JPH06315395A - ヒトモノクローナル抗体の製法およびハイブリドーマの製法 - Google Patents

ヒトモノクローナル抗体の製法およびハイブリドーマの製法

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JPH06315395A
JPH06315395A JP5269230A JP26923093A JPH06315395A JP H06315395 A JPH06315395 A JP H06315395A JP 5269230 A JP5269230 A JP 5269230A JP 26923093 A JP26923093 A JP 26923093A JP H06315395 A JPH06315395 A JP H06315395A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒトモノクローナル抗体の製法および該モノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマの製法を提供
する。 【構成】 B−リンパ球をインビボで、自己由来のヒト
腫瘍からの解離した生育し得る細胞(該細胞は非腫瘍形
成性にされている)およびアジュバンドからなる自己由
来のワクチン中に存在する自己由来の腫瘍抗原で活性化
し、このB−リンパ球を不死化することからなる、ヒト
固形腫瘍に結合しているヒト腫瘍抗原と反応するヒトモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを製造する
方法;ならびに、不死化されたB−リンパ球を上記方法
で製造し、得られた細胞を培養することからなる、ヒト
腫瘍抗原と反応するヒトモノクローナル抗体を製造する
方法であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自己由来腫瘍抗原により
活性に免疫された癌患者のB−細胞から得られたハイブ
リドーマにより産生されるモノクローナル抗体の製法に
関する。これらのモノクローナル抗体はヒト癌(すべて
の固形癌)の診断と治療の両方に使用できる。ここで自
己由来とは、患者自身の腫瘍に由来することをいう。本
発明は、特定の燻に伴う抗原と特異的に反応する新規な
ヒトモノクローナル抗体の製造のための活性に免疫され
た患者の末梢血B−細胞から得られたハイブリドーマの
製法に関する。
【0002】最近の癌治療法、特に放射線療法および化
学療法は癌細胞が正常細胞よりもこれらの治療法に比較
的感受性であるという理由にもとづく。しかし、正常組
織に対する重大な毒性があるのでこれらの療法には限界
がある。一方抗体分子はそれらの抗原に対して非常にす
ぐれた反応性を示す。したがって研究者は癌細胞と反応
する抗体を“癌治療法にとっての長い間探し求めてきた
魔法の小銃弾”として単離するために研究してきた。
(Science,1982,216:283)
【0003】抗体は通常骨髄で産生され血流で運ばれる
B細胞リンパ球によって合成される蛋白分子である。体
内に入るいかなる抗原、すなわち簡単な有機化合物ない
し複雑な蛋白質までのいかなる外来分子に対してもその
特定の化学構造を認識しそれに付加する抗体が産生され
る。特定の抗体が結合できる抗原上の特有の化学構造は
抗原決定基またはエチポードと称される。B細胞と称さ
れる体内のB−細胞リンパ球、リンパ球または白血球は
遺伝学的に異なる細胞であって、各々は異なる決定基と
反応する抗体を産生する。抗体産生を促進する抗原はそ
の表面にいくつかの決定基を有することができる、抗原
と会うと、その表面上にその抗原の上の決定基と反応す
る抗体を有するB細胞が複製する。このクローナル増殖
によりその抗体を血流に分泌する多くの娘細胞が生じ
る。
【0004】抗原を認識し結合する際に抗体が特異性を
有するので、抗体を単一の決定基と反応し且つその決定
基を有する抗原または組織のみに結合する量産生するの
が望ましい。B細胞は不滅細胞とのハイブリダイゼーシ
ョンあるいはウイルスまたは腫瘍DNAのいずれかで形
質転換されることによって変換されていなければ連続培
養で生育しない。KohlerおよびMilstein
(Nature,1975,256:495)はハイブ
リッド細胞が、リンパ球と培養して生育する骨髄腫細胞
との体細胞融合によってつくることができ、単一の決定
基と反応する抗体を産生することを示した。これらのハ
イブリッドは“ハイブリドーマ細胞”と称される。ハイ
ブリドーマ細胞は特定の抗体を産生するように活性化さ
れたリンパ球と骨髄腫細胞とを融合することによって製
造される。培養する場合、ハイブリドーマは特定の抗原
の上の単一の決定基と反応する抗体を産生する。そのよ
うな抗体は“モノクローナル抗体”と称される。
【0005】モノクローナル抗体はすでに培養される前
または培養後に自発的に形質転換されたB−リンパ球細
胞株によって産生されることもできる。これらの細胞は
ハイブリドーマ細胞と異なって正常ヒト倍数(46)の
染色体を有する。本発明によればモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマと変換B細胞株の両方を単離で
きる。簡単のために、以下両方の細胞タイプをモノクロ
ーナル抗体産生細胞と称する。
【0006】モノクローナル抗体は他の免疫グロブリン
を含まない細胞培養物を産生するモノクローナル抗体に
よって純粋な形で合成される。そのような細胞培養物に
よって、特定の抗原上の1つの決定基と反応する抗体を
実質的に限定されない量産生できる。
【0007】特定の癌細胞と反応する抗体が入手できれ
ば種々の治療方法及び診断方法に使用できると確信され
てきた。そのような抗体は該抗体と反応する特定の腫瘍
細胞の決定基において付加することによって該細胞を不
活性化または殺すことができた。別法として、これらの
抗体はエフェクターリンパ球がマクロファージの表面に
結合してこれらを腫瘍抗原と反応するキラー細胞に変換
する。
【0008】モノクローナル抗体は化学療法剤、トキシ
ンおよび放射性同位元素の特異性を増大し、かくしてこ
れらの毒性を低下させながらその効果を増大せしめる。
モノクローナル抗体はトキシン、放射性核種または化学
療法剤と結合でき、この結合した抗体は簡単には抗体を
誘導系として薬剤を弾頭として有する誘導ミサイルと見
なせる。さらに、放射性核種または金属トレーサーと結
合した抗体はプロトン放射(PET)および核磁気共鳴
(NMR)に使用できるので生体内診断および転移の位
置を特定するための画像を与えることができる。これら
の抗体はまた癌の診断および/または予後診断試験法と
して血中の腫瘍抗原の存在を検出するのにも使える。ま
た、モノクローナル抗体は標定ワクチンに有効量使用し
て腫瘍抗原を単離するのにも使用できる。
【0009】動物腫瘍と結合した抗原の存在は前世紀に
文献に示されているがヒト癌の抗原特性は主としてモノ
クローナル抗体についての最近の研究により確立され
た。しかし、本発明が開発されるまでは実際にはほとん
どの癌抗原は分子的には不明で、ヒト癌に結合している
抗原性決定基、すなわちB細胞腫瘍の免疫グロブリンイ
ディオタイプの1つのみが特に腫瘍特異性であって、腫
瘍細胞の上に高度にしばしば生じ、正常組織には有意の
程度には生じないものであると記載されている(Old
ham and Smalleg,J,Biol.Re
sponse Modifiers,1983;Str
atte et al,J.Biol.Respons
e Modifiers,Volume 1,198
2)。
【0010】
【従来技術】ヒト癌に特異的なモノクローナル抗体を得
るための過去の試みによれば、B細胞に関して2つの経
路がある:1)B細胞はヒト腫瘍に対して免疫されたマ
ウスの脾臓から取り出された。米国特許第4,172,
124号;および 2)ヒトB細胞は腫瘍を放出してい
る癌患者の末梢血またはリンパ節より取り出された。し
かし両方法とも満足のいく結果が得られなかった。
【0011】ヒト腫瘍に対して免疫されたマウスはあま
りに広い反応性を有する。すなわち、生成したマウスモ
ノクローナル抗体の大部分は正常組織ならびに腫瘍組織
に存在するヒト抗原と反応する。腫瘍細胞とのみ反応す
る抗体を生産された種々の抗体から選択するのが非常に
困難である。たとえば、ヒトの小細胞肺癌で免疫された
マウスから得られた20,000個のハイブリドーマを
腫瘍細胞との反応性についてスクリーニングした。(S
cience,1982,216,283)。この研究
班によって観察された非常に低い頻度(<0.4%)と
は反対に、本発明によれば、腫瘍細胞と特異的に反応す
るモノクローナル抗体を産生する免疫化された結腸癌患
者から得られたハイブリドーマの16%に達する。さら
に、マウスB細胞から得られたモノクローナル抗体は癌
療法における適用に対して効力が限定されている。繰返
し投与後、該抗体はヒト免疫系を刺激して臨床において
マウスモノクローナル抗体の活性を中和することが示さ
れていた“抗マウス”抗体を産生する。我々のヒトモノ
クローナル抗体を使用すればこれらの困難性を回避でき
る。
【0012】ヒトとマウスのモノクローナル抗体とのも
う1つの見掛け上の明白な相違は、それらの標識のパタ
ーンである。マウス抗体についてのこれまでの研究によ
り、しばしば腫瘍部位内の細胞の不均一標識があること
がわかった。この反応性のパターンは腫瘍細胞の抗原不
均一性について抗原不均一性については何人かの著者に
よって示されている。(Hand et al)Can
cer Research,43:728−735,1
985)。反対に、本発明者らによって開発されたヒト
モノクローナル抗体は該抗体が反応した腫瘍に対する反
応性に関して均一であった。マウスモノクローナル抗体
の不均一染色については、推定腫瘍関連抗原よりむしろ
腫瘍細胞上に豊富に存在する相または細胞サイクル特異
的分別抗原(phase−or cell−cycle
−specific differentiation
antigens)をネズミが免疫的に認識する結果
であると一応説明される。マウスをヒト腫瘍細胞で免疫
する場合、実質的な抗原の競合があって、より豊富でよ
り支配的な組織型の分別抗原が、宿主による免疫応答性
について、比較的少数の腫瘍関連抗原と都合よく競合す
ることが予測できる。
【0013】このようにして、ヒトの自己免疫化によっ
てマウスにおいて通常免疫原性の乏しい抗原群に対する
抗体を誘い出す。このことはヒトとマウスが異なる腫瘍
抗原に反応する可能性を示唆している。この仮説に従え
ば、発明者等が産生した36のヒトモノクローナル抗体
はいずれも癌芽性抗原(carcinoembryon
ic antigen)(CEA)、すなわちヒト腫瘍
細胞に対して製造されたネズミモノクローナル抗体によ
ってしばしば認められる抗原と反応しないように見え
る。
【0014】ヒトモノクローナル抗体を開発する過去の
試みの大部分は腫瘍を持つ患者からの末梢血あるいはリ
ンパ節から抽出したB−細胞を使用して来た。抗原性腫
瘍の存在によって腫瘍を持つ個体にその腫瘍に対する免
疫応答をさせて免疫B細胞を特異的に産生させることが
確信された。このようにして、B細胞は癌患者の腫瘍排
出リンパ節または末梢血に見出される循環するリンパ球
から採取された。しかし、本発明の前は、腫瘍と反応す
るモノクローナル抗体を創製するのに成功した例はほと
んどなかった。
【0015】ヒト腫瘍抗原と反応するモノクローナル抗
体を創製するについての問題は主として特異的に免疫さ
れたB細胞源を見出すことが不可能であるということで
ある(Science,1982,216:283)。
ヒトの場合、癌細胞の最初の中心は、病気の証拠として
臨床的に触診できるようになる前にヒトの寿命の1〜1
0%という長い間生育する傾向がある。この時までに、
患者は彼等の腫瘍に対して免疫学的に減感作されている
か、おそらく免疫学的に耐性が出来ている。本発明以
前、腫瘍細胞と反応性のヒトモノクローナル抗体は再現
性を以って得ることはできなかった。さらに、癌患者か
ら得られた少数のヒトモノクローナル抗体のうち、非常
にわずかなものだけが細胞内の決定基というよりむしろ
腫瘍細胞の表面に見出される決定基と反応するにすぎな
かった(R.J.Coteら、PNAS,1983,8
0:2026)。本発明は表面抗原と反応性である、す
なわち腫瘍を画像化し治療するに必要な活性を有するモ
ノクローナル抗体を開発し得たものである。
【0016】
【発明が解決すべき課題】本発明の1つの目的は、特定
の癌を持つ患者に免疫応答を誘発させる腫瘍特異的抗原
と反応性のモノクローナル抗体を開発することである。
腫瘍免疫化された患者の腫瘍と反応する抗原の免疫原性
を生体内で検定する価値ある検定法は遅延皮膚過敏症で
ある。上記の如き抗体は腫瘍を検出し診断する方法を提
供する。本発明のもう1つの目的は、特定タイプの癌の
患者を治療するのに有効であるモノクローナル抗体を得
ることである。本発明者等は、特異的ワクチン製造にお
いて自身の腫瘍からの細胞で免疫された患者からの末梢
血B細胞を使用することによってモノクローナル抗体を
得る新規且つより効率のよい方法を開発した。活性な特
異的免疫療法を達成するために患者は自己由来腫瘍細
胞、すなわち、患者自身の腫瘍からの細胞で免疫され
た。この方法は腫瘍細胞は腫瘍と反応する抗原を発現す
るという発明者等の理論にもとづいている。
【0017】動物モデルについての研究により、正常の
成人の組織に見られない抗原が腫瘍にはしばしば見ら
れ、これらの腫瘍細胞の免疫原性は正常宿主と腫瘍担持
宿主の両方において発現でき、増強されることさえあり
得るということが支持された。これらの実験結果によ
り、ヒト新生物における活性な特異的免疫療法の合理性
が正当化された。
【0018】腫瘍細胞に対する目的とする免疫応答を行
っているヒトは特に活性化B細胞の良好な源と見られ
た。患者自身の腫瘍に対して活性に免疫化された患者の
末梢血は臨床的試験においてそのような活性化B−細胞
の豊富な源であることがわかった。
【0019】臨床的研究において特定の癌を持つ患者を
皮膚試験、すなわち遅延皮膚過敏症(DCH)によって
治療する際に目的とする免疫応答が生じることが示され
た。免疫化された患者は彼等の結腸直腸癌に対する遅延
皮膚過敏症を示した。さらに、免疫された患者のB細胞
から発生したモノクローナル抗体は、他の患者の組織学
上のタイプが同一の腫瘍と反応した。これらの結果、患
者の体液性免疫反応、すなわち抗体産生は一般に結腸直
腸癌に対して生じ、免疫された患者自身の腫瘍に特有の
ものではないことを示している。この一般的な応答は特
に標定ワクチンの開発に重要である。
【0020】治療も高度に有利であることがわかった。
最初の患者を免疫して42ケ月後に外科手術の予後に関
して患者に目的とする有意な改善があり、生存データが
良好なものとなった。治療を受けた20人の患者のうち
3人だけが再発したが死んだ者はいなかった。比較のた
めに示すと、対照群の20人の患者のうち9人が再発
し、4人が死んだ。
【0021】腫瘍細胞抗原に特異的な反応性を有する抗
原、特に大部分のケースにおけるような細胞表面抗原を
産生するB細胞の発生は、免疫化研究が開始された時は
せいぜい理論上有利な結果であるとされた。免疫化療法
はヒト免疫化方法の基礎となる動物についての研究の間
観察され測定されたのみで腫瘍と反応する抗体の産生に
ついてはしらべられなかった。
【0022】患者の状態の改善を伴なう一般的免疫応答
は、腫瘍細胞抗原の存在下にマクロファージおよびT細
胞が活性化し該腫瘍細胞を殺す細胞応答については活性
がない。抗体応答はほとんどの場合免疫化により生じる
ことが予測できようが、抗体応答と細胞の反応の経時的
予測はほとんどの場合困難であろう。さらに、患者が自
己由来腫瘍細胞で免疫されているという事実及び患者自
身の腫瘍により抗体産生がほとんどあるいは何ら生じな
いという本発明以前の研究者の経験からすれば、腫瘍と
反応する抗体を産生するB細胞が免疫化後に発生すると
いう本発明者等の発見は予期せざる有利な結果である。
【0023】いくつかの細胞性及び体液性免疫応答は互
いに独立して生じ得る。たとえば、論証できる細胞性免
疫の不存在下に体液性応答を生ぜしめることができる。
反対に、有効な細胞性免疫、特に遅延皮膚過敏症(DC
H)は、最小限の抗体反応にもかかわらず生じる。した
がって、活性な免疫療法に陽性の反応を示す患者が、B
細胞が産生する腫瘍と反応する抗体、特に細胞表面抗原
のすぐれた源であったということは驚くべきことであ
る。
【0024】本発明はモノクローナル抗体産生ハイブリ
ドーマの産生方法およびモノクローナル抗体の産生方法
からなる。亜性腫瘍は酵素製剤によって消化される。得
られた細胞を処理して必要な細胞生存活性を有する非腫
瘍形成性腫瘍細胞調製物を得、これをワクチンとして該
腫瘍が得られた患者に注射する。末梢血B細胞は予め決
められた間隔後に接種された患者から得られ、骨髄腫細
胞との融合によってモノクローナル抗体産生細胞を調製
するのに使用され、その後融合細胞は免疫グロブリンの
合成についてスクリーニングされる。免疫グロブリンを
合成する細胞は、亜性腫瘍の特性を有する抗原と反応す
る抗体の産生について試験される。選択された細胞を培
養して患者がかかっている特定タイプの腫瘍と反応する
モノクローナル抗体を産生させる。
【0025】培養して生育したマウスの骨髄腫細胞を使
用して本発明の開発過程でハイブリドーマをつくった。
しかし、自分自身の抗体を産生しない生育し易いヒト骨
髄腫細胞株を開発する際の問題が解決したので、ヒト骨
髄腫は本発明のハイブリドーマをつくるのに好適であろ
う。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の要点は次のとお
りである。
【0027】1) 活性な特異的免疫化のための好都合
なワクチンの基準:腫瘍細胞はすべて組織から酵素によ
って解離され、凍結保存され非腫瘍形成性を保持するた
めX線照射しておく。アジュバンド,すなわち腫瘍細胞
調製の免疫原性を誘発させることができる免疫転調剤。成分および投与 アジュバンド対腫瘍細胞の比、腫瘍細胞の至適量および
ワクチン注射の手順を含む。患者 ワクチン注射後最初の21日間はワクチン注射部位にリ
ンパ液を送るその区域のリンパ節が存在しなくてはなら
ない。
【0028】2) 患者から免疫化B細胞をとり出すた
めの方法及び時期。
【0029】3) ハイブリドーマおよび形質転換リン
パ球の製造方法及びモノクローナル抗体の製造方法。
【0030】本発明者等は種々の酵素製剤を使用して固
形ヒト亜性腫瘍を分解した。腫瘍分解物は組織1g当り
腫瘍細胞量、回収された細胞のタイプ、細胞の生存率、
細胞の大きさおよび安定性について測定された。成功し
たワクチンの基準は活性な特異的療法について表1に示
されている。
【0031】腫瘍組織はモノクローナル抗体をつくるべ
き特定の固形癌にかかっている患者から得られた。腫瘍
組織は患者から外科的に切除され、いかなる非腫瘍組織
からも分離され、小さな切片にされた。腫瘍組織は直径
2〜3mmの断片にするのがよい。腫瘍断片を次いで酵
素溶液中でインキュベートすることによって自由な個々
の腫瘍細胞に分解させた。
【0032】分解後、自由になった細胞を集め、数をし
らべ、細胞の生存率を測定した。トリパンブルー排除試
験は細胞の生存を測定するのに適当な方法であると見ら
れた。腫瘍細胞を次いで凍結保存し液体窒素中で貯蔵し
た。
【0033】注射用ワクチンは、凍結保存された細胞を
急速に解凍し、細胞を希釈し、HBSSで洗い、懸濁
し、計数し、生存率を測定することによって調製され
た。
【0034】生存腫瘍細胞を照射して非腫瘍形成性にし
た。本発明者等は総量20,000ラドを4020ラド
/分で照射すると非腫瘍形成性であるが生存している細
胞を得られることを見出した。HBSS中の細胞懸濁液
の容量を調節して試験管に107 個の生細胞が残るよう
にした。細胞を遠心分離し、上清を除去し、107 個の
BCG生細胞を0.1mlの容量として加えた。ハンク
の平衡塩溶液(Hank’s Balanced Sa
lt Solution)(HBSS)を加えて最終容
量0.2mlとした。第三のワクチンはBCGを省略し
て簡単につくった。
【0035】患者の免疫化 抗体を産生させようとする特定の固形癌にかかっている
患者を腫瘍細胞ワクチンを皮内接種することによって免
疫された。BCGを107 個の生存腫瘍細胞と混合した
ものを最初の2回のワクチン注射に使用し、107 個の
腫瘍細胞のみを第三回目のワクチン注射に使用した。各
ワクチン注射を1週間間隔で行うのが、患者の末梢血リ
ンパ球による抗体産生を誘発するのに好都合の方法であ
ることがわかった。
【0036】免疫化B細胞の収集 各ワクチン注射後1週間して免疫された患者から静脈血
を集めた。末梢血リンパ球(PBL)をハイブリドーマ
産生に使用するために集めた血液から分離した。
【0037】該血液からのリンパ球の分離は2つの異な
る方法によって達成された。第一の方法はカルシウムと
マグネシウムを含まないHBSSで希釈し、リンパ球分
離培地上に積層し遠心分離し、細胞を界面でとり出すこ
とからなっていた。これらの細胞をHBSSで希釈しペ
レット化した。次いでこれらのリンパ球を血清を含まな
いヘペス(Hepes)−緩衝化ダルベッコのMEM
(Dulbecco’sMEM)(DMEM)に再懸濁
し、計数し、生存細胞を検定した(GIBCOBiol
ogics,Grand Island,New Yo
rk)。
【0038】B細胞に富んだ末梢血リンパ球(PBL
s)を回収するのに使用されたもう1つの方法は処理さ
れた羊赤血球を2−アミノエチルイソチオウロニウムブ
ロミド臭化水素塩(AET)でロゼット化することによ
りT−リンパ球を取り出すことからなっていた。処理さ
れた赤血球を末梢血液リンパ球と混合し、遠心分離によ
りペレット化し、該ペレットを氷上でインキュベートし
た。再懸濁し、リンパ球分離培地(LSM Litto
n Bionetics)上に積層し、ロゼット化細胞
を遠心分離後、T細胞を放出したPBLを界面で集め、
洗浄し、ペレット化した。B細胞に富んだPBLを計数
し生存細胞を測定した後ハイブリドーマの形成に使用し
た。
【0039】抗腫瘍モノクローナル抗体の産生のための
ヒトハイブリドーマの調製 末梢血リンパ球(PBL)と培養された骨髄腫細胞をい
っしょに混合し、ペレット化し、血清を含まない培地中
に再懸濁した。ポリエチレングリコール(PEG)を加
え、細胞をペレット化し、HT培地(20%ウシ胎児血
清、ヒポキサンチンおよびチミジンを含むDMEM)で
再懸濁し、ミクロ滴板の各くぼみに入れた。24時間
後、HAT培地(アミノプリテリン含有HT培地)を各
くぼみに加え、培地の半分を3日毎にとり換えた。HA
T培地中で14日間培養した後、細胞をさらに2週間H
T培地で培養した。この後、細胞を20%のウシ胎児血
清を含むDMEM培地上で生育させた。
【0040】これらのハイブリドーマを標準的酵素免疫
検定法を使用してヒト免疫グロブリンの合成についてあ
らかじめスクリーニングした。充分量のヒト免疫グロブ
リンを合成するハイブリドーマを各組織について試験し
た。特定の組織の試料をハイブリドーマ上清液とインキ
ュベートした。特定の腫瘍組織との反応性を示した上清
は各くぼみのハイブリドーマ細胞(これらから特定の上
記上清が取り出された)が腫瘍と反応する抗体を産生し
た。もし同じ上清がさらにスクリーニングした後に正常
組織の試料との反応を示さない場合は、その特定のくぼ
みのハイブリドーマは腫瘍と反応するとみなされた。こ
れらの腫瘍と反応する上清はさらに癌芽性抗原(CE
A)に対して試験してそれらの限定された範囲の特異性
を確認した。
【0041】腫瘍特異抗体を産生したハイブリドーマ細
胞の他に形質転換ヒトB細胞(二倍体細胞)も腫瘍と反
応する抗体を産生したこれらの方法によって製造した。
形質転換B細胞は腫瘍と反応する抗体産生ハイブリドー
マと同一の方法で検出された。くぼみの上清を試験した
ところ、腫瘍組織との反応は陽性で、正常組織との反応
とハイブリドーマまたは形質転換B細胞との反応は陰性
のものがあった。これら2つのタイプの細胞は、形質転
換B細胞が46ヒト染色体を有するがハイブリドーマは
もっと多くの染色体を有し、かならずしもヒトタイプで
はないということで区別された。
【0042】B細胞が上記過程で形質転換されるメカニ
ズムは正確には決定されていない。
【0043】本発明を添付図面にもとづいてより具体的
に説明する。
【0044】第1図 ハイブリドーマに典型的な生育特性を有する細胞の染色
体顕微鏡写真(1600倍)である。LiCo2127
コルセミド(0.05μg/ml)と2時間インキュベ
ートし、高張(0.075M)KClで3分間処理し
た。細胞をメタノールと酢酸(3:1)の混合物で固定
し顕微鏡スライド上に滴下し、風乾し、ギムザ染色し
た。ヒトとマウスの両方の染色体が存在する。
【0045】第9図 房状モノクローナル抗体(LiCo18−15)産生細
胞株の位相差顕微鏡写真(270倍)である。細胞の凝
集と異形に注目すべきである。
【0046】第10図 第11図に示した細胞株のG帯の染色体の顕微鏡写真
(1360倍)である。マウスの染色体が存在しないこ
とに注目。これらの細胞はコルセミドと(0.01μg
/ml)とともに一晩インキュベートした。染色体顕微
鏡写真は上述のように作成した。未染色スライドは10
日間置いた。染色体をトリプシン(0.19%,30秒
室温)で処理し、エタノールで脱水し、ギムザ染色し
た。
【0047】第11図 結腸癌のホルマリン固定(10%)パラフィン埋込み切
片をLiCo16−88(4μg/mlIgM)と反応
させたものの顕微鏡写真(380倍)である。表面様標
識と細胞質標識の両方が見られる。脱パラフィン化切片
をリン酸塩緩衝液を加えた生理塩水(PBS)(pH
7.3)(0.75MのL−リジンと1%牛血清アルブ
ミンを含む)でブロックにし、次いでLiCo16−8
8とともに4℃で一晩インキュベートした。PBSで洗
った後、切片をヒト免疫グロブリン(IgG+IgA+
IgM)に対するアフイニティ−クロマトグラフィーで
精製したペルオキシダーゼ標識山羊抗体とともに60分
間37℃でインキュベートし、洗いジアミノベンジジン
(0.5mg/ml)とともに0.1%H22 を含有
するPBS(pH7.6)中で15分間室温で反応させ
た。ヘマトキシリンで向流染色後、切片を脱水し、透明
にし、パーマウント(permount)を種層した。
【0048】第5図 第11図におけるような結腸腫瘍を正常ヒトIgM(4
μg/ml)と反応させたものの顕微鏡写真である(3
80倍)。染色は何ら観察されなかった。
【0049】第6図 LiCo16−18で染色された結腸腫瘍の凍結切片の
顕微鏡写真(640倍)である。腫瘍細胞の縁が強く標
識されているのに注目(矢印)。この切片を風乾し−3
0℃で貯蔵した。この切片をPBS中PLPで4℃で2
0分間後固定し、ヒトμ鎖と反応するペルオキシダーゼ
標識山羊抗体を使用した以外は第11図について述べた
ように処理した。
【0050】第7図 第6図に示される結腸腫瘍の凍結切片を正常ヒト免疫グ
ロブリンと反応させたものの顕微鏡写真(640倍)で
ある。腫瘍細胞が標識されていないことが示されてい
る。
【0051】第8図 風乾された未固定SW1663細胞を遠心分離したもの
をLiCo16−18(4μg/ml)で染色したもの
の顕微鏡写真(280倍)である。結腸腫瘍細胞株をエ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)(0.02%)で回
収し、洗い、1%牛血清アルブミンを含有する培地中で
懸濁した。細胞(2×104 個/0.1ml)を低温遠
心分離器中でガラススライド上でペレット化し、−30
℃で保存した。細胞をモノクローナル抗体と1時間室温
で、次いで一晩4℃でインキュベートし、洗い、次いで
上述の如く処理した。
【0052】第9図 結腸直腸腫瘍のパラフィン切片中の抗原分布を示す図で
ある。影の区域は15個の腫瘍の10人のヒトモノクロ
ーナル抗体による陽性の間接免疫ペルオキシダーゼ染色
を示す。
【0053】第10図 2つのモノクローナル抗体がほとんどの結腸直腸腫瘍と
反応することを示す図である。15個の結腸直腸腫瘍の
パラフィン切片の2つのモノクローナル抗体と9人の患
者からの解離した腫瘍の風乾した細胞遠心調製物の反応
性を比較した。影の区域は陽性の間接的免疫ペルオキシ
ダーゼ染色を示す。
【0054】第11図 すべての対照及び免疫された患者を部位及び病理学的段
階によって活性な特異的免疫療法臨床試験において追跡
した結果を示すグラフである。
【0055】第12図 すべての患者にヒト結腸直腸癌が存在しない状態を示す
グラフである。
【0056】第13図 すべての患者の生存状態を示すグラフである。
【0057】第14図 陽性の局所リンパ節を有する患者の病気にかかっていな
い状態を示すグラフである。(Astler−Coll
er C)。
【0058】第15図 陽性の局所リンパ節を有する患者の生存状態を示すグラ
フである。(Astler−Coller C)。
【0059】
【実施例】以下の例は本発明を説明するものであり、本
発明の範囲を限定するものではない。 実施例I:感作B細胞の調製 A.患者の選択 結腸または直腸の癌を外科的に切除した患者を活性−特
異的免疫療法の無作為試験のために選択した。無作為化
は病理的段階に従って層化する事によりなし、臨床的基
準に合致したすべての患者から癌を得た。研究の候補者
は以前に癌にかかっていず、以前に化学療法または放射
線療法を受けたことがなく、外来患者治療のプロトコー
ルに従う適当な健康状態の直腸結腸の癌患者である。試
験に好適の患者は腫瘍が腸壁を通して拡がっている(A
stler−Coller B2)患者、リンパ節が陽
性(段階C1,C2)の患者および転移性疾病(段階
D)の患者である。これらの分類の中で、患者を無作為
に処置および非処置の群へいれるため選択した。無作為
化カードはコンピューターが発行し、続いて手術後に各
々の範囲から採取する。
【0060】B.腫瘍の獲得 腸標本を外科的切除で得た後直ちに病院病理部門へ移し
無菌条件下切開する。腫瘍組織を切り出し、ml当り5
0μgのゲンタマイシンを含有するハンクの平衡塩溶液
(HBSS)がはいった無菌チューブ内に置き、直ちに
氷に乗せて操作工程および凍結のため実験室へ運搬す
る。
【0061】C.固形腫瘍および結腸粘膜の解離 層流ドラフト内で無菌技術を用い、Petersら(C
ancer Research,39:1353−13
60,1979)の組織解離法を使用した。腫瘍組織を
遠心チューブ内でHBSSおよびゲンタマイシンにより
3度洗浄し、氷上のペトリ皿へ移す。小刀による離断で
異質の組織を除去し、腫瘍は直径約2から3mmの断片
に切りきざむ。組織断片を前もって37℃に暖めた20
−40mlの0.14%(200単位/ml)コラゲナ
ーゼタイプI(SigmaC−0130)および0.1
%(500Kunitz 単位/ml)デオキシリボヌ
クレアーゼタイプ(Sigma D−0876)(DN
Aase 1,SigmaD−0876)の溶液がはい
った75mlフラスコに置く。フラスコを水中に沈めう
る磁気攪拌機の付いた37℃の水浴に置き、タンブリン
グは起こすが泡立てない速度で回転させる。30分間イ
ンキュベートした後、遊離した細胞は3層の無菌培地−
湿式ナイロンメッシュ(166t:Martin Su
pply Co.,Baltimore,Maryla
nd)を通して50mlの遠心チューブにデカントす
る。細胞は冷凍遠心分離基で10分間1200rpm
(250×g)で遠心分離する。上澄み液を除き,細胞
は5−10mlのDNAase(0.1%HBSS中)
に再懸濁し、37℃に5−10分間保つ。チューブをH
BSSで満たし、遠心分離により洗浄し、15mlのH
BSSに再懸濁して氷上に保つ。この過程を十分な細胞
を得るまで繰り返す(通常腫瘍細胞に対して3回)。異
った消化物からの細胞をプール、計算し、細胞生存率は
トリパンブルー排除試験により査定する。細胞は冷凍保
存の前に遠心分離して最終的な洗浄を行う。
【0062】D.冷凍保存 最適の冷凍保存が第一の関心事である。ワクチン製造の
ため、解離腫瘍細胞はHBSS中5−8×107 /ml
に調整し、15%ジメチルスルホキシド(DMSO)お
よび4%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有する等量
の冷した凍結培地(2×)に加える。2から4×107
細胞/mlの最終懸濁液を1.2mlのNunc凍結バ
イアルに入れる。DCH細胞試験の為の方法はHSAを
用いない事を除いて同一である。凍結の為の調整の両方
の場合とも、氷上のNuncバイアルは、速度制御下で
の凍結の為モル700調節器およびモデル500温度記
録計を付けたCryo−Medモデル990生物フリー
ザーに移す。モニターバイアルを含む個々のバイアルの
温度が凍結過程の始めに一様であるように注意を払う。
バイアルを−1℃/mmの制御速度で−80℃の最終温
度まで冷却する。バイアルを液体窒素に移し、液体窒素
保存する。
【0063】E.臨床プロトコール 適当な病理学上の段階の腫瘍の患者を自己の腫瘍細胞−
BCGワクチンを受けるかまたはより以上の療法を受け
ないかどうかを無作為に決定する。段階Dの患者はすべ
て5−フルオロウラシル化学療法を受け、腹膜反転の下
に病変(直腸癌)を持つすべての患者は免疫療法が完了
した2時間後に5040ラドの腰部X線照射を受ける。
麻酔および手術により誘導された免疫抑制の回復に十分
な時間である腫瘍切除4−5週間後にワクチンを開始す
る。切除3−4週間後に、対照および処置患者の両者の
皮膚をその自己腫瘍細胞の段階量同様に標準既往性抗体
で試験する。使用した既往性抗体は:おたふくかぜ皮膚
試験抗原USP,EliLilly,Indianap
olis,Indiana;アプリソール,PPD(ツ
ベルクリン精製タンパク質誘導体)、parke Da
vis,Detroit,Michigan;白癬菌、
1:30希釈、Center Laboratorie
s,Port Washington,New Yor
k;および1:100希釈、鵞口瘡カンジタ、Cent
er Laboratories,Port Wash
ington,New York,であり、各々の0.
1mlを前腕の皮膚内に入れ、24および48時間後の
紅班および硬変を試験した。
【0064】処置プロトコールに選択された患者は1週
間毎3回の皮下ワクチン注射(最初の2回のワクチンは
107 の照射自己腫瘍細胞および107 BCGから成
り、最後は107 の腫瘍細胞のみである)を受ける。U
niversity of Illinois Med
ical Center,Chicago,Illin
ois のRay Crispen博士から供給された
新しく凍結したTiceBCGは−70℃で保存する。
第1のワクチンは鼠径部のしわの下約10cmの左前方
の大腿にうち、第2は右大腿の匹敵する所に、第3番目
は右デルタ状部分である。
【0065】F.ワクチンの製造 第1および第2のワクチン注射の日にバイアルを37℃
水浴中で急速に溶解させ、腫瘍細胞をHBSSで15m
lに徐々に希釈し、1200rpmの遠心分離により1
度洗浄し、15mlのHBSSに再懸濁する。細胞計数
および生存率決定はトリパンプルー排除試験を用いて行
った。生存率は70から90%の範囲であり、平均は8
0%であった。細胞を1200rpmの遠心分離により
1度洗浄し、15mlのHBSSに再懸濁する。腫瘍細
胞の懸濁液を氷上におき4020ラド/分で総計20,
000ラド照射する。細胞懸濁液はチューブ中生存腫瘍
細胞が107 残るように(チューブおよびシリンジ内の
細胞損失があってもよいように、および約20%のリン
パ様細胞の誤認識の可能性のため1.3×107 の生存
能力のある細胞が含まれる)量を調整する。細胞を遠心
分離し、上澄み液を除去し、0.1mlの量の107
CGを添加する。最終容量が0.2mlになるような十
分量のHBSSを添加する。第3のワクチンはBCGを
除いて同様に製造する。ワクチン懸濁液は20ゲージ針
を通して0.1mlのツベルクリンシリンジに吸い上げ
る。皮下注射の為に20ゲージ針を27ゲージ針に置き
換え、シリンジは病院への移送の為氷上に置く。各々ワ
クチン接種後注射位置での紅班および硬変、熱、リンパ
節症または他の有害な反応など患者をよく観察する。第
1の2つのワクチン部位が2−3週間後潰瘍化するが、
10から12週間以内に必ず癒着する。
【0066】G.免疫法の結果 標準既往性抗原の反応性 すべての患者は最初少くとも1つの標準既往性抗原に反
応性を持っている。29のうち2つがカンジタに対して
反応的であり、29のうち26がおたふくかぜに対して
反応的であり、29のうち16がPPDに対して反応的
であり、29のうち3つが白癬菌に対して反応した。2
人の免疫した患者がPPD陽性に変換したのを除くとフ
ォローアップ期間に反応性の有意な変化はなかった。
【0067】H.腫瘍細胞に対する遅延皮膚感覚過敏
(DCH) 24人の免疫したおよび11人の非免疫対照患者におけ
る106 自己腫瘍細胞に対する遅延皮膚感覚過敏反応を
表2に示した。43時間での硬変測定で5mm以上のも
のを陽性とした。免疫法に前だっては、106 、腫瘍細
胞に対し24患者のうち4人(17%)が陽性DCHを
示した。これは非免疫対照群において試験した11患者
のうち1人(9%)と有意な差ではない。免疫療法の1
クール後有意に(p<0.01)最初から陽性の応答者
のすべておよび陰性応答者の12名が非常なDCH反応
性を持った(67%が陽性になった)。これらの患者の
7人を1年後試験したら3人は陽性応答を保持してい
た。16人の免疫した患者のうちただ3人が6週後10
5 個の腫瘍細胞に対して陽性DCH応答を示したが、1
4 の細胞を応答した者はいなかった。
【0068】実施例II:ヒトモノクローナル抗体のた
めのハイブリドーマの産生
【0069】A.患者からの免疫されたB−細胞の採取
およびプロセッシング 第1の免疫接種して一週間後の第2の免疫接種時、およ
び第2の免疫接種一週間後の第3の免疫接種時に患者か
ら採血する。17単位/mlの最終濃度の防腐剤を含ま
ないヘパリン(O′Neill,Jones and
Feldman,St.Louis,Missour
i)の存在下無菌的に静脈血を採取する。血液は室温に
保ち、採取後2時間以内に迅速に実験室に移送する。カ
ルシウムおよびマグネシウムを含まないHBSSで1:
2に希釈した血液(4ml)を3mlのリンパ球分離培
地(LSM,Litton Bionetics)上に
層積し、15mlの遠心分離チューブで400×gにて
30分間遠心分離する。相間の細胞を除去し、3回その
容量のHBSSで希釈しペレット化する(1000rp
m,10分間)。末梢血液リンパ球(PBL)を10m
lの無血清ヘペス緩衝化ダルベッコMEM(DMEM)
に再懸濁し、計数し、生存率を決定する。
【0070】免疫したB細胞を回収する為別の方法もま
た用いた。AET−処理ヒツジ赤血球によるロゼット化
によりT−リンパ球を除去するヒツジ赤血球〔アルシー
バー(Alsever’s)溶液中〕は3回平衡塩溶液
(BSS)で洗浄し、充填細胞容量の4倍の0.14M
AET(Sigma)と37℃で20分間インキュベー
トする。処理細胞をHBSSで3回洗浄し、10%懸濁
液に再懸濁する。処理赤血球をLSM上に層積し、25
00rpmで遠心分離し、ペレットを集める。HBSS
で3回洗浄後、非希釈ウシ胎児血清中にヒツジ赤血球を
10%懸濁液として再懸濁し2週間以内に使用する。P
BL(8000万細胞まで)を1mlのAET−処理の
ヒツジ赤血球と混合し、4℃にて1000rpm、10
分間でペレット化する。ペレットを氷上で45分インキ
ュベートし、広い口径のピペットで穏かに再懸濁し、3
mlのLSMに層積する。ロゼット化した細胞は室温で
400×g40分間にて遠心分離する。相間のT細胞が
枯渇したPBLを集め、同量のHBSSで3回洗浄し、
ペレット化する。計数および生存率決定後、B細胞濃縮
PBLをハイブリドーマ発生に使用する。
【0071】B.ヒトハイブリドーマの発生 マウスミエローマ細胞(NS−1)を8−アザグアニン
(20μg/ml)の存在下成長せしめる。融合3日前
に、細胞をペレット化し、8−アザグアニンを含まない
培地中で継代培養する。融合前日に再び細胞を継代培養
して細胞を対数増殖期に保つ。ミエローマ細胞を1度無
血清培地で洗浄し、計数し、生存率を決定する。PBL
およびミエローマ細胞を3:1の比で混合し、1000
rpm、10分間で一緒のペレットとなす。すべての上
澄み液を除去し、細胞のペレットを100μl未満の無
血清培地に再懸濁する。前もって37℃に暖めた1ml
のポリエチレングリコール(50%w/v)を細胞ペレ
ットにチューブを定常的にかき混ぜながら1分以上かけ
て滴下する。前の2倍の容量の前もって暖めた無血清培
地を1分以上かけて50mlのチューブを満たすまで添
加する。800rpm、15分間細胞をペレット化す
る。細胞をHT培地(20%ウシ胎児血清、ヒポキサン
チン13.6μg/mlおよびチミジン3.9μg/m
lを含むDMEM)中に2.5×106 細胞/ml(融
合前の計数値)の濃度で穏やかに再懸濁し、各々のマイ
クロタイターウエル(ミクロ滴板のくぼみ)に100μ
lを加える。24時間後、100μlのHAT培地
(0.18μl/mlのアミノプテリンを含有するHT
培地)を各々のウエルに添加する。3日毎に培地の半分
を新鮮なHAT培地に置き換える。14日間HAT培地
で維持した後、更に2週間HT培地で維持し、その後2
0%ウシ胎児血清を含有するDMEM培地で成長せしめ
る。さらに、PBLとミエローマ細胞の共培養を行い、
形質転換した二倍体B細胞を発生せしめた。PBLおよ
びミエローマ細胞を混合し(3:1の比で)800rp
mでペレット化し、前に記載したごとく、HAT培地で
選択した。
【0072】C.ハイブリドーマのスクリーニング ハイブリドーマは最初定量し、ヒト免疫グロブリン(I
gA,IgGおよびIgM)の合成のため捕捉酵素−結
合免疫測定法(ELISA)によりアイソタイプ化され
る。10−300μg/mlの範囲の感度を持つ標準B
io−EnzaBead法を利用する。ハイブリドーマ
上澄み液を1:30に希釈し、0.9−9μg/mlの
有効範囲となす。抗体のアイソタイプ(IgA,IgG
またはIgM)決定後組織上の間接免疫ペルオキシダー
ゼによりヒト免疫クロブリンを1μg/mlと等しいか
それ以上の濃度で合成するハイブリドーマだけを試験す
る。
【0073】ポリカーボナート被覆金属ビーズ〔Bio
−EnzaBeadTM,Litton Bioneti
cs)をヒト免疫グロブリン(IgG+IgA+Ig
M)に対するヤギ抗体と4℃で一夜インキュベートし、
非特異的結合を防ぐため2.5%BSAでブロック(室
量で30分間)する。ビーズを風乾し、4℃で保存す
る。免疫グロブリンの検出のためのELISAは以下の
ごとく実施する。培養プレートの96ウエルからの上澄
み液を希釈し、抗体−捕捉ビーズと37℃で1時間イン
キュベートし、洗浄後、ヒト免疫グロブリン(IgG+
IgA+IgM)に対するペルオキシダーゼ標識親和性
−精製ヤギ抗体と37℃で1時間インキュベートする。
ビーズを洗浄後、2,2′−アジノ−ジ〔3−エメチル
−ベンゾチアゾリン−6−スルホン酸〕とインキュベー
ト(室温で10分間)し、405nmにおける吸光度を
決定する。免疫グロブリンの濃度はヒトガンマグロブリ
ンの標準曲線(30−1000μg/ml)の直線部分
から数学的に内挿する。>1μg/mlを含む上澄み液
はこのELISAを用い、ヒトγ、αおよびμ鎖に対す
るペルオキシダーゼ標識ヤギ抗体でアイソタイプ化す
る。続く定量検定はモノクローナル抗体アイソタイプに
適した免疫グロブリン標品を使用した。ヤギ抗マウスI
gG+IgM(H+L)およびペルオキシダーゼ−共役
ヤギ抗マウスIgG+IgM(H+L)で被覆したBi
o−EnzaBeadでマウス免疫グロブリンを検定し
た。別の実験においては、上澄み液を抗ヒトIgビーズ
およびペルオキシダーゼ−共役ヤギ抗マウスIgG+I
gM(H+L)とインキュベートした。
【0074】−30℃に保存した正常および腫瘍組織の
凍結切片PLP(0.5%p−ホルムアルデヒド、0.
075ML−リジン、0.01M過ヨード酸ナトリウ
ム)中4℃で20分間後固定する。切片を洗浄する。1
0%ホルマリン固定組織のパラフィン切片は使用する直
前に脱パラフィンする。凍結およびパラフィン切片は
0.075ML−リジンを含む1%ウシ血清アルブミン
のPBS溶液と室温で20分間インキュベートする。こ
の切片をハイブリドーマ上澄み液と4℃で一夜インキュ
ベートする。PBSで3回洗浄後、切片を適当な抗ヒト
ペルオキシダーゼ標識試薬と37℃で60分間インキュ
ベートし、洗浄後0.1%過酸化水素を含有するジアミ
ノベンチジンのPBS溶液(0.5mg/ml、pH
7.6)と室温で15分間インキュベートする。切片を
PBSで洗浄し、ヘマトキシリンで染色し、脱水して永
久に検鏡板に固定する。
【0075】これらの方法は検出される反応性のある抗
体の量も広い組織のスペクトルを得る事を可能にする
(即ち、表面または細胞質の抗原に対して)。広い反応
性を持つ抗体を単離するため、上澄み液を一群の腫瘍切
片に対してスクリーニングした。モノクローナル抗体を
産生している細胞株を限外希釈法によりクローン化す
る。10人の患者から得た末梢血液リンパ球と22回の
融合を行い、免疫接種前の患者からのリンパ球と2回の
融合を行った。最適の結果は第2の免疫接種して1週間
後に採取したリンパ球から得た(表8)。第2の免疫接
種後に単離された免疫グロブリン産生クローンの頻度は
第1の免疫接種後のそれのほぼ2倍であった。組織−陽
性モノクローナル抗体36個のうち7個が凍結切片と反
応したがパラフィン封埋組織とは反応しない。この発明
は広範囲スクリーニング過程の必要性を強調する。3分
の2以上のクローンがIgMを産生したが、多分リンパ
球源(末梢血液)のせいであろう。
【0076】3分の1の細胞株はハイブリドーマに典型
的な形態を持ち、分散細胞として成長する。6つの代表
的なハイブリッドの核型分析は、それらがヒト−マウス
ヘテロ−ハイブリドーマである事を示している(第1
図)。反対にモノクローナル抗体合成細胞株の多数(3
6のうち24)は外観は非定型である(第2図)。これ
らの細胞は主として形が不規則であり、大きな集合体で
成長する。これらの群−形成細胞は10人の結腸患者の
7人からのPBLで実施した7つの融合で単離された。
それ故、それらは非常に通常の事と思われる。4人の患
者からの5つの融合を代表する6つの細胞株の核型分析
を行ったところ46の染色体を含む事が見い出された。
染色体のG−バンド染色法からそれらがヒト起源である
事が確認される(第3図)。それ故、細胞形態学の基準
に基づくとモノクローナル抗体−合成細胞株はハイブリ
ドーマではなくむしろ形質転換したヒトB細胞(2倍体
細胞)である事は明らかである。この自発的な形質転換
の機構は未知であるが、免疫接種過程に関連するのだろ
う。
【0077】分泌免疫グロブリンのアイソタイプのこれ
らの細胞型と組織染色の型には明らかな差異は存在しな
い。両方の細胞型により分泌される免疫グロブリンの量
(1−60μg/ml)は本質的に同じようであり、ヒ
ト細胞のほとんどは5−20μg/mlを産生する。期
待されるごとく、二倍体細胞は免疫グロブリン産生に関
してはより安定であるようである。これらの細胞は抗体
産生のための有限の寿命の徴候さえなく9ケ月まで連続
培養で成長した。実際、いくつかの二倍体株では長期間
培養の間に抗体産生の増加が観察された。細胞継代の間
に抗体を産生しなくなるクローンはハイブリドーマに典
型的な成長の性質を持っている。しかしながらほとんど
のハイブリッドは有益な量の抗体を産生するのが可能な
十分な安定性を持っている。例えば、ヒト−マウスヘテ
ロハイブリドーマ7a2は最近クローン化した5×10
6 細胞の種ストックから抗体産生を減少させる事なく2
0代以上継代培養された。従って理論的には細胞は7×
1013細胞に増加できる。このハイブリッドは、抗体を
約30μg/ml/106 細胞を産生するので、7×1
13の細胞は2kg以上の抗体を産生する事ができそう
である。
【0078】D.モノクローナル抗体の産生 ヒトモノクローナル抗体産生細胞を、10%ウシ胎児血
清、3mM L−グルタミンおよび5μg/mlのゲン
タマイシンを供給したRPMI1640培地(Sigm
a Chemical Co.,St.Louis,M
issouri)中で成長せしめる。ある場合には培地
にさらに25%D−グルコース(最終濃度0.25%)
を供給する。細胞は37℃(35−38℃)、7.5%
CO2 を含んだ空気の湿らせた雰囲気下におく。培地か
ら細胞をペレット化により除き(例えば500rpm,
15分間の遠心分離により)、高度に代謝させ消費され
た培地から抗体を採取する。
【0079】実施例III:正常および腫瘍組織へのモ
ノクローナル抗体の反応性 抗体のほとんどは実質的に減少した正常結膜粘膜への結
合性を示す。パラフィン切片に反応性のある抗体もまた
正常胸、肺、胆嚢および肝臓への反応性を試験したが陰
性であった。
【0080】10のヒトモノクローナル抗体(MCA)
の15人の患者からの結腸直腸腺癌の組織学上の切片に
対する反応性のパターンを第9図に示した。試験した抗
体の反応性のマトリックスは、試験した腫瘍標本の47
から80%に個々の抗体が反応している事を示してい
る。15の腫瘍のすべてに反応したモノクローナル抗体
はなかった。個々の患者からの組織切片においては、反
応性の範囲は10すべての抗体に反応する組織から1ま
た2の抗体にしか反応しない組織まで変化した。モノク
ローナル抗体の反応性の決定のため使用したすべての組
織標本は最初の融合のためのB細胞の10人の供与者と
異なる患者から得た。試験した腫瘍の病理学的段階と、
試験したモノクローナル抗体の群の反応性のパーセント
を比較すると、最も広い反応性の腫瘍は中程度からよく
分化した腺癌であり;ほとんど分化していない腺癌は一
般に非反応的である事が観察された。抗体は転移した癌
と典型的に反応する。
【0081】モノクローナル抗体LiCo16−18
は、正常結腸粘膜内へかくれたまたは非常に引っこんだ
結腸直腸癌のパラフィン封埋切片中に保存された抗原と
反応する。細胞質標識に加えると、腫瘍細胞は表面様染
色を示す(第4図)。この結合は特異的でありモノクロ
ーナル抗体に濃度およびアイソタイプを合わせた正常ヒ
ト免疫グロブリンでは染色されない事で示される。さら
に注目される事はこの抗体は原発性腫瘍および転移癌の
両者に反応する事が観察された事である。
【0082】抗体LiCo16−88は凍結切片と反応
する。第1図に示したごとく、LiCo16−88によ
り腫瘍細胞の周縁に強い染色が観察されるが、正常ヒト
免疫グロブリン(第6図)では観察されない。ネズミに
比較してモノクローナル抗体の主な利点はイン ビボ
の診断(イメージング)および治療である。従前の研究
者により、癌を羅患した患者から単離されたヒトモノク
ローナル抗体の1%未満が細胞表面抗原と反応すると報
告されている(Coteら、Proc,Nat.Aca
d.Sci.,80:2026−2030,198
3)。これらの発見は癌患者は腫瘍細胞表面抗原に対し
て耐性である事を示唆している。従って、免疫した患者
から単離された組織−陽性抗体の半分が続いて腫瘍細胞
の表面に結合する事が見い出された事は重要である(表
3、4および8)。第7図に示したごとく、モノクロー
ナル抗体16−88はSW−1463細胞の表面と反応
する。いくつかの細胞が染色されていないのは抗原の発
現がクローンまたは細胞周期により異る為だと思われ
る。それ故感作B細胞の源として免疫した患者を使う本
発明の最も重要な利点は、産生された細胞表面抗原と特
に高い頻度で反応する抗体である。本発明により産生さ
れる抗体は癌の診断および処置に最も強い能力を持つ。
【0083】HT−29およびSW−1463細胞から
タンパク質(PBSおよび3.0MKCl)および脂質
(クロロホルム−メタノール)抽出物を調整する。13
の抗体がこれらの抽出物に反応する事が観察された。最
も驚くべき発見はすべての抗体がタンパク質抽出物と反
応した事であり、抽出物がタンパク分解酵素で処理する
と著しく結合が減少した。これらの結果は結腸腫瘍の糖
脂質抗原に対してしばしば向かうネズミモノクローナル
抗体で得られる結果と著しく対照的である(Morga
nら、Hybridoma,3:3,233ペピジ、1
984;およびLindholmら、Int.Arc
h.Allergy Appl.Immuno.,
:178−181,1983)。
【0084】タンパク質抽出物の調製およびネズミを免
疫するための免疫吸着レクチンの使用を含む技術が結腸
腫瘍から誘導されるタンパク質抗原に対するモノクロー
ナル抗体を製造するのに必要である。従って、ヒトの自
己免疫接種は通常はネズミに対して免疫原性であまりな
い一群の抗原に対し抗体を引き出す。ヒトおよびネズミ
が異った腫瘍関連抗原に応答する事が可能である。この
仮説によれば試験した28のモノクローナル抗体は、精
製したCEA、結腸腫瘍細胞に対して作製されたネズミ
モノクローナル抗体によりしばしばみられる抗原とは反
応しない事が見い出される(Koprowskら、So
mat,Cell Genst.,5:957−97
2,1979、およびMorganら、前記文献)。ヒ
トモノクローナル抗体の3つがクロロホルム−メタノー
ル処理による抽出物に抗原を認識したのは興味ある事で
ある。これらの抗原はこの処理により変性しないタンパ
ク質を表わすかもしくは通常のエピトープ(即ち、炭化
水素部分)を糖タンパク質と共有する糖脂質があるかど
うかである。
【0085】8つの結腸癌細胞株の細胞表面抗原に対す
るヒトモノクローナル抗体の反応性 風乾した細胞遠心標本として調製した1つのパネルの8
つのヒト結腸癌細胞株に対する腫瘍細胞表面抗原との3
6のヒトモノクローナル抗体の反応性を評価した。36
のうち13の抗体が少くとも2つのヒト結腸癌細胞株の
表面に発現した抗原を認識した(第8図、表3)。13
すべての表面−反応性抗体はIgMとアイソタイプ化さ
れた。これらのモノクローナル抗体はヘテロハイブリド
ーマおよび二倍体B細胞株の両方から産生される。アク
チンのごとき構造細胞質抗原に対するネズミ抗体を用い
る実験により、適切に調製した前もって細胞膜を透過さ
せてない風乾細胞遠心細胞標本では細胞質構造が検出で
きない事を確認した。ほとんどの抗体のための細胞遠心
調製細胞上に認められた抗原の表面局在化は生きている
細胞の間接免疫蛍光により確認した。モノクローナル抗
体の反応性と抗体含有細胞上澄み液の免疫グロブリン濃
度に相関が観察された。すべての細胞の上澄み液を希釈
および一定免疫グロブリン濃度に調整する事なく試験し
た。大部分はかなりの活性を示し、13抗体は2つまた
はそれ以上の細胞株と反応した;例外は12−42およ
び12−53であり、IgGアイソタイプの抗体が強く
ただ1つの細胞株と反応した。細胞株の中の同起源の抗
原の発現にいくらかの変化があった:LS−174t
17のモノクローナル抗体に結合し;SW−1463お
よびHT−29は12および10の抗体と各々結合し;
および7a2および16−52はすべての8つの細胞株
と反応した。他にモノクローナル結合のパターンは多数
の認識特異性を示した。
【0086】解離結腸癌腫瘍細胞の細胞表面抗原に対す
るヒトモノクローナル抗体の反応性 9人の患者からの酵素的解離結腸腫瘍細胞の風乾細胞遠
心調製試料での検定で結腸細胞株で観察された細胞表面
反応性を確認した(表4)。17のモノクローナル抗体
が少くとも2つの腫瘍細胞調製試料と反応した。細胞株
のデータと腫瘍細胞データ間にいくらかの相違がある;
16−18は8細胞株中4つと反応するが、腫瘍細胞調
製試料のただ1つとしか陽性の結果を与えない、および
16−105および12−53は各々8つの結腸細胞株
のうち0および8つのうち1つと反応するが腫瘍細胞調
製試料では3つまたはそれ以上と反応する。細胞株との
反応性の検定でみられたごとく、腫瘍細胞による抗原発
現の存在および程度を反映する抗体結合のパターンは多
くの異った特異性を示す事がこれらのモノクローナル抗
体により認められた。
【0087】対になった結腸腫瘍および正常粘膜のパラ
フィン切片に対するヒトモノクローナル抗体の反応性 パラフィン切片に反応性のある25のヒトモノクローナ
ル抗体の特異性を5人の患者からの対になった結腸腫瘍
および自己正常結腸粘膜の切片に対し間接的な免疫組織
学的に試験した(表5)。25のうち11(44%)は
試験した5人の患者の正常結腸粘膜とは検出できる反応
性を示さなかったが11すべて腫瘍標本と反応した。2
5のうち14の抗体は(腫瘍標本と反応する)また正常
結腸粘膜とも反応する。これらの場合定量的には正常結
腸標本との反応性は腫瘍標本に比べて低い。個々の抗体
は試験した正常結腸粘膜標本の1つから4つと反応し
た。これら交差反応性抗体の14のうち5つは5人患者
のうち1人の正常結腸粘膜とのみ反応した。8番の患者
の正常結腸粘膜は患者腫瘍と反応した23の抗体のうち
の13と反応した。この患者からの正常結腸粘膜が腫瘍
に近いか遠いかどうかは分かっていない。もし8番の患
者をこの分析から除外すると試験した24の抗体のうち
ただ9つだけが5人の患者からの1−3の正常結腸粘膜
対試料と反応した。試験した全ての対の結腸直腸腫瘍お
よび正常結腸粘膜標本全体では約30%に正常結腸粘膜
と交差反応を示す事が観察されたが、しかし量的な反応
性は対の腫瘍標本に対して観察されたよりも有意に低
い。さらに低い水準ではあるが検出できる正常細胞の反
応性の存在は癌性として示されない正常状態からの逸脱
に伴う認識決定因子の寄与によるものであろう。
【0088】ビオチン標識抗体の直接結合による対のヒ
ト結腸腫瘍および粘膜細胞細胞遠心調製試料に対するヒ
トモノクローナル抗体の反応性 腫瘍細胞対正常細胞に対する抗体の特異性は細胞遠心調
製試料および凍結切片における間接的な染色法では評価
するのが困難である。ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIg
抗体をヒト抗体の検出およびすべてのヒト組織に存在す
る外来性ヒト免疫グロブリン認識のために使用する。正
常組織は対応する腫瘍組織よりも多量の外来性免疫グロ
ブリンを含有し、その結果バックグラウンドは腫瘍組織
より正常組織の方が高い。抗体の直接標識でこの問題は
克服されモノクローナル抗体で過剰の不適当なヒト免疫
グロブリンを封入する事を可能にし、間接技術に伴う他
の問題である非特異的免疫グロブリン結合を阻止する。
5つの表面反応性ヒト抗体を培養培地から精製し、ビオ
チンで標識する。5つは前の検定でよく反応したものお
よび相対的に高水準のヒト免疫グロブリンを産生するも
のから選択する。表6は7人の患者から得た結腸腫瘍お
よび隣接する粘膜細胞の風乾細胞遠心調製試料における
5つのビオチン−標識抗体による直接検定の結果を示し
ている。5つの抗体のすべては腫瘍細胞と反応し、間接
検定で観察された反応性が確認された。正常粘膜細胞の
反応性は弱いかまたは検出されなかった。
【0089】結腸腫瘍および正常結腸粘膜の凍結組織切
片に対するビオチン−標識モノクローナル抗体の直接結
腫瘍対正常細胞に対する特異性に関しての5つのビオチ
ン−標識抗体のさらなる直接的特徴付けを結腸腫瘍およ
び隣接する正常結腸粘膜の凍結組織切片にて確立した
(表7)。5つの結腸腫瘍のうち少くとも2つと強く反
応し、4つのつり合った正常結腸粘膜切片のどれとも反
応しない事実により示されるごとく4つの抗体の絶対的
特異性が観察された。19b2は5つの腫瘍切片の内4
つと強く反応し、4つの正常結腸粘膜切片の内1つと弱
い反応を示した。19b2はまた正常結膜細胞遠心細胞
調製試料(表6)および正常結腸粘膜パラフィン切片
(表5)と多少反応した。正常胸、胃、腎臓、肝臓、筋
肉および皮膚の凍結組織切片(表7)は正常胃組織に低
水準の結合を示す19b2抗体を除いてビオチン−標識
ヒト抗体により染色されない事を示した。結合組織の全
体のバックグラウンド染色が観察された。このバックグ
ラウンド染色は非特異的であり、ビオチン−標識モノク
ローナル抗体を使用した他の研究者によっても観察され
ている。
【0090】CEA、赤血球および白血球に対するモノ
クローナル抗体の反応性 モノクローナル抗体の腫瘍との反応性をさらに確立する
ため、種々の技術によりCEA、ヒト赤血球抗原および
ヒトリンパ球抗原に対する反応性を試験した。これらの
抗原およびこれらの抗体間の反応性の確証は見い出され
なかった。抗−CEA活性は2つのCEA調整試料に対
するELISAにより評価された。ヒト結腸腫瘍パラフ
ィン切片上のヒトモノクローナル抗体の染色パターンは
マウス抗−CEA抗体で観察されたものと異っている。
36のヒト抗体すべてが抗−CEA抗体で典型的に観察
される内腔の染色パターンを与えなかった。ヒト赤血球
抗原に対する反応性は間接的免疫蛍光法および血球凝集
により主要なものすべておよびほとんどの主要ではない
血液群系を代表する赤血球群に対して測定した。反応性
は観察されなかった。ヒトリンパ球のELISA、細胞
毒性検定および間接的免疫ペルオキシダーゼ染色はどの
抗体によってもヒトリンパ球抗原が認識されなかった証
拠を示している。
【0091】結腸直腸癌に対するヒトモノクローナル抗
体の機能 反応性はこれらの腫瘍−反応性モノクローナル抗体の有
用性の決定において主要に考慮する点である。試験した
腫瘍標本のあるパーセントでのいくつかのモノクローナ
ル抗体の反応性の欠除は他の因子が考えられる。これら
のデータを基礎にすると単一のモノクローナル抗体が治
療または診断への応用を理想的にするすべての因子を伴
っているとは考えにくい。免疫した癌患者を使用する戦
略により多数のクローンを提供し、その中から特異性と
同じく、反応性の範囲に関してある種の選択が可能であ
る。広範囲なインビトロスクリーニングの特徴に基づ
き、産生されたモノクローナル抗体から最大の量の腫瘍
活性でしかも正常結腸粘膜に対する最小の活性を持つた
だ2つのモノクローナル抗体を選択する事によりどの個
々のモノクローナル抗体よりも高い効力を約束する抗体
のカクテルを提案および開発できる。第3図に示したご
とく、6a3−1および7a2の2つのモノクローナル
抗体は組織切片および解離腫瘍細胞の両方に対する反応
性の範囲が対になっており、また正常結腸粘膜に対する
交差反応性の相対的欠落に基づいて選択され、15の腫
瘍標本中14と反応し、9つの解離腫瘍細胞標本のうち
の9つと反応する抗体カクテルを提供する。この型の他
のカクテルも開発できる;しかしながら、明らかにヒト
モノクローナル抗体を治療または診断の目的で利用する
ためには種々の分化段階での多数の標本の試験のため大
規模なイン ビトロスクリーニングから選択された広範
囲のモノクローナル抗体を持たねばならない。
【0092】癌のイン ビボ診断および免疫療法のため
の腫瘍細胞表面抗体と反応性があるモノクローナル抗体
を提供するのに加え、本発明はヒト癌免疫性に関連した
抗原を単離および特徴付けするプローブとして有益であ
ろうモノクローナル抗体を提供する。これらの抗原は最
終的に腫瘍ワクチンとして有用であると証明されよう。
さらに、抗体産生二倍体細胞の発生は腫瘍細胞表面抗原
に反応するヒトモノクローナル抗体の産生に遺伝的な安
定性の特性を加える。表3はこれらの過程に従って調製
されたモノクローナル抗体細胞株により産生されるモノ
クローナル抗体の組織反応性を示す。
【0093】前記の文はある種の腫瘍、ハイブリドーマ
と反応する新規モノクローナル抗体の形成とその製造方
法を記載している。新規モノクローナル抗体、ハイブリ
ドーマおよび二倍体細胞を調製する技術が詳細に記載さ
れており、特に特定の具体例に関し、実施例として包含
されている。本発明による生成物および技術は癌検出お
よび治療の分野において広範囲の重要性を持つ事を理解
されたい。それは広範囲モノクローナル抗体を含有し、
各々は腫瘍形成癌の個々の株に観察される決定因子に特
異的であり、本明細書に記載したごとく、すべてのその
ような場合の抗体発生に使用できる。本明細書に記載し
た技術の多くの変法や改良が関連する分野の普通の精通
者なら利用できるがそのような変法および改良も本発明
の範囲内であると企図されている事もさらに理解された
い。
【0094】本発明の例示のため提供された具体例は癌
種、特によく分化した結腸直腸腺癌に関している。しか
しながら、明らかに本発明は、肺、乳腺および他の胚子
組織の同一のタイプから発生する領域の悪性腫瘍のごと
きすべての癌にも関する。さらにもし必要であれば、本
発明を他のタイプの癌に応用するのに使用するためこの
分野に精通する者により記載した本過程を調節する事が
できる。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】[表3続き]
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリドーマに典型的な生育特性を有する細
胞の染色体顕微鏡写真(1600倍)である。
【図2】房状モノクローナル抗体(LiCo18−1
5)産生細胞株の位相差顕微鏡写真(270倍)であ
る。
【図3】図4に示した細胞株のG帯の染色体の顕微鏡写
真(1360倍)である。
【図4】結腸癌のホルマリン固定(10%)パラフィン
封埋切片をLiCo16−88(4μg/ml Ig
M)と反応させたものの顕微鏡写真(380倍)であ
る。
【図5】図4におけるような結腸腫瘍を正常ヒトIgM
(4μg/ml)と反応させたものの顕微鏡写真(38
0倍)である。
【図6】LiCo16−88で染色された結腸腫瘍の凍
結切片の顕微鏡写真(640倍)である。
【図7】図6に示される結腸腫瘍の凍結切片を正常ヒト
免疫グロブリンと反応させたものの顕微鏡写真(640
倍)である。
【図8】風乾された未固定SW1463細胞の凍結切片
をLiCo16−88(4μg/ml)で染色したもの
の顕微鏡写真(280倍)である。
【図9】結腸直腸腫瘍のパラフィン切片中の抗原分布を
示す図である。
【図10】2つのモノクローナル抗体がほとんどの結腸
直腸腫瘍と反応することを示す図、すなわち、15個の
結腸直腸腫瘍のパラフィン切片の2つのモノクローナル
抗体と9人の患者からの解離した腫瘍の風乾反応性を比
較した図である。
【図11】すべての対照及び免疫された患者を部位及び
病理学的段階によって活性な特異的免疫療法臨床試験に
おいて追跡した結果を示すグラフである。
【図12】すべての患者にヒト結腸直腸癌が存在しない
状態を示すグラフである。
【図13】すべての患者の生存状態を示すグラフであ
る。
【図14】陽性の局所リンパ節を有する患者の病気にか
かっていない状態を示すグラフである。(Astler
−Coller C)。
【図15】陽性の局所リンパ節を有する患者の生存状態
を示すグラフである。(Astler−Coller
C)。
【符号の説明】
図6中の矢印は腫瘍細胞の縁が強く標識されていること
を示す。図9中の影の区域は15個の腫瘍の10人のヒ
トモノクローナル抗体による陽性の間接免疫ペルオキシ
ダーゼ染色を示す。図10中の影の区域は陽性の間接的
免疫ペルオキシダーゼ染色を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/574 A 8310−2J 33/577 B 8310−2J // C12N 5/28 15/08 (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 マーティン・ブイ・ハスペル アメリカ合衆国メリーランド州20902,シ ルヴァー・スプリング,ケンプ・ミル・ロ ード 11804 (72)発明者 ハーバート・シー・フーヴァー・ジュニア ー アメリカ合衆国ニューヨーク州11777,ポ ート・ジェファーソン,ウォータービュ ー・ドライブ 20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト固形腫瘍に結合しているヒト腫瘍抗
    原と反応するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブ
    リドーマを製造する方法であって:B−リンパ球をイン
    ビボで、自己由来のヒト腫瘍からの解離した成育し得る
    細胞(該細胞は非腫瘍形成性にされている)およびアジ
    ュバントからなる自己由来のワクチン中に存在する自己
    由来の腫瘍抗原で活性化し、このB−リンパ球を不死化
    することからなる方法。
  2. 【請求項2】 不死化がB−リンパ球を骨髄腫細胞と融
    合することからなる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 不死化がB−リンパ球を形質転換するこ
    とからなる請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 B−リンパ球がEBVによって形質転換
    される請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 細胞が、結腸腫瘍に結合した抗原と反応
    するヒトモノクローナル抗体(内部コードLiCo16
    −88(ATCCNo.HB8495として1984年
    1月30日寄託))を産生する形質転換されたヒトB−
    リンパ球である、形質転換されたB−リンパ球の製造の
    ための特許請求の範囲第3又は4項の方法。
  6. 【請求項6】 ヒト腫瘍抗原と反応するヒトモノクロー
    ナル抗体を製造する方法であって:不死化されたB−リ
    ンパ球を請求項1の方法で製造し、得られた細胞を培養
    することからなる方法。
  7. 【請求項7】 不死化がB−リンパ球を骨髄腫細胞と融
    合することからなる請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 不死化がB−リンパ球を形質転換するこ
    とからなる請求項6の方法。
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