JPH06319933A - 吸着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の不活性ガスを用いて脱着を短時間に安
全・確実に行うことのできる吸着装置を提供する。 【構成】 吸着剤５を内包する二重円筒金網状バスケッ
ト６を有する吸着装置１において、前記バスケット６内
に吸着剤５を加熱・冷却するためのＵ字又はら旋状の伝
熱管２を設けたものであり、また、前記金網状バスケッ
ト６の外側に、脱着用不活性ガス加熱器４を内蔵させる
こともでき、更に、前記伝熱管に加熱媒体と冷却媒体を
通す配管系統を接続し、該系統内に、空気導入管と媒体
抜き出し管を設けることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、吸着装置に係り、特に
脱着時に吸着剤層の乾式加熱・冷却を必要とする吸着装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から公知の吸着塔を図７に示す。図
７において、吸着塔１は、吸着剤層５が内包された二重
円筒金網状バスケット６からなり、３は外胴ジャケット
である。上記の図７のような吸着塔は、加熱・冷却媒体
として十分な熱流量を有する空気流量が利用できる場合
は、バスケット内の吸着剤と空気流を直接接触させるこ
とによって目的を果たせたが、ケトン類・エステル類の
様な分解性の有機溶剤成分等を吸着した吸着剤層５で
は、高温空気を大流量流すことは安全対策上許されな
い。このような吸着剤層の場合、次のような問題点が挙
げられる。

【０００３】（１）上記の場合、不活性ガス（例、窒素
ガス）をキャリヤガスとして、溶剤成分を脱着させる必
要があるが、ユーティリティーコストを節減するため風
量を少なくすると共に、溶剤濃度を高めて脱着時間を短
縮しなければならない。しかし、溶剤の分解等に影響の
ない程度の温度制約内で且つ小流量の不活性ガスでは、
直接通気による熱交換量は小さく、加熱・冷却に必要な
時間は長くなる。 （２）（１）の不活性ガス使用の場合、不活性ガスの温
度は小流量の不活性ガス加熱器で加熱しても、経路が長
いと放熱ロスのためバスケットに到達する前に冷え、脱
着の効果が損なわれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような問題点を解決し、少量の不活性ガスで脱着を
短時間に安全、確実に行なうことのできる吸着装置を提
供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、吸着剤を内包する二重円筒金網状バス
ケットを有する吸着装置において、前記バスケット内に
吸着剤を加熱・冷却するためのＵ字又はら旋状の伝熱管
を設けたこととしたものである。上記の吸着装置におい
ては、金網状バスケットの外側に、脱着用不活性ガス加
熱器を内蔵させることができ、また、伝熱管には加熱媒
体と冷却媒体を通す配管系統を接続し、該系統内に、空
気導入管と媒体抜き出し管を設けることもできる。

【０００６】

【作用】本発明では、従来の高温空気による吸着剤加熱
に対して、バスケット内の吸着剤層に伝熱管を設けたこ
とにより、吸着剤層に加熱・冷却媒体によって間接的に
加熱・冷却する機能を持たせることができ、また、加熱
器を吸着装置に内蔵することによって、従来の不活性ガ
ス経路が長い装置とは異なり、不活性ガスの加熱器出口
から吸着塔までの放熱等による温度低下を防ぐことがで
きた。

【０００７】更に、加熱・冷却部の系統内に加圧又は常
圧導入による媒体抜き出し機構を設けたことにより、脱
着時の急速加熱、吸着待機のための急速・冷却で、加熱
から冷却、冷却から加熱に切り変える際に、伝熱管の熱
ショックによるハンマリングが起こるのを防止すること
ができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例１ 図１、３、５は、本発明の吸着塔の一例を示す断面説明
図であり、図２、４は図１、３のＡ−Ａ断面図を示す。
図１において、１は吸着塔、２は吸着剤層伝熱管でここ
ではＵ字管であり、３は外胴ジャケット、５は吸着剤
層、６は二重円筒金網状バスケットを示し、伝熱管２の
Ｕ字管には、冷却又は加熱媒体の入口７、出口８が接続
されている。

【０００９】図３は、図１における吸着剤層伝熱管２が
ら旋状である点を除いて図１と同じである。また、図５
は、図３における吸着塔１の下部に不活性ガス加熱器４
を設けたものである。図６に本発明の吸着塔を用いた吸
・脱着操作の系統図を示す。

【００１０】次に、この図６を用いて本発明の吸着塔の
操作を説明する。なお、図１、３、５、７において、実
線の矢印は吸着時のガスの流れ、点線矢印は脱着時のガ
スの流れを示す。吸着破過に達した吸着塔の脱着操作と
して、吸着剤層の温度を常温から脱着に適切な温度に加
熱する場合、吸着層伝熱管２及びジャケット付きの場合
は外胴ジャケット３に残留している冷却媒体を、抜き出
し弁１１を開いて抜き出す。この場合、空気導入管１７
及びベント弁１８を開いて媒体抜き出しを容易にする。
抜き出した冷却媒体は冷却媒体タンク９に戻し、次の冷
却媒体に備える。

【００１１】図１、図３において、吸着塔本体１の金網
付きバスケット６に加熱・冷却用伝熱管２を設け、この
伝熱管２内に加熱・冷却媒体を媒体入口７から流すこと
によって、不活性ガス流量が少なくても吸着層の加熱・
冷却が十分行われるようにしている。操作としては、図
６に於いて加熱媒体弁１５を開き、伝熱管２及びジャケ
ット付きの場合はジャケット３に加熱媒体を流し加温す
る。加熱媒体が水蒸気等の気体であれば復水等として蒸
気ボイラ等に戻す。加熱媒体が液体であれば加熱媒体タ
ンクに戻し、次の加熱操作に備える。

【００１２】脱着が終了し脱着塔の冷却が必要な場合
は、上記の加熱媒体操作と同様に先ず加熱媒体を抜き出
し、伝熱管２に冷却媒体を流す。図５は不活性ガス加熱
器と吸着塔を一体化したもので、脱着操作時に不活性ガ
ス供給弁１２を開いて不活性ガス加熱器４を経由して、
吸着層５に不活性ガスを通気し、脱着成分を含んだ脱着
ガスとして回収装置に排気する。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、二重金網状バスケット内に吸
着剤を加熱・冷却する機能を有する伝熱管を設けること
によって、脱着用不活性ガスの流量を少なくとも十分吸
着剤層の加熱・冷却が可能となった。また、吸着塔と不
活性ガス加熱ヒーターを一体化することで、配管、弁等
の放熱損失及び熱容量を少なくし、脱着のための加熱・
冷却時間を短くする効果が得られた。更に、加熱・冷却
媒体の抜き出し管と空気導入管を設けたことにより、同
一脱着塔で高温流体と低温流体が混合するときの熱ショ
ック、ハンマリング等を防止できる効果が得られた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の吸着塔の一例を示す断面説明図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】本発明の吸着塔の他の例を示す断面説明図。

【図４】図３のＡ−Ａ断面図。

【図５】本発明の吸着塔のもう一つの例を示す断面説明
図。

【図６】本発明の吸着塔の吸・脱着操作の系統図。

【図７】従来の吸着塔の断面説明図。

【符号の説明】

１：吸着塔、２：吸着層伝熱管、３：外胴ジャケット、
４：不活性ガス加熱器、５：吸着剤層、６：二重円筒金
網状バスケット、７：媒体入口、８：媒体出口、９：冷
却媒体タンク、１０：加熱媒体タンク、１１、１２、１
３、１４、１５、１６、１７、１８：弁、

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸着剤を内包する二重円筒金網状バスケ
   ットを有する吸着装置において、前記バスケット内に吸
   着剤を加熱・冷却するためのＵ字又はら旋状の伝熱管を
   設けたことを特徴とする吸着装置。
2. 【請求項２】 前記金網状バスケットの外側に、脱着用
   不活性ガス加熱器を内蔵させたことを特徴とする請求項
   １記載の吸着装置。
3. 【請求項３】 前記伝熱管に加熱媒体と冷却媒体を通す
   配管系統を接続し、該系統内に、空気導入管と媒体抜き
   出し管を設けたことを特徴とする請求項１又は２記載の
   吸着装置。