JPH0635412B2 - ヘミアセタール化合物の製造方法 - Google Patents

ヘミアセタール化合物の製造方法

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JPH0635412B2
JPH0635412B2 JP29432988A JP29432988A JPH0635412B2 JP H0635412 B2 JPH0635412 B2 JP H0635412B2 JP 29432988 A JP29432988 A JP 29432988A JP 29432988 A JP29432988 A JP 29432988A JP H0635412 B2 JPH0635412 B2 JP H0635412B2
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吉弘 田坂
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、医薬,農薬の中間原料として有用なトリフル
オロアセトアルデヒドを安定的に保存するためにヘミア
セタール化合物に変換する方法,または化合物自体とし
ても医薬,農薬の中間体として有用なヘミアセタール化
合物の製造方法に関するものである。
[従来技術とその解決しようとする課題] トリフルオロアセトアルデヒド(以下、TFAと略す。)
は、分解,重合反応を起こし易い不安定な物質である。
通常は取扱が容易なTFA-2H2Oとして運搬,貯蔵される
が、長期間の保存中しばしば不溶物を生成する。
一般に、反応性の高いカルボニル基を有する化合物は、
安定化のためgem−ジオール化,ヘミアセタール化(カ
ルボニル基の保護)することが行われている。gem−ジ
オールとして表わすことのできるTFA・H2Oのヘミアセタ
ール化は下式のように可逆的に進行する。
従来の方法としては、gem−ジオール化合物であるTFA-H
2Oを等モルの水に溶解して得られるTFA-2H2Oのエチルヘ
ミアセタール化が挙げられる。
TFA-2H2Oのエチルヘミアセタール化は、エタノールを1
倍当量以上添加することにより、平衡反応的に約67モル
%まで進行する。一方、エタノールと水が共沸組成C2H5
OH/H2O(モル比)=89.5/10.5を持つことを利用して、
エタノール大過剰で蒸留を行えば水の除去ができ、TFA
からのエチルヘミアセタール化合物(以下、TFA-EtOHと
略す。)を容易に生成することができる。このTFA-EtOH
はエタノールと沸点103℃で共沸し、共沸組成TFA-EtOH/
EtOH(モル比)=82/12のものが留分として得られるこ
とが知られている。[Chemische Berichte 106.2967(19
73)] しかし、この方法ではエタノールを大過剰必要とするだ
けでなく、処理後のエタノールの脱水設備に多大のコス
トがかかる。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、かかる問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、トリフルオロアセトアルデヒドの
水和物とメタノール,エタノール,プロパノールのうち
少なくとも1種類のアルコールを反応させる過程で、塩
化カルシウムを添加することを特徴とするヘミアセター
ル化合物の製造方法、およびさらにこの反応により生じ
る有機物層をゼオライトと接触させることを特徴とする
ヘミアセタール化合物の製造方法である。
前述の反応に、塩化カルシウムを添加することにより平
衡反応を右方向にずらすのみならず、二層分離が可能と
なり、上層の有機物層に99モル%以上の回収収率で原料
を回収でき、回収有機層中のヘミアセタール化合物の選
択率は95モル%以上になる。さらに残りの約5モル%の
TFA-H2Oをヘミアセタール化するため、該有機物層をゼ
オライトと接触させることにより有機物層中のヘミアセ
タール化合物の選択率を99モル%以上まで上げることが
でき、全体としての収率も99モル%以上となる。
ここで、アルコールはTFAの水和物に対し、1.0〜2.5倍
当量、好ましくは1.0〜1.5倍当量加える。1.0倍当量よ
り少ないと当然目的生成物の収率が低く、2.5倍当量よ
り多いと効果は全く変わらないが経済的に不利となる。
塩化カルシウムの添加量は、水和物中の水すなわちgem
−ジオール化合物中の水に対し、H2O/CaCl2のモル比で
2〜20、好ましくは3〜8が良い。20より多いと二層分
離が難しく、2より少ないと粘度が高くなり同様に層分
離が難しい。塩化カルシウムは、無水物に限らず二水
物,六水物等を使用しても良い。
反応温度は、室温より還流温度までの範囲、好ましくは
50℃〜還流温度の範囲である。反応温度が室温より低い
場合、粘度が高くなりすぎて層分離ができず、還流温度
より高いと蒸気圧が高くなりすぎ、設備等の面から考え
ても工業的に不利である。
ゼオライトは、有機物層に対し、重量で0.2倍当量以上
が好ましい。0.2倍等量より少ないと脱水効果が低下す
るため好ましくない。本発明で使用するゼオライトは、
特に限定されず脱水効果のあるものなら何でも使用する
ことができる。
得られた化合物は安定であり、長期的な保存,運搬など
が容易に行え、必要によっては硫酸等との接触により脱
アルコールを行って元のアルデヒドとして使用すること
もでき、またそのまま中間体等として使用することもで
きる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 攪拌機付の100ml三つ口フラスコに、トリフルオロアセ
トアルデヒド水和物(TFA-2.5H2O)を50g、エタノール
をTFAの1.2倍当量に当たる19.3g加え、無水塩化カルシ
ウムをTFA水和物中の水に対しH2O/CaCl2のモル比が6.0
になる量、すなわち16.2g添加して攪拌を行い、ジムロ
ートコンデンサーにて冷却させながら、油浴上で1時間
還流を行った。還流温度は95℃であった。
攪拌を止め、内液温度が50℃以下に冷却された所で分液
ロートに移し、二層分離した各層を分取した結果、上層
の有機物は58.0g、下層は27.5gであった。
上層の有機物は、トリフルオロ酢酸を基準として19F-NM
Rで求めたところ、エチルヘミアセタール(TFA-EtOH)4
7.9g,gem−ジオール(TFA-H2O)1.8gでその他はエタ
ノールであった。ここでのTFA-EtOHの選択率は95.5モル
%で、原料の回収率は99.5%であり、TFA-EtOHの収率は
TFA基準で95.0%であった。
該有機物を、100ml二つ口フラスコに入れ、モレキュラ
シーブ3A(和光純薬製)10gを入れてマグネチックス
ターラーで4時間攪拌した結果、TFA-EtOHの選択率は9
9.4モル%まで上昇し、収率は99%であった。
実施例2 実施例1においてアルコールをメタノールに代えて同様
の反応を行った。メタノールは13.5g添加し、還流温度
は96℃であった。
二層分離後の上層の有機物はメチルヘミアセタール(TF
A-MeOH)43.6g,gem−ジオール(TFA-H2O)1.1gで、T
FA-MeOHの選択率は97.3モル%であった。一方、原料の
回収率は99.3%であり、TFA-MeOHの収率はTFA基準で96.
6%であった。
さらに、モレキュラシーブ3Aで処理した結果、TFA-Me
OHの選択率は99.7モル%まで上昇した。
比較例1 実施例1において無水塩化カルシウムを添加せずに同様
に行ったところ、均一層中のTFA-MtOHは33.8g,TFA-H2
Oは13.4gで、TFA-EtOHの選択率は67.0モル%であっ
た。
比較例2 実施例2において無水塩化カルシウムを添加せずに同様
に行ったところ、均一層中のTFA-MeOHは33.2g,TFA-H2
Oは10.8gで、TFA-MeOHの選択率は73.5モル%であっ
た。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、塩化カルシウムを反応過程
で添加することによって、二層分離された有機層中に高
収率,高選択率でヘミアセタール化合物を得ることがで
き、該有機物層をゼオライトと接触させることでヘミア
セタール化合物の選択率をさらに向上させることができ
るものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリフルオロアセトアルデヒドの水和物と
    メタノール,エタノール,プロパノールのうち少なくと
    も1種類のアルコールを反応させる過程で、塩化カルシ
    ウムを添加することを特徴とするヘミアセタール化合物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)の反応により生じる有機物層を
    さらにゼオライトと接触させることを特徴とするヘミア
    セタール化合物の製造方法。
JP29432988A 1988-11-21 1988-11-21 ヘミアセタール化合物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0635412B2 (ja)

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JP4891591B2 (ja) * 2005-10-25 2012-03-07 東ソ−・エフテック株式会社 トリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールの回収方法
JP2013159606A (ja) * 2012-02-09 2013-08-19 Polyplastics Co ホルムアルデヒドガス製造方法、及びホルムアルデヒドガス製造装置

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JPH02138145A (ja) 1990-05-28

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