JPH06285616A - 自動注湯方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な機構でかつ破損事故の発生の恐れがな
く安価な設備とすることができる自動注湯方法及びその
装置を提供する。 【構成】 取鍋１の流出口部材５に取り付けられたスラ
イドノズル１４を下方に移動させて鋳型７の注入口８に
接触させ流出口部材５、スライドノズル１４、注入口８
及び溶湯注入路１０によって取鍋１内側からキャビティ
９に連通する溶湯通路を形成し、取鍋１のストッパーロ
ッド３をピストンシリンダ装置４を駆動して垂直方向上
方に移動させることにより取鍋１の底部流出口２を開放
し、取鍋１内側からキャビティ９内に溶湯が流入する。
次に溶湯の注入を停止した後に、スライドノズル１４を
上方に移動させて鋳型７の注入口８から離反させ、ロー
ラコンベヤ１３を駆動してローラコンベヤ１３上に配置
された鋳型７を移動し、キャビティ９内に溶湯が充填さ
れていない新たな鋳型７を溶湯充填位置に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は連続して溶湯充填位置に
配置される溶湯未充填の鋳型に取鍋から金属溶湯を注入
するための自動注湯方法及びその装置に関するものであ
り、固設された取鍋から特に連続して配置される鋳型に
対し重力によって金属溶湯を充填する自動注湯方法及び
その装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】連続して溶湯充填位置に配置される溶湯
未充填の鋳型に取鍋から金属溶湯を注入するための自動
注湯方法及びその装置としては、例えば実公昭６２−２
９１７７号公報に示されるように取鍋又は鋳型の少なく
とも一方を他方に対し垂直に移動させて互いに接する様
にしその状態で金属溶湯の充填を行う自動注湯方法及び
その装置がある。

【０００３】この自動注湯方法及びその装置は図８に示
されるように、取鍋５１を備え、その取鍋５１の底部流
出口５２にはストッパーロッド５３が配置され、そのス
トッパーロッド５３により前記底部流出口５２は開閉さ
れる。一方鋳型５４には漏斗状に形成した注入口５５と
金属溶湯を充填するキャビティ５６とを連通する溶湯注
入路５７が設けられる。

【０００４】また取鍋５１は担持フレーム５８上に固定
され、この担持フレーム５８は鋳型５４の両側に配置さ
れた昇降シリンダ５９のピストン６０に支持され、昇降
シリンダ５９の作動により担持フレーム５８は垂直方向
に上下動せしめられる。さらに昇降シリンダ５９はフレ
ーム部分６１で支持され、このフレーム部分６１が水平
方向に移動可能とされ、したがってフレーム部分６１、
昇降シリンダ５９、ピストン６０を介して担持フレーム
５８およびこの担持フレーム５８上に固定された取鍋５
１が水平方向に移動せしめられる。

【０００５】一方鋳型５４はローラコンベヤ６２上に配
置された基板６３によって支持され、このローラコンベ
ヤ６２によって鋳型５４は連続して移動配置される。ま
たその鋳型５４には耐熱性を有するシート材料等を用い
て漏斗状の形状に作られる分離部材６４が取り付けられ
る。この分離部材６４は円錐形漏斗状部分６４ａとその
円錐形漏斗状部分６４ａと一体に形成された管状延長部
分６４ｂとよりなり、その管状延長部分６４ｂが鋳型の
溶湯注入路５７に連通し、前記円錐形漏斗状部分６４ａ
が溶湯注入口５５に着座する。

【０００６】したがって以上の自動注湯方法及びその装
置によれば、ローラコンベヤ６２によって鋳型５４は連
続して移動配置され、一方取鍋５１は担持フレーム５
８、昇降シリンダ５９、フレーム部分６１等からなる昇
向機構及びフレーム部分６１、昇降シリンダ５９、ピス
トン６０等からなる水平移動機構により位置決めされ、
取鍋５１の底部流出口５２と鋳型５４の注入口５５とを
分離部材６４を介して連通して取鍋５１から鋳型５４へ
の注湯が行われる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし以上の実公昭６
２−２９１７７号公報に示される自動注湯方法及びその
装置については、次のような問題があった。すなわち実
公昭６２−２９１７７号公報に示される自動注湯方法及
びその装置では取鍋５１全体若しくは鋳型５４全体を上
下させる必要があり、そのために担持フレーム５８、昇
降シリンダ５９、フレーム部分６１等からなる大がかり
な昇向機構が必要となるという問題がある。

【０００８】また取鍋５１全体若しくは鋳型５４全体を
上下させることから、溶湯の充填過程で取鍋５１の底部
溶湯出口部５２と鋳型５４の溶湯注入口５５とを緊密に
接触させかつ鋳型５４を保全することを目的として、取
鍋５１の底部溶湯出口部５２と鋳型５４の溶湯注入口５
５との間には分離部材６４を介装して配置する必要があ
り、かかる分離部材６４は反復使用される過程で破損し
易く消耗するという問題がある。

【０００９】また何れにしても溶湯を保持した取鍋５１
は極めて重量が大きく、かかる取鍋５１若しくは鋳型５
４を移動させて取鍋５１と鋳型５４とを接合・分離する
操作を反復する過程で、鋳型５４が取鍋５１により破損
され易いという問題もある。したがって本発明は以上の
従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、
簡易な機構でかつ破損事故の発生の恐れがなく安価な設
備とすることができる自動注湯方法及びその装置を提供
することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明の自動注
湯方法は固定された取鍋の底部流出口と溶湯充填位置に
配置された鋳型の注入口との間に配置されたスライドノ
ズルにより取鍋内側から鋳型のキャビティに連通する溶
湯通路を形成し、前記取鍋の前記底部流出口を開放して
取鍋内側から前記溶湯通路を介して前記キャビティ内に
重力によって溶湯を流入させ、キャビティ内に溶湯が充
填された後に取鍋の底部流出口を閉止して取鍋内溶湯の
流出を停止し、次いで、スライドノズルを鋳型の注入口
から離反させその状態でキャビティ内に溶湯が充填され
た鋳型を溶湯充填位置から移動し、キャビティ内に溶湯
が充填されていない新たな鋳型を溶湯充填位置に配置す
る工程を反復して行うことを特徴とする。

【００１１】前記取鍋内側から前記キャビティ内に溶湯
を流入させる前に前記スライドノズルを予熱することに
よりスライドノズル内の溶湯の流れを円滑にすることが
できる。

【００１２】また前記取鍋内側から前記キャビティ内に
溶湯を流入させる注湯初期には前記スライドノズル内側
の溶湯通路に下向きの電磁力を印加するようにすればス
ライドノズルと鋳型の注入口の接合部分への湯の差し込
みを防止することができ、注湯後期にはその下向きの電
磁力を強めるようにすることにより、鋳型のキャビティ
への溶湯の充満に伴って減少した有効ヘッドを補うこと
ができる。

【００１３】さらに本発明の自動注湯装置は、少なくと
も１個の底部流出口を有して固設された取鍋から少なく
とも１個の注入通路及び注入口を有する鋳型に重力によ
って金属溶湯を充填する自動注湯装置において、溶湯未
充填の前記鋳型を前記取鍋からの溶湯充填位置に連続し
て配置する手段と、前記底部流出口と前記溶湯充填位置
に配置された鋳型の注入口との間に配置されて金属溶湯
通路を形成するスライドノズルを備えることを特徴とす
る。

【００１４】前記スライドノズルを予熱する予熱手段を
設けることにより取鍋内側から鋳型のキャビティ内に溶
湯を流入させる前にスライドノズルを予熱することがで
きる。

【００１５】また前記スライドノズル内側に溶湯の流れ
方向および／または溶湯の流れ方向と逆方向に電磁力を
印加する電磁力印加手段を設けることによりスライドノ
ズル内側の溶湯通路に必要に応じて電磁力を印加するこ
とができる。かかる電磁力印加手段として例えばスライ
ドノズルに電磁ポンプを取り付けることができる。

【００１６】さらに前記スライドノズルに冷却手段を取
り付けることによりスライドノズル及びスライドノズル
に取り付けられた電磁ポンプ等の過熱を防止することが
できる。

【００１７】加えて本発明の自動注湯装置は、少なくと
も１個の底部流出口を有して固設された取鍋から少なく
とも１個の注入通路及び注入口を有する鋳型に重力によ
って金属溶湯を充填する自動注湯装置において、溶湯未
充填の前記鋳型を前記取鍋からの溶湯充填位置に連続し
て配置する手段と、前記底部流出口と前記溶湯充填位置
に配置された鋳型の注入口との間に配置されて金属溶湯
通路を形成するスライドノズルとを有し、そのスライド
ノズル内側における溶湯の流れ方向および／または溶湯
の流れ方向と逆方向の電磁力を発生する電磁コイルと、
前記スライドノズルに対する予熱ヒーターとを内装する
ケーシングが前記スライドノズルに取り付けられ、その
ケーシングには排風口が設けられると共にケーシング外
側から吸気する冷却ファンが内装されることを特徴とす
る。

【００１８】

【作用】したがって本発明の自動注湯方法及びその装置
によれば、連続して配置される鋳型への取鍋からの金属
溶湯の注湯に際しては、取鍋及び鋳型の何れも移動する
ことなく、スライドノズルが取鍋の底部流出口及び鋳型
の注入口間に配置されて金属溶湯通路を形成し、かかる
金属溶湯通路を介して鋳型への注湯が行われる。したが
って、取鍋の過大な重量が鋳型に加わるようなことはな
く、鋳型の破損は生じない。またスライドノズル自体の
操作は簡易な機構で行うことができ取鍋若しくは鋳型を
昇降移動させるために特に大がかりな設備を用意する如
き必要もない。

【００１９】

【実施例】以下に本発明の自動注湯方法及びその装置の
実施例につき説明する。図１および図２は本発明の一実
施例の自動注湯装置を示し、図に示されるようにこの実
施例の自動注湯装置は、取鍋１を備え、その取鍋１の底
部流出口２にはストッパーロッド３が配設され、そのス
トッパーロッド３はピストンシリンダ装置４により垂直
方向に移動させられて前記底部流出口２はそれにより開
閉される。

【００２０】前記底部流出口２には取鍋１と一体に流出
口部材５が取鍋１の底から突出して設けられ、この流出
口部材５は溶湯通路６を備える。一方鋳型７には注入口
８と金属溶湯を充填するキャビティ９とを連通する溶湯
注入路１０が設けられる。また取鍋１はフレーム１１上
に固定され、このフレーム１１は鋳型７の両側に配置さ
れた脚部１２によって固定支持される。

【００２１】一方鋳型７はローラコンベヤ１３上に配置
されて溶湯充填位置に移送され、その溶湯充填位置にお
ける鋳型７の前記取鍋１との位置関係は、鋳型７の溶湯
注入口８と取鍋１の底部流出口２とが上下方向にほぼ直
列する位置関係とされる。前記取鍋１に形成した流出部
の流出口部材５にはスライドノズル１４が取り付けられ
る。前記流出口部材５は例えばステンレス製の保持手段
５ａに黒鉛製の流出口部材本体５ｂを保持させてなり、
一方スライドノズル１４は例えばステンレス製の保持手
段１４ａに黒鉛製のスライドノズル本体１４ｂを保持さ
せてなる。またこのスライドノズル１４は図示しない適
宜手段により上下動せしめられ、それにより必要に応じ
て上下にスライドして鋳型７の注入口８に接続し、離反
する。なお、前記取鍋１には大取鍋１５から随時所要量
の溶湯が供給される。

【００２２】したがって以上の実施例の自動注湯装置に
よれば次のようにして取鍋１から鋳型７への注湯が行わ
れる。先ず取鍋１の底部流出口２に設けられた流出口部
材５に取り付けられたスライドノズル１４を下方に移動
させて鋳型７の注入口８に接触させる。これにより取鍋
１の流出口部材５、スライドノズル１４、注入口８及び
溶湯注入路１０によって取鍋１内側から鋳型７のキャビ
ティ９に連通する溶湯通路が形成される。

【００２３】次に大取鍋１５から取鍋１に１枠分の溶湯
を注湯する。その注湯量は取鍋１内の湯面高さを検知す
ることにより制御する。次いで取鍋１のストッパーロッ
ド３をピストンシリンダ装置４を駆動して垂直方向上方
に移動させることにより取鍋１の底部流出口２が開放さ
れる。その結果流出口部材５、スライドノズル１４、注
入口８及び溶湯注入路１０によって形成された溶湯通路
を介して取鍋１内側からキャビティ９内に溶湯が流入す
る。

【００２４】次にキャビティ９内に溶湯が充填された後
に再度取鍋１のストッパーロッド３をピストンシリンダ
装置４を駆動して垂直方向下方に移動させることにより
取鍋１の底部流出口２が閉止され、流出口部材５からの
取鍋１内溶湯の流出は停止される。次いで、取鍋１の底
部流出口２に設けられた流出口部材５に取り付けられた
スライドノズル１４を上方に移動させて鋳型７の注入口
８から離反させ、その状態でローラコンベヤ１３を駆動
してローラコンベヤ１３上に配置された鋳型７を移動
し、キャビティ９内に溶湯が充填されていない新たな鋳
型７を図に示す溶湯充填位置に配置する。さらに以上の
過程を反復して行うことにより、多数の鋳型７に連続し
て注湯を行うことが可能となる。

【００２５】図３は本発明の他の実施例の自動注湯装置
の一部を拡大して示し、この実施例では取鍋１に形成し
た底部流出口２の流出口部材５に取り付けられるスライ
ドノズル３１に電磁力印加手段として電磁ポンプ３２が
取り付けられる。この電磁ポンプ３２はケーシング３３
内に電磁コイル３４を配置してなり、またその電磁コイ
ル３４のスライドノズル３１側側部には予熱手段として
予熱ヒーター３５が配設される。さらにケーシング３３
の一側には冷却ファン３６が設けられると共にその他側
には排風口３７が形成される。したがって以上の実施例
の自動注湯装置によれば鋳型への注湯は次のようにして
行われる。

【００２６】先ず取鍋１の底部流出口２に設けられた流
出口部材５に取り付けられたスライドノズル３１を電磁
ポンプ３２内蔵の予熱ヒーター３５により充分加熱す
る。次にスライドノズル３１を図示しないシリンダーに
よって下降させ、鋳型７の注入口８に密着させ、取鍋１
の流出口部材５、スライドノズル１４、注入口８及び溶
湯注入路１０によって取鍋１内側から鋳型７のキャビテ
ィ９に連通する溶湯通路を形成し、次いで大取鍋１５か
ら上記取鍋１に取鍋１内の湯面高さを検知制御して１枠
分の溶湯を注湯する。

【００２７】その状態で取鍋１のストッパーロッド３を
上昇させることにより取鍋１の底部流出口２を開放し、
取鍋１内側からキャビティ９内に溶湯を流入させる。そ
の際、注湯初期には電磁コイル３４に通電することによ
り極めて弱い下向きの電磁力をかけてスライドノズル１
４と鋳型７の注入口８の接合部分への湯の差し込みを防
止する。また注湯後期には鋳型キャビテイ−への溶湯の
充満に伴って減少した有効ヘッドを補うために下向きの
電磁力を強める。

【００２８】次にキャビティ９内に溶湯が充填された後
に再度取鍋１のストッパーロッド３を下降させることに
より取鍋１の底部流出口２を閉止し、流出口部材５から
の取鍋１内溶湯の流出を停止する。次いで、スライドノ
ズル１４を上方に移動させて鋳型７の注入口８から離反
させ、その状態でローラコンベヤ１３を駆動してキャビ
ティ９内に溶湯が充填された鋳型７を移動し、キャビテ
ィ９内に溶湯が充填されていない新たな鋳型７を図に示
す溶湯充填位置に配置する。

【００２９】以上の実施例の自動注湯装置によっても多
数の鋳型への溶湯の充填を反復連続して行うことがで
き、しかも以上の実施例の自動注湯装置では電磁ポンプ
３２が設けられることによりより一層円滑に鋳型への溶
湯の充填が行われる。

【００３０】図４は本発明のさらに他の実施例の自動注
湯装置の一部を拡大して示し、本実施例では鋳型４０の
溶湯注入口４１は特に漏斗状とされず、スライドノズル
１４とほぼ一致する内径とされ、溶湯注入路４２がその
まま外側に開口した状態とされる。本実施例の自動注湯
装置では鋳型４０の溶湯注入口４１が特に漏斗状とはさ
れず溶湯注入路４２がそのまま外側に開口した形状とさ
れる結果、取鍋１から溶湯注入路４２に流入する溶湯の
流れを遮るものは特になく、鋳型４０への注湯効率を向
上して注湯時間を短縮することができ、また溶湯の注入
歩留が向上される。さらに鋳型４０への注湯に際しての
エネルギー損失や空気の巻き込みを少なくして得られる
鋳造品の品質を向上することができる。

【００３１】図５は本発明の別の実施例の自動注湯装置
の一部を拡大して示し、本実施例ではスライドノズル１
４とは別個に取鍋１の底部流出口２に設けられる流出口
部材５に電磁力印加手段としての電磁ポンプ４３が取り
付けられる。本実施例の自動注湯装置では取鍋１のスト
ッパーロッド３を上昇させ取鍋１の底部流出口２を開放
し取鍋１内側から溶湯を流下させる際、流出口部材５内
側の溶湯通路に電磁ポンプ４３により所要の電磁力が印
加される。

【００３２】図６は本発明のまた別の実施例の自動注湯
装置の一部を拡大して示し、本実施例ではスライドノズ
ル１４は鋳型４０の溶湯注入口４１の開口部分周辺に設
けられた注入口部材４４に取り付けられる。本実施例の
自動注湯装置でも取鍋１からスライドノズル１４を介し
て溶湯注入口４１に円滑に溶湯が注入される。

【００３３】図７は本発明のさらに別の実施例の自動注
湯装置の一部を拡大して示し、本実施例ではスライドノ
ズル１４は鋳型４０の溶湯注入口４１と取鍋１の底部流
出口２との間に図示しない適宜手段により図上矢印Ａで
示されるように介装せしめられる。本実施例の自動注湯
装置でも取鍋１からスライドノズル１４を介して溶湯注
入口４１に円滑に溶湯が注入される。

【００３４】

【発明の効果】以上のように本発明の自動注湯方法及び
その装置によれば取鍋の底部流出口と鋳型の注入口との
間に底部流出口と注入口とを緊密に接触させて金属溶湯
通路を形成するスライドノズルを配置することにより、
特に鋳型に漏斗状開口部を設ける必要はなく溶湯の鋳型
への注入歩留が向上する。しかも取鍋と鋳型とがスライ
ドノズルを介して金属溶湯通路を形成するので、エネル
ギー損失や空気の巻き込みが少なく、注入時間の短縮、
品質の向上を図ることができる。また、本発明の自動注
湯方法及びその装置では取鍋から鋳型への溶湯充填時に
鋳型に加わる外力はスライドノズルの圧着力のみであ
り、鋳型に過大な外力が加わり鋳型が破損されるような
問題は発生しない。さらに本発明の自動注湯方法及びそ
の装置では取鍋から鋳型への溶湯充填はスライドノズル
を操作することにより行われ特に取鍋や鋳型を移動する
必要はないので、取鍋を昇降させるような大がかりな機
構は必要なく、簡易な機構とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の自動注湯装置を示す断面
図である。

【図２】 図１に示す自動注湯装置の部分拡大図であ
る。

【図３】 本発明の他の実施例の自動注湯装置を示す部
分拡大図である。

【図４】 本発明のさらに他の実施例の自動注湯装置を
示す部分拡大図である。

【図５】 本発明の別の実施例の自動注湯装置を示す部
分拡大図である。

【図６】 本発明のさらに別の実施例の自動注湯装置を
示す部分拡大図である。

【図７】 本発明のまた別の実施例の自動注湯装置を示
す部分拡大図である。

【図８】 従来の注湯装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１・・・取鍋、２・・・底部流出口、３・・・ストッパ
ーロッド、４・・・シリンダ、７・・・鋳型、８・・・
注入口、１４・・・スライドノズル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 博史 栃木県真岡市鬼怒ケ丘11番地 日立金属株 式会社素材研究所内

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定された取鍋の底部流出口と溶湯充填
   位置に配置された鋳型の注入口との間に配置されたスラ
   イドノズルにより取鍋内側から鋳型のキャビティに連通
   する溶湯通路を形成し、前記取鍋の前記底部流出口を開
   放して取鍋内側から前記溶湯通路を介して前記キャビテ
   ィ内に重力によって溶湯を流入させ、キャビティ内に溶
   湯が充填された後に取鍋の底部流出口を閉止して取鍋内
   溶湯の流出を停止し、次いで、スライドノズルを鋳型の
   注入口から離反させその状態でキャビティ内に溶湯が充
   填された鋳型を溶湯充填位置から移動し、キャビティ内
   に溶湯が充填されていない新たな鋳型を溶湯充填位置に
   配置する工程を反復して行うことを特徴とする自動注湯
   方法。
2. 【請求項２】 前記取鍋内側から前記キャビティ内に溶
   湯を流入させる前に前記スライドノズルを予熱する請求
   項１記載の自動注湯方法。
3. 【請求項３】 前記取鍋内側から前記キャビティ内に溶
   湯を流入させる注湯初期には前記スライドノズル内側の
   溶湯通路に下向きの電磁力を印加し、注湯後期にはその
   下向きの電磁力を強めるようにする請求項１又は請求項
   ２記載の自動注湯方法。
4. 【請求項４】 少なくとも１個の底部流出口を有して固
   設された取鍋から少なくとも１個の注入通路及び注入口
   を有する鋳型に重力によって金属溶湯を充填する自動注
   湯装置において、溶湯未充填の前記鋳型を前記取鍋から
   の溶湯充填位置に連続して配置する手段と、前記底部流
   出口と前記溶湯充填位置に配置された鋳型の注入口との
   間に配置されて金属溶湯通路を形成するスライドノズル
   を備えることを特徴とする自動注湯装置。
5. 【請求項５】 前記スライドノズルを予熱する予熱手段
   が設けられる請求項４記載の自動注湯装置。
6. 【請求項６】 前記スライドノズル内側に溶湯の流れ方
   向および／または溶湯の流れ方向と逆方向に電磁力を印
   加する電磁力印加手段が設けられる請求項４又は請求項
   ５記載の自動注湯装置。
7. 【請求項７】 前記電磁力印加手段が前記スライドノズ
   ルに取り付けられた電磁ポンプである請求項６記載の自
   動注湯装置。
8. 【請求項８】 前記スライドノズルには冷却手段が取り
   付けられる請求項４〜請求項７の何れか一に記載した自
   動注湯装置。
9. 【請求項９】 少なくとも１個の底部流出口を有して固
   設された取鍋から少なくとも１個の注入通路及び注入口
   を有する鋳型に重力によって金属溶湯を充填する自動注
   湯装置において、溶湯未充填の前記鋳型を前記取鍋から
   の溶湯充填位置に連続して配置する手段と、前記底部流
   出口と前記溶湯充填位置に配置された鋳型の注入口との
   間に配置されて金属溶湯通路を形成するスライドノズル
   とを有し、そのスライドノズル内側における溶湯の流れ
   方向および／または溶湯の流れ方向と逆方向の電磁力を
   発生する電磁コイルと、前記スライドノズルに対する予
   熱ヒーターとを内装するケーシングが前記スライドノズ
   ルに取り付けられ、そのケーシングには排風口が設けら
   れると共にケーシング外側から吸気する冷却ファンが内
   装されることを特徴とする自動注湯装置。