JP3054062B2 - 精製器 - Google Patents

精製器

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JP3054062B2
JP3054062B2 JP7153452A JP15345295A JP3054062B2 JP 3054062 B2 JP3054062 B2 JP 3054062B2 JP 7153452 A JP7153452 A JP 7153452A JP 15345295 A JP15345295 A JP 15345295A JP 3054062 B2 JP3054062 B2 JP 3054062B2
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気分離装置や各種
精製装置に用いられるサーマルスイング式吸着塔等の精
製器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子工業では極めて多量のガス(例えば
半導体基板のパージ用ガスとしての窒素ガス)が使用さ
れている。このような窒素ガスを製造する装置として
は、一般に、空気分離装置がある。この空気分離装置
は、空気を原料とし、これを空気圧縮機で圧縮したの
ち、吸着塔に入れて炭酸ガスおよび水分を吸着除去し、
さらに熱交換器を通して冷媒と熱交換させて冷却し、つ
いで精留塔で深冷液化分離して製品窒素ガスを製造し、
これを前記の熱交換器を通して常温近傍に温度上昇させ
るという工程を経て、窒素ガスを製造するものである。
このような空気分離装置に用いられる吸着塔や、各種ガ
スの精製装置に用いられる吸着塔として、従来から、図
13および図14に示すようなものがある。このもの
は、略円筒状に形成された圧力容器81を備え、この圧
力容器81の内部空間で形成される空気等のガスの通路
82に、モレキュラーシーブ,アルミナ等の吸着剤を充
填した吸着容器83を配設し、ガスを吸着剤に接触させ
ることにより、ガス中の不純ガス分を除去するようにし
たものであり、耐圧部材からなる外壁の外周部にロック
ウール,グラスウール等の断熱材からなる断熱層84を
設けることで断熱構造としている。図において、81a
は圧力容器81の底部から下方に延びる下側筒部、81
bは圧力容器81の天井部から上方に延びる上側筒部、
85は網目状通気部(吸着工程における、ガス通路82
のガス入口となる)85aを有するガス入口側フィルタ
ー、86は網目状通気部(吸着工程における、ガス通路
82のガス出口となる)86aを有するガス出口側フィ
ルター、87は下側筒部81aにボルト,ナット(図示
せず)により着脱自在に取付けられる下側接続管、88
は上側筒部81aにボルト,ナット(図示せず)により
着脱自在に取付けられる接続管であり、上記両フィルタ
ー85,86は両筒部81a,81bと両接続管87,
88間に着脱自在に挟持され取付けられている。89は
支持部材である。このような吸着塔では、モレキュラー
シーブ等の吸着剤を再生するため、ガス通路82のガス
出口86aからガス入口85aに向かって200〜30
0℃の熱風を通し、この熱風で吸着容器83内の吸着剤
を加熱し、これらに吸着されている残存不純ガス分を追
い出すことが行われており、再生された吸着剤は冷却さ
れて再使用される。このような方法は、いわゆるサーマ
ルスイングサイクルと言われるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
吸着塔では、圧力容器81の外壁を構成する耐圧部材や
この耐圧部材の外周部に設けられたロックウール等の断
熱材の熱容量が大きいため、吸着剤の再生のための加熱
工程において、これらを加熱するために必要とされる熱
量が大きく、加熱時間が長くなる。また、再生された吸
着剤の冷却工程において断熱材を長時間冷却する必要が
あり、これらのことが加熱動力の無駄や時間内での再生
工程不履行の原因となる。特に、高圧運転を行うもので
は、その分耐圧部材の肉厚が厚くなるため、上記加熱・
冷却に要する時間がさらに長時間化する。また一般に、
水分を多く含んだ流体や大気温度以上の流体に対する吸
着工程においては、吸着剤の吸着熱に起因する吸着塔内
の温度上昇がみられるのに対し、上記のような吸着塔で
は、その熱量が外部に放熱されにくく、吸着剤の性能
(吸着容量等)が早期に低下する。
【0004】そこで、外部への放熱を容易にする等の改
善を図った吸着浄化装置が、特開平54−68777号
公報で提案されている。この吸着浄化装置は、耐圧性の
外側容器と、外周部に熱絶縁マットが取付けられ内部に
吸着剤が配設された薄肉の内側容器とを備え、上記内側
容器およびこの内側容器内の吸着剤を外側容器の支持部
に固定された支持格子上に保持し、外側容器の上端部と
内側容器の上端部とを第1の出口/入口短管で連結し、
外側容器の下端部に設けた第2の出口/入口短管に皿状
の熱保護遮蔽体を取付けている。そして、上記内側容器
の下端部と熱保護遮蔽体の上端部との間に形成された隙
間を介して、外側容器と内側容器間の中間空間および外
側容器と熱保護遮蔽体間の空間とをガスの流通路に連通
させる構造にしている。しかしながら、このものでは、
再処理工程において、熱風等の再生ガスにより追い出さ
れた残存不純ガス分が第2の出口/入口短管に流入する
際に、この第2の出口/入口短管の近傍外周部に多量の
水分等が付着し、早期に内部(ガスの流通路)が汚染さ
れる。また、内側容器の外周部に取付けられた熱絶縁マ
ットは、一般的に熱容量が大きく、その分加熱動力が大
きくなり、また、冷却にも長時間を要する。
【0005】この発明は、加熱動力の無駄や時間内での
再生工程の不履行を無くすことができ、しかも、長時間
にわたって吸着剤の性能が低下することがなく、さら
に、断熱効果に優れ、そのうえ、早期にガス通路が汚染
されることのない精製器の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の精製器は、精製器本体内に形成される
ガス通路にガス中の不純ガス分を除去する除去手段が設
けられた精製器であって、精製器本体が二重殻構造に構
成され、この二重殻構造の内殻の内部空間がガス通路に
形成され、このガス通路のガス入口もしくはその近傍に
対応する内殻の部分に、内殻の内部空間と内外両殻間の
空間とを連通する連通部が設けられているという構成を
とる。
【0007】
【作用】すなわち、この発明の精製器は、精製器本体が
二重殻構造に構成されており、この二重殻構造の内殻の
内部空間がガス通路に形成されているとともに、このガ
ス通路を通るガスが連通部を介して二重殻構造の内外両
殻間の空間に流入し、このガスが流入した空間が断熱空
間に形成されている。したがって、優れた断熱効果を奏
するうえ、上記内外両殻間の空間のガスの熱容量が小さ
く、従来のように外壁の外周部にロックウール等の断熱
材からなる断熱層84を設けたものと比べて、吸着剤の
再生のための加熱工程において、加熱のために大きな熱
量を必要としない。また、二重殻構造の外殻から放熱が
行えるため、再生された吸着剤の冷却工程において長時
間冷却する必要もない。したがって、再生加熱工程の加
熱動力の削減や加熱・冷却時間の短縮が可能になる(例
えば、180℃で加熱再生する場合に、13%の再生時
間の短縮となる。)。特に、高圧運転を行うもの等外殻
の肉厚が厚いものには、非常に有効である。しかも、水
分を多く含む流体や大気温度以上の流体に対する吸着工
程において、吸着剤の吸着熱に起因する精製器本体内の
温度上昇がみられても、上記したように精製器本体が放
熱しやすい構造であるため、精製器本体内の温度上昇を
抑えることができ、長時間にわたって吸着剤の性能(吸
着容量等)が低下しない。そのうえ、上記連通部がガス
通路のガス入口もしくはその近傍に対応する内殻の部分
に形成されているため、上記連通部が、吸着工程におい
てガス入口から流出した流体が流れて行く方向とは反対
側に位置する。したがって、流出した流体が除去手段の
通気抵抗によってもその周囲には逃げることなく、除去
手段に流入するようになり、上記優れた断熱効果を損な
うこともない。さらに、吸着剤の再生のための加熱工程
においては、上記連通部が、除去手段を通過した流体が
流れて行く方向に形成されているため、熱風等の再生ガ
スがガス入口に流入する際に、その熱風で追い出された
残存不純ガス分の一部が上記連通部を通って上記内外両
殻間の空間に流入しここに溜まる(すなわち、この空間
が残存不純ガス分の捕獲部として作用する)。したがっ
て、その分ガス通路の汚染が低減され、ガス通路が長期
間にわたって清浄な状態に維持される。
【0008】つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳
しく説明する。
【0009】
【実施例】図1および図2はこの発明の一実施例を示し
ている。図において、1は吸着塔であり、その吸着塔本
体2は、耐圧部材からなる外殻3および吸着剤83が配
設される内殻4からなる二重殻構造に構成されている。
上記外殻3は、円筒状中央部3aとドーム状天井部3b
と逆ドーム状底部3cを備えており、上記ドーム状天井
部3bおよび逆ドーム状底部3cの中央に穿設された丸
穴の周縁から第1および第2の外側フィルター挿通用筒
部5a,5bが垂設されている。一方、上記内殻4は、
円筒状中央部4aとドーム状天井部4bと逆ドーム状底
部4cを備えており、上記ドーム状天井部4bの中央に
穿設された丸穴の周縁から内側フィルター挿通用筒部6
が立設され、この内側フィルター挿通用筒部6の上端部
が外殻3の内周面に溶接により一体的に取付けられてい
る。また、上記内殻4には、その逆ドーム状底部4cの
中央に、ガス入口側フィルター85の外径よりも大径に
形成された中央穴7が形成されており、この中央穴7の
内周面とガス入口側フィルター85の外周面との間に形
成される隙間が連通部8に形成されている。このような
外殻3と内殻4は略相似形に形成されており、これによ
り、外殻3の内周面と内殻4の外周面との間に形成され
る略一定幅の空間が断熱空間9に形成されている。10
は左右一対のスペーサーであり、その外周面が外殻3の
内周面に溶接により取付けられているとともに、その内
周面が内殻4の外周面に当接しており、これにより、内
殻4の左右方向の振れを防止している。それ以外の部分
は、図13に示す吸着塔と同様である。すなわち、上記
第1の外側フィルター挿通用筒部5aの下端部に下側接
続管87の上端部がボルト,ナット(図示せず)により
着脱自在に取付けられており、これら第1の外側フィル
ター挿通用筒部5aの下端部と下側接続管87の上端部
との間に、網目状通気部(吸着工程における、ガス通路
82のガス入口となる)85aを有するガス入口側フィ
ルター85が着脱自在に挟持されて取付けられている。
一方、上記第2の外側フィルター挿通用筒部5bの上端
部に上側接続管88の下端部がボルト,ナット(図示せ
ず)により着脱自在に取付けられており、これら第2の
外側フィルター挿通用筒部5bの上端部と上側接続管8
8の下端部との間に、網目状通気部(吸着工程におけ
る、ガス通路82のガス出口となる)86aを有するガ
ス出口側フィルター86が着脱自在に挟持されて取付け
られている。89は支持部材である。
【0010】このような吸着塔1は、2個1組で、図3
に示す空気分離装置に用いられている。図において、1
5,16は容量の異なる空気圧縮機、17,18はドラ
イヤである。21は第1の熱交換器であり、上記吸着塔
1により水分および炭酸ガスが吸着除去された圧縮空気
が、圧縮空気供給パイプ22を経て送り込まれ、熱交換
作用により超低温に冷却される。23は第2の熱交換器
であり、上記圧縮空気供給パイプ22から分岐した分岐
パイプ24により、水分および炭酸ガスの吸着除去され
た圧縮空気が送り込まれる。この第2の熱交換器23に
送り込まれた圧縮空気も熱交換作用により超低温に冷却
され、ついで上記第1の熱交換器21で冷却された超低
温圧縮空気に合流される。25は精留塔であり、第1お
よび第2の熱交換器21,23により超低温に冷却され
合流パイプ26を経て送り込まれる圧縮空気をさらに冷
却し、その一部を液化し液体空気27として底部に溜
め、窒素のみを気体状態で取出すようになっている。こ
の精留塔25の天井部には、液体窒素溜め25aが設け
られ、そこに、液体窒素貯槽28から液体窒素が導入パ
イプ29を介して送り込まれる。送入された液体窒素
は、上記液体窒素溜め25aから溢れて精留塔25内を
下方に流下し、精留塔25の底部から上昇する圧縮空気
と向流的に接触し冷却してその一部を液化するようにな
っている。
【0011】すなわち、この過程で圧縮空気中の高沸点
成分(酸素分)が液化されて精留塔25の底部に溜り、
低沸点成分の窒素ガスが精留塔25の上部に溜る。30
は精留塔25の上部に溜った窒素ガスを製品窒素ガスと
して取り出す取出パイプで、超低温の窒素ガスを第1の
熱交換器21内に案内し、そこに送り込まれる圧縮空気
と熱交換させて常温にしメインパイプ31に送り込む作
用をする。32は凝縮器33内蔵型の分縮器で、上記凝
縮器33に、精留塔25の天井部に溜る窒素ガスの一部
が第1の還流液パイプ34を介して送り込まれて液化
し、第2の還流液パイプ35を経て上記導入パイプ29
内の液体窒素に合流する。上記分縮塔32内は、精留塔
25内よりも減圧状態になっており、精留塔25の底部
の貯留液体空気27が膨脹弁37付きパイプ38を経て
送り込まれ、気化して分縮器32の内部温度を液体窒素
の沸点以下の温度に冷却するようになっている。この冷
却により、精留塔25から第1の還流液パイプ34を介
して凝縮器33内に送り込まれた窒素ガスが液化し、前
記のように導入パイプ29内の液体窒素に合流する。2
5bは第1の液面指示調節計であり、精留塔25内の液
体空気の液面を所定レベルに保つようにその液面に応じ
て弁29aを制御し、液体窒素貯槽28からの液体窒素
の流量を制御する。36は第2の液面指示調節計であ
り、分縮塔32内の液体空気の液面を一定レベルに保よ
うにその液面に応じて膨脹弁37を制御し、精留塔25
内の液体空気の気化量を制御する。40はバックアップ
系ラインであり、空気圧縮系ラインが故障したとき弁4
1を開き、液体窒素貯槽28内の液体窒素を蒸発器42
により蒸発させてメインパイプ31に送り込み、窒素ガ
スの供給がとだえることのないようにている。43は放
出弁であり、不純物分析計(図示せず)によりメインパ
イプ31に送り出される製品酸素ガスの純度を分析し、
その純度の低いときは製品酸素ガスを外部に逃気する作
用をする。44は分縮器32内の液体空気中のハイドロ
カーボンや二酸化炭素の濃縮を防止するため液体空気を
第2の熱交換器23に案内するパイプであり、第2の熱
交換器23に送り込まれる圧縮空気と熱交換してこれを
超低温に冷却したのち大気に放出される。45は分縮器
32の上部に溜った窒素分を廃窒素ガスとして取り出す
廃窒素ガス取出パイプで、上記廃窒素ガスを第1の熱交
換器21に案内してその冷熱により原料空気を超低温に
冷却し、続いてその一部を放出パイプ46から直接大気
中に放出する。47は供給弁であり、この供給弁47を
作動させて製品窒素ガスを送る。
【0012】50は放出パイプ46の先端から分岐した
分岐パイプで、吸着剤の再生のための加熱工程では、弁
54,56,63を開き弁55,57,62を閉じ(こ
のとき、弁59,60を開け弁58,61を閉じ、圧縮
空気の流路を開成する)、放出パイプ46内の廃窒素ガ
スの一部を電気ヒータ51に案内して常温まで昇温さ
せ、ついでパイプ52を経由し、2個1組の吸着筒1の
うち再生側のもの(左側の吸着塔1)のなかに送り込
み、吸着剤の再生を行うようになっている。このよう
に、吸着筒1は2個1組となっており、各弁54〜63
操作によつて、一方の吸着筒1が吸着作動しているとき
は、他方の吸着筒1は上記常温廃窒素ガスで再生され
る。53は再生を終えた廃窒素ガスを大気に放出する放
出パイプである。また、加熱後の冷却工程において、弁
55,56,63を開き弁54,57,62を閉じ、放
出パイプ46内の廃窒素ガスの一部をパイプ52を経由
し、再生側のもの(左側の吸着塔1)のなかに送り込
み、モレキュラーシーブ,アルミナ等の吸着剤を冷却
し、使用済みの廃窒素ガスを放出するということが行わ
れ、これによってモレキュラーシーブ等の再生が完了す
る。2個1組の吸着筒1はこのようにして交互に再生さ
れ使用される。
【0013】この装置は、つぎのようにして製品窒素ガ
スを製造する。すなわち、製品窒素ガスの需要量に応じ
た空気圧縮機15,16を選択し、この選択された空気
圧縮機15,16により空気を圧縮し、この圧縮された
空気をドライヤー17,18により空気中の水分を除去
し、その状態で吸着塔1に送り込み水分および炭酸ガス
を吸着除去する。ついで、水分および炭酸ガスが吸着除
去された圧縮空気の一部を、圧縮空気供給パイプ22を
経由させ第1の熱交換器21内に送り込んで超低温に冷
却するとともに、残部を、分岐パイプ24を経由させ第
2の熱交換器23に送り込んで超低温に冷却し、両者を
合流させて合流パイプ26を経て精留塔25の下部内に
投入する。ついで、この投入圧縮空気を、液体窒素貯槽
28から導入パイプ29を経由して精留塔25内に寒冷
源として送り込まれた液体窒素および液体窒素溜め25
aからの溢流液体窒素と向流的に接触させて冷却し、そ
の一部を液化して精留塔25の底部に液体空気27とし
て溜める。この液体空気27を分縮器32内に送り込み
凝縮器33を冷却させる。この冷却により、精留塔25
の上部から凝縮器33に送り込まれた窒素ガスが液化
し、還流液となり第2の還流液パイプ35を経て液体窒
素溜め25aに戻る。そして、上記のように精留塔25
内において、投入された圧縮空気と溢流液体窒素とを接
触させて冷却する過程において、窒素と酸素の沸点の差
(酸素の沸点−183℃,窒素の沸点−196℃)によ
り、圧縮空気中の高沸点成分である酸素が液化して流下
し、窒素が気体のまま精留塔25の上部に残る。つい
で、上記気体のまま残った窒素ガスを取出パイプ30か
ら取り出して第1の熱交換器21に送り込み、常温近く
まで昇温させメインパイプ31から超高純度の製品窒素
ガスとして送り出す。
【0014】このような空気分離装置は、図4〜図8に
示すように、縦長に形成された1つの窒素ガス製造塔7
0に配設され、取付けられている。この塔70は下部室
71と上部真空断熱室72からなり、下部室71内に2
個の吸着塔1と2個の空気圧縮機15,16と2個のド
ライヤー17,18および電気ヒータ51が配設されて
いる。また、上記下部室71には、複数の扉73が開閉
自在に取付けられており、扉73に空気取入れ口74が
形成されているとともに、計器類(図示せず)の表示を
確認する覗き窓75が設けられている。一方、上部真空
室72内には、図9に示すような位置に、第1および第
2の熱交換器21,23と精留塔25と分縮器32およ
び液体窒素貯槽28が配設されている。また、この上部
真空断熱室72には、その背部にバックアップ系ライン
40の蒸発器42が取付けられている。
【0015】このように、上記塔60の上部真空断熱室
62内に、第1および第2の熱交換器21,23と精留
塔25と分縮器32および液体窒素貯槽28を配設した
場合には、従来のもの(従来では、第1および第2の熱
交換器21,23と精留塔25と分縮器32をコールド
ボックスの内側に配設し、液体窒素貯槽28をコールド
ボックスの外側に配設していた)と比べて、液体窒素貯
槽28をコールドボックスに供給するパイプが不用にな
り、ヒートリークによるロスが大幅に低減できるうえ、
液体窒素貯槽28内の液体窒素が極低温であるため精留
塔25等のヒートリークも減少し、その分液体窒素の使
用量が減少する。しかも、上記塔70が縦長に形成され
ているため、側方のスペースをとらない。さらに、液体
窒素貯槽28が縦長に形成され、塔70の上端部から下
端部にわたって配設されているため、液体窒素貯槽28
内の超低温の液体窒素が冷媒として作用し、塔70内を
高さ方向の全体にわたって均一に冷却するという効果が
ある。特に、第2の熱交換器23が液体窒素貯槽28の
近傍に配設されているため、上記冷媒の作用により第2
の熱交換器23が有効に冷却されて、この第2の熱交換
器23による圧縮空気の冷却が効率良く行える。そのう
え、この第2の熱交換器23が第1の熱交換器21より
小形であり、その分熱容量が小さいため、液体窒素貯槽
28に熱的悪影響を及ぼさない。
【0016】このような空気分離装置において、従来例
の吸着塔もしくはこの実施例の吸着塔を用い、吸着材を
180℃で加熱再生する場合に必要な熱量を計測した。
この場合に、従来例の吸着塔に関しては、塔径を600
mmに、塔の外壁の厚みを6mmに、塔長を1524m
mに、外壁の材質をSS400に、鏡体部を2:1ED
にそれぞれ設定した。また、断熱材の材質としてロック
ウールを用い、その厚みを75mmに、密度を200k
g/m3 に設定した。一方、この実施例の吸着塔に関し
ては、内殻4の塔径を600mmに、厚みを2mmに、
塔長を1524mmに、材質をSS400に、鏡体部を
2:1EDにそれぞれ設定し、外殻3の塔径を650m
mに、厚みを6mmに、塔長を1580mmに、材質を
SS400に、鏡体部を2:1EDにそれぞれ設定し
た。また、吸着材として、モレキュラーシーブを用い
た。このような吸着塔における吸着剤、外壁、断熱材、
内外両殻3,4の重量、加熱温度、比熱、放熱量、加熱
時間および加熱必要熱量を表1(従来例の吸着塔)およ
び表2(この実施例の吸着塔)に示す。上記表1および
表2に示される加熱必要熱量は、下記の式1(従来例の
吸着塔)および式2(この実施例の吸着塔)により、算
出した。なお、表1および表2において、比熱の単位
(※1)は、kcal/kg・℃であり、表2におい
て、伝熱係数(※2)の単位は、3.1kcal/m2
・Hr・℃である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【式1】w1・Δt1・c1+w3・Δt3・c3+w
4・Δt4・c4
【0020】
【式2】w1・Δt1・c1+w2・Δt2・c2+w
3・Δt3・c4+q・T
【0021】上記表1および表2により明らかなよう
に、従来例の吸着塔に比べ、この実施例の吸着塔の方が
再生工程において有利である(略13%の動力削減にな
る)ことがわかる。
【0022】このように、この実施例の吸着塔は、吸着
塔本体2が二重殻構造に構成されており、この二重殻構
造の外殻3と内殻4間の空間に空気層からなる断熱空間
9を形成している。したがって、断熱効果に優れるう
え、従来のように外壁の外周部にロックウール等の断熱
材からなる断熱層84を設けたものと比べて、吸着剤の
再生のための加熱工程において大きな熱量を必要としな
い。また、外殻3から放熱が行えて、再生された吸着剤
の冷却工程においてもこれを長時間冷却する必要もな
い。したがって、再生加熱工程の加熱動力の削減や加熱
・冷却時間の短縮が可能になる(例えば、180℃で加
熱再生する場合に13%の再生時間の短縮となる)。特
に、耐圧部材の肉厚が厚いものには、非常に有効であ
る。さらに、大気温度以上の流体や水分を多く含む流体
に対する吸着工程においても、放熱しやすく、吸着塔内
温度上昇を抑えることができ、吸着剤の性能(吸着容量
等)を向上させることができる。そのうえ、吸着工程に
おいては、ガス入口側フィルター85の網目状通気部8
5aから流出したガスが吸着剤83にスムーズに流入
し、また、再生工程においては、熱風等の再生ガスで吸
着剤83から追い出された残存不純ガス分が連通部8を
通って断熱空間9内に捕獲される(すなわち、断熱空間
9が不純ガス分の捕獲部として作用する)。そして、第
1の外側フィルター挿通用筒部5aから下側接続管87
およびガス入口側フィルター85を取り外すことによ
り、簡単に上記捕獲された不純ガス分を外部に取り除く
ことができる。さらに、主として、外殻3に、吸着剤8
3を配設した内殻4とからなり、部品点数が少なく、構
造が簡単であるうえ、外殻3に内殻4を溶接するだけで
作製することができ、作製が容易である。
【0023】図10および図11はこの発明の他の実施
例を示している。この実施例では、内殻4は、円筒状中
央部4aとドーム状天井部4bと逆ドーム状底部4cを
備えており、上記ドーム状天井部4bの中央に穿設され
た丸穴の周縁から第2の内側フィルター挿通用筒部6b
が垂設され、この第2の内側フィルター挿通用筒部6b
の上端部が外殻3の内周面に溶接により一体的に取付け
られている。また、上記内殻4には、その逆ドーム状底
部4cの中央に穿設された丸穴の周縁から第1の内側フ
ィルター挿通用筒部6aが立設され、この第1の内側フ
ィルター挿通用筒部6aの下端部が外殻3の内周面に溶
接により一体的に取付けられている。そして、上記第1
の内側フィルター挿通用筒部6aの近傍外周部に円環状
の連通部8が形成されている。この実施例でも、ガス通
路82のガス入口はガス入口側フィルター85の網目状
通気部85aであり、ガス出口はガス出口側フィルター
86の網目状通気部86aである。それ以外の部分は上
記実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を付し
ている。
【0024】図12はこの発明のさらに他の実施例を示
している。この実施例では、図10の実施例において、
ガス入口側フィルター85およびガス出口側フィルター
86を省略している。したがって、この実施例では、内
殻4の逆ドーム状底部4cの第1の内側フィルター挿通
用筒部6aがガス通路82のガス入口となり、内殻4の
ドーム状天井部4bの第2の内側フィルター挿通用筒部
6bがガス通路82のガス出口となる。それ以外の部分
は上記実施例と同様であり、同様の部分には同じ符号を
付している。
【0025】なお、図1の実施例において、ガス入口側
フィルター85およびガス出口側フィルター86を省略
することも考えられる。また、上記各実施例では、連通
部8がガス入口85a,6aの周囲の全周に形成されて
いるが、これに限定するものではなく、部分的に形成し
てもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明の精製器によれ
ば、二重殻構造に構成された精製器本体の内殻の内部空
間がガス通路に形成されているとともに、このガス通路
中のガスが流入した二重殻構造の内外両殻間の空間が断
熱空間に形成されているため、優れた断熱効果を有す
る。そのうえ、上記内外両殻間の空間のガスの熱容量が
小さく、従来のように外壁の外周部にロックウール等の
断熱材からなる断熱層84を設けたものと比べて、吸着
剤の再生のための加熱工程において、加熱のために大き
な熱量を必要としない。また、加熱された外殻や断熱空
間の熱量が少なく、再生された吸着剤の冷却工程におい
て長時間冷却する必要もない。したがって、再生加熱工
程の加熱動力の削減や加熱・冷却時間の短縮が可能にな
る(例えば、180℃で加熱再生する場合に、13%の
再生時間の短縮となる。)。特に高圧運転を行うもの等
外殻の肉厚が厚いものには、非常に有効である。しか
も、水分を多く含む流体や大気温度以上の流体に対する
吸着工程において、吸着剤の吸着熱に起因する精製器本
体内の温度上昇がみられても、上記したように精製器本
体が放熱しやすい構造であるため、精製器本体内の温度
上昇を抑えることができ、長時間にわたって吸着剤の性
能(吸着容量等)が低下しない。そのうえ、上記連通部
がガス通路のガス入口もしくはその近傍に対応する内殻
の部分に形成されているため、上記連通部が、吸着工程
においてガス入口から流出した流体が流れて行く方向と
は反対側に位置する。したがって、流出した流体が除去
手段の通気抵抗によってもその周囲には逃げることな
く、除去手段に流入するようになり、上記優れた断熱効
果を損なうこともない。さらに、吸着剤の再生のための
加熱工程においては、上記連通部が、除去手段を通過し
た流体が流れて行く方向に形成されているため、熱風等
の再生ガスがガス入口に流入する際にその熱風で追い出
された残存不純ガス分の一部が上記連通部を通って上記
内外両殻間の空間に流入しここに溜まる(すなわち、こ
の空間が残存不純ガス分の捕獲部として作用する)。し
たがって、その分ガス通路の汚染が低減され、ガス通路
が長期間にわたって清浄な状態に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の吸着塔の一実施例を示す縦断面図で
ある。
【図2】上記吸着塔の拡大横断面図である。
【図3】上記吸着塔を用いた空気分離装置の構成図であ
る。
【図4】窒素ガス製造塔の斜視図である。
【図5】上記塔の要部断面図である。
【図6】上記塔の正面図である。
【図7】上記塔の背面図である。
【図8】上記塔の平面図である。
【図9】上記塔の上部真空断熱室の説明図である。
【図10】この発明の他の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図11】上記他の実施例を示す横断面図である。
【図12】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図13】従来例を示す縦断面図である。
【図14】上記従来例の拡大横断面図である。
【符号の説明】
1 吸着塔 2 吸着塔本体 3 外殻 4 内殻 8 連通部 9 断熱空間 82 ガス通路 83 吸着剤 85a ガス入口 86a ガス出口
フロントページの続き (72)発明者 菊地 延尚 大阪府堺市築港新町2丁6番地40 大同 ほくさん株式会社 技術本部 堺研究所 内 (72)発明者 末長 純也 大阪府堺市築港新町2丁6番地40 大同 ほくさん株式会社 技術本部 堺研究所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製器本体内に形成されるガス通路にガ
    ス中の不純ガス分を除去する除去手段が設けられた精製
    器であって、精製器本体が二重殻構造に構成され、この
    二重殻構造の内殻の内部空間がガス通路に形成され、こ
    のガス通路のガス入口もしくはその近傍に対応する内殻
    の部分に、内殻の内部空間と内外両殻間の空間とを連通
    する連通部が設けられていることを特徴とする精製器。
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