JPH0632270U - 運搬用台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、牽引車で牽引走行する複数台の連結
台車のカーブ走行を小さな円弧軌跡で走行可能とし、ま
た、直進走行時における台車の「く」の字に曲がった停
止を防止することを目的とするものである。 【構成】前後４車輪の台車において、前輪車軸３ａ並び
に後輪車軸４ａを台車２ａ、２ｂの幅方向の中心部で回
転軸６により左右方向に回転可能に取り付け，前記前輪
車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂの回転軸６間を結ぶ直線を
軸とする線対称位置を連結棒で結合し、前記前輪車軸３
ａに台車連結部材５ａを固設した構成を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、牽引車によって牽引される運搬用台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

工場内では各種の部品や工作物を運搬するために図３で示すように、牽引車１ で１台又は複数台の台車２ａ、２ｂを連結してフロア上を走行している。

【０００３】 この台車２ａ、２ｂは図４で示すように前後４車輪３、４であり、前輪３は前 輪車軸３ａを台車２ａ、２ｂの幅方向の中心部で回転軸６により左右方向に回転 可能に取り付けて操舵可能とし、後輪４は後輪車軸４ａを台車２ａ、２ｂにブラ ケットを介して固定したものである。そして、台車２ａ、２ｂの前後端に台車連 結部材５が固設され、先頭の台車２ａは牽引車１に連結し、先頭の台車２ａ以後 の台車２ｂは台車２ａ、２ｂ間を連結して走行する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の運搬用台車においては、台車を２台以上連結して牽引する 場合、カーブ走行では大きな円弧軌跡線となり、曲がり角では広い床スペースが 必要である。また、台車停止時には台車が「く」の字に曲がって停止する不具合 があり、直線上に停止させるには長い距離を必要としている。

【０００５】 本考案の目的は、上記従来の問題点を解消した運搬用台車を提供することであ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の特徴とする構成は、前後４車輪の台車に おいて、台車の幅方向の中心部で回転軸により左右方向に回転可能に取り付けた 前輪車軸並びに後輪車軸と、前記前輪車軸並びに後輪車軸の回転軸間を結ぶ直線 を軸とする線対称位置の前輪車軸並びに後輪車軸を結合した連結棒と、前記前輪 車軸に固設した台車連結部材とを備えたものである。

【０００７】

【作用】

上記の構成により、前輪の操舵により連結棒を介して後輪車軸を前輪車軸の操 舵方向とは反対方向に舵角を付与し、小さな円弧軌跡でカーブ走行を可能とし、 台車の停止時には「く」の字の停止を防止するものである。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１において、１は牽引車、 ２ａ、２ｂは台車であり、前輪３と後輪４との４輪を備えている。この前輪３の 前輪車軸３ａと後輪４の後輪車軸４ａは、台車２ａ、２ｂの幅方向の中心部で回 転軸６により左右方向に回転可能に取り付けられている。

【０００９】 前記前輪車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂの回転軸６間を結ぶ直線を軸とする線対 称位置の前輪車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂを連結棒７によって結合する。すなわ ち、図示のように、台車２ａ、２ｂの進行方向において、前輪車軸３ａの左端に 連結棒７の前端を結合し、後輪車軸４ａの右端に連結棒７の後端を結合する。尚 、前輪車軸３ａの右端に連結棒７の前端を結合し、後輪車軸４ａの左端に連結棒 ７の後端を結合してもよい。

【００１０】 さらに、前輪車軸３ａには前方台車連結部材５ａを固定し、また、台車２ａ、 ２ｂの後端には後方台車連結部材５ｂを固定する。尚、後方台車連結部材５ｂに 代えて、連結ピンを台車２ａ、２ｂの後端部に設けてもよい。

【００１１】 本考案は上記の通りの構造であるから、先頭の台車２ａを、その前方台車連結 部材５ａを介して牽引車１に連結し、この台車２ａに後続の台車２ｂを、その前 方台車連結部材５ａと先頭の台車２ａの後方台車連結部材５ｂとを介して連結し 、さらに後続の台車がある場合は、上記の要領で任意複数台の台車を連結する。

【００１２】 上記の連結状態で牽引車１によって台車２ａ、２ｂを牽引走行させるが、直線 走行では前輪車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂは進行方向の軸線に対し直角な軸線で 平行して直進する。

【００１３】 また、カーブ走行では先ず牽引車１が操舵され方向を変更する。これに伴って 先頭の台車２ａの前方台車連結部材５ａが牽引車１の操舵方向に旋回し、前輪車 軸３ａを牽引車１の操舵方向と同方向に旋回して前輪３を牽引車１と同方向に舵 角を付与する。このとき、連結棒７により後輪車軸４ｂを前輪車軸３ａの旋回方 向とは逆の方向に旋回し後輪４を前輪３とは逆位相に操舵する。

【００１４】 これにより、台車２ａは前輪３と後輪４の逆位相による小さな円弧軌跡でカー ブを走行し、この先頭の台車２ａの旋回走行により後続の台車２ｂの前方台車連 結部材５ａを旋回し、後続の台車２ｂの前輪車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂを先頭 の台車２ａと同様に逆位相で操舵し、先頭の台車２ａと同じ円弧軌跡を走行移動 する。

【００１５】 また、直進走行で停止したときには、慣性によって台車２ａ、２ｂが「く」の 字に曲がって停止しようとするが、前輪車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂは連結棒７ で連結されているため、前輪車軸３ａ並びに後輪車軸４ｂは直進状態の平行な軸 線を保持し、「く」の字に曲がって停止することがなく、直線上で短い距離で停 止する。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案は、前後４車輪の台車において、台車の幅方向の中心部で 回転軸により左右方向に回転可能に取り付けた前輪車軸並びに後輪車軸と、前記 前輪車軸並びに後輪車軸の回転軸間を結ぶ直線を軸とする線対称位置の前輪車軸 並びに後輪車軸を結合した連結棒と、前記前輪車軸に固設した台車連結部材とを 備えた構成であるから、連結台車は小さな円弧軌跡でカーブ走行を可能とし、か つ直進走行時における台車の「く」の字に曲がった停止を防止する利点を有して いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の直進走行状態の下面図

【図２】本考案のカーブ走行状態の下面図

【図３】従来の直進走行状態の側面図

【図４】図３の下面図

【符号の説明】

１ 牽引車 ２ａ 台車 ２ｂ 台車 ３ 前輪 ３ａ 前輪車軸 ４ 後輪 ４ａ 後輪車軸 ５ａ 前方台車連結部材 ５ｂ 後方台車連結部材 ６ 回転軸 ７ 連結棒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後４車輪の台車において、台車の幅方
   向の中心部で回転軸により左右方向に回転可能に取り付
   けた前輪車軸並びに後輪車軸と、前記前輪車軸並びに後
   輪車軸の回転軸間を結ぶ直線を軸とする線対称位置の前
   輪車軸並びに後輪車軸を結合した連結棒と、前記前輪車
   軸に固設した台車連結部材とを備えたことを特徴とする
   運搬用台車。