する。

第1,3図に示すように、操作つまみ20が風向調節板７の
左右方向中央位置にあるときには、風向偏向板８が自由
長となるので、送風ダクト１後方からの風Ｗは延長板1
2、風向偏向板８及び風向調節板７に沿って真っ直ぐに
前方へ吹き出る。

前記操作つまみ20を例えば右方へスライドさせると、第
４図に示すように、リンク部材17がその中央部分の長孔
18に係入された支点軸16を中心として、両長孔18,19に
許容された分だけ前方へ移動しながら回動し、そのリン
ク部材17後端部は操作つまみ20と逆の方向へ移動する。
すると、リンク部材17後端部の長孔19内に係入されてい
る作用軸15と連結板13とを介して、延長板12に支持され
ている風向偏向板８の後端部は、平行リンク10によって
移動軌跡を制御されながら軸９とのスパンを短くしつつ
左方へ移動する。このとき、平行リンク10における軸9,
14間の距離L₁が風向偏向板８の前後長さL₂の3/4に設定
されているので、風向偏向板８の後部は送風ダクト１後
方からの風Ｗの導入方向とほぼ同一となる。

前記のようにして、風向偏向板８は左側へふくらむよう
な湾曲状態となり、送風ダクト１後方からの風Ｗは同風
向偏向板８に沿って滑らかに右方へ流れ、吹き出し口Ａ
から吹き出る。このような湾曲状態においては、各風向
偏向板８には自身の弾性により第３図に示すような自由
長にもどろうとする力が作用する。ところが、リンク部
材17前端の孔17aには操作つまみ20のテンションピン28
が係合しており、しかも本実施例ではこのテンションピ
ン28がポリエステルエラストマーにより形成されている
ので、同テンションピン28及び孔17a間の摩擦抵抗が大
きく、従って、このテンションピン28によって、風向偏
向板８の湾曲状態が確実に保持される。

なお、図示はしないが、操作つまみ20を上方又は下方へ
移動させると、内ケース２が風向偏向板８、風向調節板
７、連結部材11等と一体となって、軸3a,4aを中心とし
て回動する。そのため、送風ダクト１後方からの風Ｗ
は、風向調節板７に沿って上方又は下方へ向かって吹き
出る。

操作つまみ20を左右や上下に移動させたときには、その
蓋部材27に設けた一対のガイドピン29が風向調節板７の
下面に形成されたガイド溝30内に係入しているので、こ
の操作つまみ20が風向調節板７から脱落することはな
い。

ところで、本実施例の空調用グリルの製造に際し、風向
調節板７に対し、リンク部材17及び操作つまみ20を組付
ける場合には次のように行う。

まず、第５図に示すように、風向調節板７の前端ほぼ中
央部がつまみ本体23の挟持空間Ｓに挿入されるように、
同つまみ本体23の両挟持部21で風向調節板７を挟む。次
に、つまみ本体23の後方から前記風向調節板７の下側に
リンク部材17の前端を挿入する。すると、リンク部材17
前端部分が風向調節板７と下側の挟持部21とによって上
下から挟み込まれる。また、風向調節板７の下面にリン
ク部材17を重ねておいて、これら両者を同時につまみ本
体23の挟持部21で挟み込んでもよい。このときには、リ
ンク部材17の前端が切欠き24前端の段差凹部24aに係入
するので、第５図に示す状態が保持されることになる。
このため、簡単にこれら三者の位置決め及びその保持を
行うことができる。

次に、下側の挟持部21の装着孔26に蓋部材27を嵌合する
と、その蓋部材27の一対のガイドピン29がピン挿通孔25
を貫通して風向調節板７下面のガイド溝30内に係入する
とともに、テンションピン28がリンク部材17前端の孔17
aに係合する。なお、本実施例では前記テンションピン2
8の上端にアンダーカット部28aを形成したので、前記の
ように蓋部材27の装着後に、これが抜け落ちることが防
止される。

前記のように、本実施例の空調用グリルによれば、つま
み本体23の装着孔26に蓋部材27を嵌合するという極めて
簡単な作業で、風向調節板７にリンク部材17及び操作つ
まみ20を組付けることができ、従来技術に比較して部品
点数の減少及び組付作業性の向上を図ることができ、ひ
いては空調用グリル全体の製造コストを低減することが
できる。

なお、本考案は前記実施例の構成に限定されるものでは
なく、例えば以下のように考案の趣旨から逸脱しない範
囲で任意に変更して具体化することもできる。

（１）つまみ本体23を装着孔26に嵌合した蓋部材27が抜
け落ちるのを防止するために、テンションピン28の上端
以外にも、同蓋部材27のガイドピン29上端にアンダーカ
ット部を形成してもよい。

（２）前記実施例における風向調節板７及び風向偏向板
８の配設方向を逆にしてもよい。すなわち、風向調節板
７を上下に延びるように、また風向偏向板８を左右方向
に延びるように配設することができる。

（３）本考案に空調用グリルを、内ケース２を省略した
タイプの空調用グリルに具体化することもできる。この
場合には風向偏向板８前端の軸９を送風ダクト１に直接
固定する。

（４）前記実施例ではリンク部材17に一対の長孔18,19
を透設したが、両者を繋いで１つの長孔としてもよい。

（５）本考案の空調用グリルは、自動車のインストルメ
ントパネル以外にも家庭用の暖房機器やエアコンの吹き
出し口等に具体化することもできる。

［考案の効果］以上詳述したように、本考案によれば、風向調節板、リ
ンク部材及び操作つまみの連結部分における部品点数の
減少及び組付け作業性の向上を図ることができ、ひいて
は製造コストを低減することができるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を具体化した一実施例を示し、第１図は空
調用グリルの側断面図、第２図は風向調節板、リンク部
材及び操作つまみの部分拡大分解斜視図、第3,4図は空
調用グリルを下方から見た状態を示し、第３図は風向偏
向板を自由長にした状態を示す部分断面図、第４図は風
向偏向板を湾曲させた状態を示す部分断面図、第５図は
操作つまみに蓋部材を嵌合させる前の状態を示す部分拡
大断面図である。２…本体部材としての内ケース、７…風向調節板、８…
風向偏向板、11…連結部材、17…リンク部材、17a…
孔、20…操作つまみ、21…挟持部、23…つまみ本体、26
…装着孔、27…蓋部材、28…テンションピン、29…ガイ
ドピン、30…ガイド溝、Ｗ…風。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】後方からの風（Ｗ）が通過可能な本体部材
（２）内に湾曲可能な複数枚の風向偏向板（８）を離間
配置し、各風向偏向板（８）の前端部を本体部材（２）
に回動可能に支持し、後端部を連結部材（11）に支持す
るとともに、隣接する風向偏向板（８）間に配設された
リンク部材（17）により、連結部材（11）と、本体部材
（２）前端の風向調節板（７）とを連結し、その風向調
節板（７）に形成したガイド溝（30）に沿って移動し得
る操作つまみ（20）を同風向調節板（７）上に取着し、
さらにこの操作つまみ（20）に前記リンク部材（17）の
前端部を回動可能に連結した空調用グリルであって、前記風向調節板（７）のガイド溝（30）及びリンク部材
（17）の前端部を挟み込むように一対の挟持部（21）を
結合してなるつまみ本体（23）と、その挟持部（21）に
透設された装着孔（26）に嵌合される蓋部材（27）とに
より前記操作つまみ（20）を構成し、この蓋部材（27）
には前記風向調節板（７）のガイド溝（30）に係入する
ガイドピン（29）を設けるとともに、リンク部材（17）
前端部の孔（17a）に係合して、風向偏向板（８）の湾
曲状態を保持するテンションピン（28）を設けたことを
特徴とする空調用グリル。