JPH06346185A - 溶接性に優れたプラスチック成形金型用鋼 - Google Patents

溶接性に優れたプラスチック成形金型用鋼

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JPH06346185A
JPH06346185A JP13425593A JP13425593A JPH06346185A JP H06346185 A JPH06346185 A JP H06346185A JP 13425593 A JP13425593 A JP 13425593A JP 13425593 A JP13425593 A JP 13425593A JP H06346185 A JPH06346185 A JP H06346185A
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JP
Japan
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steel
less
plastic molding
weldability
present
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Application number
JP13425593A
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English (en)
Inventor
Yutaka Ikenaga
豊 池永
Masahide Unno
正英 海野
Kenji Aihara
賢治 相原
Yasuto Fukada
康人 深田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量%で、C:0.05〜0.20%、S
i:0.50%以下、Mn:0.50〜2.00%、C
r:3.0〜4.0%、Ni:1.50%以下、Mo:
0.05〜1.00%、V:0.03〜0.50%、
P:0.035%以下、S:0.035%以下を含有
し、残部はFe及び不可避的不純物より成る。 【効果】 溶接性に優れており、溶接により補修を行う
時に予熱及び後熱を必要とせず、常温で溶接作業を行う
ことができ、溶接部に割れが生じる心配がほとんどな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形金型等のプラ
スチック成形金型に用いられるプレハードン鋼の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形金型用鋼には、S55
C等の一般構造用鋼、SCM440等の中低炭素鋼が一
般的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような材料を使用
する金型製作においては、製作途中における加工時の誤
作や設計変更、あるいは成形使用中の磨耗等のため、金
型に肉盛溶接による補修を行うことが少なくない。この
溶接補修には、溶接割れ防止のために予熱が必要であ
り、さらに後熱が必要な場合もある。
【0004】ところが、予熱・後熱に際しては金型を均
一に加熱しなければならず、金型が大きくなるほど昇温
・降温に長時間を要するという問題がある。さらに、高
温のものを対象とする溶接作業は作業性が悪いという問
題もある。また、予熱が不十分な状態で溶接を行えば、
溶接割れが発生する。
【0005】本発明の目的は、上記の問題を解決し、現
有の材料がもつ特性を維持または向上させたうえで、溶
接補修性に優れ、予熱・後熱をせずに肉盛溶接しても溶
接割れを起こす心配のないプラスチック成形金型用鋼を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】大型成形品を得るための
金型用鋼は、HR C30以上の硬さが必要である。H R
C30以上の硬さを確保するためには、合金成分を添加
しなければならならず、溶接割れ感受性を低くすること
は容易でない。
【0007】従来、金型用鋼の溶接割れ感受性は「溶接
割れ感受性指数」Pcとして次の数式1であらわされ
る。
【0008】
【数1】 Pc=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni
/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B+H
/60+t/600(%) ここで、H:溶着金属拡散性水素量(cc/100g) t:板厚(mm)
【0009】この「溶接割れ感受性指数」Pcより、C
の含有量を低下させると溶接割れに対して有効であるこ
とが判明するが、鋼の強度、硬さ等を確保することが困
難となる。
【0010】本発明者等は、鋭意実験、研究を重ねた結
果、プラスチック成形金型用鋼の溶接性を向上させるた
め、Cの含有量の低減を行い、他の合金成分を添加する
ことで現有のプラスチック成形金型用鋼がもつ強度、硬
さ等を維持・向上できることを見出し、以下の本発明鋼
を成立させた。
【0011】第1の本発明の予熱及び後熱を必要とせ
ず、溶接性に優れたプラスチック成形金型用鋼は、基本
的には、重量%で、C:0.05〜0.20%、Si:
0.50%以下、Mn:0.50〜2.00%、Cr:
3.0〜4.0%、Ni:1.5%以下、Mo:0.0
5〜1.00%、V:0.03〜0.50%、P:0.
035%以下、S:0.035%以下を含有し、残部は
Fe及び不可避的不純物より成る。
【0012】また、第2の本発明の予熱及び後熱を必要
とせず、溶接性に優れたプラスチック成形金型用鋼は、
上記第1の本発明のプラスチック成形金型用鋼に加え
て、B:0.002%以下、Pb:0.15%以下、Z
r:0.15%以下の少なくともいずれか1種を含有し
ている。
【0013】
【作用】以下に本発明におけるプラスチック成形金型用
鋼の成分組成の限定理由について述べる。 C:Cは鋼の強度を向上させるのに有効な元素である。
しかし、その含有量が0.05%未満では鋼の強度を確
保するのは困難である。一方、含有量が0.20%を越
えると鋼に溶接割れが発生することを考慮して本発明は
その含有量を0.05〜0.20%とした。
【0014】Si:Siは鋼の脱酸効果に有効な元素で
あり、基地を強化する効果がある。しかし、多量に含有
させると鋼の靱性を低下させることを考慮して本発明は
その含有量を0.50%以下とした。
【0015】Mn:Mnは鋼の焼入性を向上させるのに
有効な元素である。しかし、その含有量が0.50%未
満では所望の効果が得られず、2.00%を越えると鋼
の被削性が悪化することを考慮して本発明はその含有量
を0.50〜2.00%とした。
【0016】Cr:Crは鋼の焼入性の向上に不可欠な
元素であるが、その含有量が3.0%未満では所望の効
果が得られない。一方、4.0%を越えると鋼の被削性
を低下させる。また、経済性を考慮して本発明はその含
有量を3.0〜4.0%とした。
【0017】Ni:Niは鋼の焼入性を向上させるのに
有効な元素であるが、鋼の被削性を低下させること、経
済性を考慮して上限を1.5%とした。
【0018】Mo:Moは鋼の焼入性の向上及び焼戻し
脆化防止に有効な元素であるが、その含有量が0.05
%未満では所望の効果が得られない。一方、1.00%
を越えると鋼の被削性を低下させる。また、経済性を考
慮して本発明はその含有量を0.05〜1.00%とし
た。
【0019】V:Vは鋼の焼戻し軟化抵抗の向上に有効
な元素であるが、その含有量が0.03%未満では所望
の効果が得られない。一方、0.50%を越えると鋼の
被削性の低下、靱性の低下を招くことを考慮して本発明
はその含有量を0.03〜0.50%とした。
【0020】P:Pは鋼の溶接割れ感受性、靱性にとっ
て有害であり、極力除去したい。従って、本発明はその
ことを考慮して上限を0.035%とした。
【0021】S:SはP同様鋼の溶接割れ感受性、靱性
にとって有害であり、極力除去したい。従って、本発明
はそのことを考慮して上限を0.035%とした。
【0022】B:Bは鋼の焼入性の向上に有効な元素で
あるが、その含有量が多くなると溶接性を低下させるの
で、本発明はそのことを考慮してその含有量を0.00
2%以下とした。
【0023】Pb:Pbは鋼の比削性の向上に有効な元
素であるが、その含有量が多くなると地疵が発生するの
で、本発明はそのことを考慮してその含有量を0.15
%以下とした。
【0024】Zr:Zrは鋼の比削性の向上させ、硫化
物の形態を変える効果を有するが、その含有量が多くな
ると比削性が低下するので、本発明はそのことを考慮し
てその含有量を0.15%以下とした。
【0025】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例と対比しながら
説明する。なお、これらの実施例は本発明の効果を示す
例示であって、本発明の技術的範囲を何等制限するもの
でないことは勿論である。
【0026】表1(本発明鋼)及び表2(比較鋼)に示
す化学成分の鋼を溶製し、鋳塊を鍛造後熱処理して大型
のプラスチック成形品(t800×w1000)の金型
素材を製造した。この金型素材の中心部の油冷却速度を
シュミレーションし、硬さ測定を行った。また、この金
型素材より試験片を採取し、JIS Z 3158に規
定された「斜めY型溶接試験法」に従い、溶接材として
0.05%C−1.3%Cr−0.54%Mo材を使用
し、予熱・後熱なしでTIG溶接を行った。溶接後、溶
接部を切断し、割れの状況及び溶接部の最高硬さを調査
した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】これらのプラスチック成形金型用鋼のうち
No.18〜23及びNo.47〜50での鋼の硬さと
溶接割れの有無を表3に示す。また、No.18〜20
及びNo.47・50での「斜めY型溶接試験法」に供
した試験片板厚と溶接部の最高硬さとの関係を図1に示
す。
【0030】
【表3】
【0031】表3及び図1より本発明の鋼は、従来の鋼
よりも溶接割れに対して優れているのは明らかである。
また、表3より本発明の鋼は、硬さHR C30以上を確
保し、その変動幅が小さいのは明らかである。このこと
は、本発明の鋼が靱性に優れ、質量効果の小さいことを
示している。
【0032】
【発明の効果】本発明のプラスチック成形金型用鋼は、
溶接により補修を行うときに予熱・後熱の必要がなく、
常温で溶接作業を行うことができ、溶接部に割れが生じ
る心配がほとんどない。従って、大型のプラスチック成
形品例えば自動車のパネル、バンパー等の金型材料とし
て好適であり、補修工数を大幅に低減するのが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のうちのNo.18〜20及びNo.
47・50での「斜めY型溶接試験法」に供した試験片
板厚と溶接部の最高硬さとの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深田 康人 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.20%、
    Si:0.50%以下、Mn:0.50〜2.00%、
    Cr:3.0〜4.0%、Ni:1.5%以下、Mo:
    0.05〜1.00%、V:0.03〜0.50%、
    P:0.035%以下、S:0.035%以下を含有
    し、残部はFe及び不可避的不純物より成る予熱及び後
    熱を必要とせず、溶接性に優れたプラスチック成形金型
    用鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.05〜0.20%、
    Si:0.50%以下、Mn:0.50〜2.00%、
    Cr:3.0〜4.0%、Ni:1.5%以下、Mo:
    0.05〜1.00%、V:0.03〜0.50%、
    P:0.035%以下、S:0.035%以下に加え
    て、B:0.002%以下、Pb:0.15%以下、Z
    r:0.15%以下の少なくともいずれか1種を含有
    し、残部はFe及び不可避的不純物より成る予熱及び後
    熱を必要とせず、溶接性に優れたプラスチック成形金型
    用鋼。
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