JPH06312505A - 積層型圧電変位素子及びそれを用いたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

積層型圧電変位素子及びそれを用いたインクジェット記録ヘッド

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JPH06312505A
JPH06312505A JP5149549A JP14954993A JPH06312505A JP H06312505 A JPH06312505 A JP H06312505A JP 5149549 A JP5149549 A JP 5149549A JP 14954993 A JP14954993 A JP 14954993A JP H06312505 A JPH06312505 A JP H06312505A
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piezoelectric
laminated
displacement element
laminated piezoelectric
piezoelectric displacement
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Isao Mizuma
功 水間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動変位を中央部と端部でほぼ等しくでき、
積層型圧電変位素子と被圧力体との取付位置の違いによ
って、被圧力体に加えられる変位量が異なることがない
積層型圧電変位素子を提供する。また、インク吐出にば
らつきの無いインクジェット記録ヘッドを提供する。 【構成】 積層型圧電変位素子1は、圧電材料2と内部
電極3と外部電極4を交互に積層しており、d31方向
の単位層の計算変位量が端面側よりも中央部側の方が小
さいことを特徴とする。また、この積層型圧電変位素子
をアクチュエータとしてインクジェット記録ヘッドに用
いたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型圧電変位素子の
構造及びインクジェット記録装置のインクジェット記録
ヘッドに用いる積層型圧電変位素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より圧電材料よりなる圧電変位素子
は電気エネルギーと機械エネルギーの変換素子としての
機能を有することにより、アクチュエーター等の分野に
応用されている。さらに近年では、圧電変位素子を積層
型とすることにより駆動電圧の大幅な低減が図られてい
る。積層型圧電変位素子としては、特開昭56−120
365号公報に於て、積層型圧電変位素子をインクジェ
ット記録ヘッドのアクチュエーターとして用いることに
より、駆動電圧の大幅な低減を図る方法が示されてい
る。
【0003】積層型圧電変位素子の従来例を図23に示
す。積層型圧電変位素子11は、複数層に積層された圧
電材料12の各層間に薄膜状で各層の長さが等しい内部
電極13を挟み、外部電極14を形成して、素子の片側
端面に露出した電極59及び60を外部電極61に接続
して、電圧62をかけて変位駆動させていた。
【0004】また、前記のような積層型圧電変位素子1
1をインクジェット記録ヘッドのアクチュエーターに用
いる際には、図24に示すように、積層型圧電変位素子
11の変位方向63の端面64を、圧力板23に取り付
けてインクジェット記録ヘッドのアクチュエーターとし
て使用していた。各圧力室19は流路壁22で隔てられ
ており、積層型圧電変位素子11による圧力を圧力室1
9に伝えるための圧力板23が形成されている。インク
はインク流路20を通過して、インク吐出ノズル21か
ら吐出される。また、図には示さないが、積層型圧電変
位素子11は固定されており、圧力板23との位置関係
は固定板等を介して一定に保たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では図25に示すように、前述の積層型圧電変位素
子11をd31方向に駆動させたとき端面15から端面
16に変位し、中央部の変位量17が端部の変位量18
よりも50%以上大きくなっていた。その為に、従来の
積層型圧電変位素子11を圧電アクチュエーターに用い
る際には、被圧力体と積層型圧電変位素子11が積層型
圧電変位素子の端面15よりも小さい範囲で接触する
と、積層型圧電変位素子の中央部で接触する場合と端部
で接触する場合により被圧力体に加えられる変位量が大
きく異なるという問題があった。
【0006】よって、前記積層型圧電変位素子11の最
大変位を効率よく被圧力体に伝達するには、中央部の最
大の変位量17を示す部分を、被圧力体に精度良く取り
付ける必要があった。インクジェット記録ヘッドの例で
は、積層型圧電変位素子11と圧力板23の取り付け位
置がずれると、該積層型圧電変位素子11から圧力板2
3に加えられる変位量は端面側の小さい変位量で、最大
変位量はインク流路の圧力板23に伝達されない。前記
状況が発生した際には、インクジェット記録ヘッドのイ
ンク吐出不良あるいは印刷不能といった状況が発生する
為、位置合わせの調整作業が必要となり、製造工程上イ
ンクジェット記録ヘッドのコストを高くしていた。特
に、近年高密度化が急速に進行しているインクジェット
記録ヘッドの分野に於いては、積層型圧電変位素子の小
型化も必至であり、圧電変位素子あるいは積層型圧電変
位素子の変位を精度良くインク流路の圧力板に伝達する
ために、位置合わせの調整作業に多大な時間及び労力を
費やしていた。
【0007】本発明は前記課題を解決するためのもので
あり、その目的とするところは、積層型圧電変位素子の
駆動変位を中央部と端部でほぼ等し、積層型圧電変位素
子と被圧力体との接触位置の違いによって、被圧力体に
加えられる変位量が異なるという問題を大幅に改善でき
る積層型圧電変位素子と、インク吐出不良のないインク
ジェット記録ヘッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型圧電変位
素子は、圧電材料と内部電極が交互に積層された積層型
圧電変位素子において、d31方向の単位層の計算変位量
が端面側よりも中央部側の方が小さいことを特徴とす
る。
【0009】前記の単位層の計算変位量の分布を実現す
るために、本発明の積層型圧電変位素子は、端面側の前
記内部電極長さよりも中央部側の前記内部電極長さの方
が短い、または、端面側の前記圧電材料の積層厚よりも
中央部側の前記圧電材料の積層厚の方が厚い、または、
端面側の前記圧電材料の圧電歪定数よりも中央部側の前
記圧電材料の圧電歪定数の方が小さい構成であることを
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の積層型圧電変位素子によれば、中央部
と端部の駆動変位の差を従来よりも小さくし、変位前の
端面と平行な変位面を得ることができる為、被圧力体と
の接触位置が異なる場合に於いても、被圧力体には一定
の変位量及び圧力を加えることが可能になる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を用いて詳細に説
明する。
【0012】図1乃至図7は、本発明の積層型圧電変位
素子の第1の構成である。図1において、1は積層型圧
電変位素子であり、圧電材料2、内部電極3及び外部電
極4で構成されている。内部電極3は、積層型圧電変位
素子1の端面9及び10に近い方が長く、中央部の内部
電極の方が端面9及び10側の内部電極よりも短くなっ
ている。図2に示すように、積層型圧電変位素子1は、
電圧を印加することにより端面5から端面6に均一に変
化する。実際には積層型圧電変位素子1の中央部の変位
量7と端部の変位量8の差は20%以内という均一な変
位量を示した。本発明の積層型圧電変位素子の単位層の
計算変位量は、端面9及び10側よりも中央部側の方が
小さいが、素子内に応力等が働くことにより、実際の変
位量は端面側と中央部側で均一にすることが出来た。
【0013】ここで、計算変位量Lとは以下の式で表わ
される値である。
【0014】
【数1】
【0015】kはd31方向の圧電歪定数であり、圧電材
料によって決まる値である。aは活性部長さを示し、上
下の内部電極の重なりの長さによって決まる値である。
tは積層厚を示し、内部電極に挟まれた圧電材料の厚さ
で決まる値である。Vは印加電圧を示す。
【0016】上記実施例では、積層型圧電変位素子の端
面側の内部電極長さよりも中央部側の内部電極長さを短
くし、端面側の活性部長さよりも中央部側の活性部長さ
を小さくしている。これにより、d31方向の単位層の計
算変位量Lが積層型圧電変位素子の端面側よりも中央部
側で小さくなっている。
【0017】図1の積層型圧電変位素子1は、内部電極
3の長さが積層型圧電変位素子1の端面側よりも中央部
側の方が順に短い事を特徴としているが、たとえば図3
に示すように、複数の同じ長さの内部電極33及び34
が存在していても、図1の積層型圧電変位素子1のよう
に中央部ほど内部電極3の長さが短くなる構造であれば
よい。
【0018】図4においては、隣合う内部電極35と内
部電極36では、端面側の内部電極35の方が中央部側
の内部電極36よりも短くなっているが、内部電極全体
の構成として中央部の内部電極が短くなるような構成で
あればよい。さらに、図5、図6及び図7に示すよう
に、片側の内部電極37の長さは同じであるが、もう一
方の内部電極長さが中央部の内部電極3の長さが短くな
る構造であればよい。
【0019】図1乃至図7に示す本発明の第1の構成の
積層型圧電変位素子の製造方法を図8を用いて説明す
る。図8(a)乃至図8(e)は圧電材料と内部電極を
交互に積層していく工程を示している。
【0020】図8(a)に示すように、まず圧電材料2
の圧電体の生シート38を形成する。次に図8(b)に
示すように、圧電体生シート38上に内部電極3の電極
ペースト39を印刷する。次に図8(c)に示すよう
に、電極ペースト39の上に圧電体生シート38を積層
し、さらにその上にもう一方電極である電極ペースト4
0を印刷し、電極ペースト40の上に圧電体生シート3
8を印刷する。次に図8(d)に示すように、圧電体生
シート38の上に電極ペースト41を印刷する。電極ペ
ースト41は、電極ペースト39よりも短くなるように
印刷する。以上の圧電体生シートの積層と電極ペースト
の印刷を繰り返すことにより、図8(e)に示すよう
な、圧電体生シートと電極ペーストの積層体42を製造
する。この際、圧電体生シート上に電極ペーストを印刷
したものを各圧電材料の圧電体生シート単位で製造し、
最後に各圧電体生シートを積層しても良い。
【0021】そして次に圧電体生シートと電極ペースト
の積層体42を熱圧着した後、約1000℃の高温で焼
結させ、最後に外部電極7を形成することにより本発明
の積層型圧電変位素子を製造することができる。外部電
極7はスパッタや蒸着で薄膜の電極を形成するか、導電
性接着剤で厚膜の電極を形成する。
【0022】また、圧電材料としてはチタン酸−ジルコ
ン酸鉛のPZT系等から圧電歪定数の異なる圧電材料を
適宜選択した。圧電体生シートの作製は、まず圧電材料
を仮焼結後、粉末にし、有機バインダ、可塑剤、分散
剤、溶媒と混合してスラリーを作り、次に、スラリーを
ローラーに付着させブレードで厚さを均一にして転写
し、一定のサイズに打ち抜いて乾燥させたものを圧電体
生シートとした。電極ペーストとしては、銀、パラジウ
ム、白金等から適宜選択もしくは混合し、溶媒、結合剤
と混合して使用した。
【0023】本実施例に用いた積層型圧電変位素子は、
圧電材料の厚さは1層あたり0.05mm、内部電極3
は厚さ0.005mm、内部電極は上下で約0.2mm
ずつ長さが異なるようにした。内部電極3の上下の重な
り幅は、端面側の内部電極で5mm。圧電材料2のd3
1方向の圧電歪定数は、300×10-12 (m/V)で
ある。
【0024】図9により本発明の第2の構成の積層型圧
電変位素子を説明する。積層型圧電変位素子1は、圧電
材料2及び内部電極3、外部電極4で構成されている。
本構成の特徴は、圧電材料2の積層厚が、積層型圧電変
位素子1の端面9及び10に近い方が薄く、中央部の積
層厚の方が端面9及び10側の積層厚よりも厚くなって
いることである。
【0025】本実施例の圧電材料2の積層厚の分布を図
10に示す。積層厚は端面側から中央部側に向かって順
次厚くなる様に分布している。また、圧電材料の積層厚
が中央部側よりも端面側の方が薄くなっている。
【0026】この構成によれば、d31方向の単位層の計
算変位量Lが積層型圧電変位素子の端面側よりも中央部
側で小さくなっており、第1の構成の積層型圧電変位素
子と同様の変位を示す。
【0027】図9の積層型圧電変位素子は、積層圧の分
布が中央部に向かって順次厚くなっているが、図11に
示すように、複数の同じ積層厚43及び44が存在して
いる分布であっても、図12に示すように、隣合う積層
厚45と積層厚46では、端面側の積層厚45の方が中
央部側の積層厚46よりも厚くなっているが、圧電材料
の積層厚全体の構成として端面側が薄くなるような構成
であればよい。
【0028】本発明の積層型圧電変位素子の第2の構成
の製造方法について以下に説明する。
【0029】第2の構成の積層型圧電変位素子の製造方
法は、図8(b)まで同一工程であり、その後、図13
(a)に示すように、電極ペースト39の上に圧電体生
シート38よりも厚い圧電体生シート47を積層する。
次に、圧電体生シート47の上にもう一方の内部電極の
電極ペースト40を印刷する。以上の操作により、図2
1(c)に示すような、中央部ほど圧電体生シートの積
層厚が厚い、圧電体生シートと電極ペーストの積層体6
5を製造する。以降の、焼結及び外部電極を付ける工程
は、積層型圧電変位素子の第1の構成と同様に行った。
【0030】本実施例に用いた積層型圧電変位素子は、
圧電材料の厚さが、端面側から0.02mm,0.03
mm,0.04mm,0.05mmで構成され、端面側
ほど圧電材料2の積層厚が薄い構造とした。内部電極3
は厚さ0.005mm。内部電極3の上下の重なり幅5
mm。圧電材料2のd31方向の圧電歪定数は300×
10-12 (m/V)である。
【0031】図14により本発明の積層型圧電変位素子
の第3の構成を以下に説明する。
【0032】積層型圧電変位素子1は、圧電材料48,
49,50,51及び内部電極3、外部電極4で構成さ
れている。また圧電材料の圧電歪定数は、積層型圧電変
位素子1の端面9及び10に近い方から48,49,5
0,51の順に大きく、中央部側に積層された圧電材料
の方が端面9及び10側の圧電材料よりも小さくなって
いる。
【0033】圧電材料の圧電歪定数の分布を図15に示
した。圧電歪定数は中央部側から端面側に向かって順次
大きくなる様に分布している。
【0034】この構成によれば、d31方向の単位層の計
算変位量Lが積層型圧電変位素子の端面側よりも中央部
側で小さくなっており、第1の構成の積層型圧電変位素
子と同様の変位を示す。
【0035】また、図14の積層型圧電変位素子は、圧
電材料の圧電歪定数が中央部側よりも端面側の方が大き
いことを特徴としているが、例えば図16に示すよう
に、複数の同じ圧電歪定数の圧電材料52及び53が存
在している分布であっても良い。
【0036】さらに、図17のように積層型圧電変位素
子の内部を圧電歪定数が同じ値の圧電材料54で構成
し、最も端面側を圧電材料54よりも圧電歪定数が大き
い圧電材料55で構成しても良い。
【0037】本発明の積層型圧電変位素子の第3の構成
の製造方法は、本発明の第1の構成の製造方法と同様の
方法で行う。
【0038】本実施例に用いた積層型圧電変位素子は、
圧電材料48,49,50,51の厚さはそれぞれ1層
あたり0.05mm、内部電極3は厚さ0.005m
m、内部電極3の上下の重なり幅5mm、圧電材料4
8,49,50,51のd31方向の圧電歪定数はそれ
ぞれ、400×10-12 、340×10-12 、300×
10-12 、260×10-12 (m/V)である。
【0039】以上述べてきたように、本願発明の積層型
圧電変位素子は、d31方向の単位層の計算変位量が端面
側よりも中央部側の方が小さい構成とするため、端面側
の前記内部電極長さよりも中央部側の前記内部電極長さ
の方が短い(第1の構成)、または、端面側の前記圧電
材料の積層厚よりも中央部側の前記圧電材料の積層厚の
方が厚い(第2の構成)、または、端面側の前記圧電材
料の圧電歪定数よりも中央部側の前記圧電材料の圧電歪
定数の方が小さい構成(第3の構成)になっている。
【0040】次に、本発明の積層型圧電変位素子を用い
たインクジェット記録ヘッドを説明する。
【0041】図18は、本発明の積層型圧電変位素子を
用いたインクジェット記録ヘッドのインク吐出部分の概
略図である。圧力室19は、積層型圧電変位素子1によ
ってインク吐出のための圧力を得る部分である。インク
はインク流路20を通過して、インク吐出ノズル21か
ら吐出される。各圧力室19は流路壁22で隔てられて
おり、積層型圧電変位素子1の変位を圧力室19に伝え
るための圧力板23が形成されている。また、図には示
さないが、本発明の積層型圧電変位素子1は固定されて
おり、圧力板19との位置関係は固定板等を介して一定
に保たれている。
【0042】積層型圧電変位素子1からインク吐出圧力
が発生する原理を簡単に説明する。積層型圧電変位素子
1は電圧を印加することにより、図2で示した如く端面
5から端面6に変位する。このときに圧力室19のイン
クの挙動に変化が生じない程度にゆっくりと変位させ
る。次に印加電圧を急速に解除すると、端面6は急速に
端面5の位置に戻る。よって、印加電圧を急速解除した
ときの端面6から端面5への変位量と変位速度をインク
吐出圧力として利用している。
【0043】図19に示すように、本発明の積層型圧電
変位素子1を圧力板19の真上に設置し、インクジェッ
ト記録ヘッドのアクチュエーターとして用いて印刷を行
ったところ、インク吐出量及びインク吐出速度のばらつ
きが小さく、非常に鮮明で美しい印刷物を得る事が出来
た。よって、電圧をかけて駆動させた際の圧力が正常に
圧力板23に伝達された事が分かる。
【0044】本実施例に用いた積層型圧電変位素子の規
格及びインクジェット記録ヘッドの規格を以下に示す。
駆動電圧50V。圧力室10、幅0.2mm×長さ1m
m×高さ0.4mm。流路壁13、幅0.6mm×長さ
1mm×高さ0.4mm。インク吐出ノズル12、ノズ
ル直径0.04mm、部材厚さ0.1mm。
【0045】また、図20に示すように、本発明の積層
型圧電変位素子1の中心26が圧力板23の面27の外
側になるように設置した場合であっても、インクジェッ
ト記録ヘッドのアクチュエーターとして用いて印刷を行
ったところ、インク吐出量及びインク吐出速度のばらつ
きが小さく、非常に鮮明で美しい印刷物を得る事が出来
た。また、積層型圧電変位素子1は中央部と端部での変
位量の差が小さい為、中心26が圧力板23の面27の
外側にあっても、圧力板23には正常に圧力が加えられ
ている事が分かる。
【0046】以下に本願発明の積層型圧電変位素子を用
いたインクジェット記録ヘッドと、従来例の積層型圧電
変位素子を用いたインクジェット記録ヘッドとの比較結
果をを示す。
【0047】図21は横軸にインク滴量、縦軸にインク
滴数をプロットし、インク吐出ノズル21より吐出され
たインク滴量のばらつきを比較した図である。本発明の
積層型圧電変位素子を用いたインクジェット記録ヘッド
より吐出されたインク滴量の分布を示す曲線24は従来
技術の積層型圧電変位素子を用いたインクジェット記録
ヘッドより吐出されたインク滴量の分布を示す曲線25
と比較して、インク滴量のばらつきが小さいことが分か
る。さらに詳細には、曲線24では、0.09から0.
11mgの範囲に約80%のインク滴が含まれるのに対
して、曲線25では前記範囲に含まれるインク滴は約5
0%であった。よって、本発明の積層型圧電変位素子を
用いた方が印字の濃淡のばらつきを小さく制御できたこ
とがわかる。
【0048】また、図22は、素子中心と圧力板の位置
関係とインク吐出圧力を比較した図である。曲線29は
本発明の積層型圧電変位素子1を用いた場合のインク吐
出圧力の分布を示す。曲線30は従来の積層型圧電変位
素子11を用いた場合のインク吐出圧力の分布を示す。
従来の積層型圧電変位素子11の中心28の位置が圧力
板23の面27の幅31(0.5mm)からはずれると
インク吐出圧力は急激に低下するが、本発明の積層型圧
電変位素子1の中心26が圧力板23の面27の幅31
からはずれても、インク吐出圧力が変化しない距離32
(0.2mm)が存在することがわかった。よって、イ
ンク吐出圧力を一定に保つ為には、従来の積層型圧電変
位素子11の中心28は、圧力板23の面27の幅31
の範囲内に取付ける必要があり、本発明の積層型圧電変
位素子1の中心26の取付位置は幅31よりもさらに距
離32が許容された範囲に取り付ければよい。
【0049】以上、本発明の積層型圧電変位素子の実施
例を、インクジット記録ヘッドを例に取り上げて説明し
てきたが、本発明の積層型圧電変位素子はインクジェッ
ト記録ヘッドに特化されるものではない。なぜならば、
変位量が中央部と端部では異なるという、従来の圧電変
位素子及び積層型圧電変位素子に共通の課題を解決する
ものであるから、従来よりも一定でばらつきの小さい変
位あるいは圧力を被圧力体に加える目的で使用する圧電
アクチュエーターとして広い範囲での応用が可能であ
る。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、積層
型圧電変位素子は、変位前の端面と平行な端面形状に変
位することがわかった。よって、本発明の積層型圧電変
位素子を圧電アクチュエーターに用いた際には、被圧力
体との取付位置に左右されずに安定した変位及び圧力を
加えることが可能になった。これは、従来の圧電変位素
子及び積層型圧電変位素子に於いて、変位量が素子の端
部より中央部の方が大きいという課題を解決するもので
あり、安定した変位量及び圧力を得るために、積層型圧
電変位素子と被圧力体の取り付け位置の調整に費やして
いた多大な時間と労力が大幅に改善されるものである。
【0051】また、本発明の積層型圧電変位素子をイン
クジェット記録ヘッドのアクチュエーターに応用した際
には、変位によってインクジェット記録ヘッドの圧力板
に加える力が安定している事が分かった。さらに、積層
型圧電変位素子が圧力板からずれているために、従来で
あればインク吐出不良であったインクジェット記録ヘッ
ドにおいても、本発明の積層型圧電変位素子を用いる事
により正常なインク吐出が可能になった。前記効果によ
り、本発明の積層型圧電変位素子をインクジェット記録
ヘッドのアクチュエーターに用いた際には、製造工程で
の不良発生率が改善され、大幅なコストダウンを実現す
る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成を示
す図。
【図2】図1の積層型圧電変位素子の変位形状を示す
図。
【図3】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成を示
す図。
【図4】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成を示
す図。
【図5】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成を示
す図。
【図6】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成を示
す図。
【図7】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成を示
す図。
【図8】本発明の積層型圧電変位素子の第一の構成の製
造方法を示す図。
【図9】本発明の積層型圧電変位素子の第二の構成を示
す図。
【図10】本発明の積層型圧電変位素子の第二の構成の
圧電材料の積層厚分布を示す図。
【図11】本発明の積層型圧電変位素子の第二の構成の
圧電材料の積層厚分布を示す図。
【図12】本発明の積層型圧電変位素子の第二の構成の
圧電材料の積層厚分布を示す図。
【図13】本発明の積層型圧電変位素子の第二の構成の
製造方法を示す図。
【図14】本発明の積層型圧電変位素子の第三の構成を
示す図。
【図15】本発明の積層型圧電変位素子の第三の構成の
圧電材料の圧電歪定数の分布を示す図。
【図16】本発明の積層型圧電変位素子の第三の構成の
圧電材料の圧電歪定数の分布を示す図。
【図17】本発明の積層型圧電変位素子の第三の構成の
圧電材料の圧電歪定数の分布を示す図。
【図18】本発明の積層型圧電変位素子をインクジェッ
ト記録ヘッドのアクチュエータに用いた図。
【図19】図18における積層型圧電変位素子と圧力板
の位置関係を示す図。
【図20】図18における他の積層型圧電変位素子と圧
力板の位置関係を示す図。
【図21】本発明のインクジェット記録ヘッドと従来の
インクジェット記録ヘッドのインク吐出量ばらつきを比
較した図。
【図22】積層型圧電変位素子の中心と圧力板の位置関
係によるインク吐出圧力を、本発明と従来の積層型圧電
変位素子で比較した図。
【図23】従来の積層型圧電変位素子を示す図。
【図24】従来の積層型圧電変位素子をインクジェット
記録ヘッドに用いた図。
【図25】図23の積層型圧電変位素子の変位形状を示
す図。
【符号の説明】
1 積層型圧電変位素子 2 圧電材料 3 内部電極 4 外部電極 5、6 端面 7、8 変位量 9、10 端面 19 圧力室 20 インク流路 21 インク吐出ノズル 22 インク流路壁 23 圧力板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 41/04 9274−4M 41/09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料と電極を交互に積層してなる積
    層型圧電変位素子において、d31方向の単位層の計算変
    位量が端面側よりも中央部側の方が小さいことを特徴と
    する積層型圧電変位素子。
  2. 【請求項2】 端面側の前記電極長さよりも中央部側の
    前記電極長さの方が短いことを特徴とする請求項1記載
    の積層型圧電変位素子。
  3. 【請求項3】 端面側の前記圧電材料の積層厚よりも中
    央部側の前記圧電材料の積層厚の方が厚いことを特徴と
    する請求項1記載の積層型圧電変位素子。
  4. 【請求項4】 端面側の前記圧電材料の圧電歪定数より
    も中央部側の前記圧電材料の圧電歪定数の方が小さいこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層型圧電変位素子。
  5. 【請求項5】 ノズルと、ノズルに連通する圧力室と、
    圧力室にインク吐出のための圧力を加える圧力発生手段
    を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記圧力発生手段として請求項1、2、3又は4記載の
    積層型圧電変位素子を用いたことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
JP5149549A 1992-12-17 1993-06-21 積層型圧電変位素子及びそれを用いたインクジェット記録ヘッド Pending JPH06312505A (ja)

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