JPH06316391A - エレベータの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベータの扉と壁との隙間に指や手を巻き
込む事故を防止し、利用者の安全性の向上を図ることが
できるエレベータの安全装置を得る。 【構成】 エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉する
乗場扉８に設けられてその扉に接触する圧力を検出する
圧力検出装置９と、その検出値が所定値以上のときに異
常信号を発生する異常検出装置１２と、上記異常信号に
基づいて警告メッセージを発するスピーカ１４とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エレベータの戸開動
作時の安全を図るためのエレベータの安全装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のエレベータの戸開動作時の
安全装置を説明する全体構成図である。図において、１
はエレベータ機械室、２はエレベータ機械室１に設けら
れた制御装置、３は乗りかご、４は乗りかご３とカウン
ターウエイト５を結ぶ主ワイヤーロープ、７はエレベー
タの扉（図示せず）を開閉させる扉の開閉装置、１０は
乗りかご３及びカウンターウエイト５が昇降する昇降
路、１１は乗場床、１５は制御装置２と乗りかご３を結
ぶ制御ケーブル、１６は扉の開閉装置７に取り付けられ
て戸開閉時の駆動モータ（図示せず）のトルクが一定値
を超えた時に検出信号を送出する扉開閉負荷検出装置を
示し、この扉開閉負荷検出装置１６は制御ケーブル１５
を通じて制御装置２に接続されている。

【０００３】上記構成においては、エレベータの扉を開
ける場合に、扉を押さえることにより扉が一定時間開か
ない等の理由により、戸開時の駆動モータのトルクが一
定値を超えると、扉開閉負荷検出装置１６によりその検
出信号を制御ケーブルを通じて制御装置２へ知らせる。
制御装置２は、この扉開閉負荷検出装置１６からの検出
信号により扉を閉める方向に制御するようになされてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の安全装置においては、エレベータの扉を開く動
作を開始してから、戸開時の駆動モータのトルクが一定
値を超えた時に安全装置の機能が有効となるようにして
いる為、扉に手を触れていることを事前に予知すること
ができず、例えば乗場扉（図示せず）と乗場の壁（図示
せず）との隙間に手を巻き込んでしまってから、戸開時
の駆動モータのトルク上昇を検出し戸閉動作する場合
に、利用者の安全を確保することができない問題があっ
た。

【０００５】この発明は上述した従来例に係る問題点を
解消するためになされたもので、エレベータの扉と壁と
の隙間に指や手を巻き込む事故を防止し、利用者の安全
性の向上を図ることができるエレベータの安全装置を得
ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１に係
るエレベータの安全装置は、エレベータの乗りかごへの
乗降時に開閉する扉に設けられてその扉に接触するのを
検出する検出手段と、その検出値が所定値以上のときに
異常信号を発生する異常検出手段と、上記異常信号に基
づいて警告を発する報知手段とを備えたことを特徴とす
るものである。

【０００７】また、請求項２に係るエレベータの安全装
置は、エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉する扉に
設けられてその扉に接触するのを検出する検出手段と、
その検出値が所定値以上のときに異常信号を発生する異
常検出手段と、上記異常信号に基づいて扉の開速度を半
減する制御回路とを備えたことを特徴とするものであ
る。

【０００８】

【作用】この発明の請求項１に係るエレベータの安全装
置においては、エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉
する扉に設けられた検出手段により、人又は物がその扉
に接触するのを検出したとき、異常検出手段から、その
検出値が所定値以上のときには異常信号が発生し、報知
手段によって、上記異常信号に基づいて警告が発せられ
る。

【０００９】また、請求項２に係るエレベータの安全装
置においては、エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉
する扉に設けられた検出手段により、人又は物がその扉
に接触するのを検出したとき、異常検出手段から、その
検出値が所定値以上のときには異常信号が発生し、制御
回路によって、上記異常信号に基づいて扉の開速度が半
減制御させる。

【００１０】

【実施例】

実施例１．図１はこの発明の実施例１に係るエレベータ
の安全装置を示す構成図、図２は図１の一点鎖線部分の
拡大図である。これらの図において、１はエレベータ機
械室、２はエレベータ機械室１に設けられた制御装置、
３は乗りかご、４は乗りかご３とカウンターウエイト５
を結ぶ主ワイヤーロープ、６は乗りかご扉、７は乗りか
ご扉６及び乗場扉８の開閉を行う扉の開閉装置、９は乗
場扉８に取り付けられて人または物が触れていることを
検出する圧力検出装置で、例えば、縦横に交差した導体
により人または物が触れた部分の導体間が導通するタッ
チ式スイッチ、人または物が加えた圧力を測定する圧力
センサ等でなる。

【００１１】１０は乗りかご３及びカウンターウエイト
５が昇降する昇降路、１１は乗場床、１２は乗場床１１
の昇降路１０側に取り付けられて圧力検出装置９により
検出された圧力または触れている接触面積を計算し、基
準値以上のときに乗場扉８の前面に人または物が触れて
いることを異常として検出する異常検出装置、１３は乗
場床１１の昇降路１０側に取り付けられた異常検出装置
１２の異常検出信号により音声にて警告メッセージを発
するための音声合成装置、１４は乗場床１１の乗場側上
部または乗場扉８に取り付けられた例えばフィルム状の
スピーカを示す。なお、扉の開閉装置７は制御ケーブル
（図示しない）を通して制御装置２に接続されている。

【００１２】次に動作について説明する。図３は本実施
例に係る安全装置の動作フローチャートを示すもので、
以下、このフローチャートにしたがって説明する。ま
ず、ステップＳ２１において、エレベータの運転中か否
かを判断する。圧力検出装置９及び異常検出装置１２
は、エレベータの運転中でのみ有効であり、基本的には
乗りかご３の中のかご操作盤に取り付けられている運転
スイッチがＯＮ状態の時に有効であり、エレベータが運
転中、制御装置２によって動作可能になる。

【００１３】ステップＳ２２において、圧力検出装置９
は、例えば、手で乗場扉８を押さえている状態ａ、また
は乗場扉８にもたれている状態ｂにおける乗場床１１の
乗場側から乗場扉８に加えられる圧力の強さまたは押さ
れている部分の面積を検出し、異常検出装置１２へ知ら
せる。乗場扉８に加えられる力がない場合には何もしな
い。

【００１４】ステップＳ２３〜２６において、異常検出
装置１２は、圧力検出装置９で検出された圧力の強さま
たは押されている部分の接触面積の広さを計算し、設定
された値と比較することにより、乗場扉８に加えられた
状態を判断（前述の状態ａまたは状態ｂ）し、状態に合
わせた警告メッセージａ、例えば、「扉にもたれないで
下さい」、または、警告メッセージｂ、例えば、「手を
扉から離して下さい」を音声合成装置１３にて発生させ
る為の信号を発生する。

【００１５】ステップＳ２７〜２８において、音声合成
装置１３は、異常検出装置１２にて発生された発報信号
ａまたは信号ｂに対応した警告メッセージをスピーカ１
４を通じて発報する。また、この時、あらかじめ設定さ
れた警告メッセージの発報回数を超えた場合には、それ
以上の発報は行わない。

【００１６】ステップＳ２９〜３０において、制御装置
２は、異常検出装置１２にて検出された異常信号と、既
設の装置によるエレベータの運転状態信号に基づいて、
異常検出階でエレベータが扉を開くか否かを判断する。
異常が検出された階以外の時には、制御装置２は何もし
ない。異常が検出された階でエレベータが扉を開く時に
は、制御装置２から制御ケーブルを通じて乗りかご３上
部に設置された扉開閉装置７の戸開速度を半減する。

【００１７】図４は扉開閉装置７の戸開速度を半減する
ことを可能にする制御回路例を示すものである。同図に
おいて、１５はエレベータの停止階の位置に応じて閉成
される常開接点、１６は異常検出装置１２からの検出信
号に基づいて接点閉成される停止階の対応する常開接
点、１７は乗りかご扉６または乗場扉８の戸開開始信号
に基づいて接点閉成される常開接点、１８は乗りかご扉
６または乗場扉８の戸閉開始信号に基づいて接点開放さ
れる常閉接点、１９は上記常開接点１５ないし１７の閉
成時に励磁されて自己保持接点１９ａの閉成により自己
保持するリレーである。

【００１８】また、２０と２１は上記各戸開又は戸閉開
始信号の閉成時に励磁されるリレー、２２は上記リレー
１９の励磁により接点開放される常閉接点１９ｂの開放
によって抵抗値が半減する可変抵抗器、２３は戸開閉用
の電動機を示し、この電動機２３は、戸開時に異常検出
装置１２から検出信号が送出されたときには上記常閉接
点１９ｂの開放により印加電圧が半減するようになさ
れ、従って、戸開速度を半減制御するようになってい
る。

【００１９】従って、上記実施例によれば、乗場扉８が
戸開前に乗場扉８に触れていることを検出して警告メッ
セージを伝える為、乗場扉８が開く時の巻き込み事故の
発生に対する予防効果がある。また、万一、乗場扉８に
触れている時にエレベータが到着し乗場扉を開く場合に
は、扉の開閉速度を半減する為、乗場扉が開き始めてか
ら手を離す動作を行う為の時間が増加し、同様に巻き込
み事故の発生率低下に対する効果がある。

【００２０】実施例２．実施例１で説明した圧力検出装
置９、異常検出装置１２、音声合成装置１３、スピーカ
１４を、乗りかご扉６及び乗りかご３上部に取付けるこ
とにより、乗りかご３の中の利用者に対する安全性を向
上することが可能となる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、この発明の請求項１によ
れば、エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉する扉に
設けられた検出手段により、人又は物がその扉に接触す
るのを検出したとき、その検出値が所定値以上のときに
異常検出手段から発生される異常信号に基づいて報知手
段を動作させて警告を発するようにしたので、扉が開く
時の巻き込み事故の発生に対する予防効果がある。

【００２２】また、請求項２によれば、エレベータの乗
りかごへの乗降時に開閉する扉に設けられた検出手段に
より、人又は物がその扉に接触するのを検出したとき、
その検出値が所定値以上のときに異常検出手段から発生
される異常信号に基づいて制御回路により扉の開速度が
半減制御するようにしたので、扉が開き始めてから手を
離す動作を行う為の時間が確保されて、巻き込み事故の
発生率低下に対する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一具体例によるエレベータの安全装
置を示す全体構成図である。

【図２】図１の部分拡大図である。

【図３】図１の動作を示すフローチャートである。

【図４】扉の戸開速度を半減する制御回路図である。

【図５】従来のエレベータの戸開動作時の安全装置を示
す全体構成図である。

【符号の説明】

２ 制御装置 ３ 乗りかご ６ 乗りかご扉 ７ 扉開閉装置 ８ 乗場扉 ９ 圧力検出装置 １２ 異常検出装置 １３ 音声合成装置 １４ スピーカ １６ 扉開閉負荷検出装置

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成５年８月４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１７

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１７】図４は扉開閉装置７の戸開速度を半減する
ことを可能にする制御回路例を示すものである。同図に
おいて、１５はエレベータの停止階の位置に応じて閉成
される常開接点、１６は異常検出装置１２からの検出信
号に基づいて接点閉成される停止階の対応する常開接
点、１７は乗りかご扉６または乗場扉８の戸開開始信号
に基づいて接点閉成される常開接点、１８は乗りかご扉
６または乗場扉８の戸閉開始信号に基づいて接点閉成さ
れる常開接点、１９は上記常開接点１５ないし１７の閉
成時に励磁されて自己保持接点１９ａの閉成により自己
保持するリレーである。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】また、２０と２１は上記各戸開又は戸閉開
始信号の閉成時に励磁されるリレー、２２は上記リレー
１９の励磁により接点開放される常閉接点１９ｂの開放
によって抵抗値が倍増する可変抵抗器、２３は戸開閉用
の電動機を示し、この電動機２３は、戸開時に異常検出
装置１２から検出信号が送出されたときには上記常閉接
点１９ｂの開放により印加電圧が半減するようになさ
れ、従って、戸開速度を半減制御するようになってい
る。

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉
   する扉に設けられてその扉に接触するのを検出する検出
   手段と、その検出値が所定値以上のときに異常信号を発
   生する異常検出手段と、上記異常信号に基づいて警告を
   発する報知手段とを備えたことを特徴とするエレベータ
   の安全装置。
2. 【請求項２】 エレベータの乗りかごへの乗降時に開閉
   する扉に設けられてその扉に接触するのを検出する検出
   手段と、その検出値が所定値以上のときに異常信号を発
   生する異常検出手段と、上記異常信号に基づいて扉の開
   速度を半減する制御回路とを備えたことを特徴とするエ
   レベータの安全装置。