JPH06300761A - 免疫比濁測定試薬及び測定方法 - Google Patents

免疫比濁測定試薬及び測定方法

Info

Publication number
JPH06300761A
JPH06300761A JP11631993A JP11631993A JPH06300761A JP H06300761 A JPH06300761 A JP H06300761A JP 11631993 A JP11631993 A JP 11631993A JP 11631993 A JP11631993 A JP 11631993A JP H06300761 A JPH06300761 A JP H06300761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reagent
quaternary ammonium
ammonium salt
reaction
contained
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11631993A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kimura
明 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eiken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eiken Chemical Co Ltd filed Critical Eiken Chemical Co Ltd
Priority to JP11631993A priority Critical patent/JPH06300761A/ja
Publication of JPH06300761A publication Critical patent/JPH06300761A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は、ラテックス等の不溶性担体を用い
ることなく、抗原抗体反応で生ずる不溶性の免疫複合体
を光学的に測定することにより、生体試料中の免疫学的
活性物質を測定する方法に用いる試薬において、非特異
反応を抑制し、測定対象を精度良く、かつ正確に測定す
る免疫比濁測定試薬及び測定方法を提供することを目的
とする。 【効果】 本発明は、試薬中に第4級アンモニウム塩を
含有する免疫比濁測定試薬であるので、測定対象でない
試料中の干渉物質との非特異反応が抑制され、測定対象
の正確な測定が可能となり、正確度、信頼性、精度の向
上した免疫比濁測定試薬の供給が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原抗体反応を利用し
た免疫学的活性物質の測定に用いる免疫比濁測定試薬及
び測定方法に関する。より詳しくは不溶性担体を用いな
い免疫比濁測定方法において、目的とする抗原抗体反応
以外の非特異反応を抑制する試薬組成及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】抗原抗体反応を利用して、生体試料中の
免疫活性物質を測定する免疫学的測定方法は臨床検査の
分野で広く用いられている。例えば一元免疫拡散法(S
RID)、免疫比濁法(TIA)、免疫比ろう法、赤血
球凝集法(HA)、ラテックス凝集法(LA)、酵素免
疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)等が挙
げられ、それぞれの操作性、感度、精度等から使用目的
により使い分けられている。
【0003】その中でも、抗原抗体反応で生ずる不溶性
の免疫複合体を光学的に測定する免疫比濁法(以下TI
Aと略す)は、酵素免疫測定法等で必要な洗浄操作(B
/F分離工程)が不要で自動化が容易なことから、注目
されつつある分析方法の1つである。又TIAは免疫成
分を標識する必要が無いので、試薬の調製においても他
の免疫分析法に比べ有利であり、広く用いられている。
【0004】例えば血清試料中の免疫グロブリン(I
g)G、A、M、トランスフェリン、補体、アポリポ蛋
白、β−リポ蛋白、Lp(a)、C反応性蛋白(CR
P)、抗ストレプトリジンO(ASO)、リウマチ因子
(RF)、プラスミノーゲン、アルブミン等の測定に利
用されている。
【0005】その原理は試料中の抗原/抗体が試薬中の
抗体/抗原と反応する抗原抗体反応の結果、抗原抗体複
合体からなる不溶性の反応生成物(懸濁粒子)が定量的
に生じ、この懸濁粒子が光の透過を妨げること(散乱さ
せること)を利用して光学的に定量する分析法である。
【0006】従って感度や精度、分析所用時間は懸濁粒
子の形成程度に大きく左右される。一般的に抗原溶液と
その抗原に特異的な抗体を混合した場合、10-3秒オー
ダーで抗原抗体反応が起こる。しかしその後、光学的に
測定可能な大きさの懸濁粒子が形成されるまでには数分
から数時間、或は数日間を要する場合もある。
【0007】そこで、懸濁粒子の形成を促進し、測定の
迅速化、高感度化、高精度化を目的として、その反応を
補助するために種々の添加物を用いる方法が研究されて
いる。例えば、クリニカル ケミストリー(CLINICAL CH
EMISTRY)20巻、1071頁(1974年)にはポリエ
チレングリコール(PEG)の使用が、特公昭60−4
938号にはPEGと非イオン性界面活性剤の共存下に
免疫反応を行う方法が記載されている。
【0008】特開平2−103466号には、一般式 R1O−[(CH2CH2O)m(AO)n]−R2 で表される化合物を用いることが記載されている。
【0009】更に特開昭61−25062号には、コン
ドロイチン硫酸、ヘパリン、デキストランなどのポリア
ニオンを用いることが記載されている。
【0010】しかし、これらの公知の添加物の使用では
非特異反応の抑制が完全ではないため、必ずしも満足す
る結果が得られていない。例えば溶液中で抗原と抗体を
反応させ、生じた免疫複合体を比濁法、吸光度法などの
光学的な方法で測定する際に、目的とする抗原と抗体の
反応に起因する凝集生成物以外に、試料中に存在する測
定対象でない他の物質(いわゆる干渉物質)と試薬との
非特異反応で濁りが生ずる。又PEG等の添加物自身が
夾雑蛋白などと反応して濁りの原因となることも知られ
ており、このような反応も非特異反応と呼ばれている。
更に生体試料そのものの濁り(特に脂質)も誤差の原因
となっている。
【0011】この対策として、特開昭64−15656
号では試薬中に界面活性剤を添加することで非特異反応
を抑制している。しかし界面活性剤単独では反応促進剤
として用いられるPEG等の添加物質の影響を受け易
く、補体の影響やその他の原因不明な濁りについての対
策は不十分である。
【0012】このように誤差の原因となる濁りを生じる
非特異反応の抑制、回避は従来の技術では満足な結果は
得られていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の問題点を解消し、非特異反応を抑制し、測定
対象を精度良く、かつ正確に測定する免疫比濁測定試薬
及び測定方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラテックス等
の不溶性担体を用いることなく、抗原抗体反応で生ずる
不溶性の免疫複合体を光学的に測定することにより、生
体試料中の免疫学的活性物質を測定する方法に用いる試
薬において、試薬中に第4級アンモニウム塩を含有する
ことを特徴とする免疫比濁測定試薬並びに測定方法であ
る。
【0015】本発明で用いる第4級アンモニウム塩とし
ては、塩化コリン、臭化コリン、ヨウ化コリン、重酒石
酸コリン、塩化アセチルコリン、塩酸ベタイン等が挙げ
られる。これらの第4級アンモニウム塩は単独で使用し
ても、2種以上の混合物として使用しても構わない。
【0016】本発明で用いる第4級アンモニウム塩の使
用量は、反応時の最終濃度が0.1〜10.0%、好ま
しくは0.3〜3.0%となるように添加量を調節す
る。(%は特に規定しない限り重量/容量%をあらわ
す)。
【0017】本発明で用いる第4級アンモニウム塩の使
用量が、0.1%未満では非特異反応を十分抑制でき
ず、又10.0%を越えた場合は測定に必要な不溶性の
免疫複合体の生成を阻害するため適当でない。
【0018】本発明において、第4級アンモニウム塩は
反応の場に必要量存在するようにすれば良いので、抗血
清含有試薬や希釈液等の試料処理液に第4級アンモニウ
ム塩を添加しておくこともできる。
【0019】更に、反応系には、必要に応じて、ポリエ
チレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレン−ブロック共重合体(以下ブロック
共重合体と略す)、ポリアニオンよりなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の慣用の添加剤を加えてもよい。又
これらと非イオン系界面活性剤とを組み合わせて用いて
もよい。
【0020】本発明で用いるPEGは市販のPEGが使
用でき、平均分子量が400〜50万程度、好ましくは
1500〜10万の物が適しており、使用量は反応の場
において濃度が1〜15%となるように添加量を調節す
る。
【0021】本発明で用いるブロック共重合体として
は、市販品ではプルロニックL34、プルロニックL4
4、プルロニックF68、プルロニックF88、プルロ
ニックF108(いずれもワイアンドット・ケミカルズ
製、商品名)、プロノン105やプロノン208(いず
れも日本油脂製、商品名)、エマルゲンPP250、エ
マルゲンPP290(いずれも花王製、商品名)等があ
げられ、その使用量は反応の場において濃度が1〜15
%となるように添加量を調節する。
【0022】本発明で用いるポリアニオンとしてはデキ
ストラン硫酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸
等があげられ、使用量は反応の場において濃度が0.0
001〜1.000%となるように添加量を調節する。
【0023】これらの慣用の添加剤は単独で用いてもよ
いし、複数を混ぜ合わせて使用してもよい。又、更に、
以下に述べるように非イオン系界面活性剤と組み合わせ
て用いてもよい。
【0024】本発明で用いる非イオン系界面活性剤とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル等があり、これらはトリ
トン、ツィーン、ブリッジ等の名称で市販されている。
この中でも水溶性のよい非イオン系界面活性剤が本発明
には適している。使用量は反応の場において濃度が0.
01〜5.00%となるように添加量を調節し、PEG
等の添加剤と組み合わせて使用する。
【0025】本発明の免疫比濁測定試薬において、その
他の成分としは従来公知のものを利用すればよい。例え
ば緩衝剤としてはpHが中性付近のリン酸緩衝液やHE
PES等のグッドの緩衝液が利用可能であり、更に必要
に応じて試薬中にアジ化ナトリウムやパラベン等の防腐
剤、安定化剤を添加して構わない。
【0026】
【作用】本発明の詳細な作用機序は不明であるが、次の
ように推測される。第4級アンモニウム塩は、水素結合
やイオン結合による分子の会合体の形成を阻害する作用
があることが知られている。又、抗原抗体反応も水素結
合などによる分子会合体形成反応の1種であり、第4級
アンモニウム塩により阻害を受ける。しかし適切な濃度
範囲を選ぶことにより、本発明の第4級アンモニウム塩
は目的とする免疫反応には影響を与えず、非特異反応の
みを特異的に抑制するものと考えられる。
【0027】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を詳細に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。な
お、本実施例で使用した試薬類は、特に規定したもの以
外は、和光純薬(株)、東京化成(株)等より購入した
市販品を使用した。
【0028】実施例1 第4級アンモニウム塩の添加による非特異反応の抑制効
果を検討した。以下に示す分析条件により非特異反応に
よる吸光度変化を測定した。
【0029】
【化1】
【0030】検体20μlに試薬1を320μlを加
え、37℃で5分間温置し、温置時間中の波長340n
mにおける吸光度を測定した。同様に第4級アンモニウ
ム塩が無添加の場合について測定を行い、両者を比較し
た。又、塩化コリンをヨウ化コリンに替えて同様に実施
した。結果を表1、図1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1及び図1に示されるように無添加では
非特異反応による吸光度の上昇が認められたが、第4級
アンモニウム塩を添加することにより吸光度の上昇は見
られず、非特異反応は抑制された。
【0033】実施例2 非特異反応の影響を受けないといわれているSRID法
(第一化学薬品(株)製)を対照に用いてアポリポ蛋白
Bの測定を行い、第4級アンモニウム塩による非特異反
応の抑制効果を調べた。以下に示す分析条件にて免疫比
濁法によるアポリポ蛋白Bの測定を行った。標準にはア
ポリポ蛋白Bの濃度既知のヒト血清を用いた。
【0034】
【化2】
【0035】アポリポ蛋白B含有ヒト血清5μl (検
体)に320μlの試薬1を添加・混和し、37℃で5
分間温置した。次いで試薬2を80μl 加え、添加後5
分間の主波長340nm及び副波長700nmの2波長
における吸光度変化量を測定した。測定は日立7150
形自動分析機を用いた。抗ヒトアポリポ蛋白B血清は、
常法によりアポリポ蛋白Bをヤギに免疫し得られたもの
を用いた。同時に第4級アンモニウム塩が無添加の場合
について測定を行い、両者を比較した。結果を表2に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示されるように無添加では非特異反
応により正誤差を受けるが、第4級アンモニウム塩を添
加したものは非特異反応が抑制されているためSRID
法との差がほとんど認められなかった。
【0038】実施例3 非特異反応の影響を受けないといわれているSRID法
(第一化学薬品(株)製)を対照に用いてアポリポ蛋白
C−III の測定を行い、第4級アンモニウム塩による非
特異反応の抑制効果を調べた。以下に示す分析条件にて
免疫比濁法によるアポリポ蛋白C−III の測定を行っ
た。標準には濃度既知のヒト血清を用いた。
【0039】
【化2】
【0040】アポリポ蛋白C−III 含有ヒト血清10μ
lに対し300μlの試薬1を添加・混和し、37℃で
5分間温置した。次いで試薬2を100μl加え、添加
後5分間の主波長340nm及び副波長700nmの2
波長における吸光度変化量を測定した。測定は日立71
50形自動分析機を用い、抗ヒトアポリポ蛋白C−III
血清は、常法によりアポリポ蛋白C−III をヤギに免疫
し得られたものを用いた。同時に第4級アンモニウム塩
が無添加の場合について測定を行い、両者を比較した。
結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示されるように無添加では非特異反
応により正誤差を受けるが、第4級アンモニウム塩を添
加したものは非特異反応が抑制されているためSRID
法との差がほとんど認められなかった。
【0043】実施例4 非特異反応の影響を受けないといわれているSRID法
(日水製薬(株)製)を対照に用いてCRPの測定を行
い、第4級アンモニウム塩による非特異反応の抑制効果
を調べた。以下に示す分析条件にて免疫比濁法によるC
RPの測定を行った。標準には濃度既知のヒト血清を用
いた。
【0044】
【化4】
【0045】CRP含有ヒト血清20μlに対し320
μlの試薬1を添加・混和し、37℃で5分間温置し
た。次いで試薬2を80μl加え、添加後5分間の主波
長340nm及び副波長700nmの2波長における吸
光度変化量を測定した。測定は日立7150形自動分析
機を用い、抗ヒトCRP血清は、常法によりCRPをヤ
ギに免疫し得られたものを用いた。同時に第4級アンモ
ニウム塩が無添加の場合について測定を行い、両者を比
較した。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】表4に示されるように無添加では非特異反
応により正又は負誤差を受けるが、第4級アンモニウム
塩を添加したものは非特異反応が抑制されているためS
RID法との差がほとんど認められなかった。
【0048】次に無添加で負誤差を受けた検体(No.
24)について吸光度の経時変化を調べた。結果を表5
及び図2に示す。
【0049】
【表5】
【0050】表5及び図2に示されるように、5分間の
温置時間中に、抗体が含まれず本来なら血清と反応しな
い試薬1のみで吸光度のかなり大きな上昇が無添加では
認められたが、塩化コリンを添加した試薬1では非特異
反応による吸光度の上昇が認められなかった。同様にヨ
ウ化コリンを添加した試薬1も測定したが、塩化コリン
と同様に非特異反応による吸光度の上昇は認められなか
った。
【0051】実施例5 測定精度の高いLATEX凝集法(栄研化学(株)製)
を対照に用いて抗ストレプトリジンO(ASO)価の測
定を行い、第4級アンモニウム塩添加試薬による測定値
との比較を行った。以下に示す分析条件にて免疫比濁法
によるASOの測定を行った。標準には濃度既知のヒト
血清を用いた。
【0052】
【化5】
【0053】ASO含有ヒト血清20μl に対し320
μlの試薬1を添加・混和し、37℃で5分間温置し
た。次いで試薬2を80μl 加え、添加後5分間の主波
長340nm及び副波長700nmの2波長における吸
光度変化量を測定した。測定は日立7150形自動分析
機を用いた。同時に第4級アンモニウム塩が無添加の場
合について測定を行い、両者を比較した。結果を表6に
示す。
【0054】
【表6】
【0055】表6に示されるように無添加では非特異反
応により正又は負誤差を受けるが、第4級アンモニウム
塩を添加したものは非特異反応が抑制されているためL
ATEX法との差はほとんど認められなかった。
【0056】次に、無添加で負誤差を受けた検体(N
o.24)について吸光度の経時変化を調べた。結果を
表7及び図3に示す。
【0057】
【表7】
【0058】表7及び図3に示されるように、SLOが
含まれず本来なら血清と反応しない試薬1で吸光度の上
昇が認められたが、塩化コリンを添加した試薬1では非
特異反応による吸光度の上昇が認められなかった。同様
にヨウ化コリンを添加した試薬1も測定したが、塩化コ
リンと同様に非特異反応による吸光度の上昇は認められ
なかった。
【0059】実施例6 測定精度の高いELISA法(バイオプール社(米国)
製)を対照に用いてLp(a)の測定を行い、第4級ア
ンモニウム塩と非イオン系界面活性剤を添加した試薬に
よる測定値との比較を行った。以下に示す分析条件にて
免疫比濁法によるLp(a)の測定を行った。標準には
濃度既知のヒト血清を用いた。
【0060】
【化6】
【0061】Lp(a)含有ヒト血清15μl に対し3
20μlの試薬1を添加・混和し、37℃で5分間温置
した。次いで試薬2を80μl 加え、添加後5分間の主
波長340nm及び副波長700nmの2波長における
吸光度変化量を測定した。測定は日立7150形自動分
析機を用い、抗ヒトLp(a)血清は、常法によりLp
(a)をウサギに免疫し得られたものを用いた。結果を
表8に示す。
【0062】
【表8】
【0063】表8に示されるように無添加では非特異反
応により負誤差を受けるが、第4級アンモニウム塩と非
イオン系界面活性剤を添加したものは非特異反応が抑制
されているためELISA法との差がほとんど認められ
なかった。
【0064】次に無添加で負誤差を受けた検体(No.
49)について吸光度の経時変化を調べた。結果を表9
及び図4に示す。
【0065】
【表9】
【0066】表9及び図4に示されるように、無添加で
は、抗体が含まれず本来なら血清と反応しない試薬1の
みで吸光度の大きな上昇が認められ、又無添加に界面活
性剤のみを加えた試薬1(図4)でも吸光度のかなりの
上昇が認められた。しかし、第4級アンモニウム塩と非
イオン系界面活性剤の両方を添加した試薬1では非特異
反応による吸光度の上昇が認められなかった。非イオン
系界面活性剤単独でもある程度の非特異反応を抑制でき
るが第4級アンモニウム塩と組み合わせた試薬の方が抑
制効果が優れており良好な結果が得られた。
【0067】
【発明の効果】試薬中の抗体/抗原と試料中の干渉物質
との非特異反応により濁りが生じる。又、実施例1、
4、5、6より試薬中に抗体/抗原がなくともポリエチ
レングリコール等の添加剤と試料中の干渉物質により非
特異反応が起こり、吸光度(濁度)が増加する。第4級
アンモニウム塩の添加によりこれらの非特異反応は抑制
される。
【0068】本発明により、測定対象でない試料中の干
渉物質との非特異反応が抑制されるので測定対象の正確
な測定が可能となり、正確度、信頼性、精度の向上した
免疫比濁測定試薬の供給が可能となる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の第4級アンモニウム塩による非特異
反応の抑制効果を示す。
【図2】実施例4の第4級アンモニウム塩による非特異
反応の抑制効果を示す。
【図3】実施例5の第4級アンモニウム塩による非特異
反応の抑制効果を示す。
【図4】実施例6の第4級アンモニウム塩による非特異
反応の抑制効果を示す。
【化3】

Claims (14)

    【整理番号】 P276 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不溶性担体を用いることなく、抗原抗体
    反応で生ずる不溶性の免疫複合体を光学的に測定するこ
    とにより、生体試料中の免疫学的活性物質を測定する方
    法に用いる試薬において、試薬中に第4級アンモニウム
    塩を含有することを特徴とする免疫比濁測定試薬。
  2. 【請求項2】 第4級アンモニウム塩が、塩化コリン、
    臭化コリン、ヨウ化コリン、重酒石酸コリン、塩化アセ
    チルコリン、塩酸ベタインよりなる群より選ばれた1種
    又は2種以上の混合物として試薬中に含まれることを特
    徴とする請求項1記載の免疫比濁測定試薬。
  3. 【請求項3】 第4級アンモニウム塩を反応の場に0.
    1〜10.0重量/容量%の濃度で存在するように試薬
    中に含むことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の
    免疫比濁測定試薬。
  4. 【請求項4】 (1)第4級アンモニウム塩とともに、
    (2)ポリエチレングリコール、ポリエチレン−ポリプ
    ロピレン−ブロック共重合体、ポリアニオンよりなる群
    より選ばれた1種又は2種以上の物質とを、試薬中に含
    有することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の免疫
    比濁測定試薬。
  5. 【請求項5】 ポリエチレングリコールを反応の場に1
    〜15重量/容量%の濃度で存在するように試薬中に含
    むことを特徴とする請求項4記載の免疫比濁測定試薬。
  6. 【請求項6】 ポリエチレン−ポリプロピレン−ブロッ
    ク共重合体を反応の場に1〜15重量/容量%の濃度で
    存在するように試薬中に含むことを特徴とする請求項4
    記載の免疫比濁測定試薬。
  7. 【請求項7】 ポリアニオンを反応の場に0.001〜
    1.000重量/容量%の濃度で存在するように試薬中
    に含むことを特徴とする請求項4記載の免疫比濁測定試
    薬。
  8. 【請求項8】 (1)第4級アンモニウム塩と、(2)
    ポリエチレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレ
    ン−ブロック共重合体、ポリアニオンよりなる群より選
    ばれた1種又は2種以上の物質と、(3)非イオン系界
    面活性剤とを、試薬中に含有することを特徴とする請求
    項1〜請求項3記載の免疫比濁測定試薬。
  9. 【請求項9】 非イオン系界面活性剤を反応の場に0.
    01〜5.00重量/容量%の濃度で存在するように試
    薬中に含むことを特徴とする請求項8記載の免疫比濁測
    定試薬。
  10. 【請求項10】 第4級アンモニウム塩及びポリエチレ
    ングリコールとともに非イオン系界面活性剤を反応の場
    に0.01〜5.00重量/容量%の濃度で存在するよ
    うに試薬中に含むことを特徴とする請求項9記載の免疫
    比濁測定試薬。
  11. 【請求項11】 第4級アンモニウム塩及びポリエチレ
    ン−ポリプロピレン−ブロック共重合体とともに非イオ
    ン系界面活性剤を反応の場に0.01〜5.00重量/
    容量%の濃度で存在するように試薬中に含むことを特徴
    とする請求項9記載の免疫比濁測定試薬。
  12. 【請求項12】 第4級アンモニウム塩及びポリアニオ
    ンとともに非イオン系界面活性剤を反応の場に0.01
    〜5.00重量/容量%の濃度で存在するように試薬中
    に含むことを特徴とする請求項9記載の免疫比濁測定試
    薬。
  13. 【請求項13】 不溶性担体を用いることなく、抗原抗
    体反応で生ずる不溶性の免疫複合体を光学的に測定する
    ことにより、生体試料中の免疫学的活性物質を測定する
    方法において、反応の場に第4級アンモニウム塩を存在
    させることを特徴とする免疫比濁測定方法。
  14. 【請求項14】 不溶性担体を用いることなく、抗原抗
    体反応で生ずる不溶性の免疫複合体を光学的に測定する
    ことにより、生体試料中の免疫学的活性物質を測定する
    方法において、反応の場に第4級アンモニウム塩を存在
    させることにより、目的とする抗原抗体反応以外の非特
    異反応を抑制する方法。
JP11631993A 1993-04-19 1993-04-19 免疫比濁測定試薬及び測定方法 Pending JPH06300761A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11631993A JPH06300761A (ja) 1993-04-19 1993-04-19 免疫比濁測定試薬及び測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11631993A JPH06300761A (ja) 1993-04-19 1993-04-19 免疫比濁測定試薬及び測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06300761A true JPH06300761A (ja) 1994-10-28

Family

ID=14684044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11631993A Pending JPH06300761A (ja) 1993-04-19 1993-04-19 免疫比濁測定試薬及び測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06300761A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6623921B2 (en) 1998-07-30 2003-09-23 Advanced Life Science Institute, Inc. Method for measurement of hepatitis C virus
US7316905B1 (en) 1998-07-30 2008-01-08 Advanced Life Science Institute, Inc. Method for measurement of hepatitis C virus
JP2008544043A (ja) * 2005-06-16 2008-12-04 ザ ルブリゾル コーポレイション 燃料における使用のための四級アンモニウム塩洗浄剤
JP2009133809A (ja) * 2007-11-09 2009-06-18 Jsr Corp 生体関連物質の非特異吸着防止剤および物品のコーティング方法
US7776542B1 (en) 1997-08-04 2010-08-17 Advanced Life Science Institute Methods for the detection of hepatitis B and C viruses
WO2010113943A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 デンカ生研株式会社 免疫分析方法及びそのための試薬
WO2014021387A1 (ja) * 2012-07-31 2014-02-06 積水メディカル株式会社 ラテックス凝集阻害免疫法
US9128083B2 (en) 2007-11-09 2015-09-08 Jsr Corporation Nonspecific adsorption inhibitor of substance relating to living body and method for coating article
JP2018155629A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 東ソー株式会社 ペプチドの吸着抑制剤
JP2018169273A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 東ソー株式会社 ペプチドの吸着抑制剤
CN110462402A (zh) * 2017-03-27 2019-11-15 日本火腿株式会社 防止因体液引起的抗原抗体反应阻碍的物质
CN112969922A (zh) * 2018-11-09 2021-06-15 积水医疗株式会社 用于防止自动分析装置的免疫测定中的异常检测的方法,及免疫测定试剂
US20220011298A1 (en) * 2020-07-10 2022-01-13 Acutis Diagnostics, Inc. Methods and compositions for isolation and rapid detection of micro-organisms from blood and bodily fluids
WO2024070995A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 富士フイルム株式会社 アルブミン測定試薬およびアルブミンの測定方法

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7776542B1 (en) 1997-08-04 2010-08-17 Advanced Life Science Institute Methods for the detection of hepatitis B and C viruses
US7316905B1 (en) 1998-07-30 2008-01-08 Advanced Life Science Institute, Inc. Method for measurement of hepatitis C virus
US6623921B2 (en) 1998-07-30 2003-09-23 Advanced Life Science Institute, Inc. Method for measurement of hepatitis C virus
JP2012184444A (ja) * 2005-06-16 2012-09-27 Lubrizol Corp:The 燃料における使用のための四級アンモニウム塩洗浄剤
JP2008544043A (ja) * 2005-06-16 2008-12-04 ザ ルブリゾル コーポレイション 燃料における使用のための四級アンモニウム塩洗浄剤
JP2009133809A (ja) * 2007-11-09 2009-06-18 Jsr Corp 生体関連物質の非特異吸着防止剤および物品のコーティング方法
JP2012189605A (ja) * 2007-11-09 2012-10-04 Jsr Corp 生体関連物質の非特異吸着防止剤および物品のコーティング方法
US9128083B2 (en) 2007-11-09 2015-09-08 Jsr Corporation Nonspecific adsorption inhibitor of substance relating to living body and method for coating article
WO2010113943A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 デンカ生研株式会社 免疫分析方法及びそのための試薬
JP5426661B2 (ja) * 2009-03-31 2014-02-26 デンカ生研株式会社 免疫分析方法及びそのための試薬
US9075049B2 (en) 2009-03-31 2015-07-07 Denka Seiken Co., Ltd. Immunoassay method and reagent therefor
WO2014021387A1 (ja) * 2012-07-31 2014-02-06 積水メディカル株式会社 ラテックス凝集阻害免疫法
US10627393B2 (en) 2012-07-31 2020-04-21 Sekisui Medical Co., Ltd. Latex agglutination inhibition immunoassay
JP2018155629A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 東ソー株式会社 ペプチドの吸着抑制剤
CN110462402A (zh) * 2017-03-27 2019-11-15 日本火腿株式会社 防止因体液引起的抗原抗体反应阻碍的物质
EP3605097A4 (en) * 2017-03-27 2021-01-20 NH Foods Ltd. SUBSTANCE PREVENTING INHIBITION OF ANTIGEN-ANTIBODY REACTION BY BODY FLUID
US11719695B2 (en) 2017-03-27 2023-08-08 Nh Foods Ltd Immunoassay method to prevent inhibition of antigen-antibody binding interactions in mucosal fluids
CN110462402B (zh) * 2017-03-27 2024-06-25 日本火腿株式会社 防止因体液引起的抗原抗体反应阻碍的物质
JP2018169273A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 東ソー株式会社 ペプチドの吸着抑制剤
CN112969922A (zh) * 2018-11-09 2021-06-15 积水医疗株式会社 用于防止自动分析装置的免疫测定中的异常检测的方法,及免疫测定试剂
EP3882631A4 (en) * 2018-11-09 2022-08-24 Sekisui Medical Co., Ltd. METHOD OF SUPPRESSING ABNORMAL DETECTION IN IMMUNOASSAY BY AUTOMATIC ANALYZER AND IMMUNOASSAY REAGENT
US20220011298A1 (en) * 2020-07-10 2022-01-13 Acutis Diagnostics, Inc. Methods and compositions for isolation and rapid detection of micro-organisms from blood and bodily fluids
US20230212641A1 (en) * 2020-07-10 2023-07-06 Acutis Diagnostics, Inc. Methods and compositions for isolation and rapid detection of micro-organisms from blood and bodily fluids
WO2024070995A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 富士フイルム株式会社 アルブミン測定試薬およびアルブミンの測定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6334401B2 (ja) ラテックス凝集阻害免疫法
JPH06300761A (ja) 免疫比濁測定試薬及び測定方法
JP7508494B2 (ja) ヘモグロビンの測定試薬、測定キット及び測定方法
JP3851807B2 (ja) 免疫反応におけるプロゾーン現象抑制方法及び免疫反応測定用試薬
JP3266960B2 (ja) 金コロイド粒子を用いた免疫分析法
JP5191291B2 (ja) 便検体中ヘモグロビンの測定方法及び測定試薬キット
JPH06104064B2 (ja) 安定化酵素結合体組成物
KR20210073546A (ko) 류신 리치 α2 글리코 단백질의 면역 측정 방법 및 측정 시약
JP4580180B2 (ja) 免疫測定法用測定値低下抑制剤及びそれを用いた免疫測定法
JP2001289850A (ja) 免疫測定方法及び試薬
US5466611A (en) Method for the determination of antigens or antibodies in the presence of an immune complex
CN109765385B (zh) 一种提高胶乳试剂灵敏性和线性的方法
JP2691575B2 (ja) 免疫反応の測定方法
JPH0682450A (ja) 免疫学的測定試薬
JP5177677B2 (ja) 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬
CA1208548A (en) Method for the determination of antigens
JP2002303630A (ja) ラテックス免疫比濁測定法及びそれに用いるキット
Sandholm Development and evaluation of immunoassays for complement diagnostics
JPH04363660A (ja) 免疫比濁分析用試薬、および分析方法
JP2885092B2 (ja) C反応性タンパク質の測定法及び測定試薬
EP1596198A1 (en) Method of measuring oxidized ldl-crp complex and measrurement kit
JPH06167493A (ja) 免疫測定方法
JP3544787B2 (ja) ラテックス比濁免疫測定法
Borque et al. Development and validation of an automated particle‐enhanced nephelometric immunoassay method for the measurement of human plasma c1q
JPH02238361A (ja) 免疫反応測定法および免疫反応測定用試薬