JPH06283855A - 回路板の表面処理方法 - Google Patents

回路板の表面処理方法

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JPH06283855A
JPH06283855A JP6776793A JP6776793A JPH06283855A JP H06283855 A JPH06283855 A JP H06283855A JP 6776793 A JP6776793 A JP 6776793A JP 6776793 A JP6776793 A JP 6776793A JP H06283855 A JPH06283855 A JP H06283855A
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circuit board
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washing
circuit
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JP6776793A
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Yoshinori Urakuchi
良範 浦口
Tsutomu Hamatsu
力 濱津
Nobumitsu Onishi
信光 大西
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大量の水を消費することなく、銅回路パター
ン間の絶縁劣化を低減して銅回路パターン間の絶縁信頼
性を確保する。 【構成】 回路板を酸洗した後、水洗し、次いで回路板
の表面の銅回路を酸化処理する。このように処理するに
あたって、硫酸をベースとする酸溶液で酸洗をおこな
う。回路板の表面に残留する不純イオンを低減すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板の
製造に使用される内層用の回路板の表面処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、片面乃至両面に
銅箔等で回路を形成した内層用の回路板にプリプレグを
介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを加熱加
圧成形して内層用の回路板と外層用回路板もしくは銅箔
とを積層することによって、製造されるのが一般的であ
る。この多層プリント配線板にあっては、内層用の回路
板に形成した銅の回路と外層用回路板もしくは銅箔を積
層させるプリプレグの樹脂との接着性を確保することが
必要である。
【0003】そこで、従来から種々の方法で銅回路と樹
脂との接着性を高めることが検討されており、例えば銅
回路を酸化処理することによってその表面に銅酸化物
(酸化第二銅:CuO)の被膜を形成し、接着性を高め
ることが一般になされている。銅を酸化させることによ
って銅回路の表面は黒色になるので、この銅回路の酸化
処理は一般に黒化処理と通称されているが、銅を酸化処
理して得られる酸化第二銅の被膜の表面には微細な突起
が形成されることになり、この微細な突起による凹凸に
よって銅の回路の表面を粗面化して、銅回路と樹脂との
接着性を高めることができるのである。
【0004】この黒化処理の工程は一般的に、回路板の
表面を脱脂した後に水洗し、次に回路板に設けた銅
回路にソフトエッチングをおこなってさらに水洗
し、そして塩酸浴で酸洗をおこなった後に、水洗
し、この後に回路板の銅回路を酸化して黒化処理し、
さらに水洗した後に乾燥するという手順の各操作手
段からなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように処理をお
こなうにあたって、の酸化処理をおこなう際に、回路
板の表面において銅回路のパターン間にNa+ ,C
++,Cu++,SO4 --,Cl- 等の不純イオンが残留
していると、銅を含むCaCuO2 ,Na2 〔Cu(O
H)4 〕,H2 CuO2 等の不安定化合物が生成され、
これが加熱等によってCuOとなり、銅回路パターン間
の絶縁性が劣化するおそれがあるという問題があった。
特に、黒化処理によって銅回路に形成した銅酸化物を酸
に溶解し難くなるように還元する際に、このCuOも同
時に還元されてCuになり、銅回路パターン間の絶縁劣
化が発生し易くなるものであった。
【0006】このために、の酸化処理の前におこなう
の水洗を、大量の水を用いておこなうことによって回
路板の表面の不純イオンを洗い流すようにしており、い
たずらに多量の水が消費されることになって資源の効率
的活用の趣旨に反する結果になっていた。本発明は上記
の点に鑑みてなされたものであり、大量の水を消費する
ことなく、銅回路パターン間の絶縁劣化を低減して銅回
路パターン間の絶縁信頼性を確保することができる回路
板の表面処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回路板の表
面処理方法の請求項1の発明は、回路板を酸洗した後、
水洗し、次いで回路板の表面の銅回路を酸化処理するに
あたって、硫酸をベースとする酸溶液で酸洗をおこなう
ことを特徴とするものである。また請求項2の発明は、
回路板を水洗した水の水質がpH4.8以上になるよう
に管理しつつ回路板を水洗することを特徴とするもので
ある。
【0008】さらに請求項3の発明は、回路板を水洗し
た水中の銅イオン濃度が0.25ppm以下になるよう
に管理しつつ回路板を水洗することを特徴とするもので
ある。また請求項4の発明は、回路板を水洗する水の温
度を30〜50℃に管理しつつ回路板を水洗することを
特徴とするものである。
【0009】さらに請求項5の発明は、気泡を回路板の
表面に作用させつつ水洗をおこなうことを特徴とするも
のである。以下、本発明を詳細に説明する。内層用回路
板として用いられる回路板としては、銅箔を張った銅張
ガラスエポキシ樹脂積層板、銅張ガラスポリイミド樹脂
積層板などの銅箔をエッチング処理等することによっ
て、片面もしくは両面に銅の回路を設けて形成したもの
を使用することができるが、その他、積層板に化学メッ
キや電気メッキで銅の回路を片面もしくは両面に形成し
たものなどを使用することもできる。
【0010】そしてこの回路板に設けた銅回路を黒化処
理するにあたっては、まず回路板の表面を脱脂処理
し、水洗した後に、回路板の銅回路の表面をソフト
エッチング処理する。このソフトエッチング処理は、銅
回路の表面の不純物を除去すると共に銅回路の表面を粗
面化するためのものである。このようにソフトエッチン
グした後に、水洗し、次に回路板を酸洗する。
【0011】酸洗は回路板の銅回路の表面の水酸化銅等
を除去するためにおこなわれる処理であり、従来から一
般に塩酸をベースとする酸溶液に回路板を浸漬すること
によって酸洗の処理がおこなわれている。しかし塩酸は
非酸化性ではあるが銅を徐々に溶かす作用があるため
に、回路板の銅回路が塩酸によって侵食され、この結果
銅回路の信頼性が低下すると共に溶解した銅イオンが回
路板の表面に付着して残留するおそれもある。そこで本
発明では、硫酸をベースとする酸溶液、例えば硫酸水溶
液を酸洗浴に供給し、この酸洗浴に回路板を2分程度浸
漬することによって酸洗処理をおこなうようにしてい
る。硫酸は銅を溶解する作用がないために、銅回路の信
頼性を低下させたり、銅イオンを回路板の表面に残留さ
せたりするようなことがなくなるものである。
【0012】このように硫酸をベースとする酸溶液を用
いて酸洗をおこなった後、回路板を水洗する。この
水洗によって回路板の表面に残留する不純イオンを除去
して次の酸化処理に持ち込まないようにするものであ
り、従来は単に多量の水を使用することによって回路板
の表面に不純イオンが残留しないようにしているが、本
発明では、回路板を水洗した水を管理することによっ
て、必要範囲の量の水で回路板の表面に不純イオンが残
留することなく水洗をおこなうようにしている。
【0013】すなわち水洗は水洗槽に回路板を2分間程
度浸漬することによっておこなわれるが、水洗槽には常
に洗浄用の水を供給すると共にこの供給量に応じた水が
水洗槽からオーバーフローして排出されるようにしてあ
り、本発明では洗浄に使用された後にオーバーフローし
て排出されるこの水の水質を検査し、pHが4.8以上
に、つまり中性に近くなるように水洗槽内の洗浄用水を
管理するようにするものである。酸洗処理は上記のよう
に硫酸をベースにしておこなわれているので、硫酸が水
洗槽に持ち込まれることによって水洗槽の水のpHは硫
酸根の存在によって大きく影響を受け、水洗槽内の水の
pHは小さくなる。そこで水洗槽から排出される水のp
Hが4.8未満になるときには、水洗槽に供給する水の
量を増加することによってpHが4.8以上になるよう
にし、逆にpHが4.8より大きく上回るときには水洗
槽に供給する水の量を減少することによって、水洗槽内
の洗浄用水のpHが常に4.8以上になるように水質を
管理しつつ水洗をおこなうものである。pHの管理は5
〜7程度の範囲に設定するのが好ましい。例えば水洗槽
から排出される水のpHを計測するpH計測装置と水洗
槽に洗浄用の水を供給する配管のバルブとを制御装置を
介して連絡し、pH計測装置による計測結果に基づいて
配管のバルブを自動的に制御することによって、pHが
4.8以上になるように水洗槽内の洗浄用水を自動的に
管理することができる。水洗した水のpHが4.8未満
であると、SO4 --などの不純イオンが回路板の表面に
付着したまま残留する可能性があるので、本発明ではp
H4.8以上に管理するようにしているものである。ま
たこのようにpHを管理することによって、不必要に多
量の水を消費することなく、必要範囲の水量で水洗をお
こなうことができるものである。
【0014】このように水洗槽から排出される水のpH
を管理する他に、本発明ではこの水洗槽から排出される
水に残留する銅イオンの濃度を測定し、銅イオン濃度が
0.25ppm以下になるように水洗槽内の洗浄用水を
管理するようにしている。この管理は例えば、水洗槽か
ら排出される水の銅イオン濃度が0.25ppmを超え
るときには、水洗槽に供給する水の量を増加することに
よって0.25ppm以下になるようにし、逆に銅イオ
ン濃度が0.25ppmを大幅に下回るときには水洗槽
に供給する水の量を減少することによってなうことがで
きるものであり、例えば水洗槽から排出される水の銅イ
オン濃度を測定する濃度測定装置と水洗槽に洗浄用の水
を供給する配管のバルブとを制御装置を介して連絡し、
濃度測定装置による測定結果に基づいて配管のバルブを
自動的に制御することによって、銅イオン濃度が0.2
5ppm以下になるように水洗槽内の洗浄用水を自動的
に管理することができる。水洗した水の銅イオン濃度が
0.25ppmを超えると、Cu++などの不純イオンが
回路板の表面に付着したまま残留する可能性があるの
で、本発明では銅イオン濃度を0.25ppm以下に管
理するようにしているものである。またこのように銅イ
オン濃度を管理することによって、不必要に多量の水を
消費することなく、必要範囲の水量で水洗をおこなうこ
とができるものである。
【0015】また、上記のように水洗槽の水質を管理す
る他に、本発明ではこの水洗槽内の水の温度を30℃以
上に管理するようにしている。水の温度を30℃以上に
することによって、回路板の表面に付着する不純イオン
の洗浄効果を高めることができるものであり、多量の水
を必要とすることなく回路板の水洗をおこなうことがで
きるものである。水の温度が高いほうが洗浄効果を高く
得ることができるが、水の温度が50℃を超えると水洗
槽が熱浴となって腐食を伴うので、水の温度の上限は5
0℃に設定されるものである。
【0016】さらに本発明では、水洗槽に回路板を浸漬
して水洗するにあたって、水洗槽中の洗浄水の液流動を
エアーレーションでおこない、洗浄水中に噴出される気
泡を回路板の表面に直接接触させるようにして水洗をお
こなうようにしている。回路板の表面に設けられる銅回
路のパターン間の隙間に付着した不純イオンを水洗して
除去することは困難であるが、このように洗浄水中の気
泡を回路板の表面に作用させることによって、銅回路の
パターン間の隙間に気泡が入り込んで不純イオンを追い
出して除去することができるものである。気泡の大きさ
は直径φ=3mm以下が好ましく、気泡を小さくするこ
とによって微細回路の水洗に適したものとなる。
【0017】上記のようにして水洗をした後、この回
路板の銅回路の表面を酸化する酸化処理(黒化処理)
をおこなう。酸化処理は、過硫酸カリウム(K2 2
8 )を含むアルカリ水溶液や、亜塩素酸ナトリウム(N
aClO2 )を含むアルカリ水溶液など、酸化剤を含む
アルカリ水溶液に回路板を浸漬することによっておこな
うことができる。このように酸化処理することによって
銅回路の表面に酸化第二銅(CuO) の被膜を形成する
ことができるものであり、銅回路の表面には微細な突起
が生成され、銅回路の表面に凹凸を形成して粗面化する
ことができるのである。
【0018】このように酸化処理した後、回路板を水
洗し、さらに乾燥する。そして酸化処理して回路板の
銅回路の表面に形成した銅酸化物を還元処理し、銅酸化
物をその表面の凹凸を残したまま酸化第一銅もしくは金
属銅、あるいは酸化第一銅と金属銅の混合物に還元させ
る。このように還元処理したのちに、回路板を直ちに水
洗や湯洗等して乾燥し、あとはこの回路板を内層用回路
板として用いて、通常の工程で多層プリント配線板を製
造することができる。すなわち、この回路板にプリプレ
グを介して外層用回路板(あるいは他の内層用回路板)
やもしくは銅箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形す
ることによってプリプレグをボンディング層として多層
に積層し、さらにスルーホールをドリル加工して設ける
と共に化学メッキ等によってスルーホールメッキを施
し、さらにエッチング等の処理をして外層回路を形成す
ることによって、多層プリント配線板を製造することが
できるものである。
【0019】尚、上記のように処理をおこなうにあたっ
て、本発明は、イ.硫酸をベースとする酸溶液で酸洗を
おこなう、ロ.回路板を水洗した水の水質がpH4.8
以上になるように管理しつつ回路板を水洗する、ハ.回
路板を水洗した水中の銅イオン濃度が0.25ppm以
下になるように管理しつつ回路板を水洗する、ニ.回路
板を水洗する水の温度を30〜50℃に管理しつつ回路
板を水洗する、ホ.気泡を回路板の表面に作用させつつ
水洗をおこなう、という各方法を採用することによっ
て、回路板の表面に残留する不純イオンを低減すること
ができ、大量の水を消費することなく、銅回路パターン
間の絶縁劣化を低減して銅回路パターン間の絶縁信頼性
を確保することができるようになったものであるが、イ
〜ホの各方法はそれぞれ単独でもこの効果を奏すること
ができるものである。勿論、イ、ロ、ハの方法を組み合
わせたり、あるいはイからホの総ての方法を組み合わせ
ることによって、さらに高い効果を得ることができるも
のである。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例及び従来例によって例
証する。 (従来例)35μm厚みの銅箔を両面に張った厚み1m
mのガラス布基材エポキシ樹脂積層板を用い、図1に示
すような回路幅0.15mm、回路間隔0.15mm、
長さ60mm、回路本数5本対向の櫛型パターン1a,
1bを設けて内層用の回路板2を作成した。そしてこの
回路板を脱脂→水洗→ソフトエッチング→水洗
→酸洗→水洗→酸化処理→水洗→乾燥の順に
処理した。
【0021】ここで、の酸洗を1モル/リットルの濃
度の塩酸水溶液に回路板を2分間浸漬しておこない、
の水洗を、水洗槽からオーバーフローする水のpHを3
に管理すると共に銅イオン濃度を0.4ppmに管理
し、さらに水洗水の温度を20〜25℃に設定して、水
洗槽に回路板を2分間浸漬することによっておこなった
(エアーレーション無し)。
【0022】(実施例1)の酸洗を28%濃度の硫酸
水溶液に回路板を2分間浸漬しておこない、の水洗
を、水洗槽からオーバーフローする水のpHを3に管理
すると共に銅イオン濃度を0.4ppmに管理し、さら
に水洗水の温度を20〜25℃に設定して、水洗槽に回
路板を2分間浸漬することによっておこなった(エアー
レーション無し)。
【0023】(実施例2)の酸洗を1モル/リットル
の濃度の塩酸水溶液に回路板を2分間浸漬しておこな
い、の水洗を、水洗槽からオーバーフローする水のp
Hを5に管理すると共に銅イオン濃度を0.4ppmに
管理し、さらに水洗水の温度を20〜25℃に設定し
て、水洗槽に回路板を2分間浸漬することによっておこ
なった(エアーレーション無し)。
【0024】(実施例3)の酸洗を1モル/リットル
の濃度の塩酸水溶液に回路板を2分間浸漬しておこな
い、の水洗を、水洗槽からオーバーフローする水のp
Hを3に管理すると共に銅イオン濃度を0.25ppm
に管理し、さらに水洗水の温度を20〜25℃に設定し
て、水洗槽に回路板を2分間浸漬することによっておこ
なった(エアーレーション無し)。
【0025】(実施例4)の酸洗を1モル/リットル
の濃度の塩酸水溶液に回路板を2分間浸漬しておこな
い、の水洗を、水洗槽からオーバーフローする水のp
Hを3に管理すると共に銅イオン濃度を0.4ppmに
管理し、さらに水洗水の温度を30〜35℃に設定し
て、水洗槽に回路板を2分間浸漬することによっておこ
なった(エアーレーション無し)。
【0026】(実施例5)の酸洗を1モル/リットル
の濃度の塩酸水溶液に回路板を2分間浸漬しておこな
い、の水洗を、水洗槽からオーバーフローする水のp
Hを3に管理すると共に銅イオン濃度を0.4ppmに
管理し、また水洗水の温度を30〜35℃に設定し、さ
らに水洗槽の底部に日本テクノ社製「ミクロエアーレー
ター」を設置して水洗槽の底から粒径3mm以下の気泡
を噴出させてエアーレーションをおこないつつ、水洗槽
に回路板を2分間浸漬することによっておこなった。
【0027】(実施例6)の酸洗を28%濃度の硫酸
水溶液に回路板を2分間浸漬しておこない、の水洗
を、水洗槽からオーバーフローする水のpHを5に管理
すると共に銅イオン濃度を0.08ppmに管理し、さ
らに水洗水の温度を20〜25℃に設定して、水洗槽に
回路板を2分間浸漬することによっておこなった(エア
ーレーション無し)。
【0028】(実施例7)の酸洗を28%濃度の硫酸
水溶液に回路板を2分間浸漬しておこない、の水洗
を、水洗槽からオーバーフローする水のpHを6.5に
管理すると共に銅イオン濃度を0.2ppmに管理し、
また水洗水の温度を45〜50℃に設定し、さらに水洗
槽の底から粒径3mm以下の気泡を噴出させてエアーレ
ーションをおこないつつ、水洗槽に回路板を2分間浸漬
することによっておこなった。
【0029】上記従来例及び実施例1〜7の処理をおこ
なうことによって各5枚の試験回路板を作成し、この試
験回路板について絶縁抵抗試験をおこなった。絶縁抵抗
試験は、図1の各櫛型パターン1a,1bの端子部3
a,3bに電極を接続し、電圧DC50Vを印加して初
期値の絶縁抵抗を測定し、次に試験回路板を40℃、9
0%RHの雰囲気中でDC48Vを1000時間印加し
て連続的に絶縁抵抗値の変化を測定することによってお
こなった。そして絶縁抵抗値が105 Ω以下になった時
点で絶縁劣化と判断して印加を停止した。結果を表1に
示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1にみられるように、従来例の方法では
500〜800時間で絶縁劣化が生じたが、硫酸をベー
スとする酸溶液で酸洗をおこなうようにした実施例1
や、回路板の水洗水の水質をpH4.8以上に管理した
実施例2や、回路板を水洗する水中の銅イオン濃度を
0.25ppm以下に管理した実施例3や、回路板を水
洗する水の温度を30〜50℃に管理した実施例4や、
気泡を回路板の表面に作用させつつ水洗をおこなうよう
にした実施例5では絶縁劣化に至る時間が900〜10
00時間に延び、また硫酸をベースとする酸溶液による
酸洗・水洗水の水質をpH4.8以上に管理・水洗水中
の銅イオン濃度を0.25ppm以下に管理をおこなう
ようにした実施例6や、これに加えてさらに水の温度を
30〜50℃に管理・気泡を回路板の表面に作用させる
ことをおこなうようにした実施例7のものでは、100
0時間経過しても絶縁劣化は発生しないものであった。
【0032】
【発明の効果】上記のように本発明は、硫酸をベースと
する酸溶液で酸洗をおこない、あるいは回路板を水洗し
た水の水質がpH4.8以上になるように管理しつつ回
路板を水洗し、あるいは回路板を水洗した水中の銅イオ
ン濃度が0.25ppm以下になるように管理しつつ回
路板を水洗し、あるいは回路板を水洗する水の温度を3
0〜50℃に管理しつつ回路板を水洗し、あるいは気泡
を回路板の表面に作用させつつ水洗をおこなうようにし
たので、回路板の表面に残留する不純イオンを低減する
ことができ、大量の水を消費することなく、銅回路パタ
ーン間の絶縁劣化を低減して銅回路パターン間の絶縁信
頼性を確保することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路板の櫛型パターンを示す概略図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路板を酸洗した後、水洗し、次いで回
    路板の表面の銅回路を酸化処理するにあたって、硫酸を
    ベースとする酸溶液で酸洗をおこなうことを特徴とする
    回路板の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 回路板を酸洗した後、水洗し、次いで回
    路板の表面の銅回路を酸化処理するにあたって、回路板
    を水洗した水の水質がpH4.8以上になるように管理
    しつつ回路板を水洗することを特徴とする回路板の表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】 回路板を酸洗した後、水洗し、次いで回
    路板の表面の銅回路を酸化処理するにあたって、回路板
    を水洗した水中の銅イオン濃度が0.25ppm以下に
    なるように管理しつつ回路板を水洗することを特徴とす
    る回路板の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 回路板を酸洗した後、水洗し、次いで回
    路板の表面の銅回路を酸化処理するにあたって、回路板
    を水洗する水の温度を30〜50℃に管理しつつ回路板
    を水洗することを特徴とする回路板の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 回路板を酸洗した後、水洗し、次いで回
    路板の表面の銅回路を酸化処理するにあたって、気泡を
    回路板の表面に作用させつつ水洗をおこなうことを特徴
    とする回路板の表面処理方法。
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