JPH06316540A - 4−置換−2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル誘導体、その中間体及びその製造方法 - Google Patents

4−置換−2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル誘導体、その中間体及びその製造方法

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JPH06316540A
JPH06316540A JP5293222A JP29322293A JPH06316540A JP H06316540 A JPH06316540 A JP H06316540A JP 5293222 A JP5293222 A JP 5293222A JP 29322293 A JP29322293 A JP 29322293A JP H06316540 A JPH06316540 A JP H06316540A
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JP5293222A
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English (en)
Inventor
Masashi Osawa
政志 大澤
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を表わ
し、nは0又は1の整数を表わし、Qは−CH2CH2
又は単結合を表わし、シクロヘキサン環はトランス配置
である。)で表わされる化合物。 【効果】 この化合物は、誘電異方性が正で非常に大き
く、液晶組成物に添加することにより、比抵抗及び電圧
保持率が高く、しきい値電圧の低い液晶組成物を容易に
得ることができる。従って、低電圧駆動が要求される液
晶表示素子、特にアクティブマトリックス駆動表示素子
の構成材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用な新規化合物である4−置換−2,6,
3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル誘導体及
びその製造方法、更にそれを含有する液晶組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型及びSTN型である。また駆動方式としても従
来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般
的になり、更に単純マトリックス方式、最近ではアクテ
ィブマトリックス方式が実用化されている。これらのう
ち、アクティブマトリックス方式によると、最も高画質
の表示が可能であり、視野角が広く、高精細化、カラー
化が容易で、動画表示も可能であるので、今後の液晶表
示方式の主流になると考えられている。
【0003】このアクティブマトリックス表示方式に用
いられる液晶材料としては、通常の液晶表示と同様に種
々の特性が要求されているが、特に、(1)比抵抗が高
く、電圧保持率に優れること、(2)しきい値電圧(V
th)が低いこと、(3)液晶相の温度範囲が広いこと、
(4)応答性に優れること等が重要である。
【0004】通常、液晶表示におけるしきい値電圧は式
(1)
【0005】
【数1】
【0006】(式中、kは比例定数を、Kは弾性定数
を、Δεは誘電率異方性をそれぞれ表わす。)で表わさ
れるが、この式からわかるように、しきい値電圧を低く
するためには液晶材料の弾性定数を小さくするか、ある
いは誘電率異方性を大きくする必要がある。これまで液
晶化合物の誘電率異方性を大きくするために、シアノ基
等の置換基を化合物に導入していたが、シアノ基を有す
る化合物は高い比抵抗値や高い電圧保持率を得ることを
困難にさせる傾向を有していた。そのため、誘電率異方
性を大きくするために、シアノ基に代えてフッ素原子を
有する化合物、例えば4−フルオロフェニル基や3,4
−ジフルオロフェニル基のような基を有する化合物が用
いられてきている。
【0007】しかしながら、こうした液晶化合物の誘電
率異方性はシアノ基を有する化合物と比較するとかなり
小さく、従って充分低いしきい値電圧を得ることはかな
り困難であった。このようなことから、フッ素原子を有
する化合物であって、より大きな誘電率異方性を示す化
合物が望まれていた。
【0008】現在、フッ素系の化合物でありながら誘電
率異方性が大きく、しきい値電圧を低下させることので
きる化合物としては、例えば、3,4,5−トリフルオ
ロフェニル基を有する化合物が知られている。(特開平
2−233626号公報に記載)
【0009】しかしながら、上記公報に記載されている
液晶化合物の誘電率異方性(Δε)は+10程度であ
り、シアノ基を有する従来の化合物と比べるとまだ充分
大きいとは言えない。
【0010】そのため、上記のようなフッ素系の基を有
する化合物の誘電率異方性(Δε)を更に大きくする必
要があるため、3,4,5−トリフルオロフェニル基の
他に、分子内の他のベンゼン環にもフッ素原子を導入す
ること、特に同一位置に導入することが考えられる。
【0011】最近、4−置換−2,6,3’,4’,
5’−ペンタフルオロビフェニル骨格を有する式(A)
【0012】
【化5】
【0013】の化合物が報告されている。(第14回国
際液晶学会、A−P32) それによると、式(A)の化合物の誘電率異方性(Δ
ε)は+25と非常に大きい。しかしながら、式(A)
の化合物の製造方法については全く示されておらず、実
際に既知の化合物を用いて、式(A)の化合物を短工程
で容易に、高収率に製造する実用的な製造方法が望まれ
ていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、誘電率異方性(Δε)が非常に大きく、添
加により高い比抵抗値と電圧保持率を有する液晶組成物
を調製することができる液晶化合物、その製造中間体及
びその中間体を用いた前記液晶化合物の製造方法を提供
し、更に、その液晶化合物を含有し、低電圧駆動が可能
であり、特にアクティブマトリックス駆動に適した液晶
組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、一般式(I)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキ
ル基を表わすが、特に炭素原子数2〜7の直鎖状アルキ
ル基が好ましく、nは0又は1の整数を表わし、Qは−
CH2CH2−又は単結合を表わし、シクロヘキサン環は
トランス配置を表わす。)で表わされる4−置換−2,
6,3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル誘導
体を提供する。
【0018】また、この一般式(I)の化合物の製造中
間体として、式(II)
【0019】
【化7】
【0020】で表わされる化合物を提供する。本発明の
一般式(I)で表わされる化合物は、この式(II)の
化合物を用いて、例えば、以下のようにして製造するこ
とができる。
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R、Q及びnは一般式(I)にお
けると同じ意味を表わす。)まず、式(II)で表わさ
れる4−ブロモ−2,6,3’,4’,5’−ペンタフ
ルオロビフェニルをマグネシウムと反応させて、式
(V)のグリニャール反応剤とする。この式(V)のグ
リニャール反応剤と一般式(VI)のシクロヘキサノン
誘導体を反応させ、得られたシクロヘキサノール誘導体
を脱水してシクロヘキセン誘導体とし、次いで水素添加
し、副成するシス体については必要に応じてトランス体
への異性化を行うことにより、一般式(I)の化合物を
得ることができる。
【0023】ここで、式(II)の化合物の4位の臭素
は反応性に富んでいるので、式(V)の化合物に代え
て、ブチルリチウム等を反応させて得られるリチウム反
応剤を用いてもよい。
【0024】本発明の式(II)の化合物は、本発明の
一般式(I)の化合物に限らず、類似骨格を有する液晶
化合物の製造中間体としても有用であり、例えば、前述
の式(A)の化合物及びその類似化合物も、以下のよう
にして製造することができる。
【0025】
【化9】
【0026】(式中、R及びnは一般式(I)における
と同じ意味を表わす。)まず、式(II)で表わされる
化合物とマグネシウムを反応させて、式(V)のグリニ
ャール反応剤とする。この式(V)の化合物に一般式
(VII)のトランス−4−置換シクロヘキサンアセト
アルデヒド誘導体を反応させ、次いで一般式(I)の化
合物の場合と同様に、脱水、水素添加することにより、
式(A)の化合物を包含する一般式(VIII)の化合
物を得ることができる。ここで使用した一般式(VI
I)の化合物は、例えば、一般式(VI)においてQ=
単結合である一般式(VIa)
【0027】
【化10】
【0028】(式中、R及びnは一般式(I)における
と同じ意味を表わす。)で表わされるトランス−4−置
換シクロヘキサノン誘導体に、式(IX)
【0029】
【化11】CH3OCH=PPh3 (IX) (式中、Phはフェニル基を表わす。)で表わされるウ
ィッティヒ反応剤を2回続けて反応させることにより得
ることができる。
【0030】ここで、本発明の式(II)の化合物は、
一般式(III)
【0031】
【化12】
【0032】(式中、MはMgBr又はLiを表わ
す。)で表わされる有機金属反応剤と、式(IV)
【0033】
【化13】
【0034】で表わされる1−ヨード−4−ブロモ−
2,6−ジフルオロベンゼンとを、触媒の存在下に反応
させることにより得ることができ、本発明はこの式(I
I)の化合物の製造方法も提供する。
【0035】ここで用いた式(III)の有機金属反応
剤は、M=MgBrの場合、市販の1−ブロモ−3,
4,5−トリフルオロベンゼンを溶媒中、マグネシウム
と反応させることにより得ることができ、M=Liの場
合、ブチルリチウム等のアルキルリチウムと反応させる
ことにより得ることができる。また、1−ヨード−4−
ブロモ−2,6−ジフルオロベンゼンは市販もされてお
り、4−ブロモ−2,6−ジフルオロアニリンから容易
に製造することもできる。
【0036】また、この式(II)の化合物を製造する
際に使用することができる触媒としては、例えば、ニッ
ケル錯体あるいはパラジウム錯体が好ましいが、ジクロ
ロビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケル(I
I)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)プロパン]ニッケル(II)、ジクロロビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケル(II)等のニッケル錯
体及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)等のパラジウム錯体が好ましく、特にニッケル
(II)錯体が好ましい。
【0037】斯くして得られる一般式(I)で表わされ
る化合物の代表的なものの例を下記第1表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック
相を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わす。)
【0040】本発明の一般式(I)の化合物は、他のネ
マチック液晶化合物との混合物の状態で、特にTN型あ
るいはSTN型といった電界効果型表示セルの材料とし
て、好適に使用することができる。しかも非常に大きい
誘電率異方性(Δε)を有するにもかかわらず、その分
子内にシアノ基やエステル結合などの強い極性基が存在
しないので、この化合物を用いて高い比抵抗と電圧保持
率を有する液晶組成物を容易に得ることができる。その
ため、アクティブマトリックス駆動用液晶材料の構成成
分として特に適している。
【0041】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
を含有する液晶組成物は、後述の実施例にも示したが、
以下に示すように優れた特徴を有する。アクティブマト
リックス用液晶組成物として、低粘性でしかも高速応答
性を有する母体液晶(a)
【0042】
【化14】
【0043】を調製したところ、TN-I(ネマチック相
上限温度)は116℃であり、誘電率異方性(Δε)は
+4.8であった。また、この母体液晶(a)をセル厚
4.5μmのTNセルに封入して液晶表示素子を作製
し、20℃におけるしきい値電圧を測定したところ、
1.88Vであった。
【0044】次に、この母体液晶(a)85重量%及び
第1表中のNo.1
【0045】
【化15】
【0046】の化合物15重量%からなる液晶組成物を
調製したところ、TN-Iは100.5℃とやや低下した
が、誘電率異方性(Δε)は+6.7と大きくなり、同
様にして液晶表示素子を作製し、20℃におけるしきい
値電圧を測定したところ1.51Vと大きく低下した。
【0047】次に、同じ母体液晶(a)90重量%及び
第1表中のNo.2
【0048】
【化16】
【0049】の化合物10重量%からなる液晶組成物を
調製したところ、TN-Iは125℃と大きく上昇した。
誘電率異方性(Δε)は+6.3と大きくなり、同様に
して液晶表示素子を作製し、しきい値電圧を測定したと
ころ、1.78Vと母体液晶(a)に比べて0.1Vも
低下した。
【0050】このように本発明の一般式(I)で表わさ
れる化合物を用いることにより、誘電率異方性(Δε)
が大きく、しかもVthの低いアクティブマトリックス駆
動に適した液晶組成物を容易に得ることができる。
【0051】本発明の液晶組成物において、一般式
(I)で表わされる化合物と混合して使用することがで
きるネマチック液晶化合物の好ましい代表例としては、
例えば、4−置換安息香酸4−置換フェニルエステル、
4−置換シクロヘキサンカルボン酸4−置換フェニルエ
ステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換
ビフェニリルエステル、4−(4−置換シクロヘキサン
カルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換
フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安
息香酸4−置換シクロヘキシルエステル、4,4’−置
換ビフェニル、1−(4−置換フェニル)−4−置換シ
クロヘキサン、4,4”−置換ターフェニル、1−
(4’−置換ビフェニリル)−4−置換シクロヘキサ
ン、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−(4−置換
フェニル)シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)
−5−置換ピリミジン、2−(4−置換ビフェニリル)
−5−置換ピリミジン、1−(4−置換シクロヘキシ
ル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、1−
(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換フェニ
ル)エタン、1−[4−(4−置換シクロヘキシル)シ
クロヘキシル]−2−(4−置換フェニル)エタン、1
−[4−(4−置換フェニル)シクロヘキシル]−2−
(4−置換シクロヘキシル)エタン、1−(4−置換フ
ェニル)−2−(4−置換フェニル)エチン、1−[4
−(4−置換シクロヘキシル)]−2−(4−置換フェ
ニル)エチン等を挙げることができる。
【0052】特に、アクティブマトリックス用として
は、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換フェニ
ル)−4−置換シクロヘキサン、4,4”−置換ターフ
ェニル、1−(4’−置換ビフェニリル)−4−置換シ
クロヘキサン、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−
(4−置換フェニル)シクロヘキサン、1−(4−置換
シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エ
タン、1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置
換フェニル)エタン、1−[4−(4−置換シクロヘキ
シル)シクロヘキシル]−2−(4−置換フェニル)エ
タン、1−[4−(4−置換フェニル)シクロヘキシ
ル]−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、1−
(4−置換フェニル)−2−(4−置換フェニル)エチ
ン、1−[4−(4−置換シクロヘキシル)]−2−
(4−置換フェニル)エチン等が好ましい。
【0053】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0054】なお、各化合物の構造は核磁気共鳴スペク
トル(NMR)、質量スペクトル(MS)、赤外吸収ス
ペクトル(IR)により確認した。NMRにおけるCD
Cl 3は溶媒を表わし、dは2重線、ddは2重の2重
線を表わし、Jはカップリング定数を表わす。MSにお
けるM+は親ピークを表わし、( )内はそのピークの
相対強度を表わす。IRにおけるKBrは錠剤成形を表
わす。
【0055】(実施例1) 4−ブロモ−2,6,
3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル(式(I
I)の化合物)の合成
【0056】
【化17】
【0057】乾燥したテトラヒドロフラン(THF)1
5ml中に削り状マグネシウム1.7gを加えた。これ
に1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼン1
5.0gのTHF75ml溶液を、穏やかな還流が持続
する速度で滴下した。更に還流温度で2時間加熱攪拌し
て、グリニヤール反応剤を合成した。室温に放冷した
後、過剰未反応のマグネシウムを濾別した。
【0058】1−ヨード−4−ブロモ−2,6−ジフル
オロベンゼン15.0g及び、ジクロロビス(ジフェニ
ルホスフィノ)エタンニッケル(II)0.25gをT
HF75mlに溶解した。この溶液に、上記で得られた
グリニヤール反応剤を室温で30分間滴下した。滴下後
更に3時間還流温度で加熱攪拌した後、室温に放冷し
た。水層が酸性になるまで稀塩酸を加え、次に酢酸エチ
ル200mlを加えた。次いで有機層を分離し、これを
水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒
を溜去した後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン)を用いて精製し、更にメタノ
ールから再結晶させて、4−ブロモ−2,6,3’,
4’,5’−ペンタフルオロビフェニルの白色結晶8.
5gを得た。
【0059】融点:72℃ IR(KBr):1620,1540,1400,12
50,1190,1100,1050,1020,90
0,860,840cm-1 NMR(CDCl3):δ=7.09(dd,J=7.
2and7.2Hz,2H),7.21(d,J=7.
2Hz,2H) MS:m/e=324(99),322(100,
+),242(97),224(68),193(3
2),161(32),121(23),96(20)
【0060】(実施例2) 1−(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)−4−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)−2,6−ジフルオロベンゼン(第1表中
No.1の化合物)の合成
【0061】
【化18】
【0062】THF10ml及びマグネシウム0.76
gの混合物に、実施例1で得られた4−ブロモ−2,
6,3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル8.
5gのTHF50ml溶液を30分間で滴下した。滴下
後、更に1時間加熱還流し、グリニヤール反応剤を調製
した。放冷した後、25℃で4−プロピルシクロヘキサ
ノン4.4gのTHF20ml溶液を30分間で滴下し
た。1時間加熱還流した後、水、次いで稀塩酸を加え
た。反応生成物を酢酸エチル100mlで抽出し、有機
相を水、次いで飽和食塩水で洗滌した。
【0063】これにp−トルエンスルホン酸1.0gを
加え、1時間加熱還流した。放冷した後、反応液を炭酸
水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗滌し、無水硫酸水
素ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒を溜去して得られた
粗生成物をエタノールから再結晶させて、1−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)−4−(トランス−4
−プロピル−1−シクロヘキセニル)−2,6−ジフル
オロベンゼン2.8gを得た。これを酢酸エチル100
mlに溶解し、5%パラジウム−炭素300mgを加
え、水素雰囲気下、常圧、25℃で6時間攪拌した。反
応終了後、触媒を濾別し、溶媒を溜去して得られた粗生
成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて
精製して、1−(3,4,5−トリフルオロフェニル)
−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−
2,6−ジフルオロベンゼン及び1−(3,4,5−ト
リフルオロフェニル)−4−(シス−4−プロピルシク
ロヘキシル)−2,6−ジフルオロベンゼンの重量比3
6/64混合物2.8gを得た。これをエタノールから
2回再結晶させて、1−(3,4,5−トリフルオロフ
ェニル)−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシ
ル)−2,6−ジフルオロベンゼンの白色結晶0.8g
を得た。 融点:121℃
【0064】(実施例3) 1−(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)−4−[トランス−4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]−2,
6−ジフルオロベンゼン(第1表中No.2の化合物)
の合成
【0065】
【化19】
【0066】マグネシウム0.46g及びTHF5ml
の混合物に、実施例1で得られた4−ブロモ−2,6,
3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル5.5g
のTHF30ml溶液を30分間で滴下した。滴下後、
1時間加熱還流してグリニヤール反応剤を調製した。放
冷した後、25℃で4−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)シクロヘキサノン3.8gのTHF20m
l溶液を30分間で滴下した。1時間加熱還流した後、
水、次いで稀塩酸を加えた。反応生成物を酢酸エチル1
00mlで抽出し、有機相を水、次いで飽和食塩水で洗
滌した。
【0067】これにp−トルエンスルホン酸1.0gを
加え、1時間加熱還流した。放冷した後、反応液を炭酸
水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗滌し、無水硫酸水
素ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒を溜去して得られた
粗生成物をエタノールから再結晶させて、1−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)−4−[トランス−4
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−シ
クロヘキセニル]−2,6−ジフルオロベンゼン4.8
gを得た。これを酢酸エチル150mlに溶解し、5%
パラジウム−炭素500mgを加え、水素雰囲気下、常
圧、25℃で6時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別
し、溶媒を溜去して得られた粗生成物を、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーを用いて精製して、1−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)−4−[トランス−4
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘ
キシル]−2,6−ジフルオロベンゼン及び1−(3,
4,5−トリフルオロフェニル)−4−[シス−4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキ
シル]−2,6−ジフルオロベンゼンの重量比33/6
7混合物4.6gを得た。これをエタノールから2回再
結晶させて、1−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)−4−[トランス−4−(トランス−4−プロピル
シクロヘキシル)シクロヘキシル]−2,6−ジフルオ
ロベンゼンの白色結晶1.8gを得た。 相転移温度:151℃(Cr→N),234℃(N−
I)
【0068】(参考例) 1−(3,4,5−トリフル
オロフェニル)−4−[2−(トランス−4−ペンチル
シクロヘキシル)エチル]−2,6−ジフルオロベンゼ
ン(一般式(VIII)の化合物)の合成
【0069】
【化20】
【0070】実施例2において、4−プロピルシクロヘ
キサノンに代えて、トランス−4−ペンチルシクロヘキ
サンアセトアルデヒドを用いた以外は実施例2と同様に
して、1−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−4
−[2−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)エ
チル]−2,6−ジフルオロベンゼンの白色結晶を得
た。 相転移温度:66℃(Cr→I),65℃(N−I)
【0071】(実施例4) 液晶組成物の調製(1) アクティブマトリックス用液晶組成物として、低粘性
で、しかも高速応答性を有する母体液晶(a)
【0072】
【化21】
【0073】を調製した。この母体液晶(a)の
N-I、誘電率異方性(Δε)及びセル厚4.5μmの
TNセルの20℃におけるしきい値電圧(Vth)を測定
したところ、以下の通りであった。
【0074】TN-I: 116℃ Δε: +4.8 Vth: 1.88V この母体液晶(a)85重量%及び実施例2で得られた
【0075】
【化22】
【0076】の化合物15重量%からなる液晶組成物を
調製し、同様にして、TN-I、Δε及びVthを測定した
ところ以下の通りであった。 TN-I: 100.5℃ Δε: +6.7 Vth: 1.51V このことから、実施例2のNo.1の化合物は、添加に
より液晶組成物の誘電率異方性(Δε)を増大させ、し
かもしきい値電圧を大きく低下させる優れた効果を有す
ることが理解できる。
【0077】(実施例5) 液晶組成物の調製(2) 母体液晶(a)90重量%及び実施例3で得られた
【0078】
【化23】
【0079】の化合物10重量%からなる液晶組成物を
調製し、同様にして、TN-I、Δε及びVthを測定した
ところ以下の通りであった。 TN-I: 125℃ Δε: +6.3 Vth: 1.78V このことから、実施例3のNo.2の化合物は、添加に
より液晶組成物のネマチック相上限温度を上昇させ、誘
電率異方性(Δε)を上昇させると同時に、しきい値電
圧を0.1Vも低下させることができる優れた効果を有
することが理解できる。
【0080】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、実施例にも示したように、4−ブロモ−2,6,
3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニルを用い
て、工業的にも容易に製造することができる。また、分
子内にシアノ基やエステル結合などの強い極性基が存在
しないので、添加により高い比抵抗と電圧保持率を有す
る液晶組成物を容易に得ることができる。しかも、組成
物の誘電率異方性を大きくし、しきい値電圧を大きく低
下させる優れた特徴を有する。従って、各種液晶表示素
子、特にアクティブマトリックス駆動液晶表示素子用の
液晶材料として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基を表わ
    し、nは0又は1の整数を表わし、Qは−CH2CH2
    又は単結合を表わし、シクロヘキサン環はトランス配置
    である。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化2】 で表わされる化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(III) 【化3】 (式中、MはMgBr又はLiを表わす。)で表わされ
    る化合物及び式(IV) 【化4】 で表わされる化合物を、触媒の存在下で反応させること
    を特徴とする請求項2記載の式(II)で表わされる化
    合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒がニッケル錯体であることを特徴と
    する請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
JP5293222A 1993-03-08 1993-11-24 4−置換−2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロビフェニル誘導体、その中間体及びその製造方法 Pending JPH06316540A (ja)

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