JPH06300350A - 床構造および空調装置および床暖房装置 - Google Patents

床構造および空調装置および床暖房装置

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Publication number
JPH06300350A
JPH06300350A JP5081996A JP8199693A JPH06300350A JP H06300350 A JPH06300350 A JP H06300350A JP 5081996 A JP5081996 A JP 5081996A JP 8199693 A JP8199693 A JP 8199693A JP H06300350 A JPH06300350 A JP H06300350A
Authority
JP
Japan
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air
floor
space
air conditioner
conditioning
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5081996A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Kawagoe
健男 川越
Mitsuaki Watanabe
充明 渡辺
Tadashi Hanaoka
忠 花岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Corp
Original Assignee
Sanden Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工を容易かつ安価に行うことができ、エネ
ルギー効率の良い床構造および空調装置および床暖房装
置の提供。 【構成】 床面材56,156の下側に気密性を有する膜材6
0,160を所定の撓みを持つように設け、床面材56,156と
膜材60,160との間に空気を囲い込む空間を形成して特殊
な床構造50,150を形成し、この空間を空調用空気32A,32
B が流通する通気層58,158として空調装置30A,30B の構
成に利用し、吹出し口70,170から空調空間11〜14内に空
調用空気32A,32B を供給して建物10内の空調を行う。ま
た、このような床構造50,150を床暖房装置にも利用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床構造および空調装置
および床暖房装置に関し、建物内の換気、冷暖房、加
湿、除湿等の空調などに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、我が国における住宅空調は、単
なる温度調節のみの冷暖房が中心であり、しかも住宅内
の各室単位で行われる簡易なものであった。また、我が
国の住宅構造は、伝統的に自然環境に順応した開放的構
造となっているため、断熱性や気密性を確保しにくく、
空調を行う対象としては居住の快適性確保、エネルギー
効率等の面で不適切なものであった。これに対し、近
年、居住の快適性確保や省エネルギーを目的として、断
熱性や気密性を向上させた住宅が普及しつつある。この
ため、住宅の断熱化や気密化に伴って必然的に計画換気
による各室内の空気品質の維持が不可欠のものとなり、
前述したような温度調節のみを主体とした各室単位の簡
易な空調方式、つまり各室内に個別に冷暖房機を設置す
る方式が不適切なものになってきた。これに伴い、室内
の空気品質維持、温冷、湿度の制御、さらには各室内へ
の調和空気の分配性が良好な空調方式が望まれるように
なってきた。しかし、このような空気品質維持、温冷、
湿度の制御、および各室内への調和空気の良好な分配
(還元)が可能な空調方式は、極めて高価なものとなる
ため、安価でかつ容易にこのような空調方式を実現する
ことが望まれている。
【0003】図14には、このような状況下において空
調装置を設置した従来の建物の一例である建物900 が示
されている。建物900 は、二階建ての建物であり、各階
には空調の対象となる空調空間901,902 が設けられてい
る。一階の空調空間901 の床面材903 の下側の空間904
と、一階の空調空間901 の天井905 と二階の空調空間90
2 の床面材906 との間の空間907 と、二階の空調空間90
2 の天井908 の上側の空間909 とには、空調用のダクト
910,911,912,913 等が適宜設けられており、これらのダ
クト910 〜913 は、給排気口914,915,916,917,918 等に
より各空調空間901,902 と連通されていて図示されない
空調機等とともに空調装置を構成している。そして、こ
のようなダクト910 〜913 は、壁体919 の内部に設けら
れることもある。なお、ダクト910 〜913 は、フレキシ
ブルダクトや丸型、角型等の金属製ダクトなどである。
【0004】また、空調装置の別の設置例として、この
ようなダクト910 〜913 等を用いない送風方式を適用し
た例もある。例えば、一階においては、図14の床面材
903 の下側の基礎920 によって囲まれた空間904 に気密
性、断熱性を付与し、かつ地面からの湿気の侵入も防止
する施工を施すことにより、この空間904 を熱的に外部
と遮断し、この空間904 内に温冷熱や新鮮な空調用空気
を供給することも行われている。つまり、ダクト910を
設けないで空間904 自体をその代わりとする送風方式で
ある。さらに、各空調空間901,902 の床面材903,906 を
二重化し、その間に空調用空気を供給する通気層を形成
する方法も行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たダクト910 〜913 を用いた空調装置では、ダクト910
〜913 を設置するためのスペースを確保するために、図
14の各空調空間901,902 の周囲に位置する空間904,90
7,909 の高さ寸法を大きくしなければならない。このた
め、通常の建物よりも階高H1をコストアップを覚悟で大
きな寸法とするか、あるいは階高H1は通常の寸法とし、
天井高さH2を犠牲にしなければならないという問題があ
る。また、このようなダクト910 〜913 を設置する工事
は複雑で手間のかかるものであり、建築コストも高いと
いう問題がある。さらに、このようなダクト910 〜913
を設置する方式は、住宅設計者や施工業者等に広く普及
しておらず、好まれないという問題がある。
【0006】また、図14の空間904 全体を熱的に外部
と遮断する方法では、床下の防湿が重要となるため、空
間904 の底面921 をコンクリートで覆う等の手間のかか
る施工が必要となり、建築コストが増大するという問題
がある。さらに、図14の床面材903,906 を二重化して
その間に通気層を形成する方法でも、施工に手間がかか
り、建築コストが増大するという問題がある。
【0007】本発明の目的は、施工を容易かつ安価に行
うことができ、エネルギー効率の良い床構造および空調
装置および床暖房装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、床面材の下側
に膜材を設けて特殊な床構造を形成し、これを利用して
空調装置や床暖房装置を構成して前記目的を達成しよう
とするものである。具体的には、本発明の床構造は、床
面材とこの床面材の下側に所定間隔をおいて設けられた
気密性を有する膜材とを備え、これらの床面材と膜材と
の間に空気を囲い込む空間が形成されていることを特徴
とする。また、本発明の床構造は、前記床面材の周縁の
下側近傍には枠状に周縁材が設けられ、この周縁材の相
対する部位には棒状の掛渡し材が掛け渡され、この掛渡
し材の上側にはこれと略直交し、かつ床面材の下面を支
持する棒状の床面支持材が設けられ、これらの周縁材と
掛渡し材とにより、平面的に複数の区画が形成され、前
記膜材は各区画の周囲でこれらの周縁材と掛渡し材とに
より支持され、前記膜材のうち各区画内であって前記床
面支持材の下側に位置する部分は前記床面支持材の下面
よりも下側に撓んでいることを特徴とする。さらに、本
発明の床構造は、前記膜材がその周縁部分に折り畳み状
のタックを形成されていることを特徴とする。
【0009】また、本発明の床構造は、前記膜材が前記
複数の各区画を合わせた全面に渡る大きさに一体的に形
成され、この膜材の中間部分は前記掛渡し材と前記床面
支持材とにより挟持されていることを特徴とする。さら
に、本発明の床構造は、前記膜材が前記複数の各区画毎
に分割して形成され、この分割された膜材の各周縁部分
は前記周縁材の側面または前記掛渡し材の側面に接合さ
れていることを特徴とする。そして、本発明の床構造
は、前記膜材の各周縁部分がこの周縁部分を支持するた
めの棒状の膜材受および膜材押えにより挟み込まれ、前
記膜材の各周縁部分と前記膜材受との間および/または
前記膜材の各周縁部分と前記膜材押えとの間には気密性
を有する弾性部材が挟み込まれていることを特徴とす
る。また、本発明の床構造は前記膜材が断熱性を有して
いることを特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記床構造を利用した空
調装置であって、前記床面材と前記膜材との間の空間は
密封された通気層とされ、前記床面材の上側には空調の
対象となる空調空間が形成され、前記床面材には、この
床面材を貫通して前記通気層と前記空調空間とを連通す
る吹出し口が設けられ、前記通気層には空調機から冷暖
房や換気等のための空調用空気が送り込まれ、この空調
用空気は前記吹出し口を介して前記空調空間に供給され
ることを特徴とする。さらに、本発明の空調装置は、前
記空調空間には壁体を挟んで通路空間が隣接され、前記
空調空間に供給された空調用空気は前記通路空間および
/または前記壁体の内部に形成された壁体内空間を介し
て前記空調機に戻されることを特徴とする。そして、本
発明の空調装置は、前記空調機が前記通路空間の床下の
ピット空間内に設けられ、このピット空間は、前記空調
用空気を前記通気層に送り込む送り用ピット空間と、前
記空調用空気を前記空調機に戻す戻り用ピット空間とに
分割されていることを特徴とする。
【0011】また、本発明の空調装置は、前記空調の対
象となる空調空間およびその床下の通気層が複数階を有
する建物内の所定の階に設けられ、この所定の階の通気
層には、異なる階に設けられた前記空調機から建物内の
壁体の内部に形成された壁体内空間を介して前記空調用
空気が送り込まれ、前記所定の階の空調空間に供給され
た空調用空気は前記壁体内空間とは別の壁体内空間また
は建物内の通路空間を介して前記空調機に戻されること
を特徴とする。さらに、本発明の空調装置は、前記空調
の対象となる空調空間およびその床下の通気層が複数階
にそれぞれ設けられ、前記空調機は複数階共用の空調機
であることを特徴とする。そして、本発明の空調装置
は、前記空調機が前記空調空間内に設けられ、前記空調
空間に供給された空調用空気は前記空調機に直接に戻さ
れることを特徴とする。さらに、本発明の空調装置は、
前記空調機が着脱可能式であることを特徴とする。ここ
で、空調装置とは、換気、冷暖房(温調)、除湿、加湿
等の空調を行う装置であり、これらの全ての機能を有す
る装置、あるいはこれらの各機能を選択的に有する装
置、例えば暖房専用や冷房専用の空調装置等をも含むも
のである。
【0012】また、本発明は、前記床構造を利用した床
暖房装置であって、前記床面材と前記膜材との間の空間
は密封された通気層とされ、前記床面材の上側には床暖
房の対象となる暖房空間が形成され、前記通気層には暖
房機から暖房用空気が送り込まれ、この通気層内の暖房
用空気から前記暖房空間に前記床面材を介して暖房熱が
供給されることを特徴とする。さらに、本発明の床暖房
装置は、前記通気層内または前記膜材の下側には、前記
暖房機から送り込まれる暖房用空気の前記通気層内での
流れを所定の方向に制御する仕切り材が設けられている
ことを特徴とする。そして、本発明の床暖房装置は、前
記暖房機が前記暖房空間内に着脱可能式に設けられてい
ることを特徴とする。
【0013】
【作用】このような本発明においては、床面材の下側に
気密性を有する膜材を設け、これらの床面材と膜材との
間に空気を囲い込む空間を形成し、この空間を通気層と
してここに空調機や暖房機から空調用空気や暖房用空気
を送り込み、空調装置や床暖房装置を構成する。このよ
うな膜材を有する特殊な床構造により、床面材の下側に
は、床面の全面に渡る通気層が形成され、床面材の適宜
な場所に吹出し口を設けることで上方の空調空間には必
要な場所に必要なだけ空調用空気が供給され、容易かつ
安価に空調装置が構成される。また、この通気層内に暖
房用空気を送り込んで床暖房を行うことにより、床面の
全面から床面材を介して暖房熱が上方の暖房空間に供給
される良好な床暖房が構成される。
【0014】また、膜材の設置は、従来の建築構造、特
に我が国の伝統的な自然通風を前提とした木質系住宅の
構造をそのまま利用して行われるので、施工の手間がか
からず、建築構造の大幅な変更を伴うこともない。そし
て、前述の図14に示したダクト910 〜913 等を設置し
て空調装置や床暖房装置を構成する方法に比べ、設置の
ためのスペースを要しないため、図14の階高H1をコス
トアップ覚悟で大きくしたり、あるいは天井高さH2を犠
牲にしたりする必要はなくなる。さらに、膜材を設置す
るだけで床下に通気層が形成され、空調用空気や暖房用
空気の外部への漏れが防止されて圧力低下の防止が図ら
れる。このため、図14の空間904 全体を通気層とする
場合に比べ、空間904 の底面921 をコンクリートで覆う
等の手間のかかる施工を行わずに、容易に圧力低下の防
止が図られ、省エネルギーが実現される。
【0015】また、膜材と床面材との間の空間を通気層
とするので、通気層内の空調用空気は膜材により膜材の
下側の空間内の空気と遮断され、床下の臭気、細菌等が
床上の空調空間内に流入することはなく、清潔で良好な
空調が行われる。さらに、図14のダクト910 〜913 の
場合に比べて、膜材と床面材との間に形成される通気層
は断面積が大きく、気流速度が小さくなるため、騒音が
小さくなる。そして、ダクト910 〜913 のような配管振
動を伴うおそれもない。
【0016】また、空調装置において暖房を行う場合に
は、床面材に設けられた吹出し口からの空調空間内への
空調用空気の供給に加え、床面材を介して空調空間に輻
射があるので床暖房も同時に行われる。このため、吹出
し口から空調空間内へ供給される空調用空気の温度は空
調空間の室温と最小温度差に設定されるため、快適な暖
房が実現される。そして、これにより冬期には電気抵抗
加熱の不要な熱交換式のヒートポンプを用いても充分な
暖房の実現が可能となり、これらにより前記目的が達成
される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1ないし図4には、本発明の第一実施例に係る
床構造および空調装置を有する建物10の一部が示されて
いる。図1において、建物10は二階建ての建物であり、
一階には空調の対象となる空調空間11, 12およびこの間
に挟まれた通路空間15が設けられ、二階には空調の対象
となる空調空間13, 14およびこの間に挟まれた通路空間
16が設けられている。ここで、空調空間11〜14は、建物
10が住宅用建物の場合には、応接室、居間、寝室、子供
部屋等の居室空間あるいは便所、風呂、台所などであ
り、事務所用建物の場合には、オフィス空間、食堂、ラ
ウンジ、図書室等である。また、通路空間15, 16は廊下
等である。各通路空間15, 16の床下には、ピット空間1
7, 18が形成されており、この各ピット空間17, 18の両
側、すなわち各空調空間11〜14の床下には、それぞれ床
下空間19, 20, 21, 22が形成されている。
【0018】一階の空調空間11, 12、二階の空調空間1
3, 14は、それぞれ別々の空調装置30A,30B により換
気、冷暖房(温調)、除湿、加湿等の空調が行われるよ
うになっており、各ピット空間17, 18にはこれらの空調
装置30A,30B を構成する各空調機31A,31B が固定設置さ
れている。各空調機31A,31B は、ヒートポンプ等から供
給された冷熱や温熱を熱交換した温風や冷風等の空調用
空気32A,32B を各空調空間11〜14に供給してこれらの空
間の換気や冷暖房等を行う器械であり、各空調用空気32
A,32B が流通する各通気路(詳細は後述する)ととも
に、各階毎にシステムとしての空調装置30A,30B を構成
している。また、各空調機31A,31B は、外部と連通され
(図では破断されている)、新鮮な外気を内部に導入
し、逆に汚れた空調用空気32A,32B を外部に排気するよ
うになっており、この際、適宜必要な熱交換を行うよう
になっている。なお、各空調装置30A,30B は、換気専
用、あるいは冷房専用、暖房専用等の装置であってもよ
い。
【0019】図2には、一階の空調空間11, 12の床構造
50の詳細が示されている。図1および図2において、空
調空間11, 12の床の周縁部分の下側に位置する建物10の
基礎51の上側には、周縁材である土台52が枠状に設けら
れており、この土台52には棒状の掛渡し材である大引53
が大入れ蟻掛け等の接合方法により掛け渡されている。
なお、図2では、この大引53は三本掛け渡されているが
任意の本数が適宜掛け渡されていればよく、図1では図
面の煩雑を避けるため一部の本数は省略されている。大
引53は、その中間部分を束石54の上に立てられた床束55
に下側から支えられている。この大引53の上面は土台52
の上面と一致しており、これらの上面間には空調空間1
1, 12の床面材56を下側から支持する棒状の床面支持材
である根太57が大引53と略直交する方向に掛け渡されて
いる。なお、図2には床面材56の下側の構造が示されて
おり、根太57の一部等は図示を省略されている。ここ
で、根太57の長さは、空調空間11, 12の幅(図2中X方
向)を二分割した長さとなっているが、さらに二分割し
て大引53どうしの間を掛け渡すようにしてもよく、ある
いは空調空間11, 12の幅分の長さを有する根太57を掛け
渡すようにしてもよい。また、床面材56の大きさは任意
であり、一枚の床面材56により床面を構成してもよく、
あるいは複数枚の床面材56により構成してもよく、複数
枚により構成する場合には、各々の床面材56の間に適宜
隙間ができるようにこれらを設置することにより、後述
する吹出し口70と同様な空調用空気32A の流通する通気
路を形成することができる。
【0020】互いに略直交する根太57と大引53との間に
は、膜材60が挟み込まれており、この膜材60は、空調空
間11, 12の床面全面に渡って一体的に床面材56の下側に
設けられている。そして、この膜材60と床面材56との間
には、空調用空気32A を囲い込む空間である通気層58が
形成されている。なお、図2では、膜材60の一部は説明
上切断されて省略されている。図3には、膜材60の取り
付けの詳細が示されている。膜材60の周縁部61には、少
なくとも上面または下面の一方の面に全周に渡って予め
弾性部材62が貼り付けられている。なお、このような弾
性部材62は、後述する胴縁63または膜材押え64に貼り付
けてもよく、通気層58の気密性を確保できればなくても
よい。ここで、膜材60は空調用空気32A を通さない気密
性を有するポリエチレン製のクロスラミナーシート等で
あり、さらに熱線反射性、伝熱遮断性等の断熱性、ある
いは不透湿性を有する膜材としてもよく、あるいはこれ
らの機能を有する膜材との貼り合わせとしてもよい。例
えば、アルミニウムを貼り付ければ熱線反射性の良好な
膜材とすることができる。また、弾性部材62はシール部
材として機能するものであり、空調用空気32A を通さな
い気密性を有する発泡体等である。
【0021】土台52の内側の側面には、膜材60の周縁部
61を取り付ける膜材受である胴縁63が全周に渡り設けら
れている。この胴縁63の上面は、土台52の上面と一致し
ている。膜材60は、根太57を設置する前にその周縁部61
を胴縁63の上面に接合することにより取り付けられる。
膜材60の取り付け後に平行に複数本の根太57を設置し、
これらの根太57の間であって胴縁63の上側に位置する部
分に膜材押え64を設置する。この膜材押え64と胴縁63と
により、弾性部材62とともに膜材60の周縁部61が挟み込
まれ、弾性部材62はシール部材として機能するようにな
っている。また、膜材押え64は、根太57の高さ寸法Hと
同じ高さ寸法を有しており、通気層58内に送り込まれた
空調用空気32A が外部に逃げてしまわないように風止め
材として設けられている。この膜材押え64は、空調機31
A から通気層58内に空調用空気32A を送り込む通気路65
(図1)が形成される部分を除くピット空間17側および
壁体88側に設けられている。
【0022】図2において、膜材60の周縁部61には、折
り畳まれて取り付けられる部分としてタック66が適宜設
けられており、これにより膜材60は所定の撓みを持って
設置されるようになっている。図1において、膜材60
は、膜材60と床面材56との間に形成される通気層58の高
さ幅が少なくとも根太57の高さ寸法Hの分だけ確保され
るように設けられ、かつ平行に設置された大引53どうし
の間および大引53と土台52との間においては根太57の下
面の位置よりも下側に撓んでいる。すなわち、通気層58
は、図2中X方向、Y方向のいずれの方向にも空調用空
気32A が流通することができるようになっており、図2
中X方向の流れは、平行に設置された根太57間の隙間を
通って図2中矢印Aに示されるように流通することがで
き、図2中Y方向の流れは、図2中矢印Bに示されるよ
うに膜材60の撓みによって形成された各根太57の下側の
隙間を通って流通することができるようになっている。
【0023】図1において、床面材56には、各空調空間
11, 12と通気層58とを連通する吹出し口70が床面材56を
貫通するように設けられており、通気層58内の空調用空
気32A がこの吹出し口70から各空調空間11, 12内に供給
されるようになっている。吹出し口70は、コントロール
バルブ等を設けて開閉可能としておいてもよい。なお、
図1では空調空間11の端部に一個の吹出し口70が設けら
れているが、設置位置、設置個数、吹出し面積等は任意
であり、各空調空間11, 12内に一様に空調用空気32A が
供給されるように適宜設けられていればよい。
【0024】各空調空間11, 12と通路空間15との間には
それぞれ間仕切壁体80, 81が設けられており、各間仕切
壁体80, 81には、各間仕切壁体80, 81を貫通するように
消音レジスター等により通気路82,83 が形成されてい
る。この各通気路82, 83により各空調空間11, 12内の空
調用空気32A は通路空間15に排気されるようになってい
る。各間仕切壁体80, 81内には、グラスウール等の断熱
材84が設けられており、この断熱材84の下部は通気路65
の上側に位置し、各間仕切壁体80, 81内に空調用空気32
A が逃げてしまわないように風止め材として機能するよ
うになっている。通路空間15の床面には、この床面を貫
通するように吸込み口85が設けられており、通路空間15
内に排気された空調用空気32A はこの吸込み口85から空
調機31Aに戻されるようになっている。また、ピット空
間17に面する基礎51と土台52との隙間には、シール部材
67が設けられており、これによりピット空間17は気密に
保たれている。以上により、各空調空間11, 12とその床
構造50とを含む建物10の一階部分の構造、および一階部
分の空調装置30A の構成の説明を終了する。
【0025】以下には、建物10の二階部分の空調空間1
3, 14とその床構造150 、および二階部分の空調装置30B
の構成の詳細を述べる。図1において、空調空間13, 1
4の床の周縁部分の下側には、周縁材である大梁152 が
枠状に設けられており、この大梁152 には棒状の掛渡し
材である小梁153が掛け渡されている。なお、図1では
小梁153 は一本となっているが、任意の本数が適宜掛け
渡されていればよい。この小梁153 の上面は大梁152 の
上面と一致しており、これらの小梁153 と大梁152 との
間(小梁153 が複数本掛け渡されている場合においては
小梁153 どうしの間も含む)には、空調空間13, 14の床
面材156 を下側から支持する棒状の床面支持材である根
太157 が小梁153 と略直交する方向に掛け渡されてい
る。根太157 の掛渡し方法は、一階の床下空間19, 20の
根太57の掛渡し方法と異なり、小梁153 と大梁152 との
上面間に掛け渡されるのではなく、これらの上部の一部
に食い込むようにして接合されて掛け渡されている。従
って、一階の床下空間19, 20の膜材60が、その中間部分
を根太57と大引53との間に挟み込まれ、空調空間11, 12
の床面全面に渡って一体的に設けられているのに対し、
二階の床下空間21, 22に設けられる膜材160 は、小梁15
3 に沿って分割されている。図1では、小梁153 が一本
であるため、膜材160 は膜材160A, 160Bに二分割されて
いるが、膜材160 は小梁153 の設置本数に合わせて分割
されていればよい。なお、膜材160 の材質は一階の膜材
60と同じである。膜材160 と床面材156 との間には、一
階の床下空間19, 20と同様に空調用空気32B を囲い込む
空間である通気層158 が形成されている。
【0026】図4には、膜材160 の取り付けの概略分解
状態が示されている。各膜材160A,160B の周縁部161A,1
61B には一階の膜材60の周縁部61と同様に、少なくとも
上面または下面の一方の面に全周に渡って予め弾性部材
162A,162B が貼り付けられている。大梁152 の内側の側
面および小梁153 の両側の側面には、各膜材160A,160B
の周縁部161A,161B を取り付ける膜材受である胴縁163
が全周に渡り設けられている。この胴縁163 の上面は、
根太157 と大梁152 との接合部分または根太157 と小梁
153 との接合部分を避ける高さ分だけ大梁152 または小
梁153 の各上面よりも下側に位置している。
【0027】図1に戻って、一階部分と同様に、根太15
7 の間であって胴縁163 の上側に位置する部分に膜材押
え164 を設置する。この膜材押え164 と胴縁163 とによ
り弾性部材162A,162B とともに各膜材160A,160B の周縁
部161A,161B が挟み込まれ、各弾性部材162A,162B はシ
ール部材として機能するようになっている。膜材押え16
4 は、大梁152 に沿って設置される部分では、その高さ
寸法が根太157 の高さ寸法と同じになっており、通気層
158 内に送り込まれた空調用空気32B が外部に逃げてし
まわないように風止め材の機能を果たし、一方、小梁15
3 に沿って設置される部分では、設置後に小梁153 の上
面よりも上側に突出しないようになっており、通気層15
8 内の空調用空気32B の流通が確保されている。また、
大梁152 に沿った膜材押え164 のうち、ピット空間18側
の一部分は、その上面が大梁152 の上面よりも下側に位
置し、この部分には空調機31B が設置されたピット空間
18から通気層158 内に空調用空気32B を送り込む通気路
165 が形成されている。各膜材160A,160B のタックの設
置、撓みの形成等の取り付け方法は、一階の膜材60と同
様であり、通気層158 内の空調用空気32B の流れも一階
の通気層58と同様な流通が確保されている。
【0028】各空調空間13, 14の床面の端部には、各空
調空間13, 14と通気層158 とを連通する吹出し口170 が
床面材156 を貫通するように設けられており、この吹出
し口170 の上側には覆い171 が設けられ、この覆い171
の側面にさらに吹出し口172が設けられている。通気層1
58 内の空調用空気32B は、これらの吹出し口170,172
から各空調空間13, 14内に供給されるようになってい
る。そして、吹出し口170,172 は、コントロールバルブ
等を設けて開閉可能としておいてもよい。各空調空間1
3, 14と通路空間16との間にはそれぞれ間仕切壁体180,1
81 が設けられており、間仕切壁体180 はドア182 を有
し、このドア182 を貫通するようにドアガラリ等により
通気路184 が形成されている。一方、間仕切壁体181 に
は消音レジスター等により通気路185 が形成されてい
る。この各通気路184,185 により各空調空間13, 14内の
空調用空気32B は通路空間16に排気されるようになって
いる。各間仕切壁体180,181 内の構造は、一階部分の各
間仕切壁体80, 81内の構造と略同様であり、風止め材と
して機能する断熱材84が設けられている。間仕切壁体18
1 の通路空間16側の側面には、フィルターを備えた吸込
み口186が設けられており、通路空間16内に排気された
空調用空気32B はこの吸込み口186 でろ過されたうえ、
間仕切壁体181 の内部を通って空調機31B に戻されるよ
うになっている。以上により各空調空間13, 14およびそ
の床構造150 を含む建物10の二階部分の構造と、二階部
分の空調装置30B の構成との説明を終了する。
【0029】このような第一実施例においては、以下の
ように各階の空調が行われる。本第一実施例では、一階
部分と二階部分との空調がそれぞれ別々の空調装置30A,
30B で行われる。一階部分においては、先ず、空調機30
A から各種空調処理された新鮮な空調用空気32A がピッ
ト空間17内に加圧放出され、通気路65を通って通気層58
内に送り込まれる。ここで各種空調処理とは、換気(吸
気、掃気)、冷暖房(温調)、除湿、加湿等を含む。次
に、通気層58内の空調用空気32A は床面材56に適宜設け
られた吹出し口70から一階の空調空間11, 12に供給され
る。その後、各空調空間11, 12内の空調用空気32A は各
間仕切壁体80, 81に設けられた通気路82, 83から通路空
間15に排気され、吸込み口85を通って空調機31A に戻さ
れる。同様に、二階部分においては、先ず、空調機30B
から各種空調処理された新鮮な空調用空気32B がピット
空間18内に加圧放出され、通気路165 を通って通気層15
8 内に送り込まれる。次に、通気層158 内の空調用空気
32B は吹出し口170,172 から二階の空調空間13, 14に供
給される。その後、空調空間13, 14内の空調用空気32B
は各間仕切壁体180,181 に設けられた通気路184,185 か
ら通路空間16に排気され、吸込み口186 から空調機31B
に戻される。
【0030】このような第一実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、各床面材56,156の下側には気
密性を有する膜材60,160が設けられ、これらの床面材5
6,156と膜材60,160との間には、それぞれ空気を囲い込
む空間が形成されているので、この空間を空調用空気32
A,32B が流通する通気層58,158とし、空調装置30A,30B
の構成の一部として利用することができる。また、各通
気層58,158は各空調空間11〜14の床面の全面に渡って形
成されているので、各床面材56,156の適宜な場所に適当
数の吹出し口70,170を設けることで上方の各空調空間11
〜14の必要な場所に必要なだけ空調用空気32A,32B を供
給することができ、いわゆるフリーアクセスを実現でき
る。このため、各空調空間11〜14内への空調用空気32A,
32B の分配性を向上できる。
【0031】さらに、膜材60,160の設置は、従来の建築
構造、特に我が国の伝統的な自然通風を前提とした木質
系住宅の構造をそのまま利用して行うことができるの
で、施工の手間がかからず、建築構造の大幅な変更も回
避することができる。そして、前述の図14に示したダ
クト910 〜913 等を設置する場合に比べ、膜材60,160の
設置のためのスペースを特別に要することはないため、
図14の階高H1を大きくしたり、あるいは天井高さH2を
犠牲にしたりするという不都合を解消することができ
る。また、膜材60,160は、各空調空間11〜14の床面の全
面に渡って各根太57,157の下側に設けられ、かつ各根太
57,157の真下の位置においては各根太57,157の下面より
も下側に撓んでおり、これにより各通気層58,158内はい
ずれの方向にも空調用空気32A,32B が流通することがで
きる。つまり、一階の通気層58においては、図2に示す
矢印A(根太57の長手方向),B(根太57と直交方向)
のように空調用空気32A が流通することにより、図2中
X,Y方向のいずれの方向にも空調用空気32A が流通す
ることができる。二階の通気層158 の場合も同様であ
る。さらに、膜材60の周縁部61にはタック66が設けられ
ており、これにより容易に前述した膜材60の撓みを確保
することができる。二階の膜材160 も同様である。そし
て、一階の膜材60は、各空調空間11, 12の床面全面に渡
り一体的に形成されているが、その中間部分は互いに略
直交する根太57と大引53との間に挟み込まれているの
で、適度な撓みを膜材60に与えながら特に別途の支持用
部材を用いることなく膜材60を支持することができる。
【0032】また、膜材60,160は気密性を有しており、
各通気層58,158の周囲には、風止め材として機能する膜
材押え64,164が設けられており、さらに通気路65,165の
上側の各間仕切壁体80, 81,180,181内には風止め材とし
て機能する断熱材84が設けられている。そして、各膜材
60,160(160A, 160B)の周縁部61, 161A, 161Bには、シ
ール部材として機能する弾性部材62, 162A, 162Bが必要
に応じて設けられる。従って、これらにより各通気層5
8,158を密封状態とすることができ、これらの内部に送
り込まれる空調用空気32A,32B の外部への漏れを防ぎ、
圧力の低下を確実に防止することができる。さらに、こ
のような気密性の確保により省エネルギーを実現するこ
とができ、効率のよい空調装置30A,30B を構成すること
ができるうえ、空調機30A,30B の空調能力の軽減を図る
ことができるため、空調機30A,30B を小型化、小容量化
して安価な空調装置30A,30B とすることができる。そし
て、前述したような膜材60,160等の設置により容易に気
密性を確保することができるので、従来の床下空間19,
20全体を通気層とする場合に比べ、床下空間19, 20の底
面をコンクリートで覆ったり、基礎51と土台52との間に
気密化シールを施して床下空間19, 20の気密性を確保す
る等の手間のかかる施工を行わずに良好な空調を実現で
きる。
【0033】また、膜材60,160と床面材56,156との間の
空間を通気層58,158とするので、各通気層58,158内の空
調用空気32A,32B は各膜材60,160により各膜材60,160の
下側の空間内の空気と遮断され、床下の臭気、細菌等が
床上の各空調空間11〜14内に流入することはなく、清潔
で良好な空調を行うことができる。さらに、前述した図
14のダクト910 〜913 の設置による従来方式に比べ、
通気層58,158は断面積が大きく、気流速度が小さくなる
ため、騒音を抑制することができるうえ、ダクト設置方
式のような振動発生のおそれを解消することもできる。
【0034】また、各空調空間11〜14内に供給された各
空調用空気32A,32B は各通路空間15, 16に集められ、こ
こから各空調機31A,31B に戻されるため、戻りの通気路
を特に別途に設けることなく、各空調装置30A,30B の空
調用空気32A,32B の循環経路を確保することができる。
さらに、一階の空調空間11, 12と二階の空調空間13, 14
との間には、膜材160が設けられているので、膜材160
に前述したような熱線反射性、伝熱遮断性等の断熱性を
付与しておくことで、火災時における一階から二階への
延焼を防止することができる。
【0035】図5には、本発明の第二実施例に係る床構
造および空調装置を有する建物200の一部が示されてい
る。図5において、建物200 は、前述した図1の第一実
施例の建物10と略同様の構造を有し、空調装置230 の構
成が異なるのみであるため、同一部分には同一符号を付
して詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを説
明する。前述した図1の第一実施例では、一階の各空調
空間11, 12と二階の各空調空間13, 14とは、それぞれ別
々の空調装置30A,30B で空調が行われ、空調機31A,31B
もそれぞれ別々に設けられていたが、本第二実施例で
は、一階のピット空間17に設けられた一台の空調機231
により一階および二階の各空調空間11〜14の空調を全て
行う空調装置230 となっている。従って、二階のピット
空間18内には空調機は設けられていない。
【0036】前記第一実施例では、各間仕切壁体80, 81
内には風止め材として断熱材84が設けられているが、本
第二実施例では、通気路65の上方に断熱材84は設けられ
ておらず、各間仕切壁体80, 81内には壁体内空間280,28
1 が形成されている。そして、各間仕切壁体80, 81の上
部であって二階のピット空間18に接する部分には、連通
口291,292 が形成され、これらにより各壁体内空間280,
281 とピット空間17とは連通されている。二階の通路空
間16の床面および一階の通路空間15の天井には、それぞ
れ連通口266,267 が設けられており、これらは途中にフ
ァン293 を有するダクト294 によってピット空間18と隔
てられるように繋がれ、このダクト293 により通路空間
16と通路空間15とが連通されている。ファン293 は、通
路空間16から通路空間15へ強制的に空調用空気232 を送
るために設けられている。なお、これらの連通口266,26
7 、ファン293 、ダクト294 は、通路空間16と通路空間
15とが階段室等により連通されている場合には必ずしも
設けなくてよい。
【0037】このような第二実施例においては、以下の
ように各階の空調が行われる。本第二実施例では、前記
第一実施例と異なり、一階部分と二階部分との空調は共
通の空調装置230 で行われる。一階部分においては、先
ず、空調機231 から各種空調処理された新鮮な空調用空
気232 がピット空間17内に加圧放出され、通気路65を通
って通気層58内に送り込まれる。次に、通気層58内の空
調用空気232 は床面材56に適宜設けられた吹出し口70か
ら一階の空調空間11, 12に供給される。その後、各空調
空間11, 12内の空調用空気232 は各間仕切壁体80, 81に
設けられた通気路82, 83から通路空間15に排気され、吸
込み口85を通って空調機231 に戻される。
【0038】一方、二階部分においては、先ず、ピット
空間17内の加圧された空調用空気232 は通気路65から分
岐し、壁体内空間280,281 およびピット空間18を介して
通気路165 を通り通気層158 内に送り込まれる。なお、
膜材押え164 で通気路165 を塞いでおき、導風フレキシ
ブルダクト265 を図5中二点鎖線のように設けて通気層
158 内へ空調用空気232 を送り込むようにしてもよい。
次に、通気層158 内の空調用空気232 は吹出し口170,17
2 から二階の空調空間13, 14に供給される。その後、空
調空間13, 14内の空調用空気232 は各間仕切壁体180,18
1 に設けられた通気路184,185 から通路空間16に排気さ
れ、さらにダクト293 を通って通路空間15に送られ、吸
込み口85から空調機231 に戻される。
【0039】このような第二実施例によれば、前記第一
実施例と略同様な効果を得ることができるうえ、一階部
分と二階部分との空調は共通の空調装置230 により行わ
れており、一台の空調機231 で済むため、コストを低減
することができる。また、一階に設置された空調機231
から二階の通気層158 に空調用空気232 を送り込むにあ
たって壁体内空間280,281 を利用しているので、特に別
途の通気路を設けることなく、空調用空気232 の循環経
路を確保することができる。
【0040】図6には、本発明の第三実施例に係る床構
造および空調装置を有する建物300の一部が示されてい
る。図6において、建物300 は、前述した図1の第一実
施例の建物10と略同様の構造を有し、空調装置330 の構
成が異なるのみであるため、同一部分には同一符号を付
して詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを説
明する。前述した図1の第一実施例では、各空調空間11
〜14は、各ピット空間17, 18内に設けられた空調機31A,
31B により換気、冷暖房(温調)、除湿、加湿等の空調
が行われているが、本第三実施例では、温風機等の暖房
専用の空調機331 が空調空間11内に設けられている。他
の空調空間12〜14内にも同様にこの空調機331 を設置す
ることができるが、ここでは図示は省略する。空調機33
1 は、空調空間11内の空気を上部に設けられた吸込み口
333 から吸い込み、この空気を内部で加熱して床面材56
を貫通する送気口334 から通気層58内に空調用空気332
(本第三実施例の場合には、暖房用温風となる)として
送り込むように構成されている。また、本第三実施例で
は、間仕切壁体80の下側の通気路65(図1)は膜材押え
64により塞がれて形成されていない。
【0041】このような第三実施例においては、以下の
ように暖房が行われる。先ず、空調機331 から加熱され
た空調用空気332 が送気口334 を通して通気層58内に送
り込まれる。次に、通気層58内の空調用空気332 は床面
材56に適宜設けられた吹出し口70から空調空間11に供給
される。その後、空調空間11内の空調用空気332 は空調
機331 の吸込み口333 から空調機331 内に吸い込まれ、
ここで再加熱されて再び送気口334 から通気層58内に送
り込まれる。
【0042】このような第三実施例によれば、前記第
一、第二実施例と略同様な効果を得ることができるう
え、空調機331 を着脱可能式にしておくことで、夏期に
おいてはこれを取り外し、空調空間11内のスペースの有
効利用を図ることができる。また、床面材56に設けられ
た吹出し口70からの空調空間11内への空調用空気332 の
供給に加え、床面材56を介して空調空間11に輻射がある
ので床暖房も同時に行うことができる。このため、吹出
し口70から空調空間11内へ供給される空調用空気332 の
温度は空調空間11の室温と最小温度差に設定されるた
め、快適な暖房を実現することができるうえ、ヒートポ
ンプによる比較的低温な熱源でも充分に暖房を行うこと
ができる。
【0043】図7には、本発明の第四実施例に係る床構
造450 および床暖房装置430 の概略構成が示されてい
る。これらの床構造450 および床暖房装置430 を有する
建物400 は、前述した図1の第一実施例の建物10と略同
様な構造を有しており、床構造450 の一部分と床暖房装
置430 の構成とが異なるのみであるため、同一部分には
同一符号を付して詳しい説明は省略し、以下には異なる
部分のみを説明する。図1の第一実施例の建物10では、
一階部分および二階部分には、空調空間11〜14が形成さ
れているが、本第四実施例の建物400 では、各空調空間
11〜14の位置に暖房空間411 〜414 が形成され(図示は
省略)、床構造450 を利用した床暖房装置430 により床
暖房が行われるようになっている。
【0044】図7において、床構造450 は、前述した図
1の第一実施例の一階部分の床構造50または二階部分の
床構造150 と略同様の構成である。ここでは、一階部分
について述べるものとし、前記第一実施例の床構造50と
同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略し、以
下には異なる部分のみを説明する。なお、二階部分につ
いても一階部分と同様な構成である。床構造450 は、前
記第一実施例の床構造50と同様に、周縁材である土台52
に掛渡し材である大引53が掛け渡されている。土台52と
大引53との上面間には暖房空間411,412 の床面材56を支
持する床面支持材である根太57が大引53と略直交する方
向に掛け渡されている。また、大引53と根太57との間に
挟まれた膜材60と床面材56との間には通気層58が形成さ
れている。床構造450 は、前記第一実施例の床構造50と
は異なり、大引53の直上であって根太57の間に位置する
部分に、通気層58内を仕切る棒状の仕切り材451 が図7
中の矢印K1〜K12 が横切る部分を除き大引53に沿って膜
材60の上側に設けられている。一方、一部の根太57の真
下には、大引53間あるいは大引53と土台52との間に掛け
渡された棒状の仕切り材452 が設けられており(図7中
点線の部分)、この仕切り材452 と根太57との間に膜材
60が挟み込まれ、この部分では膜材60が撓まないように
なっている。これらの仕切り材451,452 により通気層58
内は図中X,Y方向に適宜仕切られ、所定の通気路が形
成されている。また、床構造450 は、通気層58と各暖房
空間411,412 とを連通する図1の吹出し口70に相当する
ものは有していない。
【0045】床暖房装置430 は、暖房機431 を有し、こ
の暖房機431 から暖房用空気432 を通気層58内に送り込
むように構成されている。暖房機431 の設置位置は、各
暖房空間411,412 内、これらの間の通路空間15内、各暖
房空間411,412 の下側の床下空間19, 20内であって膜材
60の下側の部分、ピット空間17内、屋外等の適宜な場所
であってよい。通気層58内への暖房機431 からの暖房用
空気432 の供給は、暖房機431 の設置位置に応じて適宜
導風フレキシブルダクトを用いるなどして行えばよい。
また、通気層58内から暖房機431 への暖房用空気432 の
還気も同様である。通気層58内の暖房用空気432 は、図
7中の下側部分では、矢印K1〜K3のように大引53の上側
を図中X方向に流れ、この流れは矢印L1〜L4のように根
太57の下側を通る図中Y方向の流れに分岐し、その後、
これらの流れは矢印K4〜K6のように大引53の上側を図中
X方向に流れて合流するようになっている。一方、図7
中の上側部分では、暖房用空気432 は、矢印K7〜K9のよ
うに大引53の上側を図中X方向に流れ、この流れは矢印
L5〜L7のように根太57の下側を通る図中Y方向の流れに
分岐し、その後、これらの流れは矢印K10 〜K12 のよう
に大引53の上側を図中X方向に流れて合流するようにな
っている。また、図中M部分では、仕切り材452 により
暖房用空気432 の流れが遮断されており、この部分の床
上には、例えば、箪笥等の暖房熱の供給が不要なものを
設置しておくことができる。
【0046】なお、図中矢印L1〜L4の部分を流れる暖房
用空気432 の量は、これらの部分の膜材60の撓み量をタ
ック66等を調整することにより変化させて制御すること
もできる。つまり、図中矢印L1の部分に暖房用空気432
の流通量が偏るような場合には、図中矢印L1, L2, L3,
L4の順に膜材60の撓み量を小さくしておけば、均一な暖
房用空気432 の流れを得ることができる。図中矢印L5〜
L7の部分についても同様である。また、仕切り材451,45
2 の設置位置は、このように暖房用空気432 の流れを通
気層58内で所定の方向に制御することができれば、適宜
な場所であってよい。そして、このような通気層58内に
おける通気路は、床面全面に一様な暖房熱が供給される
ように形成されることが望ましい。
【0047】このような第四実施例においては、以下の
ように床暖房が行われる。先ず、暖房機431 から暖房用
空気432 が通気層58内に送り込まれる。次に、通気層58
内に送り込まれた暖房用空気432 は、図7中の下側部分
では、矢印K1〜K3, L1〜L4,K4〜K6のように通気層58内
を循環し、一方、図7中の上側部分では、矢印K7〜K9,
L5〜L7,K10 〜K12 のように通気層58内を循環して流通
する。この際、暖房用空気432 から床面材56を介して各
暖房空間411,412 に暖房熱が供給される。その後、この
通気層58内の暖房用空気432 は床面材56の上側の各暖房
空間411,412 に吹き出されることなく、暖房機431 に戻
される。
【0048】このような第四実施例によれば、暖房用空
気432 が通気層58,158内のみを循環して床面材56,156の
上側の各暖房空間411 〜414 に吹き出されないことを除
いては、すなわち室内換気が行われないことを除いて
は、前記第一、第二、第三実施例と略同様な効果を得る
ことができる。また、通気層58,158は各暖房空間411 〜
414 の床面全面に渡って形成されているので、床面全面
に一様に暖房熱を供給することができる。さらに、通気
層58,158内には仕切り材451 が適宜設置され、膜材60,1
60の下側には仕切り材452 が適宜設置されているので、
これらの仕切り材451,452 により暖房用空気432 の流れ
を通気層58,158内で所定の方向に制御することができる
ため、床面全面への暖房熱の供給をより確実なものとす
ることができる。また、暖房機431 を各暖房空間411 〜
414 内に設置する場合には、この暖房機431 を着脱可能
式のものとしておくことで、夏期においてはこれを取り
外し、各暖房空間411 〜414 内のスペースの有効利用を
図ることができる。
【0049】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記第一、第二実施例の一階部
分では、間仕切壁体80, 81の下側に形成された通気路65
(図1および図5参照)により各空調機31A,231 から通
気層58内に各空調用空気32A,232 が送り込まれていた
が、図8に示すように、基礎51の一部分にピット空間17
と床下空間19とを連通する切欠き500 を形成し、この切
欠き500 を通るように各空調機31A,231 から通気層58内
に空調用空気32A,232 を送り込む導風フレキシブルダク
ト501 を設けてもよい。
【0050】また、前記第一、第二実施例では、各空調
装置30A,30B,230 は、通路空間15,16を介して各空調用
空気32A,32B,232 が各空調機31A,31B,231 に戻されるよ
うに構成されているが、図9に示すように間仕切壁体80
の側面に設けられたフィルターを備えた吸込み口510 か
ら間仕切壁体80の内部に形成された壁体内空間511 を介
して戻されるように構成されていてもよい。二階部分に
ついても同様である。そして、第二実施例の場合におい
ては、間仕切壁体80の内部には、二階の通気層158 内に
空調用空気232 を送り込むための別の壁体内空間280 が
既に形成されているが、この場合には間仕切壁体80の内
部に仕切りを設ける等により送り用の壁体内空間280 と
戻り用の壁体内空間511 とを隔てればよい。
【0051】さらに、図9に示すように、ピット空間17
を仕切り板515 で戻り用ピット空間である上部ピット空
間512 と、送り用ピット空間である下部ピット空間513
とに二分割してもよい。この場合には、空調機31A,231
から下部ピット空間513 に空調用空気32A,232 が放出さ
れ、基礎51に設けられた前述の切欠き500 または基礎51
を貫通する孔等に端部を固定された導風フレキシブルダ
クト514 を通って通気層58内に空調用空気32A,232 が送
り込まれる。一方、吸込み口510 を介して空調空間11か
ら戻ってきた空調用空気32A,232 は上部ピット空間512
に至り、ここから空調機31A,231 内に戻される。このよ
うに上部ピット空間512 および下部ピット空間513 を形
成することで、空調機31A,231 への還気が通路空間15を
経由せずに空調空間11から直接に行われるため、暖房時
等に通路空間15の上下温度差が増大するのを防ぐことが
できる。特に、通路空間15と空調空間11との間に通気路
を設ける必要がないため、通路空間15から空調空間11内
を覗くことはできず、プライバシー保護の面で優れた構
成とすることができる。そして、図9のようにピット空
間17を上下に分割するのではなく、縦方向に仕切り板を
設けるなどして図中左右等に分割してもよく、また空調
機31A,231 は分割されたピット空間のどちら側に設置さ
れていてもよく、これらの分割されたピット空間と連通
していれば屋外に設置されていてもよい。
【0052】また、前記第一、第二実施例では、各空調
機31A,31B,231 はピット空間17, 18内に設置され、前記
第三実施例では、空調機331 は空調空間11内に設置され
ているが、本発明の空調装置は、各空調用空気32A,32B,
232,332 の流通経路として通気層58,158が利用されてい
れば各空調機の設置位置は任意であり、例えば、通路空
間15, 16内でもよく、あるいは床下空間19〜22内の膜材
60,160の下側の部分、屋外等でもよい。
【0053】さらに、前記第三実施例では、空調機331
は、温風機等の暖房専用のものとされ、空調用空気332
は、暖房用温風とされているが、前記第三実施例のよう
な空調機331 の配置、空調用空気332 の流れを有する構
成において、空調機331 を冷房専用あるいは冷暖房専用
のものとして冷房を行うようにしてもよい。
【0054】また、前記各実施例では、膜材60に熱線反
射性、伝熱遮断性等の断熱性を付与しておけば、床下の
構造において別段の断熱処理を行う必要はないが、図1
0に示すように膜材60の下側に断熱材受520 を設け、こ
の断熱材受520 と膜材60との間にグラスウール等の断熱
材521 を設けるようにしてもよく、図11に示すように
膜材60の下側に発泡ポリスチレンボード等の不透湿性の
硬質断熱材530 を設けてもよい。さらに、図12に示す
ように基礎51の外側の側面に断熱材540 を設けて基礎外
断熱方式としてもよく、基礎51の内側の側面に断熱材を
設けてもよい。そして、図12に示すように床下空間1
9, 20の底面には、地面からの水分の蒸発を防ぐために
シート、フィルム等による防湿層541 を設けておいても
よい。
【0055】また、前記第一、第二実施例では、ピット
空間17の気密を確保するためにシール部材67をピット空
間17に面する基礎51と土台52との隙間に設けていたが、
図13に示すように膜材60と同材質の膜材550 によりピ
ット空間17の底面および側面を覆うようにしてピット空
間17の気密を確保してもよい。図13では、膜材60はピ
ット空間17内まで延長されており、この膜材60の延長さ
れた端部と膜材550 の端部552 とが重ね合わされてピッ
ト空間17の気密が確保されている。また、膜材550 の下
側のピット空間17の底面には、ブロック551 を置く等し
て空調機31A,231 の足場を確保してもよい。この際、膜
材550 を設置して気密を確保したので、ピット空間17の
底面は、空調機31A,231 の足場さえ確保できれば地面の
ままでもよい。そして、図13において、膜材550 は、
膜材60と一体的に形成されていてもよい。
【0056】さらに、前記各実施例では、暖房を行う場
合、各空調機31A,31B,231,331 または暖房機431 から予
め温風として各空調用空気32A,32B,232,332 または暖房
用空気432 が各通気層58,158内に送り込まれるようにな
っているが、各通気層58,158内に温水管やコイル等の放
熱手段を設けておき、各空調機31A,31B,231,331 または
暖房機431 からは単なる送風だけを行って暖房を行うよ
うにしてもよい。
【0057】また、本発明の床構造は、いわゆる枠組壁
構法(ツーバイフォー構法)に適用してもよく、この場
合には周縁材は二枚組合わされた側根太、掛渡し材は根
太、床面支持材は小根太などとなり、膜材は根太と小根
太とにより挟持される。
【0058】さらに、前記各実施例の建物10,200,300,4
00は、住宅用建物に限定されるものではなく、事務所用
建物等いずれの用途の建物であってもよく、また二階建
てに限定されるものではなく、何階建ての建物であって
もよい。
【0059】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、床
面材の下側に気密性を有する膜材を設けて特殊な床構造
を構成することにより、住宅空調として理想的な空気循
環型空調をダクトレスでかつ安価に実現できるうえ、従
来のダクト空調にない空気分配性に優れ、かつ空気取り
出しの自由度の高い空調を実現することができる。しか
も、暖房の場合には、大面積の放熱面を形成することが
できるため、極めて快適で経済的な暖房を実現すること
ができる。また、冷房の場合においても、床面からの吹
き出しが室内に温度成層を形成するため、省エネルギー
効果を向上でき、吹き出しの空気スピードも極めて低い
ので、いわゆるコールドドラフトと呼ばれる冷風の吹き
付けを解消することができ、これらにより快適で安価な
空調を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】第一実施例の床構造の詳細斜視図。
【図3】第一実施例の一階部分の要部を示す斜視図。
【図4】第一実施例の二階部分の要部を示す斜視図。
【図5】本発明の第二実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第三実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第四実施例を示す断面図。
【図8】本発明の第一の変形例を示す断面図。
【図9】本発明の第二の変形例を示す断面図。
【図10】本発明の第三の変形例を示す断面図。
【図11】本発明の第四の変形例を示す断面図。
【図12】本発明の第五の変形例を示す断面図。
【図13】本発明の第六の変形例を示す断面図。
【図14】従来例を示す断面図。
【符号の説明】
10,200,300,400 建物 11〜14 空調空間 15,16 通路空間 17,18 ピット空間 19〜22 床下空間 30A,30B,230,330 空調装置 31A,31B,231,331 空調機 32A,32B,232,332 空調用空気 50,450 床構造 51 基礎 52 周縁材である土台 53 掛渡し材である大引 56,156 床面材 57,157 床面支持材である根太 58,158 通気層 60,160(160A,160B) 膜材 61,161A,161B 膜材の周縁部 62,162A,162B 弾性部材 63,163 膜材受である胴縁 64,164 膜材押え 70,170 吹出し口 80,81,180,181 間仕切壁体 152 周縁材である大梁 153 掛渡し材である小梁 280,281,511 壁体内空間 411 〜414 暖房空間(図示は省略) 430 床暖房装置 431 暖房機 432 暖房用空気 451,452 仕切り材 512 戻り用ピット空間である上部ピット空間 513 送り用ピット空間である下部ピット空間

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面材とこの床面材の下側に所定間隔を
    おいて設けられた気密性を有する膜材とを備え、これら
    の床面材と膜材との間に空気を囲い込む空間が形成され
    ていることを特徴とする床構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した床構造において、前
    記床面材の周縁の下側近傍には枠状に周縁材が設けら
    れ、 この周縁材の相対する部位には棒状の掛渡し材が掛け渡
    され、 この掛渡し材の上側にはこれと略直交し、かつ床面材の
    下面を支持する棒状の床面支持材が設けられ、 これらの周縁材と掛渡し材とにより平面的に複数の区画
    が形成され、 前記膜材は各区画の周囲でこれらの周縁材と掛渡し材と
    により支持され、前記膜材のうち各区画内であって前記
    床面支持材の下側に位置する部分は前記床面支持材の下
    面よりも下側に撓んでいることを特徴とする床構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した床構造において、前
    記膜材はその周縁部分に折り畳み状のタックを形成され
    ていることを特徴とする床構造。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載した床構
    造において、前記膜材は前記複数の各区画を合わせた全
    面に渡る大きさに一体的に形成され、この膜材の中間部
    分は前記掛渡し材と前記床面支持材とにより挟持されて
    いることを特徴とする床構造。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項3に記載した床構
    造において、前記膜材は前記複数の各区画毎に分割して
    形成され、この分割された膜材の各周縁部分は前記周縁
    材の側面または前記掛渡し材の側面に接合されているこ
    とを特徴とする床構造。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5に記載した床構
    造において、前記膜材の各周縁部分はこの周縁部分を支
    持するための棒状の膜材受および膜材押えにより挟み込
    まれ、 前記膜材の各周縁部分と前記膜材受との間および/また
    は前記膜材の各周縁部分と前記膜材押えとの間には気密
    性を有する弾性部材が挟み込まれていることを特徴とす
    る床構造。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6に記載した床構
    造において、前記膜材は断熱性を有していることを特徴
    とする床構造。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7に記載した床構
    造を利用した空調装置であって、 前記床面材と前記膜材との間の空間は密封された通気層
    とされ、 前記床面材の上側には空調の対象となる空調空間が形成
    され、 前記床面材には、この床面材を貫通して前記通気層と前
    記空調空間とを連通する吹出し口が設けられ、 前記通気層には空調機から冷暖房や換気等のための空調
    用空気が送り込まれ、この空調用空気は前記吹出し口を
    介して前記空調空間に供給されることを特徴とする空調
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載した空調装置において、
    前記空調空間には壁体を挟んで通路空間が隣接され、 前記空調空間に供給された空調用空気は前記通路空間お
    よび/または前記壁体の内部に形成された壁体内空間を
    介して前記空調機に戻されることを特徴とする空調装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載した空
    調装置において、前記空調機は前記通路空間の床下のピ
    ット空間内に設けられ、 このピット空間は、前記空調用空気を前記通気層に送り
    込む送り用ピット空間と、前記空調用空気を前記空調機
    に戻す戻り用ピット空間とに分割されていることを特徴
    とする空調装置。
  11. 【請求項11】 請求項8ないし請求項10に記載した
    空調装置において、前記空調の対象となる空調空間およ
    びその床下の通気層は複数階を有する建物内の所定の階
    に設けられ、 この所定の階の通気層には、異なる階に設けられた前記
    空調機から建物内の壁体の内部に形成された壁体内空間
    を介して前記空調用空気が送り込まれ、 前記所定の階の空調空間に供給された空調用空気は前記
    壁体内空間とは別の壁体内空間または建物内の通路空間
    を介して前記空調機に戻されることを特徴とする空調装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし請求項11に記載した
    空調装置において、前記空調の対象となる空調空間およ
    びその床下の通気層は複数階にそれぞれ設けられ、 前記空調機は複数階共用の空調機であることを特徴とす
    る空調装置。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載した空調装置におい
    て、前記空調機は前記空調空間内に設けられ、 前記空調空間に供給された空調用空気は前記空調機に直
    接に戻されることを特徴とする空調装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載した空調装置におい
    て、前記空調機は着脱可能式であることを特徴とする空
    調装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項7に記載した床
    構造を利用した床暖房装置であって、 前記床面材と前記膜材との間の空間は密封された通気層
    とされ、 前記床面材の上側には床暖房の対象となる暖房空間が形
    成され、 前記通気層には暖房機から暖房用空気が送り込まれ、こ
    の通気層内の暖房用空気から前記暖房空間に前記床面材
    を介して暖房熱が供給されることを特徴とする床暖房装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載した床暖房装置にお
    いて、前記通気層内または前記膜材の下側には、前記暖
    房機から送り込まれる暖房用空気の前記通気層内での流
    れを所定の方向に制御する仕切り材が設けられているこ
    とを特徴とする床暖房装置。
  17. 【請求項17】 請求項15または請求項16に記載し
    た床暖房装置において、前記暖房機は前記暖房空間内に
    着脱可能式に設けられていることを特徴とする床暖房装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317134A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Sumitomo Forestry Co Ltd 住宅内の冷暖房システム
US7240721B2 (en) 2002-03-12 2007-07-10 Hong Yan Assembly and method of radiant/structural floor system
JP2010096420A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Sanyo Industries Ltd 体育施設用空調構造

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