JPH06338435A - ポリエステルフィルムコンデンサ - Google Patents

ポリエステルフィルムコンデンサ

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Publication number
JPH06338435A
JPH06338435A JP12924293A JP12924293A JPH06338435A JP H06338435 A JPH06338435 A JP H06338435A JP 12924293 A JP12924293 A JP 12924293A JP 12924293 A JP12924293 A JP 12924293A JP H06338435 A JPH06338435 A JP H06338435A
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JP
Japan
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film
coating layer
polyester film
thickness
particles
Prior art date
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Pending
Application number
JP12924293A
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English (en)
Inventor
Mikio Haga
幹夫 羽賀
Masashi Shimamoto
昌司 嶋本
Shinichi Kinoshita
信一 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diafoil Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Diafoil Co Ltd, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】(数1)で定義されるΔdが1μm以下のポリ
エステルフィルムの少なくとも片面に、0.01〜2μ
m厚の塗布層を設けたものを誘電体として用い、塗布層
が(数2)を満足する粒子を0.1〜20重量%含有す
る水溶性および/または水分散性樹脂からなることを特
徴とするポリエステルフィルムコンデンサ。 【数1】Δd=d−dは、10枚重ねマイクロメータ法フィルム厚さ(μ
m)、dは、重量法フィルム厚さ(μm)。 【数2】0.5≦D/t≦3 Dは、粒子の平均粒径(μm)、tは、塗布層の厚さ
(μm)。 【効果】特定の平滑なポリエステルフィルムの表面に特
定の塗布層を設けることで、作業性を低下させることな
く、フィルムの電位傾度の向上が可能となり、小型,軽
量,低コストのメタライズドポリエステルフィルムコン
デンサが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
コンデンサに関する。詳しくは、本発明は電気特性に優
れ、かつコンデンサ製造時の作業性の改良されたメタラ
イズドポリエステルフィルムコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルフィルムは、優れた機械的性質,耐熱
性,電気的性質を有することから、フィルムコンデンサ
のベースフィルムとして多用されている。近年の各種電
子機器等の発達に伴い、フィルムコンデンサ用ポリエス
テルフィルムの高特性化が図られており、その高特性化
の要求項目の一つとして、コンデンサの小型化のための
誘電体フィルムの電位傾度の向上がある。すなわち、フ
ィルムコンデンサの単位体積当たりの静電容量は、誘電
体であるフィルムの厚さの二乗に反比例することから、
電位傾度を向上することによりフィルム厚さの削減が可
能となり、それによりコンデンサの小型化が実現でき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のフィルムコンデ
ンサ用ポリエステルフィルムは、フィルム製造工程およ
びコンデンサ製造工程におけるフィルムの取扱い作業性
を確保するため、一般的にはフィルム中に不活性な無機
あるいは有機の微粒子を存在させ、フィルム表面に凹凸
を付与している。すなわち、フィルム表面に凹凸を形成
することによりフィルム表面の滑り性を改善し、蒸着時
やコンデンサの巻取時等におけるフィルムの巻じわ等の
発生を抑制することができるものである。
【0004】しかしながら、フィルム表面の凹凸によ
り、巻き重ねられたフィルム層間に隙間が生じ、これに
より電極端部でのコロナ放電が誘起され、耐電圧が低下
すると共に、静電容量も低下するという問題点を抱えて
いた。また、フィルム中の不活性粒子近傍ではボイドを
生じ易く、フィルムの耐電圧の低下の原因となる。
【0005】本発明は上記事情に鑑み、電気特性に優
れ、かつコンデンサ製造時の作業性を低下することなく
小型,軽量,低コストを図ることができるポリエステル
フィルムコンデンサの提供を目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記目的を達
成するため、下記の(数3)で定義されるマイクロメータ
法と重量法とのフィルム厚さの差を示すΔdが1.0μm以
下のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、その厚
さ(t)が0.01〜2μmの塗布層を設けたものを誘電体と
して用い、前記塗布層が下記の(数4)を満足する粒子を
0.1〜20重量%含有する水溶性および/または水分散性
樹脂からなることを特徴とする。
【0007】
【数3】Δd=dM−dWMは、10枚重ねマイクロメータ法フィルム厚さ(μm) dWは、重量法フィルム厚さ(μm)
【0008】
【数4】0.5≦D/t≦3 Dは、粒子の平均粒径(μm) tは、塗布層の厚さ(μm)
【0009】
【作用】本発明によれば、電気特性および滑り特性が共
に優れたコンデンサ用ポリエステルフィルムについて鋭
意検討を重ねた結果、特定の平滑なポリエステルフィル
ムの表面に特定の塗布層を設けることにより、フィルム
製造工程およびコンデンサ製造工程において優れた作業
性を有し、かつこの塗布層を有するポリエステルフィル
ムを用いたコンデンサ素子が優れた電気特性を発揮し得
るものである。
【0010】
【実施例】本発明におけるポリエステルフィルムのポリ
エステルとは、その構成単位の80モル%以上がエチレン
テレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、あ
るいは、その構成単位の80モル%以上がエチレンナフタ
レートであるポリエチレンナフタレート、あるいは、そ
の構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘ
キサンジメチレンテレフタレートである。上記の優位構
成成分以外の共重合成分としては、例えば、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどのジオール成分、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸および
そのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分、オ
キシ安息香酸およびそのエステル形成性誘導体などのオ
キシモノカルボン酸などを用いることができる。
【0011】本発明のポリエステルフィルムは、フィル
ム表面の突起を形成する添加粒子,析出粒子,その他の
触媒残渣を、後述するコンデンサの特性を悪化させない
範囲内で含有していてもよい。しかしながら、添加粒子
の量は0.5重量%以下、好ましくは0.25重量%以下、さ
らに好ましくは0.1重量%以下であるべきである。粒子
の添加量が多いと後述のマイクロメータ法と重量法との
フィルム厚さの差を示すΔdの増大を来すのみならず、
フィルム中の不活性粒子近傍ではボイドを生じるため、
粒子の添加量が多いとフィルムの耐電圧特性を悪化させ
るので好ましくない。
【0012】また、上記の突起形成剤以外の添加剤とし
て、必要に応じて、帯電防止剤,安定剤,潤滑剤,架橋
剤,ブロッキング防止剤,酸化防止剤,着色剤,光線遮
断剤,紫外線吸収剤などをコンデンサ特性を悪化させな
い範囲内で含有していてもよい。
【0013】本発明のポリエステルフィルムは、最終的
に得られる特性が本発明の要件を満足する限り、多層構
造となっていても構わない。多層構造の場合、その一部
の層はポリエステル層以外のものであってもよい。
【0014】このようにして得られたポリエステルフィ
ルムのΔdは1.0μm以下、好ましくは0.6μm以下、さら
に好ましくは0.4μm以下、最も好ましくは0.2μm以下で
あることが必要である。Δdが1.0μmを越えるとコンデ
ンサにした際に、フィルム表面の凹凸により巻き重ねら
れたフィルム層間に隙間が生じ、これにより電極端部で
のコロナ放電が誘起され、耐電圧が低下すると共に、電
気容量も低下するため好ましくない。
【0015】本発明における塗布層は、粒子を含有する
水溶性および/または水分散性樹脂を主成分とする塗布
液を塗布後乾燥して得られる。水溶性および/または水
分散性樹脂としては、ポリエステル,ポリアミド,ポリ
スチレン,ポリカーボネート,ポリアリレート,ポリア
クリル,ポリ塩化ビニル,ポリビニルブチラール,ポリ
ビニルアルコール,フェノキシ樹脂ポリイミド,エポキ
シ樹脂,ポリウレタン,シリコーン系樹脂などの樹脂お
よびこれらの樹脂の共重合体や混合体などが挙げられる
が、最も好ましい樹脂は、ポリエステル系,ポリウレタ
ン系,ポリアクリル系の樹脂である。
【0016】係るポリエステル系樹脂を構成する成分と
して、以下のような多価カルボン酸および多価ヒドロキ
シ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
フタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カ
リウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p
−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エチレン
グリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピ
オン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチ
ロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロ
ピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの
化合物の中からそれぞれ適宜1つ以上選択して、ポリエ
ステル系樹脂を常法の重縮合反応によって合成する。
【0017】本発明におけるポリウレタン系樹脂を構成
する成分として、以下のようなポリオール,ポリイソシ
アネート,鎖長延長剤,架橋剤などを例示できる。
【0018】ポリオールの例としては、ポリオキシエチ
レングリコール,ポリオキシプロピレングリコール,ポ
リオキシプロピレントリオール,ポリオキシテトラメチ
レングリコールのようなポリエーテル類,ポリエチレン
アジペート,ポリエチレン−ブチレンアジペート,ポリ
プロピレンアジペート,ポリヘキシレンアジペート,ポ
リカプロラクトンのようなポリエステル類,アクリル系
ポリオール,ひまし油などが挙げられる。
【0019】ポリイソシアネートの例としては、トリレ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネートのような芳香族系ジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートのような脂肪族系ジイソシアネ
ートなどが挙げられる。
【0020】鎖長延長剤あるいは架橋剤の例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ト
リメチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジン、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジシクロヘ
キシルメタン、水などが挙げられる。
【0021】本発明におけるポリアクリル系樹脂として
は、アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレ
ートを主要な成分とするものが好ましく、該成分が30〜
90モル%であり、共重合可能でかつ官能基を有するビニ
ル単量体成分を70〜10モル%含有する水溶性あるいは水
分散性樹脂であることが好ましい。
【0022】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニル
単量体は、樹脂とポリエステルフィルムや樹脂とポリエ
ステルフィルムや、樹脂と金属蒸着層との接着性を良好
にしたり、あるいは他の塗布剤との親和性を良好にする
官能基を有するものが好ましい。好ましい官能基とは、
カルボキシル基またはその塩、酸無水物基、スルホン酸
基またはその塩、アミド基またはアルキロール化された
アミド基,アミノ基(置換アミノ基を含む)またはアルキ
ロール化されたアミノ基あるいはそれらの塩,水酸基,
エポキシ基などである。特に好ましいものは、カルボキ
シル基またはその塩,酸無水物基,エポキシ基などであ
る。これらの基は樹脂中に2種類以上含有されていても
よい。
【0023】アルキルアクリレートおよびアルキルメタ
クリレートのアルキル基の例としては、メチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,2−エチルヘキシル基,ラウリル基,ステアリル
基,シクロヘキシル基などが挙げられる。アルキルアク
リレートあるいはアルキルメタアクリレートと共重合す
る官能基を有するビニル単量体は、反応性官能基,自己
架橋性官能基,親水性基などの官能基を有する下記の化
合物類が使用できる。
【0024】カルボキシル基またはその塩、あるいは酸
無水物基を有する化合物としては、アクリル酸,メタク
リル酸,イタコン酸,マレイン酸,これらのカルボン酸
のナトリウムなどとの金属塩,アンモニウム塩あるいは
無水マレイン酸などが挙げられる。
【0025】スルホン酸基またはその塩を有する化合物
としては、ビニルスルホン酸,スチレンスルホン酸,こ
れらのスルホン酸のナトリウムなどとの金属塩,アンモ
ニウム塩などが挙げられる。
【0026】アミド基あるいはアリキロール化されたア
ミド基を有する化合物としては、アクリルアミド,メタ
クリルアミド,N−メチルメタクリルアミド,メチロー
ル化アクリルアミド,メチロール化メタクリルアミド,
ウレイドビニルエーテル,β−ウレイドイソブチルビニ
ルエーテル,ウレイドエチルアクリレートなどが挙げら
れる。
【0027】アミノ基またはアルキロール化されたアミ
ノ基あるいはこれらの塩を有する化合物としては、ジエ
チルアミノエチルビニルエーテル,2−アミノエチルビ
ニルエーテル,3−アミノプロピルビニルエーテル,2
−アミノブチルビニルエーテル,ジメチルアミノエチル
メタクリレート,ジメチルアミノエチルビニルエーテ
ル,それらのアミノ基をメチロール化したもの,ハロゲ
ン化アルキル,ジメチル硫酸,ルトンなどにより4級化
したものなどが挙げられる。
【0028】水酸基を有する化合物としては、β−ヒド
ロキシエチルアクリレート,β−ヒドロキシエチルメタ
クリレート,β−ヒドロキシプロピルアクリレート,β
−ヒドロキシプロピルメタクリレート,β−ヒドロキシ
ビニルエーテル,5−ヒドロキシペンチルビニルエーテ
ル,6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル,ポリエチ
レングリコールモノアクリレート,ポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート,ポリプロピレングリコールモ
ノアクリレート,ポリプロピレングリコールモノメタク
リレートなどが挙げられる。
【0029】エポキシ基を有する化合物としては、グリ
シジルアクリレート,グリシジルメタクリレートなどが
挙げられる。
【0030】さらに上記以外に、次に示すような化合物
を併用してもよい。すなわち、アクリロニトリル,スチ
レン類,ブチルビニルエーテル,マレイン酸モノあるい
はジアルキルエステル,フマル酸モノあるいはジアルキ
ルエステル,イタコン酸モノあるいはジアルキルエステ
ル,メチルビニルケトン,塩化ビニル,塩化ビニリデ
ン,酢酸ビニル,ビニルピリジン,ビニルピロリドン,
ビニルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0031】本発明における塗布液は、安全衛生上、水
を媒体とする塗布液であることが望ましいが、本発明の
要旨を越えない範囲内で、水溶性あるいは水分散性樹脂
の助剤として有機溶剤を含有していてもよい。
【0032】本発明における水溶性または水分散性樹脂
は、界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤であ
ってもよいが、好ましくはポリエーテル類のような親水
性のノニオン成分や、4級アンモニウム塩のようなカチ
オン性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好ま
しくはアニオン性基を有する水溶性または水分散性の塗
布剤である。アニオン性基を有する水溶性または水分散
性の塗布剤とは、アニオン性基を有する化合物を共重合
やグラフトなどにより樹脂に結合させたものであり、ス
ルホン酸,カルボン酸,リン酸およびそれらの塩等か
ら、適宜選択される。
【0033】アニオン性基を有する水溶性または水分散
性の塗布剤のアニオン性基の量は、0.05〜8重量%が好
ましい。アニオン性基の量が0.05重量%未満では樹脂の
水溶性あるいは水分散性が悪く、アニオン性基の量が8
重量%を越えると、塗布後の下塗り層の耐水性が劣った
り、吸湿してフィルムが相互に固着したりするので好ま
しくない。
【0034】塗布層の厚さは、最終的な乾燥後の厚さ
で、0.01〜2μmの範囲、好ましくは0.02〜1μmの範
囲、さらに好ましくは0.03〜0.2μmの範囲であるべきで
ある。塗布層の厚さは、コンデンサの小型化の要請から
も薄くするのが望ましいが、塗布層の厚さが0.01μm未
満の場合には均一な塗布層が得がたいため、製品に塗布
むらが生じやすく不適当である。また、塗布層の厚さが
厚くなると、塗布層に含まれる粒子の平均粒径を大きく
しないと工程におけるフィルムの取扱い作業性を確保す
ることが難しくなるが、この場合、塗布層表面の凹凸が
大きくなり、フィルムを捲回してコンデンサとしたとき
巻き重ねられたフィルム層間に隙間が生じ、これにより
電極端部でのコロナ放電が誘起されて耐電圧が低下する
と共に、静電容量も低下するため好ましくない。
【0035】本発明においては、フィルム製造工程およ
びコンデンサ製造工程におけるフィルムの取扱い作業性
を改良するために、塗布層中に特定の粒径の粒子を含有
させる。
【0036】塗布層中の粒子の平均粒径D(μm)は、塗
布層の厚さをt(μm)としたとき、下記の(数5)の関係
を満足する必要があり、好ましくは下記の(数6)の関係
を、さらに好ましくは下記の(数7)の関係を満足する必
要がある。
【0037】
【数5】0.5≦D/t≦3 Dは、粒子の平均粒径(μm) tは、塗布層の厚さ(μm)
【0038】
【数6】0.7≦D/t≦2.5 Dは、粒子の平均粒径(μm) tは、塗布層の厚さ(μm)
【0039】
【数7】0.8≦D/t≦2.0 Dは、粒子の平均粒径(μm) tは、塗布層の厚さ(μm) D/tの値が0.5未満になると、フィルム製造工程およ
びコンデンサ製造工程におけるフィルムの取扱い作業性
を改良する効果が十分でなく、好ましくない。また、D
/tの値が3.0を越えると、粒子の脱落によるコンデン
サ性能の低下が認められるので好ましくない。
【0040】塗布層中の粒子の含有量は、好ましくは0.
1〜20重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜15重
量%、最も好ましくは1〜10重量%の範囲である。塗布
層中の粒子の含有量が0.1重量%未満であると、フィル
ム製造工程およびコンデンサ製造工程におけるフィルム
の取扱い作業性を改良する効果、特にメタライズドフィ
ルムコンデンサに特有の蒸着フィルムと塗布層面が接
触,捲回する際の作業性を改良する効果が十分でなく、
好ましくない。塗布層中の粒子の含有量が20重量%を越
えると、粒子の脱落によるコンデンサ性能の低下が認め
られるので好ましくない。
【0041】塗布層中に添加する粒子の種類としては、
無機粒子,有機粒子などが使用できる。無機粒子として
は、シリカ,シリカゾル,アルミナ,アルミナゾル,ジ
ルコニウムゾル,カオリン,タルク,炭酸カルシウム,
リン酸カルシウム,酸化チタン,硫酸バリウム,カーボ
ンブラック,硫化モリブデン,酸化アンチモンゾルなど
を、有機粒子としては、ポリスチレン,ポリエチレン,
ポリアミド,ポリエステル,ポリアクリル酸エステル,
エポキシ樹脂,ポリ酢酸ビニルまたはポリ塩化ビニル等
の単独または共重合体などからなる架橋剤を含むあるい
は含まない微粒子,シリコーン樹脂,フッ素樹脂などの
微粒子が挙げられる。なお、有機粒子は粒子の熱変形の
少ない架橋高分子からなる粒子であることが望ましい。
架橋高分子からなる粒子としては、例えば、分子中に1
個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合物と架
橋剤として、分子中に2個以上の脂肪族の不飽和結合を
有する化合物との共重合体を例示できるが、これらに限
定されるわけではなく、例えば、熱硬化性フェノール樹
脂,熱硬化性エポキシ樹脂,熱硬化性尿素樹脂,ベンゾ
グアナミン樹脂等も挙げることができる。また、本発明
における有機粒子は多層構造になっていても構わない。
【0042】本発明における塗布層中に添加する粒子の
形状は、球状,塊状,偏平状等のいずれであってもよ
い。
【0043】本発明における塗布層中に添加する粒子の
粒度分布は単分散に近いものが好ましい。その粒度分布
値は、好ましくは1.60以下であり、さらに好ましくは1.
50以下、最も好ましくは1.40以下である。ここで粒度分
布値はD25/D75(D25,D75はそれぞれ粒子群の積算
体積を大粒子側から計測し、それぞれ総体積の25%,75
%に相当する粒径(μm))で定義される。
【0044】本発明における塗布液には、塗布層の固着
性(ブロッキング性),耐水性,耐溶剤性,機械的強度等
の改良のために、架橋剤として、イソシアネート系化合
物,エポキシ系化合物,アミン系化合物,アジリジン化
合物,シランカップリング剤,チタンカップリング剤,
ジルコ−アルミネート系カップリング剤,過酸化物,熱
および光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有
していてもよい。
【0045】さらに必要に応じて、消泡剤,塗布性改良
剤,増粘剤,帯電防止剤,有機系潤滑剤,酸化防止剤,
紫外線吸収剤,発泡剤,染料,顔料等を含有していても
よい。
【0046】ポリエステルフィルムに塗布層を形成する
方法としては、原崎勇次著 槇書店1979年発行の「コー
ティング方式」に示されるリバースロールコーター,グ
ラビアコーター,ロッドコーター,エアドクターコータ
ーあるいはこれら以外の塗布装置を用いて、二軸延伸ポ
リエステルフィルム製造工程外で塗布層を形成する方
法、さらに好ましくは、二軸延伸ポリエステルフィルム
製造工程内で塗布層を形成する方法が挙げられる。二軸
延伸ポリエステルフィルム製造工程内で塗布層を形成す
る方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに塗布液
を塗布し、逐次あるいは同時に二軸延伸する方法、一軸
延伸されたポリエステルフィルムに塗布液を塗布し、そ
の後先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あ
るいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布液を塗布
し、その後横および/または縦方向に延伸する方法など
がある。
【0047】上述の延伸は、好ましくは60〜180℃で行
われ、延伸倍率は面積倍率で少なくとも4倍以上、好ま
しくは6〜20倍である。
【0048】延伸されたフィルムは150〜250℃で熱処理
される。このとき、熱処理の最高温度ゾーンおよび/ま
たは熱処理出口のクーリングゾーンにて、縦方向および
/または横方向に0.2〜20%弛緩することが望ましい。
【0049】特に、60〜180℃にてロール延伸法により
2〜6倍延伸された一軸延伸ポリエステルフィルムに塗
布液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるいは施さず、一
軸延伸ポリエステルフィルムを直ちに先の延伸方向とは
直角の方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、150〜250
℃で1〜600秒間熱処理を行う方法が好ましい。
【0050】本方法によるならば、延伸と同時に塗布層
の乾燥が可能となると共に、塗布層の厚さを延伸倍率に
応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルム基材
として好適なフィルムを比較的安価に製造できる。
【0051】本発明における塗布層は、ポリエステルフ
ィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成して
もよい。片面のみに形成した場合、その反対面には本発
明における塗布層以外のものを必要に応じて形成し、本
発明のポリエステルフィルムに他の特性を付与すること
もできる。
【0052】なお、塗布剤のフィルム表面への塗布性,
接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や
放電処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸ポリ
エステルフィルムの塗布層の接着性,塗布性などを改善
するために、塗布層形成後に塗布層に放電処理等を施し
てもよい。
【0053】また、上記のように形成された塗布層表面
の中心線平均粗さ(Ra)は、好ましくは0.005〜0.5μmの
範囲であり、さらに好ましくは0.02〜0.3μmの範囲であ
り、最も好ましくは0.05〜0.1μmの範囲である。塗布層
表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.005μm未満ではフィル
ム表面の滑り性が不十分であるため、蒸着時やコンデン
サの巻取時等におけるフィルムへの巻じわ等の発生を抑
制することができない等、作業性に問題が生ずる。一
方、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.5μmを越え
るとフィルム表面の凹凸が大きくなり、フィルムを捲回
してコンデンサとしたとき、巻き重ねられたフィルム層
間に隙間が生じ、これにより電極端部でのコロナ放電が
誘起されて耐電圧が低下すると共に、静電容量も低下す
るため好ましくない。
【0054】本発明のポリエステルフィルムの厚さは、
wで5〜25μmの範囲にあることが望ましい。フィルム
の厚さがdwで25μmを越えると、コンデンサ製造時の巻
取,熱プレス等作業に支障を来すため、好ましくない。
また、フィルムの厚さがdwで5μm未満では負荷可能な
電圧が低くなることから、フィルム表面でのコロナ放電
による影響で出にくくなり、耐圧改善効果が減少する。
【0055】このようにして得られたポリエステルフィ
ルムの片面に金属を蒸着したものを2枚重ね合わせて捲
回(両面メタライズドポリエステルフィルムと本発明の
ポリエステルフィルムを含む他のフィルムとの捲回も含
む)して、または多数枚積層してコンデンサ素子を作
り、常法にしたがって、例えば、熱プレス,テーピン
グ,メタリコン溶射,電圧処理,リード線取り付け,外
装などを行なってコンデンサとすることができるが、こ
れらに限定されるわけではない。
【0056】以下、本発明の各実施例をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、実施例
中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比較
例中に、「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0057】(1) Δdの測定 十枚重ねマイクロメータ法フィルム厚さ(dM(μm)) JIS B-7502に準拠した。測定力が700±100gf、最小表示
量が0.001mmのマイクロメータを用い、フィルムを10枚
重ねて測定した値を10で除してdM(μm)とする。
【0058】重量法フィルム厚さ(dW(μm)) フィルムを10cm角に切り出し、電子天秤(メトラー社製)
にて測定した重量W(g)より、下記の(数8)で求めた。
【0059】
【数8】dW=100・W/ρ dWは、重量法フィルム厚さ(μm) Wは、10cm角のフィルムの重量(g) ρは、フィルムの密度(g/cm3) の測定結果より、Δdを下記の(数9)にて算出す
る。
【0060】
【数9】Δd=dM−dWMは、10枚重ねマイクロメータ法フィルム厚さ(μm) dWは、重量法フィルム厚さ(μm) (2) 中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所製の表面粗さ測定器(SE−3F)を用い
て、次のようにして求めた。すなわち、中心線平均粗さ
(Ra)は、フィルム断面曲線からその中心線方向に基準
長さL(2.55mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の
中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として、粗さ曲線y
=f(x)で表したとき、下記の(数10)で示される。評価
に際しては、1点の試料フィルム表面について10本の断
面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部
分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先
端半径は2μm、荷重は30mgfとし、カットオフ値は0.8
mmとした。
【0061】
【数10】
【0062】(3) 滑り性(μd(F/F))および滑り性(μ
d(F/MF)) 平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切り出した
フィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板を載せ、さら
にその上に荷重を載せ、2枚のフィルムの接圧を2g/c
m2として、20mm/minの速さで上側のフィルムを引張っ
てフィルム同士を滑らせ摩擦力を測定した。5mm滑らせ
た点での摩擦係数をμd(F/F)とし、以下の(表1)に
示す基準にて判定した。
【0063】同様にして、フィルムとメタライズドフィ
ルムとを重ね合わせて、μd(F/MF)を測定し、以下
の(表1)に示す基準にて判定した。
【0064】
【表1】
【0065】(4) コンデンサの工程作業性 コンデンサの巻取工程での歩留により、下記の(表2)に
示す基準にて評価した。
【0066】
【表2】
【0067】(5) 耐電圧特性(kv) JIS C−2318に準じて測定を行った。すなわち、10
kV直流耐電圧試験機を用い、20℃、65%RHの雰囲気下
にて100V/秒の昇圧速度で上昇させ、フィルムが破壊
して短絡に至ったときの電圧を読み取った。
【0068】(6) コンデンサの静電容量(μF) 20℃、65%RHの雰囲気下にて、ゼネラルラジオ社製の
「RLCデジブリッジ」を用い、1kHz、0.3Vrmsの条
件下にて測定を行った。
【0069】(7) 静電容量の変化(%) コンデンサの電極間に、70V/μmの直流電圧を印加し
つつ温度105℃の雰囲気下に1000時間放置し、初期静電
容量を基準とする静電容量変化率を求めた。すなわち、
1000時間後の静電容量値から初期の静電容量値を差し引
いた値を初期の静電容量値で除して百分率で表記した。
【0070】以下に、説明する実施例1ないし実施例
5,比較例1ないし比較例6に関するベースフィルムと
塗布層については、下記(表3)に示す数値例により、ま
た、基材フィルムとコンデンサについては、下記(表4)
に示す評価(○△×印)と電気特性が得られた。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】(実施例1) (ポリエステルフィルムの製造)定法に従い、実質的に添
加粒子を含有しない固有粘度0.66のポリエチレンテレフ
タレートを290℃で溶融押し出しし、無定形シートとし
た後、縦方向に90℃で4.2倍延伸した。さらにその後、
官能基としてカルボン酸アンモニウム塩を有する水分散
型ポリエステルポリウレタンA(大日本化学工業社製、
商品名ハイドランAP40)95部(固形分重量、以下同
様)、平均粒径0.07μmのシリカゾル5部からなり、水を
媒体とする塗布液をフィルムの両面に塗布し、次いで、
横方向に110℃で3.9倍延伸し、230℃で熱処理を行い、
塗布層の厚さ0.06μm、基材ポリエステルフィルムの10
枚重ねマイクロメータ法フィルム厚さ(dM)が12μm、Δ
dが0.1μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0074】(コンデンサの製造)得られたフィルムの片
面上に抵抗加熱型金属蒸着装置を用いて、真空室内の圧
力を1.33×10~2Pa以下としてアルミニウムを450Åの厚
みに蒸着した。その際、ポリエステルフィルムの長手方
向にマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着
部の幅22mm、マージン部の幅4mmの繰り返し)。得られ
たメタライズドポリエステルフィルムは、左または右に
幅2mmのマージン部を有する13mm幅のテープ状にスリッ
トした。
【0075】得られた左マージンおよび右マージンのメ
タライズドポリエステルフィルム (各1.0m長のもの)1
枚づつを合せて捲回し、捲回体を得た。このとき、幅方
向に蒸着部分が0.5mmずつはみ出すように2枚のフィル
ムをずらして捲回した。この捲回体を温度110℃、圧力2
0kg/cm2で5分間プレスし偏平状とした後、その両端面
にメタリコンを溶射して取り出し電極部を形成した。こ
の取り出し電極部にリード線を溶接した後、PBT樹脂
からなるケース中に挿入し、ウレタン樹脂を注型,硬化
することにより外装を形成し、フィルムコンデンサとし
た。
【0076】(実施例2) (実施例1)において、塗布層の添加粒子として平均粒径
0.1μmであるシリカゾルを用いること以外は(実施例1)
と同様にしてメタライズドポリエステルフィルムコンデ
ンサを得た。
【0077】(実施例3) (実施例1)において、塗布層の厚さを0.1μm、シリカゾ
ルの平均粒径を0.1μmとすること以外は(実施例1)と同
様にしてメタライズドポリエステルフィルムコンデンサ
を得た。
【0078】(実施例4) (実施例1)において、塗布層の厚さを0.07μm、シリカ
ゾルの代わりに平均粒径が0.1μmの架橋ポリスチレン粒
子を用いること以外は(実施例1)と同様にしてメタライ
ズドポリエステルフィルムコンデンサを得た。
【0079】(実施例5) (実施例1)において、塗布液としてメチルメタクリレー
ト,イソブチルメタクリレート,アクリル酸,メタクリ
ル酸およびグリシジルメタクリレートを主成分とし、カ
ルボン酸塩基がアンモニアで中和され水溶化されたアク
リル樹脂(日本純薬製、商品名ジュリマーAT−M915)9
5部、平均粒径0.07μmのシリカゾル5部からなり、水を
媒体とする塗布液を塗布すること以外は、(実施例1)と
同様にしてメタライズドポリエステルフィルムコンデン
サを得た。
【0080】(比較例1) (実施例1)において、平均粒径1.2μmのシリカ粒子を0.
3%含有する固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレー
トを290℃で溶融押し出しすること以外は(実施例1)と
同様にしてメタライズドポリエステルフィルムコンデン
サを得た。
【0081】(比較例2) (実施例1)において、塗布層を設けないこと以外は(実
施例1)と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得
られたポリエステルフィルムは滑り性が悪く、実用に供
し得なかった。
【0082】(比較例3) (実施例1)において、官能基としてカルボン酸アンモニ
ウム塩を有する水分散型ポリエステルポリウレタンA
(大日本化学工業社製、商品名ハイドランAP40)100部
からなり、水を媒体とする塗布剤を塗布すること以外は
(実施例1)と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは滑り性が悪く、実用に
供し得なかった。
【0083】(比較例4) (実施例1)において、塗布層の厚さを3μm、シリカゾ
ルの平均粒径を0.1μmとする以外は(実施例1)と同様に
してメタライズドポリエステルフィルムを得た。得られ
たポリエステルフィルムは滑り性が悪く、実用に供し得
なかった。
【0084】(比較例5) (実施例1)において、シリカゾルの平均粒径を0.02μm
とする以外は(実施例1)と同様にしてメタライズドポリ
エステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィル
ムは滑り性が悪く、実用に供し得なかった。
【0085】(比較例6) (実施例1)において、塗布層の添加粒子の量を0.05部、
ポリウレタンAを99.96部とする以外は(実施例1)と同
様にしてメタライズドポリエステルフィルムコンデンサ
を得た。
【0086】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、特定の平滑なポリエステルフィルムの表面に
特定の塗布層を設けることにより、フィルム製造工程お
よびコンデンサ製造工程における作業性を低下させるこ
となく、この塗布層を有するポリエステルフィルムの電
位傾度を向上することが可能となった。
【0087】これにより、生産性を低下させることな
く、メタライズドフィルムコンデンサの大幅な小型,軽
量,低コスト化を図ることができ、その産業利用上の効
果は大なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 信一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイルヘキスト株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(数1)で定義されるマイクロメー
    タ法と重量法とのフィルム厚さの差を示すΔdが1.0μm
    以下のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、その
    厚さ(t)が0.01〜2μmの塗布層を設けたものを誘電体
    として用い、前記塗布層が下記の(数2)を満足する粒子
    を0.1〜20重量%含有する水溶性および/または水分散
    性樹脂からなることを特徴とするポリエステルフィルム
    コンデンサ。 【数1】Δd=dM−dWMは、10枚重ねマイクロメータ法フィルム厚さ(μm) dWは、重量法フィルム厚さ(μm) 【数2】0.5≦D/t≦3 Dは、粒子の平均粒径(μm) tは、塗布層の厚さ(μm)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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