JPH062984B2 - 人工皮革シ−ト - Google Patents

人工皮革シ−ト

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JPH062984B2
JPH062984B2 JP60046369A JP4636985A JPH062984B2 JP H062984 B2 JPH062984 B2 JP H062984B2 JP 60046369 A JP60046369 A JP 60046369A JP 4636985 A JP4636985 A JP 4636985A JP H062984 B2 JPH062984 B2 JP H062984B2
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sheet
pattern
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leather sheet
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昌孝 池田
建夫 石川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は人工皮革、特に、表面に耐久性のある微細な筋
状模様を有する新規な人工皮革シートに関する。
〔従来の技術〕
極細繊維材料を用いた人工皮革、特にスウェード調やヌ
パック調人工皮革は、表面の優美さ、風合のソフトさな
どに加え、天然皮革になかったイージーケア性などが評
価され、市場で定着している。近年、消費者の要求は多
様化しており、これに対して風合や厚さのバラエテイは
品ぞろえが出来てきている。
従来、表面に凹状の模様をもつ人工皮革として、エンボ
スなどのような後加工法によるものがあった。このよう
な後加工法による人工皮革シートは、表面に型押しして
模様付がされているために、ドライクリーニングなどの
洗濯や使用時の摩耗に対して、形成された模様の耐久性
がないという本質的な欠点があった。また、従来法によ
る人工皮革シートは、その表面性がおおむねフラット
で、施された模様も一般的に単調なものであって、全体
的に、いかにも人工的な感じが強く、高級感に欠けてい
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明者らは、消費者の要求の多様化に対応する
ために、表面性の新奇な人工皮革を生み出すという目標
のもとに鋭意研究の結果、従来技術の問題点を解決する
と同時に、従来技術では発現できなかった新規で美し
く、かつ耐久性のある細い筋状模様をもった人工皮革シ
ートを完成したものである。
〔問題を解決するための手段〕
上記問題を解決するために本発明による人工皮革シート
は、実質的に0.5デニール以下の繊維材料からなる三次
元交絡の繊維組織の間隙に弾性重合体を含む不織シート
からなり、該不織シートの少なくとも片面の表面部分
に、繊維相互の交絡が他の部分より緊密にされることに
より複数の約1mm以下の巾の溝が形成されており、該溝
が該表面部分に筋状模様を形成していることを特徴とす
るものである。
上記不織シートの片面の表面部分または表裏中間平面部
分に任意の補強布が繊維との絡合によって取り付けられ
ているのが好ましい。
また、上記筋状模様が形成された不織シートの表面部分
が起毛されていてもよい。
本発明の不織シートに使用される繊維は実質的に0.5デ
ニール以下の繊度の極細繊維を主体としている。好まし
くは、繊度0.3デニール以下の繊維が使用される。
繊度0.5デニール以下という極めて細い繊維が使用され
るために、可撓性に優れた不織シートを形成することが
可能となり、かつ巾が1mm以下という細くて深い溝状の
筋を不織シート表面につけることが可能になる。それに
よって、柔軟な感触を持つ人工皮革が得られ、また、起
毛した場合にも皮革シート表面の優美なライテウングフ
ェクトが達成される。これに対し、0.5デニールを超え
る太デニール繊維を使用した場合には繊維が折れ曲がり
にくいため、本発明のような細く深い筋状模様をシート
面につけることは困難である。また、シートの柔軟性が
劣りしかも起毛皮革のライディングエフェクトが発現せ
ず高級人工皮革としての商品価値がなくなる。しかし、
この効果が損なわれない範囲内で0.5デニールを超える
繊度の繊維を混合使用してもよい。
使用繊維の繊維長には格別の制限はない。長繊維、短繊
維いずれであってもよい。しかし、繊維交絡を緊密にし
て、より細くより深い溝を形成するには短繊維が好適で
ある。特に、1〜10mm長の短繊維が好ましい。
また、極細繊維は単繊維にバラバラに分離していても、
繊維束状になっていても単繊維と大小さまざまな繊維束
の混合された状態のいずれであっても良いが、表面の緻
密性に優れたライティングエフェクトが発現するには単
繊維と繊維束の混合、または単繊維状であることが好ま
しい。
また極細繊維間の交絡は、起毛してスウェード調または
ヌパック調の人工皮革とした場合の表面のナップの状態
にとって重要である。極細繊維相互の交絡が不十分であ
るとナップは長く、密度が小さく、良好なライティング
エフェクトが得られない。
極細繊維の素材は特に制限されるものではなく、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの合成
繊維、レーヨン、キュプラレーヨンなどの再生繊維など
が用いられるが、染色面から特にPETが好ましい。
本発明を構成する弾性重合体は、天然皮革特有の腰のあ
る柔軟性の付与、および人工皮革の表面部分を起毛した
場合の毛羽の根元把持の為に必要である。
好適な弾性重合体の割合は人工皮革中の繊維成分に対し
て30〜60重量%である。
弾性重合体の種類には特に制限はないが、ポリウレタン
類が本発明品を好ましい柔軟性にする為に特に好まし
い。ポリウレタンの組成としては、ポリオール成分とし
てポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンア
ジペートグリコールなどのポリエステルジオール類、ポ
リエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などのポリエーテルグリコール類;イソシアネート成分
としてはジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネートな
どの芳香族ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
-4,4′-ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイ
ソシアネート:鎖伸長剤として、エチレングリコールな
どのグリコール類、エチレンジアミン、4,4′-ジアミノ
ジフェニルメタンなどのジアミン類、などを適切に組み
合わせて用いることができる。
以下、本発明の実施態様を示す添付図面を参照して本発
明を詳述する。
第1−A図および第1−B図は、それぞれ本発明による
人工皮革シートの模式的断面部分図である。第1−A図
および第1−B図において、繊維1は相互に絡合して不
織布層を形成している。弾性重合体2は、繊維1の組織
間に混在している。
第1−B図では、皮革シートの表裏面のほぼ中央部に、
皮革シートの強度を増すための補強布3が繊維組織と絡
合させて取り付けられている。この補強布3は、皮革シ
ートの使用に際して裏面となる外側面に取りつけること
もできる。補強布3は、不織シートの強度または皮革シ
ートの使用目的に応じて取りつければよい。
この補強布としては、織物、編物、スパンボンド不織布
やその他の不織布類が用いられるが、特に織・編物を用
いると、引張り強力、引裂き強力、縫目強力等が向上
し、しかも、交絡不均一に基づく筋が付けやすいので好
ましい。これらの補強布を用いた場合は、極細繊維と補
強布を交絡により一体化させておくことが好ましい。
皮革シートの片面または両面の表面部分には複数の細い
溝4によって形成された筋状模様が施されている。第1
−A図において、この溝4は皮革シートの片面表面部分
にのみ形成され、第1−B図においては、皮革シートの
表裏両面に形成されている。溝4の巾(W)は約1mm以
下、好ましくは0.05〜0.8mmである。溝4の深さ(L)は約
0.1〜1.5mmが好ましく、0.5〜1.2mmがより好ましい。
溝は巾が狭く、高さが深いほど繊細で優美な外観をも
ち、形くずれのしにくい安定した筋状模様を形成するこ
とができるが、L/W比は0.5以上あればよく、1以上
あるのが特に好ましい。溝4の形状は格別制限されず、
複数の溝の深さおよび巾を必らずしも一定である必要は
ない。
本発明において、このような深溝形状は単なるプレスな
どの機械的な力で附与されたものでなく、溝の部分の繊
維がそれ以上の部分の繊維に比較し強固に絡み合ってい
るという繊維の交絡状態の違いによって形成されている
ため、ドライクリーニングなどの洗濯の繰返しや着用、
使用時の表面摩耗などによってもその模様が変化した
り、消えたりすることがなく、耐久性に優れているので
ある。
溝4を形成した側の皮革シートの面上は、ポリウレタン
等のゴム状弾性重合体でコーティングされたままの状態
であってもよいし(第1−A図)、また起毛されて、毛
羽5で覆われていてもよい(第1−B図)。
表面がゴム状弾性重合体でコーティングされた皮革シー
トは銀面調の外観を呈する。また表面毛羽を有する人工
皮革シートは、本発明の模様が極めて細い筋状模様であ
るため、毛羽密度をあまり低下させることがなく、ライ
ティングエフェクトが良好でかつ表面タツチも良好な高
級スウェード調または高級ヌパック調の表面性を有す
る。
本発明の人工皮革シートを構成する不織布層の構造に関
し、溝4の下方部Aの繊維相互の絡合は、溝が形成され
ていない皮革シートの表面下方部Bの繊維相互の絡合程
度に比較して、緊密になっており、繊維密度も必然的に
高くなっている。即ち、繊維の交絡度合および繊維密度
は溝周辺において、溝口から溝底に向って段階的に高く
なり、溝底辺で最高になっているのがよい。
このために、溝形状が固定して変形しにくく、それによ
り半永久的な、耐久性の著しく高い筋状模様が形成され
る。
上記の繊維の交絡程度の差を定量化するのは困難である
が、例えば、次にようにして測定することが出来る。第
1−B図に示したような極細繊維材料で形成した不織布
層間に織物などの補強布をはさみ込んで交絡一体化する
ことによって形成された人工皮革シートを使用して、筋
状模様を付けた表面側の不織布層を補強布のところで溝
の高さ方向に対して直角の方向(図の矢印の方向)に剥
離されたときの強度をテンシロンなどで測定する。この
測定チャートから、筋状凹部の下方部Aの部分の剥離強
度とその隣接部の凸部の下方部Bの部分の剥離強度が測
定できる。本発明の場合、A部の剥離強度はB部のそれ
に対し、2倍以上であることが、模様の耐久性の面で好
ましい。極細繊維と補強布との絡合程度が強い場合は剥
離することができず、この方法による剥離強力の測定は
困難となる場合がある。
上記溝4の数、配置は格別に制限されない。第2図〜第
13図は複数の溝の組合せによって皮革シート表面部分
に形成される筋状模様の実施態様を示す。
本発明の筋状模様として、実質的に連続した筋状模様
と、断続した筋状模様とがある。
連続した筋状模様としてはたて筋(第2図)、よこ筋
(第3図)、ななめ筋(第4図)を基本とし、これらが
直線、曲線に折れ曲った筋(第5,6図)、これらが組
み合わされた筋状模様として、例えば、基盤目状の筋
(第7図)などが挙げられる。
断続した筋状模様としては、これら連続筋を任意にカッ
トしたもので、連続たて筋をカットしたものとして、例
えば第8,9,10,11,12図などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。よこ、ななめ筋
などについてもたて筋と同様な断続筋状模様が挙げられ
る。
螺旋軌跡をカットした筋状模様として第13図などがあ
る。この模様を細かく多数付けた銀面調人工皮革は、美
しい立体シボ調模様となる。
また、これらの筋状模様を種々組合せることによって、
複雑なパターンを作り出すことが可能である。
更に、第14図のごとく断続対向斜線を組合せてミンク
風の模様を形成して起毛した皮革シートを作ってもよ
い。
次に、本発明の人工皮革シートの筋状模様の形成方法を
説明する。
上記した0.5デニール以下の極細繊維を主体とする繊維
材料を用いて抄造法またはメルトブロー法により不織シ
ートを作るのが好適である。移動中のこの不織シートに
0.05〜0.5mm径のノズルを用いて柱状の高速流体を噴射
し、それによって不織シート表面部分に多数の溝を形成
する。設計された筋状模様に合わせて噴射流の方向を変
化させることにより所望の筋状模様を該シート表面部分
に形成することができる。
第2図のたて筋模様は、静止した多数のノズルから高速
水流を、一定方向に連続的に、移動しているシートに噴
き当てることにより得られる。第3図のよこ筋、第4図
のななめ筋は、ノズルをシートの進行方向に対して直角
方向に走行させることで得られる。第5図、第6図の模
様は、ノズルを巾方向に往復運動させることにより付け
ることが出来る。第8,9,10,11,12図のよう
な断続したたて筋模様は、間欠的に高速水流を噴射させ
るか、ノズルとシートの間に板状の障害物を入れて、こ
れにより一部水流をカットすることにより賦型すること
が出来る。第13図のようなラセン状断続模様は、ノズ
ルを円運動させて高速水流を間欠的に移動しているシー
トに噴き当てることによって得られる。
この模様付けのための高速水流処理は、極細繊維ウェブ
に直接行ってもよいし、予備交絡させた不織シートに高
打力の直接水流を噴き当てて賦型してもよい。いずれの
場合においても、筋状模様部は、他の部分に比らべ強い
水流処理などによって強い交絡程度にする。
このように、細い深溝状の筋模様を付けた不織シートに
上記弾性重合体を含浸させる。この場合、形成された溝
の目詰まりを防ぐために、あらかじめ弾性重合体の含浸
を阻止する糊剤をシート表面に塗布しておいて弾性重合
体を含浸さそる。その後、この糊剤を除去するのがよ
い。このような糊剤としては、通常弾性重合体の充填は
N,N−ジメチルホルムアミド等の極性有機溶媒の溶液に
シートを浸漬し、その後、乾式または湿式法で凝固する
ことにより実施できるのでこのような極性有機溶剤に溶
解しない水溶性糊剤、例えばポリビニルアルコール、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウムを用いるのが、糊
剤の除去を水により実施できるので簡便である。
つぎに実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 ポリエチレンテレフタレート(PET)の0.1デニールの極細
延伸糸を作り、これを3mmの長さにカットし、抄造法に
より目付70g/m2の不織シートを得た。この抄造シー
ト2枚の間に、100デニール/48フィラメントのPETの
仮撚加工糸の平織物(目付60g/m2)をはさみ3層シ
ートとした。
この3層シートを金網にのせて、0.15mmφのオリフィス
が1mmピッチで横に多数並んだノズルから30kg/cm2
圧力で水の柱状流を噴射し、その操作を不織シートの表
裏に行った。
ノズルを静止させて処理したものは、第2図のようなた
て筋状の表面模様がシートにつき、しかも3層シートが
交絡一体化した不織シートとなった。
別のサンプルとして、ノズルをシートの進行方向に対し
て直角の方向にゆっくり往復運動させて、前記の水の柱
状流を噴射させることによって、第6図のようなトラバ
ース筋状模様が表面についた交絡不織シートを得た。
更に別のサンプルとして、ノズルを静止させ、このノズ
ルと不織シートとの間に長方形の穴を多数あけた遮蔽板
を設け、この遮蔽板をシートの進行方向に対して直角方
向に往復運動させて、ノズルから水の柱状流を噴射させ
ることによって、第9図のような断続したたて筋模様の
ついた不織布を得た。
形成された筋状模様の溝の巾は約0.1mm、深さは約0.1〜
0.2mmであった。
これらの交絡不織シートの表面を、320メッシュのエ
メリーペーパーを装着したベルトサンダーで毛羽立て
し、ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液に含浸後、乾
燥し、これを不織シートに15重量%付着させた。起毛し
た側のシート面上にカルボキシメチルセルロース(CMC)
の水溶液をドクターナイフで薄くコートし、乾燥した
後、このシートをポリエーテル系のポリウレタンのDM
F溶液に浸漬し、水中で凝固させ、乾燥した。
その後、熱水中でシート中のPVA,CMCを抽出除去し、乾
燥した。染色後、このシートの表面をブラシで整毛し
た。
得られた人工皮革シートは、それぞれ前記した筋状模様
をもち、しかも極めて優美なライティングエフェクトを
有する表面を有し、風合もはりのある柔軟性を有した優
れたものであった。
また、マーチンデール表面摩耗テストにおいて、20,000
回後の評価結果も模様の変化がほとんどなく良好なもの
であった。比較として、エンボスにより表面模様を付け
た人工皮革を同時に評価したところ、模様は消失してい
た。評価結果は表に示す。
〔実施例2〕 0.5デニール、繊維長3mmの極細PET繊維の目付、各70
g/m2,20g/m2の2枚の抄造シートを作った。別に
メルトブロー法で平均繊度0.03デニールのPETの目付
60g/m2の極細ウェブを作った。
抄造シート2枚の間にPET繊維による目付40g/m2
編物をはさみ込み、更に、目付が20g/m2の抄造シー
トの上にこのメルトブローウェブを載せて4層シートと
した。この積層シートに、実施例1と同様のノズルで高
速水処理を施し、連続したたて筋をその表面に付けた。
ついで、同一条件で、ノズルをシートの進行方向に対し
て直角の方向に高速で走らせてよこ筋を付けて、第7図
のような基盤目状の表面模様を付けた。表面模様を形成
する溝の巾は約0.2mm、深さは約0.2mmであった。
この交絡不織布を実施例1と同様の方法で処理し人工皮
革シートを作った。
得られた皮革シートは、筋状模様が0.03デニールという
極細繊維からなるメルトブローウェブに溝形成すること
によって形成されているために、極めて緻密な起毛を有
する表面を有し、しかも基盤目状の筋状模様が明瞭に付
いた高級感のある人工皮革シートであった。また、表面
模様の耐久性に優れ、かつ柔軟性、強度も良好であっ
た。
〔比較例1〕 実施例1と同一繊維を使用して、エンボス加工により凹
状模様を形成した外は、実施例1と同様にして同様模様
を人工皮革シートを作った。
得られた皮革シートの風合は柔軟であったが、その表面
は平坦で、模様は単調であった。
皮革シート表面部分の筋状模様についてマーチンデール
摩耗テストを行なった。その結果は表に示す。
〔比較例2〕 実施例2と同一繊維を使用して、模様をエンボス加工に
より形成した外は、実施例2と同様条件で同様模様を有
する人工皮革シートを作った。
得られた皮革シートは、比較例2と同様に、風合は柔軟
であったが、表面性に乏しく、模様も単調であった。
比較シート表面部分の模様について、マーチンデール摩
耗テストを行なった。その結果は表に示す。
〔比較例3〕 単糸が1デニールで長さが3cmの短繊維を使用して、ノ
ズルの水流圧力を60Kgcm2とする外は実施例1と同様
条件で実施例1と同様模様を有する人工皮革シートを作
った。
溝により形成された模様は巾が広くかつ浅いものであ
り、実施例1または2で形成された繊細でシャープな溝
構造による筋状模様とは比較にならないほど不明瞭な筋
模様であった。
また、使用した繊維が太いために、フェルトタッチであ
り、ライティングエフェクトも全くないものであった。
しかも風合が硬いものであった。
〔発明の効果〕
上記のように構成された本発明の人工皮革シートは、第
1に、極細繊維によるソフトな触感と、細かい線状賦型
がなされた表面の凹凸感が総合された従来の人工比較に
ない外観と触感を提供するものである。
第2に、本発明の人工皮革シートは、溝構造によって形
成された筋状態様が極細繊維の緊密な交絡に基づく模様
であるため、ドライクリーニングなどの洗濯の繰返しや
長年使用や着用することによる表面摩耗に対して模様が
変化したり、消えたりすることがなく、極めて高い耐久
性がある。
第3に、本発明の人工皮革シートは、表面を起毛してス
ウェード調やヌバック調の人工皮革シートとした場合
に、巾が1mm以下の細かい筋状模様であるため、ほとん
ど表面の毛羽密度を低下させずに、0.5デニール以下の
極細繊維の毛羽が高密度に表面に発生し、良好なライテ
ィングエフェクト(チョークマーク性)をも合わせもっ
た優美で、表面タッチに優れている。
上記効果から、本発明による人工皮革シートは衣類、
鞄、靴等から家具調度品に至るまで広範囲の用途に使用
されうる。
【図面の簡単な説明】
第1−A図は本発明による人工皮革シートの模式的断面
部分図、第1−B図は本発明による人工皮革シートの他
の実施態様を示す模式的断面部分図、および 第2図〜第14図はそれぞれ本発明による人工皮革シー
トの筋状模様の実施態様を示す平面図である。 1…繊維、2…弾性重合体、3…補強布、4…溝、5…
毛羽。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に0.5デニール以下の繊維材料から
    なる三次元交絡の繊維組織の間隙に弾性重合体を含む不
    織シートからなり、該不織シートの少なくとも片面の表
    面部分に、繊維相互の交絡が他の部分より緊密にされる
    ことにより複数の約1mm以下の巾の溝が形成されてお
    り、該溝が該表面部分に筋状模様を形成していることを
    特徴とする人工皮革シート。
  2. 【請求項2】上記不織シートの片面の表面部分または表
    裏中間平面部分に任意の補強布が繊維との絡合によって
    取り付けられている、特許請求の範囲第1項に記載の人
    工皮革シート。
  3. 【請求項3】上記筋状模様が形成された不織シートの表
    面部分が起毛されている、特許請求の範囲第1項に記載
    の人工皮革シート。
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