JPH06277267A - 高圧液体連続処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 多数の油圧ユニットからなる駆動装置を用い
ず、かつ、少い消費エネルギーで効率的に作動する高圧
液体連続処理装置を提供すること。 【構成】 フリーピストン１０ａ，１０ｂを内蔵する直
列コンバータ３と、フリーピストン９ａ，９ｂを内蔵す
る直列コンバータ４が並列に配置されこの２組のコンバ
ータ３，４に対し１組の高圧水ポンプ５が配置されてい
る。高圧水ポンプ５の加圧水は導管３０，３１を介して
コンバータ３，４のフリーピストンの内側へ供給されて
フリーピストンを駆動する。被処理液がコンバータ３の
左側液室１０ａへ供給されると右側液室１０ｂ内に行っ
ていた処理物が排出され一方のコンバータ４では被処理
液が左側液室１１ａから高圧容器１へ送られ、右側液室
１１ｂには処理液が流入される。コンバータ３の左側液
室１０ａへ供給された被処理液は高圧水ポンプ５からの
加圧水で加圧され、加圧後の被処理液は前記したように
高圧容器１へ送られ、その際右側液室には処理液が流入
され右側液室の処理液が減圧される。以上２組のコンバ
ータ３，４が順次連続して行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液状、ペースト状の食
品或いは医薬品等の被処理物を高圧容器内で高圧処理す
る装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、食品の殺菌或いは殺虫には、加
熱、化学薬品処理、放射線或いは紫外線の照射等が行わ
れているが、その際有効成分の破壊や悪性物質の生成を
招いている。これに対し、近年高圧処理による殺菌、殺
虫方法の研究が盛んであるが、この高圧処理手段では前
記のような悪影響が生じないことが知られている。

【０００３】図５に従来の食品等の高圧処理装置の例を
示す。図示するように、本装置は高圧容器１' への被処
理液の注入及び高圧容器１' からの処理液の排出のため
に、増減圧レシプロポンプ５' 及び同ポンプ５' の減圧
ポンプ側に補助増減圧レシプロポンプ４' を接続設置
し、またこれらを通過する往回路２９' には自動開閉弁
２５'a，２５'b及び圧力計２４'aを、復回路３０'には
自動開閉弁２６'a，２６'b及び圧力計２４'bをそれぞれ
設置している。

【０００４】補助増減圧レシプロポンプ４' では被処理
物に対する増圧，減圧作用を行ない、増減圧レシプロポ
ンプ５' では被処理物の循環・排出作用を行なうように
する。これら各ポンプ４' ，５' の増減圧及び循環排出
動作の制御は、各ポンプのピストンのストロークエンド
位置をリミットスイッチ２７'a，２７'b及び２８'a，２
８'bで検出し、及び各回路圧を圧力計２４'a，２４'bで
検出し、これらの検出信号に基づいて各自動開閉弁及び
各ポンプへの油圧を適宜切替えることによって行うよう
になっている。

【０００５】ところが上記従来の装置では、増減圧ポン
プ５' 、補助増減圧ポンプ４' には油圧シリンダ部（図
示せず）及びその油圧ユニット２１' ，２２' が設置さ
れており、処理量または処理効率を高めるために上記の
各ポンプを複数組例えば４組を並列に接続して使用する
場合には、合計８組の油圧ユニットが必要となって設置
スペースの増加、設備コストの増加を招くと共に油圧制
御系が複雑になるなどの問題があった。また、増減圧ポ
ンプ、補助増減圧ポンプの摺動シールは被処理液を直接
高圧シールする必要があり、シール構造、材質が特殊に
なり高価になるという問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は多数の油圧ユ
ニットからなる駆動装置を使わず、その設置スペースが
小さくてよい高圧液体連続処理装置を提供することを課
題としている。また、本発明は少い消費エネルギーで効
果的に高圧処理することのできる高圧液体連続処理装置
を提供することを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、高圧容器内に
おいて、予め設定された圧力を維持しながら連続的に液
状被処理物を高圧処理する高圧液体連続処理装置におけ
る前記課題を解決するため、移動自在に嵌合されたフリ
ーピストンを内蔵するコンバータを２基直列に連結し、
同連結部に高圧水ポンプ及び高圧水放出弁を接続すると
ともに、一方のコンバータの連結側と反対側に被処理液
の供給口を設け、他方のコンバータの連結側と反対側に
処理液の排出口を設け、更に同供給口と排出口を前記高
圧容器を介して連通した高圧液体連続処理装置を提供す
るものである。

【０００８】

【作用】１組の高圧送液ポンプに対して２組のコンバー
タを並列配置することにより、各組のコンバータに順次
供給された液状被処理物は高圧送液ポンプによって順次
加圧されて給送され、高圧容器へ注入されて高圧処理さ
れる。一方、高圧処理された液状処理物は上記供給動
作、加圧動作及び給送動作と連動し、各組のコンバータ
へ順次導入され、減圧されて排出される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面によって説明
する。図１〜図４は本発明の高圧液体連続処理装置の構
成及びその動作手順を示したものである。図示するよう
に、高圧容器１内には液状被処理物を収容する高圧加圧
室２が形成され、同高圧容器１の入側と連通する供給側
導通管２３及び出側と連通する排出側導通管２４には２
組のコンバータ３，４が並列接続され、この２組のコン
バータに対して１組の高圧水ポンプ５が配置された構成
である。

【００１０】各コンバータ３，４はそれぞれ左右に液室
１０ａ，１０ｂ及び１１ａ，１１ｂを有し、また各液室
内にはそれぞれフリーピストン８ａ，８ｂ及び９ａ，９
ｂが移動自在に嵌合されており、同ピストンの移動に応
じて被処理物または処理物を左右の液室内に一時貯留す
る。また、高圧水ポンプ５は中央に油圧シリンダ２０及
びその左側、右側に水室２２ａ，２２ｂを有し、これら
シリンダ２０、各水室２２ａ，２２ｂ内に共通ピストン
２１を移動自在に嵌合した構成を有している。

【００１１】水供給ポンプ７によって水室２２ａ，２２
ｂ内に水を供給したのち、油圧シリンダ２０の左・右室
に交互に油圧を作用させてピストン２１を往復動させる
ことにより水室２２ａ，２２ｂ内の水を加圧し、導通管
３０，３１を介して前記コンバータ３，４の各フリーピ
ストン８ａ，８ｂ及び９ａ，９ｂの背面側２６ａ，２６
ｂ及び２７ａ，２７ｂへ供給するようになっている。

【００１２】これにより、各フリーピストンは左右に移
動して液室１０ａ，１１ａ内の被処理物を加圧して給送
し、或いは液室１０ｂ，１１ｂ内の処理物を減圧して排
出させる。これら各フリーピストンの動きはリミットス
イッチ（図示せず）等の位置センサーによってそのスト
ロークエンド位置で検出される。

【００１３】一方、供給側導通管２３とコンバータ３と
の接点を挟んで自動開閉弁１６ａ，１６ｂ及び圧力計２
８ａが、また、供給側導通管２３とコンバータ４との接
点を挟んで自動開閉弁１８ａ，１８ｂ及び圧力計２９ａ
がそれぞれ設置されている。排出側導通管２４とコンバ
ータ３との接点を挟んで自動開閉弁１７ａ，１７ｂ及び
圧力計２８ｂが、また、排出側導通管２４とコンバータ
４との接点を挟んで自動開閉弁１９ａ，１９ｂ及び圧力
計２９ｂがそれぞれ設置されている。

【００１４】コンバータ３及び４と高圧水ポンプ５及び
排液タンク３２，３３とをつなぐ導通管３０，３１には
それぞれ自動開閉弁１２ａ，１２ｂ，１２ｃ及び１３
ａ，１３ｂ，１３ｃが設置されている。そして、これら
各自動開閉弁の開閉は前記位置センサ（図示せず）及び
各圧力計２８ａ，２８ｂ，２９ａ，２９ｂの検出記号に
基づいて行われるようになっている。なお１４，１５及
び２５ａ，２５ｂは逆止弁である。

【００１５】次に本装置の作用を説明する。まず前工程
の減圧動作によってコンバータ３の右側液室１０ｂ内が
減圧されたことを圧力計２８ｂによって検出すると、そ
の検出信号に基づいて供給側自動開閉弁１６ａが開、１
６ｂが閉、排出側自動開閉弁１７ａが開、１７ｂが閉ま
た高圧送液ポンプ側自動開閉弁１２ａ，１２ｂ及び排水
タンク側自動開閉弁１２ｃが共に閉となり、液供給ポン
プ６によって未処理の被処理物がコンバータ３の左側液
室１０ａ内に供給されてフリーピストン８ａは右方へ移
動し、これと連動してフリーピストン８ｂも右方へ移動
し、前工程で高圧処理され、右側液室１０ｂ内に一時貯
留されていた処理物は排出される（図１）。なお他方の
コンバータ４側ではこの供給・排出動作と連動して加圧
された被処理物の給送及び高圧処理された処理物の右側
液室１１ｂ内への導入が行われる。

【００１６】コンバータ３の左側液室１０ａ内に被処理
物が充満し、フリーピストン８ａが右方ストロークエン
ド位置に達したことを位置センサが検出すると、その検
出信号に基づいて供給側，排出側自動開閉弁１６ａ，１
６ｂ，１７ａ，１７ｂがすべて閉、高圧水ポンプ側自動
開閉弁１２ａが開、１２ｂが閉、また排水タンク側自動
開閉弁１２ｃが閉となる。これにより水供給ポンプ７か
ら供給された水は高圧水ポンプ５によって加圧されてコ
ンバータ３のフリーピストン８ａ，８ｂの背面側２６
ａ，２６ｂへ供給され、これによりフリーピストン８ａ
が左方へ移動し、液室１０ａ内被処理物は加圧される
（図２）。なお他方のコンバータ４側ではこの加圧動作
と連動して右側液室１１ｂ内処理物の減圧動作が行われ
る。

【００１７】コンバータ３の液室１０ａ内の被処理物が
所定圧まで昇圧したことを圧力計２８ａが検出すると、
この検出信号に基づいて自動開閉弁１６ａが閉、１６ｂ
が開、１７ａが閉、１７ｂが開、また自動開閉弁１２
ａ，１２ｂが共に開、１２ｃが閉となり、つづいて高圧
水ポンプ５により水室２６ｂ内の加圧水を水室２６ａに
移送する。これによりフリーピストン８ａ，８ｂが左方
へ移動し、左側液室１０ａ内の被処理物は給送されて高
圧容器１へ注入され高圧容器内の処理済液が液室１０ｂ
に充填される（図３）。なお他方のコンバータ４側で
は、この給送・導入動作と連動して左側液室１１ａへの
被処理物の供給及び右側液室１１ｂ内処理液の排出の各
動作が行われる。

【００１８】コンバータ３の左側液室１０ａ内の被処理
物が完全に給送されまた右側液室１０ｂ内に処理物が充
満し、フリーピストン８ａが左方ストロークエンド位置
に達したことを位置センサが検出すると、この検出信号
に基づいて自動開閉弁１６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂ
がすべて閉、また、自動開閉弁１２ａ，１２ｂが共に
閉、１２ｃが開となり、これにより右側液室１０ｂ内の
処理物は減圧される（図４）。なお、他方のコンバータ
４側ではこの減圧動作と連動して被処理物の加圧動作が
先行して行われる。

【００１９】以上の各動作を、２組のコンバータが順次
連続して実行することにより、被処理物に対する高圧処
理を連続して効率よく行うことができる。なお、ここで
は１組の高圧送液ポンプに対し、２組のコンバータを配
置した場合を示したが、１組または４組または他の複数
組のコンバータを配置しても同様の効果がある。

【００２０】上記の説明から明らかなように、本装置は
駆動部（高圧送液ポンプ）を共通化し、１組の駆動部に
対して複数のコンバータを並列配置した構成なので装置
がコンパクトになり設置スペースが狭くなる。また、駆
動部には普通の高圧水ポンプを使用するので汎用品が適
用できて設計的に有利である。更に、コンバータはフリ
ーピストン方式で、左右同圧下で摺動するので簡単なシ
ール構造が適用でき、またコンバータ内には果汁等の被
処理液や処理液と水が交互に注入、排出されるので、自
動的に洗浄効果が上り、そのため、コンバータ材料に高
級材料を使用しなくてよい。以上、本発明を図示した実
施例に基づいて具体的に説明したが、本発明がこれらの
実施例に限定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲
内で、その形状、構造に種々の変更を加えてよいことは
いうまでもない。

【００２１】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
高圧液体連続処理装置によると、１組の高圧送液ポンプ
にフリーピストンを内蔵した複数組のコンバータを並列
配置し、被処理物の加圧・給送及び処理物の減圧・排出
を各コンバータが順次連続して行うので、被処理物の高
圧処理が効率よく行われるようになる。また、装置がコ
ンパクトになって設置スペースも狭くなる。更に高圧水
ポンプは汎用的なポンプが使用できるので安価に調達で
きて有利であり、コンバータはフリーピストン方式で、
左右同圧下で摺動するので、簡単なシール構造が適用で
きるほか、コンバータ内には果汁等の被処理液や処理液
と水とが交互に注入、排出されるので、洗浄効果が発揮
され、そのためコンバータ材料には高級材料（耐食材料
等）を使用しなくてよいなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による高圧液体連続処理装置
の構成図で、被処理物がコンバータ３へ供給され、被処
理物がコンバータ４から高圧容器１へ給送されている状
態を示している。

【図２】図１と同様の構成図で、被処理物の加圧がコン
バータ３で被処理物の減圧がコンバータ４で行われてい
る状態を示している。

【図３】図１と同様の構成図で、被処理物の加圧がコン
バータ３から高圧容器へ送給され、被処理物がコンバー
タ４へ供給されている状態を示している。

【図４】図１と同様の図面で、処理物の減圧がコンバー
タ３で、被処理物の加圧がコンバータ４で行われている
状態を示している。

【図５】従来の高圧液体連続処理装置を示す構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 高
圧容器 ２ 高
圧加圧室 ３，４ コ
ンバータ ５ 高
圧水ポンプ ６ 液
供給ポンプ ７ 水
供給ポンプ ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂ フ
リーピストン １０ａ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂ 液
室 １２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１３ａ，１３ｂ，１３ｃ 自
動開閉弁 １４，１５ 逆
止弁 １６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ，１
９ａ，１９ｂ自動開閉弁 ２０ 油
圧シリンダ ２１ 共
通ピストン ２２ａ，２２ｂ 水
室 ２３，２４ 導
通管 ２５ａ，２５ｂ， 逆
止弁 ２６ａ，２６ｂ，２７ａ，２７ｂ フ
リーピストン背面側 ２８ａ，２８ｂ，２９ａ，２９ｂ 圧
力計 ３０，３１ 導
通管 ３２，３３ 排
水タンク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷本 楯夫 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧容器内において、予め設定された圧
   力を維持しながら連続的に液状被処理物を高圧処理する
   高圧液体連続処理装置において、移動自在に嵌合された
   フリーピストンを内蔵するコンバータを２基直列に連結
   し、同連結部に高圧水ポンプ及び高圧水放出弁を接続す
   るとともに、一方のコンバータの連結側と反対側に被処
   理液の供給口を設け、他方のコンバータの連結側と反対
   側に処理液の排出口を設け、更に同供給口と排出口を前
   記高圧容器を介して連通したことを特徴とする高圧液体
   連続処理装置。