JP2989249B2 - 高強度極細繊維不織布とその製造方法 - Google Patents

高強度極細繊維不織布とその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は手触り感が極めて優れた高強度不織布及びそ
の製造方法に関する。より詳しくは風合い、ドレープ性
そしてバリアー性に優れたワイパー、フイルターや手術
着など幅広い繊維布としての用途に適した高強度の極細
繊維不織布及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
優れた表面感触、風合いの不織布を得るためには極細
繊維を用いると良いことが知られている。しかし、極細
繊維は生産性が低くコストが高い、また、そのままでは
単糸直径が小さいため開繊性などの点で作業性が悪くカ
ーディングによるシート形成も劣るため満足な不織布が
得られないという問題がある。そこで易分割性複合繊維
を用いウエブ形成したのち極細繊維とする方法が多数提
案されている。
例えば、非相溶性の分割型複合繊維をカードにてウエ
ブとした後、高圧液体流にて分割フイブリル化させて極
細繊維不織布を作る方法。(特開昭62−133161号公報)
が開示されている。
しかしながら、従来の技術では繊維長が長く(通常32
〜50mm)、高圧液体流により動き難い為、強度を発現す
る複合繊維の交絡が進まず更に割繊し、極細繊維化を成
し得るには、大きなエネルギーを必要としコストが高く
つく。また得られる極細繊維不織布の強度物性が低く強
度を上げるためにはバインダーなど繊維間接着成分を必
要とするため部分接着であっても柔軟性が乏しく、風合
いが硬くなる等極細繊維不織布の特性を十分発揮できな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、高強度を有し極細繊維特有のソフトでドレ
ープな風合いを有し、カバーリング性、リントフリー性
に優れている高強度不織布及びこの高強度不織布の安い
コストでの製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は下記の通りである。即ち、 1.分割性複合繊維の繊維長が20mm以下で、繊維長Lと繊
維の直径Dの比L/Dが0.5×103〜2.0×103の該複合短繊
維から構成された不織布であって、該分割性複合短繊維
から割繊して得られる0.8デニール以下の極細単繊維及
び/又は該極細単繊維の繊維束が相互に三次元交絡して
いる事を特徴とする高強度細繊維不織布。
2.分割性複合繊維の繊維長が20mm以下で、繊維長と繊維
の直径Dの比L/Dが0.5×103〜2.0×103の該複合短繊維
からウエブを形成し、高速流体流処理を行う事により、
該分割性複合短繊維を交絡させると共に割繊せしめて得
られる0.8デニール以下の極細単繊維および/又は該細
単繊維の繊維束を相互に三次元交絡させる事を特徴とす
る高強度極細繊維不織布の製造方法。
以下に本発明を更に詳細に説明る。
本発明における分割性複合繊維とは2種以上の相互接
着性を有しない非相溶性の熱可塑性重合体成分が交互に
配列されてなるもので、その断面形状の具体例として、
例えば第1図(A)〜(G)に示すものであるが、熱
的、機械的作用により割繊し得るものであれば、これに
限られるものではない。本発明で極細単繊維の繊維束と
は分割性複合繊維が割繊して集合しておりバラバラにな
っていないものをいう。叉、上記熱可塑性重合体成分の
組合せとしては、例えばポリエステル/ポリオレフィ
ン、ポリエステル/ポリアミド、ポリアミド/ポリオレ
フィン、ポリエステル/共重合ポリエステル、ポリアミ
ド/共重合ポリアミド等が用いられ、例えば、特開昭50
−5650号公報、特開昭53−38709号公報等の公知の方法
で得ることが出来る。
本発明に於ける、分割性複合繊維は繊維長が20mm以下
で、繊維長Lと繊維の直径Dの比L/D(以下、L/Dと略
す)が0.5×103〜2.0×103の範囲のものである。
上記の限られた分割性複合短繊維を構成する事で始め
て、極細繊維不織布では今まで得られなかった高強度
(引張強度、剥離強度、引裂強度等)とソフトでドレー
プな風合い及びカバーリング性、バリアー性といった特
徴を合せ持つ事を見出し本発明を完成させたものであ
る。
不織布を構成する分割性複合繊維が20mm以下である事
は、分割性複合繊維が交絡と同時に充分割繊し極細繊維
相互の交絡及び極細繊維と未割繊複合繊維の交絡を達成
する為に必須である。好ましくは15mm未満が良い。即
ち、繊維長が20mm以上であると割繊性複合繊維の高圧水
流による割繊が充分促進されないか又は、非常に高いエ
ネルギーを必要とすることが本発明者らにより見出され
た。
一方、L/Dが0.5×103〜2.0×103である事は、従来の
極細繊維不織布では得られなかった高強度を発現する上
で必要でありその好ましい範囲は0.8×103〜1.5×103
ある。
分割性複合短繊維のL/Dは、繊維相互の交絡のしやす
さと重要な関係があることが本発明者らの検討により見
出されL/Dが0.5×103未満である場合、及び2.0×103
超える場合はいずれも目的とする不織布強度が得られず
本発明の0.5×103〜2.0×103の範囲で始めて実用的な高
強度が得られる。この驚くべき事実は次の用に推定され
る。即ち、繊維の柱状水流等による動き易さはL/Dが小
さい、即ち太く短かい程大きく、繊維相互の絡みは大き
くなる。一方、繊維間相互の接触点の数は繊維が細く長
い、即ちL/Dが大きい程多くなる。
しかしながら、L/Dが大きすぎると交絡時に於ける繊
維の動きが抑制され繊維相互の絡みは逆に小さくなる。
したがって繊維相互の交絡密度が最大になる最適範囲の
L/Dが存在し、この範囲が0.5×103〜2.0×103であると
理解される。
本発明を構成する分割性複合繊維の断面が円形であっ
ても、非円形の種々の異形断面であっても良い。円形の
場合は直接的にその直径を測定した値でもって単糸の直
径とし、異形断面糸の場合の単糸の直径は、重量法によ
りその繊度(デニール)を測定し、このデニールを単糸
が円形と仮定した場合の下記式で得られる平均直径でも
って表わすこととする。
本発明に用いる分割性複合繊維のデニールは1〜6デ
ニールが好ましい。1デニール以下では複合繊維の紡糸
が難しく、6デニール以上では割繊後0.8デニール以下
の極細繊維を得る為に分割個数が多くなり製造上好まし
くない。可紡性、コスト面からより好ましい分割性複合
繊維は1〜3デニールであり、分割個数は通常2〜12が
好適に用いられる。
更に、該分割性複合繊維から割繊して得られる少くと
も一方の成分からなる極細単繊維のデニールは本発明に
於いて0.8デニール以下である。0.8デニールを超えると
不織布の風合が硬く、肌触りもごわごわしたものにな
り、且つ、本発明で得ようとするカバーリング性、バリ
アー性が劣るものになる。この点で好ましくは該極細単
繊維が0.3デニール以下であることが望ましい。
本発明の不織布は特定の繊維長とL/Dからなる上記分
割性複合繊維から構成され、該分割性複合繊維から割繊
して得られる0.8デニール以下の極細単繊維及び/又は
該極細単繊維の繊維束が三次元的に絡み合っている事を
特徴とする。
本発明の不織布の絡み合いの状態は完全にばらばらに
なった極細単繊維が相互に交絡している部分、極細単繊
維の繊維束が相互に交絡している部分及び極細単繊維と
極細単繊維の繊維束が相互に交絡している部分が混在
し、一体構造となっているものである。
全く割繊していないか又は部分分割された複合繊維が
混在していても、本発明の目的達成に何ら差しつかえな
い。全く割繊していない未分割繊維の割合は不織布の目
付、製造条件によって変化するが、その割合が50%未満
である事が本発明にとって好ましい態様である。しかし
ながら、不織布の用途によっては、例えば厚目付で不織
布の表面層のみを割繊させ極細繊維相互が絡み合ったも
のでも、本発明に含まれる。
本発明の不織布はこの様な構成である為に、極細繊維
不織布であるが割繊して生じた極細単繊維が収束した繊
維束を含んだ絡み合いが混在する事により従来にない高
強度を有する。したがって、ノーバインダーの高強度極
細不織布としてそのままで、ワイパー、手術着、フィル
ター等の用途に好適に用いることが出来るが、用途によ
っては着色、撥水、制電加工などの仕上処理加工、及び
適宜バインダー加工を施す事は何ら本発明をさまたげる
ものでは無い。以下に本発明の好適な利用例をいくつか
示すものである。
例えばサージカルパック、サージカルガウン、アンダ
ーパッド等の医療用素材、オムツ、ナプキン、マスク等
の衛生材料である。これらの用途では本発明の不織布の
ドレープ性に富んだ風合と高強度の特徴が良く活かされ
る。
特に手術着に本発明の不織布を用いる場合、手術衣に
特に要求される液体バリアー性に優れているという特性
が良く活かされる。本発明の不織布は、特定された繊維
長L/Dを持つ短繊維から割繊された極細繊維が高密度に
交絡しているのでそれ自体高度な液体バリアー性を有い
ている。従来の不織布で手術着に要求される液体バリア
ー性を得る為の試みとして、例えば特開昭59−94659号
公報に開示さている様に、ポリエステル(ポリエチレン
テレフタレート)に、微細なフィブリルで構成される木
材パルプを積層、或いは混合して得られたシートに柱状
水流を噴射させて、パルプをいわば“目詰め”的にポリ
エステルに交絡させて不織布密度を高める工夫がされて
きた、本発明においては、この様な特殊な目詰め的なバ
インダー繊維を格別に用いなくても選れた液体バリアー
性が得られることが確認されている。
衣料用芯地に本発明不織布を用いた場合も、均一で強
度が大きく、表面カバーリング性が良いという特徴がよ
く活かされ、好適である。電子分野等の工業用ワイピン
グクロスにも適正がある。これは本発明の不織布がノー
バインダーで繊維間の交絡により強固に繊維が接合され
ている為にリントフリー性に優れ、且つ柔軟である為拭
き取り性に優れている為である。更に気体、液体用のフ
ィルター特に5〜25μmの粒子を 過する所謂プレフィ
ルターとしての適性も認められる。これは不織布に於い
て極細繊維が緻密に交絡しているという特性がフィルタ
ー機能に十分活かされる結果である。
コーティング基布として本発明の不織布を用いる場
合、本発明の不織布の特性がよく活かされる。即ち、従
来の織編物の基布に代えて従来の不織布をコーティング
基布として用いる試みが続けられてきたが、これらの不
織布の場合、層間剥離強度が織物、編物に比べ弱いの
で、不織布の表明にポリウレタンやポリ塩化ビニルをコ
ーティングしたのみでは得られたコーティング品は使用
中に不織布の層間で剥離現象を起こし実用に耐えない場
合が多かった。
この欠点を改良すべく不織布にポリウレタン、ポリア
クリル酸エステル、SBR、MBR、NBR等の弾性重合体をバ
インダーとしてあらかじめ付与し、ついでポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル等を表面にコーティングすることも
行なわれてきているが、この場合には、どうしても風合
がペーパーライクになり織編物基布に対し品質が劣るこ
とは避けられなかった。
これに対し、本発明の不織布は、従来の不織布に比べ
極めて高い層間剥離強度を有するので、バインダーなし
でコーティング基布として使用することが可能であり、
従来の不織布基布に見られない、ソフト風合に優れ、高
層間剥離強度が高いという新たな特徴を有するものであ
る。
人工皮革用の基布として本発明の不織布を用いること
も好適な例の1つである。例えば本不織布をそのまま基
布として用い、その表面にポリウレタン、塩化ビニル、
SBR、NBR、MBR等の弾性重合体の溶液、或いはエマルジ
ョンをグラビア、ドクターナイフ等で塗布することによ
り、銀面様の人工皮革を得ることができる。この場合、
必要に応じて表面被覆層を形成する前にポリウレタン等
の弾性重合体を本不織布に含浸し、乾式、或いは湿式凝
固させ充填することも強度面、風合面でより好ましい。
さらに、スエード様の人工皮革を得たい場合には、本
不織布の極細糸交絡層を起毛させ、必要に応じ弾性重合
体等を含浸したり、染色加工することにより目的とする
スエード調人工皮革を得ることも可能である。
次に、本発明の高強度極細不織布の製造方法は繊維長
が20mm以下で、L/Dが0.5×103〜2.0×103の分割性複合
繊維からウエブを形成し、高速流体流処理を行う事によ
り、該分割性複合繊維を交絡させると共に割繊せしめ、
0.8デニール以下の極細単繊維及び/又は該極細単繊維
の繊維束を相互に三次元的に交絡させる事を特徴とする
もので有り、以下に詳細に説明する。
公知の紡糸手段により、目的に応じた分割性複合繊維
を製造し、必要により捲縮加工を行なう。クリンプ数は
通常2〜15個/インチの範囲で選択される。次いで、繊
維長20mm以下、繊維長Lと繊維の直径Dの比L/Dが0.5×
103〜2.0×103の範囲になる様にカットし短繊維を得
る。
得られた短繊維から常套の手段により、例えばカード
法、エアレイ法等の乾式法で、或いは捲縮の無い該短繊
維を水に分散させスラリーとした後長網式、丸網式など
の抄造機で抄紙する湿式法でウエブを形成することが出
来る。
ウエブを形成する分割性複合繊維の種類は目的に応じ
2種類或いは3種類を混織したり、他の短繊維、例えば
ウール、綿、ポリエステル、レーヨン、ナイロン及びパ
ルプ合成パルプ等を混織する事も可能である。
得られたウエブを高速流体流により交絡させると共に
割繊し三次元に複雑に絡み合せる。ここでいう流体と
は、液体或いは気体であるが、取扱い易さ、コスト、流
体としての衝突エネルギーの大きさなどの点から水が最
も好ましい。
水を用いる場合原糸の種類及びウエブの目付量、処理
速度によって異なるが、目的とする充分割繊された高強
度の不織布を得んとするならば、水圧が5〜200kg/c
m2、好ましくは15〜150kg/cm2の範囲で衝突させる。水
流を噴射するノズルの径は、0.01〜1mmが好ましい。
水流の軌跡形状は抄造シートの進行方向に対し並行な
直線状であっても良いし、ノズルを取り付けたヘッダー
の回転運動やウエブの進行方向に直角に往復する振動運
動によって得られる曲線形状であっても良い。回転運動
により得られる幾重にも重なった円形状の水流軌跡の交
絡は、ノズル1錘当たりのウエブに対する水流の噴射面
積が大きくなり効率的であると同時に、用途によっては
商品価値を低下させる水流軌跡の斑が見えにくい、更に
は不織布の経緯の強度比が小さい等の利点があり好まし
い。
ウエブに対する高速水流の処理の仕方は、表・裏交互
に水流を噴射する方法でも良いし、片面だけを処理する
のも良い。また処理回数も目的に応じて最適条件を選択
すればよい。
ウエブを支持する透水性の部材としては、金網、プラ
スチックネット等が用いられる。その支持部材の開孔面
積の大きさにより、得られる不織布の形状はフラットで
平滑性の良い非開孔のものから、開孔された織目模様の
あるものまで適宜得ることが可能である。即ち、開孔面
積の小さな60メッシュ以上の細かな金網を支持部材に用
いれば非開孔の極細不織布が得られ手術着、コーティン
グ基布、セパレーター等の用途に好適であり、一方、30
〜10メッシュの開孔の大きい金網を支持部材に用いるな
らば開孔模様のある高強度極細不織布が得られ、ワイピ
ング適性、リントフリー性能から工業用、家庭用ワイパ
ーに好適に用いられる。
[実施例] 以下、実施例でもって本発明をさらに詳しく説明す
る。
実施例中、測定値は以下の方法によって測定したもの
であり、%は全て重量%である。
1)引張強度:JISL1096 ストリップ法 2)引裂強度:JISL1096 シングルタング法 3)層間剥離強度: 不織布を巾2.5cm、長さ13cmにカットする。このサン
プルに接着テープ(ソニーケミカル(株)製、商品名D3
200)を接着させた後70g/cm2の圧力で200℃、30秒間プ
レスし貼り合わせる。
こうして得られた測定用サンプルの、接着テープと不
織布の間に切れ込みを入れ、両端をオートグラフのチャ
ックでつかみ測定を行なう。オートグラフの測定条件は
以下の様に設定する。
引張速度 :10cm/min チャート速度:10cm/min この場合テープは強く、又テープと不織布は強固に接
着されているので、測定用サンプルのテープが測定用サ
ンプルから引き剥される時に、テープが切断したり、テ
ープと不織布の接着面が剥されることはなく、前記引き
剥し力は不織布の一部分を他の部分から引き剥すように
作用する。したがってこの方法によって不織布の層間剥
離強度を測定することができる。
前記測定をオートグラフで行う際に得られるストレス
ストレン曲線から強度値の大きい方の値3個と小さい方
の値3個を選んで計6個の値の平均値を得る。測定用サ
ンプルの試験数は5とする。この様な測定を不織布のタ
テ方向(以下、MDと略す)、ヨコ方向(以下、CDと略
す)につき各々同様に行ない、そのMDとCDの平均値でも
って不織布の層間剥離強度とする。
4)柔軟度:JISL1096 45゜カンチレレバー法MDとCDの
平均値をとり、柔軟度とする。
実施例1 ポリエチレンテレフタレートを第1成分とし、ナイロ
ン6とナイロン612の1:1ブレンドポリマーを第2成分と
し8:2(容積比)の割合で第1図(A)と同様の横断面
を有する1.0デニールの分割性複合繊維を得た。次いで
押込捲縮加工機に.10個/インチのクリンプを付与した
後、カッターで繊維長12.5mmにカットし複合短繊維を得
た(L/Dは1.2×103)。この短繊維をカードエアレイ法
にて40g/m2の乾式ウエブを形成した。しウエブ側から孔
径0.20mm、孔間距離20mmの噴射ノズルを用いて30kg/cm2
の圧力で処理し、複合短繊維を交絡させると共に割繊せ
しめ極細単繊維及び/又は極細繊維束の交絡を生じさせ
た。両面を同様に処理し噴射処理後乾燥して極細繊維不
織布を得た。この不織布の極細単繊維デニールは0.1デ
ニールであった。物性は以下の値を示した。
引張強度(MD/CD) :2.4/1.9kg/cm 引裂強度(MD/CD) :1.0/0.8kg 層間剥離強度 :1.8kg/cm 柔軟度(MD・CD平均):25mm ここで得られた不織布を走査型電子顕微鏡で観察した
所、複合繊維の割繊は殆ぼ完全に達成され、極細単繊維
及び極細単繊維束が入りみだれた三次元交絡が見受けら
れた。この様に、本発明の不織布は極細繊維で有りなが
ら、極めて高い強度を有し、優れたソフト風合、ドレー
プ性を合せもつことがわかった。
比較例1 ポリエチレンテレフタレートの0.1d(3μm)原子を
直接紡糸法で作り、3mmの長さにカットした(L/Dは1
03)。これを湿式抄造法で40g/m2のウエブとし、柱状流
処理をした。得られた不織布の物性は以下の様であって
引裂強度が時に小さいものであった。
引張強度(MD/CD) :1.4/1.2kg/cm 引裂強度(MD/CD) :0.2/0.2kg 層間剥離強度 :910g/cm 柔軟度(MD・CD平均):24mm 比較例2 実施例1で用いた分割性複合繊維を32mmにカットし、
(L/Dは3.1×103)、実施例1と同様に乾式ウエブとし
た後、噴射流体処理を行った。得られた不織布の物性は
以下の様であって、引張強度が特に小さいものであっ
た。
引張強度(MD/CD) :0.8/0.7kg/cm 引裂強度(MD/CD) :1.4/1.2kg 層間剥離強度 :0.31kg/cm 柔軟度(MD・CD平均):36mm この比較例2の不織布を走査型電子顕微鏡で観察する
と、分割性複合繊維の割繊が充分なされておらず、未分
割の複合繊維が多数見受けられた。
実施例2 実施例1で用いたと同様の分割性複合繊維を捲縮加工
処理をせずに繊維長10mmの短繊維(L/Dは0.98×103)を
得た。この短繊維を水に分散せしめ湿式抄紙法で30g/m2
ウエブを形成し、実施例1と同様に高圧噴射処理(水圧
25kg/cm2)を行って、極細繊維不織布を得た。この不織
布はドレープ性に富み、30g/m2、薄目付でありながらカ
バーリング性に優れている為、低融点接着性のナイロン
樹脂をドット加工して得られる芯地は樹脂の浸み出しも
なく芯地適正に優れるものであった。以下に得られた不
織布の物性を示す。
引張強度(MD/CD) :1.6/1.3kg/cm 引裂強度(MD/CD) :0.8/0.5kg 柔軟度(MD・CD平均):24mm 実施例3 ポリエチレンテレフタレートを第1成分とし、ポリプ
ロピレンを第2成分とし8:2(容積比)を割合で第1図
(A)と同様の横断面を有する1.5デニールの分割性複
合繊維を得た。捲縮加工後(10個/インチのクリン
プ)、カットし繊維長12mmの複合短繊維(L/Dは0.98×1
03)を得た。この短繊維からカードエアレイ法で300g/m
2のウエブを形成し、ノズル径が0.2mm、ノズルピッチが
5mm、ノズル列数が18列、抄造シートとノズルの間隔が3
0mm、ノズルヘッダー回転数が150rpm、シート速度が5m/
分で柱状流処理をした。物性は以下の様であった。
引張強度(MD/CD):14.5/13.8kg/cm 引裂強度(MD/CD):10.4/10.1kg 層間剥離強度 :2,210g/cm この交絡シートに、ポリオール成分にポリテトラメチ
レングリコール、イソシアネート成分にP,P′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、鎖伸長剤にエチレングリ
コールを用いたポリウレタンの15%濃度ジメチルホルム
アミド溶液を含浸し、絞り率300%に絞液したのち、水
中で凝固した。乾燥後、得られた含浸シートの片面を32
0メッシュのエメリーペーパーを装着したベルトサンダ
ーでバフイングした。次いで、表面温度150℃のカレン
ダーロールで研削面を加熱プレスした。このバフイング
・加熱プレスされた面に、グラビアロールにてポリブチ
レンアジペート、P,P′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、エチレングリコールの組成からなる30%ジメチ
ルホルムアミドをコーティングし、水中で凝固、ついで
乾燥した。さらにこの面にポリエチレングリコール、P,
P′−ジフェニルメタンジイソシアネート、エチレンジ
アミンのメチルエチルケトンとイソプロピルアルコール
の混合溶媒の40%溶液をグラビアロールにてコーティン
グし、130℃で溶媒を乾燥除去した。こうして得られた
銀面調のシート状物は、ポリウレタンの被覆層の表面平
滑性も極めて良好で、風合の柔軟性の優れ、物性も下記
に示すように、例えばスポーツシューズ用にも適用し得
る程度に迄十分な強度を有していた。
引張強度(MD/CD) :20.8/20.2kg/cm 引裂強度(MD/CD) :10.8/10.5kg 柔軟度(MD・CD平均):74mm 実施例4 実施例3で用いたのと同様の分割性複合短繊維から同
様の方法で80g/cm2のウエブを形成した。これを実施例
3と同様な方法で水圧40kg/cm2、ネット速度20m/分で高
圧噴射処理を行って極細繊維不織布を得た。この不織布
の物性は以下の通りであった。
引張強度(MD/CD) :4.8/4.2kg/cm 引裂強度(MD/CD) :2.7/2.3kg 層間剥離強度 :2.0kg/cm 柔軟度(MD・CD平均):32mm この不織布の表面にポリエーテル系のポルムアミドに
溶かしたポリウレタン(濃度30%)をドクターナイフで
塗布量45g/m2になる様にコーティングした。得られたコ
ーティング物は、不織布がノーバインダーである為に風
合が極めてソフトであり、また形成したポリウレタン膜
の表面の折れシボもきめ細かく天然皮革の銀面の様に自
然で高級感のあるものであった。さらに層間剥離強度も
十分に強いので、例えば椅子張りなどの素材として用い
ても使用中に剥離等の損傷はないことが確認された。
実施例5 実施例1で用いたと同様な分割性複合繊維の未捲縮短
繊維10cm(L/Dは1.0×103)とレーヨン繊維1デニー
ル、8mmの短繊維を7:3の割合で湿式法にて55g/m2のウエ
ブを形成した。実施例1と同様に水圧35kg/cm2高圧噴射
水流処理を行った。物性は以下の様であった。この不織
布はセルロースの制電性、吸湿性及び極細繊維の拭き取
り性、リントフリー性を合せ持つものでエレクトロニク
ス用ワイピングクロス、フロッピーディスクのライナー
等に好適であった。
引張強度(MD/CD) :4.2/3.8kg/cm 引裂強度(MD/CD) :2.1/2.0kg 層間剥離強度 :1.2kg/cm 柔軟度(MD・CD平均):32mm 実施例6 実施例5で用いたウエブを14メッシュの金網に載置
し、実施例5と同様の条件で高圧噴射処理を行った。得
られた不織布は開孔された織目模様を有する為、拭き取
り性が更に向上し、20回の繰り返し洗濯にも耐える性能
を有し、耐洗濯性可能なワイピングクロスとして好適で
あった。
以下物性を示した。
引張強度(MD/CD) :3.9/3.6kg/cm 引裂強度(MD/CD) :1.7/1.5kg 柔軟度(MD・CD平均):33mm 〔本発明の効果〕 本発明の製造方法による高強度極細不織布は従来の極
細不織布では得られなかった高強度を有し且つ、安いコ
ストで製造する事が可能となった。又、その極細繊維特
有のソフトでドレープな風合を有し、カバーソング性、
リントフリー性に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(G)は本発明で使用する分割性複合繊
維の例を模式的に示した横断面図であり、 1……相互接着性を有しない非相溶性の熱可塑性重合
体、(例えば、ポリエステル)、 2……相互接着性を有しない非相溶性の熱可塑性重合体
(例えば、ポリオレフィン)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分割性複合繊維の繊維長が20mm以下で、繊
    維長Lと繊維の直径Dの比L/Dが0.5×103〜2×103の該
    複合短繊維から構成された不織布であって、該分割性複
    合短繊維から割繊して得られる0.8デニール以下の極細
    単繊維及び/叉は該極細単繊維の繊維束が相互に三次元
    交絡していることを特徴とする高強度極細繊維不織布
  2. 【請求項2】分割性複合繊維の繊維長が20mm以下で、繊
    維長と繊維の直径Dの比L/Dが0.5×103〜2×103の該複
    合短繊維からウエブを形成し、高速流体流処理を行う事
    により、該分割性複合短繊維を交絡させると共に割繊せ
    しめて得られる0.8デニール以下の極細単繊維及び/又
    は該細単繊維の繊維束を相互に三次元交絡させる事を特
    徴とする高強度極細繊維不織布の製造方法。
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