JPH0628209Y2

JPH0628209Y2 - 超音波霧化器

Info

Publication number: JPH0628209Y2
Application number: JP1988117412U
Authority: JP
Inventors: 学徳鴫原; 俊平福田
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1988-09-08
Filing date: 1988-09-08
Publication date: 1994-08-03
Anticipated expiration: 2003-09-08
Also published as: JPH0240473U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、超音波振動を利用して水、灯油等の液体を霧
化する超音波霧化器に係り、とくに霧化粒子の均一化を
図った超音波霧化器の構造の改良に関する。

（従来の技術）本出願人は、特願昭６１−３０９１１３号でボルト締め
ランジュバン型振動体の構造を利用して液体の汲み上
げ、霧化を行う超音波ポンプを提案している。この特願
昭６１−３０９１１３号に示した如き超音波ポンプの構
造を利用した超音波霧化器の基本構造を第４図に示す。

この第４図において、超音波霧化器は、水（または液
体）を負荷として動作するポンプ作用と霧化作用を兼ね
たランジュバン型振動体構造を成すものである。すなわ
ち、超音波振動体としての金属製軸体１は中心軸上に１
個の液体吸い上げ用通路としての貫通穴（液体供給穴と
なる）６を有し、下部にポンプ機能のための円板状部５
が形成されるとともに、上部に霧化機能のための振幅拡
大ホーン部２０及び円板状部２１を備えている。軸体１
の中間部はボルト状であって雄螺子部２，３が形成され
ている。前記貫通穴６の下方の開口は軸体１の下端面
（すなわち円板状部５の下端面）の中央に位置し、上方
の開口は軸体１の上端面（すなわち円板状部２１）の中
央に位置している。

そして、雄螺子部２，３間の軸体外周、すなわち圧電素
子配置部分に、円環状ワッシャ８、円環状電極板９Ａ、
円環状圧電素子１０Ａ、円環状電極板９Ｂ、円環状圧電
素子１０Ｂ、円環状電極板９Ｃ、円環状ワッシャ１２及
び皿ばね１３を挿置し、さらに軸体１の雄螺子部２，３
にナット１１Ａ，１１Ｂをそれぞれ螺合し、締め付ける
ことによって、圧電素子１０Ａ，１０Ｂ等の各部材は軸
体１に締め付け一体化される。すなわち、圧電素子１０
Ａ，１０Ｂと軸体１との関係はボルト締めランジュバン
型振動子とほぼ同様な構造となっている。

なお、各圧電素子１０Ａ，１０Ｂの一方の電極面は、中
間の電極板９Ｂに接続し、他方の電極面は両側の電極板
９Ａ，９Ｃにそれぞれ接続する。

このような超音波霧化器は、下部の円板状部５が水等の
液体Ｐに浸っている場合、電極板９Ｂと９Ａ，９Ｃとの
間に高周波電圧を印加すれば、圧電素子１０Ａ，１０Ｂ
は超音波振動（例えば厚み振動）を発生し、その振動は
軸体１の下部で拡大され、下端の円板状部５に拡大され
た超音波の縦振動（第４図の矢印Ｒのような軸に平行な
方向の振動）を引き起こす。この軸体下端の円板状部５
の縦振動は、矢印Ｓのように液体吸い上げ用通路となる
貫通穴６を吹き上げる向きの流れを引き起こし、これと
ともに、水等の液体は空気に比べ超音波が伝搬しやすく
粘性が高い性質があるので液体吸い上げ用貫通穴６内の
液体を超音波振動が上昇する方向に進行して行き、また
貫通穴６内面が収縮する呼吸作用等の理由のため、液体
吸い上げ用貫通穴６を上昇した液体は、その上部開口に
位置する円板状部２１の上端面の超音波振動にて霧化さ
れ、霧化粒子（噴霧粒子）となって大気中に飛散する。

（考案が解決しようとする課題）ところで、第４図の基本構造の超音波霧化器を、空気調
和機や冷蔵庫のドレイン排水を霧化して蒸発させてしま
う用途や液体燃料の霧化等に利用することが本出願人よ
り考慮されているが、このような場合には霧化粒子が蒸
発、気化し易いように、粒径のばらつきを少なくし、大
粒の粒子の発生を防止する必要がある。しかし、第４図
の基本構造では、液体吸い上げ用通路として所要の霧化
量に対応した比較的内径の大きな１個の貫通穴６を設け
た構造であり、円板状部２１による霧化を受けずに直接
貫通穴６より大粒の液体粒子が飛散したり、円板状部２
１で一旦霧化された液体粒子が２次凝集して大径粒子と
なることが避けられない嫌いがあった。

本考案は、上記欠点を除去し、均一な霧化粒子を発生可
能な超音波霧化器を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は、複数の中空細管を上端部分を除いた部分にお
いて結束して下端開口が液中に浸る複数の液体吸い上げ
用通路を有する超音波振動体を構成し、該超音波振動体
の外周の途中位置にスリーブを固着し、該スリーブの外
周に複数枚の環状圧電素子を挿置して締め付け手段で締
め付け一体化した構成により、上記従来の問題点を解消
している。

（作用）本考案の超音波霧化器では、複数の中空細管を上端部分
を除いた部分において結束して下端開口が液中に浸る複
数の液体吸い上げ用通路を有する超音波振動体を採用し
ており、液体吸い上げ用通路として１個の貫通穴を用い
た従来の場合に比べ個々の液体吸い上げ用通路の開口は
充分小さくてよく、大径の液体粒子の飛散を防止するこ
とができる。また、各中空細管の上端部分は結束されな
いでフリーになっているので各中空細管毎に自由に振動
でき、隣接する中空細管からでた霧化粒子が２次凝集す
る割合を低くできる。しかも各液体吸い上げ用通路の液
体吸い上げ量の合計が霧化量となり、充分な霧化量を得
ることができる。

（実施例）以下、本考案に係る超音波霧化器の実施例を図面に従っ
て説明する。

第１図は本考案の第１実施例を示す。この図において、
複数の液体吸い上げ用通路を有する超音波振動体とし
て、芯材となる細い中空細管３０を多数本結束一体化し
て途中位置にボルトスリーブ３１を嵌めて固着した構造
のものを使用している。ここで、多数本の中空細管３０
はステンレス等の金属パイプ（例えば直径０．５mm）で
あり、それらの中空細管３０の結束一体化は、霧化のた
めの上端部分Ｕを除いた残りの部分の総てでろう付け等
の溶着で実施され、各中空細管３０が軸方向に位置ずれ
を起こさないようにする。また、束ねた中空細管３０に
対するボルトスリーブ３１の固着もろう付け等の溶着で
行うことができる。ボルトスリーブ３１の材質も中空細
管３０と同様のステンレス等の金属である。

そして、ボルトスリーブ３１の雄螺子部２，３を利用し
て圧電素子１０Ａ，１０Ｂを締め付け一体化する。すな
わち、ボルトスリーブ外周に、円環状ワッシャ８、円環
状電極板９Ａ、円環状圧電素子１０Ａ、円環状電極板９
Ｂ、円環状圧電素子１０Ｂ、円環状電極板９Ｃ、円環状
ワッシャ１２を挿置し、雄螺子部２，３にナット１１
Ａ，１１Ｂをそれぞれ螺合し、締め付ける。

第１図の第１実施例の構成において、結束した多数の中
空細管３０の下部が水等の液体Ｐに浸っている場合、電
極板９Ｂと９Ａ，９Ｃとの間に高周波電圧を印加すれ
ば、圧電素子１０Ａ，１０Ｂは超音波振動（例えば厚み
振動）を発生し、各中空細管３０の内部を第４図の基本
構造と実質的に同様の動作原理に基づき液体が吸い上げ
られて各中空細管３０の上端開口に達する。各中空細管
３０の上端部分Ｕ（好ましくは上端開口からこれに最も
近い振動の節までの区間）は自由に振動可能なように結
束されずフリーとなっているので、中空細管３０の上端
開口に達した液体は当該上端開口の超音波振動で霧化さ
れ、略均一な粒子となって飛散する。ここで、各中空細
管３０の上端部分はそれぞれ独立して振動可能になって
いるから、隣接する中空細管３０の開口より出た粒子が
２次凝集する割合を低くできる。

なお、第１図の超音波霧化器の支持は、例えばワッシャ
８又は１２等を利用したりして実行できる。

第２図は本考案の第２実施例を示す。この図において、
芯材となる細い中空細管３０を多数本束ねボルトスリー
ブ３１を嵌め、当該ボルトスリーブ３１の内側部分にお
いて中空細管３０をろう付け等で溶着し、さらに上スリ
ーブ３５及び下スリーブ３６で多数本の中空細管３０を
密着させ、締め付けて結束一体化する。ここで、上下ス
リーブ３５，３６はボルトスリーブと同様にステンレス
等の金属である。そして、ボルトスリーブ３１と上下ス
リーブ３５，３６とをろう付け等で溶着する。但し、中
空細管３０の霧化のための上端部分Ｕは結束されないフ
リーな部分となっている。

なお、ボルトスリーブ３１への圧電素子１０Ａ，１０Ｂ
の締め付け一体化は第１図の場合と同様である。また、
ボルトスリーブ３１でその内側部分の中空細管３０を密
着締め付けできれば、ボルトスリーブ３１の内側部分の
溶着は省略できる。

第２図の第２実施例の場合、多数本の中空細管３０の結
束を上下スリーブ３５，３６で締め付けて行うことがで
き、中空細管３０どうしを溶着する部分を必要最小限に
することができる。

第３図は本考案の第３実施例を示す。この場合、芯材と
なる多数本の細い中空細管３０の中央部に空気導入管３
７を配置し、第２図と同様にボルトスリーブ３１と上ス
リーブ３５と下スリーブ３６とを設けて多数本の中空細
管３０及び空気導入管３７を結束一体化している。ここ
で、空気導入管３７は中空細管３０と同様のステンレス
等の金属パイプであり、中空細管３０よりも短く、中空
細管３０の下部が液体中に浸ったときでも下端開口が液
面よりも上になるようにしている。また、下スリーブ３
６の側面には空気導入穴３８が形成されている。なお、
ボルトスリーブ３１への圧電素子１０Ａ，１０Ｂの締め
付け一体化は第１図の場合と同様である。

第３図の第３実施例の構成は、液体の霧化と同時に空気
を空気導入穴３８、空気導入管３７を通して上方に導入
でき、ガソリン等の液体燃料の霧化と同時に空気と混合
する等の用途に好適である。

（考案の効果）以上説明したように、本考案の超音波霧化器によれば、
複数の中空細管を上端部分を除いた部分において結束し
て下端開口が液中に浸る複数の液体吸い上げ用通路を有
する超音波振動体を構成し、該超音波振動体の外周の途
中位置にスリーブを固着し、該スリーブの外周に複数枚
の圧電素子を締め付け一体化した構成としたので、個々
の液体吸い上げ用通路の開口を充分小さくでき、かつ各
中空細管の上端部分を自由に振動させることで霧化粒子
の２次凝集を防止でき、大粒の液体粒子の放出を防止し
て均一な霧化粒子を多量に発生することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る超音波霧化器の第１実施例を示す
縦断面図、第２図は本考案の第２実施例を示す縦断面
図、第３図は本考案の第３実施例の縦断面図、第４図は
本出願人が先に提案しているポンプ機能を持つ超音波霧
化器の基本構成を示す縦断面図である。１……軸体、２，３……雄螺子部、１０Ａ，１０Ｂ……
圧電素子、１１Ａ，１１Ｂ……ナット、３０……中空細
管、３１……ボルトスリーブ、３５，３６……スリー
ブ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数の中空細管を上端部分を除いた部分に
おいて結束して下端開口が液中に浸る複数の液体吸い上
げ用通路を有する超音波振動体を構成し、該超音波振動
体の外周の途中位置にスリーブを固着し、該スリーブの
外周に複数枚の環状圧電素子を挿置して締め付け手段で
締め付け一体化したことを特徴とする超音波霧化器。