JPH0631111U - 基板型ノイズフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配線基板外周辺に沿う大きさのロ字形コアを
用いたコモンモードチョークコイルと、該コモンモード
チョークコイルの中央孔にノイズ部品を実装して電流容
量が大きく、製造組立に自動化が適用できる基板型ノイ
ズフィルタとする。 【構成】 底面の開口した二重角筒体の開口端の外周及
び内周辺縁に間隔をおいて多数のピン端子部１６を一体
に成形する共に、特殊樹脂１９を二重角筒体の外表面に
周方向に間隔をおいて帯状にピン端子部１６まで延在し
て、露出面に無電解鍍金を施して導体１７を有する絶縁
カバー１５にロ字形コア１４を収め、基板裏面の配線導
体とで貫通角孔８に前記ピン端子部を接続してコモンモ
ードチョークコイルを形成し、絶縁カバーの中央孔にコ
ンデンサ３，５を実装する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、配線基板に閉磁路コアを用いたチョークコイルを含むフィルタ素子 とファストンタブを装着した基板型ノイズフィルタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

基板型ノイズフィルタの従来例を図４に平面図で示す。 図４において、配線基板（以下基板と称す）１は、底面にノイズフィルタ回路 を構成する配線導体（図示せず）が設けられている。Ｌ形に折り曲げたファスト ンタブ２が基板１の短辺に沿って形成した角孔に下方から挿着されている。基板 １上に、ライン間コンデンサ３、トロイダルコモンモードチョークコイル４（以 下コイルと称す）、ラインアース間コンデンサ５が装着されている。コイル４は 、トロイダルコアを中央仕切板のある絶縁ケースに収納して２個の巻線６を中央 孔が分割されたトロイダルコアの二分割された夫々の中央孔に通して巻き回した ものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のノイズフィルタは、所定の寸法の基板１にフィルタ素子を図４ に示した配置にしているので、使用できるトロイダルコアが小さく、定格電流が ３Ａ未満であり、適用分野が狭いという不都合があった。又、コイル４は巻回作 業の自動化が難しく、人手で行うので生産性が低い欠点があり、巻線の端部を一 定の配列に引き出すことが難しいので能率よく基板に装着できないという欠点が あった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

形状が配線基板に近い外形寸法のロ字形コアを用いるとともに、巻線を基板の 配線導体と絶縁カバーの外表面に設けた導体とで構成する。絶縁カバーは、底面 の開口した開口面に多数のピン端子部を一体に突設した二重角筒体であり、普通 の樹脂と導電性を有する鍍金付着性の特殊樹脂とで作られ、特殊樹脂が二重円筒 体の外表面に周方向に間隔を置いて露出されるとともに、ピン端子に繋がって露 出されており、露出面に無電解鍍金により導体を設けたものである。絶縁カバー をロ字形コアに被せて基板にピン端子部を挿入して装着する。コイル以外のノイ ズフィルタ部品は、コイルの中央孔内の基板上に実装する。

【０００５】 即ち本考案は、入力端子を設けた配線基板にフィルタ素子を装着してなる基板 型ノイズフィルタにおいて、チョークコイルは、通常の樹脂と鍍金付着性をもつ 特殊樹脂とで底面の開口した二重角筒体を開口端の外周辺縁及び内周辺縁に間隔 を置いて多数のピン端子部を一体に突出させて成形するとともに、特殊樹脂を二 重角筒体の外表面に周方向に間隔を置いて帯状に、かつピン端子部まで延在して 露出させて露出面に無電解鍍金を施して表面に導体を形成した二重角筒体からな る絶縁カバーと配線基板の裏面に形成した配線導体とによりコイルを形成し、前 記絶縁カバーをロ字形コアに被せて基板に装着したものであり、チョークコイル 以外のフィルタ素子をロ字形コアの中央孔内に装着したことを特徴とする基板型 ノイズフィルタである。

【０００６】

【作用】

基板の外径寸法に近い寸法のロ字形コアを用いることにより、基板の中央部に コイル以外のフィルタ素子を装着する広さを確保し、定格電流値を高める。絶縁 カバーはロ字形コアを収納して基板上に保持し、ロ字形コアを導体から絶縁する と共に巻線を形成する。

【０００７】

【実施例】

本考案による基板型ノイズフィルタの一実施例を図面を参照しながら説明する 。 図１は、本考案による基板型ノイズフィルタの外観斜視図である。図２に、図 １に示す基板型ノイズフィルタの分解斜視図を示す。 配線基板７は図４に示した配線基板１と同じ寸法であり、短辺に沿って配線基 板１と同様にファストンタブ２を挿着する。コンデンサ３，５は、配線基板７の 中央部に装着する。配線基板７の周辺部には、多数の貫通角孔８が前記絶縁カバ ー１５の表面に形成した導体１７と二重矩形の互いにコイルを形成するよう対応 する箇所に形成してある。配線基板７の底面の配線導体図を図３に示す。図３に おいて、大きい円形部９は基板表面に実装するファストンタブ２のＬ形の水平部 （図示しない）と当設する箇所であり、円形部９に繋がる配線導体１０，１１， １２はフィルタ回路を構成するための導体である。貫通角孔８を囲み、かつ内側 の貫通角孔８と隣りの外側の貫通角孔８を繋いでいる配線導体１３（図では１２ 個）は、巻線のための導体である。

【０００８】 ロ字形コア（以下コアと称す）１４は、図４に示したコイル４のトロイダルコ アと同じ断面形状寸法で、約２倍の磁路長のものである。絶縁カバー１５は、半 田槽に浸漬できる耐熱性の樹脂であって、コア１４にすっぽりかぶせうる底面の 開口した二重角筒体であり、開口端面の内周縁と外周縁とに貫通角孔８に嵌合す る角柱形のピン端子部１６が貫通角孔８に対応する配列で一体に突設してある。 絶縁カバー１５の外表面に巻線のための導体１７が周方向に間隔を置いて帯状に 設けてあり、導体１７は対応している内外周縁のピン端子部１６の底面まで延び ている。導体１７は、先ず普通の樹脂１８で導体１７を設ける外表面部分に浅い 溝を設け、ピン端子部１６の部分までは浅い溝の溝底に続く突片がある一次成形 体を作り、次に鍍金付着性のある特殊樹脂１９で浅い溝を埋め、続けて突片の外 面と底面を覆って図２に示した外形状の絶縁カバー（二次成形体）１５に仕上げ 、この二次成形体を無電解鍍金に浸して特殊樹脂１９の露出面に形成した鍍金の 導体である。

【０００９】 コア１４の上面に両面接着テープ（図示せず）を貼り付けてからコア１４に絶 縁カバー１５を被せてコア１４を押し上げて絶縁カバー１５に固着するか、コア １４を配線基板７に配置してコア１４に絶縁カバー１５を被せるかして、配線基 板７の貫通角孔８にピン端子部１６を挿入し、配線基板７に絶縁カバー１５を装 着して、図１に示すコモンモードチョークコイルに形成する。この配線基板７を 半田浴に浸して配線導体１０ないし１３に一度に半田付を行う。配線導体１３と 導体１７が巻線（図では巻回数６回の２個）を形成して、コモンモードチョーク コイル２０を基板上に取り付けた基板型ノイズフィルタが完成する。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、従来より大型のロ字形コアを使用するので定格電流が大きく なり、電流容量の大きいラインフィルタが形成できる効果が得られ、又厄介な巻 回作業を不要にして基板への簡単な装着と一度の半田浴浸漬で作る構成であるか ら、自動化率を高くでき、生産性が向上した基板型ノイズフィルタとする効果が 得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す外観斜視図。

【図２】本考案の一実施例を示し、図１に示す基板型ノ
イズフィルタの分解斜視図。

【図３】図１、図２における配線基板の底面図。

【図４】従来例を示す平面図。

【符号の説明】

１，７ 配線基板 ２ ファストンタブ ３，５ コンデンサ ４ トロイダルコモンモードチョークコイル ６ 巻線 ８ 貫通角孔 ９ 円形部 １０，１１，１２，１３ 配線導体 １４ ロ字形コア １５ 絶縁カバー １６ ピン端子部 １７ 導体 １８ 樹脂 １９ 特殊樹脂 ２０ コモンモードチョークコイル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力端子を設けた配線基板にフィルタ素
   子を装着してなる基板型ノイズフィルタにおいて、チョ
   ークコイルは、通常の樹脂と鍍金付着性をもつ特殊樹脂
   とで底面の開口した二重角筒体を開口端の外周辺縁及び
   内周辺縁に間隔を置いて多数のピン端子部を一体に突出
   させて成形するとともに、特殊樹脂を二重角筒体の外表
   面に周方向に間隔を置いて帯状に、かつピン端子部まで
   延在して露出させて露出面に無電解鍍金を施して表面に
   導体を形成した二重角筒体からなる絶縁カバーと、配線
   基板の裏面に形成した配線導体とによりコイルを形成
   し、前記絶縁カバーをロ字形コアに被せて基板に装着し
   たものであり、チョークコイル以外のフィルタ素子をロ
   字形コアの中央孔内に装着したことを特徴とする基板型
   ノイズフィルタ。